【CD購入録】森重 樹一「obsession」(2014)

  • 2016/11/11(金) 00:00:00

【CD購入録】
obsession.jpg
森重 樹一「obsession」(2014)

2011年にそれまで在籍していたバンドからの脱退とソロ活動に専念することを発表して以降、有言実行で毎年アルバムをリリースしている森重 樹一(Vo/ZIGGY、ex-THE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONS)の9作目を買いました。今回も僕が森重 樹一というアーティストに期待するハードロックンロール、ポップチューンやバラードを収録してくれていますね。曲調的にはアルバム中盤に配されることが多そうなミドル①FORGIVE MEから「SOUL TO SOUL」(2011)のエンディング曲「始まりは終わりから」のフレーズが再登場する⑪「君の心あるがままに」までアルバムを通して楽しめます。お気に入りはピアノとサックスが曲を盛り上げる②GOOD OLD TIME ROCK’N’ROLL、本作のタイトル曲と言うべきバラード④MY OBSESSIONでしょうか。今年でソロデビュー20周年を迎えるそうですが、今こそが絶頂期ではないかと思えてくる充実盤ですね。

【CD購入録】森重 樹一「ELEVEN ARK」(2013)

  • 2015/11/11(水) 00:00:00

【CD購入録】
ELEVEN ARK
森重 樹一「ELEVEN ARK」(2013)

ZIGGY、THE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONSなどでの活動を経て現在はソロに注力している森重 樹一(Vo)の8枚目となるフルレンス作品を買いました。前作「SOUL TO SOUL」(2011)と同じく今回も僕が好きだったSNAKE HIP SHAKES〜ZIGGYの「HEAVEN AND HELL」、「ROCK AND ROLL FREEDOM!」期に通じるハードロック寄りの作風ですね。ソロ作品にしては珍しく①「一人の世界に」を本作のプロデュースも手掛けている山本 陽介(G)②STRANGE KINGDOMを女性ベーシストが作曲しているのですが、これら2曲も森重のパブリックイメージと大差のない曲調で違和感なくハマっています。満を持して登場する森重曲③SET THE FRIDAY NIGHT ON FIREも彼らしいメロディが冴えていて掴みはバッチリだし、ロックソング3連発の後を受けるバラード④「止まない雨の中で」も秀逸。それ以外のお気に入りは森重特有の言葉選びが面白いミドル⑥WONDERLAND、スケールの大きなバラード⑧NOTHING BUT LOVEでしょうか。また本作には⑨DICE!、⑪STARTIN'AGAIN 2013というリメイクも2曲収録していて前者はソロ名義のアコースティック・ミニアルバム「NAKED SUN」(2012)、後者はZIGGY「HOT LIPS」(1988)からのナンバーです。特に⑪は今の森重が歌うことで魅力が大きくアップしています。「生誕50周年を迎えた日本のロックアイコン森重 樹一の集大成」が本作のキャッチコピーのようですが、50歳を迎えて一段と味わいを増した彼の歌は本当にカッコいいですね。

【CD購入録】森重 樹一「ELECTRIC MOON」(2012)

  • 2013/11/18(月) 00:00:00

【CD購入録】
ELECTRIC MOON
森重 樹一「ELECTRIC MOON」(2012)

アコースティック作品「NAKED SUN」と対をなす森重 樹一(Vo/ZIGGY、ex-THE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONS)のハードロック・ミニアルバム「ELECTRIC MOON」を買いました。「NAKED SUN」も良作だとは思っていましたが、今回のようなハードロック作品を聴いているとやはり自分は森重のこういうサウンドが好きなんだと再確認させられますね。「これぞ森重節!」なオープニング①ELECTRIC MOONを聴いて「やはり森重のメロディセンスはいいなぁ」と思っていたら、この曲はシングル「SADISTIC SMILE」と本作のプロデューサーでSadistic Smileの作曲もしていた黒須 克彦によるナンバーだと知って驚きました。この人のことが気になったので本人のブログを覗いてみたら中学生の時にZIGGYの「KOOL KIZZ」を聴いて楽器を始め、現在は楽曲を提供のみならずベースプレイヤーとしても活躍しているようですね。そんなタイトル曲以降もデジロック風味をまぶした疾走曲②REBEL YELL、単純に聴いていて気持ちいい③TONITE、⑤「大切な場所」、ゴキゲンなロックンロール④「明日は晴れるさ」、琴のような音色による和音階で始まるパワーバラード⑥EVERLASTINGに至るまで聴き応えは十分。6曲入りミニアルバムというボリュームですが満足感は結構高いですね。

【CD購入録】森重 樹一「SADISTIC SMILE」(2012)

  • 2013/11/15(金) 00:00:00

【CD購入録】
SADISTIC SMILE
森重 樹一「SADISTIC SMILE」(2012)

アコースティック盤「NAKED SUN」とハードロック盤「ELECTRIC MOON」という2枚のミニアルバムの合間に森重 樹一(Vo/ZIGGY、ex-THE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONS)がリリースした3曲入りシングルを買いました。タイトルトラック①Sadistic Smileは本作のトータルプロデュースも手掛ける黒須 克彦という人が書いた曲なのですが、サビの解放感が森重節を連想させるハードチューンに仕上がっています。②「真っ白な雪灯り」は温かみのあるクリスマスソング、③「散りばめられた星と欠けた月のピアス」はメロディがじんわりと胸に沁みるアコースティックバラードでどちらもなかなかの出来ですね。各曲それぞれ異なる魅力が感じられるのでファンならば押さえておいて損はない1枚だと思います。

【CD購入録】森重 樹一「NAKED SUN」(2012)

  • 2013/11/12(火) 00:00:00

【CD購入録】
NAKED SUN
森重 樹一「NAKED SUN」(2012)

