【CD購入録】ROYAL HUNT「DEVIL'S DOZEN」(2015)

  • 2015/08/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
DEVILS DOZEN
ROYAL HUNT「DEVIL'S DOZEN」(2015)

僕のミュージックライフにおける最重要バンドのひとつROYAL HUNTの13作目を買いました。Andre Andersen(Key)がインタビューで前作「A LIFE TO DIE FOR」(2013)がROYAL HUNTのラストアルバムになる可能性を示唆していたため心配でしたが、こうして無事に新作を届けてくれたことが嬉しいですね。本作で繰り広げられているのはROYAL HUNTにしか作れないであろう気品に溢れたメロディックメタル。リリース前から公開されていた①So Right So Wrong、⑤Until The Day、最近の彼等にしては珍しいアップテンポの②May You Never (Walk Alone)などを筆頭にAndreらしいメロディが満載で以前から知っている曲のような気すらします(笑)。フォーキーなサウンドが顔を出す⑥Riches To Ragsはちょっと新鮮だったりするものの、予想を裏切る展開はほとんどなく安定感抜群のサウンドですね。今回も素晴らしい歌声を響かせるD.C. Cooper(Vo)もさることながら、このバンドらしさを感じるという意味では長年バックボーカルを務めるKenny Lubke(Vo/ex-NARITA)の存在が大きいと思います。

【CD購入録】ROYAL HUNT「A LIFE TO DIE FOR」(2013)

  • 2013/11/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
A LIFE TO DIE FOR
ROYAL HUNT「A LIFE TO DIE FOR」(2013)

D.C. Cooper(Vo)がまさかの復帰を果たした「SHOW ME HOW TO LIVE」(2011)に続くROYAL HUNTの12作目を買いました。基本的には前作で展開していたROYAL HUNTの王道サウンドの延長線上にある作風なので安心して聴けますね。ただ前作におけるHalf Past Lonelinessのようなキラーチューンがないためファーストインパクトはそれほど強くないかな。長年のファンとしては「EYE WITNESS」(2003)を最後にバンドを脱退したJakob Kjaer(G)②A Bullet's Taleのギターソロにゲスト参加してくれているのが嬉しいですね。僕が買った初回限定盤にはボーナスDVDが付いていてAndre Andersen(Key)へのインタビューやHalf Past LonelinessのほかHard Rain's Coming、Age Gone Wild、Far Away、Step By Stepのライブ映像が収められています(いずれも画像、音質ともにオマケレベルですが)。中でもバンドを代表するバラードFar AwayはD.C.が路上で歌い、その後ろでAndreとJonas Larsen(G)がギターを弾くというストリートバージョンで、これまでいろんなバージョンでこの曲を聴いてきた僕にとっても新鮮でした。

ROYAL HUNT「SHOW ME HOW TO LIVE」(2011)

  • 2012/05/07(月) 00:00:00

SHOW ME HOW TO LIVE
【No.327】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第4位

D.C. Cooper(Vo)加入後の2作目、ROYAL HUNTとしては通算4枚目のアルバム「PARADOX」(1997)は僕が初めて出会った神盤と呼ぶべき作品となっただけでなく、当時のBURRN!誌で90年代にデビューしたバンドとしては珍しく表紙に抜擢され、人気投票でもD.C.とAndre Andersen(Key)が各部門のチャンピオンに輝くなど、バンドは名実共に黄金期を迎えていました。ところが初のソロ作品に着手したD.C.とAndreの間に確執が生じてしまい、結果として解雇に近い形でバンドを去ったD.C.が期間限定ではあるものの約13年振りに復帰して2011年4月にツアーを敢行、その後に正式復帰してリリースされた11thアルバム。僕はD.C.の後任を務めたJohn West(Vo/ex-ARTENSION)は勿論、一般的には評価の高くないMark Boals(Vo/ex-YNGIWE MALMSTEEN、RING OF FIRE etc)期にも大好きなアルバムがありましたが、前作「X」(2010)はバンドのトレードマークでもある壮麗なサウンドを抑えた70年代ハードロック寄りの実験的な1枚でした。今後の音楽性がどういう方向に進むのか注目していた時にまさかのD.C.復帰、サウンドもバンド初期のものに回帰するとアナウンスされた今回のアルバムはその宣言通りの快作に仕上がっています。

