AMARANTHE「MAXIMALISM」(2016)

  • 2018/03/16(金) 00:00:00

MAXIMALISM.jpg
【No.510】
★★★(2016)

デビュー以降コンスタントにアルバムを発表し、その度に単独で来日したりメタルの祭典LOUD PARK2011、2014に出演したりと日本でもすっかり地位を確立した新世代メタルバンドの注目株AMARANTHEの4thアルバム。本作がリリースされる直前にはHELLOWEENのジャパンツアーのスペシャルゲストとして来日しています。初期2作品に比べて3rd「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)は良くも悪くもメタル度が減少していましたが今回は更にメタル離れが進み、デジロックサウンドが強調されているように思います。メタルの要素が存在するのは事実ながら、コテコテのサウンドとは真逆の洗練性がありポップミュージックの要素も大胆に取り入れたAMARANTHEの作風をリーダーOlof Morck(G/DRAGONLAND)は「ハイブリッド・メタル」と表現しているようですが納得感がありますね。

Jake E(Vo)、Henrik Englund(Vo)のクリーンボイスとグロウルが絡み合いながら緊張感を高めていきElize Ryd(Vo)がサビで開放感のあるメロディを歌う①Maximize、キャッチーなサビからスタートするAMARANTHEの王道チューン②Boomerangの2曲で掴みはOK。③That Songは他の曲と毛色が違うため異彩を放つもののQUEENWe Will Rock Youを彷彿とさせる「ドン ドン シャッ」のリズムがインパクト大だし、続く④21も前作収録のDrop Dead Cynicalに似た縦ノリ系なのでこういった曲調がAMARANTHEの新たな定番となってきている感がありますね。個人的には①、②やダンサブルな⑤On The Rocksのような曲の方が好きですが。そんな音楽性の拡散に合わせるようにElizeのボーカルもこれまでになかったようなアプローチを取り入れていて⑤で聴ける「フゥッ!」の掛け声はカッコいいし、⑩Supersonicではソプラノボイスにも挑戦しています。またアルバム本編を締めくくる⑫EndlesslyはElizeの独唱によるバラードでハリウッド映画の主題歌としても使えそうなスケールの大きさを誇っています。

Elizeの存在感が一段と増す中でも本作はHenrikがメインで歌うメロデスタイプ⑦Fury(ElizeとJakeをディスった歌詞も面白い/笑)、Jakeが作曲に加えて歌唱面でも大きく貢献した⑧Faster、⑨Break Down And Cryなど影が薄くなりがちだった男性ボーカル陣にスポットが当たっているのも好印象。これを契機にElize偏重気味だったトリプルシンガーのパワーバランスがよくなっていくことを期待していたのですが、本作をリリースして1ヶ月も経たないうちにJakeが活動休止を発表、その2ヶ月後にはAMARANTHEを脱退してしまいました…。バンドは後任にDYNAZTYのフロントマンNils Molinを迎え、JakeはJesper Stromblad(G/DIMENSION ZERO、ex-IN FLAMES)CYHRAを結成しています。既にDYNAZTYて一定のステイタスを築いているNilsがトリプルボーカル体制のAMARANTHEにマッチするのか期待と不安の両方がありますね。

【音源紹介】
Maximize

AMARANTHE「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)

  • 2018/03/04(日) 00:00:00

MASSIVE ADDICTIVE
【No.509】
★★★★(2014)

2011年にセルフタイトル作でデビューするや、メロデス/メタルコア風のサウンドに乗るキャッチーなメロディを個性の異なる3人のシンガーが入れ替わり立ち替わり歌うというスタイルが人気を博し、若手バンドの注目株となったAMARANTHEの3作目。前作「THE NEXUS」(2013)リリース後にグロウルシンガーAndyが脱退、後任にHenrik Englund(Vo/ex-SCARPOINT)を迎えたためAMARANTHEとして初めてメンバーチェンジを経て制作されたアルバムですが影響はそれほど感じられません。良くも悪くもボーカルパートはElize Ryd(Vo)に依るところが大きいことを再確認しました。そのElize嬢は①Dynamiteで炸裂する「ダァイナマァァイ♪」のシャウトで顕著なように、これまで以上に艶と張りのある歌唱を披露していてAMARANTHEでその名を知られて以降KAMELOT、TIMO TOLKKI'S AVALONなどにゲスト参加したことが成長に繋がっているようですね。

シンガーの交代以上に本作はバンドが音楽的アプローチを変えてきたことの方が印象に残ります。従来がメロディックメタル/メロデスに親しみやすいメロディとダンス風のアレンジを加えた作風だとすれば、今回はより幅広い層にアピールできそうなポップロックに通じる大衆的な楽曲を基本としつつメタル的な重さも備えているという感じでしょうか。それを象徴しているのが縦ノリのリズムで進行していく②Drop Dead Cynicalですね。またタイトル曲④Massive Addictiveは文字通り中毒性抜群で、この2曲がアルバムの核となっています。余談ですが「マッシヴ・アディクティヴ」というタイトルは口に出して読みたくなりますね(笑)。

インタビュー記事を読む限りメインソングライターOlof Morck(G/DRAGONLAND)は意図的に変化を狙って曲を書いていたようですが⑤Digital World、⑦Unreal、⑨Danger Zone、⑪An Ordinary Abnormalityなどで聴けるAMARANTHE節も健在。特に⑨のサビはかなりクセになりますね。またこのバンドEでは6曲目に配置されることでお馴染みのバラードは⑥Trueもさることながら⑧Over And Doneが出色の出来だし、その⑧や⑬Exhaleで奏でられる儚げなピアノも今までにはなかった魅力だと思います。トリプルボーカル体制のAMARANTHEはいつかこの単語を使うだろうと思っていた③Trinityもなかなかの佳曲です。メロパワ色が薄まっていることもあって一発で聴き手ををねじ伏せるような爆発力は減退したため、初めの頃はメロディの魅力が低下したように感じたもののリピートするうちに過去作品同様のお気に入り盤となりました。