THE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONSの2バンドから脱退(ZIGGY
活動休止中)して活動をソロ一本に絞ることを決断した森重 樹一(Vo)のアコースティック・ミニアルバム(6曲入り)を買いました。本作は「静のSUN×動のMOON」というコンセプトでリリースされた2作品の第1弾にあたります(第2弾のタイトルは「ELECTRIC MOON」)。アコースティック作品というとバラード主体というイメージが強いですが、本作ではノリのいい②DICE、ダークで退廃的な③「支配者の声」なども楽しめます。といいつつ、お気に入りは④「夜明け前風は強く」、⑤「まんざら捨てたもんでもないぜ」といったバラード系なんですけどね(苦笑)。

【CD購入録】森重 樹一「SOUL TO SOUL」(2011)

  • 2013/10/28(月) 00:00:00

【CD購入録】
SOUL TO SOUL
森重 樹一「SOUL TO SOUL」(2011)

7thフル「LOVE A SOUL」(2010)、ミニアルバム「WIRE SOUL」(2011)に続く「SOUL3部作」の最終章となる森重 樹一(Vo/ZIGGY、ex-THE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONS)のソロ8作目を買いました(ジャケットがイカつい…)。彼のソロ作品はバンド形態のアルバムと比べると、物足りない印象を受けることが多かったのですが今回は一味違いますね。いわゆる森重節が炸裂するキャッチーなロックンロール/ミディアムポップやバラードはどれも粒揃いだし、ポジティブなムードに満ちた④「愛がすべて」、森重流レゲエ(?)⑧「吟遊詩人のバラッド」など新鮮な空気も感じさせる楽曲群はバラエティ豊富です。僕の苦手なブルーズ系がないというのも好印象。それにしても、この人はここ最近で更に歌が上手くなったように思いますね。個人的にはTHE DUST'N'BONEZほどゴリゴリではないけれど適度にハードでメロディが華やかな①「憐憫」、③「翼」、⑤「光の差す方へ」といったロックチューンがツボです。

【CD購入録】森重 樹一「WIRE SOUL」(2011)

  • 2013/10/25(金) 00:00:00

【CD購入録】
WIRE SOUL
森重 樹一「WIRE SOUL」(2011)

7th「LOVE A SOUL」(2010)から始まった「SOUL3部作」の第2部にあたる森重 樹一(Vo/ZIGGY、ex-THE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONS)のミニアルバムを買いました。2011年1月にTHE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONSの両バンドから脱退した森重がソロ活動に専念して初の作品でもあります。肩肘張らないロックサウンドで楽しませてくれた「LOVE A SOUL」と比べて若干ハードな質感が増した本作は「メロディメイカー森重 樹一」の魅力が前作以上に表れているのが嬉しいポイント。「手放しちまえよ おまえが本当に心の底から信じるもの愛するもの それ以外は~♪」と歌う③「手放しちまえよ」はソロだけに集中する決断を下した森重の当時の状況を踏まえると感慨深いですね…。SHRI:EKERというバンドに提供した曲のセルフカバー①MARIA中村 敦なる人物のカバー曲ながら見事にハマっている⑤「転石」を含むなど全5曲中で純然たる新曲は僅か3曲と少ないものの非常に密度の濃い1枚だと思います。

【CD購入録】森重 樹一「LOVE A SOUL」(2010)

  • 2013/10/22(火) 00:00:00

【CD購入録】
LOVE A SOUL
森重 樹一「LOVE A SOUL」(2010)

現在は活動休止状態となっているZIGGYの顔にして、日本屈指のロックシンガー森重 樹一(THE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONS)の7枚目となるオリジナルアルバムを買いました。THE DUST'N'BONEZほどハードでもなければ、THE PRODIGAL SONSのような渋いブルーズ調でもない(⑩11.P.Mはそれっぽいですが )本作は現時点でZIGGYのラストアルバムとなっている「NOW AND FOREVER」(2007)の延長線上にあると言ってもよさそうな肩の力の抜けたロックサウンドに仕上がっています。楽しげなハンズクラップで曲がスタートする①「正直者は馬鹿を見る」を筆頭にポジティブで明るいムードがアルバムを覆っていてます(バッキングで響くピアノの影響も大きいかと)。いわゆる森重節は抑えめですが耳に残るメロディは随所で聴けるし、軽快に弾ける④「ひとりぼっちのパレード」などは結構好きですね。

THE DUST'N'BONEZ「DUST & BONES」(2010)

  • 2011/06/13(月) 00:00:00

DUST AND BONES
【No.291】
★★★★(2010)

2011年1月にリーダーの戸城 憲夫(B/ex-ZIGGY)が「2010年9月のライブ終了後に森重 樹一(Vo/ZIGGY)が脱退の意志を告げたことでバンドの第一期があっさり終了した」とオフィシャルブログで公表したTHE DUST'N'BONEZの4作目にして森重を擁するラインナップでのラストアルバム。戸城の発表から少し遅れて森重もオフィシャルブログでこの件に言及し、THE DUST'N'BONEZだけでなく松尾 宗仁(G/ZIGGY)と結成したTHE PRODIGAL SONSからも脱退してソロ活動に専念するとコメントを出しています。また音楽サイト「ナタリー」によると両バンドとも森重の後任を探しながら活動を継続していくこと、今回の脱退には森重が患っている心の病をが関係していることが書かれていました(ソースはこちらこちら)。そういえば森重の歌詞には「うつ症状」を連想させる言葉が何度か使われていましたね(本作でも④「自意識という名の空虚で踏み抜けよそのアクセルを」で「心の風邪を患っちまった」と歌っています)。個人的にこのバンド最大の持ち味は「戸城が書くハードロックンロール曲と時には文学的にすら響いてくる森重の歌詞の融合」だと思っていたので、この脱退劇はかなりショックでした。森重以外の誰かが歌うTHE DUST'N'BONEZなんて今は想像できません。

