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【CD購入録】GLORYHAMMER「LEGENDS FROM BEYOND THE GALACTIC TERRORVORTEX」(2019)

  • 2019/07/14(日) 00:00:00

【CD購入録】
LEGENDS FROM BEYOND THE GALACTIC TERRORVORTEX
GLORYHAMMER「LEGENDS FROM BEYOND THE GALACTIC TERRORVORTEX」(2019)

RHAPSODY OF FIREに通じるRPG風の世界観を持ったストーリーをデビュー作から描いているエピックパワーメタルバンドGLORYHAMMERの3rdアルバム。過去2作品が素晴らしい出来だったので僕の中では注目の若手となっている彼等ですが今回もメロディや歌詞、MVに至るまでGLORYHAMMERらしさに溢れた仕上がりとなっています。本作ではバンド名を冠した勝負曲(?)⑦Gloryhammerを収録していて、ド派手な疾走チューンではなくどっしり構えたミドルテンポというのか意外でしたが「グローリ、ハマ!」のコーラスはつい一緒に歌ってしまいますね。そしてアルバムを締めくくる⑩The Fires of Ancient Cosmic Destinyは5つのパートからなる12分の大作で大仰なイントロやクサメロ、語りを織り交ぜながら目まぐるしく展開していく流れは聴き応え満点です。現時点でこのアルバムがバンドの最高傑作と呼べるかは微妙ながら、このバンドに期待するものをしっかり提供してくれる1枚ですね。

GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

  • 2018/11/25(日) 00:00:00

SPACE 1992 RISE PF THE CHAOS
【No.525】
★★★★(2015)
年間ベスト2015年第4位

2013年に「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」で衝撃のデビューを果たしたエピックメタル界のニューヒーローGLORYHAMMERの2ndアルバム。前作はファイフ王国で繰り広げられる中世RPG要素たっぷりのストーリーアルバムでしたが、今回はデビュー作から1,000年後という設定で舞台を宇宙に移して1stアルバムの主人公の末裔アンガス・マックファイフ13世の活躍を描いているようです。デビュー当時と同じく今回もメンバーが物語の登場人物に扮していてThomas Winkler(Vo)は物語の主人公マックファイフ13世、バンドのブレインChristopher Bowes(Vo、Key/ALESTORM)が悪の魔道士ザーゴスラクスのコスチュームに身を包んでいます。その中でも目を引くのはスキンヘッドのギタリストPaul Templingで、半透明の精霊と化した彼の姿はインパクトありすぎです(笑)。

そんな愛すべきメタルバカ(褒めてます)としての側面に注目が集まりがちな彼等ですが、音楽的な魅力もしっかり備えています。今回はデビュー作以上にメロパワ度が高くなっていて、ストーリーの導入部にあたる語りとオーケストレーションが期待を煽る①Infernus Ad Astraから疾走曲②Rise Of The Chaos Wizardsに至る流れはガッツポーズものです。続く③Legend Of The Astral Hammerは曲名を連呼する暑苦しいコーラスが胸熱の漢メタルだし、フォークメタルのような陽気さを持った④Goblin King Of The Darkstorm Galaxyもお見事。アルバム中盤もなかなかの佳曲揃いですがディスコサウンドを取り込んだ⑧Universe On Fire以降の終盤が実に強力です。この手のバンドとしては珍しくダンサブルな曲調に振り切れた⑧から再び壮大なエピック浪漫の世界観に引き戻してくれる⑨Heroes (Of Dundee)は哀愁を帯びたサビが絶品だし、本編ラストを飾る10分弱の⑩Apocalypse 1992は基本的に疾走系ながらスローダウンしたり、語りを入れたりとドラマティックな展開を見せつつラストは②のメロディで締める構成でクライマックス感を演出してくれます。

本作の国内盤はボーナスディスク付きの2枚組となっていてDISC-2はアルバム全曲をオーケストラバージョンで収録、しかも各曲に別タイトルを用意するという気合の入った仕様となっています。同系統バンドのトップランナーとして最初に思いつくのはイタリアのRHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)ですが、作品を重ねるにつれてキャッチーさが薄くなり僕の好みからは外れていってしまいました。それに対してGLORYHAMMERは一度聴いただけで耳に残る楽曲が多く、前述のオーケストラバージョンを聴いても十分に楽しめるバンドなので今後も応援していきたいですね。歌詞カードを見ると本作はストーリー的には「別の世界へと消えていくザーゴスラクスを追ってマックファイフ13世もワームホール(時空のトンネル)に向かう」というところで終わっているので続編に期待しています。

