【CD購入録】KELLY SIMONZ'S BLIND FAITH「AT THE GATES OF A NEW WORLD」(2015)

  • 2017/03/26(日) 00:00:00

【CD購入録】
AT THE GATES OF A NEW WORLD
KELLY SIMONZ'S BLIND FAITH「AT THE GATES OF A NEW WORLD」(2015)

約12年振りのオリジナルアルバム「BLIND FAITH」(2014)で復活を果たしたKELLY SIMONZ'S BLIND FAITHの4作目を買いました。このブログでは自主制作盤「SIGN OF THE TIMES」(1998)を1stアルバムとみなし、「SILENT SCREAM」(1999)はKelly Simonzのソロ名義なのでBLIND FAITHの作品にはカウントしていません。Kellyは日本屈指のネオクラシカル系ギタリストにして様々な楽器とボーカルもこなすマルチプレイヤーなのですが、前作からはリズム隊を迎えたバンド形態となっていて今回もゲストボーカルのYama-B(ex-GALNERYUS)を含め基本的に同じラインナップで制作されています。この手のアーティストの定番とも言える序曲①The Journey To The Gatesから挨拶代わりの疾走チューン②At The Gates Of A New Worldに至る流れは燃えるし、その後をメロハータイプの③In The Name Of Loveが受け継ぐのもKellyらしいですね。それ以降もワイルドなハードロックや美麗バラード、そして彼の作品に欠かせないインストゥルメンタルなどバリエーションに富んだ楽曲群が楽しめます(⑧Nobody Is The SameDEEP PURPLEBurnにかなり似てますが/苦笑)。2017年4月5日には早くも新作「OVERTURE OF DESTRUCTION」をリリース予定だそうで、ここに来てKELLY SIMONZ'S BLIND FAITHの動きが活発になってきましたね。

【CD購入録】THE UNCROWNED「REVIVE」(2016)

  • 2016/12/24(土) 00:00:00

【CD購入録】
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THE UNCROWNED「REVIVE」(2016)

BURRN!2017年1月号の「今月のおすすめ」のコーナーで藤木さんが激しくプッシュしていた国産メロディックメタルバンドTHE UNCROWNEDの1stアルバムを買いました。このバンドのことは全く知らなかったのですが藤木さんの「ここ10年に聴いた国産アルバムの中でもTOP5に入るかも」という言葉で興味を持ち、音源を試聴して感触が良かったこともさることながらリーダーのTakeshi(G、Key)がオフィシャルサイトでお気に入りバンドにLAST TRIBE、ECLIPSEを挙げていたことも購入の要因でしたね(バンド名はLAST TRIBEの3rdアルバムから取ったのでしょうか)。ちなみにTakeshiの実弟でもあるNaoki(B)Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE)をFavoriteに挙げているほか、兄弟揃ってTALISMAN、TREATそしてTM NETWORKのファンでもあるそうです。そんな2人と女性ボーカルSHALを正式メンバー(ドラムはサポート)としたTHE UNCROWNEDのサウンドは哀愁を湛えたメロディックメタルで、懐かしさを感じさせる歌謡曲風のメロディが顔を出す場面もあります。泣きのギターで幕を開け疾走していく①Shiverからラストの⑨Unwaveringまで一気に聴けますね。現時点でのお気に入りは爽快感に溢れたサビが気持ちいい③Infinite、クサメロとスリリングな演奏が楽しめる⑧Duello辺りでしょうか。日本語歌詞の乗せ方にぎこちなさを感じることもありますが、楽曲のメロディはどれも僕好みです。2016年のブライテストホープは某バンドに決まりかけていたのですが、ここに来て強力な対抗馬が現れましたね。

【CD購入録】TEARS OF TRAGEDY「STATICE」(2016)

  • 2016/12/12(月) 00:00:00

【CD購入録】
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TEARS OF TRAGEDY「STATICE」(2016)


2013年にリリースされた2nd「CONTINUATION OF THE DREAM」が素晴らしい出来だったメロディックメタルバンドTEARS OF TRAGEDYの3作目を買いました。彼等の強みは日本のバンドならではの歌謡曲テイストに溢れた歌メロにあると思っているのですが、そんなTEARS OF TRAGEDYらしさはMVにもなった②Void Actでいきなり発揮されています(①Beyond The Chaosは序曲)。スピードチューンでも明るくなりきれない「陰りのあるメロディ」が好きなんですよね。前半はストレートに駆け抜けるタイプが多く、後半になると13分近くある⑨Curse Brideや過去2作品にはなかったピュアバラード⑩close yet far、⑫「雫」もあって楽しめますが、バラード1曲はアルバム序盤に配置しても良かったかなという気もします。バラードにおけるHaruka(Vo)の歌唱を聴いていて、ふと鬼束ちひろが頭に浮かびました。購入前の期待にしっかり応えてくれる1枚ですね。

【CD購入録】OCTAVIAGRACE「OUTWARD RESONANCE」(2016)

  • 2016/12/08(木) 00:00:00

【CD購入録】
OUTWARD RESONANCE
OCTAVIAGRACE「OUTWARD RESONANCE」(2016)

