KISSIN' DYNAMITE「GENERATION GOODBYE」(2016)

  • 2018/05/31(木) 00:00:00

GENERATION GOODBYE
【No.516】
★★★★(2016)
年間ベスト2016年第10位

2008年に「STEEL OF SWABIA」でデビュー、高校時代からの付き合いだという不動のメンバー5人で2年毎にフルアルバムを発表し順調な活動を続けるKISSIN' DYNAMITEの5作目。僕が初めて彼らの音に触れた2nd「ADDICTED TO METAL」(2010)の頃はバッドボーイズロックにも通じるヤンチャなHR/HMという印象でしたが、前作「MEGALOMANIA」(2014)ではシリアスで落ち着いた雰囲気を放つようになっていました。今回はKISSIN' DYNAMITEが過去作品で見せていた異なる表情を総合的に盛り込んで再構築したような仕上がりになっていますね。オープニングとしては若干弱い気もしますがドッシリと聴かせるスタイルが前作に近い①Generation Goodbye、ハジけたサウンドが理屈抜きでカッコいい②Hashtag Your Life、色気を感じさせるHannes Braun(Vo)の歌声が見事なパワーバラード③If Clocks Were Running Backwardsを聴いた時点で本作も愛聴盤となることを確信しました。

バンドの大きな武器であるメロディセンスは今回も冴え渡っていて曲名がサビになっている⑤She Came She Saw、⑥Highlight Zoneなどはつい口ずさんでしまうし、「カモン カモン カモォン♪」のコーラスが耳から離れない⑧Flying Coloursも中毒性が高いですね。それ以外にも明るく駆け抜ける④Somebody To Hate、ノリのよさがバンド初期を彷彿とさせる⑨Under Friendly Fire、バラードも③を筆頭に女性シンガーJennifer Haben(BEYOND THE BLACK)とデュエットした⑦Masterpiece、本編ラストを壮大に締めてくれる⑪Utopiaなど充実しているし、日本盤ボーナスの⑫All Are Equalも本編と比べて遜色ありません。なお本作はバンドにとって初のセルフプロデュース作品となっていて着実にバンドとしての自力をつけてきていることが窺えます。

そんなKISSIN' DYNAMITEを引っ張っているのがフロントマンでもあるHannes Braun。作品を重ねるに連れてボーカリストとして成長しているし、ドイツのアイドル発掘番組で準優勝した経歴を持つだけあってルックスにも華がありますね。それに加えて本作では作曲の大半に関わり、プロデュースやミキシングも手掛けているので、もはや彼なくしてKISSIN' DYNAMITEは成り立たないと言えるほどの貢献度です。Hannesがソロ活動を始めてバンドが空中分解…という流れにならないことを祈るばかりですね。アルバム全体で見るとデビュー当初にあった「ハジけんばかりの若さとエネルギー」が減退したかわりに、円熟味を増したサウンドが聴き応え抜群。この手のバンドはお気に入りになることはあっても複数のアルバムを聴くうちに、飽きてくることも少なくないのですがKISSIN' DYNAMITEは新作が出ると常にチェックしたくなるバンドなので7月4日リリース予定の6th「ECSTASY」も気になりますね。

【音源紹介】
If Clocks Were Running Backwards

KISSIN' DYNAMITE「MEGALOMANIA」(2014)

  • 2018/05/23(水) 00:00:00

MEGALOMANIA.jpg
【No.515】
★★★★(2014)
年間ベスト2014年ノミネート作品

前作「MONEY, SEX AND POWER」(2012)リリース後にMELODIC METAL CIRCLEというイベントでオーストラリアの新鋭MYSTERY、母国ドイツの先輩AT VANCE、JADED HEARTと共に初来日を果たしたKISSIN’ DYNAMITEの4thアルバム。作品によってメタリックだったり、アリーナロック寄りだったりと色合いが若干異なる彼等ですが、今回はデジタリーな装飾を増したダークなヘヴィロックスタイルに変化、ジャケットもこれまでになくシンプルなものになっています。そんな新しい要素を盛り込みつつ、いかにもドイツらしい実直なヘヴィメタルという軸は一切ブレないので安心して聴けますね。これだけの安定感を誇っていながら、メンバー全員がまだ20代前半だとは信じられません。

これまではメンバーとバンドが所属するドイツの大手Elephant Musicのプロデューサーが中心となって制作していたのに対し、今回は外部からのインプットが多くなっているのが特徴でしょうか。ますば全12曲中5曲でメロディックメタル界屈指のプロデューサーでKAMELOT、RHAPSODY(OF FIRE)などを手掛けてきたSascha Paethがプロデュースしているというのが意外でした。実際、彼が関わった楽曲についてはSaschaらしさを感じさせてくれていて、これまでの作品にはなかったオリエンタルな雰囲気漂うボーナストラック⑪Golden Cageの冒頭部分はKAMELOTっぽく感じられるほど。それに加えて大物ソングライターDesmond Childによる⑤Deadlyが収録されているのも大きいですね。バンドが作曲を依頼したのではなくDesmond側から接触があったそうで、これもKISSIN' DYNAMITEの非凡な才能あってのエピソードと言えそうですね。ちなみにその⑤は2分台とコンパクトな曲ながら絶妙な哀感と突き抜けたメロディがクセになるDesmondらしい1曲となっています。

外部からの助けを借りつつ仕上げられた本作ですが、あくまで根底に流れるのはKISSIN' DYNAMITE流HR/HMです。その味付けとして本作で顕著なデジロック風のアレンジは冒頭の①DNAでいきなり登場していて「テーテケ テーテケ…」という電子音が耳に残るし、⑧Legion Of The Legendaryもその要素が強いナンバーです。その一方で③V.I.P. In Hellのように攻撃的に迫るメタリックチューンやメロパワっぽさも感じさせるSaschaプロデュース曲⑥God In You、⑫In The Eye Of The Shitstorm(後者は日本盤限定ボーナス)も聴かせてくれたり、ポジティブで爽快感のある⑦Running Free、本編を締めくくるアメリカンな⑩Ticket To Paradiseなど佳曲揃い。過去作品よりも派手さが控えめでシリアスな作風のため即効性は低いものの、リピートしているうちに引き込まれてしまう1枚ですね。

【音源紹介】
DNA

KISSIN' DYNAMITE「MONEY, SEX AND POWER」(2012)

  • 2018/05/15(火) 00:00:00

MONEY SEX AND POWER
【No.514】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

Udo Dirkschneider(Vo/U.D.O、ex-ACCEPT)にその実力を認められ、Udoがゲスト参加した2nd「ADDICTED TO METAL」(2010)で日本デビューを果たしたドイツの新星KISSIN' DYNAMITEの3作目。前作はアルバムタイトルにある通り、メタルの要素を前面に出していたのに対して今回はキャッチーさを増したアリーナロック風のサウンドになっていますね。メンバーによると過去2作品では自分探しをしていた状態らしく、本作で「SLEAZEMETAL(下品なメタル)」というスタイルを見つけたとのことです。たしかにタイトル曲の①Money, Sex & Powerからして「金、セックス、そして力をもっとくれ!」という歌詞なので、そのコンセプトを1曲目でいきなり体現していますね。ちなみにこの曲で女性が歌う「ブンガブンガ〜」がやたら印象に残ったので調べてみたところ、イタリアの首相シルビオ・ベルルスコーニが在任時に開催していてスキャンダルになったハーレムパーティー「ブンガブンガ」のことで、それを題材にした1曲のようです。メンバーのルックスやアルバムの世界観から破天荒でチャラいイメージが先行しますが、実際に聴いているとお堅い印象が残るのはドイツのバンドだからでしょうか。

本作の力強さを象徴するかのような①に続く②I Will Be Kingは「ア〜ィルビ、キィン♪」のキャッチーなサビが耳を捉えるロックソングで、アルバム冒頭の掴みとして申し分なし。この②や⑦She's A Killerの「シィザ、キラ、キラ、キラァ♪」、⑧Sleaze Deluxeの「ウィア、ウィア、ウィア〜♪」など、つい口ずさみたくなるメロディが増量されているのが本作の特徴ですね。漢らしいコーラスが曲を盛り上げる④Sex Is War、流麗なメロディが気持ちいい⑤Club 27も気に入っているし、ブルージーなアコースティックソング⑩Six Feet Underのような新しいタイプの曲が聴けるのも好印象。個々の楽曲のインパクトとしては1st「STEEL OF SWABIA」(2008)のタイトル曲や前作のSupersonic Killerに匹敵するキラーチューンこそないものの、アルバムとして見れば佳曲良曲が次から次へと繰り出される充実盤だと思います。

バンドがデビュー作からコンスタントに優れた楽曲群を生み出し続けることができている秘訣としてはメンバーに加えて、プロデューサーでもあるHartmut Krech、Mark Nissenというソングライターの存在が大きいようですね。クレジットを見ても彼等は作曲面に深く関わっているようなので、もはやこの2人も含めてKISSIN' DYNAMITEとみなした方がいいのかもしれません。勿論ツインギターパートやHannes Braun(Vo)のエネルギッシュなボーカルもバンドの大きな武器だし、本作が20歳を迎えて初めての作品となるHannesは従来のハイトーンだけでなく、色気漂う低音域も披露していてシンガーとしての成長が感じられますね。メンバーの若さとは裏腹に安定感抜群のアルバムを届け続けてくれるKISSIN' DYNAMITEの将来に更なる期待を寄せたくなる1枚です。

【音源紹介】
Money, Sex & Power

HALESTORM「THE STRANGE CASE OF...」(2012)

  • 2018/04/21(土) 00:00:00

STRANGE CASE OF
【No.512】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

2009年にバンド名を冠した1st「HALESTORM」でシーンに登場すると本国アメリカで好調なセールスを記録、翌年のLOUD PARK10出演のタイミングで日本デビューも果たしたハードロックバンドHALESTORMの2ndアルバム。デビュー作の時点で新人離れした完成度を誇っていましたが、今回は更に進化していて「化けた」と言っても過言ではないほどのパワーアップを遂げていますね。元々魅力的だったメロディはキャッチーさを増しているしハードに畳み掛ける曲からバラード、ポップチューン、ブルーズ風などバラエティにも富んでいます。そんな中でも突出しているのが前作にはなかったゴリゴリのハードチューン①Love Bites(So Do I)でしょう。バンドはこの曲で第55回グラミー賞の最優秀ハード・ロック/メタル・パフォーマンスを受賞しています。ちなみに2017年に1stアルバム「AWAKENING FROM ABYSS」をリリースした国産ガールズメタルLOVEBITESのバンド名はこの曲から来ているそうです。

そんな①でガツンとかました後も②Mz. Hyde、③I Miss The Misery、④Freak Like Meとパンチの効いたナンバーを立て続けに繰り出したかと思うと⑤Beautiful With Youからは一転してバラード3連発。前作でもバラードを中盤に2曲続けていましたが今回もメジャー感たっぷりの⑤、曲が進むに連れて盛り上がっていく⑥In Your Room、ピアノでしっとり聴かせる⑦Break Inと各曲のキャラが立っていて飽きさせません。後半もリズミカルな曲調にライヴの楽しさを歌った歌詞が乗る⑧Rock Show、「ナ〜ナ、ナナナ」の力強いコーラスで始まる⑨Daughters Of Darkness、ダーティな歌い回しがカッコいい⑩You Call Me A Bitch Like It's A Bad Thing、土臭い古き良きロックサウンド風に始まりシンガロングを誘うコーラスへ繋がる⑪American Boysときてラストを牧歌的なバラード⑫Here's To Usで本編を締めくくる構成もいいですね。

