【CD購入録】MYRATH「LEGACY」(2016)

  • 2016/06/13(月) 00:00:00

【CD購入録】
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MYRATH「LEGACY」(2016)

3rd「TALES OF THE SANDS」(2011)で日本デビューを果たしたチュニジアンメタルバンドMYRATHの4作目を買いました。今回も前作同様、エスニックなムードとプログレテイストに溢れたメロディックメタルを展開しているのですがメロディ、音作りなどあらゆる面でメジャー感が増していますね。ド派手に疾走したり、激しさを全面に出したりする場面はほとんどなくミディアム、バラード調の曲でとにかくメロディを聴かせるスタイルと、バンドの顔でもあるZaher Zorgati(Vo)によるコブシの効いた独特の歌い回しは本作でも健在です。決め手となる1曲がないのも相変わらずながら、このバンドの場合は聴き応えのある楽曲揃いなので突出したナンバーがないと感じるタイプなのだと思います。どの曲も甲乙付け難いのですが、お気に入りは序曲①Jasminに導かれて始まるリーダートラック②Believerですね。バンド名のミラスとはアラビア語で「遺産」を意味するため本作がバンドのセルフタイトル作ということになりますが、文字通りこのアルバムでMYRATHのアイデンティティが確立されたと言えるのではないでしょうか。

【CD購入録】MYRATH「TALES OF THE SANDS」(2011)

  • 2016/06/10(金) 00:00:00

【CD購入録】
TALES OF THE SANDS
MYRATH「TALES OF THE SANDS」(2011)

最新作「LEGACY」(2016)が各方面で好評を博しているチュニジア出身のプログレッシブ・メタルバンドMYRATHの3作目を買いました。BURRN!誌上では「アラブのDREAM THEATER」と評されていましたが、中東的なフレーズを盛り込みながらメロディアスに進行していく彼等の楽曲から僕が最初に思い浮かべたのはイスラエル出身のORPHANED LAND、そしてそこにKAMELOTのテイストを加味したという感じでしょうか。一撃で聴き手をねじ伏せるほどのキラーチューンこそないものの、どの曲も聴き応えがあるし⑥Dawn Within、⑦Wide Shut、⑧Requiem For A Goodbye辺りは即効性高めですね。デビュー前にはSYMPHONY Xのカバーバンドとして活動していたということもあって演奏陣はさすがの安定感を誇っているし、フロントマンZaher Zorgatiによる艶やかで力強い歌唱、Kevin Codfert(Key/ADAGIO)がプロデューサーを務めたサウンドプロダクションなどB級臭さは感じられません。「LEGACY」では更に成長した姿を見せてくれているようなので、そちらも購入予定です。

【CD購入録】RUSSKAJA「ENERGIA!」(2013)

  • 2016/05/06(金) 00:00:00

【CD購入録】
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RUSSKAJA「ENERGIA!」(2013)

現時点での最新作でもある4th「PEACE, LOVE & RUSSIAN ROLL」(2015)でその存在を知り、ファンになったロシアン・ターボ・ポルカ・メタルバンドRUSSKAJAの3作目を買いました。「PEACE, LOVE & RUSSIAN ROLL」と比べると本作の方がHR/HM色は薄いように感じますね。その反面、ポルカやブラスサウンドが生み出す楽しげな雰囲気が強調され、メロディについても哀愁よりキャッチーさが前面に出ています。歌詞は英語よりもロシア語、ドイツ語の比率が大きいため意味はほとんどわかりませんが、タイトル曲①Energiaの「エェ!ネェ!ギィ!アァ!」を筆頭に曲名を連呼するサビが多いため初めて聴いた時から口ずさんでしまうし③Radost Moja、⑤Istanbul辺りのメロディもクセになります。何度もリピートしていた4thに負けず劣らず、今回も中毒性の高い1枚なのでしばらくヘビロテ決定ですね。

【CD購入録】RUSSKAJA「PEACE, LOVE & RUSSIAN ROLL」(2015)

