SYMPHONY X「PARADISE LOST」(2007)

  • 2017/05/14(日) 00:00:00

PARADISE LOST.jpg
【No.492】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第7位

日本ではネオクラシカル・プログレッシブメタルの雄として不動の地位を築いた感のあるSYMPHONY Xの7作目。前作「THE ODYSSEY」(2002)が本国アメリカでも好評だったようでMEGADETH、DREAM THEATERをダブルヘッドライナーとしたGIGANTOURに参加するなどアメリカでも人気に火がついたようです。数々のツアーに加えてMichael Romeo(G)Timo Kotipelto(Vo/STRATOVARIUS)のバンドKOTIPELTOにゲスト参加、Russell Allen(Vo)は自身初のソロ作品やALLEN-LANDEでも歌声を披露、Michael Pinnella(Key)もインストのソロアルバムを発売するなどしていたこともあり前作から約4年もの間隔が空いてしまいました。今回のアルバムはジョン・ミルトンの著書「失楽園(Paradise Lost)」をテーマにした1枚ではあるものの失楽園を題材にしたコンセプトアルバムというわけではないようです。ここ最近のアルバムはメロディアスな要素が減退していたこともあり、僕の中では3rd「THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY」(1996)をピークとして彼等に対する関心は下降線を辿っていたのですが、本作は「SYMPHONY Xのこんな作品が聴きたかった!」と思える起死回生の名盤となっています。メロディックパワーメタル色が強調され聴きやすくなっている点が大きいですね。

映画音楽のように壮大なサウンドで期待感を煽りまくるイントロ①Oculus Ex Inferniから繋がる②Set The World On Fire (The Lie Of Lies)からしてSYMPHONY Xにしてはストレートな曲調で、このバンドについて回る難解なイメージは払拭されています。その後も緊迫感とフックのあるメロディが一体となった⑥Eve Of Seduction、3rdに収録されたバンド屈指の名曲Out Of Ashesを彷彿とさせる⑧Sevenなど、メロパワ風の楽曲が複数あるのが嬉しいですね。それとは対照的なバラードでは幻想的なコーラスを配したタイトル曲⑤Paradise Lost、SYMPHONY Xにしては珍しくアコースティックギターも登場する⑨The Sacrificeを収録していてダークでヘヴィな作風の中でいいアクセントになっています。また「THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY」収録のSea Of Liesを思わせるベースソロから始まるヘヴィチューン③Domination、まるで蛇が這いずるようなグルーヴィなリフがうねる④The Serpent's Kiss、そしてアルバムを締めくくるに相応しいプログレチューン⑩Revelation (Divus Pennae Ex Tragoedia)も収録していてバラエティに富んでいる点も見逃せません。

前作同様にヘヴィでゴツいギターとバンド初期にあったネオクラシカルテイストが融合した本作はSYMPHONY Xというバンドの集大成的な1枚。圧倒的なテクニックでアルバムを支配するマエストロMichael Romeoの存在感が際立っていますね。演奏面におけるもう1人のキーパーソンMichael Pinnellaにスポットが当たる場面は少なくなっているように感じますが曲の世界観を巧みに演出したり、バックを彩る優雅なピアノを奏でたりとその実力を遺憾なく発揮しています。ガナリ気味に歌うRussellについてはクドすぎる感があるのは事実ながら、迫力満点のインストパートに対抗するにはこれくらいのパワーで歌う必要があるのかもしれませんね(バラード系では繊細に歌っていますし)。耳に残るメロディ、個々の楽曲のインパクトという点では「THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY」に及ばないもののアルバム全体の完成度としては甲乙付け難いほどの出来栄えです。ちなみにアルバムジャケットはSYPHONY Xの作品群はもちろん、他のCDを含めてもダントツで気に入っています。

【音源紹介】
Seven

年間ベストについて

  • 2017/01/05(木) 00:00:00

「これまでに聴いた音楽の記録(データベース)」というコンセプトに則って、このブログでは僕が本格的に音楽を聴くようになった1995年以降の年間ベスト記事を書いています。
この記事では年間ベストの各部門についての説明と、それぞれの年のベストアルバムを紹介しています(当記事は2008年12月25日にアップしたものに追加情報を加えたものです)。

年間ベスト記事の各部門はこちら
【アルバム】
その年に発売された新作のベスト10選(1995年、1996年は5選)と、その年以前に発売された旧作のベストアルバムを選出しています(記憶が曖昧なため旧譜作品は選出していない年も多いです)。またそれぞれのアルバムから大好きな1曲をチョイス。

【楽曲】
上の新作ベスト10アルバムの収録曲以外からベスト10形式で選出し、そのうち1曲の音源を紹介します(2012年以降はベストアルバムに選出した作品の収録曲も対象としていることもあります)。

【他に印象に残った曲】
ベスト10入りはならなかったけれど、大好きな曲を紹介。

【期待の新人】
その年にデビュー(日本デビュー、メジャーデビューを含む)した期待の新バンドを選出。
過去のブライテストホープはこちら。バンド名をクリックするとCD紹介記事を見ることができます。

2016年 THE UNCROWNED
2015年 SCRAMBLED SOUL CIRCUS
2014年 MAHATMA
2013年 ART OF GRADATION
2012年 BATTLE BEAST
2011年 AMARANTHE
2010年 KISSIN' DYNAMITE
2009年 DRAGON GUARDIAN
2008年 CRAZY LIXX
2007年 CIRCUS MAXIMUS
2006年 WIG WAM
2005年 USER of a common name
2004年 HIBRIA
2003年 GALNERYUS
2002年 DREAM EVIL
2001年 LOST HORIZON
2000年 SONATA ARCTICA
1999年 MAJESTIC
1998年 EDGUY
1997年 RHAPSODY
1996年 TERRA NOVA
1995年 MIKAEL ERLANDSSON

【アルバムジャケット】
お気に入りのジャケットを選びます。基本的に新譜作品からと考えてますが、旧譜作品でも好きなものがあればそちらから。
アルバムジャケットについてはこちらの記事もどうぞ。
【FC2トラックバックテーマ】第750回「お気に入りのCDジャケット!」

【1年を振り返って】
僕のミュージックライフはこんな感じでしたという総括。
その年のミュージックシーンがどうだったというマクロな視点ではなく、僕個人のミクロな視点で振り返ります。

1995年以降の年間ベストアルバムは以下の通りです。
それぞれの年をクリックすると該当年の年間ベスト記事へ、作品名をクリックするとCD紹介記事へとリンクしています。どれくらいの方に興味を持っていただけるのかは謎ですが、僕がこれまでどんな音楽を聴いて現在に至ったのかをまとめるとこんな感じになるかと思います。

日本の歌姫たちの活躍が印象的だった2016年
【新作アルバム10選】
1.浜田 麻里「MISSION」
2.THE DEFIANTS「THE DEFIANTS」
3.MYRATH「LEGACY」
4.陰陽座「迦陵頻伽」
5.FUKI COMMUNE「WELCOME!」
6.OCTAVIAGRACE「OUTWARD RESONANCE」
7.TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」
8.GACHARIC SPIN「確実変動 –KAKUHEN-」
9.MARY'S BLOOD「FATE」
10.KISSIN' DYNAMITE「GENERATION GOODBYE」

【旧作アルバム5選】
1.森重 樹一「obsession」(2014)
2.浜田 麻里「LEGENDA」(2012)
3.HEVISAURUS「JURAHEVIN KUNINKAAT」(2009)
4.ECLIPSE「ARMAGEDDONIZE」(2015)
5.RUSSKAJA「ENERGIA!」(2013)

海外のメロディックメタル勢と国産バンドをよく聴いていた2015年
【新作アルバム10選】
1.SCRAMBLED SOUL CIRCUS「SCRAMBLED COLORS」
2.GALNERYUS「UNDER THE FORCE OF COURAGE」
3.CAIN'S OFFERING「STORMCROW」
4.GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」
5.STRATOVARIUS「ETERNAL」
6.RUSSKAJA「PEACE, LOVE & RUSSIAN ROLL」
7.HELLOWEEN「MY GOD-GIVEN RIGHT」
8.REVOLUTION SAINTS「REVOLUTION SAINTS」
9.MARY'S BLOOD「BLOODY PALACE」
10.BATTLE BEAST「UNHOLY SAVIOR」

【旧作アルバム5選】
1.森重 樹一「ELEVEN ARK」(2013)
2.CIVIL WAR「THE KILLER ANGELS」(2013)
3.POWERWOLF「BLOOD OF THE SAINTS」(2011)
4.PRIMAL FEAR「DELIVERING THE BLACK」(2014)
5.DEVIL'S HEAVEN「HEAVEN ON EARTH」(2014)

HR/HM歴20年目を迎えた2014年
【新作アルバム10選】
1.ARCH ENEMY「WAR ETERNAL」
2.CYNTIA「LIMIT BREAK」
3.DYNAZTY「RENATUS」
4.GACHARIC SPIN「WINNER」
5.KISSIN' DYNAMITE「MEGALOMANIA」
6.LIGHT BRINGER「MONUMENT」
7.MAHATMA「RE:GENERATION」
8.MARY'S BLOOD「COUNTDOWN TO EVOLUTION」
9.STEEL PANTHER「ALL YOU CAN EAT」
10.WITHIN TEMPTATION「HYDRA」

【旧作アルバム5選】
1.TEARS OF TRAGEDY「CONTINUATION OF THE DREAM」(2013)
2.TAKUI「SWANKY GOD POP」(2002)
3.TALISMAN「7」(2006)
4.POWERWOLF「PREACHERS OF THE NIGHT」(2013)
5.AVIARY「AVIARY」(1979)

ベテラン/若手、海外/国内バンドがバランスよく活躍してくれた2013年
【新作アルバム10選】
1.LIGHT BRINGER「SCENES OF INFINITY」
2.HELLOWEEN「STRAIGHT OUT OF HELL」
3.STRATOVARIUS「NEMESIS」
4.ART OF GRADATION「CONCENTRATION」
5.MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」
6.GYZE「FASCINATING VIOLENCE」
7.GLORYHAMMER「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」
8.AMARANTHE「THE NEXUS」
9.BATTLE BEAST「BATTLE BEAST」
10.ROYAL HUNT「A LIFE TO DIE FOR」

【旧作アルバム5選】
1.DOLL$BOXX「DOLLS APARTMENT」(2012)
2.CRYING MACHINE「THE TIME HAS COME」(2012)
3.CYNTIA「ENDLESS WORLD」(2012)
4.ALHAMBRA「明日への約束」(2005)
5.CROSS VEIN「BIRTH OF ROMANCE」(2012)