中世の騎士が描かれたジャケットの世界観に通じる剣の鍔ぜり合いのSEと壮大なオーケストレーションに導かれていかにもAndreらしいキーボードサウンドが流れ出し、それを引き継ぐようにD.C.が「Another day is passing by~♪」と歌い出す典型的ROYAL HUNTソング①One More Dayを聴いた瞬間は思わずグッと来ましたね。もうROYAL HUNTで歌うD.C.は聴けないと思っていたのに、まさかこんな日が来るとは…。そんなオープニングに続いて、今や「ROYAL HUNT第2の声」と言っても過言ではないバックボーカルKenny Lubcke(Vo/ex-NARITA)、近作で数フレーズのリードボーカルを任されているMichelle Raitzin嬢とD.C.が共演する②Another Man Downを聴く頃にはすっかり本作の世界に引き込まれていました。全7曲と収録曲は少ないながら各曲の密度が濃い本作の全体的な印象としては、Andreの1stソロ「CHANGING SKIN」(1998)とJohn Westの初参加作品となった5th「FEAR」(1999)をミックスして各曲をコンパクトに纏め上げた作風で「PARADOX」の次に来ていても不思議ではないと思います。そんなアルバムの中で一際輝いているのが⑤Half Past Loneliness。どこかMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)を思わせる泣きまくりの歌謡曲風メロディと共に駆け抜けるこの曲は、バンドの新たなマスターピースと呼ぶに相応しいキラーチューンで2011年最高の1曲です。

このアルバムを聴き終えて改めて実感するのはJohnやMarkといったD.C.の後任シンガーも実力者揃いでしたが、ROYAL HUNTにはD.C.の声こそが相応しいということです。本作収録曲の中でもAndreが「以前よりも威厳に満ちている」と評するD.C.の声を想定して彼の復帰後に書いた前述の⑤とエンディング曲⑦Angel's GoneがアルバムのハイライトとなっていることからもD.C.とROYAL HUNT(というかAndre)の間にはマジックが存在すると言えると思います。客観的に見れば本作は3rd「MOVING TARGET」(1995)や4th「PARADOX」というD.C.在籍時の過去2作品を上回るほどではないと思うし、10分を越えるタイトル曲⑥Show Me How To Liveがドラマティックな佳曲ながら大作にする必然性が今ひとつ感じられなかったり、Far AwayLong Way Homeといった名バラードを歌ってきたD.C.のバラードが聴けなかったりする点が惜しくもありますが、D.C.の復帰を飾るには十分の力作ではないでしょうか。新加入のギタリストJonas Larsenも派手に弾きまくるタイプで近作では希薄に感じられた華やかさを加味するのに一役買っています。2012年4月から20周年ツアー(5月中旬にはその一環として来日予定)を開始するなどバンドの動きがこれまで以上に活発になってきているので、本作で物足りなく感じた点は次のアルバムに期待したいですね。

【音源紹介】
・Half Past Loneliness(Edit Version)

【CD購入録】ROYAL HUNT「FUTURE'S COMING FROM THE PAST」(2012)

  • 2012/02/28(火) 00:00:00

FUTURES COMING FROM THE PAST
ROYAL HUNT「FUTURE'S COMING FROM THE PAST」(2012)

かつてROYAL HUNTD.C. Cooper(Vo)が在籍していた90年代後半にCDとVHS媒体で発表されていた2つのライブ作品「1996」(1996)「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER~」(1998) のDVD盤を買いました。僕の中でこの2作品はこれまでに聴いたライブ作品の中でも別格で、それぞれを1996年と1998年の年間ベストアルバムに選ぶほどだったので正に待望のDVD化です(ちなみに1997年は4th「PARADOX」が年間ベストアルバムでした)。これら2作品のDVD化はD.C.復帰以前から噂は出つつも実現していなかったのでヤキモキしていましたが、D.C.の復帰作「SHOW ME HOW TO LIVE」に伴う来日の約3ヶ月前にリリースというのは最適のタイミングなのかもしれませんね。内容の方は冷静になって観ることができないほど思い入れが強いので、「ひとり宝塚」とも称されるD.C.によるのキレのあるステージアクション、Steen Mogensen(B)のベースネックと左利きギタリストJacob Kjaerのギターネックが作り出すVの字、そして「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER~」で真価を発揮するシアトリカルなステージなどを観るにつけ当時の想い出と共に「最高!」という感想しか出てきません(笑)。DVD化に際して特典映像として、映像は粗いながらも当時の来日時のオフショットが追加(一部は既発)されていて若々しいメンバーの姿を楽しむことができます。

【CD購入録】ROYAL HUNT「SHOW ME HOW TO LIVE」(2011)

  • 2011/12/08(木) 00:00:00

【CD購入録】
SHOW ME HOW TO LIVE
ROYAL HUNT「SHOW ME HOW TO LIVE」(2011)

今年の4月に実現した来日時はD.C. Cooper(Vo)の期間限定復帰という形だったのが、後にD.C.が正式復帰することを発表したROYAL HUNTの11作目を買いました。リリース前からD.C.が在籍していた頃のサウンドに回帰するという噂だった本作は、その事前情報に違わぬ仕上がりとなっています。といっても、初期のサウンドに戻ったというよりも近作の作風をベースにネオクラシカル色を濃くしたという印象ですね。気になるD.C.のボーカルはROYAL HUNTに在籍していた90年代後半、その後Alex Beyrodt(G/ex-SINNER)と結成したSILENT FORCE時代(現時点での最新作は2007年)と比べても遜色なく、深みのある中低音から突き刺すようなハイトーンまで見事な歌唱を響かせてくれています。また哀愁に満ちていながらキャッチーなAndre Andersen(Key)節とD.C.の歌声との相性の良さを再確認しました。どこかで聴いたようなフレーズ、歌メロもチラホラあるので新鮮味は希薄ですが僕は結構満足しています。