また僕が持っている国内盤にはボーナストラックとしてバンドが2011年に発表した6曲入りカバーEP「ReAniMate: The CoVeRs eP」からSKID ROW、LADY GAGA、TEMPLE OF THE DOG、HEART、THE BEATLESのカバー5曲を聴くことができます(何故かGUNS N'ROSESOut Ta Get Meだけ未収録)。どの曲もHALESTORMらしい仕上がりとなっていますが、やはり⑬Slave To The Grindが秀逸ですね。ボートラも含めると全17曲と収録曲数は多めながらダレることがないのも好印象。そして特筆すべきはLzzy Hale(Vo)の存在感抜群の歌声で、彼女のボーカルパフォーマンスが作品の格を一段も二段も上げていることは間違いありません。②ではジキル博士とハイド氏を意識した曲名にあるような二面性をボーカルで表現しているほか、吐き捨て系の歌い方を披露したかと思えば、メロウな曲では一転して可憐な表情を見せたりと多彩。Lzzyは現代の女性ロックシンガーの中でも屈指の存在ですね。アルバムトータルで見ても僕にとってはNICKELBACK「THE DARK HORSE」(2008)、SHINEDOWN「THE SOUND OF MADNESS」(2008)と肩を並べるアメリカン・ハードロックの名盤です。

【音源紹介】
Love Bites(So Do I)

AMARANTHE「THE NEXUS」(2013)

  • 2018/02/20(火) 00:00:00

THE NEXUS
【No.508】
★★★★(2013)
年間ベスト2013年第8位

2009年に発表したデモ音源「LEAVE EVERYTHING BEHIND」の時点から注目を集め、国内盤リリース直後には来日公演が決定するなど華々しいデビューを飾ったスウェーデンの新星AMARANTHEの2ndアルバム。セルフタイトルのデビュー作は男女混合のトリプルシンガー体制というもの珍しさもさることながら、キャッチーなメロディに溢れた3分台の楽曲をズラリと並べたクオリティの高い1枚でした。ボーカリストが3人いるので2ndでは新しい表現にチャレンジしてくるのか注目していましたが、今回も充実のデビュー盤で展開していた音楽性をそのまま踏襲していますね。本作の特徴としては元々フィーチュア度の高かった女性シンガーElize Rydの登場頻度が更に上がっていること、ダンス/テクノ風のアレンジが強調されていることが挙げられると思います。AMARANTHEサウンドのど真ん中をゆく①Afterlife、②Invincibleの冒頭2曲を聴いた時点で、前作のファンなら思わずガッツポーズが出てしまうのではないでしょうか。

バンドの根幹部分は変わっていないので、どれだけ充実したメロディが聴けるかが肝になってくるわけですが結論から言うと僕は1stより本作の方が好きですね。アルバムジャケット/ブックレットの世界観とリンクする近未来的なMVが制作されたリーダートラック③The Nexusの哀メロは流石だし④Theory Of Everything、⑤StardustもAMARANTHEらしさ全開のキャッチーなメタルソングです。ここまで③以外はアップテンポの曲ばかりなので、やや一本調子かなと思っていたところに男女クリーンボイスのみで歌うバラード⑥Burn With Me、AMARANTHEにしては珍しくネオクラシカル風のギターソロを盛り込んだドッシリ感のあるミドル⑦Mechanical Illusionで変化をつけているのも好印象。またノリのよさが際立つ⑧Razorbladeのサビは思わず口ずさんでしまうほどだし、ダンサブルなメタル曲⑩Electroheart、ジャーマンメタルを彷彿とさせる躁系メロディが耳に残る⑪Transhuman、スケール感のあるサビメロで本編を締めくくる⑫Infinityなどお気に入り曲を挙げるとキリがありません。

デビュー作の時点で既に完成されたサウンドだったので2枚目のジンクスにハマってしまうのではないかと心配していましたが、本作で新世代メタルのホープとしての地位を確立したと思います。ただし筋金入りのメタルファンからの評価は今ひとつのようで、メタルバンドのデータベースサイトとして僕も重宝しているEncyclopaedia Metallum: The Metal Archivesには掲載されてなかったりします(苦笑)。コンパクトな楽曲を矢継ぎ早に繰り出すのがAMARANTHEの特徴だとは思いますが、前作にもあった「インパクトはあるが飽きがくるのも早い」という課題は今回も感じられます。少し長めの曲を収録するだけでも印象が変わってきそうな気もするのですが…。特に⑫の壮大なメロディはもう少し丁寧に聴かせて欲しかったですね。いくつか注文をつけたくなる点があるものの本作が僕にとってAMARANTHEの最高傑作であることは間違いありません。

【音源紹介】
The Nexus

AMARANTHE「AMARANTHE」(2011)

  • 2018/02/04(日) 00:00:00

AMARANTHE.jpg
【No.507】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第10位

男女クリーンボイスにデス声担当を加えたトリプルボーカル体制が話題となったスウェーデンの新星AMARANTHEのデビューアルバム。バンドの創設者はメロパワバンドDRAGONLANDの中心人物Olof Morck(G)で、彼が一時期DREAM EVILにも在籍したことのあるJake E(Vo/DREAMLAND)とプロジェクトを立ち上げたことがAMARANTHE誕生のきっかけのようです。当初は多くのゲストを迎える予定だったそうですが女性ボーカルElize Ryd、グロウル担当のAndyが歌った時に2人のパフォーマンスがバンドには最適と判断し、そこから本格的なバンドへと変化したそうです。シンガーが3人いることに注目が集まりがちですが、メロデス風のスタイルを基本としつつテクノ/トランス風のアレンジも取り入れたSOILWORK meets BLOOD STAIN CHILDと表現できそうなサウンドの中で輝くキャッチーな歌メロがAMARANTHE最大の武器でしょう。

まずは冒頭4曲①Leave Everything Behind、②Hunger、③1.000.000 Lightyears、④Automaticがいずれも即効力抜群で一気にAMARANTHEの世界に引き込まれます。どれも甲乙付け難いですが中でも③はこのバンドの魅力を凝縮した1曲だと思うし、本作唯一のバラード⑥Amaranthineもしっとり聴かせる高品質な仕上がりとなっています。また⑧Call Out My Nameのようなダンスメタルも収録していてB級感が抜け切らないメロパワバンドDRAGONLANDのギタリストOlofが、これほどポップで大衆性を備えたメロディセンスを持っていたとは驚きです。AMARANTHEはOlofとJake Eが作曲の中心となっているようなので2人のケミストリーによって、AMARANTHEサウンドができあがっているのかもしれませんね。

初めて聴いた時から口ずさめそうなキャッチーな楽曲群はどれも3〜4分台のコンパクトなものばかりで聴きやすいし、アルバムとしてもデビュー盤とは思えないほどの完成度を誇っているので普段メタルを聴かないリスナーをも取り込む魅力を秘めているのではないでしょうか。日本での注目度も高く2011年4月にデビューすると7月に初来日、10月にはLOUD PARK 11に出演するなどニューアクトとして申し分のないスタートを切っています。ただし各曲が似通っていることもあってアルバムとしてのメリハリがあまり感じられないのも事実で、中盤以降は何曲目を聴いていたのかわからなくなることもありますね。聴き始めの頃はかなりのお気に入り盤だったのですが、個人的には繰り返し聴いているうちに飽きがくるのも早かったりします。というわけで注文をつけたくなる点がなくはないものの新世代メタルの大型新人として十分のインパクトを持った1枚です。

【音源紹介】
1.000.000 Lightyears

THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA「INTERNAL AFFAIRS」(2012)

  • 2018/01/23(火) 00:00:00

INTERNAL AFFAIRS
【No.506】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

SOILWORKの6th「STABBING THE DRAMA」(2005)に伴うツアー中にBjorn“Speed”Strid(Vo/SOILWORK)と当時はツアーギタリストで後に正式メンバーとなるDavid Andersson(G)が飲みながらロック談義に花を咲かせるうちに酔った勢いで結成に至ったというTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAの1stアルバム。ラインナップにはSharlee D'Angelo(B/ARCH ENEMY、SPIRITUAL BEGGARS)も名を連ねているためメンツ的には北欧エクストリームメタル界注目のニューアクトかと思っていました。ところが、いざ聴いてみると遊び半分で誕生したプロジェクトとは思えないほどハイクオリティな70〜80年代風のクラシックロック作品に仕上がっていてビックリ。「サイドプロジェクトは本業バンドとは異なる音楽をメンバーが気楽にプレイするために結成されるため中身はイマイチ」という僕が漠然と抱いていたイメージを覆してくれましたね。

サウンド的にはエクストリームメタルの要素はゼロだし、曲によっては一般的なHR/HMよりもソフトなものもあるため聴き始めの頃は違和感があったものの、数々のキャッチーなメロディに魅了されるまでそれほど時間はかかりませんでした。特に晴れ渡る青空を連想させる爽やかチューン②California Morning、どこか懐かしくも感じる哀メロが冴え渡る④West Ruth Aveはかなりリピートしましたね。またDEEP PURPLE風のオルガンサウンドを纏って駆け抜ける⑥Miami 5:02、ファンク/ソウルミュージックの雰囲気が面白いタイトル曲⑦Internal Affairs、温かみのあるメロディが心地よくラストにはサックスも登場する産業ロック⑧1998と続くアルバム中盤も気に入っています。

Bjornがシンガーとして新たな一面を披露しているのも見逃せません。音楽性を考えれば当然ながらSOILWORKで見せていたグロウルは封印、全曲をディープかつ男前な声で歌っています。ノーマルボイスだけでも、これだけ歌えるシンガーだったんですね。クラシックロック愛に溢れた本作は聴く人によっては使い古されたベタなサウンドに思えるかもしれませんが、90年代以降のHR/HMを中心に聴いてきた僕にとっては一周まわって新鮮に感じられます。Peter Wichers(G)不在時のSOILWORKの作品はそれほど好きではなかったのでBjornとDavidの2人がここまで僕好みの曲を書いてくれるとは予想外でした。SOILWORKでも本作のようなキャッチーなメロディが聴けると嬉しいのですが、いい意味で遊び心があってお約束のベタな展開も躊躇なく取り入れられるサイドプロジェクトと、オリジナリティを追求する本業バンドの線引きをしているのかもしれませんね。

【音源紹介】
California Morning

【年間ベスト】2017年

  • 2018/01/06(土) 00:00:00

「舞い降りてきた音楽の記録」というブログタイトルに則って、僕が本格的に音楽を聴き始めた1995年以降の年間ベストランキング記事を更新していきます。
選出基準等はこちら
僕が2017年に買ったCDはこちら
ちなみに2017年はこんな年になるのでは?と予想していました。

新譜
ULTIMATE SACRIFICE
1.GALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」
バンド初のコンセプトアルバムとなった10th「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)の続編にあたる11枚目のアルバムは更に濃密さを増したアルバムとなりました。聴き始めのインパクトは前作に譲るものの、繰り返し聴くうちにどんどんハマった2017年を象徴する名盤です。
大好きな1曲:⑨Ultimate Sacrifice

LIFE_20170630234019b47.jpg
2.ADAGIO「LIFE」
僕好みの音楽性でありながらとっつきにくいイメージの強かったADAGIOが約8年振りにリリースした新作は、良い意味で予想を裏切ってくれました。気品に溢れた作風はそのままに、ある程度の即効性も備えた本作はかなりリピートしましたね。
大好きな1曲:⑨Torn

BRINGER OF PAIN
3.BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」
前作「UNHOLY SAVIOR」(2015)リリース後にメインソングライターのAnton Kabanen(G)をバンド側が解雇するという事件が起こり、不安しかなかったBATTLE BEASTの4thアルバム。そんな僕の不安を吹き飛ばすには十分の力作となった今回のアルバムは2017年前半を代表する1枚です。
大好きな1曲:④Beyond The Burning Skies

BERSERKER.jpg
4.BEAST IN BLACK「BERSERKER」
BATTLE BEASTを脱退したAnton Kabanen(G)のニューバンドBEAST IN BLACKはAnton在籍時のBATTLE BEASTが順当に進化させたようなアルバムを完成。結果的に楽しみなバンドが2つに増えるという嬉しい事態になりました。彼等の確執はそうそう消えることはなさそうですが、どちらも応援したいですね。
大好きな1曲:②Blind And Frozen