CROSS VEINの元メンバーでもあるYouske(B/SCRAMBLED SOUL CIRCUS)、Ko-ichi(Ds)のリズム隊が中心となって立ち上げたOCTAVIAGRACEの1stフルレンスアルバムを買いました。僕の場合、ART OF GRADATIONKazu(G/SCRAMBLED SOUL CIRCUS、ex-LIGHT BRINGER)と共に作曲を担当していたReanne(Key)が在籍していることからOCTAVIAGRACEに興味を持ちました。メロディックメタルを基調としつつ、女性ボーカル実稀の可憐な声質もあってアニソンっぽさも発散する各曲のメロディの充実度は目をみはるものがありますね。リーダーでもあるYouskeとReanneを中心に実稀、女性ギタリストhanakoも1曲ずつを手掛けていて、4人のソングライターがいる点もこのバンドの強みと言えそうです。爽やかに駆け抜ける①Seal memory〜③white graffiti、ジャジーにスウィングする曲調が気持ちいい④Cope of midnight、作中で最もメロパワ度が高い⑤「リベリオン」まで一気に聴かせる勢いがあるし、実稀の繊細な歌唱が映えるバラード調⑥「俄雨」で一息つく流れも良いですね。終盤に配された⑩Emerging oath、⑪Dramatic Quiet (Resonance Ver.)もお気に入りです(後者はEP収録曲の再録バージョン)。本作で初めてOCTAVIAGRACEの音に触れましたが、彼等が過去にリリースしたEPも聴いてみたいと思わせてくれる1枚ですね。

【CD購入録】陰陽座「迦陵頻伽」(2016)

  • 2016/12/01(木) 00:00:00

【CD購入録】
迦陵頻伽
陰陽座「迦陵頻伽」(2016)

有望株が続々とデビューしている国産バンド勢の中でも僕が大きな信頼をよせている陰陽座の13作目を買いました。バンドを代表する楽曲にしてアニメ「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」の主題歌でもある甲賀忍法帖(6th「臥龍點睛」収録)の続編にあたる⑫「愛する者よ、死に候え」の先行MVを聴いて期待が高まったので、以前から興味のあった「バジリスク」の漫画版を読んでみました。物語の内容を知った上でMVを視聴すると更に味わいが増しますね。楽曲単体としても陰陽座の新たな代表曲と呼べる逸品だと思います。美しい声を持つ空想上の生物「迦陵頻伽(かりょうびんが)」を冠した作品ということもあってかアルバム全体としては瞬火(B、Vo)とのツインボーカルは健在ながら、これまで以上に黒猫(Vo)が歌うパートが多く彼女にスポットを当てた作風のように感じました。オープニング曲①「迦陵頻伽」のディープな歌い出しから⑫の高音パートまで、表情豊かな黒猫の歌唱が冴え渡っていますね。物々しい曲名とは対照的にアルバム随一のキャッチーな歌メロを持った④「刃」、これぞ忍法帖シリーズ!といった曲調の⑧「氷牙忍法帖」辺りもお気に入りです。

【CD購入録】GACHARIC SPIN「確実変動-KAKUHEN-」(2016)

  • 2016/11/27(日) 00:00:00

【CD購入録】
確実変動 -KAKUHEN-
GACHARIC SPIN「確実変動-KAKUHEN-」(2016)

2016年に結成7周年を迎えた全力エンターテイメント・ガールズバンドGACHARIC SPINの通算4作目を買いました。メジャーデビュー盤でもあった前作「MUSIC BATTLER」(2015)リリース後も精力的に活動し、先行シングルにもなった③「シャキシャキして!!」がハウスウェルネスフーズの「メガシャキ」のCMタイアップ曲に選ばれるなど、確実にステップアップしている彼女達ですが本作は「歌モノ」をテーマにした1枚となっています。CMタイアップを通して、これまで以上に幅広い層のリスナーがGACHARIC SPINの音楽に触れるこのタイミングだからこそボーカルメロディを重視したというメンバーの言葉通り、キャッチーなメロディに溢れている反面、前作の「デジタルフィクション」、「常識デストロイヤー」、「赤裸ライアー」のようなガチャガチャしたサウンドは控えめですね。ガツンと来る決めの1曲こそないように思いますが④「ゴー!ライバー」、⑥「パラリヤハッピー」のような元気いっぱいのアゲアゲ(死語?)チューンは聴いていると理屈抜きで楽しくなってきます。またTOMO-ZO(G)がギターは勿論、ボーカルからセリフまで八面六臂の活躍を見せる⑦「恋愛スイッチ」、③とともにシングルになったハイテンションソング⑫「アルブスの少女」もお気に入りです。ちなみに後者の曲名の元ネタは勿論「アルプスの少女ハイジ」で「おしーえてー おじいさーん♪」という歌詞も登場します(笑)。また4秒の無音トラックが続いた後にシークレットトラックとして77曲目に「ニコリン星の通勤ラッシュ」というインストが収録されていて、フザけた曲名とは裏腹に楽器陣のテクニカルな演奏が楽しめるナンバーになっているのもGACHARIC SPINらしいですね。