  • 2015/09/22(火) 00:00:00

【CD購入録】
PEACE LOVE RUSSIAN ROLL
RUSSKAJA「PEACE, LOVE & RUSSIAN ROLL」(2015)

トランペット、バイオリン奏者も含むウィーン出身の7人編成メタルバンドRUSSKAJA(ラスカーヤと読むようです)の4作目を買いました。彼等のことは全く知らなかったのですが、バンドが自称する「ロシアン・ターボ・ポルカ・メタル」という言葉に惹かれて試聴してみたところ好感触だったので購入。ターボと呼ぶほどの疾走感こそないものの、ロシア民謡やポルカとメタルを見事に融合させていて面白いサウンドとなっていますね。知っているバンドで例えるなら僕の中で「元祖ポルカメタルバンド」となっているFINNTROLLDIABLO SWING ORCHESTRAのアバンギャルドさを加えて、キャッチーに仕上げたという感じでしょうか。中心人物のGeorgij Makazaria(Vo)の歌声もいい具合に枯れていて味わい深いし、英語だけでなくロシア語(?)で歌う場面もあり民謡フレーズとの相性抜群。プレイボタンを押した途端に流れてくる「パーパーパーパー パラッパラー♪」というブラスセクションから始まる①Rock 'n' Roll Today、ハラショーコーラスが印象的な③Hometown Polka、アルバムを颯爽と締めてくれるロシアンロールナンバー⑫Peace, Love And Russian Rollなどがお気に入りです。思わず踊りたくなるような楽しさと哀愁が同居するRUSSKAJAサウンドはクセになりますね。過去のアルバムも聴いてみたくなりました。

WUTHERING HEIGHTS「FAR FROM THE MADDING CROWD」(2003)

  • 2015/07/07(火) 00:00:00

FAR FROM THE MADDING CROWD
【No.436】
★★★★(2004)

デンマーク出身のプログレッシブ・パワーメタルバンドWUTHERING HEIGHTSの3rdアルバム。バンド名は勿論エミリー・ブロンテの有名小説「嵐が丘」から取られていて、本作はデビュー盤の「WITHIN」(1999)から続く物語の最終パートという位置づけのコンセプトアルバムのようです。コピーコントロールCDではありますが「狂乱からの旅路」というアルバムタイトルだけでなく各曲にも邦題がつけられていて、レーベル側もバンドを日本で売っていこうとしている意気込みが感じられますね。これまで僕はこのバンドについて名前を知っているだけで実際に聴くことはなかったのですがRICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY「EMBRACE THE GALAXY」(2003)で鮮烈なデビューを飾ったNils Patrik Johansson(Vo/ASTRAL DOORS)が本作でも歌っていると知って購入に踏み切りました。本作と同日にリリースされたASTRAL DOORSのデビュー作「CLOUDBREAKER」の国内盤と一緒に買った記憶があります。WUTHERING HEIGHTSの音楽性はパワーメタルをベースにしつつ1曲の中に山あり谷ありの展開と強烈なクサメロを盛り込み、バグパイプやフルート等による民謡調のフレーズが乱舞するという、これまでに聴いたことのないタイプですね。聴き始めの頃は目まぐるしく変わる曲構成に置いてきぼりをくらい、何曲目を聴いているのかわからなくなることもありましたがリピートするうちにバンドの中心人物Erik Ravn(G)が生み出す独特の音世界に魅了されました。

