NIGHTWISH「OCEANBORN」(1999)

  • 2017/06/21(水) 00:00:00

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【No.495】
★★★(1999)

本国フィンランドのみならず、後に欧州メタルシーン屈指の人気バンドへと成長することになるシンフォニックメタルバンドNIGHTWISHが1999年に発表した2ndアルバム。今や女性ボーカルが在籍するバンドが続々と登場しているものの、本作が日本でリリースされた1999年当時はまだまだ珍しく僕が初めて聴いた女性シンガーを擁するメタルバンドのアルバムは本作かSINERGY「BEWARE THE HEAVENS」(1999)だったと思います。NIGHTWISH最大の特徴は名門シベリウス音楽院で声楽を学んだ(本作レコーディング時はまだ在学中)というTarja Turunen(Vo)のオペラティックな歌唱ですね。ヘヴィメタルとクラシックを融合させたサウンドにTarjaのソプラノボイスが乗ることで完成するNIGHTWISHの世界観はこの当時からオリジナリティに溢れています。

本作はそんなNIGHTWISHらしさを凝縮しパワーメタリックに仕上げたキラーチューン①Stargazersで幕を開けます。名曲の予感しかしないイントロ、ギターメロディに導かれる疾走感に満ちた曲調と神々しく響き渡るTarjaの歌声は絶大なインパクトを誇っています。この①があまりに強力過ぎるためにそれ以降の楽曲が弱く思えてしまうほどですが、何度も聴くうちに段々と他の曲も好きになってきました。曲後半で聴けるTarjaのオペラ歌唱が大きな見せ場となっているドラマティックチューン⑤Passion And The Opera、美旋律バラードの極致と呼びたくなる⑥Swanheart、ロシア民謡を連想させるクサメロが炸裂するインスト⑦Moondanceと続く中盤は異なるタイプの曲を並べつつ、それぞれが充実していてかなり好感触です。またアルバム本編を締めくくる⑩Walking In The AirRAINBOWがインストでカバーしたことでも知られるアニメ「SNOWMAN」の挿入歌で、原曲以上に幻想的な仕上がりとなっていますね。ちなみにRAINBOWのカバーはSnowmanという曲名で「BENT OUT OF SHAPE」(1983)に収録されています。

他のメタルバンドとの差別化という点でTarjaに注目が集まりがちですが、収録曲のほぼ全てを手掛けるリーダーTuomas Holopainen(Key)のメロディセンスも秀逸。彼の作る曲は即効性が高いとは言えないもののリピートするうちにジワジワくるし、カバー曲⑩に象徴されるアレンジの妙や北欧らしい世界観を演出するキーボードパートでも大きな役割を担っています。本作の時点では後にTuomas、Tarjaと並ぶ重要メンバーとなるMarko Hietala(B、Vo)が未加入のため男性ボーカルパートが弱いですがNIGHTWISHを語る上で外せない1枚でしょう。NIGHTWISHは後続バンドにも多大な影響を与えているようでSimone Simons(Vo/EPICA)は本作を聴き衝撃を受けて声楽を学ぶようになったそうだし、LIV MOONはNIGHTWISHが4th「CENTURY CHILD」(2002)でカバーしたThe Phantom Of The Opera(オペラ座の怪人)がきっかけで誕生したのだとか。それだけにTarjaが2005年に解雇という形でバンドを離れてしまったのが残念でなりません…。僕はTarjaの後任Anette Olzon(Vo/ex-ALYSON AVENUE)、現任のFloor Jansen(Vo/ex-AFTER FOREVER)時代は未聴ですがNIGHTWISHのアルバムの中では本作が一番好きですね。

【音源紹介】
Stargazers

【CD購入録】SERENITY IN MURDER「THE ECLIPSE」(2017)

  • 2017/05/18(木) 00:00:00

【CD購入録】
THE ECLIPSE
SERENITY IN MURDER「THE ECLIPSE」(2017)