【CD購入録】GACHARIC SPIN「MUSIC BATTLER」(2015)

  • 2016/11/23(水) 00:00:00

【CD購入録】
MUSIC BATTLER
GACHARIC SPIN「MUSIC BATTLER」(2015)

インディーズで2枚のフルアルバムを発表するなどして着々とステップアップしてきた実力派ガールズバンドGACHARIC SPINのメジャーデビューアルバムを買いました。メジャーデビューして最初にリリースしたインディーズ時代のベスト盤「ガチャっとBEST<2010 - 2014>」(2014)がオリコンで20位を記録した勢いそのままの1枚となっていますね。オレオレオナ(Key)が歌う歌謡曲テイストもある失恋ソング①「ノスタルジックブルー」はオープニングとしては大人しめですが②「デジタルフィクション」、③MUSIC BATTLER、④「常識デストロイヤー」のガチャピンらしい濃密ソングの畳み掛けはインパクト抜群。スキャットのパートが新鮮な⑥「ガンバンバダンサー」、過去2作でもあったTOMO-ZO(G)が歌うファンタジーシリーズの最終曲⑦「ファイナルなファンタジー」もいいアクセントになっていますが、本作のハイライトは⑧「夢喰いザメ -Album ver.-」ですね。勇ましくもキャッチー、それでいて哀愁も感じさせてくれるサビメロが堪りません。後半のしっとり系バラード⑩「またね」からGACHARIC SPINというバンドの魅力をギュッと凝縮したダンスロック⑪「赤裸ライアー」に繋がる対比もお見事。なお⑫Don’t Let Me Downはアニメ「ドラゴンボール改」のエンディング曲です。我が家の子供達もドラゴンボールが好きで毎週日曜朝に欠かさず見ているのですが、テレビで初めてこの曲を聴いた時に「GACHARIC SPINもここまできたか」と感慨深くなりましたね(アルバムの中でこの曲だけ外部ライターによるものですが)。

【CD購入録】MARY'S BLOOD「FATE」(2016)

  • 2016/11/19(土) 00:00:00

【CD購入録】
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MARY'S BLOOD「FATE」(2016)

骨太で硬派なサウンドが持ち味のガールズメタルバンドMARY'S BLOODの3作目を買いました。今回も僕が注目するEYE(Vo)による迫力満点のシャウト、SAKI(G)のテクニカルなプレイという2大要素は健在でオープニングを飾る①Counter StrikeはMARY'S BLOODの魅力をギュッと凝縮したナンバーだし、それに続く②Shall We Dance?もガツンと来るメタリックチューンとなっています。その後は落ち着いた曲調や一際ポップな⑥HANABI、演歌テイストも感じられる⑧In The Rainを交えつつラストは再び激しい曲で締める構成も良いですね。ちなみに本作では複数のゲストを迎えていて③Angel’s LadderBABYMETALKARATEを作曲、編曲したゆよゆっぺなる人物が提供しているほか、⑤Chateau de Sableにはルーク篁(G/CANTA、ex-聖飢魔II)⑨Change The Fateには五十嵐☆sun-go☆美貴(G/SHOW-YA)が客演しています。正直なところ第一印象としては前作「BLOODY PALACE」(2015)に及ばないような気もしますがMARY'S BLOODらしい1枚に仕上がっていると思います。

【CD購入録】森重 樹一「obsession」(2014)

  • 2016/11/11(金) 00:00:00

【CD購入録】
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森重 樹一「obsession」(2014)

2011年にそれまで在籍していたバンドからの脱退とソロ活動に専念することを発表して以降、有言実行で毎年アルバムをリリースしている森重 樹一(Vo/ZIGGY、ex-THE DUST'N'BONEZ、THE PRODIGAL SONS)の9作目を買いました。今回も僕が森重 樹一というアーティストに期待するハードロックンロール、ポップチューンやバラードを収録してくれていますね。曲調的にはアルバム中盤に配されることが多そうなミドル①FORGIVE MEから「SOUL TO SOUL」(2011)のエンディング曲「始まりは終わりから」のフレーズが再登場する⑪「君の心あるがままに」までアルバムを通して楽しめます。お気に入りはピアノとサックスが曲を盛り上げる②GOOD OLD TIME ROCK’N’ROLL、本作のタイトル曲と言うべきバラード④MY OBSESSIONでしょうか。今年でソロデビュー20周年を迎えるそうですが、今こそが絶頂期ではないかと思えてくる充実盤ですね。

【CD購入録】MARDELAS「MARDELAS Ⅱ」(2016)

  • 2016/11/04(金) 00:00:00

【CD購入録】
MARDELASⅡ
MARDELAS「MARDELAS Ⅱ」(2016)