THE DARK ELEMENT
5.THE DARK ELEMENT「THE DARK ELEMENT」
FRONTIERS RECORDSが新たに生み出したAnette Olzon(Vo/ex-NIGHTWISH)とJani Liimatainen(G/CAIN'S OFFERING、ex-SONATA ARCTICA)によるプロジェクトのデビュー作。Janiは僕にとって注目すべきソングライターであることを再確認しました。彼にはFRONTIERS RECORDSにその才能を酷使されることなく(笑)今後も活躍してもらいたいですね。
大好きな1曲:②My Sweet Mystery

NORTHERN HELL SONG
6.GYZE「NORTHERN HELL SONG」
2017年は国産メロデスバンドの当たり年でしたが、その中でもGYZEがナンバーワンですね。泣きに泣きまくるギターメロディの数々が僕の耳を捕らえて離しませんでした。
大好きな1曲:⑪Northern Hell Song

UNITED.jpg
7.HAREM SCAREM「UNITED」
高品質ではあるものの、ここ最近は飛び抜けたものが感じられないというイメージが定着していたメロディックロック界のベテランHAREM SCAREMが放った起死回生の1枚。新鮮味はない一方で、とにかく印象に残るメロディが増量された本作は2017年を代表するメロハーアルバムです。
大好きな1曲:④Sinking Ship

THE NIGHTS
8.THE NIGHTS「THE NIGHTS」
RECKLESS LOVEのプロデューサー/ソングライターでもあるIlkka Wirtanen(G)が立ち上げた新プロジェクトが僕の予想を超えるメロディックロック作品を届けてくれました。改めて調べてみるとRECKLESS LOVEのお気に入り曲のほとんどにIlkkaが関わっているんですよね。
大好きな1曲:③Juliette

ROUGE NOIR
9.ZEMETH「ROUGE NOIR」
彗星の如く現れた北海道出身の「哀愁歌謡ノスタルジック・メロディックデスメタル・プロジェクト」ZEMETHのデビューアルバム。楽曲はやや画一的ながらも、とにかくクサくて泣けるメロディが堪能できる本作を聴いて改めて現在の日本メタルシーンの層の厚さを感じました。
大好きな1曲:⑨Scarlet Nightmare

2017.jpg
10.ZIGGY「2017」
2007年から無期限の活動休止状態だったZIGGYがまさかの復活!森重 樹一(Vo)以外はサポートメンバーという体制でZIGGYを名乗ることに違和感がないといえば嘘になりますが、ここまでの充実盤を聴かされると何も言えませんね。
大好きな1曲:②「うたた寝の途中」

旧譜
Vキシ
1.レキシ「Vキシ」(2016)
2017年を振り返る上で欠かせないアーティストである「日本の歴史を主題とした楽曲を扱う歴史縛りファンクネスバンド」レキシの5作目。様々なジャンルの音楽を織り交ぜながらキャッチーなメロディに乗せて日本史にまつわる歌詞を歌うというスタイルは中毒性抜群です。
大好きな1曲:⑥SHIKIBU feat. 阿波の踊り子(チャットモンチー)

RICH.jpg
2.ベッド・イン「RICH」(2016)
「弾けないバブルを貴方に…」というキャッチーコピーでデビューした「90年代バブル系地下セクシーアイドルユニット」ベッド・インのデビュー作。70年代生まれの僕にとって懐かしいサウンドと適度なHR/HM感がツボでした。
大好きな1曲:②「♂×♀×ポーカーゲーム」

UNORTHODOX JUKEBOX
3.BRUNO MARS「UNORTHODOX JUKEBOX」(2012)
僕は全く知らないアーティストでしたがシングルが全米1位に輝いたり、グラミー賞を2度受賞したりするなど世間的にはかなり有名で「キング・オブ・メロディ」の異名を持つBruno Mars(Vo)の2nd。珠玉のメロディがぎっしり詰まった本作は10曲で約35分というコンパクトさもあってかなり愛聴していました。
大好きな1曲:②Locked Out Of Heaven

GRACE.jpg
4.森重 樹一「GRACE」(2015)
2017年にZIGGY名義を復活させた森重 樹一(Vo)による現時点での最新ソロアルバム。ここ最近の森重ソロ作品はどれも充実していますが今回も流石の出来栄えです。
大好きな1曲:④「信じる道ならば」

SILENT ASSASSINS
5.MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS「MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS」(2014)
SYMPHONY XのベーシストMike LePondによるソロプロジェクトの1stアルバム。SYMPHONY Xの各メンバーがこれまでにリリースしたソロ作品にさほどハマることはなかったのですが本作は掘り出し物でした。2018年2月には2nd「PAWN AND PROPHECY」が発表されるようですね。
大好きな1曲:⑨Oath Of Honor

【楽曲】
1.Ultimate Sacrifice(GALNERYUS)from「ULTIMATE SACRIFICE」
小野 正利(Vo)加入後の洗練性にYama-B(Vo)在籍時のヒロイックなメロディを加味したGALNERYUSの新たな名曲。冒頭のギターメロディが流れてきた時点で勝負ありです。


2.The World Is Yours(ARCH ENEMY)from「WILL TO POWER」
ギターでキラーフレーズを奏でながら進行していくARCH ENEMYらしさ満載の1曲。アルバムもなかなかの力作でしたがこの曲のインパクトは頭ひとつ抜けていましたね。

3.Torn(ADAGIO)from「LIFE」
ADAGIOに苦手意識のあった僕ですがこの曲を聴いてアルバム購入を決めました。お気に入り曲がいくつも収録されていた「LIFE」の中でもこの曲の哀メロは別格です。

4.KATOKU(レキシ)from「KATOKU」
2017年に最も多く聴いたのはこの曲かもしれません。「せ、しゅう、せぃ♪(世襲制)」という歌い出し、JOURNEYの代表曲Separate WaysへのオマージュでもあるPVもインパクト抜群。この曲の甘く切ないサビメロが堪らなく好きです。

5.Hands Of Time(FIREWIND)from「IMMORTALS」
手堅い正統派メタルバンドというイメージの強かったFIREWINDがメロパワ度を大幅アップ。「IMMORTALS」には元々はFIREWIND名義ではなくプロデューサーを務めるDennis Ward(B/PINK CREAM 69、UNISONIC)とGus G.のプロジェクト用に書かれたマテリアルも収録しているそうなのでこの曲はその典型なのかもしれません。個人的にはこの手のFIREWINDの曲をもっと聴きたいですね。

6.Small Dark Lines(THRESHOLD)from「LEGENDS OF THE SHIRES」
適度な疾走感とTHRESHOLDらしからぬ(?)キャッチーなメロディをフィーチュアしたリードトラック。FIREWINDのHands Of Time同様、バンドの本道とは異なるかもしれませんが大好きな1曲です。

7.Pumpkins United(HELLOWEEN)from「PUMPKINS UNITED」
Kai Hansen(G、Vo)とMichael Kiske(Vo)を加えたラインナップでツアーを行うだけでもビッグサプライズなのに、こんなに早く新曲を届けてくれるとは予想外でした。キーパー時代を彷彿とさせる親しみやすいパワーメタルに乗る「riding the sky」、「eagle」、「we burn」、「wake up the mountain」、「walls in Jericho」などファンならニヤリとしてしまう歌詞もグッド。

8.Heartrage(CYHRA)from「LETTERS TO MYSELF」
CYHRAというバンドにさほど関心のなかった僕にアルバム購入を決意させた1曲。北欧ならではのメランコリックな旋律が僕の琴線に触れまくりです。

9.It Is What It Is(JIM JIDHED)from「PUSH ON THROUGH」
円熟味たっぷりのメロディックロック作品「PUSH ON THROUGH」の本編を締めくくる哀愁のバラード。ベテランならではの渋いボーカルが楽曲の魅力を増幅してくれていますね。

10.Wonderman(THE RASMUS)from「DARK MATTERS」
優しく聴き手を包み込むようなメロディに溢れたアルバムの中でも際立つ哀メロチューン。「メロディに酔いしれる」という表現がしっくりくる1曲です。

【他に印象に残った曲】
Tragic Night Falls(ALPHOENIX)from「FINAL CRUSADES」
Reincarnation(ALPHOENIX)from「FINAL CRUSADES」
Engraved(ANTHEM)from「ENGRAVED」
Dream Of Retribution(ARCH ENEMY)from「WILL TO POWER」
Broken(BAROCK PROJECT)from「DETACHMENT」
Rescue Me(BAROCK PROJECT)from「DETACHMENT」
Touch Of Humanity(DA VINCI)from「AMBITION ROCKS」
Blind Leads The Blind(H.E.A.T)from「INTO THE GREAT UNKNOWN」
Time On Our Side(H.E.A.T)from「INTO THE GREAT UNKNOWN」
Before We Waste Away(NOCTURNAL RITES)from「PHOENIX」
The Sea Is...(SERENITY IN MURDER)from「THE ECLIPSE」

【期待の新人】ZEMETH
自身の音楽性を「哀愁歌謡ノスタルジック・メロディックデスメタル」と表現するセンス、「メロディの洪水」という表現を久々に使いたくなるサウンドに魅了されました。今から2ndアルバムが楽しみです。

【アルバムジャケット】THRESHOLD「LEGENDS OF THE SHIRES」
LEGENDS OF THE SHIRES
コンセプトアルバムの舞台でもあるThe Shire(シャイア)を描いた幻想的な風景が実に美しいですね。2017年はお気に入りのジャケットが多くADAGIO「LIFE」、GALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」、SERENITY IN MURDER「THE ECLIPSE」なども候補でした。

【2017年を振り返って】
2017年はここ数年音沙汰がなく解散してしまったものと思っていたバンドが続々と復活したことが印象的でした。その筆頭は2011年頃からニューアルバムが出るという噂を耳にしていたものの、待てど暮らせど続報が入ってこないため既に自然消滅したとばかり思っていたNOCTURNAL RITES「PHOENIX」と28年振りに奇跡の復活を果たしたDA VINCI「AMBITION ROCKS」ですね。アルバムの出来としては過去作品には及ばないというのが正直な感想ですが、どちらもバンドとしての持ち味はしっかりキープしてくれているので次回作を楽しみにしています。それ以外にもBURN「ICE AGE」、THE RASMUS「DARK MATTERS」、ZIGGY「2017」はDA VINCI同様、復活はないものとばかり思っていたので驚いたし、ADAGIO「LIFE」は久々にこのバンドの名前を聞いたなぁと思っていたら過去作品以上に僕好みの作風に変化していて嬉しかったです。「AMBITION ROCKS」の記事にも書きましたが復活を果たしたバンドが多かった2017年を振り返ってみると過去に名盤を生み出したものの現在は消息不明となっているアーティストの復活があるのではと期待してしまいますね。個人的にはFORTUNE、CLOCKWISEなどで活動していたBenny Soderberg(Vo、Key)、民族音楽を取り入れたSteven Anderson(G)、Emir Hot(G)といったプレイヤーにカムバックしてほしいと思っています。

ベストアルバムの新譜に関してはGALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」が突出していました。今や日本が世界に誇るメロディック・メタルバンドへと登り詰めた彼等に対するハードルはどんどん高くなっていますが、それを毎回越えてくれるのが頼もしいばかりです。「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)で幕を開けた物語は今回の「ULTIMATE SACRIFICE」を含む3部作となるようなのでストーリーが今後どのように展開し、どう締めくくられるのか注目しています。それ以外の9枚についてはほぼ同率なのでバンド名のアルファベット順に並べています。惜しくも選から漏れたのはALPHOENIX「FINAL CRUSADES」、ARCH ENEMY「WILL TO POWER」、BAROCK PROJECT「DETACHMENT」、CYHRA「LETTERS TO MYSELF」辺りですね。ベストチューンに関してはアルバム部門の1位に「ULTIMATE SACRIFICE」を選出しているので、別の楽曲を1位にしようかとも思ったのですが何度聴いてもUltimate Sacrificeが素晴らしかったのでアルバム、楽曲部門でGALNERYUSが2冠という結果になりました。ちなみにベストチューンに関しては原則的にベストアルバムに選出した作品以外の収録曲を対象としていますがUltimate SacrificeとADAGIOTornは2017年に欠かせないので入れています。またBATTLE BEASTからAnton Kabanen(G)が脱退(というか実際は解雇)というショッキングなニュースがあったため、BATTLE BEASTの今後を心配していましたが結果的にはAntonの新バンドBEAST IN BLACKと共に充実したアルバムを届けてくれたのも嬉しかったですね。