嬢メタルの隆盛を肌で感じた2012年
【新作アルバム10選】
1.ALHAMBRA「SIEGFREID」
2.ANTHEM「BURNING OATH」
3.BATTLE BEAST「STEEL」
4.GALNERYUS「ANGEL OF SALVATION」
5.HALESTORM「THE STRANGE CASE OF...」
6.KAMELOT「SILVERTHORN」
7.KISSIN' DYNAMITE「MONEY, SEX AND POWER」
8.LIGHT BRINGER「GENESIS」
9.LIV MOON「THE END OF THE BEGINNING」
10.THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA「INTERNAL AFFAIRS」

【旧作アルバム5選】
1.LINDA BENGTZING「INGENTING ATT FORLORA」(2006)
2.LIONVILLE「LIONVILLE」(2011)
3.NIVA「GOLD FROM THE FUTURE」(2011)
4.DAG FINN「THE WONDERFUL WORLD OF DAG FINN」(1991)
5.DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組魔戦記」(2011)

日本勢がベストアルバム部門のTOP3を独占した2011年
【新作アルバム10選】
1.陰陽座「鬼子母神」
2.GALNERYUS「PHOENIX RISING」
3.LIV MOON「GOLDEN MOON」
4.ROYAL HUNT「SHOW ME HOW TO LIVE」
5.PRIVATE LINE「DEAD DECADE」
6.WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」
7.STEEL PANTHER「BALLS OUT」
8.SHAKRA「BACK ON TRACK」
9.TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA:AROUND THE WORLD IN TWENTY DAYS-LIVE-」
10.AMARANTHE「AMARANTHE」

【旧作アルバム5選】
1.STRATOVARIUS「POLARIS + POLARIS LIVE」(2010)
2.RECKLESS LOVE「RECKLESS LOVE」(2010)
3.KISSIN' DYNAMITE「STEEL OF SWABIA」(2008)
4.NELSON「LIGHTNING STRIKES TWICE」(2010)
5.STRATOSPHERE「FIRE FLIGHT」(2010)

欧州メロディックメタルのビッグネーム/中堅勢の新作リリースが相次いだ2010年
【新作アルバム10選】
1.TREAT「COUP DE GRACE」
2.GALNERYUS「RESURRECTION」
3.NEGATIVE「NEON」
4.KISSIN' DYNAMITE「ADDICTED TO METAL」
5.HELLOWEEN「7 SINNERS」
6.LAST AUTUMN'S DREAM「YES」
7.RAGE「STRINGS TO A WEB」
8.SOILWORK「THE PANIC BROADCAST」
9.TOBIAS SAMMET'S AVATNASIA「THE WICKED SYMPHONY」
10.TOBIAS SAMMET'S AVATNASIA「ANGEL OF BABYLON」

【旧作アルバム5選】
1.GOTTHARD「MADE IN SWITZERLAND -LIVE IN ZURICH」(2006)
2.MASQUERADE「MASQUERADE」(1992)
3.HOUSE OF LORDS「CARTESIAN DREAMS」(2009)
4.IT BITES「THE TALL SHIPS」(2008)
5.OUTRAGE「THE FINAL DAY」(1991)

【番外編】2000年~2009年の10年を振り返った00年代ベストはこちら

キャリアが長いバンドの原点回帰作が印象的だった2009年
【新作アルバム10選】
1.MEGADETH「ENDGAME」
2.DREAM THEATER「BLACK CLOUDS & SILVER LININGS」
3.DRAGON GUARDIAN「DRAGONVARIUS」
4.STEEL PANTHER「FEEL THE STEEL」
5.PRAYING MANTIS「SANCTUARY」
6.BAD HABIT「ABOVE AND BEYOND」
7.DANGER DANGER「REVOLVE」
8.OUTRAGE「OUTRAGE」
9.陰陽座「金剛九尾」
10.TRICK OR TREAT「TIN SOLDIERS」

【旧作アルバム5選】
1.NICKELBACK「DARK HORSE」(2008)
2.SHINEDOWN「THE SOUND OF MADNESS」(2008)
3.GOTTHARD「LIPSERVICE」(2005)
4.ECLIPSE「ARE YOU READY TO ROCK」(2008)
5.ANKOR「AL FIN DESCANSAR」(2007)

ブログを開設してミュージックライフが更に充実した2008年
【新作アルバム10選】
1.ROYAL HUNT「COLLISION COURSE : PARADOX Ⅱ」
2.DUST'N'BONEZ「COCKSUCKER BLUES」
3.CRAZY LIXX「LOUD MINORITY」
4.JOURNEY「REVELATION」
5.陰陽座「魑魅魍魎」
6.TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE SCARECROW」
7.EMIR HOT「SEVDAH METAL」
8.STORMWARRIOR「HEADING NORTHE」
9.LAST AUTUMN'S DREAM「DREAM CATCHER」
10.SEVENTH WONDER「MERCY FALLS」

【旧作アルバム5選】
1.AXXIS「DOOM OF DESTINTY」(2007)
2.CRYSTAL VIPER「THE CURSE OF CRYSTAL VIPER」(2007)
3.ALHAMBRA「FADISTA」(2007)
4.ARI KOIVUNEN「FUEL FOR THE FIRE」(2007)
5.WINTERHAWK「REVIVAL」(1982)

バラエティ豊かなバンド群が僕好みの作品を届けてくれた2007年
【新作アルバム10選】
1.DOUBLE DEALER「DESERT OF LOST SOULS」
2.マキシマム ザ ホルモン「ぶっ生き返す」
3.ARCH ENEMY「RISE OF THE TYRANT」
4.NOCTURNAL RITES「THE 8TH SIN」
5.PRIDE OF LIONS「THE ROARING OF DREAMS」
6.HELLOWEEN「GAMBLING WITH THE DEVIL」
7.SYMPHONY X「PARADISE LOST」
8.MEAT LOAF「THE BAT OUT OF HELL Ⅲ‐ THE MONSTER IS LOOSE」
9.MIKA「LIFE IN CARTOON MOTION」
10.BLOOD STAIN CHILD「MOZAIQ」

【旧作アルバム5選】
1.TRYBECCA「つばめの巣のスープ」(1997)
2.JANNE DA ARC「D・N・A」(2000)
3.SHA-BOOM「THE RACE IS ON」(2005)
4.SEVENTH WONDER「WAITING IN THE WINGS」(2006)
5.THUNDERSTONE「THE BURNING」(2004)

メロディックロック系の良作とフィンランド勢の活躍が印象的だった2006年
【新作アルバム10選】
1.MY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」
2.GALNERYUS「BEYOND THE END OF DESPAIR…」
3.DUST'N'BONEZ「ROCK'N'ROLL CIRCUS」
4.ANTHEM「IMMORTAL」
5.STREET TALK「V」
6.LOSTPROPHETS「LIBERATION TRANSMISSION」
7.LAST AUTUMN'S DREAM「SATURN SKYLINE」
8.WIG WAM「HARD TO BE A ROCK'N'ROLLER IN TOKYO」
9.AGNES「WHEN THE NIGHT FALLS」
10.ZENO「RUNWAY TO THE GODS」

メロディックメタルから少し距離を置き、バッドボーイズロックをよく聴いていた2005年
【新作アルバム10選】
1.SYSTEM OF A DOWN「MEZMERIZE」
2.SYSTEM OF A DOWN「HYPNOTIZE」
3.SPIRITUAL BEGGARS「DEMONS」
4.NOCTURNAL RITES「GRAND ILLUSION」
5.SENTENCED「FUNERAL ALBUM」
6.HARDCORE SUPERSTAR「HARDCORE SUPERSTAR」
7.陰陽座「臥龍點睛」
8.DOUBLE DEALER「FATE & DESTINY」
9.ALLEN-LANDE「THE BATTLE」
10.THE RASMUS「HIDE FROM THE SUN」

世界にはまだ僕の知らない素晴らしいバンドがいるんだと実感した2004年
【新作アルバム10選】
1.EDGUY「HELLFIRE CLUB」
2.THE RASMUS「DEAD LETTERS」
3.ORPHANED LAND「MABOOL THE STORY OF THE THREE SONS OF SEVEN」
4.SIXRIDE「SIXRIDE」
5.RAGE「FROM THE CRADLE TO THE STAGE」
6.DREAM EVIL「THE BOOK OF HEAVY METAL」
7.PRIDE OF LIONS「THE DESTINY STONE」
8.HIBRIA「DEFYING THE RULES」
9.SILENT FORCE「WORLDS APART」
10.TIME REQUIEM「THE INNER CIRCLE OF REALITY」

日本のバンドが好盤を連発してくれた2003年
【新作アルバム10選】
1.DREAM THEATER「TRAIN OF THOUGHT」
2.SIXRIDE「TICKET TO RIDE」
3.陰陽座「鳳翼麟瞳」
4.GALNERYUS「THE FALG OF THE PUNISHMENT」
5.CHILDREN OF BODOM「HATE CREW DEATHROLL」
6.SOILWORK「FIGURE NUMBER FIVE」
7.ZIGGY「ROCK'N'ROLL FREEDOM!」
8.KAMELOT「EPICA」
9.LAST TRIBE「THE UNCROWNED」
10.PRIDE「SIGNS OF PURITY」

飛び抜けた作品は少なかったけれど良作の多かった2002年
【新作アルバム10選】
1.ZIGGY「HEAVEN AND HELL」
2.DREAM EVIL「DRAGONSLAYER」
3.NOCTURNAL RITES「SHADOWLAND」
4.SENTENCED「COLD WHITE LIGHT」
5.PAUL GILBERT「BURNING ORGAN」
6.LAST TRIBE「WITCH DANCE」
7.SOILWORK「NATURAL BORN CHAOS」
8.RAGE「UNITY」
9.陰陽座「煌神羅刹」
10.RICHARD ANDERSSON’S TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」

お気に入りトップ10アルバムがメタル系で占められた2001年
【新作アルバム10選】
1.ROYAL HUNT「THE MISSION」
2.TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「METAL OPERA PART 1」
3.SABER TIGER「SABER TIGER」
4.LOST HORIZON「AWAKENING THE WORLD」
5.LAST TRIBE「THE RITUAL」
6.ARCH ENEMY「WAGES OF SIN」
7.EDGUY「MANDRAKE」
8.ANGRA「REBIRTH」
9.SILENT FORCE「INFATUATOR」
10.DARK MOOR「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」