前置きが長くなってしまいましたが、このアルバムは基本的に前作と同じアグレッシブな路線でありつつ過去の3作品に収録されていた「愛と夢☆希望の画」、「スタートライン」、「自分勝手な夜に爪跡残せ」のようなバンドのポップ/ライトサイドを担う楽曲がないため、これまで以上にタイトかつシンプルな仕上がりとなっている印象です。メロディアスなHR/HMを好む僕としてはもう少しキャッチーさや突き抜ける爽快感が欲しかったかな。また、これは本作を発表した数ヶ月後に森重が脱退したということを知った今だから言える結果論かもしれませんが、THE DUST'N'BONEZにしては楽曲が小粒な気もします。とはいえ戸城のメロディセンスが炸裂する③「深海」、⑨「Trigger~黒く塗り潰せ~」といったキラーソングもしっかり収録されているのでTHE DUST'N'BONEZ流ロックが楽しめる作品であることは間違いありません。上記2曲以外にも①「紫のマイブラッド」、②HELLS AROUNDというバンドのお家芸的チューンをガツンとかましてくれる作品序盤、そして激しいロックソングでありながら他のパートよりも低いキーで歌われるサビと戸城のベースの絡みがカッコいい⑧「白昼夢のPalm Tree」、バンドの現状を踏まえると曲名の重みが増すノリのいいロックチューン⑩「このままじゃ終われっこない」といった楽曲がお気に入りです。作品中盤に並ぶ一筋縄ではいかない楽曲群も多彩な表情を見せつつ、ラストを締めくくる壮大なバラード⑪「銀の羽 銀の矢」が心地よい聴後感を残してくれます。

ZIGGY時代から「森重節」に対して「戸城ポップ」と称されていた良い意味であざといまでのキャッチーソングがなかったり、今までよりもHR/HM色が薄かったりするために総合的に見ると過去作品に一歩譲る感はありますが、リピートを誘う魅力はしっかりと保持されています。森重脱退は悲しいけれど、バンドが醸し出すそんな「先の見えない危うさ」も彼等らしさのひとつでした。戸城と森重そして坂下 たけとも(G)、満園 栄二(Ds)の元SADS組の4人というメンバーが4枚のフルアルバム、2枚のシングルで残してくれた楽曲はいつまでも僕の心に響き続けることでしょう。そして、このブログを訪れてくれた方が1人でもTHE DUST'N'BONEZに興味を持ち、聴いていただけたら嬉しいです。

【音源紹介】
ごめんなさい。本作の音源を見つけることができませんでした。

森重 樹一「ROCK & ROLL SINGER」(2004)

  • 2009/03/23(月) 08:18:53

ROCK & ROLL SINGER
【No.115】
★★★(2004)

2003年にいかにも「らしい」アルバム「ROCK AND ROLL FREEDOM!」をリリースしたZIGGYの歌い手にしてMr. ZIGGYである森重 樹一(Vo)のソロ5作目は、バンドの勢いを反映させたかのような快活なロックアルバム。これまでのソロ作品はZIGGYとは明らかに一線を引いた「静」のイメージが強かったのに対し、本作はZIGGYの新作としても音楽性、クオリティ共に十分通用しそうな内容です。

ZIGGYらしいメロディ運びのある①Rock & Roll Singerに始まりバラード⑭「終らない愛の唱」で終わる構成も見事だし、歌謡曲テイストのある⑥Farewellや、それに続く⑦Nothing Lasts Forever、⑧「今しか描けない絵」といった耳に残るメロディを持った曲が揃う中盤の流れもグッド!今回のアルバムを「やりたいようにバッド・ボーイズ・ロックのアルバムを作る」というテーマをもとに作った結果が、ハードロッキンな曲、ポップソング、バラードそしてブルーズ(僕は苦手ですが)と森重の持つ魅力が詰まった1枚となったことが素直に嬉しいですね。戸城 憲夫(B/ex-ZIGGY)松尾 宗仁(G/ZIGGY)などZIGGYはこれまで優れたソングライターを有していたけど、やっぱりZIGGY=森重 樹一なんだと再確認しました。

また本作にはZIGGY時代の盟友、戸城が参加し、数曲でプレイしているのみならず楽曲も提供してるのが注目すべきところ。その④Rusty Voiceが、これまた2人のケミストリーを感じさせてくれる1曲で、新バンドTHE DUST’N’BONEZ結成に繋がっていきます。

【音源紹介】
・Rock & Roll Singer

THE PRODIGAL SONS「夜が終わる頃に」(2006)

  • 2009/03/22(日) 11:12:12

夜が終わる頃に
【No.114】
★★★(2008)

2007年いっぱいをもって、無期限の活動休止を宣言してしまったZIGGY森重 樹一(Vo)松尾 宗仁(G)が、ZIGGY活動中の2006年に結成した新ユニットTHE PRODIGAL SONS初のフルレンス・アルバム。2002年以降のZIGGYにおいて全ての楽曲を書いている森重と松尾の2人がなぜ別のユニットで一緒に活動をしているのかと疑問に思いましたが、その答えは本作のサウンドに如実に表れていますね。

個人的にZIGGYというバンドの曲は、ざっくり分類すると以下の4タイプになると考えています。

【1】ハイテンションでエネルギッシュなハードロック
(例:「マケイヌ」、Heaven And Hell、Go To Brazes!など)

【2】一度聴いたら耳から離れない歌謡曲風のキュートなメロディ(いわゆる森重節)が光るポップ、ロックンロール曲
(例:Gloria、「誓い-放浪者の丘の静けき夜-」、「夢見る頃を過ぎても」、「ムラサキノチョウタチヨ」など)