メンバーが大学在学中にレコーディングしたという「THE FIRST FRISSON OF THE WORLD」(2011)でデビューした国産シンフォニック・メロデスバンドSERENITY IN MURDERの3作目を買いました。当初からメロディセンスの良さが注目を集めていた彼等ですが着々と成長しているようですね。過去2作品にあった楽曲のフェイドアウトが唐突過ぎるという点も改善されているように思います。暴虐性と美しいメロディの融合という強みはそのままに、この手のバンドとしては珍しいバラード調の⑦The Sea Is...、音使いやメロディに和の要素を取り込んだ⑪Land Of The Rising Sunなどの新機軸がアクセントとなっているのもいいですね。Shuntaro(Key)が脱退してしまいましたが、メインソングライターFreddy(G)指揮の下これまで同様にピアノ、シンセ、オーケストラサウンドが重要な役割を担っていてスタジオ盤を聴く限り鍵盤奏者不在の影響は感じられません。インタビューを読んでいるとメンバーも今回のアルバムに大きな自信を持っているようだし、過去作品と比較してもバンドがレベルアップしたと感じられるアルバムになっていますね。

【CD購入録】ベッド・イン「RICH」(2016)

  • 2017/04/12(水) 00:00:00

【CD購入録】
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ベッド・イン「RICH」(2016)

おみ足担当・益子寺 かおり(Vo・通称かおり・ジャケット左)、パイオツカイデー担当・中尊寺まい(Vo、G・通称ちゃんまい・ジャケット右)の2人によって結成されたアイドルユニットベッド・インの1stアルバムを買いました。彼女達のことは全く知らなかったのですが「90年代バブル系地下セクシーアイドルユニット」がコンセプトのようで、ボディコンが基本スタイルでライヴ(彼女達曰くおギグ)では下ネタも交えた過激なパフォーマンスで注目を集めているようです。僕も最初はイロモノかと思っていたのですがPVも制作された①「GOLDの快感」、②「♂×♀×ポーカーゲーム」、⑩「C調び〜なす!」を試聴したところ良さげだったので買ってみました。いざ聴いてみると歌謡曲風のメロディやド派手なシンセサウンドなど懐かしさを感じる要素が多々あってニヤリとしてしまいますね。ラップソング⑤「成りアガり VICTORY」などは僕の好きなタイプの曲ではないのですが、この手の歌が流行っていた90年代を思い出しながら聴いています。お気に入りは哀愁のメロディが堪らない⑥「太陽を信じて…」ですね。かおりの厚みのある歌声、ちゃんまいの媚びた感じの甘い歌にスポットを当てたそれぞれのソロボーカル曲⑦「ROSA-涙のバリライト-」、⑧V.H.S.もあります。また彼女達はバンド形態での活動に拘りがあるようでパートタイムラバーズというバックバンドが演奏を支えているし、インタビュー記事を読んでいてもバブリーで下ネタ満載の中に真面目な一面が垣間見ることができるのも好印象。最近はテレビ等への出演も増えているようなので世間での注目度が上がってブレイク、なんてこともあるかもしれませんね。

【CD購入録】BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

  • 2017/02/18(土) 00:00:00

【CD購入録】
BRINGER OF PAIN
BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

ジャケットからしてインパクト抜群なBATTLE BEASTの4作目を買いました。過去のアルバムで創作面のイニシアティブを握っていたAnton Kabanen(G)が前作「UNHOLY SAVIOR」(2015)リリース後に脱退したと聞いた時にはバンドがどうなるのか心配でしたが、ここに届けられた新作はそんな不安を吹き飛ばすばかりか最高傑作なのではないかと思えるほどの充実盤となっています。シンセサウンドを纏いながら駆け抜けていくアップテンポ①Straight To The Heartを聴いて今まで以上に僕好みのメロディアスな作風で手応えを感じていたら、それ以降もテンションが下がることなくあっという間に聴き終えてしまったという感じです。メロディ志向の楽曲群の中でガツンと来るタイトル曲②Bringer Of Pain、重厚なヘヴィサウンドでアルバムに起伏をつけている⑥Lost In Wars、「ウィ!ウィル!ファァィ!」と初めて聴いた時から歌えてしまった⑧We Will Fight、タイトル通りのダンサブルチューン⑨Dancing With The Beast、本編を見事に締めくくるバラード⑩Far From Heaven などバラエティに富んでいる点も見逃せません。それに加えてボーナストラックもBATTLE BEASTらしいメタルソング⑪God Of War、クワイアが荘厳な雰囲気を醸し出す⑫The Eclipse、ロックンロールテイストに溢れた⑬Rock Trashと充実しています。バンド史上最大の危機を見事に乗り越えた本作は気が早いかもしれませんが2017年の年間ベスト入りは確実だと思います。

【CD購入録】SONIC STATION「NEXT STOP」(2015)