HR/HMを聴きながら就職活動に勤しみつつCDを買い漁った2000年
【新作アルバム10選】
1.DOUBLE DEALER「DOUBLE DEALER」
2.SPIRITUAL BEGGERS「AD ASTRA」
3.STRATOVARIUS「INFINITE」
4.SONATA ARCTICA「ECLIPTICA」
5.AT VANCE「HEART OF STEEL」
6.MILLENIUM「HOURGLASS」
7.FAIR WARNING「4」
8.VOLCANO「VIOLENT」
9.BBMAK「SOONER OR LATER (U.S.A VERSION)」
10.EDGUY「THE SAVAGE POETRY」

インターネットを使い始め、音楽情報の入手ルートが大きく拡大した1999年
【新作アルバム10選】
1.DREAM THEATER「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」
2.ARCH ENEMY「BURNING BRIDGES」
3.CHILDREN OF BODOM「TOKYO WARHEARTS LIVE IN JAPAN 1999」
4.GOTTHARD「OPEN」
5.NOCTURNAL RITES「THE SACRED TALISMAN」
6.EDGUY「THEATER OF SALVATION」

7.TERRA NOVA「MAKE MY DAY」
8.KIM KYUNG HO「FOR 2000 AD」
9.ROYAL HUNT「FEAR」
10.MAJESTIC「ABSTRACT SYMPHONY」

BURRN!の藤木さんのお薦め作品をチェックしまくっていた1998年
【新作アルバム10選】
1.ROYAL HUNT「CLOSING THE CHAPTER」
2.BAD HABIT「ADULT ORIENTATION」
3.EDGUY「VAIN GLORY OPERA」
4.PINK CREAM 69「ELECTRIFIED」
5.ERIC CARMEN「WINTER DREAMS」
6.KIM KYUNG HO「00:00:1998」
7.FIORE「TODAY TILL TOMORROW」
8.PRAYING MANTIS「FOREVER IN TIME」
9.ARCH ENEMY「STIGMATA」
10.ANDRE ANDERSEN「CHANGING SKIN」

メロディックメタル勢の傑作ラッシュが印象的だった1997年
【新作アルバム10選】
1.ROYAL HUNT「PARADOX」
2.GOTTHARD「D FROSTED」
3.FAIR WARNING「GO!」
4.YNGWIE MALMSTEEN「FACING THE ANIMAL」
5.STRATOVARIUS「VISIONS」
6.VITALIJ KUPRIJ「HIGH DEFINITION」
7.RHAPSODY「LEGENDARY TALES」
8.VALENTINE「4-UNITED」
9.TERRA NOVA「BREAK AWAY」
10.CLOCKWISE「NOSTALGIA」

アメリカ、英国のバンドやインスト作品にも興味が出てきた1996年
【新作アルバム5選】
1.ROYAL HUNT「1996」
2.TEN「TEN」
3.TERRA NOVA「LIVIN' IT UP」
4.FIREHOUSE「GOOD ACOUSTICS」
5.HELLOWEEN「TIME OF THE OATH」

【旧作アルバム5選】
1.HAREM SCAREM「MOOD SWINGS」(1993)
2.DREAM THEATER「IMAGES & WORDS」(1992)
3.PRAYING MANTIS「CRY FOR THE NEW WORLD」(1993)
4.STEVEN ANDERSON「GYPSY POWER」(1994)
5.HEAVENS GATE「LIVIN' IN HYSTERIA」(1991)

YNGIWE MALMSTEEN「ECLIPSE」から全てが始まった1995年
【新作アルバム5選】
1.MIKAEL ERLANDSSON「THE 1」
2.ROYAL HUNT「MOVING TARGET」
3.VALENTINE「VALENTINE」
4.CLIF MAGNESS「SOLO」
5.JOEY TEMPEST「A PLACE TO CALL HOME」

【旧作アルバム5選】
1.HELLOWEEN「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 2」(1988)
2.ROBBY VALENTINE「THE MAGIC INFINITY」(1994)
3.YNGWIE J. MALMSTEE'S RISING FORCE「ODYSSEY」(1988)
4.YNGWIE J. MALMSTEE'S RISING FORCE「RISING FORCE」(1984)
5.FAIR WARNING「FAIR WARNING」(1992)

PRIVATE LINE「DEAD DECADE」(2011)

  • 2016/12/16(金) 00:00:00

DEAD DECADE
【No.483】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第5位

ハードロックンロールと北欧ならではの叙情メロディを融合させた前作「EVEL KNIEVEL FACTOR」(2006)が見事な出来栄えだったPRIVATE LINEによる約4年振りの3rdアルバム。曲作りの時期にSammy Aaltonen(Vo)の父親が亡くなるなどしたことが影響してかアルバムジャケットは暗く、曲名にもDeath、Dead、Ghost、Graveなど死を連想させる単語が多いですね。Sammyによると「本作がPRIVATE LINEにとってのブラックアルバム」だそうですがダークな作品に仕上がっているかというと、むしろその逆で破天荒なロックサウンドは影を潜め、これまで以上にメロディに焦点を当てた作風となっています。曲によっては同郷のメランコリックロックバンドTHE RASMUS、世界的なヒットを記録したMY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」(2006)を彷彿とさせる場面もありますね。

ビッグなコーラスと共に駆け抜ける①Deathbedtime Storiesで幕を開け、ダークな哀メロとそれを歌う子供のコーラスがこれまでにないスケールの大きさを感じさせるタイトル曲②Dead Decadeと続く流れからして「これまでと一味違う」と感じさせてくれます。それ以降もパンキッシュに弾ける③Black Swan、妖しさを演出する冒頭のハーモニカが印象的な④Ghost Dance、ダンサブルなアレンジでノリ良く聴かせる⑤13th Step From The Grave、PRIVATE LINE流ロックにブルーズテイストを加味した⑥Down Came The Rainと、手を替え品を替え魅力的なメロディを堪能させてくれるので飽きないですね。また終盤にも一際ポップな歌メロが耳に残る⑨Meltdown Town、間奏にロシアンフォーク風のパートを交えた疾走チューン⑩Deathroll Casinoというハイライトがあるのも好印象です。

1stアルバム「21ST CENTURY PIRATES」(2004)ではMOTLEY CRUELive Wire、前作ではCHEAP TRICKHe's A Whoreをカバーしていましたが、今回はTHE LORDS OF THE NEW CHRCH⑬New Churchを収録しています。PRIVATE LINEがこれまでに取り上げたバンドは少なからず知っていましたがTHE LORDS OF THE NEW CHURCHは全く知りませんでした。調べてみたところ、どうやら80年代のパンクバンドのようです。オリジナルアーティストを知らないこともあってかカバー曲に関しては過去作品に軍配が上がりますね。とはいえオリジナル曲の充実度は今回が一番だと思うので僕の中ではこのアルバムが最高傑作です。注文をつけるとすれば作品毎のスパンをもう少し短くして欲しいということでしょうか。本作も4年振りのアルバムでしたが2016年現在、4作目に関する情報は入ってきていません…。オフィシャルサイトは今も存在しているしSammyとElias Logren(Ds)はアコースティックライヴも行っているもののファンとしてはPRIVATE LINEの新作情報が待ち遠しいですね。

【音源紹介】
Deathroll Casino

BLOOD STAIN CHILD「MOZAIQ」(2007)

  • 2016/10/01(土) 00:00:00

MOZAIQ
【No.479】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第10位

BLOOD STAIN CHILDの4作目にして、僕が初めてこのバンドの音に触れたアルバム。今回もメンバーチェンジがあり、前作「IDOLATOR」(2005)から加入したShiromasa(G)はバンドを離れG.S.R.なるギタリストが参加、更にバンド初となる専任シンガーSadewを迎えた6人編成となっています。Sadewはルックスのみならずグロウルや悲しげなクリーンボーカルまでAnders Frieden(Vo/IN FLAMES)に似ていますね。本作ではそんな彼の歌唱に加えて、これまで兼任という形でリードボーカルを担っていたRyo(B)のシャウト、メインソングライターRyu(G)のノーマルボイス、女声のサンプリングなどを駆使し、前作で掴んだ近未来的メロデスという独創的な音楽性を更に進化させています。

このアルバムを初めて聴いた時はプレイボタンを押すと同時に流れてくるディスコ風の音に驚かされましたが、ここまで大胆にユーロビートとメロデスを融合させて、しかもカッコよく仕上げてしまうバンドのセンスにタダならぬものを感じました。ダンサブルなメロデスと呼べそうな③FreedomはBLOOD STAIN CHILDならではの新境地だし、ノーマルボイスで畳み掛けるサビメロが印象的な⑤Pitch Black Roomなどアルバム前半の充実振りはなかなかだと思います。後半にはどことなく「和」を感じさせる音使いと女性ボーカルがなんとも言えない浮遊感を醸し出す⑦METROPOLICE、トランス色を前面に出した⑧C.E.0079など風変わりな楽曲もあって面白いですね。そして日本盤ボーナスにTRFのカバー曲⑫EZ DO DANCEを収録してしまうのもBLOOD STAIN CHILDならではと言えるでしょう。ちなみにアメリカ/ヨーロッパ盤にはEZ DO DANCEの代わりにCosmic Highwayというオリジナル曲が収録されていて、YouTubeで聴く限りなかなかの佳曲です。

デビューした頃はCHILDREN OF BODOMフォロワーと呼ばれていた彼等ですが、ダンスミュージックとメロデスの融合という荒技で他のバンドとの差別化に成功していますね。そんな話題性もさることながらこのバンドのメロディセンスが本作リリース時のCHILDREN OF BODOMやSOILWORK以上に僕好みなので愛聴していました。ただしデビュー当初からBLOOD STAIN CHILDのファンだという方の間では、本作について賛否両論あるようですね。たしかにクリーンボーカルが平坦に感じられる、メタルミュージックの肝であるはずのギターパートにもう少し魅力が欲しいなど物足りない点もありますが②Cyber Green、④ENERGY BLAST、⑩Peacemakerのような疾走系のナンバーはグッと来るし、耳に残るメロディも多いので過去のアルバムよりも本作の方が好きですね。

【音源紹介】
Freedom

マキシマム ザ ホルモン「ぶっ生き返す」(2007)