2015年のブライテストホープ候補でもあった国産HR/HMバンドMARDELASの2作目を買いました。今回もバンドの顔である蛇石 マリナ(Vo/ex-DESTROSE)のパワフルボイスを軸にした①「神風」〜③LonerといったMARDELASらしいメタリックチューンで幕を開けますが、それ以降はサウンドの幅を広げた楽曲も登場してきます。まるで演歌のような④「蛇に牡丹 -snake & peony-」、一転してオシャレな雰囲気で軽快に聴かせる⑤Cheers!!、早口で歌うパートも交えつつ乙女心を歌う⑦HA☆NA☆BIなどバラエティ豊かになっている反面、こういった非HR/HM曲が蛇石 マリナの声質に合っているか疑問符がつく場面もありますね…(④は結構ハマっていますが)。またデビューアルバム「MARDELAS Ⅰ」で僕が好きだったアニソン系ナンバーが今回は収録されていないのも残念。ちなみに、ほとんどの曲をマリナ嬢と及川 樹京(G)が手がけている中で⑦はhibiki(B/ALHAMBRA、LIGHT BRINGER)の作曲によるものです。hibikiが燃え尽きてしまったことがLIGHT BRINGER活動休止の大きな要因だったかと思うのですが、別バンドだと肩肘張らずにソングライティングできるということでしょうか。形はどうであれ、こうして彼の曲が聴けるのは嬉しいですね。

BLOOD STAIN CHILD「EPSILON」(2011)

  • 2016/10/13(木) 00:00:00

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【No.480】
★★★★(2011)

メロディックデスメタルをテクノ/トランス調のアレンジで聴かせるという独自のサウンドを前作「MOZAIQ」(2007)で確立したBLOOD STAIN CHILDの5thアルバム。「MOZAIQ」から専任シンガーのSadewが加入しワールドデビューも果たしたため、ここからエンジン全開で活動していくのかと思いきや、そうはいかなかったようでSadewや創設メンバーでもあるViolator(Ds)の脱退、レーベル移籍などがあり前作から約4年が経過してのニューアルバムとなります。本作の注目ポイントは何といってもSadewの後任にバンドが迎えたギリシャ出身の女性ボーカルSophiaと、それに伴うトランス色の更なる強化でしょう。最早メタルというジャンルでは括りきれない楽曲もチラホラありますが、一段とメロディアスになった本作の音楽性は結構好きですね。

そんな非メタル系ナンバーとして挙げられるのが③STARGAZER、⑥ELECTRICITY、⑨Dedicated To Violatorなどで特に③のキャッチーなメロディの魅力はバンド史上最高。本作のキラーチューンですね。アルバム全体で7割程度、③と⑥ではほぼ全てのボーカルパートを任されているSophia嬢の歌唱力はさほど高くなく一本調子に感じられるものの②FOREVER FREE④S.O.P.H.I.Aを聴いていると感情を抑えた彼女の歌い方は近未来的なトランスサウンドを持ち味とするBLOOD STAIN CHILDとマッチしていると思います。バンド史上初となるバラード⑫SAI-KA-NOも彼女がいるからこそできたナンバーでしょう。その一方でアルバムの軸となっているのは、あくまでもメタリックな楽曲群で⑤Unlimited Alchemist⑧MOON LIGHT WAVEIN FLAMESっぽさ漂う⑪La+などがお気に入りです。

前作で確立したトランスメタルの更なる進化に一役買っているのがDISARMONIA MUNDIの中心人物にして本作リリース元のレーベルCORONER RECORDSのオーナーでもあるEttore Rigottiで、彼の方からバンドに対して「君たちの音楽は素晴らしいのに、なぜあまり知られていない!?君たちをもっと世界に広めたい!」とラブコールを送ってきたそうです。Ettoreが共同プロデューサーを務めたこともあってか、これまで以上にサウンドが洗練されたように感じますね。今度こそBLOOD STAIN CHILDの快進撃が始まるかと期待したのですが、本作リリース後も活動は順調ではないようで2012年2月にSophiaが脱退したため同年12月に後任として女性シンガーKiKiを迎えてシングル「LAST STARDUST」を発表するも、2016年にはKiKiのみならずオリジナルメンバーのひとりRyo(B、Vo)までもがバンドを離れています。更に残念なのはセンス抜群の音使いとアレンジで今のブラステサウンドの中核を担ってきたAki(Key)がサイトのメンバーリストからひっそりと姿を消していることですね。バンドは2016年6月に男性ボーカルSaikaを迎えたことをリニューアルしたHPで発表し、ニューシングル「NEXUS」もリリースしたようなのでこのままフルアルバムの制作に入ってもらいたいところです。今のメンバーでどんな作品が生まれるのか未知数なので一抹の不安もありますが…。

【音源紹介】
STARGAZER

BLOOD STAIN CHILD「MOZAIQ」(2007)

  • 2016/10/01(土) 00:00:00

MOZAIQ
【No.479】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第10位

BLOOD STAIN CHILDの4作目にして、僕が初めてこのバンドの音に触れたアルバム。今回もメンバーチェンジがあり、前作「IDOLATOR」(2005)から加入したShiromasa(G)はバンドを離れG.S.R.なるギタリストが参加、更にバンド初となる専任シンガーSadewを迎えた6人編成となっています。Sadewはルックスのみならずグロウルや悲しげなクリーンボーカルまでAnders Frieden(Vo/IN FLAMES)に似ていますね。本作ではそんな彼の歌唱に加えて、これまで兼任という形でリードボーカルを担っていたRyo(B)のシャウト、メインソングライターRyu(G)のノーマルボイス、女声のサンプリングなどを駆使し、前作で掴んだ近未来的メロデスという独創的な音楽性を更に進化させています。