10分に及ぶタイトル曲を含めて全7曲で40分弱というボリュームはやや食い足りないような気もしますが、そのコンパクトさゆえに既に何度もリピートを誘われますね。ちなみに僕が買った初回限定盤には約40分のツアードキュメンタリーDVDが附属されています。画質、音質ともに良いとは言えませんがツアーの模様だけでなくリハーサルや震災後に来日したメンバーの様子を見ることができ、4月に参加したライブの思い出がよみがえってきました。是非ともこのラインナップをこれからも継続してもらって、次は本作では聴けなかったバラードにも期待したいですね。

【CD購入録】STEEL SEAL「BY THE POWER OF THUNDER」(2006)

  • 2011/04/23(土) 00:00:00

【CD購入録】
BY THE POWER OF THUNDER
STEEL SEAL「BY THE POWER OF THUNDER」(2006)

Marco Valerio Zanganiなるギタリストを中心としたイタリアのメロディック・パワーメタルバンドSTEEL SEALのデビュー作を買いました。このアルバムの注目ポイントは何と言ってもD.C. Cooper(Vo/SILENT FORCE、ex-ROYAL HUNT)がゲストシンガーとして全曲に参加している点。はっきり言って僕の購入動機も「D.C.が歌っているから」です。中身の方はネオクラシカル(③Theatre Of Pain、⑤When The Devil CallsはモロにYNGWIE)っぽかったり、ハードロック風だったりするメロパワ作品でD.C.も流石のボーカルパフォーマンスを披露してくれていますが、楽曲の方にこれという特徴がないのが惜しい。サウンド自体は嫌いではないんですけどね。D.C.がこのバンドの正式メンバーになる可能性は低いだろうから次作では正式シンガーが加入するのかと思っていたら、なんと2nd「REDEMPTION DENIED」(2010)では北欧の実力派で多くのバンド/プロジェクトを渡り歩いているThomas Virkstrom(Vo/STORMWIND etc)を迎えているとか。このSTEEL SEALはバンドというよりもMarcoが豪華シンガーを招いてアルバムを出すプロジェクトとしての道を歩もうとしているのでしょうか…?

SILENT FORCE「WALK THE EARTH」(2007)

  • 2010/06/22(火) 00:00:00

WALK THE EARTH.jpg
【No.243】
★★(2007)

「INFATUATOR」(2001)、「WORLDS APART」(2004)という2枚のアルバムで「歌良し、曲良し、サウンド良し」というメロディックメタルの安心ブランドとしての地位を確立し、KAMELOTとのカップリング公演で初来日も果たしたSILENT FORCEの4thアルバム。過去2作品がひたむきなまでに鋼鉄サウンドを追求した熱さ漲る作風だったのに対し、本作では若干クールダウンしていて風格や余裕のようなものが感じられる1枚となっています。

とはいえ、これまでの作品で築き上げてきたSILENT FORCEらしさは健在で③Point Of No Return、⑤The King Of Fools、⑫Picture Of A Shadowといったメロディックメタル佳曲や、物静かなイントロに導かれる緩やかなサビメロとロックンロールテイストも感じられるAlex Beyrodt(G/ex-SINNER)の弾きまくりギターソロの対比がカッコいいタイトルトラック②Walk The Earthなども楽しめます。それだけでなく⑤ではエスニックなフレーズが用いられているほか、これまでのバンドイメージからすると異色曲と言えそうなメランコリック・ゴシック調⑦Goodbye My Ghost、モダンでヘヴィなギターリフから一転して親しみやすいサビメロが登場する⑨My Independence Dayといった新機軸もあってバンドが楽曲の幅を広げようとしていることが窺えます。こうしてメロディック・パワーメタル一直線な音楽性から、より普遍的なHR/HMへシフトしている本作では、これまで以上にTorsten Rohre(Key)の巧みなキーボードワークが良い味を出していますね。またAlexと並ぶバンドの主役であるD.C. Cooper(Vo/ex-ROYAL HUNT)についても、音程をきっちりコントロールして丁寧にメロディをなぞる従来のスタイルだけでなく⑫では良い意味で荒れた歌い方を披露してくれていて新鮮でした。

ただ正直なところ物足りない部分もあります。メロディック・パワーメタルは僕の大好きなジャンルなので本作におけるメロパワ要素の減退ももちろん残念なのですが、今回はそれ以上にキャッチーなメロディがあまり聴けないというのが寂しいですね。前作がバンド史上最もメロディアスな作品だったこともあり、その落差が大きく感じられます。手堅くまとまったアルバムではあるものの、決定打に欠けるという意味ではバンドのデビュー作「THE EMPIRE OF FUTURE」に近いかもしれません。