【音源紹介】
Drop Dead Cynical

AMARANTHE「THE NEXUS」(2013)

  • 2018/02/20(火) 00:00:00

THE NEXUS
【No.508】
★★★★(2013)
年間ベスト2013年第8位

2009年に発表したデモ音源「LEAVE EVERYTHING BEHIND」の時点から注目を集め、国内盤リリース直後には来日公演が決定するなど華々しいデビューを飾ったスウェーデンの新星AMARANTHEの2ndアルバム。セルフタイトルのデビュー作は男女混合のトリプルシンガー体制というもの珍しさもさることながら、キャッチーなメロディに溢れた3分台の楽曲をズラリと並べたクオリティの高い1枚でした。ボーカリストが3人いるので2ndでは新しい表現にチャレンジしてくるのか注目していましたが、今回も充実のデビュー盤で展開していた音楽性をそのまま踏襲していますね。本作の特徴としては元々フィーチュア度の高かった女性シンガーElize Rydの登場頻度が更に上がっていること、ダンス/テクノ風のアレンジが強調されていることが挙げられると思います。AMARANTHEサウンドのど真ん中をゆく①Afterlife、②Invincibleの冒頭2曲を聴いた時点で、前作のファンなら思わずガッツポーズが出てしまうのではないでしょうか。

バンドの根幹部分は変わっていないので、どれだけ充実したメロディが聴けるかが肝になってくるわけですが結論から言うと僕は1stより本作の方が好きですね。アルバムジャケット/ブックレットの世界観とリンクする近未来的なMVが制作されたリーダートラック③The Nexusの哀メロは流石だし④Theory Of Everything、⑤StardustもAMARANTHEらしさ全開のキャッチーなメタルソングです。ここまで③以外はアップテンポの曲ばかりなので、やや一本調子かなと思っていたところに男女クリーンボイスのみで歌うバラード⑥Burn With Me、AMARANTHEにしては珍しくネオクラシカル風のギターソロを盛り込んだドッシリ感のあるミドル⑦Mechanical Illusionで変化をつけているのも好印象。またノリのよさが際立つ⑧Razorbladeのサビは思わず口ずさんでしまうほどだし、ダンサブルなメタル曲⑩Electroheart、ジャーマンメタルを彷彿とさせる躁系メロディが耳に残る⑪Transhuman、スケール感のあるサビメロで本編を締めくくる⑫Infinityなどお気に入り曲を挙げるとキリがありません。

デビュー作の時点で既に完成されたサウンドだったので2枚目のジンクスにハマってしまうのではないかと心配していましたが、本作で新世代メタルのホープとしての地位を確立したと思います。ただし筋金入りのメタルファンからの評価は今ひとつのようで、メタルバンドのデータベースサイトとして僕も重宝しているEncyclopaedia Metallum: The Metal Archivesには掲載されてなかったりします(苦笑)。コンパクトな楽曲を矢継ぎ早に繰り出すのがAMARANTHEの特徴だとは思いますが、前作にもあった「インパクトはあるが飽きがくるのも早い」という課題は今回も感じられます。少し長めの曲を収録するだけでも印象が変わってきそうな気もするのですが…。特に⑫の壮大なメロディはもう少し丁寧に聴かせて欲しかったですね。いくつか注文をつけたくなる点があるものの本作が僕にとってAMARANTHEの最高傑作であることは間違いありません。

【音源紹介】
The Nexus

AMARANTHE「AMARANTHE」(2011)

  • 2018/02/04(日) 00:00:00

AMARANTHE.jpg
【No.507】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第10位

男女クリーンボイスにデス声担当を加えたトリプルボーカル体制が話題となったスウェーデンの新星AMARANTHEのデビューアルバム。バンドの創設者はメロパワバンドDRAGONLANDの中心人物Olof Morck(G)で、彼が一時期DREAM EVILにも在籍したことのあるJake E(Vo/DREAMLAND)とプロジェクトを立ち上げたことがAMARANTHE誕生のきっかけのようです。当初は多くのゲストを迎える予定だったそうですが女性ボーカルElize Ryd、グロウル担当のAndyが歌った時に2人のパフォーマンスがバンドには最適と判断し、そこから本格的なバンドへと変化したそうです。シンガーが3人いることに注目が集まりがちですが、メロデス風のスタイルを基本としつつテクノ/トランス風のアレンジも取り入れたSOILWORK meets BLOOD STAIN CHILDと表現できそうなサウンドの中で輝くキャッチーな歌メロがAMARANTHE最大の武器でしょう。

まずは冒頭4曲①Leave Everything Behind、②Hunger、③1.000.000 Lightyears、④Automaticがいずれも即効力抜群で一気にAMARANTHEの世界に引き込まれます。どれも甲乙付け難いですが中でも③はこのバンドの魅力を凝縮した1曲だと思うし、本作唯一のバラード⑥Amaranthineもしっとり聴かせる高品質な仕上がりとなっています。また⑧Call Out My Nameのようなダンスメタルも収録していてB級感が抜け切らないメロパワバンドDRAGONLANDのギタリストOlofが、これほどポップで大衆性を備えたメロディセンスを持っていたとは驚きです。AMARANTHEはOlofとJake Eが作曲の中心となっているようなので2人のケミストリーによって、AMARANTHEサウンドができあがっているのかもしれませんね。

初めて聴いた時から口ずさめそうなキャッチーな楽曲群はどれも3〜4分台のコンパクトなものばかりで聴きやすいし、アルバムとしてもデビュー盤とは思えないほどの完成度を誇っているので普段メタルを聴かないリスナーをも取り込む魅力を秘めているのではないでしょうか。日本での注目度も高く2011年4月にデビューすると7月に初来日、10月にはLOUD PARK 11に出演するなどニューアクトとして申し分のないスタートを切っています。ただし各曲が似通っていることもあってアルバムとしてのメリハリがあまり感じられないのも事実で、中盤以降は何曲目を聴いていたのかわからなくなることもありますね。聴き始めの頃はかなりのお気に入り盤だったのですが、個人的には繰り返し聴いているうちに飽きがくるのも早かったりします。というわけで注文をつけたくなる点がなくはないものの新世代メタルの大型新人として十分のインパクトを持った1枚です。