【音源紹介】
Rise Of The Chaos Wizards

GLORYHAMMER「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)

  • 2018/10/27(土) 00:00:00

TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE
【No.524】
★★★★(2013)
年間ベスト2013年第7位

僕は未聴ですが「パイレーツ・メタルバンド」として人気を博しているALESTORMの中心人物Christopher Bowes(Vo、Key)が新たに立ち上げたシンフォニック・パワーメタルバンドGLORYHAMMERの1stアルバム。鎧を身に纏った戦士が雷光迸るハンマーを手にしたジャケットから想像できる通り、ファンタジックなRPG的ストーリーに基づいたエピックメタルが展開されています。物語としては「若き王子が冒険の途中で伝説のアイテムを手に入れ、邪悪な魔導士を討つ」というベッタベタで非常にわかりやすい内容です。そしてGLORYHAMMERを語る上で欠かせないのがメンバーのルックス(というかコスチューム)で、それぞれが物語の登場人物に扮してポーズを決めている姿からは良くも悪くもB級感が溢れまくっています(笑)。

序曲の①Anstruther's Dark Prophecyに導かれて始まる疾走曲②The Unicorn Invasion Of Dundeeに続くというお約束の流れでがっちり心を掴まれました。MVも制作された③Angus McFifeは勇壮なクサメタルの名曲だし、行進曲のような④Quest For The Hammer Of Gloryを挟んで登場する⑤Magic Dragonは曲名とクラシカルな鍵盤によるイントロからしてファンタジックな世界観が全開です。本作唯一のバラード⑥Silent Tears Of Frozen Princessでクールダウンした後は熱く疾走するメロパワ⑦Amulet Of Justiceで大きな盛り上がりを見せ、「ヘイル!」と叫びながら拳を突き上げたくなる⑧Hail To Crailから短めのインスト曲⑨Beneath Cowdenbeathを経て10分越えのエピックチューン⑩The Epic Rage Of Furious Thunderで大団円を迎えるアルバム構成もお見事。それに加えてボーナストラック⑪Wizards!も「ウィィィイ、ザァァァ!」とタイトルを叫ぶシンプルなサビが耳から離れない佳曲です。

そんな粒揃いのパワーメタル群を歌い上げるThomas Winkler(Vo)の存在も見逃せません。細身の短髪青年Thomasが緑のビニールアーマー(?)を装備して熱唱する③のMVはインパクト抜群なので初めはネタバンドかと思いましたがそんなことはなく、確かな歌唱力の持ち主でもある彼がGLORYHAMMERをワンランク上に押し上げていることは間違いありませんね。RPG要素もあるパワーメタルという点ではRHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)を連想させる作風でありつつ、あちらよりもシンプルで聴きやすいというのも好印象。2013年はART OF GRADATION、GYZEなど国内から素晴らしいニューアクトが登場し、年間ベストの期待の新人部門にART OF GRADATIONを選出させてもらいましたが海外のバンドから選ぶとすればGLORYHAMMER一択でしたね。

【音源紹介】
Angus McFife

【CD購入録】GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

  • 2015/11/19(木) 00:00:00

【CD購入録】
SPACE 1992 RISE OF THE CHAOS WIZARDS
GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

ヒロイックなパワーメタルの魅力がギュッと詰まったデビュー盤「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)で注目を集めたGLORYHAMMERの2作目を買いました。今回もコンセプトアルバムだそうですが、前作の1,000年後の世界が舞台となっているようで世界観も中世からSF的なものに変化しています。男性の語りとオーケストレーションが期待を煽る①Infernus Ad Astraから疾走曲②Rise Of The Chaos Wizardsになだれ込む展開はこの手のバンドによくある手法なのですが、この②が曲調だけでなくPVの内容も含め並々ならぬ熱さとクサさを誇っていてインパクト抜群。続く③Legend Of The Astral Hammerはミドルテンポながらシンガロングを誘うキャッチーなサビが秀逸だし、⑧Universe On Fireではテクノ風味を前面に出していて、こちらの予想をいい意味で裏切ってくれます。そんな異色のナンバーも含みつつ、全体的には僕が一番好きだった頃のRHAPSODYを彷彿とさせる感じですね。なお本作は2枚組仕様となっていてDISC-2はアルバム全曲をオーケストラバージョンで収録、しかも各曲に別タイトルを用意するなど気合の入ったボーナスディスクとなっているのも好印象。

LOST HORIZON「AWAKENING THE WORLD」(2001)

  • 2014/11/03(月) 00:00:00

AWAKENING THE WORLD
【No.411】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第4位