【音源紹介】
・Walk The Earth

SILENT FORCE「WORLDS APART」(2004)

  • 2010/06/20(日) 00:00:00

WORLDS APART.jpg
【No.242】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第9位

デビュー作の時点ではやや散漫な印象があったものの、前作「INFATUATOR」(2001)で鋼鉄魂溢れるメロディックメタルというバンドの音楽性が定まってきた感のあるD.C. Cooper(Vo/ex-ROYAL HUNT)Alex Beyrodt(G/ex-SINNER)を中心とするSILENT FORCEの3rdアルバム。今回は剛直なメタルアルバムという風情でメタル道まっしぐらだった前作よりもメロディアスなサウンドへと変化してきていて、一段と僕の好きなタイプのバンドになった印象です。ガチガチのメタリックチューンが詰まっていた前作ではD.C.の天をつんざくようなシャウト/スクリームが多かったのに対し、本作ではハイトーンだけではないD.C.の煌びやかさやマイルドな歌唱を活かせるナンバーが並び、そのそれぞれがフックあるメロディを持っているというのも嬉しいポイントですね。

本作は日本人なら誰もが反応してしまう旋律で幕を開けます。「あかりをつけましょ、ぼんぼりにぃ~♪」のメロディを持ってくるという賛否両論ありそうなこのアイデアはAlexの奥様(日本人)がたまたま口ずさんでいた「たのしいひなまつり」を聞いたのがきっかけだったそうですが、①Ride The Storm自体はオープニングに相応しい疾走曲で掴みはバッチリです。パワフルなメロディックメタルを基盤にしつつ、本作ではポップとさえ呼べそうな②No One Lives Forever、④Once AgainやD.C.の古巣ROYAL HUNTを連想せる哀メロをフィーチュアした⑤Master Of My Destiny、⑥Heroesのような前作になかった要素もあるし、清廉なピアノの調べとともに始まるメロディアスバラード⑨Spread Your Wings、そしてSILENT FORCEの魅力をギュッと凝縮したスピードチューン⑪Heart Attackなど、メロディックメタルの基本レパートリーが一通り楽しめます。

アルバム全編に渡って活躍するAlexのギターは今回も聴き応えがありますが、冒頭の「たのしいひなまつり」に加えて⑦Death Comes In Disguiseではベートーベンの「第九」、⑪ではオッフェンバックの「天国と地獄」という有名なクラシック曲を取り入れている点については楽曲のシリアスなムードをスポイルしている、またはこれも面白いと見るかで本作全体の印象も変わってくるかもしれせんね。僕は基本的に後者ですが1枚のアルバムに3曲は多いかな。 楽曲単位のインパクトでは前作のPromised LandWe Must Use The Powerを越えるものこそありませんが、作品全体の完成度でいえば本作がバンドの最高傑作ですね。

【音源紹介】
・Heart Attack

SILENT FORCE「INFATUATOR」(2001)

  • 2010/06/16(水) 00:00:00

INFATUATOR.jpg
【No.241】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第9位

それまでは全く無名の存在でありながら1994年にROYAL HUNTに加入以降、1996年と1997年のBURRN!誌の人気投票シンガー部門で2年連続チャンピオンに輝くなど一気にトップシンガーの仲間入りを果たしたD.C. Cooper(Vo/ex-ROYAL HUNT)でしたが、ROYAL HUNT脱退の引き金になったと言われる初のソロアルバムやバンド脱退後にAlex Beyrodt(G/ex-SINNER)と結成したSILENT FORCEなど、彼が作曲に関わった作品では煮え切らない楽曲が多かったので、Andre Andersen(Key/ROYAL HUNT)のようにD.C.の旨みを活かせるソングライターと組んで欲しいと思っていました。SILENT FORCEの2作目に当たる本作がリリースされると聞いた時も、前作「THE EMPIRE OF FUTURE」のイメージからD.C.のソングライティングパートナーとしてのAlexに疑問符が付いていたのですが、「STRATOVARIUSと同行したツアーの中で自らの目指すべきサウンドが見えてきた」とAlexが語っているように、STRATOVARIUSに通じるメロディックパワーメタルサウンドを下敷きとしつつJUDAS PRIEST譲りのタフネスを注入したパワーメタルのお手本ともいえる本作のサウンドは前作のイマイチ感を払拭する出来栄えとなっています。

このアルバムを語る上で欠かせないのが、インパクト絶大のクサメロで疾走する④Promised Landとタイトル通り力強く勇壮なメロディを見事な構築美で聴かせる⑥We Must Use The Powerという2大メタリックチューンの存在でしょう。この2曲を聴けるだけで本作を買う価値があると思えるほどですね。その他にも、本作のストロングスタイルな作風を象徴するかのようなD.C.のシャウトがいきなり炸裂する①Overtureに続く正統派メタルソング②Fall Into Oblivion、ROYAL HUNTでは聴けなかったD.C.のRob Halford(Vo/HALFORD、ex-JUDAS PRIEST)張りのスクリームを軸に、僕がD.C.の声域で一番美味しいと思っているミドルレンジも味わえるアグレッシブな⑤Infatuatorや組曲形式の⑦Cena Libera~⑩Pain(⑩は日本盤ボーナストラック)など聴きどころは多いです。また、ラストをD.C.お得意のバラード⑭In Your Armsから静かなインスト⑮Northern Lightで締める構成もグッド。