バグパイプが響き渡るイントロ①Gather Ye Wild(つどえ、野生の子ら)、一筋縄ではいかなそうなギターメロディに始まりサビではクサメロが炸裂する②The Road Goes Ever On(果てしなき道)の時点でWUTHERING HEIGHTSの世界に引き込まれましたね。本作の核となっているのは「Now the wind calls a storm from the past. Night falls and I'm longing for the woods」という歌詞が乗るキラーフレーズが登場する④Part Ⅰ:The Wild Children(野生の血)、⑥Part Ⅱ:The Ring Of Fire(炎の輪)、⑨Part Ⅲ:Herne's Prophecy(古の預言)で構成されるLooking For The Woods(荒野の情熱)3部作でしょう。3曲に共通する上記サビメロが秀逸であるだけでなく、手を替え品を替え異なるアレンジで楽しませてくれるそのセンスが素晴らしい。また⑩Land Of Golden Glory(失われし栄華)もアルバムのハイライトと呼べる疾走曲で堪りません。アイリッシュ、トラッド、フォークといった要素が混在しAメロ〜Bメロ〜サビと単純に進行する曲がほとんどない本作は展開が強引すぎる面もあり⑤Highland Winds(ハイランドの風)の4:10付近は唐突すぎて笑ってしまうほどすが、そこは繰り返し聴いても飽きがこないという強みにもなっています。

そして僕にWUTHERING HEIGHTSを聴くきっかけを与えてくれたNils Patrik Johanssonのボーカルもエネルギッシュに歌うことの多かったASTRAL DOORS、SPACE ODYSSEYとは一味違う歌唱を披露しています。本作最初のボーカルパートが登場する②の歌い出しではまるで別人かと思うほどのクリーンボイスを駆使、かと思えば「The road goes on and on」と歌うサビでは「ざ、ろぅ、ごじょぉお〜にぃにょお〜♪」と聞こえるくらいの暑苦しい歌い方(笑)となっていて、その幅の広さにビックリ。アルバムが発売されたのはSPACE ODYSSEYの方が先だったもののNilsが初めて本格的なバンドで歌ったのが本作だとは信じられませんね。NilsとしてはASTRAL DOORSを自身のメインバンドに考えているようですが、あちらではパワー重視になりがちなのでWUTHERING HEIGHTSこそが彼の歌唱力を最も活かせる場のように思います。そんなNilsの影に隠れがちではありますがドラマーMorten Sorensenの叩きっぷりも素晴らしく、バンドの大きな推進力となっています。このアルバムでWUTHERING HEIGHTSを知り、現時点での最新作5th「SALT」(2010)までの3枚を聴きましたが本作が一番好きですね。

【音源紹介】
Land Of Golden Glory

【CD購入録】ORPHANED LAND「NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR」(2010)

  • 2010/01/29(金) 00:00:00

【CD購入録】
NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR
ORPHANED LAND「NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR」(2010)

イスラエル出身という話題性だけでなく、中身の方も素晴らしかった前作「MABOOL THE STORY OF THE THREE SONS OF SEVEN」に続くORPHANED LANDの4作目を買いました。スウェーデンのプログレッシヴ・デスメタルバンドOPETHなどを手がけたことでも知られるSteven Wilson(Vo、G/PORCUPINE TREE)をプロデューサーに迎えた本作はサウンドブロダクションが向上していて、その独特の世界観に更なる磨きがかかっています。前作に比べるとキャッチーなメロディはそれほど多くなくプログレッシヴ・ロック的に展開する作り込まれた曲が多いので、聴き始めの現時点では前作以上に敷居が高く感じられます。全体的には、各所で高く評価されていながら僕が今ひとつのめり込めないでいるOPETHに近い印象を持ちました。スピリチュアルで深遠なサウンドがただならぬ雰囲気を放っている作品なので、じっくり時間をかけて味わいたい1枚ですね。

ORPHANED LAND「MABOOL THE STORY OF THE THREE SONS OF SEVEN」(2004)

  • 2010/01/27(水) 00:00:00

MABOOL
【No.215】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第3位

これまで全くノーマークだったイスラエルから現れたORPHANED LANDなるバンドの3rdアルバム。前作から8年間のブランクを置いてのニューアルバムにあたる本作は、聖書に登場する「ノアの方舟伝説」を壮大なスケールで描いたコンセプトアルバムとなっています。それにしても、このバンドの音像は一言でジャンル分けするのが難しいですね。基盤となっているのはエクストリームメタルなのですがゴシックっぽさもある深遠な世界観の中で、響き渡るデス声とナイーブなノーマルボイスを巧みに操るKobi Farhi(Vo)の歌唱、DREAM THEATER風のプログレ的要素、サズーなどの民族楽器を使ってのフォーク/トラッド要素、イスラエル出身ならではのヘブライ語による語りや女性コーラスなど様々な魅力がありながらキャッチーさも忘れないという非常に独自性のある音を出すバンドです。