2001年に突如現れた「ヘヴィメタル・メサイア」LOST HORIZONによる衝撃のデビューアルバム。1986年公開の映画「ハイランダー」にインスパイアされたというメンバーが戦士風コスチュームを身に纏い、フェイスペイントを施して「腐り切った世界をヘヴィメタルで救う」とインタビューで語っているところを初めて見た時は「愛すべきメタルバカ」なバンドかと思っていました。ところがLOST HORIZONが生み出すサウンドは、そんじょそこらのイロモノバンドとは比べ物にならないほどのクオリティを誇っていて熱さと男気、そして疾走感に溢れた剛直なヘヴィメタルの数々に圧倒されるばかり。所謂メロパワを好んで聴く僕は正統派メタルの王道を行くバンドは苦手だったりするのですが、LOST HORIZONは北欧ならではの「泣き」や「哀愁」といった要素も併せ持っているのですんなり聴くことができました。

バンドのメインソングライターであり、曲の聴きどころとなるギターソロを次々と繰り出すWojtek Lisicki(G)を筆頭にMartin Furangen(B)のベキベキと唸るベース、Christian Nyquist(Ds)による手数の多いドラムと演奏陣も安定感がありますが、このバンドの主役は何と言っても実力派スキンヘッド・シンガーDaniel Heiman(Vo)です。声質そのものが魅力的なミドルレンジ、吐き捨て系シャウトから強力なハイトーンまで自在に操る彼なくしてLOST HORIZONの世界観がこのレベルにまで到達することはなかったと思います。2000年以降に登場したメタルシンガーの中でも屈指の逸材でしょう。90年代後半から2000年代初頭にかけてはRHAPSODY、SONATA ARCTICAなど有望な若手バンドが次々とシーンに登場していましたが、その中でもLOST HORIZONはインパクトがあったのでたった2枚のアルバムを残しただけで活動を休止(事実上の解散)してしまったことが悔やまれますね。

アルバムは序曲①The Quickeningで幕を開けるや「ハァッ!オッ!ストウッ!」のコーラスに胸が熱くなる灼熱のメタルチューン②Heart Of Storm、LOST HORIZON流メタルアンセムにしてバンドの代表曲③Sworn In The Metal Windへと雪崩れ込み冒頭から怒涛の畳み掛けを見せます。特に③は気持ちを高揚させるかのように早口で捲くし立てるパートと歌詞に込められた熱きメタル魂が「漢(おとこ)」を感じさせる名曲!ピアノによる小インスト④The Song Of Airを挟んで続く後半以降も、そのメタルウォリアーっぷりは衰えることなくDanielの切れ味鋭いシャウトが響き渡る⑤World Through My Fateless Eyes、「オー、オーオーオー♪」というコーラスとタイトルからして勇壮なミドルチューン⑥Perfect Warrior、キラキラしたキーボードサウンドとわかりやすいメロディがメロパワ要素を感じさせる⑦Denial Of Fate、静かな出だしから徐々に盛り上がっていきキャッチーなサビを聴かせる⑧Welcome Back、LOST HORIZONの凄みを9分に凝縮した長編⑨The Kingdom Of My Willからアウトロ⑩The Redintegrationに繋がるというアルバム構成も文句なし。全10曲中3曲が1分弱のインストで収録時間は43分弱とコンパクトな作品なので聴き始めの頃は食い足りない気もしていましたが、中身が非常に濃いアルバムなので聴き疲れを避けるためにもこれくらいの長さがちょうど良いのだと思います。なお本作で凄まじい歌唱を披露しているDanielはLOST HORIZONを脱退して以降、今ひとつパッとしませんでしたが現在はHARMONYというスウェーデンのバンドに在籍しているようです。HARMONYの2nd「CHAPTER II: THE AFTERMATH」(2008)にDanielはゲスト参加していて、彼が歌ったInner Peaceなる曲を聴く限りバンドとの相性は良さそうなので11月26日にリリース予定の3rd「THEATRE OF RDEMPTION」には密かに期待しています。

【音源紹介】
・Sworn In The Metal Wind

【CD購入録】GLORYHAMMER「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)

  • 2013/10/11(金) 00:00:00

【CD購入録】
TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE
GLORYHAMMER「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)