Alexのギタープレイはブックレット写真のモロYngwie Malmsteenなルックスから想像するほどネオクラシカルに傾倒し過ぎることなく、楽曲同様に骨太かつメロディアスなサウンドで曲に山場を設けてくれていますね。最初はD.C.をフロントマンに据えているバンドとしてSILENT FORCEに注目していましたが、Alexのメロディセンスとギタープレイも僕好みです。そしてAlexのギターと時には激しく絡み合い、時には楽曲のドラマ性を高めるキーボードプレイヤーTorsten Rohreや楽曲をしっかりと支えるリズム隊も安定感があるので、上手いボーカルと演奏で楽しめるメロディックメタル作品となっていますね。メタルの中でもメロディアスなものを好む僕としては、ラスト2曲を除いて徹頭徹尾メタルな本作においてD.C.の声域が高音に偏っているように感じられるのと、全体を通して聴いた後に少し聴き疲れするのが難といえば難ですが、④と⑥というキラーチューンを軸にトータルで見ても隙の少ない好盤だと思います。


【音源紹介】
・Infatuator

SILENT FORCE「THE EMPIRE OF FUTURE」(2000)

  • 2010/06/12(土) 00:00:00

THE EMPIRE OF FUTURE
【No.240】
★(2000)

ROYAL HUNTを事実上解雇という形で脱退したD.C. Cooper(Vo)が元SINNERのギタリストAlex Beyrodtと結成したSILENT FORCEのデビュー作。バンドの中核を担うのは勿論D.C.とAlexの2人なのですが、演奏陣も後にAXXISRAGEに参加するAndre Hilgers(Ds)を含むドイツ人プレイヤーの実力者がバックを固めていて、堅実な正統派メロディックメタルを聴かせてくれています。D.C.の歌唱はこれまでと同じく魅力的だし、SINNERではスポットの当たることが少なかったように思うAlexもSILENT FORCEでは曲作りにギタープレイにと、これまで以上の存在感を発揮しています。

ただ、本作に収録されている楽曲は間違いなく僕の好きな路線ではあるのですが、アルバム全体を聴き終えた後で耳に残るメロディが少ないんですよね。語りメインのイントロダクション①The Beginningに続く②Live For The Dayでの流麗なボーカルラインとSYMPHONY XOf Sins And Shadows(3rd「DIVINE WINGS OF TRAGEDY」収録)に似たコーラスワークが登場するところで一瞬「オッ」となったり、⑤Tell Me Why、⑦Six Past The Hour辺りは結構好きなナンバーだったりしますが、収録曲の多くは聴いていても気持ちの高ぶりが少なく右から左へと流れていってしまうという感じです。ボーカル、演奏、サウンドプロダクションについては、2000年代前半に続々とデビューしたいわゆるB級メタルバンド群には到達できないであろう高みにあるとは思うのですが、肝心なメロディの印象度に物足りなさが残ります。そんな楽曲群は元々AlexがMichael Borman(Vo/JADED HEART)と組んでいたSYGNETというバンドのセカンドアルバム用に作業を進めていたものの、AlexとMichaelがコンビを解消することになったためにD.C.がそのマテリアルの歌詞とボーカルラインに手を加えて仕上げたということが今回の中途半端な出来に繋がっているのかもしれません。

D.C.は大のお気に入りシンガーの1人なだけに、ROYAL HUNT脱退後ほどなくしてこのバンドでシーンに戻ってきてくれたのは嬉しいのですが、本作を聴いてD.C.の今後の活動が少し心配になってしまったのも事実でした。まぁ、デビュー当時のSILENT FORCEはバンドというよりもプロジェクト的な印象が強かったし、本作で感じた不安感はバンドとしての結束を強めた次作2nd「INFATUATOR」で、ものの見事に吹き飛ばしてくれたんですけどね。

【音源紹介】
・Live For The Day

D.C. COOPER「D.C. COOPER」(1998)

  • 2010/04/24(土) 00:00:00

DC COOPER
【No.231】
★★(1998)

ROYAL HUNTの初代シンガーHenrik Brockmannの後任として加入し、その卓越した歌唱力でバンドのグレードを大きく向上させたアメリカ人シンガーD.C. Cooper初のソロアルバム。元々はROYAL HUNTの4th「PARADOX」のツアー終了後にバンドがオフに入る期間を利用してD.C.が念願のソロ制作に動き出していたのですが、その話を聞きつけたROYAL HUNTの頭領Andre Andersen(Key)が対抗意識を燃やして(?)D.C.より後に着手した自身のソロアルバム「CHANGING SKIN」(1998)を本作より先にリリースし、その曲名や歌詞に過去との決別を連想させる言葉や表現を用いた辺りから、どことなくキナ臭くなってきてD.C.解雇へと発展してしまったといういわくつきの1枚でもあります(あくまで僕の憶測ですが)。Andreのソロがメンバー、音楽性の両面でD.C.抜きのROYAL HUNTとも言える内容だったのに対し、本作はROYAL HUNTとの共通点を垣間見せつつも、よりオーソドックスなメロディアスHR/HM作品となっています。