  • 2016/06/02(木) 00:00:00

マキシマムザホルモン
【No.472】
★★★★★(2007)
年間ベスト2007年第2位

日本の4人組ミクスチャーロックバンドマキシマム ザ ホルモンの4thアルバム。このバンドに関しては「ロッキンポ殺し」(2005)というヘンなタイトルの作品(漫☆画太郎によるジャケットも強烈)がBURRN!誌上でのレビューで70点そこそこだったという印象しかありませんでした。そんな中この作品が一部サイトで高評価を受けていたので興味本位でトライしてみたところ、実に面白いバンドということを発見。本作との出会いは2007年最大の衝撃と言えるほどのインパクトがあり、このブログでも同年の年間ベスト第2位に選出するほどハマりましたね。基本はハードコアなサウンドでありながら、先の読めない曲展開と混沌とした轟音世界の中に突如として切り込んでくるメロディアスパートが絶大なインパクトを誇っています。

各曲が目まぐるしく展開し豊かな表情を見せる作風は「MEZMERIZE」、「HYPNOTIZE」の2作品で僕を魅了したSYSTEM OF A DOWNを連想させますね。裏を返せば2005年にSYSTEM OF A DOWNに出会い、この手のサウンドにある程度の免疫があったからこそ本作を楽しめたのかもしれません。メロディのとっつきやすさとキャッチー度はSYSTEM OF A DOWN以上だし、このバンドは男女ノーマルボイス、シャウト、早口ラップとタイプの異なるボーカルが入れ替わり立ち替わり登場していて曲に絶妙な起伏と緩急をつけることに成功しています。これほどカオティックかつキャッチーな楽曲群を生み出せるマキシマムザ亮君(Vo、G)は正に鬼才。彼の頭の中はどうなってるんでしょうね。

どの曲も一筋縄ではいかないヒネクレっぷりで聴いていて楽しいのですが、重々しいイントロからヘヴィロック調に畳み掛けてきたかと思うと女声ボーカルによる歌謡曲風の叙情パートを経てクサメタリックに疾走する⑫「シミ」がハイライトですね。アルバム全体を通しても自然と身体が揺れてくるグルーヴィなリフに始まりハチャメチャな展開を見せるタイトル曲①「ぶっ生き返す!!」、流麗なメロディと共に駆け抜けるメタル調の②「絶望ビリー」、キュートなメロディを配した③「糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー」からキーボードに彩られたキャッチーなヘヴィロック⑬「恋のメガラバ」までテンションが下がることなく楽しめました。僕にとって馴染みの薄いジャンルから突如現れた名盤だと思います。歌詞は大半が日本語なのにほとんど聞き取れない上に歌詞カードを見ても意味不明だし、おそらく意図的に英語に聞こえるような歌い方をしているため海外のバンドのような感覚もありますね(内容は過激かつ下品だったりするので英詞のように聞こえるのは個人的に歓迎)。キワモノ的な要素もあるバンドなので聴き手を選ぶ音楽性ではありますが、僕のミュージックライフに欠かせない1枚となっています。

【音源紹介】
絶望ビリー

ZENO「RUNWAY TO THE GODS」(2006)

  • 2016/05/13(金) 00:00:00

RUNWAY TO THE GODS
【No.470】
★★★★(2006)
年間ベスト2006年第10位

未発表曲を集めた「ZENOLOGY II」(2005)から僅か1年弱というZENOらしからぬ短いスパンで発表された3rdフルレンスアルバム。本作の注目ポイントは何と言ってもシンガーの交代劇でしょう。良くも悪くも個性のあるハイトーンでZENOサウンドの一端を担っていたMichael Flexig(Vo)がバンドを離れ、後任にMichael Bormann(Vo/ex-JADED HEART etc)を迎えています。ハスキーな声の持ち主であるBormannはFlexigと対照的なタイプのシンガーで、情感たっぷりに(時にねちっこく)歌い上げるそのスタイルは好き嫌いが分かれそうですね。Zeno Roth(G)はクセのある歌い手が好みなんでしょうか。ファンの間でも賛否両論のフロントマン交代に関して、僕はFlexigの声が苦手だったので個人的には歓迎しています。Flexigがその出来栄えに満足していなかった「ZENOLOGY II」の音源を公開したことが不満で彼がZenoと袂を分かつことになったという話は残念ですが…。ちなみに当初はTommy Heart(Vo/FAIR WARNING)を後任に迎えるという話があったもののFAIR WARNINGが再結成することになったため流れてしまい、後にJADED HEARTの音源を聴いたZenoがBormannに参加を打診したそうです。

そんなボーカルチェンジが影響してか、ZENO特有のエキゾチックな雰囲気や神々しさは大幅に減退、ハードロックバンドならではの骨太さやパッションが増量されていて普遍的なメロディアス・ハードロックに近づいていますね。この変化をZENOらしさが失われたと見ることもできるかもしれませんが、僕にとっては本作がZENOの中で一番好きなアルバムです。何と言ってもオープニングの①Fanfares Of Loveが問答無用のキラーチューン!プレイボタンを押すと同時に切れ込んでくるギター、ZENOにしては意外なほどストレートに駆け抜ける疾走感、そしてBormannの熱唱が一体となって押し寄せてきます。元々Zenoはミドルテンポの②Climb The Skyを1曲目、①を2曲目にするつもりだったそうですが、複数の日本人関係者から「Fanfares Of Loveをオープニングにするべき」と意見があったため変更したのだとか。重厚な②も好きな曲ではあるもののアルバムの幕開けに持ってくるには微妙なので「日本人関係者の方、グッショブ!」ですね(笑)。

①のインパクトが強過ぎるために、それ以降の楽曲は存在感が希薄になっていることは否めませんが、流石のZENOクオリティなので聴き応えは十分。リフから歌い出しにかけてがDEEP PURPLEBurnしているハードロック⑧I Feel - I Liveも面白いですね。クラシック曲をZENO流にアレンジした⑥Sogno Di Angelo(Mascagni Arr. Zeno)、エンディングに向けて圧巻の盛り上がりを見せる⑪ Sunset Birds Flying Home(Celestial Touchdown)という2曲のインストもアルバムにメリハリをつけています。従来のZENOらしさが色濃く出たバラード⑩Do You Feel The TimeはZenoの母親に捧げられた曲だそうで一部Zeno本人が歌っていますがBormannに全編歌って欲しかったというのが本音ですね…。余談ですが本作のアートワークを手掛けているはZENOのオリジナルメンバーでFAIR WARNINGの中心人物でもあるUle Ritgen(B)だそうです。彼が画家として活動しているのは知っていたものの実際に作品を目にしたことはなかったので、その予想以上の出来栄えに驚きました。ZENOの世界観ともマッチしていますね。本作リリース時のインタビューでZenoは作曲したマテリアルを全て出し尽くしたと語っていたので、次のアルバムを聴くのはだいぶ先になるだろうと覚悟はしていましたがもう10年が経ってしまいましたね…。そろそろ新作をお願いしたいところです。

【音源紹介】
Fanfares Of Love

ANTHEM「BURNING OATH」(2012)

  • 2016/03/11(金) 00:00:00

BURNING OATH
【No.464】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

国産メタル界の大御所ANTHEMの再結成後7枚目、通算14作目となるアルバム。本作発表に際してはレコード会社を移籍したり、本間 大嗣(Ds)が体調不良のため⑦Ghost In The Flameを除く全ての曲をサポートドラマー田丸 勇が叩いていたりと色々あったにもかかわらず前作「HERALDIC DEVICE」(2011)から僅か1年弱のスパンで新作を完成させています。上記のような変化がバンドにどんな影響をもたらすか気になっていましたが、結論から言うと本作はANTHEMの新たなる名盤ですね。近作のオープニング曲はキーボードを導入した柔和なイメージがあったのに対して、ヘヴィなリフでガツンとくるシングル曲①Evil Oneからして「今回は一味違う」と感じさせてくれます。

その後もいかにもANTHEMらしい歌謡曲風の歌メロが冴える②Unbroken Sign、1分足らずのインスト③Overtureに導かれてスタートするパワフルな④On And Onまでの畳み掛けは圧巻。怒涛の勢いは⑤Get Awayでペースダウンするものの、この曲も箸休めには勿体ないほどの劇的なメロディを持ったミドルチューンだし、続く⑥Struggle ActionはANTHEM流メロパワと言えそうな1曲でなかなか新鮮ですね。後半に失速するケースの多かったANTHEMですが本作は違います。坂本 英三(Vo)の演歌風の歌い回しと終盤のギターソロがカッコいいブルージーな長編曲⑦、テクニカルに攻めてくるインスト⑧Double Helix、サビもさることながらBメロがツボな⑨Face The Coreの流れは文句のつけようがありません。そして硬派なサウンドの中に爽やかさを織り込んだキャッチーなメタル⑪Dance Aloneで締めくくるラストも秀逸。この曲を筆頭に前作ではインストのみだった清水 昭男(G)のペンによるナンバーが大きな存在感を放っているのもポイントですね。

メロディアスでありながらメタルの攻撃性も忘れないANTHEMらしさ、再結成後の各作品にあった安定感はそのままに「IMMORTAL」(2006)以外のアルバムで感じていた物足りなさを見事に払拭した1枚ですね。ここまで楽曲が充実していると、ウィークポイントであるはずの坂本によるカタカナ英語すら持ち味に思えてくるし、④の「留まる事など死んだも同じ」を始めとしたクサくて熱い歌詞がこれまで以上に響いてきます。「できることはやり尽くした」という理由から本作を最後にANTHEMと坂本 英三は別の道を歩むことになるのですが、本作を聴いていると確かに現体制の到達点がここにあると思えてきますね。それほど充実したアルバムです。バンドは2014年2月に坂本の脱退と森川 之雄(1988年から1992年の解散まで在籍)が再加入したことを発表し、新たなステージへと突入していくこととなります。

【音源紹介】
Evil One

ANTHEM「IMMORTAL」(2006)

  • 2016/01/15(金) 00:00:00

ANTHEM IMMORTAL
【No.458】
★★★★★(2006)
年間ベスト2006年第4位

2005年に歴代メンバーを集結させたデビュー20周年記念ツアーを敢行したジャパニーズメタル界の重鎮ANTHEMの11thアルバム。2001年の再結成後としては4枚目に当たる本作では「大人げなさ」をテーマに掲げ、思いついたアイデアに対して「これはANTHEMらしくないからやらないと考えるのではなく、まず実践してみる」というスタンスで臨んだそうです。ANTHEMについては、その名前を知りつつも「コテコテのメタルには日本語よりも英語の方がマッチする」というイメージがあったため聴くに至らなかった僕ですが前評判の高かったこと、良くも悪くもインパクト抜群なジャケットもあって本作でANTHEMを初体験しました。聴き始めの頃は先入観もあってか日本語歌詞の垢抜けなさが気になったものの、楽曲の良さとフロントマン坂本 英三の漢臭い灼熱ボイスに魅了され、リピートするうちに日本語で歌うメタルの苦手意識もなくなっていきましたね。これは僕のミュージックライフにとって大きな変化で、本作と出会ってからは今まで以上に多くの国産メタルバンドを聴くようになりました。