【音源紹介】
1.000.000 Lightyears

【CD購入録】KISKE/SOMERVILLE「CITY OF HEROES」(2015)

  • 2017/03/14(火) 00:00:00

【CD購入録】
CITY OF HEROES
KISKE/SOMERVILLE「CITY OF HEROES」(2015)

PLACE VENDOME、UNISONICなどでも精力的に活動するMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)と、様々なメタルバンドへのゲスト参加を経てSascha PaethプロデュースのTRILLIUM名義で2011年にアルバムを発表した女性シンガーAmanda SomervilleによるデュエットプロジェクトKISKE/SOMERVILLEの2作目を買いました。本作のソングライティング面の中核を担うのはMat Sinner(B)、Magnus Karlsson(G)PRIMAL FEAR組で⑥Breaking NeptuneのみSander Gommans(G/ex-AFTER FOREVER)とAmandaの共作となっています。全体的な印象としてはPLACE VENDOMEよりもメタル寄りで、曲によってはゴシックメタル風のアレンジも垣間見えます。いかにもオープニングという感じの勢いがある①City Of Heroes、ジャーマンメタル系の明るいメロディを持った⑧Open Your Eyes、ポップフィーリングに溢れる⑫Right Nowなどがお気に入りです。それにしても、ここ最近のMichaelはかなりのハイペースで作品を発表していますね。特に2009年〜2017年の間にはKISKE/SOMERVILLE、PLACE VENDOME、UNISONICでフルアルバムを7枚もリリースしているし、それに加えてAVANTASIAなど多数のプロジェクトにゲスト参加しているため彼が歌う新曲が毎年発表されているのではないでしょうか。Michaelの大ファンの僕としては嬉しい反面、供給過多に感じて有り難みが薄れてしまっている、というのが正直なところです。贅沢な話だというのはわかっているのですが…(苦笑)。

【CD購入録】陰陽座「迦陵頻伽」(2016)

  • 2016/12/01(木) 00:00:00

【CD購入録】
迦陵頻伽
陰陽座「迦陵頻伽」(2016)

有望株が続々とデビューしている国産バンド勢の中でも僕が大きな信頼をよせている陰陽座の13作目を買いました。バンドを代表する楽曲にしてアニメ「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」の主題歌でもある甲賀忍法帖(6th「臥龍點睛」収録)の続編にあたる⑫「愛する者よ、死に候え」の先行MVを聴いて期待が高まったので、以前から興味のあった「バジリスク」の漫画版を読んでみました。物語の内容を知った上でMVを視聴すると更に味わいが増しますね。楽曲単体としても陰陽座の新たな代表曲と呼べる逸品だと思います。美しい声を持つ空想上の生物「迦陵頻伽(かりょうびんが)」を冠した作品ということもあってかアルバム全体としては瞬火(B、Vo)とのツインボーカルは健在ながら、これまで以上に黒猫(Vo)が歌うパートが多く彼女にスポットを当てた作風のように感じました。オープニング曲①「迦陵頻伽」のディープな歌い出しから⑫の高音パートまで、表情豊かな黒猫の歌唱が冴え渡っていますね。物々しい曲名とは対照的にアルバム随一のキャッチーな歌メロを持った④「刃」、これぞ忍法帖シリーズ!といった曲調の⑧「氷牙忍法帖」辺りもお気に入りです。

【CD購入録】AMARANTHE「MAXIMALISM」(2016)

  • 2016/10/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
MAXIMALISM.jpg
AMARANTHE「MAXIMALISM」(2016)

2016年9月にHELLOWEENと共に来日した新世代メタルバンドの注目株AMARANTHEの4作目を買いました。冒頭の①Maximize、②Boomerangでいきなり発揮される「男女クリーンボイスとグロウルが絡み合うキャッチーなメタルサウンド」というAMARANTHEらしさは本作でも健在です。QUEENWe Will Rock Youを彷彿とさせるリード曲③That Songを先行で聴いた時は従来とは異なる曲調に戸惑いもありましたが、アルバムの流れの中で聴くとなかなか好感触。正直なところ個々の楽曲のインパクトとしては初期2作品に及ばないし、金太郎飴状態になりつつある感も否めませんが魅力的なメロディ満載のコンパクトな楽曲群はリピートを誘われますね。

BLOOD STAIN CHILD「EPSILON」(2011)

  • 2016/10/13(木) 00:00:00

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【No.480】
★★★★(2011)

メロディックデスメタルをテクノ/トランス調のアレンジで聴かせるという独自のサウンドを前作「MOZAIQ」(2007)で確立したBLOOD STAIN CHILDの5thアルバム。「MOZAIQ」から専任シンガーのSadewが加入しワールドデビューも果たしたため、ここからエンジン全開で活動していくのかと思いきや、そうはいかなかったようでSadewや創設メンバーでもあるViolator(Ds)の脱退、レーベル移籍などがあり前作から約4年が経過してのニューアルバムとなります。本作の注目ポイントは何といってもSadewの後任にバンドが迎えたギリシャ出身の女性ボーカルSophiaと、それに伴うトランス色の更なる強化でしょう。最早メタルというジャンルでは括りきれない楽曲もチラホラありますが、一段とメロディアスになった本作の音楽性は結構好きですね。

