【CD購入録】VARIOUS ARTISTS「DIANE WARREN PRESENTS LOVE SONGS」(2005)

  • 2016/08/15(月) 00:00:00

【CD購入録】
LOVE SONGS DIANE WARREN PRESENTS
VARIOUS ARTISTS「DIANE WARREN PRESENTS LOVE SONGS 」(2005)

これまでに生み出した楽曲がアカデミー賞、ゴールデングローブ賞、グラミー賞など様々な賞にノミネート、複数の曲で全米1位を獲得しソングライターの殿堂入りを果たしている女性作曲家Diane Warrenのヒット曲を集めたコンピレーションアルバムを買いました。僕がDiane Warrenのことを意識するようになったのは映画「アルマゲドン」の主題歌で本作にも収録されている②I Don't Want To Miss A Thingがきっかけでしたね。その後Eric CarmenSomeone That You Loved BeforeSCORPIONSがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演した企画盤「MOMENT OF GLORY」(2000)収録のHere In My Heartも彼女のペンによる曲だと知り注目度が上昇、MEAT LOAF「BAT OUT OF HELL Ⅲ‐ THE MONSTER IS LOOSE」(2007)に提供したCry Over Meも良かったので、いつか彼女の作品集が聴きたいと思っていました。王道バラードを書かせたら彼女の右に出るものはいない、というのが本作を聴いた率直な感想ですね。どの曲も聴かせどころをしっかりと押さえた流石の出来栄えで⑥Nothing's Gonna Stop Us Now、⑦Can't Fight The Moonlight辺りはかなり気に入りました。本作は現在廃盤になっているそうですが、そんな事実が信じられないほどに良い曲が詰まった1枚だと思います。

【トラックリストとアーティスト名】
01.There You'll Be - FAITH HILL
02.I Don't Want To Miss A Thing - AEROSMITH
03.Because You Loved Me - CELINE DION
04.Un-Break My Heart - TONI BRAXTON
05.Blue Eyes Blue - ERIC CLAPTON
06.Nothing's Gonna Stop Us Now - STARSHIP
07.Can't Fight The Moonlight - LeANN RIMES
08.Look Away - CHICAGO
09.When I See You Smile - BAD ENGLISH
10.Love Will Lead You Back - TAYLOR DAYNE
11.How Do I Live - TRISHA YEARWOOD
12.If I Could Turn Back Time - CHER
13.Time, Love, & Tenderness - MICHAEL BOLTON
14.I Learned From the Best - WHITNEY HOUSTON
15.I Turn To You - CHRISTINA AGUILERA
16.Have You Ever - BRANDY
17.I'll Never Get Over You (Getting Over Me) - EXPOSE
18.Saving Forever For You - SHANICE

ZENO「ZENOLOGY II」(2005)

  • 2016/05/02(月) 00:00:00

ZENOLOGYII.jpg
【No.469】
★★★(2005)

兄のUli Jon Roth(G)と共にHR/HM界きっての寡作アーティストとして知られるZeno Roth(G)率いるZENOの未発表音源集第2弾。「ZENOLOGY」(1995)は1987年から1994年までに録音されたマテリアルを集めたものでバンドのリードボーカルMichael FlexigのほかTommy Heart(Vo/FAIR WARNING)、Helge Engelke(G/FAIR WARNING)がシンガーを務めていたのに対し、本作は1983年から1989年にレコーディングされた11曲を収録していてMichaelが9曲、Tommyが2曲で歌っています。バックを固めるのはUle Ritgen(B)、C. C. Behrens(Ds)というFAIR WARNINGのリズム隊なので、もしZENOが1989年に一時解散していなければFAIR WARNINGが誕生することはなく、このラインナップでZENOとして活動していたのかもしれませんね。

東洋的なフレーズを織り込んだ神々しいムード漂うメロディックロックがZENOの特徴のひとつですが、本作ではそういった「らしさ」は希薄になっているように思います。僕は上記の要素がどちらかというと苦手なので、今回のような親しみやすいメロハー路線は歓迎ですね。結果的に「キーボードのフィーチュア度が高いFAIR WARNING」という感じの仕上がりとなっていて、各曲のクオリティに関しても未発表音源を集めたとは思えないほど質の高いものばかり。アルバム制作に並々ならぬ拘りを持って膨大な時間を費やすZenoが世に出すことを良しとした作品なので当然かもしれませんが、お蔵入りになっていたのが不思議なほどの楽曲が並んでいます。高揚感に溢れたハードロック②Tonight、③Hard BeatやZENOにしては珍しくポップで明るい曲調の④Dreaming The Night Away⑥Victoria、グルーヴィーなリフからキャッチーなサビへ展開していくZENO最初期のマテリアル⑤Good Game Bad Gameなど、アルバム前半にお気に入り曲が多いですね。③、④ではTommyがリードボーカルを取っていて、FAIR WARNINGでのパフォーマンスと比べると初々しさがあるものの確かな歌唱力を披露してくれています。ちなみに①Call Of The HeartはFAIR WARNINGの名曲と同じタイトルですが別の曲です。