旧譜に関してはHR/HM以外で当たりが多かったという印象です。中でもレキシは2ndシングル「KATOKU」でその存在を知って以降、フルアルバムも全てチェックするほどのお気に入りアーティストになったしベッド・イン「RICH」(2016)、BRUNO MARS「UNORTHODOX JUKEBOX」(2012)、MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS「MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS」(2014)など初めて聴いたアーティストの作品がランクインするなど新たな出会いが多い1年でした。また旧譜ではPAIN OF SALVATION「REMEDY LANE RE:VISITED」(2016)もリミックスアルバムではありますがかなり良かったですね。「REMEDY LANE」のオリジナル盤がリリースされた2002年当時はわからなかったこの作品の奥深さにようやく気づけたという感じです。そして2017年は日本のメロディック・デスメタルバンドの活躍が目立った年でもありました。順当な成長振りを見せてくれたGYZE「NORTHERN HELL SONG」、SERENITY IN MURDER「THE ECLIPSE」に加えてMYPROOFの主要メンバーが立ち上げたALPHOENIX、全くノーマークながら圧倒的なクサメロ作品でデビューしたZEMETH「ROUGE NOIR」などこれからが楽しみなニューカマーが登場したことも見逃せません。期待の新人部門ではALPHOENIXのほかCHYRA、THE NIGHTSも候補になりましたが純然たる新人という意味でいくとZEMETH一択でしたね。こうして2017年によく聴いた新譜、旧譜を振り返ってみるとメロディックメタルからプログレメタル、ロックンロール、メロディックロック、エクストリーム/メロデス系、非HR/HMなどいろんなジャンルが含まれているので昨年と同じく豊作の1年でした。

年間ベストについて

  • 2018/01/05(金) 00:00:00

「これまでに聴いた音楽の記録(データベース)」というコンセプトに則って、このブログでは僕が本格的に音楽を聴くようになった1995年以降の年間ベスト記事を書いています。
この記事では年間ベストの各部門についての説明と、それぞれの年のベストアルバムを紹介しています(当記事は2008年12月25日にアップしたものに追加情報を加えたものです)。

年間ベスト記事の各部門はこちら
【アルバム】
その年に発売された新作のベスト10選(1995年、1996年は5選)と、その年以前に発売された旧作のベストアルバムを選出しています(記憶が曖昧なため旧譜作品は選出していない年も多いです)。またそれぞれのアルバムから大好きな1曲をチョイス。

【楽曲】
上の新作ベスト10アルバムの収録曲以外からベスト10形式で選出し、そのうち1曲の音源を紹介します(2012年以降はベストアルバムに選出した作品の収録曲も対象としていることもあります)。

【他に印象に残った曲】
ベスト10入りはならなかったけれど、大好きな曲を紹介。

【期待の新人】
その年にデビュー(日本デビュー、メジャーデビューを含む)した期待の新バンドを選出。
過去のブライテストホープはこちら。バンド名をクリックするとCD紹介記事を見ることができます。

2017年 ZEMETH
2016年 THE UNCROWNED
2015年 SCRAMBLED SOUL CIRCUS
2014年 MAHATMA
2013年 ART OF GRADATION
2012年 BATTLE BEAST
2011年 AMARANTHE
2010年 KISSIN' DYNAMITE
2009年 DRAGON GUARDIAN
2008年 CRAZY LIXX
2007年 CIRCUS MAXIMUS
2006年 WIG WAM
2005年 USER of a common name
2004年 HIBRIA
2003年 GALNERYUS
2002年 DREAM EVIL
2001年 LOST HORIZON
2000年 SONATA ARCTICA
1999年 MAJESTIC
1998年 EDGUY
1997年 RHAPSODY
1996年 TERRA NOVA
1995年 MIKAEL ERLANDSSON

【アルバムジャケット】
お気に入りのジャケットを選びます。基本的に新譜作品からと考えてますが、旧譜作品でも好きなものがあればそちらから。
アルバムジャケットについてはこちらの記事もどうぞ。
【FC2トラックバックテーマ】第750回「お気に入りのCDジャケット!」

【1年を振り返って】
僕のミュージックライフはこんな感じでしたという総括。
その年のミュージックシーンがどうだったというマクロな視点ではなく、僕個人のミクロな視点で振り返ります。

1995年以降の年間ベストアルバムは以下の通りです。
それぞれの年をクリックすると該当年の年間ベスト記事へ、作品名をクリックするとCD紹介記事へとリンクしています。どれくらいの方に興味を持っていただけるのかは謎ですが、僕がこれまでどんな音楽を聴いて現在に至ったのかをまとめるとこんな感じになるかと思います。

ここ数年音沙汰のなかったバンドの復活が相次いだ2017年
【新作アルバム10選】
1.GALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」
2.ADAGIO「LIFE」
3.BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」
4.BEAST IN BLACK「BERSERKER」
5.THE DARK ELEMENT「THE DARK ELEMENT」
6.GYZE「NORTHERN HELL SONG」
7.HAREM SCAREM「UNITED」
8.THE NIGHTS「THE NIGHTS」
9.ZEMETH「ROUGE NOIR」
10.ZIGGY「2017」

【旧作アルバム5選】
1.レキシ「Vキシ」(2016)
2.ベッド・イン「RICH」(2016)
3.BRUNO MARS「UNORTHODOX JUKEBOX」(2012)
4.森重 樹一「GRACE」(2015)
5.MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS「MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS」(2014)

日本の歌姫たちの活躍が印象的だった2016年
【新作アルバム10選】
1.浜田 麻里「MISSION」
2.THE DEFIANTS「THE DEFIANTS」
3.MYRATH「LEGACY」
4.陰陽座「迦陵頻伽」
5.FUKI COMMUNE「WELCOME!」
6.OCTAVIAGRACE「OUTWARD RESONANCE」
7.TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」
8.GACHARIC SPIN「確実変動 –KAKUHEN-」
9.MARY'S BLOOD「FATE」
10.KISSIN' DYNAMITE「GENERATION GOODBYE」

【旧作アルバム5選】
1.森重 樹一「obsession」(2014)
2.浜田 麻里「LEGENDA」(2012)
3.HEVISAURUS「JURAHEVIN KUNINKAAT」(2009)
4.ECLIPSE「ARMAGEDDONIZE」(2015)
5.RUSSKAJA「ENERGIA!」(2013)

海外のメロディックメタル勢と国産バンドをよく聴いていた2015年
【新作アルバム10選】
1.SCRAMBLED SOUL CIRCUS「SCRAMBLED COLORS」
2.GALNERYUS「UNDER THE FORCE OF COURAGE」
3.CAIN'S OFFERING「STORMCROW」
4.GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」
5.STRATOVARIUS「ETERNAL」
6.RUSSKAJA「PEACE, LOVE & RUSSIAN ROLL」
7.HELLOWEEN「MY GOD-GIVEN RIGHT」
8.REVOLUTION SAINTS「REVOLUTION SAINTS」
9.MARY'S BLOOD「BLOODY PALACE」
10.BATTLE BEAST「UNHOLY SAVIOR」

【旧作アルバム5選】
1.森重 樹一「ELEVEN ARK」(2013)
2.CIVIL WAR「THE KILLER ANGELS」(2013)
3.POWERWOLF「BLOOD OF THE SAINTS」(2011)
4.PRIMAL FEAR「DELIVERING THE BLACK」(2014)
5.DEVIL'S HEAVEN「HEAVEN ON EARTH」(2014)

HR/HM歴20年目を迎えた2014年
【新作アルバム10選】
1.ARCH ENEMY「WAR ETERNAL」
2.CYNTIA「LIMIT BREAK」
3.DYNAZTY「RENATUS」
4.GACHARIC SPIN「WINNER」
5.KISSIN' DYNAMITE「MEGALOMANIA」
6.LIGHT BRINGER「MONUMENT」
7.MAHATMA「RE:GENERATION」
8.MARY'S BLOOD「COUNTDOWN TO EVOLUTION」
9.STEEL PANTHER「ALL YOU CAN EAT」
10.WITHIN TEMPTATION「HYDRA」

【旧作アルバム5選】
1.TEARS OF TRAGEDY「CONTINUATION OF THE DREAM」(2013)
2.TAKUI「SWANKY GOD POP」(2002)
3.TALISMAN「7」(2006)
4.POWERWOLF「PREACHERS OF THE NIGHT」(2013)
5.AVIARY「AVIARY」(1979)

ベテラン/若手、海外/国内バンドがバランスよく活躍してくれた2013年
【新作アルバム10選】
1.LIGHT BRINGER「SCENES OF INFINITY」
2.HELLOWEEN「STRAIGHT OUT OF HELL」
3.STRATOVARIUS「NEMESIS」
4.ART OF GRADATION「CONCENTRATION」
5.MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」
6.GYZE「FASCINATING VIOLENCE」
7.GLORYHAMMER「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」
8.AMARANTHE「THE NEXUS」
9.BATTLE BEAST「BATTLE BEAST」
10.ROYAL HUNT「A LIFE TO DIE FOR」

【旧作アルバム5選】
1.DOLL$BOXX「DOLLS APARTMENT」(2012)
2.CRYING MACHINE「THE TIME HAS COME」(2012)
3.CYNTIA「ENDLESS WORLD」(2012)
4.ALHAMBRA「明日への約束」(2005)
5.CROSS VEIN「BIRTH OF ROMANCE」(2012)

嬢メタルの隆盛を肌で感じた2012年
【新作アルバム10選】
1.ALHAMBRA「SIEGFREID」
2.ANTHEM「BURNING OATH」
3.BATTLE BEAST「STEEL」
4.GALNERYUS「ANGEL OF SALVATION」
5.HALESTORM「THE STRANGE CASE OF...」
6.KAMELOT「SILVERTHORN」
7.KISSIN' DYNAMITE「MONEY, SEX AND POWER」
8.LIGHT BRINGER「GENESIS」
9.LIV MOON「THE END OF THE BEGINNING」
10.THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA「INTERNAL AFFAIRS」

【旧作アルバム5選】
1.LINDA BENGTZING「INGENTING ATT FORLORA」(2006)
2.LIONVILLE「LIONVILLE」(2011)
3.NIVA「GOLD FROM THE FUTURE」(2011)
4.DAG FINN「THE WONDERFUL WORLD OF DAG FINN」(1991)
5.DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組魔戦記」(2011)

日本勢がベストアルバム部門のTOP3を独占した2011年
【新作アルバム10選】
1.陰陽座「鬼子母神」
2.GALNERYUS「PHOENIX RISING」
3.LIV MOON「GOLDEN MOON」
4.ROYAL HUNT「SHOW ME HOW TO LIVE」
5.PRIVATE LINE「DEAD DECADE」
6.WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」
7.STEEL PANTHER「BALLS OUT」
8.SHAKRA「BACK ON TRACK」
9.TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA:AROUND THE WORLD IN TWENTY DAYS-LIVE-」
10.AMARANTHE「AMARANTHE」

【旧作アルバム5選】
1.STRATOVARIUS「POLARIS + POLARIS LIVE」(2010)
2.RECKLESS LOVE「RECKLESS LOVE」(2010)
3.KISSIN' DYNAMITE「STEEL OF SWABIA」(2008)
4.NELSON「LIGHTNING STRIKES TWICE」(2010)
5.STRATOSPHERE「FIRE FLIGHT」(2010)