  • 2017/01/27(金) 00:00:00

【CD購入録】
NEXT STATION
SONIC STATION「NEXT STOP」(2015)

スウェーデン出身のギタリスト/ソングライターAlexander Kronbrink率いるAORプロジェクトSONIC STATIONの2作目を買いました。セルフタイトルのデビュー作では4人のシンガーが歌っていたそうですが、今回は前作に続いての参加となる女性ボーカルMarika Willstedtが3曲、彼女の紹介で初参加となった男性シンガーJohan Bodingが8曲で歌う体制となっています。都会的なAORといった感じのSONIC STATIONサウンドを聴いて最初に連想したのはRobert Sall(G)擁するWORK OF ARTですね。アルバムの幕開けに持ってこいの爽快チューン①Ameliaからして強力で「女性の名前をタイトルにしたAORソングにハズレなし」という法則が見事に当てはまっています。それ以外にも心温まるメロディが秀逸な⑧Broken Man、Marikaの力強い歌声が映えるドラマティックバラード⑪Hide And Seekを筆頭に、HR/HMとして聴くにはソフトすぎるきらいはあるものの、とことんメロディアスな楽曲がズラリと並びます(意外と自己主張の強いギターパートもグッド)。AlexanderにはSONIC STATIONを今後も継続してもらいたいですね。

【CD購入録】THE UNCROWNED「REVIVE」(2016)

  • 2016/12/24(土) 00:00:00

【CD購入録】
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THE UNCROWNED「REVIVE」(2016)

BURRN!2017年1月号の「今月のおすすめ」のコーナーで藤木さんが激しくプッシュしていた国産メロディックメタルバンドTHE UNCROWNEDの1stアルバムを買いました。このバンドのことは全く知らなかったのですが藤木さんの「ここ10年に聴いた国産アルバムの中でもTOP5に入るかも」という言葉で興味を持ち、音源を試聴して感触が良かったこともさることながらリーダーのTakeshi(G、Key)がオフィシャルサイトでお気に入りバンドにLAST TRIBE、ECLIPSEを挙げていたことも購入の要因でしたね(バンド名はLAST TRIBEの3rdアルバムから取ったのでしょうか)。ちなみにTakeshiの実弟でもあるNaoki(B)Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE)をFavoriteに挙げているほか、兄弟揃ってTALISMAN、TREATそしてTM NETWORKのファンでもあるそうです。そんな2人と女性ボーカルSHALを正式メンバー(ドラムはサポート)としたTHE UNCROWNEDのサウンドは哀愁を湛えたメロディックメタルで、懐かしさを感じさせる歌謡曲風のメロディが顔を出す場面もあります。泣きのギターで幕を開け疾走していく①Shiverからラストの⑨Unwaveringまで一気に聴けますね。現時点でのお気に入りは爽快感に溢れたサビが気持ちいい③Infinite、クサメロとスリリングな演奏が楽しめる⑧Duello辺りでしょうか。日本語歌詞の乗せ方にぎこちなさを感じることもありますが、楽曲のメロディはどれも僕好みです。2016年のブライテストホープは某バンドに決まりかけていたのですが、ここに来て強力な対抗馬が現れましたね。

【CD購入録】TEARS OF TRAGEDY「STATICE」(2016)

  • 2016/12/12(月) 00:00:00

【CD購入録】
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TEARS OF TRAGEDY「STATICE」(2016)


2013年にリリースされた2nd「CONTINUATION OF THE DREAM」が素晴らしい出来だったメロディックメタルバンドTEARS OF TRAGEDYの3作目を買いました。彼等の強みは日本のバンドならではの歌謡曲テイストに溢れた歌メロにあると思っているのですが、そんなTEARS OF TRAGEDYらしさはMVにもなった②Void Actでいきなり発揮されています(①Beyond The Chaosは序曲)。スピードチューンでも明るくなりきれない「陰りのあるメロディ」が好きなんですよね。前半はストレートに駆け抜けるタイプが多く、後半になると13分近くある⑨Curse Brideや過去2作品にはなかったピュアバラード⑩close yet far、⑫「雫」もあって楽しめますが、バラード1曲はアルバム序盤に配置しても良かったかなという気もします。バラードにおけるHaruka(Vo)の歌唱を聴いていて、ふと鬼束ちひろが頭に浮かびました。購入前の期待にしっかり応えてくれる1枚ですね。