客観的に見ればメロディックロックファン必聴の1枚であることは事実ながら全体的に曲調が似通っていること、過去のアルバムに収録されていたLove Will Live、Together、Love In Your Eyes、Meet Me At The Rainbowのような飛び抜けたキラーチューンがないことなどからインパクトは弱い気もしますね。この楽曲群に注文をつけるのは贅沢かもしれませんが…(苦笑)。なお日本では本作に合わせてZENOの過去作品3枚にリマスターを施し、各アルバムに未発表曲やデモ音源を追加した再発盤がリリースされています。特に2nd「LISTEN TO THE LIGHT」(1998)はオリジナルとリマスター盤とでは収録曲が異なるので以前のバージョンを持っている身としては、わざわざCDを買い直すには至らずZENOの未発表曲をコンプリートできずにいます…。

【音源紹介】
Dreaming The Night Away

ZENO「ZENOLOGY」(1995)

  • 2016/04/10(日) 00:00:00

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【No.467】
★★(1995)

僕のミュージックライフにおける最重要バンドのひとつであるFAIR WARNINGと関係の深いZENOが1987年から1994年までにレコーディングした曲を収録した未発表音源集。ZENOは大手レコード会社EMIと契約金100万ドルという大型契約を締結、デビュー作「ZENO」(1986)発表後はBLACK SABBATHのサポートアクトを務めるなどしつつ2ndアルバム制作の準備に取りかかっていました。ところが1stアルバムの売り上げが期待していたほど伸びなかったことなどからEMIはバンドとの契約を解除、それがきっかけとなりMichael Flexig(Vo)が脱退してしまいます。バンドは後任として後にFAIR WARNINGのフロントマンとなるTommy Heart(Vo)を迎え、契約獲得を目指していたものの上手くいかず1989年には中心人物であるはずのZeno Roth(G)がバンドを離れてしまい事実上の解散状態に。そんな中、90年代に多くのメロディアス系HR/HMバンドを発掘した国内レーベル「ゼロ・コーポレーション」の発案でZENOの未発表曲をアルバム化することになり制作されたのが本作です。ちなみにZENOのオリジナルメンバーでもあるUle Ritgen(B)は本作に参加していたメンバーと共にFAIR WARNINGを結成することになります。

このアルバムにはZENOの2作目に収録予定だった曲だけでなく解散後に書かれたものも混在するため、録音時期はもちろん参加メンバーにもバラつきがあります。シンガーについては1stでも歌っていたMichaelが5曲、Tommyが3曲、そして何故かFAIR WARNINGのギタリストHelge Engelkeが3曲でリードボーカルを担当しています。前作で感じられた敷居の高さは薄まっているように思いますが、今回も僕のツボにハマることはなかったですね。そんな中で燦然と輝いているのがMichaelがエモーショナルに歌い上げるパワーバラード③Togetherです。デビュー作収録の3曲目Love Will Liveも超がつくほどの名曲でしたが、こちらも負けていません。これまでに聴いたメロディックロック曲の中でも5本の指に入るほど大好きな曲で、歌詞の内容も踏まえて自分の結婚式でも使った思い出深いナンバーです。なお、この曲のTommyバージョンが次作「LISTEN TO THE LIGHT」(1998)の2005年再発盤に追加収録されていたので聴き比べてみたところ声質的にはTommyの方が好きですが、この曲に関してはMichaelが歌う原曲の方がしっくりきますね。「原曲を大事にしたい」というZenoの思いからそのまま収録されたHelgeが歌った曲はMichael、Tommyという実力派2名に比べると聴き劣りしますが、僕が知る限りHelgeの歌が聴けるのは本作だけなので、そういう意味では貴重かもしれません。