D.C.がソロアルバムの作曲パートナーに選んだのはAlfred Koffler(G/PINK CREAM 69)Tore Ostby(G/ex-CONCEPTION)の2人で、バックの演奏陣もPINK CREAM 69のメンバーが全面参加、プロデュースはDennis Ward(B/PINK CREAM 69)ということもあってメンバー的にはMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)とDennisによるプロジェクトPLACE VENDOMEに近いように思いますね。これだけのメンツが揃っているだけあって一定水準以上の堅実な楽曲が並ぶ作品であると同時に、フックに満ちたメロディが印象的でコンパクトな歌ものハードロック①Dream、メタリックなスピードチューン⑤Within Yourself、⑨Take Me Inや本作のキーボードを担当するGunter Werno(Key/VANDEN PLAS)のペンによるピアノインスト⑦Chainedに導かれて始まるパワーバラード⑧Freedom(中盤のギターソロもグッド)、女性ボーカルも登場してドラマティックに展開するプログレ風大作⑫The Unionなど、バラエティもなかなか豊富です。ROYAL HUNTでは聴けないタイプの楽曲もあるので楽しめるのですが、どうにも決め手となる曲がないように思えるというのが正直な感想です。

D.C.の歌は改めて触れるまでもなく伸びやかなハイトーンから深みのある低音まで余裕を持って聴かせてくれているし、演奏もしっかりしていてプロダクションも上々なのに手堅くまとまりすぎているために面白味に欠ける…なんていうのは贅沢な話だとわかっているんですけどね。このモヤモヤ感は「ELECTRIFIED」(1998)より後にリリースされたPINK CREAM 69の作品群と似ているようにも感じます。本作収録曲のクレジットはD.C.とAlfredまたはToreによる共作となっていますが、ライナーノーツ内のD.C.による楽曲解説を見ても音楽的な部分ではなく歌詞に解説が集中しているので、楽曲の根幹はAlfredらが手がけ、D.C.は歌詞や歌メロを乗せたのかなと思ってみたり。ちなみに本作発表後D.C.はAlex Beyrodt(G/ex-SINNER)と結成したSILENT FORCEを中心に活動しているため、ソロ名義作品は現時点でこのアルバム1枚のみです。

【音源紹介】
・Dream

ROYAL HUNT「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER~」(1998)

  • 2010/04/18(日) 00:00:00

ROYAL HUNT CLOSING THE CHAPTER
【No.229】
★★★★★(1998)
年間ベスト1998年第1位

僕にとって生まれて初めて出会った神盤というべき作品であり、今でもDREAM THEATER「METROPOLIS PT.2」と並んで、これまでに聴いたアルバムの中でも別格の存在であるROYAL HUNTの4作目にして初のコンセプトアルバム「PARADOX」を完全再現したライブ盤。本作が収録された1997年10月6日の赤坂BLITZ公演当日は「PARADOX」を丸ごと演奏する第一部と通常のライブ形式をとった第二部から構成されていたらしく、このアルバムはその第一部を収めたものです。コンセプトアルバムを再現したライブであるためMCは一切なく、ぶっ続けで演奏されています。

率直な感想としては「『PARADOX』は何度聴いても素晴らしい」の一言ですね。ライブでもその世界観を見事に再現したバンドに拍手を送りたいです。しかも、本編にあたる②The Awakeningが始まる前に荘厳な①Ave Maria Guaraniが収録されていたり、D.C. Cooper(Vo)がスタジオ以上にハイトーンやシャウトを決めていたりと、あちこちでライブならではのアレンジがなされているのが嬉しいポイント。極めつけはスタジオ盤でも僕を涙させてくれたJacob Kjaer(G)によるギターソロが独自のアレンジを加えて延長されている⑦Time Will Tellですね。僕は1998年にリリースされたCDとVHS(時代を感じますね)がセットになったものを持っているのですが、本作は映像とともに楽しみたいライブです。というのも、今回のツアーは「PARADOX」のジャケットにも登場するステンドグラスを模した大掛かりなセットを準備していたり、照明の配色やタイミングにもかなり凝っているなど見応えがあるからです。前述した「PARADOX」最大のハイライトである⑦のギターソロでは、ステージ上のスポットライトを一身に浴びながら哀愁のメロディを紡ぎ出すJKの姿が感動を増幅してくれていてエライことになっています。