欧州メロディックメタルのビッグネーム/中堅勢の新作リリースが相次いだ2010年
【新作アルバム10選】
1.TREAT「COUP DE GRACE」
2.GALNERYUS「RESURRECTION」
3.NEGATIVE「NEON」
4.KISSIN' DYNAMITE「ADDICTED TO METAL」
5.HELLOWEEN「7 SINNERS」
6.LAST AUTUMN'S DREAM「YES」
7.RAGE「STRINGS TO A WEB」
8.SOILWORK「THE PANIC BROADCAST」
9.TOBIAS SAMMET'S AVATNASIA「THE WICKED SYMPHONY」
10.TOBIAS SAMMET'S AVATNASIA「ANGEL OF BABYLON」

【旧作アルバム5選】
1.GOTTHARD「MADE IN SWITZERLAND -LIVE IN ZURICH」(2006)
2.MASQUERADE「MASQUERADE」(1992)
3.HOUSE OF LORDS「CARTESIAN DREAMS」(2009)
4.IT BITES「THE TALL SHIPS」(2008)
5.OUTRAGE「THE FINAL DAY」(1991)

【番外編】2000年~2009年の10年を振り返った00年代ベストはこちら

キャリアが長いバンドの原点回帰作が印象的だった2009年
【新作アルバム10選】
1.MEGADETH「ENDGAME」
2.DREAM THEATER「BLACK CLOUDS & SILVER LININGS」
3.DRAGON GUARDIAN「DRAGONVARIUS」
4.STEEL PANTHER「FEEL THE STEEL」
5.PRAYING MANTIS「SANCTUARY」
6.BAD HABIT「ABOVE AND BEYOND」
7.DANGER DANGER「REVOLVE」
8.OUTRAGE「OUTRAGE」
9.陰陽座「金剛九尾」
10.TRICK OR TREAT「TIN SOLDIERS」

【旧作アルバム5選】
1.NICKELBACK「DARK HORSE」(2008)
2.SHINEDOWN「THE SOUND OF MADNESS」(2008)
3.GOTTHARD「LIPSERVICE」(2005)
4.ECLIPSE「ARE YOU READY TO ROCK」(2008)
5.ANKOR「AL FIN DESCANSAR」(2007)

ブログを開設してミュージックライフが更に充実した2008年
【新作アルバム10選】
1.ROYAL HUNT「COLLISION COURSE : PARADOX Ⅱ」
2.DUST'N'BONEZ「COCKSUCKER BLUES」
3.CRAZY LIXX「LOUD MINORITY」
4.JOURNEY「REVELATION」
5.陰陽座「魑魅魍魎」
6.TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE SCARECROW」
7.EMIR HOT「SEVDAH METAL」
8.STORMWARRIOR「HEADING NORTHE」
9.LAST AUTUMN'S DREAM「DREAM CATCHER」
10.SEVENTH WONDER「MERCY FALLS」

【旧作アルバム5選】
1.AXXIS「DOOM OF DESTINTY」(2007)
2.CRYSTAL VIPER「THE CURSE OF CRYSTAL VIPER」(2007)
3.ALHAMBRA「FADISTA」(2007)
4.ARI KOIVUNEN「FUEL FOR THE FIRE」(2007)
5.WINTERHAWK「REVIVAL」(1982)

バラエティ豊かなバンド群が僕好みの作品を届けてくれた2007年
【新作アルバム10選】
1.DOUBLE DEALER「DESERT OF LOST SOULS」
2.マキシマム ザ ホルモン「ぶっ生き返す」
3.ARCH ENEMY「RISE OF THE TYRANT」
4.NOCTURNAL RITES「THE 8TH SIN」
5.PRIDE OF LIONS「THE ROARING OF DREAMS」
6.HELLOWEEN「GAMBLING WITH THE DEVIL」
7.SYMPHONY X「PARADISE LOST」
8.MEAT LOAF「THE BAT OUT OF HELL Ⅲ‐ THE MONSTER IS LOOSE」
9.MIKA「LIFE IN CARTOON MOTION」
10.BLOOD STAIN CHILD「MOZAIQ」

【旧作アルバム5選】
1.TRYBECCA「つばめの巣のスープ」(1997)
2.JANNE DA ARC「D・N・A」(2000)
3.SHA-BOOM「THE RACE IS ON」(2005)
4.SEVENTH WONDER「WAITING IN THE WINGS」(2006)
5.THUNDERSTONE「THE BURNING」(2004)

メロディックロック系の良作とフィンランド勢の活躍が印象的だった2006年
【新作アルバム10選】
1.MY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」
2.GALNERYUS「BEYOND THE END OF DESPAIR…」
3.DUST'N'BONEZ「ROCK'N'ROLL CIRCUS」
4.ANTHEM「IMMORTAL」
5.STREET TALK「V」
6.LOSTPROPHETS「LIBERATION TRANSMISSION」
7.LAST AUTUMN'S DREAM「SATURN SKYLINE」
8.WIG WAM「HARD TO BE A ROCK'N'ROLLER IN TOKYO」
9.AGNES「WHEN THE NIGHT FALLS」
10.ZENO「RUNWAY TO THE GODS」

メロディックメタルから少し距離を置き、バッドボーイズロックをよく聴いていた2005年
【新作アルバム10選】
1.SYSTEM OF A DOWN「MEZMERIZE」
2.SYSTEM OF A DOWN「HYPNOTIZE」
3.SPIRITUAL BEGGARS「DEMONS」
4.NOCTURNAL RITES「GRAND ILLUSION」
5.SENTENCED「FUNERAL ALBUM」
6.HARDCORE SUPERSTAR「HARDCORE SUPERSTAR」
7.陰陽座「臥龍點睛」
8.DOUBLE DEALER「FATE & DESTINY」
9.ALLEN-LANDE「THE BATTLE」
10.THE RASMUS「HIDE FROM THE SUN」

世界にはまだ僕の知らない素晴らしいバンドがいるんだと実感した2004年
【新作アルバム10選】
1.EDGUY「HELLFIRE CLUB」
2.THE RASMUS「DEAD LETTERS」
3.ORPHANED LAND「MABOOL THE STORY OF THE THREE SONS OF SEVEN」
4.SIXRIDE「SIXRIDE」
5.RAGE「FROM THE CRADLE TO THE STAGE」
6.DREAM EVIL「THE BOOK OF HEAVY METAL」
7.PRIDE OF LIONS「THE DESTINY STONE」
8.HIBRIA「DEFYING THE RULES」
9.SILENT FORCE「WORLDS APART」
10.TIME REQUIEM「THE INNER CIRCLE OF REALITY」

日本のバンドが好盤を連発してくれた2003年
【新作アルバム10選】
1.DREAM THEATER「TRAIN OF THOUGHT」
2.SIXRIDE「TICKET TO RIDE」
3.陰陽座「鳳翼麟瞳」
4.GALNERYUS「THE FALG OF THE PUNISHMENT」
5.CHILDREN OF BODOM「HATE CREW DEATHROLL」
6.SOILWORK「FIGURE NUMBER FIVE」
7.ZIGGY「ROCK'N'ROLL FREEDOM!」
8.KAMELOT「EPICA」
9.LAST TRIBE「THE UNCROWNED」
10.PRIDE「SIGNS OF PURITY」

飛び抜けた作品は少なかったけれど良作の多かった2002年
【新作アルバム10選】
1.ZIGGY「HEAVEN AND HELL」
2.DREAM EVIL「DRAGONSLAYER」
3.NOCTURNAL RITES「SHADOWLAND」
4.SENTENCED「COLD WHITE LIGHT」
5.PAUL GILBERT「BURNING ORGAN」
6.LAST TRIBE「WITCH DANCE」
7.SOILWORK「NATURAL BORN CHAOS」
8.RAGE「UNITY」
9.陰陽座「煌神羅刹」
10.RICHARD ANDERSSON’S TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」

お気に入りトップ10アルバムがメタル系で占められた2001年
【新作アルバム10選】
1.ROYAL HUNT「THE MISSION」
2.TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「METAL OPERA PART 1」
3.SABER TIGER「SABER TIGER」
4.LOST HORIZON「AWAKENING THE WORLD」
5.LAST TRIBE「THE RITUAL」
6.ARCH ENEMY「WAGES OF SIN」
7.EDGUY「MANDRAKE」
8.ANGRA「REBIRTH」
9.SILENT FORCE「INFATUATOR」
10.DARK MOOR「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」

HR/HMを聴きながら就職活動に勤しみつつCDを買い漁った2000年
【新作アルバム10選】
1.DOUBLE DEALER「DOUBLE DEALER」
2.SPIRITUAL BEGGERS「AD ASTRA」
3.STRATOVARIUS「INFINITE」
4.SONATA ARCTICA「ECLIPTICA」
5.AT VANCE「HEART OF STEEL」
6.MILLENIUM「HOURGLASS」
7.FAIR WARNING「4」
8.VOLCANO「VIOLENT」
9.BBMAK「SOONER OR LATER (U.S.A VERSION)」
10.EDGUY「THE SAVAGE POETRY」

インターネットを使い始め、音楽情報の入手ルートが大きく拡大した1999年
【新作アルバム10選】
1.DREAM THEATER「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」
2.ARCH ENEMY「BURNING BRIDGES」
3.CHILDREN OF BODOM「TOKYO WARHEARTS LIVE IN JAPAN 1999」
4.GOTTHARD「OPEN」
5.NOCTURNAL RITES「THE SACRED TALISMAN」
6.EDGUY「THEATER OF SALVATION」

7.TERRA NOVA「MAKE MY DAY」
8.KIM KYUNG HO「FOR 2000 AD」
9.ROYAL HUNT「FEAR」
10.MAJESTIC「ABSTRACT SYMPHONY」

BURRN!の藤木さんのお薦め作品をチェックしまくっていた1998年
【新作アルバム10選】
1.ROYAL HUNT「CLOSING THE CHAPTER」
2.BAD HABIT「ADULT ORIENTATION」
3.EDGUY「VAIN GLORY OPERA」
4.PINK CREAM 69「ELECTRIFIED」
5.ERIC CARMEN「WINTER DREAMS」
6.KIM KYUNG HO「00:00:1998」
7.FIORE「TODAY TILL TOMORROW」
8.PRAYING MANTIS「FOREVER IN TIME」
9.ARCH ENEMY「STIGMATA」
10.ANDRE ANDERSEN「CHANGING SKIN」

メロディックメタル勢の傑作ラッシュが印象的だった1997年
【新作アルバム10選】
1.ROYAL HUNT「PARADOX」
2.GOTTHARD「D FROSTED」
3.FAIR WARNING「GO!」
4.YNGWIE MALMSTEEN「FACING THE ANIMAL」
5.STRATOVARIUS「VISIONS」
6.VITALIJ KUPRIJ「HIGH DEFINITION」
7.RHAPSODY「LEGENDARY TALES」
8.VALENTINE「4-UNITED」
9.TERRA NOVA「BREAK AWAY」
10.CLOCKWISE「NOSTALGIA」

アメリカ、英国のバンドやインスト作品にも興味が出てきた1996年
【新作アルバム5選】
1.ROYAL HUNT「1996」
2.TEN「TEN」
3.TERRA NOVA「LIVIN' IT UP」
4.FIREHOUSE「GOOD ACOUSTICS」
5.HELLOWEEN「TIME OF THE OATH」

【旧作アルバム5選】
1.HAREM SCAREM「MOOD SWINGS」(1993)
2.DREAM THEATER「IMAGES & WORDS」(1992)
3.PRAYING MANTIS「CRY FOR THE NEW WORLD」(1993)
4.STEVEN ANDERSON「GYPSY POWER」(1994)
5.HEAVENS GATE「LIVIN' IN HYSTERIA」(1991)

YNGIWE MALMSTEEN「ECLIPSE」から全てが始まった1995年
【新作アルバム5選】
1.MIKAEL ERLANDSSON「THE 1」
2.ROYAL HUNT「MOVING TARGET」
3.VALENTINE「VALENTINE」
4.CLIF MAGNESS「SOLO」
5.JOEY TEMPEST「A PLACE TO CALL HOME」

【旧作アルバム5選】
1.HELLOWEEN「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 2」(1988)
2.ROBBY VALENTINE「THE MAGIC INFINITY」(1994)
3.YNGWIE J. MALMSTEE'S RISING FORCE「ODYSSEY」(1988)
4.YNGWIE J. MALMSTEE'S RISING FORCE「RISING FORCE」(1984)
5.FAIR WARNING「FAIR WARNING」(1992)