③以外ではまるでサウンドトラックのように壮大で曲名も秀逸なインスト⑫Crystal Dreams②Is It Love、④Surviving The Night、⑧Out In The NightといったTommyが歌っている曲が気に入っています。FAIR WARNINGのデビュー作にも収録されていた①Heat Of Emotionは本作のMichaelバージョンよりTommyの力強い歌声の方が好きなので、彼が在籍するZENOも聴いてみたかったですね。3rd「RUNWAY TO THE GODS」(2006)制作時にTommyを迎えるという話もあったもののFAIR WARNINGが活動を再開していたため実現には至らなかったそうです…。僕にとって本作は③を聴くために時々CDラックから引っ張り出すという感じでしたが、ゼロ・コーポレーションが制作したバラード系オムニバス「美彩’d〜beside〜」(1995)にもTogetherが収録されているので、そちらを買ってからはこのアルバムを聴く機会はほとんどなくなってしまいましたね(苦笑)。

【音源紹介】
Together

【CD購入録】中島 卓偉「アコギタクイー共鳴新動ー」(2012)

  • 2015/10/19(月) 00:00:00

【CD購入録】
アコギタクイ-共鳴新動-
中島 卓偉「アコギタクイー共鳴新動ー」(2012)

中島 卓偉によるアコースティックアルバム第2弾を買いました。本作と同時期にレコーディングが進められていたという前作「アコギタクイー記憶再生ー」 (2012)がアコースティックリメイク盤だったのに対して今回は書き下ろし新曲のみで構成され、卓偉と縁のあるつんく♂、広沢 タダシ、FRIED PRIDE、森重 樹一(Vo/ZIGGY)、米倉 利紀、和田 唱(Vo、G/TRICERATOPS)という6組のアーティストとのコラボ曲が収録されています。ZIGGYファンの僕としては卓偉が書いた曲に森重が詞を乗せてデュエットする⑬「今は何も言わずに」が聴きたくて購入したのですがUniversalityという曲を当ブログで2004年のベストチューンに選出させてもらったジャズユニットFRIED PRIDEと共演した⑩「古い教会」も目を引きます(勿論⑬は期待を裏切らないロッカバラードに仕上がっています)。畑違いのお気に入りアーティストがこうしてコラボしてくれるのは嬉しいですね。またこの⑩は曲調、歌詞の両方でこれまでの卓偉にはなかった世界観を表現していて不思議な魅力に溢れています。作品の性質上、コラボソングに注目が集まりがちですが卓偉のソロ曲も負けていないという点も好印象。アコースティック作品でありつつも、ゲスト陣の影響もあって前作以上に多彩な表情を見せてくれるアルバムで聴き応えがありますね。

【CD購入録】中島 卓偉「アコギタクイー記憶再生ー」(2012)

  • 2015/10/16(金) 00:00:00

【CD購入録】
アコギタクイ-記憶再生-
中島 卓偉「アコギタクイー記憶再生ー」(2012)

2部作「ULTRA SLACKER」(2009)リリース後に「明日への階段」、「ユラリユララ」、「3号線」といったシングルを経て発表された中島 卓偉のアコースティックセルフカバー作品を買いました。アコースティックアルバムと聞くと静かな作品をイメージしがちですが、本作には定番のバラードやアカペラだけでなくアコギを激しくかき鳴らしたロックチューンや観客と一体になったライブ音源も収録されていてアレンジが多彩です。全15曲の中にはシングルや定番曲に加えて①Dearest Friends、⑦「あなたの笑顔が見たいから」、⑨ALL ALONE、⑬「めぐり逢えた二人」といったレアトラックも含まれているのが嬉しいですね。逆に意外というか残念だったのはアコースティックバージョンがYouTubeなどにアップされているSTAY TOGETHERが入っていないことでしょうか。そして⑩Calling Youは文句なしの名曲だと改めて感じました。アルバム全体として見ても何度もリピートしたくなる味わい深い1枚だと思います。

RICHARD ANDERSON「THE ULTIMATE ANDERSSON COLLECTION」(2005)

  • 2015/08/07(金) 00:00:00

THE ULTIMATE ANDERSSON COLLECTION
【No.439】
★★(2006)