パイレーツ・メタルの名で親しまれている(らしい)ALESTORMの鍵盤奏者にしてフロントマンのChristopher Bowesが新たに立ち上げたシンフォニック・パワーメタルバンドGLORYHAMMERのデビュー作を買いました。リーダートラック③Angus McFifePVやブックレットでも披露しているメンバーのコスチュームから想像できる通り、音楽性はシンフォニックかつヒロイックなRPGメタルですね。この手のバンドというとボーカルは線の細いハイトーン系が多いのですが、緑のビニールアーマー(?)に身を包んだThomas Winkler(Vo)は安定感と力強さを併せ持ったシンガーで安っぽさは皆無。RPG的なストーリーを描き出す熱きサウンド、シンガーの力量(流石にFabio Lioneには及びませんが)などを踏まえるとRHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)を連想させますね。お約束とも言うべきイントロ①Anstruther's Dark Prophecyから続く疾走曲②The Unicorn Invasion Of Dundeeで幕を開けパワフルなメタルチューン、叙情バラード、インストを交えながら本編ラストを10分超えの大作⑩The Epic Rage Of Furious Thunderで締める構成もニクイ。2013年のブライテスト・ホープ争いにも加わってきそうなニューアクトですね。

【CD購入録】LIGHTNING「RAISE THE SUN」(2013)

  • 2013/09/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
RAISE THE SUN
LIGHTNING「RAISE THE SUN」(2013)

泣きのギタリストIRON-CHINOがリーダーを務め、今年の3月にTHOUSAND EYESを始動させたことも記憶に新しいKOUTA(G)も在籍するトゥルーメタルバンドLIGHTNINGの4作目を買いました。これまではアルバムを発表する度にシンガーが変わっていましたが、今回は前作に続き勇舞(Vo)が歌っています。本作のコンセプトは「ニンジャVSインベーダー」で、バンドメンバーは忍者だったというトンデモ設定(苦笑)が明らかになっていますが音楽性に一切のブレはなくLIGHTNING流ヘヴィメタルが展開されています。クサメロが吹き荒れていた1st「BRAVEHEART」(2007)、僕にとってバンドの最高傑作である2nd「FIVE RINGS」(2010)にインパクト面では一歩譲るものの②Raise The Sun、④Journey Of Prophecy、⑥Stand For The Fight、⑨Sail Awayなど僕の胸を熱くしてくれるメタルチューンが多いのでヘビロテしています。

LIGHTNING「JUSTICE STRIKE」(2011)

  • 2013/07/28(日) 00:00:00

JUSTICE STRIKE
【No.382】
★★★(2011)

「慟哭の剣」の異名を持つギタリストIRON-CHINOを中心とした「日本国最後のトゥルーメタル志士」(帯タタキより抜粋) LIGHTNINGの3rdアルバム。これまでも作品毎に異なるシンガーが歌っていましたが、今回も2nd「FIVE RINGS」(2010)でフロントマンを務めていた「最後のブロンコ」Robert Watermanから「神国に舞うブレイヴハート」勇舞にボーカルが交代しています。 歌の安定感、英語の発音など総合的に見てシンガーとしてはRobertに分があったように思うものの勇舞のボーカルスタイルも前任者に近いパワーシャウター系なので違和感なく聴けるし、IRONが紡ぎ出す慟哭のギターを中心に据えた漢らしくてクサいメロディック・パワーメタルは本作でも健在です。前作でグッと洗練性を増していたのに対して、本作ではデビューアルバム「BRAVE HEART」(2007)に近い武骨なサウンドとなっているのが特徴でしょうか。

アルバムは序曲①Advent「それは正義の名の下に」に導かれて勇舞が挨拶代わりのシャウトを決めるタイトル曲②JUSTICE STRIKE、2006年発表のデモCDにも収録されていたミッドテンポ③Soldier Forceという一連の流れでスタートします。このギターインスト~疾走曲~ミドルの3曲をアルバム冒頭に配するのはデビュー作からお馴染みとなっていてバンドの拘りが感じられますね。それ以降も2011年3月11日の東日本大震災のことを歌った哀しくも力強い④Far Away、アコーディオンを取り入れたサウンドが新鮮に響くアニソン調⑥Destiny Destination、IRONの師でもある屍忌蛇(G)率いるVOLCANO張りのヘヴィさで攻めてくる⑦End Of The World「千年王国の終わりに」などが気に入っています。そんな本作のハイライトとなっているのがIRON自身「新たな時代のLIGHTNINGアンセムとして、100年の後まで語り継がれることを、絶対的に宿命づけられたかのような曲」と語る⑩Save The Truthですね。ジャーマンメタルの王道を行く飛翔感に溢れたメロディとともに駆け抜けていくこの曲はバンドの新たな名曲だと思うし、「継承(なが)れる時のSaviour!」という歌詞を見てデビュー作からバンドを知る者としてはニヤリとしてしまいます。