LIV MOON「THE END OF THE BEGINNING」(2012)

  • 2017/11/27(月) 00:00:00

THE END OF THE BEGINNING
【No.504】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

2009年にデビューして以降、精力的な活動を続けるLIV MOONが前作「SYMPHONIC MOON」(2012)と同年にリリースした4作目。2nd「GOLDEN MOON」(2011)から本作発表まで僅か18ヶ月しか経っていないというワーカホリック振りです。そんな驚異的な活動ペースを支えているのは外部ソングライターの存在でしょう。正式メンバーである西脇 辰弥(Key)による楽曲は全14曲中3曲に止まり、丘 ナオキや前作で名曲Kiss me Kill meを手掛けていたKAZSINといったLIV MOON作品ではお馴染みのライターに加え今回はKee Marcello(G/ex-EUROPE)、Kiko Loureiro(G/ANGRA)、Magnus Rosen(B/ex-HAMMERFALL)といった海外HR/HM界でも名の通ったプレイヤーが作曲と演奏面で参加しています。

本作は北欧神話をモチーフにしたコンセプトアルバムで、テーマ選びにはヨーテボリ(イエテボリ)出身でもあるAkane Liv(Vo)のルーツが北欧にあることも関係しているようです(ちなみに彼女とMagnus Rosenは幼馴染なのだとか)。過去作品に比べると2ndのBLACK RUBY、3rdのKiss me Kill meに匹敵するほどのキラーチューンこそないものの、実験的なモダンサウンドを取り入れた楽曲が姿を消したこともあってアルバムの統一感は過去最高です。また、これまで以上にオーケストラサウンドが本格的になっていて、よりスケールの大きな作品となっています。小〜中学生の頃にファイナルファンタジーに夢中になっていたこともあって「ラグナロク」、「オーディン」など北欧神話関連の単語に馴染みはある一方で神話そのものに関する知識はない僕の場合、コンセプトに浸ることはできませんが純粋な音楽作品として愛聴しています。LIV MOONの最高傑作と呼べる仕上がりだと思いますね。

その名の通りの序曲①Prologueを受けて展開していく②Free your Soul、③Fountain of my Pleasureは全てKAZSINによるナンバーで改めてLIV MOONとの相性の良さを感じますね。また「ミ、サーマ、イー♪」というキャッチーなサビが耳から離れない丘 ナオキ作の⑧Midsummer Eveも気に入ってます。西脇作品で輝きを放っているのはAkane嬢が様々な声色を駆使して巨人や小人などのキャラクターを演じるタイトル曲⑥The End of the Beginningですね。この辺りは彼女の元宝塚女優としての経験が活かされているのでしょう。個人的なハイライトは郷愁を誘うメロディが堪らない⑫Immortals(Keeが作曲に関与)、元々はKikoから提供された疾走曲を思い切ってバラードにアレンジしたという⑬「黄金の涙」、曲名通り大海原をイメージさせる旋律がクライマックスに相応しい⑭Voyageと続く終盤ですね。「~MOON」で統一されていたアルバムタイトルの法則は今回当てはまらず「始まりの終わり」と名付けられた作品名から、このアルバムでLIV MOON第1章の締めくくり次のステージに入るのかと思っていたら、それまでのハイペース降りが嘘のように沈黙状態へと入ってしまうことに…。2015年に初のベスト盤「THE BEST OF LIV MOON」、2016年にはミニアルバム「R.E.D」をリリースしたLIV MOONの新作がそろそろ聴けると嬉しいですね。

【音源紹介】
「黄金の涙(Live)」

LIV MOON「GOLDEN MOON」(2011)

  • 2017/10/14(土) 00:00:00

LIV MOON GOLDEN MOON
【No.502】
★★★★(2011)
2011年年間ベスト第3位

デビューアルバム「DOUBLE MOON」(2009)リリース前にLOUD PARK 09への出演が決定、「4オクターブの美神」というキャッチコピーでBURRN!誌にインタビューが掲載されるなど鳴り物入りで国産メタルシーンに登場したLIV MOONの2作目。カバー曲を集めたミニアルバム「COVERS - SCREAM AS A WOMAN」(2010)発表後にAkane Liv(Vo)と作曲のイニシアチブを握る西脇 辰弥(Key)以外のメンバーがガラリと代わっています。シンフォニックメタルというよりシンフォゴシック要素もあるモダンロックという感じだったデビュー作に対して、元ANIMETALのベーシストMASAKIVitalij Kuprij(Key/ARTENSION etc)との共演経験もある大村 佳孝(G)を迎えた本作はメタル度がグッと向上していますね。

そんなメンバーチェンジの効果は早速表れていて、荘厳かつヘヴィなドラマティックサウンドの中でAkane嬢の歌声が響き渡る①「死の舞踏〜ディエス イレ〜」はシンフォニック・ゴシックメタルというジャンルの美味しいところを凝縮した1曲に仕上がっています。続く②SAY GOODBYE、③NOT GAME!も同系統のナンバーなので、この手の楽曲が目白押しかと思いきやアニソン、デジタリーな曲やJ-POP調のバラードまで多彩な表情を見せてくれます。中でも突出しているのはAkane嬢がこれまでにない低音ボイスを披露しているクサメロ疾走曲④BLACK RUBY、勇壮なメロディが映えるドラマティックチューン⑭「アマラントスの翼」の2曲で、これらを聴くために本作を買っても損はないと思えるほどのキラーチューンです。それらの影に隠れがちですが、フランスの画家ドラクロワの代表作「民衆を導く自由の女神」を題材にした⑧「ドラクロワの女神」も、そのテーマにマッチしたメロディが素晴らしい1曲となっています。それ以外にも、まるでQUEENなアレンジが印象的な⑩「バレリーナ・シンフォニー」、MASAKIのベースが唸り、ゲスト参加のSyu(G/GALNERYUS)が華を添える⑪「静かな奇跡 」、HR/HMファンだけでなく幅広い層にアピールできそうな⑬「溺れる人魚」など聴きどころがたくさんありますね。

前作は全て西脇作曲だったのに対して今回は複数の曲で外部ソングライターを迎えているのも特徴で前述の④は河田 貴央、⑭は坂部 剛という人が手掛けた曲です。本作以降、LIV MOONのアルバムは収録曲の約半数が外部ライターによるものなので、今回の作品でLIV MOONの作曲スタンスが確立されたという感じですね。メロディの充実度も大きく向上していて、音楽性を模索している感が強かったデビューアルバムと本作以降では大きな差があるので、このアルバムこそがLIV MOONの真のデビュー作品だと個人的には思っています。LIV MOONの顔でもあるAkane Livの歌唱に関しては、とにかく高音域で勝負していた1stアルバムよりも④に象徴されるような低い声も駆使していることもあって本作の方が断然好きですね。僕はこのアルバムを聴いてLIV MOONのファンになりました。

【音源紹介】
BLACK RUBY

SHAKRA「BACK ON TRACK」(2011)

  • 2017/09/24(日) 00:00:00

BACK ON TRACK
【No.501】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第8位

日本での知名度は今ひとつながら本国スイスではアルバムがナショナルチャート上位にランクインするなど成功を納めているSHAKRAの8作目。4th「RISING」(2003)から加入し、長きに渡ってバンドの顔であり続けたMark Fox(Vo)が脱退したため後任にインド生まれのスイス人John Prakesh(Vo)を迎えての第1弾となります。SHAKRAの音楽性は初期GOTTHARDの名盤3rd「G.」(1996)を彷彿とさせる骨太なハードロックでGOTTHARDよりもブルージーな土っぽさが希薄、それでいてメタル成分は多めという印象ですね。Johnの歌唱は故Steve Lee(Vo/GOTTHARD) meets Michael Bormann(Vo/ex-JADED HEART、ZENO etc)と表現したくなる熱唱スタイルで、これまで無名だったのが不思議なほどの実力派です。

オープニングの①B True B Youからして硬派なSHAKRA流ハードロックが炸裂。それ以降も生後5ヶ月でインドから養子としてスイスに送られたため実の両親のことを全く知らないJohnの想いを歌詞に乗せた哀愁ミドル②I'll Be、一転してノリの良いサウンドを聴かせる③Crazy、疾走感溢れるタイトルトラック④Back On Trackと勢いをつけておいてバラード⑤When I See Youに繋ぐという構成もニクいですね。冒頭の5曲が充実しているため⑥MMTWGR(Money Makes The World Go Round)以降は若干テンションが下がりますが、個々の楽曲としては聴き応えのあるものばかりだし本編ラストを締めくくる⑬Stronger Than Everは文句なしのカッコよさを誇っています。ちなみにボーナストラックの⑭Whyは前作「EVEREST」(2009)収録曲のリメイク。YouTubeで前任者バージョンと比べてみた感想としてはJohnの方が好きですね。そのJohnは外見が完全にインド人なのでメンバー写真を見ると1人だけ浮いているように感じますが、本作のライナーノーツによると「SHAKRAというバンド名の由来はインド起源の神秘的身体論におけるエネルギーの通過点チャクラから来ている」とのことなのでバンドがインドと繋がりを持つことは運命だったのかもしれません。

スイス出身のハードロックバンドとなるとGOTTHARDとの比較は避けられませんが、本作はGOTTHARDの名作群と比べても遜色のない仕上がりだと思います(超えたとは言えませんが)。1998年のデビューからブレずに、ストイックに正統派サウンドを追求する姿勢は清々しいほど。ただしガッツ溢れるハードロックがズラリと並ぶためメリハリに欠けるのも事実で贅沢を言えば、もう少し楽曲にバリエーションがあると良かったかなという気もします。これまでの経験上、SHAKRAのように楽曲の振り幅が狭く自分達のサウンドを貫くタイプのバンドは他の作品を聴いても結局はバンドとの出会いの1枚が最も好きな作品だったというケースが多いんですよね。そのため彼等が本作以降にリリースしたアルバムについては興味を持ちつつも聴くことなく今日に至っています。なおJohnは次回作「POWERPLAY」(2013)リリース後に脱退、通算10枚目となる「HIGH NOON」(2016)では前任のMark Foxが復帰しているようです。

【音源紹介】
Back On Track

WITHIN TEMPTATION「HYDRA」(2014)

  • 2017/08/05(土) 00:00:00

HYDRA.jpg
【No.498】
★★★★(2014)
年間ベスト2014年ノミネート作品

今や本国オランダは勿論、ヨーロッパを代表するフィーメルゴシックHR/HMバンドへと成長を遂げたWITHIN TEMPTATIONの6thアルバム。今回もバンドがひとつの到達点に達したと自負する4th「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)で提示したメジャー感たっぷりのモダンゴシックサウンドの延長線上にある作風です。2011年リリースの前作「THE UNFORGIVING」はバンド初のコンセプトアルバムでそのストーリーを題材にしたコミック本を出版したことが話題となりましたが、本作のトピックは全10曲中4曲に外部シンガーがゲスト参加していることでしょう。特にTarja Turunen(Vo/ex-NIGHTWISH)Sharon Den Adel(Vo)という2大歌姫が共演した④Paradise(What About Us?)はWITHIN TEMPTATIONファンのみならずシンフォゴシックメタラーにとっても大注目の1曲で流石の出来栄えとなっています。

そんな④以外ではHoward Jones(Vo/ex-KILLSWITCH ENGAGE)が男前な歌声を響かせる②Dangerous、アメリカ人ラッパーXzibitとの共演が意外とマッチしている③And We RunDave Pirner(Vo/SOUL ASYLUM)とのデュエットバラード⑩Whole World Is Watchingがゲスト参加曲となっています。アルバム全体で見てもこれら4曲が際立っていて中でもバンド最速曲とも言われる②の緊張感はカッコいいし、ラップパートが楽曲のドラマ性をアップさせている③は大きな聴きどころですね。どちらの曲も本作の特徴であるヘヴィネスとシリアスな雰囲気が強調された本作の代表曲です。ゲストが参加していない楽曲では現在のWITHIN TEMPTATIONスタイルの王道をゆく①Let Us Burn、Sharonの儚い歌唱が沁みる⑦Covered By Roses、このバンドにしてはギターの主張がかなり激しい⑨Tell Me Whyなどが気に入っています。また⑤Edge Of The Worldでは3rd「THE SILENT FORCE」(2004)の頃のような幻想的なムードがあったり、⑥Silver Moonlightでは久し振りにグロウルをフィーチュアしていたりとバンド初期の要素が復活している点も見逃せません。