そんな非メタル系ナンバーとして挙げられるのが③STARGAZER、⑥ELECTRICITY、⑨Dedicated To Violatorなどで特に③のキャッチーなメロディの魅力はバンド史上最高。本作のキラーチューンですね。アルバム全体で7割程度、③と⑥ではほぼ全てのボーカルパートを任されているSophia嬢の歌唱力はさほど高くなく一本調子に感じられるものの②FOREVER FREE④S.O.P.H.I.Aを聴いていると感情を抑えた彼女の歌い方は近未来的なトランスサウンドを持ち味とするBLOOD STAIN CHILDとマッチしていると思います。バンド史上初となるバラード⑫SAI-KA-NOも彼女がいるからこそできたナンバーでしょう。その一方でアルバムの軸となっているのは、あくまでもメタリックな楽曲群で⑤Unlimited Alchemist⑧MOON LIGHT WAVEIN FLAMESっぽさ漂う⑪La+などがお気に入りです。

前作で確立したトランスメタルの更なる進化に一役買っているのがDISARMONIA MUNDIの中心人物にして本作リリース元のレーベルCORONER RECORDSのオーナーでもあるEttore Rigottiで、彼の方からバンドに対して「君たちの音楽は素晴らしいのに、なぜあまり知られていない!?君たちをもっと世界に広めたい!」とラブコールを送ってきたそうです。Ettoreが共同プロデューサーを務めたこともあってか、これまで以上にサウンドが洗練されたように感じますね。今度こそBLOOD STAIN CHILDの快進撃が始まるかと期待したのですが、本作リリース後も活動は順調ではないようで2012年2月にSophiaが脱退したため同年12月に後任として女性シンガーKiKiを迎えてシングル「LAST STARDUST」を発表するも、2016年にはKiKiのみならずオリジナルメンバーのひとりRyo(B、Vo)までもがバンドを離れています。更に残念なのはセンス抜群の音使いとアレンジで今のブラステサウンドの中核を担ってきたAki(Key)がサイトのメンバーリストからひっそりと姿を消していることですね。バンドは2016年6月に男性ボーカルSaikaを迎えたことをリニューアルしたHPで発表し、ニューシングル「NEXUS」もリリースしたようなのでこのままフルアルバムの制作に入ってもらいたいところです。今のメンバーでどんな作品が生まれるのか未知数なので一抹の不安もありますが…。

【音源紹介】
STARGAZER

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「GHOSTLIGHTS」(2016)

  • 2016/01/31(日) 00:00:00

【CD購入録】
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TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「GHOSTLIGHTS」(2016)

2016年の新譜初買いは、誕生から15年を数えるTobias Sammet(Vo/EDGUY)主宰のメタルオペラ・プロジェクトTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAの7作目です。今回のゲストシンガー陣の主な顔ぶれはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Jorn Lande(Vo/JORN、ALLEN-LANDE)、Ronnie Atkins(Vo/PRETTY MAIDS)、Bob Catley(Vo/MAGNUM)といった以前からのメンバーに加えDee Snider(Vo/TWISTED SISTER)、Geoff Tate(Vo/ex-Queensryche)、Marco Hietala(B、Vo/NIGHTWISH)らが初参加しています。前作「THE MYSTERY OF TIME」(2013)がAVANTASIAの作品としては今ひとつツボにはまらなかったし、EDGUYも僕の好みから徐々にずれてきているように感じていたので一抹の不安もありましたが今回はなかなか良さげですね。コンパクトかつキャッチーな歌モノから劇的な大作、ミステリアスなナンバー、メロディアスなバラードなどTobiasの多彩なソングライティング能力が遺憾なく発揮されているアルバムの中でもKiskeのハイトーンが冴え渡るタイトル曲⑤Ghostlightsがいいですね。この手のメロパワは大好物です。また僕が買った初回生産限定盤にはライブ音源11曲入りのボーナスCDが付いているので聴き応えがありますね。同時に買ったDREAM THEATER「THE ASTONISHING」をなかなか聴けずにいます(笑)。

【CD購入録】AMARANTHE「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)

  • 2014/10/16(木) 00:00:00

【CD購入録】
MASSIVE ADDICTIVE
AMARANTHE「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)

2011年にデビューして以降、順調に活動を続けるAMARANTHEの3作目を買いました。前作「THE NEXUS」(2013)リリース後にデス声担当のAndy(Vo)が脱退、後任にHenrik Englund(Vo/ex-SCARPOINT)が加入しています。本作を聴く限りメンバーチェンジの影響はさほど感じられず、今回もAMARANTHEらしいキャッチーでコンパクトな楽曲が並んでいます。基本線はこれまでと同じですがバンドの独自性でもあるテクノサウンドとの融合をより大胆に取り入れていること、フィーメルシンガーElize Rydの歌声に艶と張りを増している点に進化の跡が感じられますね。楽曲面でも先行で公開されていた②Drop Dead Cynicalを筆頭に④Massive Addictive、⑨Danger Zone、⑫Exhaleなどは1度聴いただけでメロディが耳から離れない強力なナンバーとなっています。ただ過去2作品の序盤にあったような圧倒的な畳み掛けが今回はないので、このバンドのアルバムにしては第一印象のインパクトは若干弱い気もしますね。

【CD購入録】陰陽座「雷神創世」(2014)

  • 2014/09/30(火) 00:00:00

【CD購入録】
雷神創世
陰陽座「雷神創世」(2014)

11th「風神界逅」と同時に発売された陰陽座の12作目を買いました。独特の雰囲気を持ったオープニング①「雷神」に続いて炸裂する陰陽座らしいドラマティックなメタル②「天獄の厳霊」もさることながらボーカルはグロウルのみというハードチューン④「人首丸」黒猫(Vo)によるコブシを効かせた歌い回しと和音階がフックになっている⑤「夜歩き骨牡丹」、跳ねるリズムとコミカルな歌詞が楽しい⑦「天狗笑い」といった楽曲群が陰陽座の独自性を物語っているように思います。また13分近くある大作⑨「累」も聴き応えがありますね。「風神界逅」と合わせると全24曲というボリュームになるため、現時点で両作品の全容を掴めたとは言えない状況ですが今回も愛聴盤となりそうです。10th「鬼子母神」(2011)がそうだったように聴き込むことで、どんどんハマっていく可能性もあるので「風神界逅」→「雷神創世」の順でループしながら当面ヘビロテするつもりです。