1999年にネオクラシカルメタルバンドMAJESTICの中心人物としてシーンに登場するや、圧巻の速弾きテクニックとYNGWIE MALMSTEEN等からの絶妙な借用フレーズ、バンドを支配する独裁者的なキャラクターなどから「鍵盤魔人」、「キーボード版YNGWIE MALMSTEEN」として一躍有名になったRichard Andersson(Key)がこれまでにMAJESTICやTIME REQUIEM、SPACE ODYSSEY名義で発表してきた楽曲をリメイクしたベスト盤。Richard以外のメンバーはSPACE ODYSSEYでもタッグを組むMagnus Nilsson(G)、リズム隊にはRichardが以前から共演を望んでいたセッションプレイヤーAndy Rose(B)、Jorg Andrews(Ds)の両名を迎えているほかSven Cirnski(G/BAD HABIT)が2曲でソロを弾いているのですが、本作の目玉はかつてYNGWIE MALMSTEENとも活動を共にしていたJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)がゲストとして1曲に参加、Mr.北欧ボイスことGoran Edman(Vo)がリードボーカルを取っている点でしょう。Richard曰く、彼を何度かリクルートしようとしたことがあるというYNGWIEも参加していれば面白かったのですが残念ながら実現していません。

【トラックリストと収録アルバム】
1. Time Requiem(TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」)
2. Confusicus(MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」)
3. Attar Of Roses(TIME REQUIEM「THE INNER CIRCLE OF REALITY」)feat. Jens Johansson
4. Black Moon Rising(MAJESTIC「ABSTRACT SYMPHONY」)
5. Above And Beyond(TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」)feat. Sven Cirnski
6. Emposium(SPACE ODYSSEY「EMBRACE THE GALAXY」)
7. Golden Sea(MAJESTIC「ABSTRACT SYMPHONY」)
8. The Rapture Of Canaan(MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」)
9. Visions Of New Dawn(TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」)feat. Sven Cirnski
10. Voodoo Treasure(MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」)
11. Cadenza Op.2 In A-Minor
12. Killing The Myth(Home Demo 1989)
13. I'm Getting Crazy(Studio Demo 1990)
14. Basement Boogie(Home Demo 1986)

上記トラックリストにある通り、本作はリメイク10曲とボーナストラック4曲という構成です。肝心の再録曲に関してはTIME REQUIEMのGrand Opus、Hidden Memories、SPACE ODYSSEYのEntering The Dome辺りも収録して欲しかったところですが代表曲と呼べるものは概ね押さえられていると思います。しかし、本作のバージョンがオリジナル以上の感動をもたらしてくれることは残念ながらありませんでした…。サウンドプロダクションは軽く聴こえるし、アレンジについても完成度の高かった原曲に比べると粗さが目立ちますね。それに加えてGoranが歌うメロディも若干変更されているためオリジナルを聴き込んでいた身としては違和感があります。僕の中でGoran Edmanは「メタルを歌うには線が細いけれど、その繊細な歌声はメロウなナンバーで輝きを増す歌い手」という印象が強いので今回のリメイクをGoranが歌うと聞いた時にマッチするのが疑問でしたが悪い予感が当たってしまったかな。この手の企画ならSPACE ODYSSEYのリードボーカルを務めるパワフルシンガーNils Patrik Johansson(ASTRAL DOORS、WUTHERING HEIGHTS)がMAJESTIC、TIME REQUIEMの曲を歌ってくれた方が嬉しかったですね。

日本盤ボーナストラックの4曲についても⑪Cadenza Op.2 In A-Minorはピアノインスト、それ以外はデモ音源で歌モノは⑬I’m Getting Crazyのみ、しかもその⑬がRichardらしからぬハードロックだというのもマイナス要因ですね。ちなみに⑫Killing The Mythはボーカル入りの完成形がSPACE ODYSSEYの次回作「TEARS OF THE SUN」(2006)に収録されています。というわけで僕のようにRichardの関連作品をチェックしてきたファンにとっては微妙な作品と言えそうです。その一方でRichard Anderssonというコンポーザーがこれまでに発表した名曲群が1枚のアルバムで聴けるので、これから彼の作品に触れるという方には丁度いい入門盤になりそうではありますね。

【音源紹介】
Attar Of Roses feat. Jens Johansson

【CD購入録】下山 武徳「アコースティック・マキシシングル四部作『地水火風』」(2009~2010)

  • 2015/04/04(土) 00:00:00

【CD購入録】
SABER TIGER、DOUBLE DEALER、SIXRIDEといったバンドで活動してきた下山 武徳(Vo)のデビュー10周年を記念するアコースティック・マキシシングル四部作「地水火風」を買いました。各作品ともにオリジナルの新曲3曲、ライブ音源1曲(2006年発表の2ndソロ「SINGER」より)という構成となっています。