【3】豊潤なメロディを聴かせるバラード
(例:「この空の下のどこかに」、「世界の果てまで」、My Loveなど)

【4】シブくて土臭いブルーズロック
(例:「ウヰスキーと混沌(CHAOS)」、Happy Birthday、「もぬけのから」など)

【1】にも森重節は存在するので、【2】との明確な線引きが難しいのですが…。

活動休止宣言後の森重の発言を読んでると、要は松尾とは【1】や【2】タイプの楽曲は一緒にできない(松尾がやりたがらない)けれども、【3】とか【4】の方向性ではウマが合うということなんだと思います。そんな2人に共通する音楽的嗜好であるブルージーなロックサウンドを追求したのが本作といえそう。僕はZIGGYのアルバムに収録されてたブルージーな曲は苦手だったので、このバンドは守備範囲外だと決め付けていましたが、良い評判を耳にしていたので、いざ聴いて見るとこれが思いのほか良い感じです。

はっきり言って僕の大好きな森重節は本作にはなく、アルバムのっけから①「ウラとオモテ」、②「真白な闇の中 壊れかけちゃいないかい?」というブルージーソングで始まるんだけど、メロディ自体はすんなり耳に入ってきます。他にもロックンロール調の③Gotta Get Out、ゆったりとしたバラード⑧「世界はまだ俺を待っている」や、リラックスムード漂うアコースティックソング④「夜が終わる頃に」、⑩Greedなど、ZIGGYとしても使えそうな曲もあり楽しめます。そんな本作のハイライトはシブいブルーズロック⑤「あとは野となれ山となれ」から、内省的な雰囲気の中で森重が重みのある歌詞を切実に歌い上げる⑥So Sadへと続く中盤ですね。若さ漲るエネルギーといったものではなく、経験を重ねたミュージシャンのみが纏うことのできるオーラと懐の深さが楽曲の端々から滲み出ていて、月並みな表現ですが「大人のロック」という言葉がしっくりくる作品となっています。

今にして思えばZIGGYの現時点でのラストアルバム「NOW AND FOREVER」で感じた違和感は、THE PRODIGAL SONSの音楽性をZIGGYに持ち込み過ぎたのが原因ではないかと。ZIGGYの作品という色眼鏡を取っ払って「NOW AND FOREVER」と対峙してみると悪くないし、あのアルバムはTHE PRODIGAL SONSの作品として捉えた方が自然に思えるほどです。ただ、本作の方がより男の色気というか、成熟振りが感じられる深い作品で好きですね。わかりやすいアルバムとは言えないけれど、実に味わいがあって何度も聴きたくなる1枚です。ZIGGYの名の下に、松尾の趣味を色濃く反映させた「NOW AND FOREVER」のような作品を作り続けるよりは、あえてZIGGYの名を封印してブルーズ路線をTHE PRODIGAL SONSで、ハイパーなハードロックをTHE DUST’N’BONEZで追求するというバンド(というか森重)の決断は正解だったと思います。いつかZIGGYとして復活して欲しいという気持ちは持ち続けていますけどね。

以上、「GOLIATH BIRDEATER」以降の作品からZIGGYファンになった男の放談でした。

【音源紹介】
・ごめんなさい。本作の音源を見つけられませんでした。

ZIGGY「NOW AND FOREVER」(2007)

  • 2009/03/20(金) 00:06:29

ZIGGY N AND FOREVER
【No.113】
★★(2007)

2005年に「JUST A RICKIN’ NITE」を発表後、メンバー間(というか森重 樹一松尾 宗仁)に不協和音があり、活動を休止していたZIGGYによる2年振りの復活作。前作が従来と異なる大人のロック路線だったこと、僕が求めるZIGGY像を森重と戸城 憲夫(B/ex-ZIGGY etc)によるバンドTHE DUST’N’BONEZで体現してくれたこともあって、本作にはそれほど期待はしていませんでした。メンバーは津谷 正人(B)が脱退し、森重、松尾、JOEの3人が正式メンバー、ギターとベースにサポートメンバーを迎えています。

音楽性は前作の延長線上、というか前作に僅かに残っていたGo To Blazes!Junky Crashといった曲のようなハイエナジーなロケンローは皆無で、僕にとっては更にツライ方向性となってます。①Crazy Horse In My Headの出だしからして、ハードロック色の薄い作品だと痛感。ただ、繰り返し聴いていると松尾作曲の⑤Lewisは好きになってきたし、②「溢れる光を抱いて」、⑦Daisyあたりには森重節が残っていて、アレンジを変えれば僕が期待する「らしい曲」になりそうなのでZIGGYの魅力が全くなくなってしまったわけではないんですけどね。それにスローな③「その歌になり、その風になる」なんて森重のボーカリストとしての懐の深さを感じさせてくれるのも事実。聴き込めば、この渋いZIGGYの魅力もわかってくるのかな。初期ZIGGYの名曲I’m Gettin’ Blueのアンサーソング⑨Now And Foreverも曲調はレゲェ風、ボーカルパートは一部ラップのようになっていて音楽的にはまるで別バンドみたい。歌詞はI’m Gettin’ Blueの23年後を描いてて興味深いのに、メロディに酔えなんですよね。

僕の好きなハードロック路線のZIGGYはTHE DUST’N’BONEZに継承され、「JUST A ROCKIN’ NITE」以降、本家ZIGGYは松尾が音楽性のイニシアチブを握り、渋い味わいのあるロックバンドになったのかなという感想です。森重の歌詞には相変わらずハッとさせられることも多いのは確かなんだけど、曲が僕の苦手なタイプなのが痛い。逆にこの路線が好きだという人もいるとは思いますが。前作といい、本作といい、ファンが求めるZIGGYのパブリックイメージであるメロディアスなロックンロールと自分たちがやりたい渋いアダルトロック路線の間で迷走している印象が強いですね。結局、バンドはそのジレンマを脱することができず、2007年をもって無期限の活動休止(あくまでも解散ではないとのこと)という道を選択することとなってしまいました。森重が歌うハードロックはTHE DUST’N’BONEZで、またブルーズ路線はTHE PRODIGAL SONSで聴けるので、それほどショックは大きくないけれどいつの日かZIGGYとして復活してほしいですね。