【CD購入録】OCTAVIAGRACE「OUTWARD RESONANCE」(2016)

  • 2016/12/08(木) 00:00:00

【CD購入録】
OUTWARD RESONANCE
OCTAVIAGRACE「OUTWARD RESONANCE」(2016)

CROSS VEINの元メンバーでもあるYouske(B/SCRAMBLED SOUL CIRCUS)、Ko-ichi(Ds)のリズム隊が中心となって立ち上げたOCTAVIAGRACEの1stフルレンスアルバムを買いました。僕の場合、ART OF GRADATIONKazu(G/SCRAMBLED SOUL CIRCUS、ex-LIGHT BRINGER)と共に作曲を担当していたReanne(Key)が在籍していることからOCTAVIAGRACEに興味を持ちました。メロディックメタルを基調としつつ、女性ボーカル実稀の可憐な声質もあってアニソンっぽさも発散する各曲のメロディの充実度は目をみはるものがありますね。リーダーでもあるYouskeとReanneを中心に実稀、女性ギタリストhanakoも1曲ずつを手掛けていて、4人のソングライターがいる点もこのバンドの強みと言えそうです。爽やかに駆け抜ける①Seal memory〜③white graffiti、ジャジーにスウィングする曲調が気持ちいい④Cope of midnight、作中で最もメロパワ度が高い⑤「リベリオン」まで一気に聴かせる勢いがあるし、実稀の繊細な歌唱が映えるバラード調⑥「俄雨」で一息つく流れも良いですね。終盤に配された⑩Emerging oath、⑪Dramatic Quiet (Resonance Ver.)もお気に入りです(後者はEP収録曲の再録バージョン)。本作で初めてOCTAVIAGRACEの音に触れましたが、彼等が過去にリリースしたEPも聴いてみたいと思わせてくれる1枚ですね。

【CD購入録】MARDELAS「MARDELAS Ⅱ」(2016)

  • 2016/11/04(金) 00:00:00

【CD購入録】
MARDELASⅡ
MARDELAS「MARDELAS Ⅱ」(2016)

2015年のブライテストホープ候補でもあった国産HR/HMバンドMARDELASの2作目を買いました。今回もバンドの顔である蛇石 マリナ(Vo/ex-DESTROSE)のパワフルボイスを軸にした①「神風」〜③LonerといったMARDELASらしいメタリックチューンで幕を開けますが、それ以降はサウンドの幅を広げた楽曲も登場してきます。まるで演歌のような④「蛇に牡丹 -snake & peony-」、一転してオシャレな雰囲気で軽快に聴かせる⑤Cheers!!、早口で歌うパートも交えつつ乙女心を歌う⑦HA☆NA☆BIなどバラエティ豊かになっている反面、こういった非HR/HM曲が蛇石 マリナの声質に合っているか疑問符がつく場面もありますね…(④は結構ハマっていますが)。またデビューアルバム「MARDELAS Ⅰ」で僕が好きだったアニソン系ナンバーが今回は収録されていないのも残念。ちなみに、ほとんどの曲をマリナ嬢と及川 樹京(G)が手がけている中で⑦はhibiki(B/ALHAMBRA、LIGHT BRINGER)の作曲によるものです。hibikiが燃え尽きてしまったことがLIGHT BRINGER活動休止の大きな要因だったかと思うのですが、別バンドだと肩肘張らずにソングライティングできるということでしょうか。形はどうであれ、こうして彼の曲が聴けるのは嬉しいですね。

【CD購入録】SIRIUS ROAR「QUALIA」(2016)

  • 2016/09/27(火) 00:00:00

【CD購入録】
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SIRIUS ROAR「QUALIA」(2016)

名古屋出身の4人組メロディック・スピードメタルバンドSIRIUS ROARのデビュー作を買いました。メインソングライターのSHO(G、Key)X JAPAN、STRATOVARIUS、SONATA ARCTICAから影響を受けているらしく本作の収録曲は初期SONATA ARCTICA系のキラキラ疾走曲が中心にしつつ、STRATOVARIUSのHunting High And Lowタイプのキャッチーソングや叙情バラードなどが時々顔を出すという感じです(歌詞は全て日英混合)。どこかで聴いたフレーズが散見されるのは事実ながら、メロパワの王道をひた走るその姿は清々しいほどだし魅力的なメロディも多いのでリピートしたくなります。クラシック畑の出身でヴァイオリンもこなす女性シンガーERIKAの歌唱は飛び抜けた個性はありませんが、変なクセもないので聴きやすいですね。お気に入りはアルバムを締めくくる唯一のバラード⑩Rose Of Truthでしょうか。ERIKA嬢のボーカルも現時点ではスピードチューンよりも、この手の曲の方がマッチしているように思います。SUNBURST、ETERNITY'S ENDと並ぶ2016年のブライテストホープ候補と言えそうなバンドですね。