今回はそれぞれのジャケットと気に入った楽曲の一言コメントを書いていきます。

一期一会 「地」
下山 武徳「一期一会~『地』~」(2009)
①「一期一会」
フォークソングのようなシンプルな演奏であるがゆえに一層引き立つ下山の熱唱が胸に響きます。
②「記憶の土」
アコギをかき鳴らしながら歌われるメロディがキャッチーで良いです。

白い軌跡 「水」
下山 武徳「白い軌跡~『水』~」(2009)
①「白い軌跡」
静かな歌い出しから徐々に盛り上がっていく展開が感動的。
③Freedom Cry
下山の情感のこもったボーカルが炸裂。「哀しきは自由♪」というサビが耳に残ります。

焔丿鳥「火」
下山 武徳「焔丿鳥~『火』~」(2009)
①「焔丿鳥」
「火」というテーマから連想される激しさが感じられる1曲。アレンジ次第ではカッコいいメタルチューンにもなりそうです。
③「ともしびのうた」
「焔丿鳥」が「動」だとすれば、こちらは「静」の歌。メロディを丁寧に紡いでいく穏やかなバラード。

風音舞う「風」
下山 武徳「風音舞う~『風』~」(2010)
①「あなたへの風」
演奏を一切排除したアカペラソング。押し寄せてくる下山の歌声にただ酔いしれるのみです。
③「風音舞う」
四部作のラストを締めくくるのに相応しいスケールの大きな1曲。「風」というテーマに合ったリコーダーをフィーチュアしているのもいいですね。

オリジナル曲はどれも5分越えとアコースティックにしては長尺でありながら、間延びしている感はなく聴き応えがあります。またライブ音源については音質が今ひとつではあるものの「生」ならではの魅力に満ちていて好印象。ただ、こういう音源は1つのライブ作品としてじっくり聴きたいし、4枚のマキシという形態を取っているため出費がかさむ(1,500円×4枚)のが痛いですね…。そんな不満点はありますが十分楽しめる内容であることは間違いありません。今回の四部作リリース後の下山はSABER TIGERでの活動を軸にしていますがソロ名義でのアルバムも聴きたいですね。

FIREHOUSE「GOOD ACOUSTICS」(1996)

  • 2014/01/25(土) 00:00:00

FIREHOUSE G ACOUSTICS
【No.391】
★★★★(1996)
年間ベスト1996年第4位

デモテープを聴いたJon Bon Jovi(Vo/BON JOVI)がとても気に入り、Jonのバックアップもあっていきなり大手レーベルのEPICと契約、1990年(日本では1991年)にバンド名を冠したデビュー作をリリースするやDon't Treat Me BadLove Of A Lifetimeが全米トップ10入りを記録するなど90年代のアメリカンハードロック史にその名を刻んだFIREHOUSEの4thアルバム。一般的に本作は4枚目のフルレンス作品と見なされているようですが新曲はアルバム冒頭に並ぶ3曲のみで、それ以外は過去3枚のアルバムに収録されていたヒットソングをアコースティックリメイクした7曲にEAGLESのカバー⑪Seven Bridges Roadを加えた内容なので企画盤と呼んでも差し支えない構成となっています。1996年当時はアンプラグドブーム(の後期?)だったこともあり「ハードロックバンドが流行に乗って一儲けしようとした作品」という批判もあったそうですが、僕にとってはこのアルバムこそがFIREHOUSEの最高傑作だし、これまでに聴いたアコースティックアルバムの中でも本作とGOTTHARD「D FROSTED」(1997)は飛び抜けて素晴らしい出来だと思っています。

本作の特徴は新曲も含めて全てがアコースティックナンバーでありながら、ソロパートでは必要に応じてエレクトリックギターを用いてロックバンドらしさをきっちり保っている点でしょうか。まずはアルバムの掴みとなる新曲が強力で、澄み渡る青空が似合う爽やかなメロディが素晴らしい①You Are My Religionと大人っぽい曲調が魅力的な③In Your Perfect Worldが特にお気に入りです。それ以降に並ぶバンドの代表曲に関しては⑤Love Of A Lifetime、⑦When I Look Into Your Eyes、⑨Here For You、⑩I Live My Life For Youといったバラード系が秀逸で、各曲のメロディがアコースティックアレンジによって一段と胸に響いてきますね。中でも⑨、⑩の2曲は大学時代から付き合っていた奥さんとの想い出が詰まっていることもあって今でもよくリピートしています。元々はロックソングだった⑥All She Wrote、⑧Don't Treat Me Badにも果敢に挑戦し、楽曲の新たな魅力を引き出している点も見逃せません。全体的な傾向としてアレンジがカントリーっぽくなっていてオリジナル以上にC.J Snare(Vo)の甘い歌声と珠玉のメロディが堪能できる作風となっています。