【CD購入録】陰陽座「風神界逅」(2014)

  • 2014/09/28(日) 00:00:00

【CD購入録】
風神界逅
陰陽座「風神界逅」(2014)

初のコンセプトアルバムであり、自らの集大成とバンドも自負する「鬼子母神」(2012)を発表して、その活動にひとつの区切りをつけた陰陽座の11作目を買いました。本作は12th「雷神創世」と2枚同時リリースという意欲作で僕は当然両方とも買いましたが、それぞれの作品を1回ずつ聴いた後はこの「風神界逅」をリピートしています。序曲①「風神」がRPGか映画音楽かと思うような曲調であること、先行で公開されていた⑩「雲は龍に舞い、風は鳳に歌う」がスケールの大きな楽曲ということもあって「風神界逅」が「爽」、「雷神創世」は「重」というイメージがありますね。とはいえ本作にもメタリックチューンは収録されているので、陰陽座の持ち味はしっかりとキープされています。陰陽座としては珍しく本作にはリーダー瞬火(B、Vo)によるライナーノーツがついていて、その中で今回の2枚同時リリースは9th「金剛九尾」(2009)制作時に「鬼子母神」の構想と並行して固まっていたことが明かされています。陰陽座(というか瞬火)の創作意欲にはつくづく驚かされますね。さて、これから「雷神創世」をリピートしようと思います。

【CD購入録】TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

  • 2013/06/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE LAND OF NEW HOPE
TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)らと一種のスーパーバンドSYMFONIAを結成したものの、僅か1枚で解散したばかりか音楽業界からの引退をも示唆するコメントを発表したTimo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS)でしたが、FRONTIERS RECORDS社長Serafino Perginoから多くのゲストを迎えたメタルオペラ・プロジェクトの提案を持ちかけられ誕生したTIMO TOLKKI'S AVALONの1stアルバムを買いました。プロジェクト名からしてTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAを連想せずにはいられませんが、ゲストを見てみるとMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Sharon Den Adel(Vo/WITHIN TEMPTATION)、Elize Ryd(Vo/AMARANTHE)、Russell Allen(Vo/SYMPHONY X、ADRENALINE MOB)、Rob Rock(Vo/DRIVER、ex-IMPELLITTERI)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS) 、Derek Sherinian(Key/BLACK COUNTRY COMMUNION、ex-DREAM THEATER)、Alex Holzwarth(Ds/RHAPSODY OF FIRE)といった顔ぶれでAVANTASIAに参加していた人もチラホラ、というかシンガーではElyzeとTony以外はAVANTASIAファミリーですね。歌っている比率を踏まえるとTolkkiとElyze、Rob Rockを基本メンバーとしたプロジェクトと言えるかもしれません。内容の方はAVANTASIAがメタルオペラを名乗っていた初期2作品ほどメロパワ一辺倒ではなく、その後の「THE SCARECROW SAGA」を歌ものメタルっぽくした感じでしょうか。ライナーノーツによると、Tolkkiがこのプロジェクトのために書き上げたストーリー「THE LAND OF NEW HOPE」は3部作を予定しているそうなので、 アルバム契約が4枚分あったというSYMFONIAを投げ出した前科があるTolkkiですが(苦笑)今回は完結まで頑張ってもらいたいですね。

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA:AROUND THE WORLD IN TWENTY DAYS-LIVE-」(2011)

  • 2013/04/28(日) 00:00:00

THE FLYING OPERA
【No.373】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第9位

Tobias Sammet(Vo/EDGUY)の「自分が憧れたアイドル達と一緒にアルバムを制作したい」という無邪気な発想から誕生し、豪華なゲストシンガー陣が名を連ねた話題性と歌い手の魅力を引き出すTobiasの類い稀なるソングライティングなどから大成功を納めたプロジェクトAVANTASIA初となる2008年のTHE SCARECROW WORLD TOURの模様を収録したライブ作品。僕が持っているのは2DVD、2CD仕様の初回限定盤です。Tobias自身も実現できないと思っていたAVANTASIAツアーの基本メンバーは2003年頃からEDGUYのプロデュースに携わるようになり今回のツアー実現の重要なキーマンともなったSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)CENTERS~AT VANCE時代は優れたシンガーとして知られていましたが自身のバンドHARTMANNやAVANTASIAでは素晴らしいギタリストでもあることを世に知らしめたOliver Hartmann(G、Vo)、自らもAINAなるロックオペラを主宰するRobert Hunecke(B/ex-HEAVEN'S GATE)RHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)、KAMELOTといったパワーメタルバンドのプロデュースをSaschaと共に手掛けているMiro(Key)、EDGUYでTobiasと活動を共にしているFelix Bohnke(Ds)、AVNATASIAの音世界に欠かせない女性バッキングボーカルにAmanda Somerville、Cloudy Yangといった顔ぶれです(Amandaはリードボーカルも担当)。そして注目のゲスト陣には濃厚な歌声と体格で圧倒的な存在感を放ちながら厳つい表情で熱唱するだけでなく、メロディを乗せたMCで観客を煽る姿が正に「歌鬼」なJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)、全てのスタジオ盤に参加していたものの残念ながらツアー参加は実現しなかったMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)と自分がアルバムで歌っていたパートを担当しているAndore Matos(Vo/ex-ANGRA)、まるで「おじいちゃん」のような外見からは想像できないパワフルボイスを大仰な手振りに合わせて響かせるBob Catley(Vo/MAGNUM)、アルバムではAlice Cooper(Vo)が担っていた邪悪なキャラクターを見事に演じてみせたKai Hansen(Vo、G/GAMMA RAY)、AVANTASIAの初期2作品でギタリストを務めたHenjo Richter(G/GAMMA RAY)といった面々を迎えています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Twisted Mind(「THE SCARECROW」)
02. The Scarecrow(「THE SCARECROW」)
03. Another Angel Down(「THE SCARECROW」)
04. Prelude/Reach Out For The Light(「THE METAL OPERA」)
05. Inside(「THE METAL OPERA」)
06. No Return(「THE METAL OPERA PART2」)
07. The Story Ain't Over(EP「LOST IN SPACE PART2」)
08. Shelter From The Rain(「THE SCARECROW」)
09. Lost In Space(「THE SCARECROW」)
10. I Don't Believe In Your Love(「THE SCARECROW」)
11. Avantasia(「THE METAL OPERA」)
12. Serpents In Paradise(「THE METAL OPERA」)
13. Promised Land(EP「LOST IN SPACE PART2」)
14. The Toy Master(「THE SCARECROW」)
15. Farewell(「THE METAL OPERA」)
16. Sign Tf The Cross/The Seven Angels(Medley)(「THE METAL OPERA」、「THE METAL OPERA PART2」)