このアルバムを初めて聴いた時はプレイボタンを押すと同時に流れてくるディスコ風の音に驚かされましたが、ここまで大胆にユーロビートとメロデスを融合させて、しかもカッコよく仕上げてしまうバンドのセンスにタダならぬものを感じました。ダンサブルなメロデスと呼べそうな③FreedomはBLOOD STAIN CHILDならではの新境地だし、ノーマルボイスで畳み掛けるサビメロが印象的な⑤Pitch Black Roomなどアルバム前半の充実振りはなかなかだと思います。後半にはどことなく「和」を感じさせる音使いと女性ボーカルがなんとも言えない浮遊感を醸し出す⑦METROPOLICE、トランス色を前面に出した⑧C.E.0079など風変わりな楽曲もあって面白いですね。そして日本盤ボーナスにTRFのカバー曲⑫EZ DO DANCEを収録してしまうのもBLOOD STAIN CHILDならではと言えるでしょう。ちなみにアメリカ/ヨーロッパ盤にはEZ DO DANCEの代わりにCosmic Highwayというオリジナル曲が収録されていて、YouTubeで聴く限りなかなかの佳曲です。

デビューした頃はCHILDREN OF BODOMフォロワーと呼ばれていた彼等ですが、ダンスミュージックとメロデスの融合という荒技で他のバンドとの差別化に成功していますね。そんな話題性もさることながらこのバンドのメロディセンスが本作リリース時のCHILDREN OF BODOMやSOILWORK以上に僕好みなので愛聴していました。ただしデビュー当初からBLOOD STAIN CHILDのファンだという方の間では、本作について賛否両論あるようですね。たしかにクリーンボーカルが平坦に感じられる、メタルミュージックの肝であるはずのギターパートにもう少し魅力が欲しいなど物足りない点もありますが②Cyber Green、④ENERGY BLAST、⑩Peacemakerのような疾走系のナンバーはグッと来るし、耳に残るメロディも多いので過去のアルバムよりも本作の方が好きですね。

【音源紹介】
Freedom

【CD購入録】SIRIUS ROAR「QUALIA」(2016)

  • 2016/09/27(火) 00:00:00

【CD購入録】
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SIRIUS ROAR「QUALIA」(2016)

名古屋出身の4人組メロディック・スピードメタルバンドSIRIUS ROARのデビュー作を買いました。メインソングライターのSHO(G、Key)X JAPAN、STRATOVARIUS、SONATA ARCTICAから影響を受けているらしく本作の収録曲は初期SONATA ARCTICA系のキラキラ疾走曲が中心にしつつ、STRATOVARIUSのHunting High And Lowタイプのキャッチーソングや叙情バラードなどが時々顔を出すという感じです(歌詞は全て日英混合)。どこかで聴いたフレーズが散見されるのは事実ながら、メロパワの王道をひた走るその姿は清々しいほどだし魅力的なメロディも多いのでリピートしたくなります。クラシック畑の出身でヴァイオリンもこなす女性シンガーERIKAの歌唱は飛び抜けた個性はありませんが、変なクセもないので聴きやすいですね。お気に入りはアルバムを締めくくる唯一のバラード⑩Rose Of Truthでしょうか。ERIKA嬢のボーカルも現時点ではスピードチューンよりも、この手の曲の方がマッチしているように思います。SUNBURST、ETERNITY'S ENDと並ぶ2016年のブライテストホープ候補と言えそうなバンドですね。

【CD購入録】MAHATMA「ORCHESTRA OF THE LIFE」(2016)

  • 2016/09/23(金) 00:00:00

【CD購入録】
ORCHESTRA OF THE LIFE
MAHATMA「ORCHESTRA OF THE LIFE」(2016)

このブログで2014年のブライテストホープに選出した群馬出身のクリエイティブ・ロックバンドMAHATMAの2作目を買いました。デビュー作「RE:GENERATION」(2014)で未整理な部分を残しながらも抜群のポテンシャルを感じさせてくれた彼等ですが、今回は予想以上にHR/HM色の薄い作風になっていますね。2分に及ぶ序曲①Overture for romanceから曲間なく繋がる②RomanceにはYuhki(Key/GALNERYUS、ALHAMBRA)、hibiki(B/ALHAMBRA、MARDELAS、LIGHT BRINGER)がゲスト参加していることもあって胸熱の疾走曲に仕上がっている一方で、イマドキのJ-POPに通じる⑥「セレクト」、アイドルソングっぽい⑦「ラッキー☆セブン」には面食らいました(どちらにもMAHATMAらしいテクニカルな展開がねじ込まれていますが)。後半にはラテンのノリを上手く取り入れた⑨Starry Nightもあって個人的にはこういう曲をもっと聴きたいですね。デビューアルバム以上に多彩な楽曲が並ぶ本作を聴いて、今後MAHATMAサウンドの焦点が定まってくるのかなと思っていたらTsubasa(G)が2016年6月をもってMAHATMAのギタリストとしての活動を無期限で休止するとの発表があり驚きました。作編曲などではMAHATMAに携わっていくとのことですが、バンドがこれからどのように活動していくのか気がかりですね…。