アルバム全編に渡ってこのバンドらしい世界観を表現した曲調と歌詞、IRONと「黒龍の柩」KOUTA(G)のギターワークが存分に楽しめる1枚ですが、個人的に前作の方が好きだったりします。今回はストイックなメタルに重きを置いた反面、「愁い」や「キャッチーさ」が減退しているように感じるんですよね。過去作品には一聴した時点で心を鷲掴みにされる楽曲が多かったのに対して、本作を聴き始めた頃にインパクトがあったのは②、⑩そしてアニソンのカバー⑫「夢色チェイサー」くらいでした。と言いつつも、リピートすることで味が出てきた本作もお気に入り盤であることは間違いないので今後もバンドの信じる道を邁進してもらいたいですね。

【音源紹介】
・JUSTICE STRIKE

【CD購入録】LIGHTNING「JUSTICE STRIKE」(2011)

  • 2011/12/17(土) 00:00:00

【CD購入録】
JUSTICE STRIKE
LIGHTNING「JUSTICE STRIKE」(2011)

日本が誇るメタル志士LIGHTNINGの3作目を買いました。どういうわけかこのバンドはシンガーが定着しないようで、「最後のブロンコ」Robert Watermanから「神国に舞うブレイヴハート」勇舞にチェンジしています。前作「FIVE RINGS」(2010)はタイトルトラックを年間ベストチューンに選ぶほど気に入っていたので今回も期待して聴いてみました。基本線は従来作品と同じくIRON-CHINO(G)が紡ぎ出す慟哭のギターを中心に据えた漢臭いメロディックメタルでありつつ、曲によっては柔和な印象もあった前作よりも硬質なメタルサウンドを強めているように感じます。勇舞の歌唱スタイルはこのバンドに合ったパワーシャウターではありますが安定感、英語の発音など総合的に見て僕は前任者の方が好きかもしれません。第一印象としては前作に一歩譲るものの②Justice Strike、⑩Save The Truthのようにお気に入り曲も確かに存在するので、聴き込み次第では更に味が出てくるかもしれませんね。

LIGHTNING「FIVE RINGS」(2010)

  • 2011/06/18(土) 00:00:00

FIVE RINGS
【No.292】
★★★★(2010)

日本メタル界が誇る泣きのギタリスト屍忌蛇(G/VOLCANO、ex-GARGOYLE、ANIMETAL)の一番弟子であり、DRAGON GUARDIANのプロデューサーとしても名を馳せる「慟哭の剣」ことIRON-CHINO(G)率いる漢らしさ全開のメロディック・クサメタルバンドLIGHTNINGが3年振りに放つ2ndアルバム。2007年に「BRAVE HEART」でデビューして以降しばらく音沙汰がなかったのでDRAGON GUARDIAN「DRAGONVARIUS」(2009)のプロデューサーとしてIRON-CHINOの名前を見かけた時には懐かしく感じましたが、どうやら前作発表後に大幅なメンバーチェンジあったようです。デビュー作の時点で正式メンバーとしてクレジットされていた「人間凶器」こと御橋(B)以外は全て新メンバーとなっていてバンドはRobert Waterman(Vo)、GIGA THRASHER(Ds)、KOUTA(G)の3名を迎え、それぞれに「最後のブロンコ」、「孤高のハスラー」、「黒龍の柩」というニックネームを付けています。そんなちょっと痛めな(苦笑)ニックネームに象徴される個性的なバンドの世界観はこれまでと同じだし、音楽性もデビュー作と変わらずアニソン譲りのクサメロを随所に散りばめた王道メロディックメタル路線でIRONとKOUTAの2人が泣きのギターで楽曲に華を添えるという僕好みの内容となっています。バンドは今回、アルバム名を宮本武蔵の兵法書である「五輪書」から取ったり、幕末から明治期の侍をイメージした衣装でPVを制作したりするなど、前作でも垣間見せていたサムライコンセプトを更に明確化させていますね。