そんな参加メンバーの紹介だけでかなりの文章量になってくるAVANTASIA初のライブ作品はドイツで毎年開催されているヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIR、チェコで行われたMONSTERS OF ROCKという2公演のテイクからなるセットリストで構成されていて、個人的には1st~3rdまでのベスト盤と言いたくなるくらい充実していますね(個人的にはBobのジェントルボイスが映える隠れた名曲⑦The Story Ain't Overが収録されているのが高ポイント)。曲によっては10人以上がステージに登場するなどしてAVANTASIAの壮大な世界観を再現しているだけでなく、ライブならではの熱さがスタジオ盤以上の魅力を放っている場面も少なくありません。中でもSascha、Oliverの叙情ギターソロから激情に満ちたTobiasとJornのボーカルバトルへと雪崩れ込んでいく②The Scarecrowは圧巻の一言。また⑩I Don't Believe In Your Loveはアルバムを聴いている時は印象の薄い曲でしたが、ライブバージョンを聴いてカッコいいハードロックソングだと気づきました。

本作はライブ本編とTobiasのロングインタビュー/ドキュメンタリーからなるDVD2枚、DVDと同じライブ音源を収めたCD2枚セットの仕様だけでなく、DVDまたはCDのみのフォーマットも存在しますが個人的にはDVDの方が断然楽しめましたね。理由は大きく2つあって、ひとつはBob、Jorn、Oliver、Sascha & Miroといった(日本で映像作品をほとんどリリースしていない)ミュージシャンの姿やライブ中にTobiasが見せるイキイキとした表情を観ることができた点。そしてもうひとつは、AVANTASIA誕生の経緯や初のPVが制作されたシングルLost In Spaceの誕生秘話や、それをWACKENで演るかどうかの葛藤などスタジオ作品を聴いているだけではわからないAVANTASIAの裏側に迫るインタビューが実に興味深いということです。抜群の作曲能力と歌唱力、アクティブなステージアクションやライブ運びの上手さに加えて多くの先輩ミュージシャンをAVANTASIAに参加させる人柄に至るまでTobiasは才能に溢れた人物だとつくづく感じますね。そんな才能に恵まれながらも決しておごることなく周囲への感謝の気持ちを忘れないTobiasの言動は素晴らしいと思うし、僕のわずか1歳年上の彼が自分の夢を叶えている姿には胸を打たれました。ハイライトは⑮FarewellでWACKENの大観衆(公称10万人)が一体になっているのをステージから見て感激しているTobiasの表情でしょうか。Tobiasと僕の間には直接的な繋がりはないし、住んでいる世界が全く違うのですが本作を観ていると自分も家族や仕事のために自分にできることを頑張ろうという気持ちにさせてくれます。現時点での最新作「THE MYSTERY OF TIME」(2013)のライナーノーツには「THE SCARECROW」3部作完成後に本作を発表してAVANTASIAは幕を降ろす予定だったとの記載があり、Tobiasもインタビューでツアーを再び実現させるのは難しいという見解を示していましたが、ご存知の通りAVANTASIAは2011年、2013年にもワールドツアーを実現させています。本作には参加していないMichael Kiske(Tobiasは12歳の時にKiskeの歌を聴いてシンガーを目指すようになったのだとか)も帯同したライブも是非DVD化してもらいたいですね。

【音源紹介】
・Farewell(Live)

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE MYSTERY OF TIME」(2013)

  • 2013/03/28(木) 00:00:00

【CD購入録】
THE MYSTERY OF TIME
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE MYSTERY OF TIME」(2013)

豪華なゲストシンガーを迎え、現代メタルシーン屈指のソングライターTobias Sammet(Vo)が各ボーカリストに合った楽曲を手掛けるプロジェクトAVANTASIAの6作目を買いました。今回の参加メンバーはJoe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW、DEEP PURPLE、YNGWIE MALMSTEEN etc)、Michael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Biff Byford(Vo/SAXON)、Ronnie Atkins(Vo/PRETTY MAIDS)、Eric Martin(Vo/MR. BIG)、Bob Catley(Vo/MAGNUM)、Cloudy Yang(Vo)、Sascha Paeth(G/ex-HEAVENS GATE)、Oliver Hartmann(G、Vo/HARTMANN、ex-AT VANCE)、Arjen Lucassen(G/AYREON)などなどです。常連メンバーだったAndre Matos(ex-ANGRA)、Jorn Lande(ex-MASTERPLAN etc)、Russell Allen(SYMPHONY X)といったメタルシンガーが不参加、JoeやEricといったハードロック系シンガーが初参加している一方で「今回は初期2作品のようなメタルオペラ作品になる」という情報を耳にしてどんな作風になるのか気になっていましたが、音楽性はさほどメロパワ寄りではなくHR/HMの枠に収まりきらないほど多彩な楽曲で構成される近作に似た内容ですね。本作では各シンガーに役柄を与えているという意味で1st、2ndアルバムのような作品ということなのだと思います。AVANTASIAの作品は即効性は低いけれど、聴き込むうちにどんどんはまっていくことが多いので全10曲(うち10分超えの大作が2曲)、日本盤ボーナストラック2曲を合わせると約72分に及ぶ聴き応え十分な本作の世界にどっぷり浸りたいと思います。KiskeとKai Hansen(G/GAMMA RAY、ex-HELLOWEEN)のタッグがUNISONICで実現したとはいえ音楽性がキーパーサウンドとは距離があるので、KiskeとTobiasのタッグによる疾走曲④Where Clock Hands Freezeはメタルを歌うKiskeが聴きたい僕にとっては理想的なナンバーですね。