バンドは本作を発表した後レーベルを移籍してフルアルバムを3枚、ライブアルバムを1枚、そしてリメイクベスト「FULL CIRCLE」(2011)をリリースしていますがオリジナルアルバムは「PRIME TIME」(2003)が最後となっています。主要メンバーの近年の動向を調べてみたところBill Leverty(G)はソロをメインに活動、C.Jの方はなんとChris Green(G/FURYON、ex-PRIDE)RUBICON CROSSというプロジェクトを結成してデジタル配信でシングルを発表しているようですね。試聴してみたら結構良さげでした。BON JOVIと浅からぬ関係にありジャンル的にも同じカテゴリーに含まれるこのバンドですが、少なくともバラードでは彼等の方がBON JOVI以上に僕好みのメロディを聴かせてくれるし今年の1月にはY&T、WINGERと共に来日するなどFIREHOUSEとしてのライブは精力的に行っているようなので、もう一花咲かせてもらいたいですね。

【音源紹介】
・You Are My Religion

【CD購入録】HAREM SCAREM「MOOD SWINGS Ⅱ」(2013)

  • 2013/08/25(日) 00:00:00

【CD購入録】
MOOD SWINGS2
HAREM SCAREM「MOOD SWINGS Ⅱ」(2013)

HAREM SCAREMの2ndアルバムにしてバンドの出世作であり、その後の活動に良くも悪くも多大な影響を与えた「MOOD SWINGS」(1993)の発売20周年を記念して制作された再録盤を買いました。普段はリレコーディング作品をほとんど買わない僕ですが、思い入れが強い「MOOD SWINGS」となれば話は別です。内容の方は基本的にオリジナルを忠実に再現していますがドラムがクリアになっていたり、ダークな雰囲気や独特の緊張感が薄れていたりと興味深い仕上がりとなっていますね。と言いつつも1996年に「MOOD SWINGS」と出合い何度も何度も聴いてきた身としては(思い出補正もあって)オリジナルを越えていると思えないし、本作の⑩Just Like I Planned⑪Had Enoughのアレンジに違和感を覚えたのも事実。特にアカペラだった⑩が普通のアコースティックバラードに変わってしまったのは残念ですね。インスト(⑦Mandy)やアカペラも収録した「何が出てくるか予測不可能なハードロック作品」というのが「MOOD SWINGS」の魅力のひとつだと思っていたので…。また本作には新曲が3曲収録されていて、いずれも後期HAREM SCAREMを思わせるナンバーです。

日本で絶大な人気を誇り、僕自身も大好きな「MOOD SWINGS」ですが、Harry Hess(Vo)はこれまでに「あの作品はそれほど好きではない、ファンの間でなぜ評価が高いのかわからない」という主旨の発言していたのでHAREM SCAREMが再結成をして「MOOD SWINGS」をリメイクするというニュースを聞いた時にはとても驚きました。BURRN!誌のインタビューや本作の初回限定盤付属DVDでの発言から察するに、ようやくバンド自身もこのアルバムの重要性に気づいてくれたようで嬉しいですね。現時点では本作リリース後に「MOOD SWINGS」の発売20周年記念ツアーを行うこと以外は決まっていないようですが、これからのHAREM SCAREMの動向に注目したいと思います。

【CD購入録】屍忌蛇「TRIBUTE OF MASKED RIDER」(2009)

  • 2012/10/23(火) 00:00:00

【CD購入録】
TRIBUTE OF MASKED RIDER
屍忌蛇「TRIBUTE OF MASKED RIDER」(2009)

長男(4歳)がはまっていることもあって、最近我が家では毎週日曜の朝に家族揃って「仮面ライダーシリーズ」を見ています。前シリーズの「フォーゼ」を途中から、現シリーズ「ウィザード」を最初から見ていて思うのは最早バッタの面影はないなということ(苦笑)。ちなみに僕がリアルタイムで見ていたのは「ブラックRX」シリーズで結構面白かったように思うのですが話がどのように終わったのか覚えていません…。