そんな本作を聴いた第一印象は「順当な成長作」でした。ニューシンガーRobertは前任者よりも安定感があるだけでなく日本人とアメリカ人のハーフなので日本語詞と英語詞の両方を歌いこなしているし、前作よりもキーボードのフィーチュア度が高まっていることもあって楽曲の洗練性、幅の両面でグレードアップしています。この手のメタルバンドの定番ともいえる序曲から疾走曲に至る流れ①Stalwart「士」~②Thousand Fieldsで聴き手の心をガッチリ掴み、その後に正統派ミドルの③Fidelity Bladeを続けるアルバム冒頭はなかなかに強力。そして本作最大のハイライトは何と言ってもタイトルトラックの④Five Ringsでしょう。剛直なメタル曲でありつつサビでは涼しげなシンセを纏った爽やかさとほとばしる熱さが同居したメロディが乱舞し、構築美を感じさせるIRONのギターソロが響くこの曲を僕は2010年ベストチューンに選ばせてもらいました。また本作で見られるバンドの新機軸としてキーボードが曲を引っ張っていく⑤Sword Destiny「明治二年の宮本武蔵」陰陽座がやりそうなヴィジュアル系ソング⑦Rise Awayという柔和な2曲の間にゲストボーカルNOV(Vo/AION、VOLCANO、地獄カルテット)のゴツイ歌声が映えるゴリ押しメタリックチューン⑥Never Surrender「五稜郭」を配した中盤もお見事。そして終盤はHeavy Metalというワードを冠した曲名に相応しい勇壮なコーラスが熱い⑧Heavy Metal(Of Destiny)、リリカルなピアノから一転してのパワフルなリフと「ドーノブザ サァァァァン♪」のシャウトが胸を熱くしてくれる⑨Dawn Of The Sun「維新の剣」というLIGHTNING流ヘヴィメタルの極致ともいえる2曲を叩きつけてアウトロ⑩Follow The Windまで一気に聴かせてくれます。ちなみに⑧と⑨にはKIN-YA(Vo/TEAM KIN-YA)なるシンガーがゲスト参加している模様。TEAM KIN-YAの音源をチェックしてみたところKIN-YAの方がRobertよりもハイトーン系という印象で、おそらく上記2曲では全編KIN-YAが歌っているものと思われます。

ヒロイックな正統派メタルサウンド、クサいアニソン風メロディと展開、泣きのギターといったLIGHTNINGの構成要素は僕の好きなものばかりなので本作はかなりのお気に入り盤となっています。また本作はボーナストラックに⑪「仮面ライダーBLACK」を収録していて、この点に関してはアニソンにメタルアレンジを施すIRONによる別プロジェクトIRON ATTACK!!での経験が活かされているのかもしれませんね。小さい頃にそれほど仮面ライダーシリーズにハマッていなかった僕は原曲を知らないのですが、バンドの世界観に合った好カバーだと思います。デビュー作と比べてほとばしるような熱さ、良い意味でのイモ臭さが薄まっているようにも感じますが、バンドの着実な成長振りがヒシヒシと伝わってくるので今後の更なる飛躍を期待せずにはいられませんね。

【音源紹介】
・Five Rings

【CD購入録】LIGHTNING「FIVE RINGS」(2010)

  • 2010/11/06(土) 00:00:00

【CD購入録】
FIVE RINGS
LIGHTNING「FIVE RINGS」(2010)

2007年にデビュー作「BRAVE HEART」をリリース後、あまり名前を見かけなくなっていたので少し心配していましたが中心人物のIRON-CHINO(G)は別プロジェクトIRON ATTACK!での活動や日本産クサメタルの傑作DRAGON GUARDIAN「DRAGONVARIUS」(2009)のプロデュースを手がけるなどしていたLIGHTNINGの2作目を買いました。前作の時点で正式メンバーだったIRONと御橋(B)以外はラインナップが代わっており、Robert Waterman(Vo)、KOUTA(G)、GIGA THRASHER(Ds)という3人を新たに迎えています。シンガーの名前を見て、てっきり日本人ではないと思っていたので序曲①Stalwartに続く②Thousand Fieldsの冒頭で「ラ~ア~ィ(Light)、明けの明星に~♪」という日本語が聞こえてきた時には驚きました。このRobert Watermanなる人物は日本とアメリカのハーフだそうで、日本語と英語両方を流暢に話せるようです。楽曲の方はデビュー作同様、武骨なヘヴィメタルの中でIRONのギターが咽び泣くというのが基本線ながら、キーボードのフィーチュア度がグンと上がったことで洗練された印象もあって順当な成長作という感じですね。今回も僕の心を熱くしてくれる漢臭いヘヴィメタル作品として愛聴しています。ちなみに本作のライナーノーツは勇者アーサー(G/DRAGON GURADIAN)が書いていて、これがまた熱いです(ウィキペディアから一部抜粋するのではなく勇者アーサー自身の言葉でもっとLIGHTNINGのことを語って欲しかったですが)。

また、そのウィキペディアによるとIRONはOliver Hartmann(Vo/HARTMANN、AVANTASIA、ex-AT VANCE)RISING ORBITなるバンドを結成しているそうで、これには驚きました。OliverにはHARTMANNのようなメロハーだけではなく、もっとメタル寄りのバンドでも活動して欲しいと思っていたので嬉しいのですね。この2人がどのように出会い、バンドを結成するに至ったのか気になります。