【音源紹介】
・Lewis

ZIGGY「JUST A ROCKIN' NITE」(2005)

  • 2009/03/19(木) 15:10:54

JUST A ROCKIN' NITE
【No.112】
★★(2005)

SNAKE HIP SHAKESとして活動を始めた2000年から前作「ROCK AND ROLL FREEDOM!」をリリースした2003年までの4年間で、セルフカバーアルバムを含むと7枚ものフルレンスアルバムを作り上げるというハイペースで走ってきたZIGGY。前作発表後、中心人物の2人はZIGGY以外の活動に力を注いでいたようです。森重 樹一(Vo)はZIGGY本体の音楽性に非常に近いソロ作「ROCK & ROLL SiNGER」を発表したり、かつての盟友である戸城 憲夫(B/ex-ZIGGY etc)とのバンドTHE DUST'N'BONEZではハードロックサウンドを追求したりと相変わらずのワーカホリック振りを発揮。一方の松尾 宗仁(G)は70年代ロックへの愛情を込めた初のソロ作(僕は未聴)を発表しました。そんな各々の活動を経て、バンド結成20周年記念4枚組ベスト盤「VICISSITUDES OF FORTUNE」を発表後、ZIGGYの新作として2005年にリリースされたのが本作です。

前作が正にZIGGY全部入りな僕好み作品だったので、このアルバムにも期待していたのですが、やや微妙な印象です。前作のコンセプトが「This Is ZIGGY」だとすれば、今回は「脱ハードロック」がテーマの渋めのロック作品となっていて、SNAKE HIP SHAKESのサウンドや「HEAVEN AND HELL」をこよなく愛する僕としてはキツイ内容ですね。もちろんハードロック的要素がゼロになったわけではなく、②Go To Blazes!、⑧Junky Crashといった森重節満載のハードロックチューンは健在だし、高品質ポップチューン⑤「ムラサキノチョウタチヨ」は素晴らしいと思うんだけど、1枚のアルバムとして聴くと楽曲がどうにも弱い気がします。

当時のバンドはギクシャクした雰囲気で、楽曲のアレンジに対する意見の相違から松尾が脱退を口にしたり、森重もバンド解散を考えたりという危機的状況の中で、アルバム作りが進められたようです。ハードロックのエナジーが失われ、本作が渋いロック路線となった要因として、「脱退をほのめかした松尾を引き止めるために、森重が松尾の趣味であるROLLING STONES風のロックサウンドに歩み寄ったからだ」という噂もあるほど。当時の森重もBURRN!誌のインタビューの中で、本作制作段階での松尾との衝突やZIGGYという名前の重みと責任について赤裸々に語っていて、それを読む限り前述のような見方もあながち的外れではないように思えます。前作まではガッチリと噛み合っていたように思えるバンドの歯車が徐々に狂い始めたのが本作だったのかも。上記3曲は本当に名曲だと思うし、他の曲(③「ただ哀しくて」④「てんで手に負えないのさ」など)も聴き込めば悪くないんだけど、僕が求めるZIGGY像からは少し距離を置いた感のある1枚です。

【音源紹介】
・「ムラサキノチョウタチヨ」

ZIGGY「VICISSITUDES OF FORTUNE」(2004)

  • 2009/03/17(火) 08:16:52

VICISSITUDES OF FORTUNE
【No.111】
★★★★(2007)

日本最強のロックンロールバンドZIGGYの結成20周年記念4枚組ベストアルバム。全63曲というボリュームもさることながら、これほどクオリティの高い楽曲を揃えられるZIGGYはやっぱり凄い。ファン投票で選曲を決めた1992年発表の「ORDER MADE」、1997年までのシングルを網羅した「WHAT'S BEST? SINGLES 1987~1997」というこれまでにリリースした2枚のベスト盤の収録曲をほぼ全てカバーしているだけでなく、全曲リマスタリングを施してバンド初音源の自主制作盤「それゆけ!R&R BAND」や「SOUND TRAX」といったミニアルバムからの楽曲も取り上げてくれてるのがいいですね。それに加えて新曲2曲と「YELLOW POP」、「ZOO&RUBY」両アルバムの頃のデモ音源7曲も収録した豪華な1枚です。選曲に関してはこれまでのシングル曲のうち13枚目のWithout...だけが外れていたり、個人的にZIGGY最高のバラードだと思っている「この空のしたのどこかに」(共に「GLOIATH BIRDEATER」収録)が入っていないのが残念ですが、これほど長い歴史を持つバンドになると完璧なベスト盤を作るのは難しいんでしょうね。

1984年の結成から2004年まで時系列に沿って並べられた楽曲の数々からは、ZIGGYの音楽性の変遷がうかがえます。SNAKE HIP SHAKES以降のZIGGYから聴き始めた僕にとっては、バンド初期の森重 樹一(Vo)による巻き舌全開の歌い方(日本語なのに歌詞が聞き取れない)に違和感こそあれ、楽曲のメロディそのものは既にハイクオリティ。中でもデビュー15周年ライブ盤に収録されていた初期の名曲Disc-1②Feelin' Satisfied、⑤How、Disc-2③Long And Winding Roadのオリジナルバージョンが聴けるのは嬉しいですね。またデモ音源も見逃せないものが多く、中でもStay GoldタイプのDisc-2④「激しい雨に」、哀愁ポップソングDisc-2⑥「TIME~流れるままに~」の2曲はお気に入りだし、シングルでしか聴けなかったDisc-4⑦7th DirectionもハードロッキンなZIGGYの魅力が詰まった僕好みの1曲。ちなみに新曲2曲(Disc-4⑪悪魔と踊れ、⑫聲)は、2005年以降のZIGGYらしいブルージーテイストのある佳曲です。