【CD購入録】MAHATMA「ORCHESTRA OF THE LIFE」(2016)

  • 2016/09/23(金) 00:00:00

【CD購入録】
ORCHESTRA OF THE LIFE
MAHATMA「ORCHESTRA OF THE LIFE」(2016)

このブログで2014年のブライテストホープに選出した群馬出身のクリエイティブ・ロックバンドMAHATMAの2作目を買いました。デビュー作「RE:GENERATION」(2014)で未整理な部分を残しながらも抜群のポテンシャルを感じさせてくれた彼等ですが、今回は予想以上にHR/HM色の薄い作風になっていますね。2分に及ぶ序曲①Overture for romanceから曲間なく繋がる②RomanceにはYuhki(Key/GALNERYUS、ALHAMBRA)、hibiki(B/ALHAMBRA、MARDELAS、LIGHT BRINGER)がゲスト参加していることもあって胸熱の疾走曲に仕上がっている一方で、イマドキのJ-POPに通じる⑥「セレクト」、アイドルソングっぽい⑦「ラッキー☆セブン」には面食らいました(どちらにもMAHATMAらしいテクニカルな展開がねじ込まれていますが)。後半にはラテンのノリを上手く取り入れた⑨Starry Nightもあって個人的にはこういう曲をもっと聴きたいですね。デビューアルバム以上に多彩な楽曲が並ぶ本作を聴いて、今後MAHATMAサウンドの焦点が定まってくるのかなと思っていたらTsubasa(G)が2016年6月をもってMAHATMAのギタリストとしての活動を無期限で休止するとの発表があり驚きました。作編曲などではMAHATMAに携わっていくとのことですが、バンドがこれからどのように活動していくのか気がかりですね…。

【CD購入録】PEARL「LITTLE IMMACULATE WHITE FOX」(2010)

  • 2016/08/19(金) 00:00:00

【CD購入録】
LITTLE IMMACULATE WHITE FOX
PEARL「LITTLE IMMACULATE WHITE FOX」(2010)

「BAT OUT OF HELL」シリーズが大ヒットを記録したレジェンドMEAT LOAFの娘でScott Ian(G/ANTHRAX)の妻でもあるシンガーPearl AdayPEARL名義でリリースしたアルバムを買いました。本作で聴けるのはMEAT LOAFのアルバム(といっても僕は「BAT OUT OF HELL」シリーズしか聴いていませんが)のようなロックオペラではなく、骨太なクラシックロックという感じですね。作曲面の中核を担っているのはJim Wilson(G)、Marcus Blake(B)の2人で、作詞はPearlによるものです。JimとMarcusはハードロックバンドMOTHER SUPERIORとしても活動していた(現在は解散)らしく、MOTHER SUPERIORのカバー曲⑩Whoreも違和感なく溶け込んでいます。お気に入り曲はハードな①Rock Child、③Broken White、聴かせるタイプの⑧Worth Defending、そして前述の⑩などですね。Pearlのボーカルもこの手のナンバーを歌うのに適した力強くソウルフルなスタイルで好印象。本作がシンプルで理屈抜きにカッコよかったのでMOTHER SUPERIORのアルバムも聴いてみたくなりました。

【CD購入録】FUKI COMMUNE「WELCOME!」(2016)

  • 2016/06/29(水) 00:00:00

【CD購入録】
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FUKI COMMUNE「WELCOME!」(2016)