そんな音楽性の中で、2人のギタープレイヤーMatti SwatizkiYossi Sassiの泣きを多分に含んだエモーショナルプレイが僕を惹きつけて離しません。ブックレットにどちらのギタリストがどの曲で演奏しているか記載されているのでそれを参考に感想を書くと、ワイルドな風貌のMattiは②Ocean Land⑤Halo Dies(The Wrath Of God)で思わず聴いてるこっちの顔が歪んでしまうほどの泣き泣きのギターを披露してくれているし、ブックレット内の写真で悟りを開いたかのような表情で佇むYossiのプレイは⑥A Call To Awake(The Quest)での構築美あるソロ(DREAM THEATERっぽいインタープレイを繰り広げるキーボードプレイヤーもナイスセンス!)と⑦Building The Arkでのアコギプレイが秀逸ですね。そんな2人のプレイの美味しいところを凝縮したかのような⑪The Storm Still Rages Insideでの尺の長い、それでいてしっかりと組み立てられたソロワークはアルバム最大の聴きどころとなっています。これらのギタープレイの音質がもう少し良ければ更に感動的に響いてきたと思えるのが、残念といえば残念な点でしょうか。

ただそんな気になる点を払拭するだけの孤高性が本作にはあって聴けば聴くほど、どんどんその世界に引き込まれていく魅力的な1枚なので、この作品とは歌詞/対訳を読みながらじっくり対峙したいですね。現在のところ日本盤の発売はありませんが、ORPHANED LANDは最新作「NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR」で日本デビューを果たすので今後、本作の日本盤が出るかもしれないと期待しています。お気に入りはストーリーが佳境を迎える⑨Calm Before The Flood~⑫Rainbow(The Resurrection)という終盤の流れで、この辺りは音楽を聴いているだけで、その情景が目に浮かんできそうなほど。本作における情景描写の妙はDREAM THEATERの神盤「METROPOLIS PT.2」に迫るものがあると言ったら褒めすぎかもしれませんが、大きな感動を与えてくれます。ちなみに僕は本作「MABOOL」とアコースティックライブ5曲を収録した「THE CALM BEFORE THE FLOOD」の2枚組仕様盤を持っているのですが、アコースティックライブ盤の方はデス声を完全廃除し、バンドのエキゾチックな面に焦点を当てた音源で和みますね。

【音源紹介】
・The Storm Still Rages Inside

EMIR HOT「SEVDAH METAL」(2008)

  • 2008/12/17(水) 08:15:39

SEVDAH METAL
【No.083】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第7位

かつてはNEON KNIGHTSというバンドに在籍していたボスニア・ヘルツェゴビナ出身のギタリストEmir Hotのソロ1作目。アルバムタイトルからもわかるように、東バルカン地方のトラッドミュージック「Sevdah(セヴダ)」を程よいアクセントとして取り入れたネオクラシカルメタルが楽しめる好盤です。こういったフォーク/トラッド色をメタルに融合させるというスタイルはヴァイキングメタルの専売特許という印象でしたが、正統派メタル好きの僕にとっては本作の基本線がネオクラ路線というのが嬉しいですね。例えるなら、YNGWIEスタイルのギタープレイにジプシー音楽をミックスさせたSteven Anderson(G)の名盤「GYPSY POWER」の歌モノバージョンという感じでしょうか。