熱さと勢いに満ちたシングル曲①Immortal Bindを筆頭に、充実した楽曲群が並ぶ本作を表すとすれば「ネオクラシカルとかジャーマンといった形容詞が全く必要ない純度100%のヘヴィメタルがギッシリ詰まったアルバム」でしょうか。そんじょそこらの若手バンドを軽く蹴散らしてしまうほどのエネルギーが充満している②Soul Motor、独特のグルーヴ感とミステリアスなメロディが混ざり合った③Mob Grooveと続く序盤の流れは隙がないですね。中盤以降も清水 昭男(G)のメロディアスなギターが楽しめるインスト⑦Insomnia、シャッフル調の⑧Unknown World、リーダーでメインソングライターでもある柴田 直人(B)のベースが唸る⑨Betrayer、ラストを豪快に締めくくる⑪Road To Nowhereといったメタリックチューンなどカッコいい曲が目白押しです。ただ本作のハイライトはサビもさることながら、それ以上の輝きを放つAメロとBメロが素晴らしい⑤The Beginningとキャッチーなコーラスパートが絶大なインパクトを持つ⑩Echoes In The Darkの2曲ですね。これら2つのキラーチューンがアルバムの完成度をグッと高めています。

「IMMORTAL」でANTHEMファンになってからというもの、再結成前のアルバムを全て聴き、彼等の新譜は常にチェックしていますが本作が一番好きですね。曲順に関してもこれ以外ないと思えるほどにハマっていて、楽曲のテイストとしては僕の好みではないものについてもアルバムとして聴くと「そこにある必然性」が感じられます。ヘヴィメタルの王道をゆく作風でありつつ、曲調に幅を持たせている辺りもニクい。2006年当時は日本のメタルバンドと言えばGALNERYUS、陰陽座といったバンドがお気に入りでしたが、ANTHEMが本作でベテランの底力を見せつけてくれましたね。日本が世界に誇るメタルアルバムのひとつだと思います。

【音源紹介】
The Beginning

STREET TALK「V」(2006)

  • 2015/12/22(火) 00:00:00

V.jpg
【No.457】
★★★★(2006)
年間ベスト2006年第5位

Mr.北欧ボイスGoran Edman(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN etc)を擁するスウェーデン産メロディック・ロックバンドSTREET TALKの4thフルレンスアルバム。タイトルが「V(ファイヴ)」となっているのは国内盤未発のベスト盤「DESTINATION」(2003)を含めると5枚目の作品にあたるからだそうです。Steve Perry(Vo/ex-JOURNEY)が1984年に発表したソロ作品のタイトルをバンド名にしていることから予想がつく通り、メロディックロックの王道をゆくサウンドですがハードな面は控えめで柔和なAORに近い印象を受けます。彼等のことはデビュー作「COLLABORATION」(1997)の時から知っていて好きなタイプのバンドだと思いつつも、本作以上にソフトな作風だったのでそれ以降は聴いていませんでした。今回は前評判が高かったので軽い気持ちでチェックしてみると、これが予想以上の名盤でビックリ。

メインソングライターFredrik Bergh(Key)が生み出す楽曲群が実に素晴らしいんですよね。瑞々しくも優しい雰囲気と爽快感を持ちつつ、北欧ならではの強烈な泣きというよりは仄かな哀愁漂う旋律が胸に沁みます。オープニングには持ってこいの軽快なサウンドが気持ちいい①Responsible、飛翔感のある必殺のサビ(イ ファイクゥ〜♪)がインパクト抜群の③If I Could、爽快度満点のメロハー⑤Family Business、本作の中で最もスピーディーな⑨Sniperといったロックチューンを聴いていると胸が躍るし中でも③が大好きですね。それとは対照的なバラード系ではAOR風のお洒落な雰囲気を持った④At The End Of The Day、心温まる珠玉のメロディとアレンジが素晴らしい⑧Groundhog Dayが秀逸。また本作のボーナストラックが前述のベストアルバム「DESTINATION」にのみ収録されていた⑫Astray、⑬Made For Paradiseの2曲だというのも嬉しいですね(勿論これらもSTREET TALKらしい高品質ナンバー)。

そんな優れた楽曲の数々を歌うGoranの歌唱も絶品。TIME REQUIEM「OPTICAL ILLUSION」(2006)でメタルを歌うには線が細いという弱点を露呈していたGoranもSTREET TALKのようなメロディアス路線の楽曲では、その透き通ったハイトーンの魅力を遺憾なく発揮してくれています。高音だけでなく力を抑えて歌うパートも非常に味わい深いです。また見た目はフツーのオジサマながら各曲に華を添えているSven Larsson(G)のギタープレイもSTREET TALKの大きな武器ですね。彼の見せ場となっているのは⑤の終盤と⑥Just A Little Appetizer冒頭のギターソロでしょうか。珠玉のメロディとその魅力を最大限に活かせる歌唱、充実のギタープレイが詰まった本作はこれまでに聴いたメロディック・ロックアルバムの中でも指折りの傑作です。ところが、これだけの名盤を生み出しておきながらFredrikは本作をリリースした2006年に立ち上げた正統派メタルバンドBLOODBOUNDへ活動の軸を移し、そちらでは2014年までに6枚ものアルバムを発表しているのに対してSTREET TALK名義では本作が最後のアルバムとなっています。BLOODBOUNDも悪くないのですが、僕はやはりSTREET TALKの新作が聴きたいですね。本作のライナーノーツによると2つのバンドを並行活動させていくとFredrikは語っていたそうなので何とか実現してほしいものです…。

【音源紹介】
If I Could

THE RASMUS「HIDE FROM THE SUN」(2005)

  • 2015/11/15(日) 00:00:00

HIDE FROM THE SUN
【No.453】
★★★(2005)
年間ベスト2005年第10位

哀愁のメロディに満ち溢れた5th「DEAD LETTERS」(2004)を聴いて、すっかりファンになったTHE RASMUSの6作目。前作で彼等に魅了された日本のリスナーは僕だけではなかったようで、2004年10月にバンドは初来日も果たしています。そんな出世作に続くアルバムということで期待を胸に聴いてみると、メランコリックな旋律美は健在でありながら演奏は前作よりも若干ヘヴィに、それでいて曲調は耽美性を強めていて更にメロディを聴かせるスタイルになったように思いますね。冒頭の①Shotからして哀愁ダダ漏れ(笑)、続く②Night After Night(Out Of Shadows)で早くも本作のハイライトを迎えます。タイトルから推測するに、この曲は前作でも2曲目に配されていたIn The Shadowsのアンサーソングなのかな、と思ってみたり。聴き始めの段階で印象に残ったのは②くらいだったので当初は「悪くはないけれどTHE RASMUSにしては平均的な楽曲が多い」という感想でしたが、リピートする内に本作のメロディがジワジワと胸に沁み入ってきました。

キャッチーなシングル曲③No Fear、「ファラウェ〜 ファラウェ〜♪」と歌う物悲しいメロディが秀逸な④Lucifer's Angel、サビのコーラスがHAREM SCAREMっぽい⑥Dead Promises(同郷のチェロメタルバンドAPOCALYPTICAが客演)などもさることながら、アルバム後半の充実振りには目を見張るものがありますね。アコースティック調の淡々とした演奏と儚いメロディが絶妙にマッチしたバラード⑧Sail Awayから哀メロを丁寧に紡いでいく⑨Keep Your Heart Brokenへ至る流れは文句のつけようがないし、アルバム本編を幻想的に締めくくる⑪Don't Let Goも筆舌に尽くし難いほどの美しさを誇っています。そんな⑪の余韻に浸っているところに流れてく⑫Triggerもボーナストラックにしておくには惜しい佳曲です。

惜しむらくはそれに続く③の別バージョン⑬No Fear(Chris Vrenna Remix)が蛇足に感じられるという点でしょうか。アルバム曲のミックス違いにはあまり興味が持てないし、本作には複数のバージョンがあり異なる未発表曲が収録されているようなので、それらを1枚にまとめてくれた方が嬉しかったですね…。サウンドの焦点を哀メロ一本に絞ったことによって、バンドの揺らぎないアイデンティティを誇示することに成功している一方でF-F-F-FallingIn My Lifeのようなポップセンス弾けるナンバーがなくなったのは寂しくもあります。いくつかの不満点はあるし、流石に「DEAD LETTERS」と比べると地味な印象は拭えないものの前作がマグレではなかったことを証明するには十分の力作です。なお発売地域によって別々に収録されていたDancer In The Dark、Open My Eyesなどのボーナストラック全てが聴けるUS盤が2006年に発売されているようなので、これから本作を聴く方にはそちらをオススメしたいですね。

【音源紹介】
・Night After Night(Out Of Shadows)

THE RASMUS「DEAD LETTERS」(2004)

  • 2015/11/04(水) 00:00:00

DEAD LETTERS
【No.452】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第2位

フィンランドを代表するメランコリック・ロックバンドTHE RASMUSの5thアルバム。僕はこのバンドのことを全く知らず、たまたまCDショップで本作を試聴したのがTHE RASMUSとの出会いでした。冒頭4曲をワンコーラスずつ聴いた時点で迷わずレジに向かってましたね。いかにも北欧らしい哀愁が作品全体を覆っていて、随所で泣きのメロディを味わえる極上の一品です。Lauri Ylonen(Vo)のやや掠れたハスキーヴォイスと強力な哀愁のメロディから連想するのは、スウェーデン屈指のシンガーソングライターで現在はLAST AUTUMN'S DREAMで活躍するMikael Erlandsson(Vo)がデビューアルバムにして名盤の「THE 1」で繰り広げた世界観。そこにゴシックテイストを注入したら本作になるという感じですね。

粒揃いの楽曲が並ぶ本作の中でも一度聴いたら耳から離れないメロディを持ったシングル曲②In The Shadows、メランコリックな中にも力強さが感じられる④In My Life、メジャー感たっぷりの爽快なサビがBON JOVIを彷彿とさせる⑥Guiltyが群を抜いて素晴らしいですね。それ以外にも切なすぎるメロディラインが胸に沁みる③Still Standing、重々しいイントロから演歌に通じるクサいサビに繋がっていく⑤Time To Burn、バンドの持ち味を存分に発揮したバラード⑦Not Like The Other Girls、快活なロックチューンでありながら仄かな哀愁を纏った⑨Back In The Pictureなど、哀メロを軸にしつつ曲毎に異なる表情を見せてくれる点も高ポイントですね。それに加えて国内盤に収録されたボーナストラック4曲に関しても、前作「INTO」(2001)のリードトラック⑪F-F-F-Fallingを筆頭にオマケのレベルを超越していて聴き応えがあります。