個人的な好みで言えばリアルタイムで聴いてきたハードロック色の濃いDisc-4が好きですが、自分が小・中学生の頃にテレビでよくかかっていた初期~中期の名曲Disc-1⑨GloriaやDisc-3⑤Stay Goldを聴くとノスタルジックな気持ちになりますね。とにかくボリューム満点のベスト盤なので、僕のようにSNAKE HIP SHAKESからZIGGYを聴き始めた人、ZIGGY初心者の方(曲が多すぎるかもしれませんが)、かつてZIGGYに夢中だった人など、少しでもこのバンドに興味がある人なら買って損はないと思いますよ。4枚組で¥5,600というリーズナブルな価格も魅力。

【音源紹介】
・Long And Winding Road


・7th Direction

ZIGGY「ROCK AND ROLL FREEDOM!」(2003)

  • 2009/03/16(月) 08:17:25

ROCK AND ROLL FREEDOM!
【No.110】
★★★(2003)
年間ベスト2003年第7位

ZIGGYというバンド名が使えなくなるという危機に直面しながらも2002年に見事な復活を遂げ、デビュー15周年記念ライブDVDをリリースするなど、勢いに乗っていたZIGGYが放つ13thアルバム(SNAKE HIP SHAKES期は除く)は、「This Is ZIGGY」というコンセプトの下に制作された実にZIGGYらしい作品となりました。2002年の作品はハードに突っ走る曲を詰め込んだ「HEAVEN AND HELL」(金盤)と、じっくり聴かせる渋い作風だった「HEAVEN AND HELL Ⅱ」(銀盤)と対照的な作品でしたが、本作では上記2枚に分散していたバンドの音楽性を1枚に凝縮していますね。

バンド初のインスト曲①Introductionに導かれて始まるタイトルトラック②Rock And Roll Freedom!からして、これぞZIGGYな王道ロックンロールで、ミディアムテンポ中心の前作では感じられなかった勢いとエネルギーが充満してます。その他にもSNAKE HIP SHAKESの路線を継承する直球勝負のハードロック④Sleazy Come, Noisy Go !、⑧Reckless Imitatorやキュートなメロディとポップフィーリングが溢れる⑤「魔法にかかったみたいに」、⑨Swanky☆Boyz & Punky☆Girlzといった曲もあるし、新鮮味は希薄ながらやっぱり好きな典型的バラード⑥My Love、ブルージーな⑦「愚か者のパレード」、⑩「もぬけのから」といったメロウな側面もしっかりカバーしていて、ZIGGYというバンドが生み出し得る楽曲のバリエーションが網羅されてると思います。個人的にお気に入りなのは、「可愛らしい」という表現がはまるメロディを持った津谷 正人(B)作の⑨とアルバムを前向きな空気で締めくくってくれる⑫「夢見る頃を過ぎても」ですね。楽曲のキャッチーさでは金盤、大人のロックとしての渋さにおいては銀盤に一歩譲るものの、作品のトータルバランスは一番いいかもしれません。「GOLIATH BIRDEATER」(1999)以降のアルバムしか持ってない僕が言うのも何ですが、ZIGGYを初めて聴く人には本作を薦めたいくらいです。

2000年以降、SNAKE HIP SHAKES~ZIGGYとバンド名は変われど、本作発表当時がこのバンドの一つのピークだったのではないかと思います。2000年から2003年までの間にアルバム7枚(セルフカバー1枚を含む)、シングル7枚、ライブDVD2枚という多作振りはバンドの状況が良く、インスピレーションが豊富でないとできない芸当です。僕にとって、好きな曲ばかりという作品ではありませんが、安心して聴けるZIGGYサウンドが詰まった1枚です。ただ、松尾 宗仁(G)が歌う⑦は曲がいいだけに森重 樹一(Vo)に歌って欲しかった…。

【音源紹介】
・魔法にかかったみたいに(Live)

SNAKE HIP SHAKES「NEVER SAY DIE」(2001)

  • 2009/03/06(金) 08:24:02

NEVER SAY DIE
【No.107】
★★★★★(2003)

SNAKE HIP SHAKESの3作目にしてラストアルバム。これまた前作から8ヶ月という短いスパンでリリースされています。それでいてアルバムのクオリティが保たれているのは、バンドの創作意欲、勢いの賜物といえるでしょう。一聴して印象的だったのはこれまでよりも音が良くなったと同時に、森重 樹一(Vo)の歌唱から荒っぽさが減り、声に艶があってこれまで以上に魅力的になっているという点です。前作(特にアルバム前半)で見せたような突進型の攻撃性はナリを潜め、より「聴かせる」姿勢を前面に出したポップでキャッチーなアルバムとなっていて、個人的にはSNAKE HIP SHAKESの最高傑作だと思ってます。収録曲10曲中の半数近くが名曲と言いたくなるものなので思い入れも深い1枚です。