また歌唱力だけでなく魅せることにも長けた稀代のフロントマンD.C. Cooperも④Tearing Down The Worldで激しいステージアクションを決めたかと思えば、バラード⑥Long Way Homeではロングコートに身を包み玉座に腰を下ろしながら歌うなど、楽曲毎の見せ方にもこだわりが感じられます。バンドメンバー5人とMaria McTurk、Lise Hansenの女性コーラス2人が一体となって大団円を迎えるエンディング曲⑨It's Overのライブ映像を目にした時は、その計算され尽くしたメンバーの動きやライティング、ステージ上のセット、そして楽曲の素晴らしさに胸が熱くなりました。時代の流れとともにビデオデッキが過去のものとなり、映像作品はDVDで見るのが主流となったためVHS版である本作を最後に見てから10年近く経つのですが、今でも本ライブの見事なステージングは僕の脳裏に焼き付いています。「PARADOX」の続編である「COLLISION COURSE:PARADOX Ⅱ」がリリースされた2008年に「本作がDVD化されるのでは?」と噂されましたが、結局再発されたのはデビュー作から5th「FEAR」までのオリジナルアルバムのみでした。本作は是非ともDVD盤として再発して欲しいですね。僕は迷わず買い直しますよ!

【音源紹介】
・Time Will Tell(Live)

ROYAL HUNT「MOVING TARGET」(1995)

  • 2010/04/14(水) 00:00:00

MOVING TARGET.jpg
【No.228】
★★★★(1995)
年間ベスト1995年第2位

過去2作品で順調な成長振りを見せつけてくれたROYAL HUNTの3作目。僕が初めてリアルタイムで聴いたROYAL HUNTのアルバムでもある本作の話題はやはりシンガーの交代劇ですね。声域は広くはないものの、なかなか味のある歌声を聴かせてくれていたHenrik Brockmann(Vo)の後任として加入したアメリカ人シンガーD.C. Cooperの圧倒的な歌唱力が、この作品だけではなくバンドそのものを大きくグレードアップさせています。艶のある声質で歌う中低音域と伸びやかなハイトーンを駆使するD.C.のボーカルパフォーマンスに負けじとバンドの演奏陣、サウンドプロダクションの面でも更にパワーアップした本作はROYAL HUNTの出世作だと思います。

楽曲に関しては従来の煌びやかで華麗な雰囲気は減退した一方、よりドラマティックでメロディに深みと洗練性が増した印象で、静かなイントロからスリリングに展開する①Last Goodbyeと徹底したドラマティシズムで貫かれた名曲⑨Timeの2曲が本当に素晴らしいですね。この2曲を聴くためだけに本作を買っても良いと思えるほどです。そんな2大キラーチューンをオープニングとエンディングに配した本作はそれ以外にも、インストをベースにした曲調の中で説得力あるD.C.のボーカルが光る②1348、阪神大震災の被災者に捧げたバラード④Far Away(ラストで聴けるD.Cの熱唱が素晴らしい)、初期ROYAL HUNTの作品ではお馴染みのクラシカルなインスト⑥AutographJacob Kjaer(G)による泣きのギターが活躍する⑦Stay Downなど充実しています。中でも④は震災を体験した僕にとっては特別な1曲ですね。

バンドのブレインであるAndre Andersen(Key)の世界観を表現するためにD.C.というこの上ないシンガーを手に入れたROYAL HUNTがワンランク上のバンドになったと感じさせてくれる名盤。疾走系の曲が減ったこともあり、わかりやすさという点では前作に一歩譲るかもしれませんが、D.C.と女声コーラスが織り成すボーカルパートと円熟味を増したバンドサウンドが一体となって押し寄せてくる楽曲が詰まった本作は、総合的に見て過去2作を上回る完成度を誇っています。なお、2008年のリマスター盤にはD.C.のお披露目音源ともなったシングル「FAR AWAY」にのみ収録されているインストDouble Conversion、D.C.が歌うライブ音源2曲とFar Awayのアコースティックヴァージョン(4th「PARADOX」の先行シングル「MESSAGE TO GOD」のカップリングかな)の計4曲が追加されていてお買い得です。


【音源紹介】
・Last Goodbye

ROYAL HUNT「PARADOX」(1997)

  • 2008/07/09(水) 22:27:28

PARADOX

【No.008】
★★★★★(1997)
年間ベスト1997年第1位

3rdアルバム「MOVING TARGET」とそれに伴う来日公演の模様を収録したライブ盤「1996」の比類なき完成度で、僕を感動させてくれたROYAL HUNTの4作目にして、僕のミュージックライフの中でも超名盤となっている1枚。今回は「宗教」「神」「人間」をテーマにした、バンド初のコンセプトアルバムとなっています。前作で確立した徹底的なドラマティックワールドの中で、明確なテーマを持ったサウンドはこれまで以上にシリアスな印象。曲間にSEや台詞をはさみ、全8曲でひとつの物語が展開していく圧倒的な構成力はAndre Andersen(Key)の底なしの才能を改めて感じさせてくれます。