僕が持っている本作のデラックスエディションにはカバー6曲、本編収録曲が完成に至る過程を記録したエボリューショントラックなるものを4曲収録したボーナスディスクが付いています。カバーソングはコンピレーションアルバム「THE Q-MUSIC SESSIONS」(2013)からの抜粋で、元ネタがHR/HMジャンル外のアーティストばかりということもあってか印象に残っている曲はほとんどなく、却ってWITHIN TEMPTATIONのメロディセンスの高さを再認識する結果となりました。ちなみに今年初めてBruno Marsのアルバムをチェックした時、聞き覚えのある名前だと感じたのは本作にBrunoのカバー曲Grenadeか収録されているからだったようですね。なおメインソングライターのRobert Westerholt(G)はSharonとの間に3人目の子供が産まれた2011年以降、ツアーに帯同せず創作面とレコーディングでのみ参加するとともにバンドのスポークスマンを務めているのだとか。Sharonがツアーに参加しないことはあり得ないので家庭と仕事(バンド)を両立するための現実的な選択だと思いますが、子育てと仕事のやりくり追われている身としては親近感が湧きますね(笑)。

【音源紹介】
And We Run

WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」(2011)

  • 2017/07/23(日) 00:00:00

THE UNFORGIVING
【No.497】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第6位

前作「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)で従来のゴシックメタルに大衆的な親しみやすさを加味し、更なる進化を遂げたWITHIN TEMPTATIONの5作目。リーダーのRobert Westerholt(G)によると「THE HEART OF EVERYTHING」の出来にかなり満足しているようで「通常のアルバムを作るという意味ではやりきった」と感じたことから、今回はバンド初のコンセプトアルバムであるだけでなく、そのストーリーと連動したコミックを出版するという意欲作となっています。ジャケットはアメコミ風のイラストで、インタビュー記事のメンバー写真を見ても従来にはなかった軽いノリになっているためバンドイメージに変化が見られるものの最大の武器であるメロディセンスは衰えるどころか更に磨きがかかっていますね。

今や厳かなゴシックメタル的ムードは大きく減退、シンフォニックアレンジの効いたメロディアスHR/HMとなっているため初期からのファンにとっては賛否両論ありそうですが僕は本作を聴いてWITHIN TEMPTATIONのファンになりました。今回はこれまで以上に楽曲の幅が広がっていて、このバンドにしては珍しく疾走感のあるロックチューン③In The Middle Of The Night、曲名通りの武骨さ、勇ましさと共に進行する⑥Iron、ディスコ調のサウンドを取り入れた⑧Sineadなどは、本作の多様性を象徴するナンバーだと思います。WITHIN TEMPTATIONの凄いところは新境地に挑戦しつつ、それを失敗に終わらせず魅力的に聴かせることができる点でしょう。僕にとってのハイライトはダンサブルな⑧とは対照的な熱唱系バラード⑨Lost、即効性は低いもののリピートするうちにジワジワくる⑩Murder、モダンサウンドを纏った哀愁ドライヴィングチューン⑪A Demon's Fateと続く後半の流れですね。

Sharon Den Adel(Vo)のボーカルについては、3rd「THE SILENT FORCE」(2004)辺りまでで披露していたエンジェリックボイスは控えめで、作風の変化に合わせるように力強く低音域で歌う場面が増えていますね。また音楽的にもメンバーのルックス的にも依然としてSharon推し全開ではありますが、短いとはいえギターソロが聴ける曲が増えたのも特徴でしょうか。本作はコンセプトアルバムではあるもののSEは①Why Not Meのみだし、大作も一切なくコンパクトな楽曲が並んでいるため小難しさは皆無。あくまで歌モノ作品として成り立っているのも好印象です。ゴシックメタルからメインストリーム系ロックへの飛躍のきっかけを掴んだ前作の流れを上手く発展させた充実盤だと思います。

【音源紹介】
Sinead

SYMPHONY X「PARADISE LOST」(2007)

  • 2017/05/14(日) 00:00:00

PARADISE LOST.jpg
【No.492】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第7位

日本ではネオクラシカル・プログレッシブメタルの雄として不動の地位を築いた感のあるSYMPHONY Xの7作目。前作「THE ODYSSEY」(2002)が本国アメリカでも好評だったようでMEGADETH、DREAM THEATERをダブルヘッドライナーとしたGIGANTOURに参加するなどアメリカでも人気に火がついたようです。数々のツアーに加えてMichael Romeo(G)Timo Kotipelto(Vo/STRATOVARIUS)のバンドKOTIPELTOにゲスト参加、Russell Allen(Vo)は自身初のソロ作品やALLEN-LANDEでも歌声を披露、Michael Pinnella(Key)もインストのソロアルバムを発売するなどしていたこともあり前作から約4年もの間隔が空いてしまいました。今回のアルバムはジョン・ミルトンの著書「失楽園(Paradise Lost)」をテーマにした1枚ではあるものの失楽園を題材にしたコンセプトアルバムというわけではないようです。ここ最近のアルバムはメロディアスな要素が減退していたこともあり、僕の中では3rd「THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY」(1996)をピークとして彼等に対する関心は下降線を辿っていたのですが、本作は「SYMPHONY Xのこんな作品が聴きたかった!」と思える起死回生の名盤となっています。メロディックパワーメタル色が強調され聴きやすくなっている点が大きいですね。

映画音楽のように壮大なサウンドで期待感を煽りまくるイントロ①Oculus Ex Inferniから繋がる②Set The World On Fire (The Lie Of Lies)からしてSYMPHONY Xにしてはストレートな曲調で、このバンドについて回る難解なイメージは払拭されています。その後も緊迫感とフックのあるメロディが一体となった⑥Eve Of Seduction、3rdに収録されたバンド屈指の名曲Out Of Ashesを彷彿とさせる⑧Sevenなど、メロパワ風の楽曲が複数あるのが嬉しいですね。それとは対照的なバラードでは幻想的なコーラスを配したタイトル曲⑤Paradise Lost、SYMPHONY Xにしては珍しくアコースティックギターも登場する⑨The Sacrificeを収録していてダークでヘヴィな作風の中でいいアクセントになっています。また「THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY」収録のSea Of Liesを思わせるベースソロから始まるヘヴィチューン③Domination、まるで蛇が這いずるようなグルーヴィなリフがうねる④The Serpent's Kiss、そしてアルバムを締めくくるに相応しいプログレチューン⑩Revelation (Divus Pennae Ex Tragoedia)も収録していてバラエティに富んでいる点も見逃せません。

前作同様にヘヴィでゴツいギターとバンド初期にあったネオクラシカルテイストが融合した本作はSYMPHONY Xというバンドの集大成的な1枚。圧倒的なテクニックでアルバムを支配するマエストロMichael Romeoの存在感が際立っていますね。演奏面におけるもう1人のキーパーソンMichael Pinnellaにスポットが当たる場面は少なくなっているように感じますが曲の世界観を巧みに演出したり、バックを彩る優雅なピアノを奏でたりとその実力を遺憾なく発揮しています。ガナリ気味に歌うRussellについてはクドすぎる感があるのは事実ながら、迫力満点のインストパートに対抗するにはこれくらいのパワーで歌う必要があるのかもしれませんね(バラード系では繊細に歌っていますし)。耳に残るメロディ、個々の楽曲のインパクトという点では「THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY」に及ばないもののアルバム全体の完成度としては甲乙付け難いほどの出来栄えです。ちなみにアルバムジャケットはSYPHONY Xの作品群はもちろん、他のCDを含めてもダントツで気に入っています。

【音源紹介】
Seven

PRIVATE LINE「DEAD DECADE」(2011)

  • 2016/12/16(金) 00:00:00

DEAD DECADE
【No.483】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第5位

ハードロックンロールと北欧ならではの叙情メロディを融合させた前作「EVEL KNIEVEL FACTOR」(2006)が見事な出来栄えだったPRIVATE LINEによる約4年振りの3rdアルバム。曲作りの時期にSammy Aaltonen(Vo)の父親が亡くなるなどしたことが影響してかアルバムジャケットは暗く、曲名にもDeath、Dead、Ghost、Graveなど死を連想させる単語が多いですね。Sammyによると「本作がPRIVATE LINEにとってのブラックアルバム」だそうですがダークな作品に仕上がっているかというと、むしろその逆で破天荒なロックサウンドは影を潜め、これまで以上にメロディに焦点を当てた作風となっています。曲によっては同郷のメランコリックロックバンドTHE RASMUS、世界的なヒットを記録したMY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」(2006)を彷彿とさせる場面もありますね。

ビッグなコーラスと共に駆け抜ける①Deathbedtime Storiesで幕を開け、ダークな哀メロとそれを歌う子供のコーラスがこれまでにないスケールの大きさを感じさせるタイトル曲②Dead Decadeと続く流れからして「これまでと一味違う」と感じさせてくれます。それ以降もパンキッシュに弾ける③Black Swan、妖しさを演出する冒頭のハーモニカが印象的な④Ghost Dance、ダンサブルなアレンジでノリ良く聴かせる⑤13th Step From The Grave、PRIVATE LINE流ロックにブルーズテイストを加味した⑥Down Came The Rainと、手を替え品を替え魅力的なメロディを堪能させてくれるので飽きないですね。また終盤にも一際ポップな歌メロが耳に残る⑨Meltdown Town、間奏にロシアンフォーク風のパートを交えた疾走チューン⑩Deathroll Casinoというハイライトがあるのも好印象です。

1stアルバム「21ST CENTURY PIRATES」(2004)ではMOTLEY CRUELive Wire、前作ではCHEAP TRICKHe's A Whoreをカバーしていましたが、今回はTHE LORDS OF THE NEW CHRCH⑬New Churchを収録しています。PRIVATE LINEがこれまでに取り上げたバンドは少なからず知っていましたがTHE LORDS OF THE NEW CHURCHは全く知りませんでした。調べてみたところ、どうやら80年代のパンクバンドのようです。オリジナルアーティストを知らないこともあってかカバー曲に関しては過去作品に軍配が上がりますね。とはいえオリジナル曲の充実度は今回が一番だと思うので僕の中ではこのアルバムが最高傑作です。注文をつけるとすれば作品毎のスパンをもう少し短くして欲しいということでしょうか。本作も4年振りのアルバムでしたが2016年現在、4作目に関する情報は入ってきていません…。オフィシャルサイトは今も存在しているしSammyとElias Logren(Ds)はアコースティックライヴも行っているもののファンとしてはPRIVATE LINEの新作情報が待ち遠しいですね。

【音源紹介】
Deathroll Casino

BLOOD STAIN CHILD「MOZAIQ」(2007)

  • 2016/10/01(土) 00:00:00

MOZAIQ
【No.479】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第10位

BLOOD STAIN CHILDの4作目にして、僕が初めてこのバンドの音に触れたアルバム。今回もメンバーチェンジがあり、前作「IDOLATOR」(2005)から加入したShiromasa(G)はバンドを離れG.S.R.なるギタリストが参加、更にバンド初となる専任シンガーSadewを迎えた6人編成となっています。Sadewはルックスのみならずグロウルや悲しげなクリーンボーカルまでAnders Frieden(Vo/IN FLAMES)に似ていますね。本作ではそんな彼の歌唱に加えて、これまで兼任という形でリードボーカルを担っていたRyo(B)のシャウト、メインソングライターRyu(G)のノーマルボイス、女声のサンプリングなどを駆使し、前作で掴んだ近未来的メロデスという独創的な音楽性を更に進化させています。