僕にとっては未知のバンドだったTHE RASUMUSですが、このアルバムをリリースした時点で地元フィンランドは勿論ヨーロッパでも確固たる地位を築いていて本作もこれまでに300万枚ものセールス(!)を記録しているそうです。音楽性としてはHR/HMの範疇に含められるか微妙だし、エキサイティングな曲展開や派手なギターソロはないものの、とにかくメロディの充実度が尋常ではありません。本作を聴いて久々に「これぞ北欧」という楽曲を聴かせてくれるバンドに出会えた喜びに打ち震えたのも良い思い出です。このアルバムと出会った2004年は僕がHR/HMを聴くようになって10年目でしたが、年間ベストの2位と3位にランクインした本作とORPHANED LAND「MABOOL THE STORY OF THE THREE SONS OF SEVEN」を聴いて、世界にはまだ自分の知らない素晴らしいバンドがいることを実感しましたね。

【音源紹介】
In The Shadows

HELLOWEEN「MY GOD-GIVEN RIGHT」(2015)

  • 2015/10/31(土) 00:00:00

MY GOD-GIVEN RIGHT
【No.451】
★★★★(2015)
年間ベスト2015年第7位

デビュー30周年を迎えたメロディックパワーメタルの始祖HELLOWEENの15thアルバム。80年代に現代メロパワの金字塔「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」をリリース、その後は迷走した時期があったもののAndi Deris(Vo/ex-PINK CREAM 69)を迎えた「MASTER OF THE RINGS」(1994)で復活。Andiの在籍期間は20年を超え、現在のラインナップになってからは10年間メンバーが固定されるなど、HELLOWEENはここに来て黄金期を迎えたと言いたくなるほどの安定感を誇っています。前作「STRAIGHT OUT OF HELL」(2013)がAndi期HELLOWEENの最高傑作と呼びたくなるほどの内容だったので今回も期待していました。Michael Weikath(G)は本作を「既発の曲が入っていないベストアルバムのようなもの」と表現しているようですが、いかにもHELLOWEENらしいポジティブでキャッチーなメロディに溢れた1枚となっていますね。

所属レーベルNUCLEAR BLASTの社長がいたくお気に入りでオープニングに推薦したという①Heroesこそ佳曲レベルながら、それ以降が実に強力。Weikath節が炸裂する典型的なHELLOWEENソング②Battle's Won、いかにもAndiらしい哀愁のメロディラインが秀逸なタイトル曲③My God-Given Rigthtと中心人物2人がそれぞれの持ち味を発揮しています。またPINK CREAM 69風味も感じさせるAndi曲の④Stay Crazy、コミカルかつ軽快に駆けていく⑤Lost In America、ロシアっぽい(?)リフと無骨でシンプルなサビが耳に残る⑥Russian Ruleと続くアルバム前半を聴いた時点では前作を超える名盤となる予感すらありました。ところが⑦The Swing Of A Fallen World、⑧Like Everybody Elseで失速。アルバム後半の見せ場となっているWeikath曲⑨Creatures In Heaven、サビメロが「GAMBLING WITH THE DEVIL」収録のFinal Fortuneソックリですが僕好みのメロディなので許せてしまう⑩If God Loves Rock 'N' Roll、ここ最近ソングライターとしての存在感が増してきているMarkus Grosskopf(B)作曲の⑪Living On The Edge辺りで盛り返すものの近作と比べると物足りなさが残りますね。

今のHELLOWEENの強みは優れたソングライターが4人もいる点だと思いますが、本作に関してはSascha Gerstner(G)による楽曲が今ひとつでしょうか。また国内盤の限定ボーナストラックを含めると全16曲、収録時間73分という尺の長さもダレを誘っているように思います。HELLOWEENの曲は1曲でも多く聴きたいと思い、限定ボーナスも入った初回盤を買っておきながら言うのも何ですが、もう少し曲数を絞ってくれた方が好印象でしたね。このバンドの場合、楽曲には一定のフォーマットがありメンバーもファンが期待するHELLOWEENらしい曲を提供することに徹していることもあってか、既発曲に似たメロディがチラホラ存在する点も気になります。というわけで注文をつけたくなる部分もありますが総合的に見れば、そんじょそこらの若手には到達できない高みにいることは間違いないし、僕好みのメロパワを量産してくれています。HELLOWEENは今後もこのジャンルのトップに君臨し続けるであろうことを予感させるには十分の充実盤だと思いますね。

【音源紹介】
Battle's Won

LOSTPROPHETS「LIBERATION TRANSMISSION」(2006)

  • 2015/10/13(火) 00:00:00

LIBERATION TRANSMISSION.jpg
【No.448】
★★★★(2006)
年間ベスト2006年第6位

英国はウェールズ出身のロックバンドLOSTPROPHETSが2006年に発表した3rdアルバム。僕のミュージックライフを振り返ってみると2005年〜2006年にかけては、それまで主食としていたメロディアスなHR/HM勢が低迷気味だったこともあり未知のバンドにトライしていた時期でした。その中でSYSTEM OF A DOWN「MEZMERIZE/HYPNOTIZE」(2005)MY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」 (2006)といった名盤に出会うことができたのですが、本作もそんな新規開拓活動がきっかけで購入した1枚です。試聴段階で購入を決心させるほどわかりやすいメロディがテンコ盛りで、一般的にこのバンドはUK産ヘヴィロックにカテゴライズされているようですが本作を聴く限りヘヴィな要素は希薄で僕にしてみればメロディ重視のポップロック作品という印象ですね。

荒々しいシャウトを交えながら疾走するパンキッシュな①Everyday Combatを皮切りにメジャー感に溢れたロックチューンがズラリと並びます。激しさを感じさせるのは①くらいなのでヘヴィな音を期待すると肩透かしをくらうと思うし、実際に初期2作のファンからはソフトになった本作に賛否両論あったようですね。ただしバンドのメロディ作りの上手さは特筆すべきものがあり、アルバムの中でも一際キャッチーな⑥Can't Catch Tomorrow(Good Shoes Won’t Save You This Time)や「ウォオ!ウォオ!ウォオ!ウォオ!」というパートで合唱必至な⑦Everybody's Screaming!!!、哀愁のパワーバラード⑨4:AM Foreverを筆頭に充実した楽曲が並びます(各曲を盛り上げるコーラスワークも効果的)。後半になってもテンションは下がらず全12曲それぞれにフックがあって気に入っているのですが、やたらと長い曲名が多いため覚えにくいのが難点でしょうか。

2006年はFAIR WARNING、HAREM SCAREMといった往年のメロディロックバンドの作品が以前ほどハマらなかったこともあり本作はかなりリピートしていましたね。また非常に聴きやすいアルバムなので、これから洋楽を聴き始める人にも最適の1枚だと思います。これだけの作品をリリースしてくれたバンドなので5th「WEAPONS」(2012)までの全作品を聴いてみました。どのアルバムも悪くはないものの、やはり本作が一番好きですね。そしてその後のLOSTPROPHETSはというとIan Watkins(Vo)が性犯罪容疑で起訴されたことがきっかけで活動休止、2013年に解散の道を辿っています。残されたメンバーはTHURSDAYというハードコア系バンドの元シンガーGeoff Ricklyを迎え、NO DEVOTIONなるバンドを新たに立ち上げているようです。Addition、Stayという2曲を聴く限り「LIBERATION TRANSMISSION」 以上にソフトでデジタル色が強いですね。これらの曲も収録したNO DEVOTIONのデビューアルバム「PERMANENCE」は2015年の9月にリリースされています。

【音源紹介】
Everybody's Screaming!!!

MY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」(2006)

  • 2015/10/04(日) 00:00:00

THE BLACK PARADE
【No.447】
★★★★★(2006)
年間ベスト2006年第1位

アメリカ出身のエモ/スクリーモ系ロックバンド「マイケミ」ことMY CHEMICAL ROMANCEの3rdアルバム。フラリと立ち寄ったCDショップで大々的にプッシュされていたので試聴してみて即購入を決めた1枚です。メジャーデビュー盤の前作「THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE」(2004)もアメリカだけで140万枚以上のセールスを記録、日本デビュー前にサマーソニックへの出演が決定するなど、既に注目度の高いバンドだったようですが僕はノーチェックでした。本作は「死」をテーマにしたコンセプトアルバムで「主人公の癌患者(The Patient)が死の世界を旅し、再び生きることを決心する」というのが大まかなストーリーのようです。メンバーによると今回のアルバムはTHE BEATLES「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」(1967)、QUEEN「A NIGHT AT THE OPERA」(1975)、PINK FLOYD「THE WALL」(1979)といった作品にインスパイアされたとのことで、中でもQUEENからの影響が強く表れているように思いますね。

本作の根底にあるのはパンキッシュなロックサウンドなのですが、それを壮大かつシアトリカルに仕上げることで感動の一大ロック絵巻が完成しています。アコギをバックに徐々に盛り上がっていく①The End.から一際ポップでキャッチーな②Dead!へと続く流れで一気にアルバムの世界観に引き込まれますね。音楽性は異なりますが、この感覚はDREAM THEATERの名盤「METROPOLIS PT 2: SCENES FROM A MEMORY」(1999)に通じるものがあると思います。冒頭2曲の勢いを引き継ぐのはイントロからして秀逸なロックチューン③This Is How I DisappearMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)を彷彿とさせる哀愁が堪らない④Sharpest Lives、そして本作のみならずMY CHEMICAL ROMANCEを代表する超名曲⑤Welcome To The Black Paradeで、序盤5曲の畳み掛けは実に強力です。1枚のアルバムとして各曲のクオリティが高いだけでなく、バラードひとつとってみても穏やかな⑥I Don't Love You、切々と歌い上げる⑧Cancer、スケールが大きく力強い⑫Disenchantedなど表情が豊かなのも好印象。ミュージカルっぽくもあるヒネリの効いた曲展開で魅せてくれる⑨Mama、「I am not afraid to keep on living〜♪」とポジティブに歌うサビがな印象的な事実上のラストトラック⑬My Famous Last Wordsが中盤以降のハイライトですね。