現代のジャパニーズメタル界を代表する女性シンガーのひとりFuki(LIGHT BRINGER、UNLUCKY MORPHEUS etc)初のソロアルバム(DVD付きの初回限定盤)を買いました。インストを含む全11曲中9曲はLIGHT BRINGERでも活動を共にしていたMao(Key)が作曲、Fukiが作詞していて⑥「朝な朝な」、⑦「狂い咲け雪月華」のみ外部ライターによる楽曲です。MaoはLIGHT BRINGERが活動休止する前のラストアルバム「MONUMENT」(2014)で大半の曲を手掛けていたので、その延長線上にある作品かとも思いましたがLIGHT BRINGERの質感を残しつつもアニソンっぽさが強いように感じますね。複数の曲がアニメ、ゲームのタイアップなのでそうなるのは自然だと思うし、Fukiの伸びやかな声はこの手の曲にマッチしています。デジタリーな序曲①Welcome to my dream -Instrumental-の後に配された②「月が満ちる前に」、③「輝く夜へようこそ!」、④I’ll never let you down!と続く即効性の高いアップテンポチューンとアルバム終盤を盛り上げるバラード調⑩「未来」、ラブリーテイストの強い⑪Sail on my loveなどが現時点でのお気に入りですね。期待値が高かったこともあり「これくらいはやってくれるはず」という想定の範囲内ではあるものの、しばらくはヘビロテ確定の1枚となりそうです。

【CD購入録】浜田 麻里「LEGENDA」(2012)

  • 2016/05/29(日) 00:00:00

【CD購入録】
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浜田 麻里「LEGENDA」(2012)

最新作25th「MISSION」(2016)を聴いて、すっかりファンになった浜田 麻里の24作目を買いました。本作はダークで深淵なヘヴィメタルをテーマとしているようで、即効性は低いもののリピートするうちにグイグイとアルバムの世界観に引き込まれます。インパクトがあるのは②Momentalia、④Crimson、⑦Ransei-Conscientiaといったアップテンポのナンバー(特にオルガンサウンドの効いたクサメロ疾走曲⑦は出色の出来)ですが、タイトル通り深い森の情景が目に浮かぶ重厚な⑥Forest、フック満載のメロディを持ったミディアムバラード⑨Etrangerなども気に入っています。強烈なハイトーンが響くボーカルパートのみならず、演奏陣も充実していて聴き応えば十分なので「MISSION」同様、このアルバムも愛聴盤になりそうです。

【CD購入録】浜田 麻里「MISSION」(2016)

  • 2016/03/15(火) 00:00:00

【CD購入録】
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浜田 麻里「MISSION」(2016)

日本が誇るメタルクイーン浜田 麻里の25作目を買いました。彼女の作品に関してはベストアルバムを聴いたことがある程度だったので、オリジナル作品を聴くのは今回が初めてです。近作ではHR/HM界の実力者が彼女のバッキングを固めるという体制になっているようで、今回も豪華なメンツが参加しています。そんな演奏陣の中で僕が興味を惹かれたのは高崎 晃(G/LOUDNESS)、若井 望(G/Nozomu Wakai's DESTINIA)、宮脇“JOE”知史(Ds/ZIGGY etc)、厚見玲衣(Key/ex-VOW WOW)、Billy Sheehan(B/MR.BIG etc)といったところでしょうか(若井は楽曲提供のほかトータル・サウンド・ディレクションも担当)。清らかなピアノの調べから広がりのあるサビに繋がる①Sparksを聴いてなかなか良さげだと思っていたら、続く②Dystopiaが早くもハイライトと呼ぶべきドラマティックチューンですっかり心を掴まれました。ボーカル、演奏ともに円熟味を感じさせる安定感抜群のサウンドに仕上がっていて重厚かつ劇的なミッドテンポ⑥Tears Of Asyura、強烈なハイトーンボイスが躍動するメロパワ疾走曲⑦Rainbow After A Storm、アルバムの中でも一際ポップなメロディが耳に残る⑧In Your Handsの流れが特に気に入っています。エンディングを優しいバラード⑪Orionで締めくくる構成もグッド。軽い気持ちで本作を聴いてみたのですが、すっかり魅了されましたね。彼女の過去作品(特にHR/HM色が強くなった最近のアルバム)も是非聴いてみたくなりました。まずは前作「LEGENDA」(2012)からチェックしてみようかと思っています。

USER of a common name「FREEWAY」(2006)

  • 2015/10/28(水) 00:00:00

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【No.450】
★★★(2006)

母国スウェーデンから約2年遅れで1stアルバム「USER」の日本盤が2005年にリリースされるや、直後に来日公演を行うなど上々の日本デビューを果たしたUSER of a common nameの2作目。溌剌としたポップサウンドと程よい歌謡曲テイスト、ほんのり漂う哀愁といった要素が評価されたのか、本作は日本先行発売となっています。今回もデビュー作で提示していたバンドの強みは健在で「ソフトな曲はソフトに仕上げ、ハードな曲にはヘヴィなサウンドを施した」とメンバーが語る通り、一段とメリハリが強調された作風に仕上がっていますね。