そんな本作のキラーチューンとして真っ先に挙げたいのが、「森重節の黄金律ここに極まれり!」と叫びたくなる超名曲③Melancholiaです。このメロディラインは森重にしか書けないんじゃないかとさえ思えてくるほど。他にもシングルになった良い意味でクサいロッカバラード④Rain、バンドを支えてくれるオーディエンスへの感謝の気持ちを歌い上げるメロディックチューン⑥Strong Will、曲自体が発散する切なさが淡い泣きの世界へと誘う⑦「翳りゆく夏に」、パンキッシュでノリまくれる曲調と「オイ!オイ!オイ!」の掛け声がカッコいい⑧「地図にない道」、そして人が年を重ねる上で避けては通れない「老い」から目をそらすことなく、明日への活力を与えてくれる歌詞とメロディがポジティブな空気をもたらすアコースティックバラード⑩「時は誰も」など本当にお気に入り曲が目白押し。

ZIGGYという名で活動できなくなり試練に直面したバンドが、SNAKE HIP SHAKESという名の下で手に入れた自信とバンドの一体感がこのアルバムに凝縮されていますね。①Never Say Dieで「いつかはきっとこの物語に、重い幕を降ろす日が来るだろう」という歌詞があるように、バンドは本作をもってその歴史に幕を降ろし再びZIGGYとして活動をしていくことになりますが、2000年から2001年の間に4枚ものアルバムを残して駆け抜けていったSNAKE HIP SHAKESはもしかするとZIGGY以上に好きかもしれません。

【音源紹介】
・Melancholia(Live)

SNAKE HIP SHAKES「VIRAGO」(2001)

  • 2009/03/04(水) 08:08:12

VIRAGO
【No.106】
★★★★(2002)

ZIGGY時代の楽曲を再録した企画盤「NO DOUBT ZIGGY SONGS played by SNAKE HIP SHAKES」から半年、デビューアルバム「SNAKE HIP SHAKES」から1年経たずにリリースされたSNAKE HIP SHAKES名義の2ndアルバム。驚異的なペースで作品を出し続けてるのもビックリですが、内容が高い水準を保っているのが素晴らしいですね。ライブ感あるプロデュースのせいか、森重 樹一(Vo)の歌に若干の荒っぽさを感じるものの、それがスピーディな曲ではガッチリとはまってます。

それにしても疾走感溢れる冒頭4曲の畳みかけが凄まじい。ドラム→ベース→ギターの順で音が重なっていく曲の始まり方がカッコいいSNAKE HIP SHAKESチューン①Stone-Blind Silver、タイトル通りアクセル全開で突っ走るサビが心地いい②Accel、森重節とクサメロが見事な融合を見せた③Sister Rainbow、森重らしいメロディが味わえるシングル曲④River Of Tearsと来た時点で、本作でも極上のロックンロールが聴けることを確信しました。⑤Deadend Kidsはこれまでにないタイプのルーズな雰囲気を持った松尾 宗仁(G)作の曲で第一印象こそは地味だったけど今ではお気に入りだし、スケール感のあるバラード⑥「澱みない宵闇の蒼さの果てに」、ピアノの音使いがジャジーな空気をもたらす⑪「お気に召すまま」など前作と比べて楽曲の幅を広げつつ、ラストをバンドの円熟味をも感じさせる王道的バラード⑫Dear My Friendで締めるあたりがニクイですね。

SNAKE HIP SHAKESのバンドとしての勢いを反映させた激しいロックンロールをブチかます前半から、じっくり聴かせる側面が強調された後半へ流れてくアルバム構成もお見事。ZIGGYが持っていたロックの側面を強調して勝負してきたデビュー作からの更なる進化を実感できる味わい深い1枚です。

【音源紹介】
・Stone-Blind Silver(Live)

SNAKE HIP SHAKES「NO DOUBT ZIGGY SONGS played by SNAKE HIP SHAKES」(2000)

  • 2009/02/19(木) 08:38:30

SH SHAKES NO DOUBT
【No.101】
★★★(2002)

バンド名そのまんまのタイトルを冠したアルバムを発表し、このままSNAKE HIP SHAKESとして独自の道を進んで行くかと思った、そのわずか3ヶ月後にSNAKE HIP SHAKESがリリースしたZIGGYのセルフ(?)カバー集。メンバー自身がこれからも演奏していきたい曲を選んだそうで、アレンジ面では今のメンバー4人で聴かせることにこだわっているため、オリジナルバージョンにあった女性コーラス、ピアノなどは排除されてるのが特徴です。

過去の名曲にすがった企画盤という見方もできなくはないけれど、個人的にはZIGGYの往年の名曲がこの引き締まったアレンジで収録されてるのは素直に嬉しいです。長年(といっても10年ほどですが)メタルを聴き親しんでいた僕にとって、初期のZIGGYの曲はどこか「ゆるい」と感じてしまっていた部分があり、物足りなさを感じていたんです…。そんなメタル耳の僕にとっては、ここに収録されてるバージョンこそが僕の聴きたかったタイトな音なんですよね。そのあたりは①La Vie en Rose、⑦One Night Stand、⑨Eastside Westside(むちゃくちゃ速くなってます)で顕著に感じます。

曲によってはアレンジによりカッコよくなっているものもあるんですが、オリジナルバージョンの方が気に入ってるものもあったり、前作からのスパンが短いせいか音質がいまひとつなのが気になるのも事実。ZIGGYの代表曲である④Gloria、⑤I’m Gettin’ Blueも収録されてはいるものの、全10曲というボリュームなのでSNAKE HIP SHAKESがZIGGYの楽曲を再録したベスト盤としても食い足りなさも残るなど位置付けが微妙な1枚。ただ⑩Without…に関してはアレンジが素晴らしく、これを聴いたらオリジナルバージョンは聴けないというくらい気に入っています。