一般的には有名であっても僕にとっては「意外な伏兵」というべきバンドが届けてくれた名盤。スクリーモというジャンルに分類されるバンドのことはよくわかりませんが、本作はドラマティックなアレンジと北欧のバンドを連想させる美メロ、哀メロをフィーチュアしたメロディックロック作品として素直に楽しめました。中心人物のGerard Way(Vo)はそれまでアニメーターの職に就いていたものの9.11のテロを目撃し、自分の生き方に疑問を感じバンド結成を決意、その僅か5年後にこれだけの作品を生み出したという事実には驚くばかりですね。ただ「本作の時点で言いたいことのほぼ全て言い切ってしまった」と後にGerardが吐露しているように、バンドは次作「DANGER DAYS」(2010)を最後に解散しています。現在Gerardはソロ名義で、他のメンバーも新たにバンドを結成するなど音楽活動は継続しているようですね。

【音源紹介】
Welcome To The Black Parade

SYSTEM OF A DOWN「HYPNOTIZE」(2005)

  • 2015/09/28(月) 00:00:00

SOAD HYPNOTIZE
【No.446】
★★★★★(2005)
年間ベスト2005年第2位

変態ヘヴィロックバンドSYSTEM OF A DOWNの5thアルバムにして2部作「MEZMERIZE/HYPNOTIZE」の後編。本作の楽曲も「MEZMERIZE」と同時期に制作されたということもあって、前作に収録されていたとしても違和感のないナンバーが並んでいます。「MEZMERIZE」との違いを挙げるとすれば一段と劇的でメロディアスになったという点でしょうか。そんな印象を決定付けているのがアルバムラストに収録された⑪Lonely Days、⑫Soldier Sideの2曲。前者はSYSTEM OF A DOWN史上最もソフトなバラード、後者は悲哀を通り越して悲痛とさえ表現できそうなメロディを持った壮大なナンバーです。特に⑫はタイトルにもある通り「MEZMERIZE」の1曲目で今回の2部作のオープニングでもあるSoldier Side‐Introと共通のフレーズも登場し、大きな感動をもたらしてくれます。

メロディアスな側面が強調された作風とはいえ怒涛のアグレッションや強烈な歌詞、予測不能な曲展開など前作で僕を魅了してくれたSYSTEM OF A DOWNらしさは今回も健在です。曲名そのままに剥き出しの攻撃性で襲いかかってくる①Attack、激しいイントロからの落差が激しいメロウなサビへ繋がる②Dreaming、ツインボーカルで掛け合いをしつつこのバンドらしからぬクサメロで疾走する③Kill Rock & Rollの流れは実に強力。続くタイトル曲の④Hypnotizeはアルバムを象徴するかのようなドラマティックチューンでじわじわと胸に迫ってきます。SYSTEM OF A DOWNならではの変態ソングもしっかり存在していて「ビデビデビデビデ…」な⑦U-Fig、「バナナ バナナ バナナ テラコッタ バナナ テラコッタ テラコッタ パイ!」という意味不明なフレーズに思わず笑ってしまう、それでいてクセになる⑨Vicinity Of Obscenityや奇怪なリズムとDaron Malakian(Vo、G)による音を外し気味な歌がラリった感を醸し出している⑩She's Like Heroinなどは狂気を感じ、聴いていて身震いしてしまうほど。

楽曲のハチャメチャ度合いに関しては前作に一歩譲りますが、それはあくまでもSYSTEM OF A DOWNにしてはという話であって本作でも様々な要素が絡み合う何でもありのサウンドが展開されています。それでいてかなりメロディアスなので、このバンドの作品の中でもかなり効きやすい部類に入るのではないでしょうか。曲間を短くすることで、まるでアルバム自体がひとつの曲であるかのようにスムーズに進んでいく本作は単体でも十分楽しめますが、是非とも「MEZMERIZE」と一緒に聴いて独特の世界観に浸りたいですね。「MEZMERIZE/HYPNOTIZE」の2部作はどちらも全米1位に輝き、前作からのシングルカット曲B.Y.O.B.がグラミー賞のベスト・ハードロック・パフォーマンス賞を獲得するなど活動は順調かと思われましたが2006年にバンドは長期活動休止に入ることを発表。Serj Tankian(Vo、Key)はソロ、DaronはSCARS ON BROADWAY名義で音楽活動を続けていくこととなります。2011年からはSYSTEM OF A DOWNとしての活動を再開してライブは行っているようなので、本作の先にあるスタジオ盤にも期待したいですね。

【音源紹介】
Soldier Side

SYSTEM OF A DOWN「MEZMERIZE」(2005)

  • 2015/09/25(金) 00:00:00

MEZMERIZE
【No.445】
★★★★★(2005)
年間ベスト2005年第1位

バンド名を冠したデビュー作を1998年にリリースするや100万枚以上のセールスを記録、その後OZZFESTへの出演を果たすなどへヴィロックシーンで注目を集めるロサンゼルス出身の4人組バンドSYSTEM OF A DOWNの4作目。「STEEL THIS ALBUM!」(2002)を3rdアルバムと見なすか、アウトテイク集と見なすか意見が分かれているようですが当ブログでは前者の立場をとっています。メンバー全員がアルメニア系移民ということもあってか社会的、政治的なメッセージが込められた歌詞が多く中心人物のSerj Tankian(Vo、Key)は政治団体を立ち上げるなどしているようです。このバンドに関しては2nd「TOXICITY」(2001)が世間的に評価が高かったので名前だけは知っていましたが、メロディアスなHR/HMを好む僕には合わないというイメージが強く実際に聴くことはありませんでした。旅先(たしかバリ島)でたまたま安く売られているのを見つけ、この金額なら失敗してもいいかなと思ったのが本作を購入したきっかけです。

そんな軽い気持ちで手に取った本作ですが、結果的には2005年に聴いた新譜の中で最も重要なアルバムとなりました。陰鬱なイントロ①Soldier Side‐Introに導かれて始まる②B.Y.O.Bの激しく刻むリフをかき消すような「Why do they always send the poor!(どうして戦場に送られるのはいつも貧しい者たちなんだ!)」の絶叫が炸裂した瞬間からSYSTEM OF A DOWNワールドが全開。ゆったりしたパートから突如爆走するこの曲はアルバム中最もメタリックなナンバーで、一筋縄ではいかない曲構成と先の読めない展開に引き込まれます。それ以降も柔/剛、シリアス/コミカルといった相反する要素が絡み合う唯一無二の楽曲群は中毒性が高く、一度ハマると抜け出せません。中でも「エビバデエビバデ…」と早口でまくしたてる⑦Violent Pornographyが異彩を放っていますね。奇想天外で曲作りのセオリーを無視したかのような独創性を持ちながら、魅力的な楽曲として成立してしまうことができるのがSYSTEM OF A DOWNの凄いところです。大半の曲を手掛けるDaron Malakian(Vo、G)の頭の中がどうなっているんでしょうね…。また曲順についても、これしか考えられないほどハマっていて作品としての完成度も申し分ありません。11曲で35分弱という収録時間の短さもあって気がつけば何度もリピートしています。

ハチャメチャなのに整合性があり、狂気に満ちていていながらもキャッチーな本作を一言で表現するとすれば「常人ではたどり着けない変態ヘヴィロック」という感じでしょうか。情感のこもった声で歌い上げたかと思えば素っ頓狂なシャウトを決めるなど変幻自在のパフォーマンスを見せるSerj、そこにやや調子外れながらも味のあるDaronの歌が絡むボーカルパートもSYSTEM OF A DOWNの大きな特徴ですね。ちなみにこのアルバムは2部作「MEZMERIZE/HYPNOTIZE」の1枚目で、バンドは本作リリースの約半年後に続編の「HYPNOTIZE」を発表しています。本作を聴いてすっかりこのバンドに魅了された僕は次作のみならず、過去作品も購入。「HYPNOTIZE」は本作同様、大のお気に入り盤となった一方1st〜3rdはあまり好きになれませんでしたが…。

【音源紹介】
B.Y.O.B

SPIRITUAL BEGGARS「DEMONS」(2005)

  • 2015/09/19(土) 00:00:00

S BEGGARS DEMONS
【No.444】
★★★★(2005)
年間ベスト2005年第3位

現代HR/HMシーンにおける最重要人物のひとりMichael Amott(G/ARCH ENEMY)ARCH ENEMYで追求しているメロデスとは異なる音楽性でその才能を発揮するSPIRITUAL BEGGARSの6thアルバム。4th「AD ASTRA」(2000)リリース後のフロントマン交代劇には驚きましたが、またもメンバーチェンジがありRoger Nilsson(B/THE QUILL)が脱退、後任にARCH ENEMYファミリーでもあるSharlee D'Angelo(B)を迎えています。前作「ON FIRE」(2002)で確立したオールドスタイルのロックサウンドにMichael Amottの泣きのギターが乗るというスタイルはそのままに、ややマイルドな印象もあった5thに比べるとメタリックな質感が強調されているように感じますね。

序曲の①Inner Strength(Intro)に続いて②Throwing Your Life Away、③Salt In Your Woundsとノリのいい曲が並ぶため前作よりも即効性は高いし、キャッチーかつグルーヴィなリフが絶大なインパクトを誇る④One Man Armyへと至るアルバム序盤の流れは流石です。印象的なリフワークという点でいえば⑪Elusiveも素晴らしいし、このバンドのレパートリーで最も聴きやすい部類に入りそうなドライヴィングチューン⑥Treading Waterも秀逸。そんな楽曲群の充実振りもさることながら前作から加入したJB(Vo)のボーカルパフォーマンスは目を見張るものがありますね。⑤Through The Halls、⑬No One HeardではDavid Coverdale(Vo/WHITESNAKE)を彷彿とさせるディープな歌声を披露、そうかと思えば曲によってはブルータルなボーカルで攻めてくる幅広いスタイルを持つ彼は紛れもなく逸材でしょう。

バンドの中心人物がMichaelであることは間違いないのですが前述のJBは勿論、今やSPIRITUAL BEGGARSに欠かせないオルガンサウンドで楽曲を彩るPer Wiberg(Key)そしてLudwig Witt(Dr)とSharleeのリズム隊など各パートにタレントが揃っているのもこのバンドの強みですね。Michaelは2005年にARCH ENEMY名義でも「DOOMSDAY MACHINE」というアルバムを発表していますが、当時はSPIRITUAL BEGGARSの方が好きでした。また本作の初回限定盤には渋谷AXでのライブ音源8曲が収録されたボーナスCDが付属しています。8曲中2曲がカバーソング、1曲はギターソロであること、そもそも収録時間が30分弱と短いことから食い足りなさを感じますがJBがライブでも優れたシンガーであることが確認できます(MCで話す時の声も渋い!)。残念ながらJBは自身のバンドGRAND MAGUSの活動に専念するため、本作を最後にSPIRITUAL BEGGARSを離れてしまうこととなります…。