まずはオープニングの①Don't Stop Loving Meが前作のハイライトチューンDo Youを彷彿とさせるアップテンポで掴みはバッチリ。その流れを引き継いだ佳曲②I Will Get Over Youを挟んで繰り出される③Miss Wantedはライナーノーツで「昭和のアイドル歌謡(褒め言葉)」と評されたナンバーで一度聴いたら耳から離れないメロディが強力だし、徐々に盛り上がっていく展開に引き込まれる哀愁ミドル④St.Deniseなど前作の流れを汲みつつ一回り成長したバンドの姿を見せてくれます。そして今回のアルバムの作風を象徴するのが⑤I Believeでしょう。デビュー作ではあり得なかったほどのヘヴィネス、終盤にはLinda Karlstedt(Vo)らしからぬシャウトもフィーチュアしつつサビはメロウな1曲となっています。ピアノをバックにLindaが切々と歌うパートで始まる7分の大作⑥Freeway、エモーショナルな⑧Someoneなどのバラードもなかなかの出来。アルバム前半に比べると後半の楽曲がやや弱く感じられますが、演歌に通じる悲哀を帯びた本編ラスト⑫A Widow's Griefが素晴らしいため聴き終えた時の満足度は高いですね。

楽曲面では相変わらず僕のツボにハマるものとそうでない曲が混在しているため、1枚のアルバムとしては物足りなさが残ることは否定できません。とはいえ前作から成長した姿を見せてくれているのも事実で、特にLindaのボーカルパフォーマンスは従来の可愛らしさに加えて、歌い回しに艶っぽさが感じられるなど更に表現力がアップしていますね。楽曲の振り幅も大きくなった本作は、デビュー作以上にバンドが自分達のやりたいことを追求したアルバムと言えるのではないでしょうか。順調に活動していくかに思えたUSERですがLindaの健康問題(椎間板ヘルニア)やレーベルとの関係性が悪化したことなどからバンドは解散。その後はどのメンバーも表立った音楽活動はしていないようです。

【音源紹介】
Don't Stop Loving Me

USER of a common name「USER」(2005)

  • 2015/10/25(日) 00:00:00

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【No.449】
★★★(2005)

男女2名ずつからなるスウェーデン出身のポップロックバンドUSER of a common nameの1stアルバム。本国では2003年にリリースされていたようですが日本ではボーナストラック⑫Insideを追加、PV3曲入りのDVD付きの2枚組て税込2,300円というお得な仕様で2005年に発売されています。ちなみに元々のバンド名はUSERだったものの、カナダの同名バンドからクレームが入ったためUSERの後に「of a common name」を追加したのだとか。バンドの中心となっているのは10代の頃から一緒に音楽活動をしているLinda Karlstedt(Vo)、Sussi Janjic(Ds)の女性メンバー2人で、作曲面のイニシアチブも彼女達が握っています。男女混合バンドというと男性メンバーが曲を書き、女性ボーカルが歌うイメージが強かったので彼等のような体制は珍しいように思いますね。

音楽性はキャッチーかつ爽やかなポップロックで、北欧ならではの哀愁が所々で顔を覗かせます。本作のハイライトは何と言っても②Do Youですね。突き抜けたサビメロはインパクト抜群で初めて聴いた時からお気に入りナンバーでした。それ以外にも気だるいメロディで進行していきサビで視界がパッと開ける①Hide、歌謡曲テイストが僕の琴線に触れまくりの⑤To Feel、癒しの旋律が胸に沁みる⑧Fabulous、繊細なバラード⑩Right Words、軽快に駆け抜けるパンキッシュな⑪Youthなど印象に残る曲が多いですね。なお②はALOHA FROM HELLというドイツの女性ボーカルバンドがタイトルと歌詞を一新してNo More Days To Wasteという曲名でカバーしています。

そんな楽曲群を歌うLindaはキュートな声質でありながら、時には力強く歌うこともできるシンガーで楽曲の魅力を増幅してくれていますね。またアレンジについてもポップ一辺倒になるのではなく適度にヘヴィだというのもHR/HMリスナーとしては嬉しいポイント。惜しむらくは②や⑤を始めとする上記お気に入り曲と、その他の曲との差が結構あるように感じられるため1枚のアルバムとして聴くと良作止まりになっていることでしょうか。とはいえメロディックロックファンなら聴いて損はない作品だと思います。