余談ですがIRON-CHINOってなかなかの美形ですね。名前は思い出せませんが、彼に似た俳優さんがいたような…。

LIGHTNING「BRAVE HEART」(2007)

  • 2010/11/03(水) 00:00:00

BRAVE HEART
【No.264】
★★★(2007)

屍忌蛇(G/VOLCANO、ex-GARGOYLE、ANIMETAL)を師と仰ぐギタリストにしてマルチプレイヤーのIRON-CHINO(アイアン・チノ)を中心とした日本産メロディック・漢・クサメタルバンドLIGHTNINGのデビューアルバム。正式メンバーはIRONとベーシストの御橋(みはし)2人だけで、ゲストメンバーのJun(Vo)Yohsuke(G)はIRONいわく「2人とも気心の知れた人間で優れたプレイヤーだし、ナイスなガイだから参加してもらった」(ブックレットより)とのこと。音楽性はメロディックバワーメタルを基盤に漢臭さをブレンドし、ギターソロも泣きとクサみに満ちたもので、例えるとすればIRONが敬愛する屍忌蛇率いるVOLCANOのクサメタル版といえるかもしれません。日本語と英語を混合したクサい歌詞といい、「男の中の漢。流れる時代(とき)のSAVIOR。受け継がれし慟哭の剣。全ての哀しみと勇気を包むギターソロは今、戦乱の神国を治むる火となる!」というクッサイ帯タタキといい、バンド特有の世界観に好き嫌いが分かれるかもしれませんが僕は結構好きです。「IRON-CHINOが雪山へ修行に向かう道中、御橋と運命的な出会いを果たし、全てが始まる。IRONの芸術哲学に深く感銘した御橋は、LIGHTNINGとして活動する事を誓い、長い探求の旅を共に歩む事になる」(オフィシャルサイトより)というバンド結成のいきさつはネタっぽさ満載ですがメンバー全員が格闘技経験者だというこのバンドの場合、あながちウソではないのかもしれませんね。

お約束的なギターインスト①Man Of Men「鉄の男」からキャッチーな疾走曲②Brave Heartに繋がる展開はありがちではありますが、聴く者の心を熱くしてくれます。その他にもYohsukeのペンによる曲でIRONのデス声っぽい歌も聴ける③Judgment Warrior、しっかり組み立てられたギターソロを弾きまくる⑤Shining Wizard「閃光魔術」、「レ!ザ!レクショォォン!」のサビが力強い⑦Rebirth「再生」、バンド名を冠するに相応しくLIGHTNINGらしさが詰まった⑧Lightning Force(Heavy Metal)など、心地よい疾走感の中でクサメロとIRONが奏でる泣きのギターが炸裂するナンバーが収録曲の半数を占める本作は愚直なまでに実直なヘヴィメタル作品です。僕が最も気に入っているのは昭和を代表する人気アニメ「北斗の拳」をモチーフにした南斗の運命(さだめ)を背負う男について全編日本語でJunが歌う⑨Southern Cross「南十字星」ですね。またアルバム終盤には⑩Steel Hold「慟哭の剣」、⑪My Wings Are Burning(歌詞カードでMywings Are Burningとなっているのは誤植?)というスピード感を抑えた勇壮なナンバーも収録していて、速さ一辺倒となっていないところも好印象。暑苦しい中にも希望と明るさを感じさせる⑪のクワイアは作品のエンディングにぴったりですね。

リードギターに関しては師匠の屍忌蛇が一撃必殺のプレイ(特にVOLCANOの1st「VIOLENT」は凄かった)だとすれば、「慟哭の剣」の異名を持つIRONはネオクラシカル色も加味した泣きのギターが楽曲全編を包み込むという印象で僕のツボを突いてくれます。また本作のリードボーカルを担当するJunはキャップとサングラスに短パンというメタルシンガーらしからぬブックレット写真とは裏腹に、井上 貴史(Vo/CONCERTO MOON)や本作リリース当時はDOUBLE DEALERで活動していた下山 武徳(Vo/ex-SABER TIGER、SIXRIDE)タイプのパワフルシンガーで本作の実直なメタリックチューンとの相性も良好ですね。このバンドにはハイトーン系より彼のようなシンガーが合うと思います。そんなJunのボーカルが若干不安定に思える部分があったり、⑩のピアノアウトロが短すぎて余韻に浸れなかったりと詰めの甘さを感じる場面もありますが、2002年から地道な活動を続けてきて遂にデビューを果たした1枚としては十分なクオリティだし、僕が好きなタイプの音楽だということに間違いありません。ただ、ブックレットや歌詞カードにスペルミスが多いのは気になりました。⑪の歌詞カードに「varuaburu life」と記載されている箇所は、どう考えても「valuable life」が正しいだろうし、御橋のフェイバリットアルバム「METROPOLIS PART2」は「DREAM THERTER」ではなく「DREAM THEATER」の作品でしょう。歌詞を強引なカタカナ読みにした「varuaburu」には思わず「それはちゃうやろ!」とツッコミを入れてしまいました(苦笑)。