【音源紹介】
・One Man Army

TIME REQUIEM「THE INNER CIRCLE OF REALITY」(2004)

  • 2015/07/19(日) 00:00:00

THE INNER CIRCLE OF REALITY
【No.437】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第10位

メンバーの5人中4人は前身のMAJESTICと同じながらバンド名を冠した1stアルバムで一段と濃密、そしてテクニカルなサウンドへと変化したTIME REQUIEMの2作目。前作リリース後には初来日、その模様を収めたライブ盤「UNLEASHED IN JAPAN」(2003)を発売したり、新たにSPACE ODYSSEYを立ち上げたりと活動を更に加速させているRichard Andersson(Key)の創作意欲は留まるところを知らないようで、SPACE ODYSSEYのデビュー作「EMBRACE THE GALAXY」(2003)から僅か半年ほどで届けられたTIME REQUIEMの新作となります。リズム隊がメロデス畑の人選からJonas Reingold(B/ex-MIDNIGHT SUN etc)、Zoltan Csorsz(Ds)というTHE FLOWER KINGS組に替わったことが影響してか、前作ほどガッチガチにタイトな演奏ではなく音の隙間が感じられるサウンドになった印象がありますね。

そんな変化が如実に表れているのが、これまでにないプログレッシブ・ロックのような空気を放ちつつテクニカルに進行していく11分超のタイトル曲②The Inner Circle Of Realityです。3分近くに及ぶソロパートではRichardのキーボードは言うまでもありませんが、Zoltanのドラムも凄いことになっていますね。MAJESTICの2nd「TRINITY OVERTURE」(2000)辺りから顕著になってきたSYNPHONY Xテイストが色濃く出たダークなプログレメタル①Reflections、ネオクラシカルメタルの王道をひた走る④Attar Of Rosesやクラシカルなメロディが乱舞する⑧Hidden Memoriesといった従来路線の楽曲も出色の出来。作品のインパクトとしてはデビュー作に及びませんが今回もネオクラファンにとっては十分楽しめる内容となっています。Richard Anderssonの関連作品を語る上で避けられない他のバンドからのパクリに関しては確かにSYMPHONY XやYNGWIE MALMSTEEN、DREAM TEHATERを連想させる場面はあるものの前作ほど露骨ではないように思います(今回は前作やMAJESTICの曲と似ているパートがチラホラあったりしますが…)。

ただRichardが曲調とは関係なく弾きまくるキーボードの音色はバリエーションに乏しく大半が「ピロピロピロピロ…」という電子系の音なので、どうにも単調なムードになってしまうのはマイナス。泣きの叙情バラード⑥Quest Of A Million Soulsはピアノサウンドなどを使っていれば、更に感動を増幅できたと思うのですが…。SPACE ODYSSEYは幼馴染みでもあるMagnus Nilsson(G)と組んだバンドということもあってギターもそれなりに目立っていましたがRichardの独裁体制下で制作されるTIME REQUIEMではギターをかき消さんばかりにキーボードが楽曲を覆い支配しています。全体的なバランスとしてはどうかと思いますが、ここまで来ると強烈な個性として受け入れるしかありませんね(笑)。いくつかの不満点があるとはいえRichardの生み出す楽曲はやはり僕の琴線に触れまくりなので、かなりリピートしていた作品です。

【音源紹介】
The Inner Circle Of Reality

RICHARD ANDERSSON'S TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」(2002)

  • 2015/06/13(土) 00:00:00

TIME REQUIEM
【No.433】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第10位

Richard Anderson(Key)による圧倒的に速いキーボードテクニックとYNGWIE MALMSTEEN、SYMPHONY Xといったバンドからの絶妙な引用フレーズが僕のツボだったスウェーデン産ネオクラシカル・メタルバンドMAJESTICが、契約上の問題からバンド名をTIME REQUIEMへと変更して放つ第1弾アルバム。メンバーはべーシストに若きテクニシャンDick Lovgren(B/LAST TRIBE、ex-ARMAGEDDON etc)が加入していることを除けばMAJESTICの2nd「TRINITY OVERTURE」(2000)と同じです。本作最大の特徴はこれまでのネオクラシカル路線にプログレメタルの要素を加味し、タイトかつテクニカルに生まれ変わっている点でしょう。各メンバーの演奏力にこれまでよりもスポットが当たる作風となっていて、プログレメタルからエクストリーム系まで幅広いバンドに在籍経験のあるPeter Wildoer(Ds/DARKANE、ex-ARCH ENEMY etc)のドラミングがMAJESTIC以上に活かされていますね。

バンド名を冠した9分の長編①Time Requiemでの並外れた緊張感はMAJESTICにはなかったもので、冒頭からTIME REQUIEMというバンドが目指すヴィジョンを明確に示しています。またMAJESTICの作品でも散見された借用フレーズも健在であるばかりか一層大胆になっていますね。いくつか挙げるとすれば歌いまわしがSYMPHONY Xを連想させる②Watching The Tower Of The Skies、YNGWIEのLiar(「TRILOGY」収録)な歌メロが登場する③Milagros CharmDREAM THEATER風のイントロからネオクラ疾走曲へと展開する⑥Visions Of New Dawnなど、といったところでしょうか。それにもかかわらず各曲が今まで以上にカッコいい仕上がりとなっているので、もうこれはRichardの才能だと認めるしかないですね(苦笑)。そんなRichard流コラージュメタル(?)の極致ともいうべき楽曲が⑦Grand Opus。YNGWIEがライブでFar Beyond The Sunのイントロとして演奏することでも有名な「パガニーニのヴァイオリン協奏曲第4番二短調」にボーカルメロディを乗せた歌い出しに始まり、サビメロはYNGWIEのWield My Sword(「ALCHEMY」収録)、そしてキーボードソロでは超有名クラシック曲「モーツァルトの交響曲40番の第4楽章」を挟むというやりたい放題なこの曲は、その継ぎはぎっぷりが奇跡の相乗効果を生み出している名曲です。

そんなパクリッシュサウンドと双璧をなすRichardの個性である鍵盤捌きについても、聴いているこちらの腕がつってしまいそうなほどの速弾きが炸裂する超絶インスト⑤Brutal Mentorを筆頭にもう笑うしかないほどの凄まじさ。Richardが書く難解なパートをきっちりこなす力量を持ちつつもエゴはないApollo Papathanasio(Vo)、Magnus Nordh(G)の両名と屈強のリズム隊も良い仕事をしています。アルバム2枚で消滅したMAJESTIC、Richardが2003年に立ち上げた別バンドSPACE ODYSSEY、そしてこのTIME REQUIEMの3バンドいずれにおいても同じラインナップでアルバムが制作されたことは一度もありませんでしたが、本作のメンバーでもう一度活動してもらいたいですね。借用フレーズの絶妙なセンス、各メンバーの力量など様々な面でRichardの関連アルバムにおいては本作が一番のお気に入りとなっています。

【音源紹介】
Grand Opus

PRIDE OF LIONS「THE ROARING OF DREAMS」(2007)

  • 2015/05/21(木) 00:00:00

THE ROARING OF DREAMS
【No.431】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第5位

天才メロディメイカーJim Peterik(G、Key、Vo/ex-SURVIVOR)が2003年にToby Hitchcock(Vo)と共に立ち上げたPRIDE OF LIONSが放つ3rdアルバム。1stと2ndの間隔は1年弱だったのに対して本作は約2年半振りのリリースになりますが、その間にもライブCD、DVD「LIVE IN BELGIUM」(2006)、Jimはソロ名義で「ABOVE THE STORM」(2006)を発表していることを踏まえるとかなり順調な活動ペースと言えそうですね。前作「THE DESTINY STONE」(2004)が素晴らしい出来だったので発売日にこのアルバムを購入したものの、当時は「手堅いメロディックロック作品」という印象しかありませんでした。ところが数年経ってから改めて聴き返してみると前作に勝るとも劣らない名盤と思えるくらいにハマっている自分に驚いています。

PRIDE OF LIONSの魅力を凝縮したかのような①Heaven On Earth、インパクトのあるアカペラで幕を開けるハードナンバー②Book Of Life、一転してメロウに聴かせる③Love's Eternal Flame、「スピーク、トゥ、ミー♪」のコーラスが耳に残る爽快なアップテンポ④Language Of The Heartと続く序盤から圧巻の畳み掛けです。王道をいく曲を冒頭に持って来て聴き手のハートを鷲掴みし、更にハードなナンバーを2曲目、対照的なバラード系を3曲目、そして4曲目に再び勢いのあるナンバーを持ってくるという構成は前作と同じ。デビュー作「PRIDE OF LIONS」(2003)も似たような組み立てだったので、この流れはもはやPRIDE OF LIONSの様式美と言えそうですね。それ以降も楽曲のクオリティは衰えるどころか更に充実度を増し、絵に描いたような美旋律バラード⑥Faithful Heart、F1中継が始まりそうなイントロからフック満載のサビへと繋がっていく⑦Defying Gravity、力強くドラマティックなタイトル曲⑧The Roaring Of Dreamsという中盤も実に強力です。しかし本作にはそれを凌ぐハイライトが終盤に用意されています。突き抜けるようなサビメロとその直後に鳴り響くホーンの音色がインパクト抜群な⑪Tall Ships、演歌に通じる曲調の中でギターか泣きまくる長編バラード⑫Turnaround、そしてボーナストラックにしておくには惜しい哀メロチューン⑬I Am My Fatherが本当に素晴らしい。ちなみに⑫にはTobyの妹Tori Hitchcock(Vo)が客演していて、兄と堂々と渡り合っています。

70年代にデビュー、80年代にSURVIVORで一世を風靡したベテランでありながら今もなお衰えないJimのメロディセンスには脱帽ですね。本作はSURVIVORの代表作「VITAL SIGNS」(1984)にインスパイアされて制作したアルバムとのことですが「VITAL SIGNS」にも引けを取らない充実盤だと思います。デビュー当初はTobyという卓越したシンガーを擁していながらJimがそれなりの割合でボーカルを務めることに疑問を感じていましたが、Tobyの歌い方はハイトーンに頼りがちなのでJimも適度に歌うことで丁度いいバランスを保っているように思えてきました。そんな中心メンバー以外の顔ぶれも過去のスタジオ盤、ライブでもほぼ固定されているので、もうプロジェクトではなくバンドと見なしていいのではないでしょうか。

【音源紹介】
Turnaround