BLOOD STAIN CHILD「IDOLATOR」(2005)

  • 2016/09/19(月) 00:00:00

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【No.478】
★★★(2007)

2000年代の日本メロデスシーンにおける有望株ブラステことBLOOD STAIN CHILDの3rdアルバム。デビュー以降、不動だったメンバーに変化があり長年在籍していたツインギターの一翼Daiki(G)が脱退しShiromasa(G)が加入しています。過去作品ではCHILDREN OF BODOMフォロワーに分類されそうな音楽性でしたが、今回は前作「MYSTIC YOUR HEART」(2003)でその片鱗を見せていたディスコ/トランス風のサウンドを大幅増量、リーダーのRyu(G)がクリーンボイスでサイドボーカルを務めるようになったことなどから従来とは異なる作風となっていますね。1st「SILENCE OF NORTHERN HELL」(2002)が中世ヨーロッパを思わせるシンフォニックアレンジだとすれば、今回は近未来的なサイバーメタルへと変化を遂げていて同じバンドとは思えないほどです。穿った見方をすればチルボドから「NATURAL BORN CHAOS」(2002)期のSOILWORKに乗り換えたと言えなくもない気もしますが…(苦笑)。

まずはオープニングの①HYPER SONICからして新生ブラステの魅力を凝縮した強力チューンなのですが、僕が一番好きなのは③Embrace Meですね。この曲を引っ張っていくもの悲しいキーボードの旋律は正にキラーフレーズ!本作のハイライトは間違いなくこの曲だと思います。また今回のアルバムで顕著なトランスへの傾倒を象徴する⑧NUCLEAR TRANCEも挑戦的な1曲だし、次作「MOZAIQ」(2007)で花開く「ダンス・ユーロビート+メタル」への布石となっていそうな⑩TYPE-Nなど随所でこれまでの作品とは一味違う魅力を発散しています。アルバム後半に失速する感はあるものの、前半に収録された楽曲群の充実振りはなかなかだし押し一辺倒に感じられた前作に対して、今回は緩急がうまくつけられています。LUNA SEAのカバー⑫TRUE BLUEは原曲をよく知らないので事前情報なく聴いたらブラステのオリジナルと思ってしまいそうですね。

「このアルバムでようやく完璧な自分達のオリジナリティが出せたと思っている」とRyuが語っているように、本作でBLOOD STAIN CHILDのアイデンティティが確立されましたね。そのカギを握るのは、前作のようにソロで弾きまくる場面は激減したものの先鋭的なアレンジが光るAki(Key)の存在でしょう。今回のアルバムで掴んだ音楽性を更に押し進めた4th「MOZAIQ」から僕はこのバンドを聴くようになり、本作を含む初期3作品は後追いでチェックしたため「トランスメタルに到達するまではこんな作風だったのか」という感想ですが、リアルタイムで聴いていたら本作で一皮剥けたという印象を抱いたと思います。デビュー作で見せていたクサメロは影を潜めてしまったので、その点に寂しさを感じる面もありますが総合的に見てもバンドがこれまでに発表した2枚のアルバムを上回る力作。次回作以降、アグレッションは希薄になっていくのでBLOOD STAIN CHILDならではの独自性とメロデスバンドらしさのバランスとしては本作くらいがベストなのかもしれませんね。

【音源紹介】
Embrace Me

BLOOD STAIN CHILD「MYSTIC YOUR HEART」(2003)

  • 2016/08/31(水) 00:00:00

MYSTIC YOUR HEART
【No.477】
★★★(2007)

CHILDREN OF BODOMの影響下にあるメロディックデスメタルとRHAPSODYにも通じるシンフォアレンジを融合させたスタイルが話題となった国産バンドBLOOD STAIN CHILDの2作目。今回もチルボドテイストは保ちつつも前作「SILENCE OF NORTHERN HELL」(2002)にあった大仰さは控えめとなり、代わりにキーボードによるデジタル音が楽曲を彩っています。それでいてサウンドの根幹部分はメロデスの王道に近づいた感があり、Ryo(B、Vo)のデス声もデビュー作と同じくAlexi Laiho(Vo/CHILDREN OF BODOM)を連想させる喚くようなスタイルに加えて、静かに歌うパートではAnders Friden(Vo/IN FLAMES)からの影響が感じられますね。