【CD購入録】AMARANTHE「THE NEXUS」(2013)

  • 2013/03/17(日) 00:00:00

【CD購入録】
THE NEXUS
AMARANTHE「THE NEXUS」(2013)

男女ボーカルにグロウルシンガーを加えたトリプルボーカリスト体制という目新しさ、とにかくキャッチーで親しみやすい楽曲群が好評を博してデビュー1年目にして単独公演とLOUD PARKで2度の来日を果たすなどブレイクしたAMARANTHEの2作目(DVD付き初回限定盤)を買いました。セルフタイトルのデビュー作の時点でもかなり洗練されていましたが、オープニング曲①Afterlifeとともに溢れてくるメジャーの風格に驚かされましたね。3分台というコンパクトな楽曲の中で交錯する3者3様のボーカル、YNGWIE MALMSTEENっぽさも見せながら弾きまくるギターソロ、ヘヴィかつタイトなリズム隊と絶妙なさじ加減で絡むエレクトロアレンジが一体となったナンバーが12曲+ボーナストラック2曲(既発曲のアコースティックバージョン)が並ぶ本作は繰り返し聴きたくなります。現時点でのお気に入りはPVにもなったタイトル曲③The Nexus⑧Razorblade、⑩Electroheartですね。近未来的なサウンドイメージとリンクしたジャケットもグッド。

陰陽座「鬼子母神」(2011)

  • 2012/12/24(月) 00:00:00

鬼子母神
【No.358】
★★★★★(2011)
年間ベスト2011年第1位

リーダー瞬火(B、Vo)が描く明確なヴィジョンのもと1999年のデビュー以来、安定した活動を続ける陰陽座の記念すべき10枚目の作品にしてバンド初のコンセプトアルバム。これまでにも「黒塚の鬼婆伝説」(3rd「煌神羅刹」収録)、「源 義経」(6th「臥龍點睛」収録)、「最強の妖怪 九尾の狐」(9th「金剛九尾」収録)などアルバム内に個別のテーマを持つ2~3部構成の組曲を発表してきたバンドが初めてとなるトータルコンセプト作の題材に選んだのは「鬼子母神伝説」です。ここで「鬼子母神伝説」について簡単に触れておくと「1,000人の我が子のために人間の子供をさらってきては喰わせていた女神『鬼子母神』を見るに見かねたお釈迦様に末の子を隠され、泣いて『返してくれ』と頼む鬼子母神に対して『1,000人のうちのひとりでも盗られたらこんなに悲しいのだから、お前が盗ってきた子供の親がどういう気持ちなのか分かりなさい』とお釈迦様が諭す」という内容だそうです。本作は「純粋な音楽作品として楽しめて、かつ脚本と絡めて聴けば味わいが更に増すものにしたい」という瞬火の意図からCDとは別に彼が「鬼子母神伝説」に着想を得て書き下ろしたオリジナル脚本「絶界の鬼子母神」が発売されていて、僕はCDと脚本の両方を購入しました。本作で描かれる物語の全体像はバンド結成当初から瞬火の頭の中にあったようで、構想12年のストーリーが瞬火曰く「思った通りのものが思った以上のクオリティで仕上がった」のが本作です。

まず脚本を読まずに音楽作品「鬼子母神」を聴いた時の印象としては、序曲に続く事実上のオープニングトラック②「徨(さまよい)」や陰陽座流シンフォニック・メタル⑧「鬼子母人(きしぼじん)」からエンディングまでの展開など流石のクオリティを備えている一方でコンセプト作品という性質上、キャッチーなメロディや即効性は低いように感じました。ところが脚本を読み、瞬火が作り手としての拘りや思い入れを熱く語ったこちらのインタビューを踏まえてアルバムを聴くとガラリと印象が変わりましたね。何とも言えない狂気を孕んだ③「産衣(うぶぎ)」、演歌と民謡をミックスした陰陽座お得意のお祭りソングでありつつ、その裏に潜む恐ろしさも感じさせる⑤「鬼拵ノ唄(おにこさえのうた)」、曲名にある恨みだけでなく怒りや悲しみといった感情が入り乱れる⑨「怨讐の果て(うらみのはて)」などで顕著な登場人物の心情を楽曲に反映させる表現力は、これまで9枚のアルバムを作り上げてきた現在の陰陽座だからこそ為せる業だと思います。また今回は物語の性質がシリアスで悲しみや怒りを含んだものであるということからバンド初の試みとなるダウンチューニングを採用しているのですが、これが実に効果的で作品全体に今まで以上の重厚感が溢れているのも見逃せません。