アコースティックギターとフルートをバックにバンドの看板シンガーD.C. Cooper(Vo)がディープな低音で歌い始めるイントロダクション①The Awakeningからトライバルなリズムに導かれてミドルチューン②River Of Painが始まります。分厚いキーボードサウンドとROYAL HUNTとしては珍しいオルガンサウンドで彩られた②は円熟味さえも感じさせる堂々とした1曲。そこから切れ目なく繋がる③Tearing Down The Worldはバンド初期にも通じる劇的かつメタリックな疾走チューンで一気に駆け抜けます。物悲しいピアノとSteen Mogensen(B)のベースサウンドから始まる④Message To Godはミッドテンポの曲で、非常によく練られていた歌メロが絶品。そして①のメロディを更に展開させたバラード⑤Long Way Homeはドラマティックな曲調と、曲後半でのD.Cの情感のこもったヴォーカルパフォーマンスが素晴らしい。

そしてここからアルバムは怒涛の後半に突入し、緊張感に満ちたリフから様々なパートが入り乱れる9分弱の大作⑥Time Will Tellへ。この曲の聴きどころは終盤の女性コーラスの後に来るJacob Kjaer(G)の泣きまくりのギターソロで、その凄まじさはこのアルバム最大のハイライトといえるほどです。ギターソロから再び女性コーラス、銃声のSEを挟んで続く⑦Silent Screamはキーボードの美しいイントロから、メロディアスハードかと思えるほどキャッチーなサビへと至る流れが耳に残る本作随一のお気に入り曲です。そして息をつかせぬプログレ風インタープレイが繰り広げられる⑦の終盤からエンディング⑧It’s Overへ雪崩れこんでいく展開は圧巻。⑧も曲単体で見ればEpilogueTimeのような即効性はないものの、この曲の持つ儚さは、このコンセプトアルバムを締めくくるにはピッタリでしょう。最後は再び①に共通するメロディと歌詞「It was a long way home…」でアルバムは幕を降ろします。

とにかく1曲1音たりとも無駄のないドラマティックなメタルの極致。Andreの作曲/アレンジ能力、D.Cの歌唱力、JKのソウルフルなギター、安定したリズム隊と、このバンドの魅力が余すことなく詰め込まれたアルバムで、作品が発表されてから10年以上になる今も愛聴しています。メタルを聴き始めて2年近くが経過した1997年に、僕が初めて出会った生涯聴き続けるであろう名盤です。このアルバムのこととなると、つい長文になってしまいますね。それほど、思い入れのある1枚です。

【音源紹介】
・Message To God

ROYAL HUNT「1996」(1996)

  • 2008/07/07(月) 21:11:11

1996.jpg

【No.007】
★★★★★(1996)
年間ベスト1996年第1位

1996年にアルバムを購入した当時、半年以上に渡って僕がひたすら聴きまくった本作はROYAL HUNT初のライブアルバム(2枚組)で、今聴き返してもこの頃(1996年の来日時)がバンドの絶頂期だったと思える作品です。本作を語る上で欠かせないのが、D.C. Cooper(Vo)の圧倒的なボーカルパフォーマンス。突き抜けるようなハイトーンから腹にズシリと響いてくるミドルレンジまで、文句のつけようのない歌唱力です。それだけでなくステージ上での観客の盛り上げ方、同時発売されたVHS版でのド派手なステージアクションも見どころで、あれだけ動きながら安定感のある歌唱ができるんだから凄い。「ゴキゲンイカガー」など、意味不明な日本語MCはご愛嬌。

セットリストもほぼ完璧で、これまでリリースした3枚のアルバムからバランスよく選曲していて当時のベストテイクといえそうな内容です。1st、2ndアルバムの楽曲群がD.Cの絶品歌唱で見事に生まれ変わっているのも嬉しいですね。特にアコースティックセットとして演奏されるDisc-2⑦Age Gone Wildは、「こんな素晴らしい曲だったのか」と楽曲の魅力を再確認できました。D.Cの極上パフォーマンス以外にも演奏陣の素晴らしいテクニックを収めた各パートのソロを収録してあるのもポイント。

このライブ盤には、オリジナル以上にドラマティックに生まれ変わった楽曲と、その魅力を増幅させるための女性バックコーラスも配されてるため、本作を買ってからというもの初期3枚のオリジナルアルバムを聴く機会は激減しました。Disc-2⑪Time冒頭でのD.Cと女性バックコーラスによるサビのア・カペラから、Andre Andersen(Key)が奏でるチェンバロサウンドに至る流れは涙なくして聴けないほど感動的。ROYAL HUNTを初めて聴くという人には、本作を試しに聴いてみることを強くお薦めしたいです。この作品に心底惚れ込んだ僕は150分テープ(まだMDも持ってませんでした)にダビングして、高校通学時にテープが擦り切れるほど聴きました。ホント、1996年はこのライブ盤ばっかり聴いてましたね。

【音源紹介】
・Kingdom Dark(Live)


・Time(Live)