【音源紹介】
Do You

【CD購入録】MARDELAS「MARDELAS Ⅰ」(2015)

  • 2015/10/01(木) 00:00:00

【CD購入録】
MARDELAS 1
MARDELAS「MARDELAS Ⅰ」(2015)

実力派女性シンガー蛇石 マリナ(ex-DESTROSE)のソロプロジェクトとして誕生したMARDELASの1stアルバムを買いました。バックを固めるのは全ての作曲を手掛ける及川 樹京(G)LIGHT BRINGERのリズム隊でもあるhibiki(B)、弓田 秀明(Ds)という顔ぶれです。僕は本作で初めて彼女の歌を聴いたのですが、確かに注目の女性ボーカルとして話題になるのも納得。ビブラートのクセが強いため好き嫌いが分かれそうではあるものの、とにかく骨太でパワフルな歌声は実に魅力的です。音楽性の方はアニソンっぽさも感じさせるパワーメタルという作風で、曲調やギターフレーズなどに陰陽座を彷彿とさせるパートもありますね。お気に入り曲はインディーズ時代にシングルとして発売された③Daybreak(album version)、アニソン風の⑤DEEP-Gといったところでしょうか。今ではプロジェクトではなく正式なバンドとなったようなので、これからも同じメンバーで活動を続けてもらいたいですね。

【CD購入録】CROSS VEIN「ROYAL ETERNITY」(2015)

  • 2015/07/13(月) 00:00:00

【CD購入録】
ROYAL ETERNITY
CROSS VEIN「ROYAL ETERNITY」(2015)

インディーズ時代にシングル4枚、フルアルバム1枚を発表していたシンフォニック・メタルバンドCROSS VEINのメジャーデビュー作を買いました。前作「BIRTH OF ROMANCE」(2012)は荒削りながらもクサメロがキラリと光る充実盤だったのですが「メタル貴族の舞踏会」という謎のコンセプト(笑)で制作された本作はクワイアが登場する場面がグッと増え、荘厳な印象が強くなっていますね。今回はアニソン的な要素がこれまで以上に強くなっていてシングルにもなった⑧Maid Of Lorraine(Album Mix Ver.)はまるでDRAGON GUARDIANのようです。現時点でのお気に入りは②Eternal Dream、③Precious Libertyやジャーマンメタル風の爽系メロディを持つ⑪Brightest Hopeのような疾走曲ですね。あとはエンディングを飾る⑫Last Melodyもツボでした。JULIA嬢(Vo)に注目が集まりがちなバンドですが⑦Suite Museumのようなジャジーなパートを盛り込んだインストもこなす演奏陣もこのバンドの強みでしょうね。今後の成長が楽しみです。

【CD購入録】SCRAMBLED SOUL CIRCUS「SCRAMBLED COLORS」(2015)

  • 2015/06/28(日) 00:00:00

【CD購入録】
Scrambled Colors
SCRAMBLED SOUL CIRCUS「SCRAMBLED COLORS」(2015)

Kazu(G/ART OF GRADATION、ex-LIGHT BRINGER)がシンガーにHaruka嬢(TEARS OF TRAGEDY)を迎えて立ち上げた新バンドSCRAMBLED SOUL CIRCUSのデビュー作を買いました。結成当初はART OF GRADATIONで優れたメロディセンスを発揮していたReanne(Key)も在籍していたようですが残念ながら本作には不参加です。Kazuは僕が最も注目しているソングライターのひとりなので期待値が高かったのですが、それにきっちり応えてくれる彼らしいメロディが満載です。初めて聴いた時は各メンバーがメタル出身とは思えないほど軽い音とアラフォーの僕にはこっぱずかしい歌詞(⑨「ハミング♪」ラストの「ルンルン ハミング」は衝撃的/笑)に戸惑いもありましたが、リピートするうちに気にならなくなりました。現時点でのお気に入りは力強くも仄かな哀愁が漂う⑤Hide Myselfですね。そしてHarukaの歌声は魅力的だと再確認しました。パワフルだとか、凄いハイトーンで圧倒するというわけではないのですが聴いていて心地いいんですよね。