前置きが長くなりましたが、そんな(我が家の)仮面ライダーブームに影響されて屍忌蛇(G/VOLCANO、ex-GARGOYLE etc)主導による仮面ライダーソングのカバーアルバムを買いました。本作は複数のシンガーが曲を分け合う形となっていてVOLCANOでも活動を共にするNOV(AION)を始めとする5人の歌い手が参加しています。ちなみに確証はありませんが、シンガーの中のひとりYuumaは屍忌蛇の一番弟子IRON-CHINO(G)率いるLIGHTNINGの3代目シンガー勇舞ではないかと思っています。全10曲中で原曲を知っているのは②「戦え!仮面ライダーV3」、④「レッツゴー!!ライダーキック」のみですが、それ以外の曲もすぐに覚えられました。中でも③「仮面ライダー クウガ」、⑧「仮面ライダーAGITO」という平成ライダーの歌は単純にカッコいいメタルだと思いますね。VOLCANOのデビュー作にして名盤の「VIOLENT」(1999)には流石に及ばないものの屍忌蛇のギターは随所で泣いているし、アレンジもカッコいいので続編を聴いてみたい企画盤です。

HAREM SCAREM「THE EARLY YEARS」(2003)

  • 2012/08/16(木) 00:00:00

H SCAREM E YEARS
【No.340】
★★★(2003)

カナダが誇るメロディックロック界の至宝HAREM SCAREMがデビュー作「HAREM SCAREM」(1991)からRUBBER名義で「ULTRA FEEL」(2001)を発表するまでの約10年間在籍していたWARNERとの契約を勝ち取るきっかけとなった11曲のデモ音源集に未発表曲(①Whatever I Want、②When The Morning Comes、③Say Goodbyeと日本盤ボーナス⑮Lost In Yesterday)を追加した企画盤。何でも前述の11曲入りデモはプレミア価格がついていたそうで、その話を聞いたバンド側の「より多くの人に聴いてほしい」という思いから商品化されました。デモ制作当時のメンバーはHarry Hess(Vo)、Pete Lesperance(G)、Mike Gionet(B)、Darren Smith(Ds)という3rd「VOICE OF REASON」(1995)までと同じラインナップです(Mikeは1995年、Darrenは2000年に脱退)。HAREM SCAREMは本作をリリースした2003年までにベスト盤とライブアルバムをそれぞれ4枚、未発表曲を収録したシングル多数、そんなシングルのB面曲を集めた企画盤をリリースするなど商魂逞しいところがあったので今回もその手の作品かと高をくくっていたのですが、これが予想以上に粒揃いの内容となっています。

全15曲の中には既発曲も含まれていて⑤All Over Again、⑥Honestlyは1stアルバム、⑨Staying Awayは4th「BELIEVE」(1997)、①と⑭Out Of LoveはHarryとPeteが全面バックアップしたFIOREのデビュー作「TODAY TILL TOMORROW」(1998)に収録されています(一部歌詞やメロディが違う部分があったりロックソングは基本的にテンポが速くなったりしていますが)。「Harryが弱冠17歳で書き上げた」という枕詞でお馴染みの名バラード⑥が本作の時点で既に完成の域に達しているのには驚かされるし、「BELIEVE」ではDarrenが歌っていた⑨のHarryバージョンがここで聴けるのは嬉しいですね。上記以外に僕がわかっているだけでも③のブリッジは5th「BIG BANG THEORY」(1998)収録のTable Turning、⑮のヴァース~ブリッジは4th収録のDie Off Hard⑪One Of The Woundedのイントロ~ヴァースはFIOREの1st収録のAnythingなど、HAREM SCAREMやFIOREの楽曲の元ネタとなっているパートやどこかで聴いた気のするフレーズが散見されるので、このバンドを聴き込んだファンにとって興味深い内容だと思います。

だからといって本作がコアなファン向けの1枚かと言うとそうではなく、とにかく楽しげでHAREM SCAREM節全開のキャッチーソング④Looking Back、そのままアルバムに収録しても通用しそうなバラード⑫The Right Timeなど、そんじょそこらのメロディックロック作品以上に魅力的な楽曲が収録されています。あくまでデビュー前のデモ音源なのでHarryのボーカルは発展途上の段階にあるし、音質にも荒さが残りますがメロディの組み立て方の上手さとPeteの類い稀なるギターセンスには既にその片鱗が見受けられますね。楽曲の充実振りで考えると、デビュー当時のHAREM SCAREMが好きな人ならば他のアルバムよりもまず本作を聴いてみるのもいいかもしれないと思えるほどです(褒め過ぎかもしれませんが…)。

【音源紹介】
・Looking Back

【CD購入録】MYPROOF「PUPIL OF ASTRAEA」(2008)