このアルバムを初めて聴いた時はプレイボタンを押すと同時に流れてくるディスコ風の音に驚かされましたが、ここまで大胆にユーロビートとメロデスを融合させて、しかもカッコよく仕上げてしまうバンドのセンスにタダならぬものを感じました。ダンサブルなメロデスと呼べそうな③FreedomはBLOOD STAIN CHILDならではの新境地だし、ノーマルボイスで畳み掛けるサビメロが印象的な⑤Pitch Black Roomなどアルバム前半の充実振りはなかなかだと思います。後半にはどことなく「和」を感じさせる音使いと女性ボーカルがなんとも言えない浮遊感を醸し出す⑦METROPOLICE、トランス色を前面に出した⑧C.E.0079など風変わりな楽曲もあって面白いですね。そして日本盤ボーナスにTRFのカバー曲⑫EZ DO DANCEを収録してしまうのもBLOOD STAIN CHILDならではと言えるでしょう。ちなみにアメリカ/ヨーロッパ盤にはEZ DO DANCEの代わりにCosmic Highwayというオリジナル曲が収録されていて、YouTubeで聴く限りなかなかの佳曲です。

デビューした頃はCHILDREN OF BODOMフォロワーと呼ばれていた彼等ですが、ダンスミュージックとメロデスの融合という荒技で他のバンドとの差別化に成功していますね。そんな話題性もさることながらこのバンドのメロディセンスが本作リリース時のCHILDREN OF BODOMやSOILWORK以上に僕好みなので愛聴していました。ただしデビュー当初からBLOOD STAIN CHILDのファンだという方の間では、本作について賛否両論あるようですね。たしかにクリーンボーカルが平坦に感じられる、メタルミュージックの肝であるはずのギターパートにもう少し魅力が欲しいなど物足りない点もありますが②Cyber Green、④ENERGY BLAST、⑩Peacemakerのような疾走系のナンバーはグッと来るし、耳に残るメロディも多いので過去のアルバムよりも本作の方が好きですね。

【音源紹介】
Freedom

マキシマム ザ ホルモン「ぶっ生き返す」(2007)

  • 2016/06/02(木) 00:00:00

マキシマムザホルモン
【No.472】
★★★★★(2007)
年間ベスト2007年第2位

日本の4人組ミクスチャーロックバンドマキシマム ザ ホルモンの4thアルバム。このバンドに関しては「ロッキンポ殺し」(2005)というヘンなタイトルの作品(漫☆画太郎によるジャケットも強烈)がBURRN!誌上でのレビューで70点そこそこだったという印象しかありませんでした。そんな中この作品が一部サイトで高評価を受けていたので興味本位でトライしてみたところ、実に面白いバンドということを発見。本作との出会いは2007年最大の衝撃と言えるほどのインパクトがあり、このブログでも同年の年間ベスト第2位に選出するほどハマりましたね。基本はハードコアなサウンドでありながら、先の読めない曲展開と混沌とした轟音世界の中に突如として切り込んでくるメロディアスパートが絶大なインパクトを誇っています。

各曲が目まぐるしく展開し豊かな表情を見せる作風は「MEZMERIZE」、「HYPNOTIZE」の2作品で僕を魅了したSYSTEM OF A DOWNを連想させますね。裏を返せば2005年にSYSTEM OF A DOWNに出会い、この手のサウンドにある程度の免疫があったからこそ本作を楽しめたのかもしれません。メロディのとっつきやすさとキャッチー度はSYSTEM OF A DOWN以上だし、このバンドは男女ノーマルボイス、シャウト、早口ラップとタイプの異なるボーカルが入れ替わり立ち替わり登場していて曲に絶妙な起伏と緩急をつけることに成功しています。これほどカオティックかつキャッチーな楽曲群を生み出せるマキシマムザ亮君(Vo、G)は正に鬼才。彼の頭の中はどうなってるんでしょうね。

どの曲も一筋縄ではいかないヒネクレっぷりで聴いていて楽しいのですが、重々しいイントロからヘヴィロック調に畳み掛けてきたかと思うと女声ボーカルによる歌謡曲風の叙情パートを経てクサメタリックに疾走する⑫「シミ」がハイライトですね。アルバム全体を通しても自然と身体が揺れてくるグルーヴィなリフに始まりハチャメチャな展開を見せるタイトル曲①「ぶっ生き返す!!」、流麗なメロディと共に駆け抜けるメタル調の②「絶望ビリー」、キュートなメロディを配した③「糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー」からキーボードに彩られたキャッチーなヘヴィロック⑬「恋のメガラバ」までテンションが下がることなく楽しめました。僕にとって馴染みの薄いジャンルから突如現れた名盤だと思います。歌詞は大半が日本語なのにほとんど聞き取れない上に歌詞カードを見ても意味不明だし、おそらく意図的に英語に聞こえるような歌い方をしているため海外のバンドのような感覚もありますね(内容は過激かつ下品だったりするので英詞のように聞こえるのは個人的に歓迎)。キワモノ的な要素もあるバンドなので聴き手を選ぶ音楽性ではありますが、僕のミュージックライフに欠かせない1枚となっています。

【音源紹介】
絶望ビリー

ZENO「RUNWAY TO THE GODS」(2006)

  • 2016/05/13(金) 00:00:00

RUNWAY TO THE GODS
【No.470】
★★★★(2006)
年間ベスト2006年第10位

未発表曲を集めた「ZENOLOGY II」(2005)から僅か1年弱というZENOらしからぬ短いスパンで発表された3rdフルレンスアルバム。本作の注目ポイントは何と言ってもシンガーの交代劇でしょう。良くも悪くも個性のあるハイトーンでZENOサウンドの一端を担っていたMichael Flexig(Vo)がバンドを離れ、後任にMichael Bormann(Vo/ex-JADED HEART etc)を迎えています。ハスキーな声の持ち主であるBormannはFlexigと対照的なタイプのシンガーで、情感たっぷりに(時にねちっこく)歌い上げるそのスタイルは好き嫌いが分かれそうですね。Zeno Roth(G)はクセのある歌い手が好みなんでしょうか。ファンの間でも賛否両論のフロントマン交代に関して、僕はFlexigの声が苦手だったので個人的には歓迎しています。Flexigがその出来栄えに満足していなかった「ZENOLOGY II」の音源を公開したことが不満で彼がZenoと袂を分かつことになったという話は残念ですが…。ちなみに当初はTommy Heart(Vo/FAIR WARNING)を後任に迎えるという話があったもののFAIR WARNINGが再結成することになったため流れてしまい、後にJADED HEARTの音源を聴いたZenoがBormannに参加を打診したそうです。

そんなボーカルチェンジが影響してか、ZENO特有のエキゾチックな雰囲気や神々しさは大幅に減退、ハードロックバンドならではの骨太さやパッションが増量されていて普遍的なメロディアス・ハードロックに近づいていますね。この変化をZENOらしさが失われたと見ることもできるかもしれませんが、僕にとっては本作がZENOの中で一番好きなアルバムです。何と言ってもオープニングの①Fanfares Of Loveが問答無用のキラーチューン!プレイボタンを押すと同時に切れ込んでくるギター、ZENOにしては意外なほどストレートに駆け抜ける疾走感、そしてBormannの熱唱が一体となって押し寄せてきます。元々Zenoはミドルテンポの②Climb The Skyを1曲目、①を2曲目にするつもりだったそうですが、複数の日本人関係者から「Fanfares Of Loveをオープニングにするべき」と意見があったため変更したのだとか。重厚な②も好きな曲ではあるもののアルバムの幕開けに持ってくるには微妙なので「日本人関係者の方、グッショブ!」ですね(笑)。

①のインパクトが強過ぎるために、それ以降の楽曲は存在感が希薄になっていることは否めませんが、流石のZENOクオリティなので聴き応えは十分。リフから歌い出しにかけてがDEEP PURPLEBurnしているハードロック⑧I Feel - I Liveも面白いですね。クラシック曲をZENO流にアレンジした⑥Sogno Di Angelo(Mascagni Arr. Zeno)、エンディングに向けて圧巻の盛り上がりを見せる⑪ Sunset Birds Flying Home(Celestial Touchdown)という2曲のインストもアルバムにメリハリをつけています。従来のZENOらしさが色濃く出たバラード⑩Do You Feel The TimeはZenoの母親に捧げられた曲だそうで一部Zeno本人が歌っていますがBormannに全編歌って欲しかったというのが本音ですね…。余談ですが本作のアートワークを手掛けているはZENOのオリジナルメンバーでFAIR WARNINGの中心人物でもあるUle Ritgen(B)だそうです。彼が画家として活動しているのは知っていたものの実際に作品を目にしたことはなかったので、その予想以上の出来栄えに驚きました。ZENOの世界観ともマッチしていますね。本作リリース時のインタビューでZenoは作曲したマテリアルを全て出し尽くしたと語っていたので、次のアルバムを聴くのはだいぶ先になるだろうと覚悟はしていましたがもう10年が経ってしまいましたね…。そろそろ新作をお願いしたいところです。

【音源紹介】
Fanfares Of Love

ANTHEM「BURNING OATH」(2012)

  • 2016/03/11(金) 00:00:00

BURNING OATH
【No.464】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

国産メタル界の大御所ANTHEMの再結成後7枚目、通算14作目となるアルバム。本作発表に際してはレコード会社を移籍したり、本間 大嗣(Ds)が体調不良のため⑦Ghost In The Flameを除く全ての曲をサポートドラマー田丸 勇が叩いていたりと色々あったにもかかわらず前作「HERALDIC DEVICE」(2011)から僅か1年弱のスパンで新作を完成させています。上記のような変化がバンドにどんな影響をもたらすか気になっていましたが、結論から言うと本作はANTHEMの新たなる名盤ですね。近作のオープニング曲はキーボードを導入した柔和なイメージがあったのに対して、ヘヴィなリフでガツンとくるシングル曲①Evil Oneからして「今回は一味違う」と感じさせてくれます。

その後もいかにもANTHEMらしい歌謡曲風の歌メロが冴える②Unbroken Sign、1分足らずのインスト③Overtureに導かれてスタートするパワフルな④On And Onまでの畳み掛けは圧巻。怒涛の勢いは⑤Get Awayでペースダウンするものの、この曲も箸休めには勿体ないほどの劇的なメロディを持ったミドルチューンだし、続く⑥Struggle ActionはANTHEM流メロパワと言えそうな1曲でなかなか新鮮ですね。後半に失速するケースの多かったANTHEMですが本作は違います。坂本 英三(Vo)の演歌風の歌い回しと終盤のギターソロがカッコいいブルージーな長編曲⑦、テクニカルに攻めてくるインスト⑧Double Helix、サビもさることながらBメロがツボな⑨Face The Coreの流れは文句のつけようがありません。そして硬派なサウンドの中に爽やかさを織り込んだキャッチーなメタル⑪Dance Aloneで締めくくるラストも秀逸。この曲を筆頭に前作ではインストのみだった清水 昭男(G)のペンによるナンバーが大きな存在感を放っているのもポイントですね。

メロディアスでありながらメタルの攻撃性も忘れないANTHEMらしさ、再結成後の各作品にあった安定感はそのままに「IMMORTAL」(2006)以外のアルバムで感じていた物足りなさを見事に払拭した1枚ですね。ここまで楽曲が充実していると、ウィークポイントであるはずの坂本によるカタカナ英語すら持ち味に思えてくるし、④の「留まる事など死んだも同じ」を始めとしたクサくて熱い歌詞がこれまで以上に響いてきます。「できることはやり尽くした」という理由から本作を最後にANTHEMと坂本 英三は別の道を歩むことになるのですが、本作を聴いていると確かに現体制の到達点がここにあると思えてきますね。それほど充実したアルバムです。バンドは2014年2月に坂本の脱退と森川 之雄(1988年から1992年の解散まで在籍)が再加入したことを発表し、新たなステージへと突入していくこととなります。

【音源紹介】
Evil One