前作以上に北欧メロデスバンドを彷彿とさせる要素が多いためフォロワー臭は強くなっているものの、メインソングライターのRyu(G)のメロディセンスは相変わらず僕好みだし全9曲中大半が疾走チューンなので聴いていると否が応でもテンションが上がります。①Be In For Killing Myself、②∞ System、③The Rise Of All The Fallという冒頭の畳み掛けで掴みはOK。またアルバム後半には⑥eM Solution、⑦Clone Life、⑧The Road To Ruinというハイライトがあって、このジャンルのバンドとして海外勢とも十分渡り合えるだけのインパクトがありますね。ちなみにエンディング曲⑨Deep Silent Memoryは19分もありますが、本編が3:20で終了した後に15分近くの無音状態を挟んでトランス系のインストSextronicsがシークレットトラックとして収録されています。こういう仕掛けも嫌いではないですが、無音のパートが長過ぎてスキップするのが面倒ですね(苦笑)。

本作を語る上で欠かせないのはデビュー作以上に存在感を発揮している鍵盤奏者Akiでしょう。キラキラのシンセや楽曲を包み込む寒々しいサウンド、デス声のバックでクサメロを奏でたかと思えばソロパートではギターと熱いバトルを繰り広げるなど大活躍しています。彼の音選びのセンスの良さもBLOOD STAIN CHILDの武器ですね。このバンドに対する世界からの注目度も高まってきたようでCHILDREN OF BODOMのアルバムをプロデュースしたこともあるAnssi Kippoが共同プロデューサーとして本作に関わっています。Anssiの手腕によるところもあってか、サウンドプロダクションも良くなっていますね。バンドとしての着実な成長が感じられる1枚だと思います。

【音源紹介】
The Road To Ruin

BLOOD STAIN CHILD「SILENCE OF NORTHERN HELL」(2002)

  • 2016/08/23(火) 00:00:00

SILENCE OF NORTHERN HELL
【No.476】
★★★(2007)

大阪出身の5人組メロディック・デスメタルバンドBLOOD STAIN CHILDのデビューアルバム。リリース当初、本作は7曲入りミニアルバムという位置づけで次回作「MYSTIC YOUR HEART」(2003)が1stフルレンスと見なされていたようですが、今ではこの作品がBLOOD STAIN CHILDの正式な1stアルバムという見方が一般的なようです。今でこそ国産メロデスシーンといえばGYZE、THOUSAND EYESなどの有望株が続々と現れていますが、本作が発表された2002年当時に活動していた日本のメロデスバンドというと女性グロウラー嶋本 斎子擁するSHADOWくらいしか思いつかないですね(実際は他にもいたと思いますが)。僕の中でBLOOD STAIN CHILDはこのジャンルの草わけ的バンドのひとつというイメージがあります。

本作で展開されているサウンドを一言で表すなら「超CHILDREN OF BODOMタイプ」ですね。中でも④Legend Of Darkは「ジャンジャン♪」と響くオーケストラヒットと喚き系のデスボイスが笑ってしまうほどチルボドしていて、やり過ぎ感もありますが曲としては好きです。このバンドの強みはCHILDREN OF BODOM風サウンドにクサメロとシンフォニックなアレンジを融合させている点でしょうね。初期CHILDREN OF BODOMが好きだったので後続バンドと言われるKALMAH「SWAMPLORD」(2000)、NORTHER「DREAMS OF ENDLESS WAR」(2002)なども聴いてみたところ「本家には及ばないかな」というのが率直な感想でした。そんな理由から僕が最初に聴いたBLOOD STAIN CHILDの作品は4th「MOZAIQ」(2007)で、このアルバムは後追いでチェックしたのですがリアルタイムで聴いていたら結構インパクトがあったのではないかと思います。

大仰なシンフォニックサウンドの中でクサいメロディが乱舞するBLOOD STAIN CHILDの魅力を凝縮したオープニングにしてタイトル曲の①Silence Of The Northern Hell、イントロのギターからして見事な泣きっぷりを見せる③Under The Sin Of Grief、3:00過ぎから怒涛の展開を見せる⑤Requiemなどはなかなか強力。ダンス/ユーロビートを導入してトランスメタルを確立する後の作品群に比べると、オリジナリティは希薄かもしれませんが非凡なメロディセンスはこの当時から輝きを放っていますね。音質があまり良くないこと、パワー不足と粗さが目立つグロウルに今後の課題があるし、全7曲で31分というボリュームに食い足りなさを感じるのは事実ながらデビュー作としては十分の出来ではないでしょうか。

【音源紹介】
Silence Of Northern Hell

【CD購入録】VOLCANO「JUGGERNAUT」(2016)

  • 2016/07/18(月) 00:00:00

【CD購入録】
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VOLCANO「JUGGERNAUT」(2016)

前作「MELT」(2015)から僅か1年というVOLCANOとしては異例の短さでリリースされた5作目を買いました。2nd「DAVI」(2001)発表後10年近く音沙汰がなかったことを思うと、前作が完成した時に屍忌蛇(G)が言っていた「今からやぞ」という言葉通り、ここから活動を活発化してくれそうで嬉しいですね。中身の方はというと「MELT」の延長線上にあるヘヴィメタルサウンドの中で、屍忌蛇のギターが泣きまくるVOLCANOらしい作風となっています。現時点でのお気に入りはギターがひと泣きした後に「オー アイムソーリー♪」と歌い出す⑤I Missですね。バンド史上初の壮大なバラードという触れ込みの⑪Coming Hillも感動的ですが、期待を上回るほどではないかな。とはいえVOLCANOらしさはしっかり見せつけてくれているので愛聴しています。曲作りの時に目の前に玄米茶があったことから仮タイトルが「玄米茶」になり、そこから歌詞を考えたという③Get Mad Childのサビは「げん!まいちゃ!」にしか聞こえませんね(笑)。