【音源紹介】
・Brave Heart

STORMWARRIOR「HEADING NORTHE」(2008)

  • 2009/01/19(月) 08:14:40

HEADING NORTHE
【No.091】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第8位

ごめんなさい。僕はこれまでSTORMWARRIORというバンドのこと見くびっていました。今まで名前は知っていたけれど、CD評やジャケットからKai Hansen(Vo/GAMMA RAY)の寵愛を受けて活動しているB級バンドというイメージを持っていました。ところが3作目となる本作を聴いてみると、これが実にカッコいいメタルアルバムでビックリ。Lars Ramcke(Vo、G)は声質、歌い方の両方でKaiを連想させる頼りないスタイルだけど、楽曲のわかりやすさとキャッチーなメロディの求心力は最近のGAMMA RAYBLIND GUARDIANといったベテラン勢以上だと思えるほどです。この作品を聴いていると、時代遅れに思えたガンベルトに革ジャン姿のメンバー達がトゥルーメタル・ウォリアーズに見えてくるから不思議ですね。

音楽性はHELLOWEEN、GAMMA RAY直系のコテコテジャーマンメタルで、そこにアルバムタイトル/ジャケットから伝わってくるヴァイキングメタルっぽい勇ましさが加味され、正に漢メタルと呼ぶに相応しい1枚となってますね。短いイントロ①And The Horde Calleth For Odenに導かれるタイトルトラック②Heading Northeでいきなり疾走感が爆発。それ以降も力強いパワーメタル曲が続き、「ラグナ~ロ~ク♪」というわかりやすいサビを合唱したくなる骨太なキーパーチューン⑥Ragnarokまで一気に突っ走ります。壮大でドラマティックなミドル⑦Revenge Of Asa Landeでアルバムに緩急をもたらした後は、本作のハイライト⑧Remember The Oatheへ。この曲はテクニカルなギターから疾走し「Warrior, Greate Warrior~♪」というサビに至る流れがあまりにカッコよく、これ以降の楽曲が霞んでしまうほどに気に入っています。本編を雄々しいコーラスによるアウトロ⑪And The Valkyries Rideで締めくくるアルバム構成もグッド。

楽曲の素晴らしさもさることながら、クサくてキャッチーなメロディを奏でるLarsとAlex Guth(G)のツインギターや④Holy Crossなどで気持ちいいベースラインを響かせるYenz Leonhardt(B)、ツーバスをドコドコ叩きまくるFalko Reshoft(Ds)など、エネルギッシュな演奏陣も申し分なし。これでボーカルがKaiをリスペクトする歌唱法でなければ、更に凄いことになってたような気もしますが…。③Metal Legacy、⑤Iron Gods、⑩Into The Battleといった曲名、歌詞ともにメタル魂を鼓舞させるものが多く、漢臭く熱いヘヴィメタルアルバムとしてはLOST HORIZONの「AWAKENING THE WORLD」(2001)以来の傑作ですね。

【音源紹介】
・Heading Northe

【CD購入録】STORMWARRIOR「HEADHING NORTHE」(2008)

  • 2008/08/25(月) 08:45:56

【CD購入録】

HEADHING NORTHE
STORMWARRIOR「HEADHING NORTHE」(2008)

ドイツ産熱血パワーメタラーの3作目。今回初めてSTORMWARRIORの作品を聴いて思ったのは、僕はこれまでこのバンドのことを過小評価してたんじゃいかってこと。これは今年聴いたパワーメタル作品の中でも愛聴盤になりそうな予感です。ブックレットではRUNNING WILDBATHORYといったバンドを引き合いに出していますが、僕はこれらのバンドをよく知らないんですよね。そんな僕にとって本作のサウンドは、骨太になったキーパー時代のHELLOWEEN、またはキーボードによるキラキラした透明感を大幅カットし、Kai Hansen(Vo/GAMMA RAY)風のボーカルが暑苦しさと垢抜けなさをUPさせたLOST HORIZONって感じかな。曲のタイトルを見ても③Metal Legacy、⑤Iron Gods、⑩Into The Battleなど熱いものが多く、己の信じるパワーメタル道を邁進する姿が潔く、カッコいい1枚ですね。