ストーリーの描写については、過去の組曲でそうだったようにセリフを交えながら展開させていくのかと思いきや、セリフと呼べそうなのはイントロ①「啾啾(しゅうしゅう)」の「はな」とラストチューン⑫「鬼哭(きこく)」の「はな、行こう」という2つのみです。しかしセリフを最小限に抑えたからこそ逆に活かされているし、このセリフの主である登場人物「静(しず)」が抱く様々な感情をここに凝縮した黒猫(Vo)の熱演にただただ脱帽です。彼女は歌唱力だけでなく登場人物の心の機微を描写するという面でも過去最高のボーカルパフォーマンスを披露してくれているし、「鵺(ぬえ)」(4th「鳳翼麟瞳」収録)でボーカリストとして開眼した瞬火も本作随一のドラマティックチューン⑩「径(みち)」で更なる成長振りを見せつけてくれています。これまで陰陽座が生み出してきた作品群の中には名盤もあったし、近作も十分に楽しめる内容ではありましたが「まだ余力を残しているのでは?」と感じることもありました。それに対して本作は聴き始めのインパクトでは一歩譲るものの、繰り返し聴く度にどんどん味わいが増してきて今ではすっかり魅了された僕がいます。それにしてもバンド結成当初から今回のようなコンセプトアルバムを作ることを思い描き、12年後にそれを実現させてしまう瞬火という人の才能は凄まじいですね。音楽に対するその真摯な姿勢が本当にカッコいいです。「このアルバムを生み出すために陰陽座は結成された」という瞬火の言葉にも十分な説得力が感じられるバンドの集大成的な1枚だと思います。

【音源紹介】
・「径(みち)」

【CD購入録】陰陽座「鬼子母神」(2011)+戯曲「絶界の鬼子母神」

  • 2011/12/22(木) 00:00:00

【CD購入録】
鬼子母神
陰陽座「鬼子母神」(2011)

絶界の鬼子母神
絶界の鬼子母神

陰陽座の記念すべき10作目にしてバンド初のコンセプトアルバムを買いました。これまでにも「黒塚の鬼婆伝説」(3rd「煌神羅刹」収録)、「源 義経」(6th「臥龍點睛」収録)、「最強の妖怪 九尾の狐」(9th「金剛九尾」収録)などアルバム内に個別のテーマを持つ2~3部構成の組曲を発表してきたバンドが満を持して制作したトータルコンセプト作ということで大きな期待を胸に聴きました。数回聴いた印象としては、これまでの組曲ナンバーが曲毎に異なる表情を見せていたのに対して本作はアルバム1枚でひとつの物語を描いているため楽曲に統一感がありますね(裏返せば過去作品の方がバラエティに富んでいると言えるかもしれません)。現時点では即効性はそれほど高くなく、聴き込みが必要なアルバムという印象です。今では僕の中で神盤となっているROYAL HUNT「PARADOX」(1997)DREAM THEATER「METROPOLIS PT.2」(1999)の2大コンセプトアルバムも聴き始めはそれほど好印象ではなかったので、僕のお気に入りバンド陰陽座初のコンセプトアルバムを聴き込むにつれて、どんな味が出てくるのか楽しみ半分、不安半分という感じですね。またバンドはCDだけでなはくリーダー瞬火(B、Vo)が手掛けたオリジナル戯曲で本作の脚本でもある書籍「絶界の鬼子母神」を同時発売しているので、そちらの戯曲と歌詞を読みながら本作の世界観どっぷり浸りたいと思います。

【CD購入録】BLOOD STAIN CHILD「EPSILON」(2011)

  • 2011/09/24(土) 00:00:00

【CD購入録】
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BLOOD STAIN CHILD「EPSILON」(2011)

デビュー当初はCHILDREN OF BODOMのフォロワー的印象が強かったものの、3rd「IDOLATOR」(2005)辺りからテクノ/トランスの要素を楽曲に織り込むようになり、4th「MOZAIQ」(2007)で独自性を強めてきた日本産メロデス/エクストリームメタルバンドBLOOD STAIN CHILDの5作目を買いました。本作の注目は何といっても前任の男性ボーカルSadewの後任にバンドが迎えたギリシャ出身の女性ボーカルSophiaと、それに伴う(?)トランス色の更なる強化ですね。最早メタルというジャンルでは括りきれないような楽曲もチラホラありますが、僕は自分好みのメロディが聴ければメタルであるかどうかは気にならないので意外とすんなり聴けました。③Stargazerを筆頭にメロディの充実度は過去最高ではないでしょうか。グロウル担当のRyo(B、Vo)と絡み合いながらボーカルパートの7割程度を任されているSophia嬢については歌唱力が高いとは言えませんが、未来的なトランスサウンドを持ち味としているこのバンドには抑揚を抑えた平坦な彼女の歌声がマッチしているようにも感じました。

【CD購入録】KISKE/SOMERVILLE「KISKE/SOMERVILLE」(2010)

  • 2011/08/21(日) 00:00:00

【CD購入録】
KISKE SOMERVILLE
KISKE/SOMERVILLE「KISKE/SOMERVILLE」(2010)

以前からその存在が公言されていたMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、UNISONIC、ex-HELLOWEEN)が女性ボーカルと組むプロジェクトが、彼の相棒にTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAでも共演経験のあるAmanda Somerville(Vo)を迎えてリリースした1stアルバムを買いました。PLACE VENDOMEでHR/HMシーンに復帰して以降、Kiske関連のアルバムはソフトなAOR系が多かったので本作もそんな感じかと思っていたら、これが予想以上にヘヴィな質感を持っていて少しびっくり(勿論メタルと呼ぶほどではありませんが)。この辺りは本作のメインコンポーザーMat Sinner(B)、Magnus Karlsson(G)の両名がピュアメタルバンドPRIMAL FEARに籍を置いていることも関係しているのかな。アルバム全体の印象としては手堅く一定水準以上のクオリティを誇るものの、飛び抜けて感動的でもないという「良くも悪くもFRONTIERSらしい作品」ながらKiskeの歌声に惚れ込んだ身としてはよく聴いている1枚です。ちなみに僕が買ったのは②Silence、③If I Had A WishのPV(こちらこちら)に加えてそのメイキング映像が収録されたDVD付き輸入盤でKiskeを始めとするメンバーのオフショットを見ることができて良かったです。