【CD購入録】FUKI COMMUNE「WELCOME!」(2016)

  • 2016/06/29(水) 00:00:00

【CD購入録】
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FUKI COMMUNE「WELCOME!」(2016)

現代のジャパニーズメタル界を代表する女性シンガーのひとりFuki(LIGHT BRINGER、UNLUCKY MORPHEUS etc)初のソロアルバム(DVD付きの初回限定盤)を買いました。インストを含む全11曲中9曲はLIGHT BRINGERでも活動を共にしていたMao(Key)が作曲、Fukiが作詞していて⑥「朝な朝な」、⑦「狂い咲け雪月華」のみ外部ライターによる楽曲です。MaoはLIGHT BRINGERが活動休止する前のラストアルバム「MONUMENT」(2014)で大半の曲を手掛けていたので、その延長線上にある作品かとも思いましたがLIGHT BRINGERの質感を残しつつもアニソンっぽさが強いように感じますね。複数の曲がアニメ、ゲームのタイアップなのでそうなるのは自然だと思うし、Fukiの伸びやかな声はこの手の曲にマッチしています。デジタリーな序曲①Welcome to my dream -Instrumental-の後に配された②「月が満ちる前に」、③「輝く夜へようこそ!」、④I’ll never let you down!と続く即効性の高いアップテンポチューンとアルバム終盤を盛り上げるバラード調⑩「未来」、ラブリーテイストの強い⑪Sail on my loveなどが現時点でのお気に入りですね。期待値が高かったこともあり「これくらいはやってくれるはず」という想定の範囲内ではあるものの、しばらくはヘビロテ確定の1枚となりそうです。

マキシマム ザ ホルモン「ぶっ生き返す」(2007)

  • 2016/06/02(木) 00:00:00

マキシマムザホルモン
【No.472】
★★★★★(2007)
年間ベスト2007年第2位

日本の4人組ミクスチャーロックバンドマキシマム ザ ホルモンの4thアルバム。このバンドに関しては「ロッキンポ殺し」(2005)というヘンなタイトルの作品(漫☆画太郎によるジャケットも強烈)がBURRN!誌上でのレビューで70点そこそこだったという印象しかありませんでした。そんな中この作品が一部サイトで高評価を受けていたので興味本位でトライしてみたところ、実に面白いバンドということを発見。本作との出会いは2007年最大の衝撃と言えるほどのインパクトがあり、このブログでも同年の年間ベスト第2位に選出するほどハマりましたね。基本はハードコアなサウンドでありながら、先の読めない曲展開と混沌とした轟音世界の中に突如として切り込んでくるメロディアスパートが絶大なインパクトを誇っています。

各曲が目まぐるしく展開し豊かな表情を見せる作風は「MEZMERIZE」、「HYPNOTIZE」の2作品で僕を魅了したSYSTEM OF A DOWNを連想させますね。裏を返せば2005年にSYSTEM OF A DOWNに出会い、この手のサウンドにある程度の免疫があったからこそ本作を楽しめたのかもしれません。メロディのとっつきやすさとキャッチー度はSYSTEM OF A DOWN以上だし、このバンドは男女ノーマルボイス、シャウト、早口ラップとタイプの異なるボーカルが入れ替わり立ち替わり登場していて曲に絶妙な起伏と緩急をつけることに成功しています。これほどカオティックかつキャッチーな楽曲群を生み出せるマキシマムザ亮君(Vo、G)は正に鬼才。彼の頭の中はどうなってるんでしょうね。

どの曲も一筋縄ではいかないヒネクレっぷりで聴いていて楽しいのですが、重々しいイントロからヘヴィロック調に畳み掛けてきたかと思うと女声ボーカルによる歌謡曲風の叙情パートを経てクサメタリックに疾走する⑫「シミ」がハイライトですね。アルバム全体を通しても自然と身体が揺れてくるグルーヴィなリフに始まりハチャメチャな展開を見せるタイトル曲①「ぶっ生き返す!!」、流麗なメロディと共に駆け抜けるメタル調の②「絶望ビリー」、キュートなメロディを配した③「糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー」からキーボードに彩られたキャッチーなヘヴィロック⑬「恋のメガラバ」までテンションが下がることなく楽しめました。僕にとって馴染みの薄いジャンルから突如現れた名盤だと思います。歌詞は大半が日本語なのにほとんど聞き取れない上に歌詞カードを見ても意味不明だし、おそらく意図的に英語に聞こえるような歌い方をしているため海外のバンドのような感覚もありますね(内容は過激かつ下品だったりするので英詞のように聞こえるのは個人的に歓迎)。キワモノ的な要素もあるバンドなので聴き手を選ぶ音楽性ではありますが、僕のミュージックライフに欠かせない1枚となっています。

【音源紹介】
絶望ビリー