本作のトラックリストとオリジナル曲収録作品はこちら。

01.La Vie en Rose「SOUND TRAX」(1991)
02.眠らない25時の街で「YELLOW POP」(1992)
03.Whisky R&R And Women「KOOL KIZZ」(1990)
04.Gloria「HOT LIPS」(1988)
05.I'm Gettin' Blue「ZIGGY-IN WHTH THE TIMES-」(1987)
06.蒼ざめた夜~Too Fast to Live Too Young to Die「YELLOW POP」(1992)
07.One Night Stand「NICE & EASY」(1992)
08.Don't Stop Believing「KOOL KIZZ」(1990)
09.Eastside Westside「ZIGGY-IN WHTH THE TIMES-」(1987) 
10.Without・・・「GOLIATH BIRDEATER」(1999)

【音源紹介】
・Gloria(SNAKE HIP SHAKES Version)

SNAKE HIP SHAKES「SNAKE HIP SHAKES」(2000)

  • 2009/02/15(日) 09:18:48

SNAKE HIP SHAKES
【No.100】
★★★(2002)

日本でも屈指のR&RバンドZIGGYから戸城 憲夫(B)が脱退したことから、契約上の問題で「ZIGGY」という名を使えなくなってしまったために名義をSNAKE HIP SHAKESとして発表した1stアルバム。メンバーは森重 樹一(Vo)、松尾 宗仁(G)、宮脇 知史(Ds)というZIGGYのメンバーに津谷 正人(B)が加入した4人構成。正直なところ、僕がZIGGYにのめり込んだのは、2002年以降なのでSNAKE HIP SHAKES以前のZIGGYと、このアルバムの音楽性を詳しく分析はできないけど、これまでよりもロックに焦点を定め、「自分たちはこの道で進んで行くんだ」という気概が感じられる1枚となっているように思います。

ロックンロールにパンキッシュな味付けをしたバンド名ズバリなタイトルトラック①Snake Hip Shakesで声高らかに「ぶっ倒れるまで楽しもうぜ!」と歌い上げ、続く②「Blackout(失くした週末に)」では天才メロディメイカー森重 樹一の才能が見事なまでに炸裂。冒頭のこの2曲を聴いた段階で僕はSNAKE HIP SHAKESの魅力にとりつかれました。その後も、キャッチーな側面を強調した③Pride~It’s only a love song~、シングルバージョンよりもビルドアップされた音で哀愁のメロディを聴かせる⑧「永遠のjustice~この道の果てに~(AL.Ver)」と突っ走るだけのロックンロールでは味わえない森重らしい絶妙なメロディ展開が楽しめるだけでなく④Stunt Flyers、⑥Brand New Kicksという松尾作の曲が充実してるのが嬉しいですね。後半やや弱いかなと感じる部分もなくはないけどラストを⑩Poison Cherryという、このバンドの魅力を詰め込んだ曲できっちり締めくくるあたりは流石です。

ZIGGYという名前で活動できず、それまで契約していた大手レーベルとの契約も白紙となった後に地道なライブ活動を経てようやく新たなレコード契約にこぎつけたという当時のバンドが直面していた苦しい状況を微塵も感じさせない痛快なハードロックンロールアルバムですね。ガムシャラなまでにロックンロール道を邁進するSNAKE HIP SHAKESの姿は潔く、単純にカッコいい!

【音源紹介】
・「永遠のjustice~この道の果てに~」

ZIGGY「GOLIATH BIRDEATER」(1999)

  • 2009/02/10(火) 08:11:33

GOLIATH BIRDEATER
【No.098】
★★(2003)

僕がZIGGYの作品を初めて聴いたのは2002年発表のアルバム「HEAVEN AND HELL」でした。この1枚でZIGGYに惚れ込んでからは、その後の新作はもちろん2000年から2001年にかけてSNAKE HIP SHAKESとして活動していた時のアルバムも全てチェックし、益々のめり込んでいきました。本作は契約上の問題でZIGGYの名が使えなくなる前に残したアルバムでメンバーは森重 樹一(Vo)、戸城 憲夫(B)、宮脇JOE知史(Ds)そして本作でバンドに復帰した松尾 宗仁(G)という布陣です。

本作以前のZIGGYに関しては4枚組ベスト盤「VICISSITUDES OF FORTUNE」で聴いているだけなので、あくまでイメージとしてですが、この作品からSNAKE HIP SHAKESにも通じるハードロック色が強まってきて、メタルに慣れ親しんできた僕にとっても丁度いいハードさになってきたように思えます。そして肝心の楽曲の方も森重節の最高峰③「マケイヌ」、⑤Venusといった歌謡曲的ロックンロールあり、ZIGGY史上最高のバラード⑨「この空の下のどこかに」ありと、キラーチューンと呼べるものがしっかりと収録されています。森重作の楽曲とはまた異なる魅力を持った戸城のソングライティングも冴えていて、一風変わったリズムの中で抜群のメロディセンスを見せる⑥「時の砂」がかなりお気に入り。松尾の楽曲がやや物足りないのは残念ですが、やはり森重と戸城の2人の作曲能力は段違いだと実感できる作品です。

といった感じで楽曲面では充実している本作の足を引っ張っているのが、やり過ぎ感漂いまくりのプロデュースです。音を詰め込み過ぎて輪郭が不明瞭になったサウンド、森重という実力派シンガーを擁しているのにもかかわらず①Wannabe⑪迷走で用いられる余計なボーカルエフェクト、⑥の心地よいメロディに酔っているトコに唐突に挿入されるノイジーなインストパートなど、気になる点が多いですね。曲の素材自体が良いだけに勿体ないなぁ。②Without...なんかは生々しいSNAKE HIP SHAKESバージョンの方が断然カッコいい。ちなみにアルバム制作段階からメンバーと衝突があった戸城が本作発表後にバンドを脱退したため、このラインナップは本作のみで崩壊。その影響でZIGGY名義が使えなくなったバンドは、2002年にZIGGYとして復活するまでSNAKE HIP SHAKESとして、ガムシャラにロックンロール道を邁進していくことになります。

【音源紹介】
・マケイヌ(Live)