本作でEmirを強力バックアップするのは、声質が変わったような気がするものの伸びやかなハイトーンは健在なJohn West(Vo/ex-ROYAL HUNT etc)、パワーヒットで楽曲にグルーヴをもたらすMike Terrana(Ds/MASTERPLAN、ex-RAGE)という2人のベテランで、本作をより魅力的なものにしてくれています。楽曲も②Devils In Disguise、④Skies And Oceansといったスピードチューン、ネオクラの王道をゆくミッドテンポ③World Set On Fire、Emirの繊細なアコギとJohnの熱唱が強烈な泣きを発散するバラード⑥Stand And Fight、Steven Andersonの作品でも使われていた欧州民族音楽フレーズを用いたインスト⑧Hora Martisoruluiとバリエーション豊かで、アルバムの流れとしてもバランスよく配されています。またアルバム中盤の⑤Sevdah Metal Rhapsodyは12分近くの大作で、ヨーロッパ民謡風の情緒とヘヴィメタルの攻撃性の両方を併せ持ち、途中にMikeのドラムソロまでもフィーチュアした聴き応えたっぷりの1曲。個人的お気に入りチューンは、エキゾチックな歌メロで駆け抜ける⑦Endless Painですね。曲のラストでスローダウンしたかと思うと、その後再び加速するというアレンジがツボです。

アルバムの主役であるEmirのギターは安定感とセンスの良さが感じられるだけでなく、ギタリストのソロ作品でありながら良質な歌メロ満載というのがいいですねぇ。サウンドプロダクションのショボさが気にならなくはないけど、そんなマイナス面を補って余りある充実の楽曲と各メンバーのプレイがぎっしり詰まった1枚です。John、Mike共に数多くのバンドを渡り歩くタイプのプレイヤーなので難しいかもしれませんが、次作も同じメンバーで作ってもらいたいですね。

【音源紹介】
・Devils In Disguise

STEVEN ANDERSON「GYPSY POWER」(1994)

  • 2008/10/29(水) 08:00:35

GYPSY POWER
【No.062】
★★★★★(1996)

スウェーデン出身のギタリストSteven Andersonによるオールインストのデビューアルバム。ネオクラシカルなプレイを基本とする彼のギターは、大別すればYNGWIE MALMSTEENタイプ(実際ライナーノーツにもYNGWIEのプレイを聴いてギタリストの道を志したとあります)なんですけど、アルバムタイトルにもある「GYPSY」という単語から連想されるオリエンタルでエスニックな雰囲気漂う独自の世界観を確立しています。

YNGWIEほど速弾き、テクニカルプレイにスポットを当てるわけではなく、一音一音に籠められたエモーションとフレージングセンスが実に味わい深いのがSteven Andersonの特徴。情感たっぷりに聴かせるスローチューン②The Child Within(後半にかけて盛り上がっていく展開もお見事)、速弾きもきっちりこなせることを証明しつつもフレーズを大切にしながら弾きまくり、2:50からの約1分間がアルバム最大の聴きどころとなっている③Gipsy Flyの2曲が特に好きです。そんな極上のギタープレイで奏でられる哀愁のメロディ自体も実に魅力的で、民族音楽色の濃い①Dance Of The Fortune Teller、曲中盤でのクサいメロディに悶絶の④Orient Express、ポップタッチで楽しげな⑥The Scarlet Slapstickと曲毎のキャラ立ちもしっかりしてますね。そして9分ある3部作⑤Pah-Kwa And The Gat Monadeでは、パート毎にタイプが異なるメロディを持ちながら1つの曲にまとめ上げてしまう構成力に脱帽です。

本作を聴いて、インストアルバムならではの聴き手のイマジネーションを刺激するSteven Anderdonの音楽に夢中になりました。全6曲で約35分では物足りないですね。もっと彼の曲が、彼のギターが聴きたいと思わずにいられない本作は新たなギターヒーローの誕生(ブックレットを見る限りなかなかの美系)を感じさせてくれる1枚です。そんなスター性も秘めた彼も、より耽美的でプログレ色の強い2ndアルバム「MISSA MAGICA」(1996)を発表してからというもの、全く音沙汰のない状態が続いてます。これだけの才能を持ったギタリストを埋もれさせてしまうのは実に勿体ないと思うんですが、この人は今どうしてるんでしょうか。またいつかアルバムをリリースして欲しいですね。

【音源紹介】
・Gipsy Fly