  • 2012/07/31(火) 00:00:00

【CD購入録】
PUPIL OF ASTRAEA
MYPROOF「PUPIL OF ASTRAEA」(2008)

先日、CD購入録の記事をアップしたMY MATERIAL SEASONが多大な影響を受けたという国産メロデスバンドMYPROOFの7曲入りミニアルバムを買いました。このバンドについては何年か前にも興味を持ち、フルアルバムを探そうとしたのですが通常価格では入手困難だったため後回しになっていました。MY MATERIAL SEASONがきっかけでMYPROOFのことを思い出して、このバンドに初挑戦してみた今の印象としてはアグレッシブに押しまくるパートとアニソンにも通じるキャッチーなサビメロの対比、ソロとバッキングの両方でクサさを発散するギターが特徴のバンドという感じでしょうか。特に大半の曲で導入しているノーマルボイスによるサビがなかなか強力でハッとさせられますね。本作はイントロ①Stop This Momentを含む序盤3曲が新曲であとの4曲は再録またはリミックスのようなので、このバンドを既に知っている方にはお得感が少ないかもしれませんが僕にとっては手軽な入門盤となっています。もっと彼等の曲が聴きたくなりました。なお本作は3曲を追加したDECADE EDITIONなるバージョンが2009年にリリースされているようです。

【CD購入録】GALNERYUS「絆 FIST OF THE BLUE SKY」(2012)

  • 2012/07/17(火) 00:00:00

【CD購入録】
絆 FIST OF THE BLUE SKY
GALNERYUS「絆 FIST OF THE BLUE SKY」(2012)

小野 正利(Vo)が加入して以降6th「RESURRECTION」(2010)、7th「PHOENIX RISING」(2011)と素晴らしいアルバムを立て続けに発表するなど精力的な活動を続ける「J-METALの一等星」GALNERYUSによる6曲入りミニアルバムを買いました。リーダートラックの新曲①「絆」は今のGALNERYUSらしい親しみ易さもあるアップテンポナンバーで、ファンとしてはまずここでガッツポーズす。②「終わりなき、この詩」③Across The Rainaowは既発曲のリメイクで、5th「REINCARNATION」(2008)のオープニング曲だった前者はオリジナルではやや過剰に思えたアレンジが控えめになっていたり、原曲の熱さに小野の歌声がもたらす清涼感が加わっていたりする興味深いバージョンだし、2nd「ADVANCE TO THE FALL」(2004)収録のキラーチューンでもある後者は曲名と歌詞の両方に手が加えられている点(原曲名はWhisper In The Red Sky)に違和感があるものの、やはり名曲だと実感させられました。後半はYuhki(Key)作の未発表曲2曲とアニメHUNTER×HUNTERの主題歌Departure!(オリジナルは小野 正利名義)の英詩メタルバージョンで構成されていて、こちらも流石のクオリティを誇っています。曲数こそ多いとは言えませんが、内容的には一定レベル以上の満足感が得られるのでファンならば聴いて損はないと思います。GALNERYUSは7月18日に先行シングル「HUNTING FOR YOUR DREAM」(PVはこちら)、秋には早くも8枚目のアルバムをリリースするのだとか。その勢いは止まることを知らないようですね。

HAREM SCAREM「B-SIDE COLLECTION」(1998)

  • 2012/07/07(土) 00:00:00

B SIDE COLLECTION
【No.334】
★★(1998)

1991年にセルフタイトル作でデビューして以来、2008年に11作目(RUBBER名義「ULTRA FEEL」は除く)「HOPE」を最後に解散するまでHAREM SCAREMはHR/HMバンドとしては異例なほどシングルを多くリリースしてきました。本作は過去の企画盤や4th「BELIEVE」(1997)~5th「BIG BANG THEORY」(1998)に関連するシングルのB面曲と未発表新曲を1枚に纏めた作品で、これまでシングルをコツコツ買ってきた方にとっては何とも歯痒いのではないかと推測します。僕はよほど聴きたい音源がない限りシングルやミニアルバムは買わないので結構嬉しかったですね。

【トラックリストと収録作品】
01. So Blind(アコースティックバージョン)(未発表テイク)
02. Climb The Gate(アコースティックライブ)(シングル「WHAT I DO」)
03. Without You(アコースティックライブ)(シングル「WHAT I DO」)
04. Cages(アルバム未収録曲)(シングル「SO BLIND」、4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
05. The Mirror(アルバム未収録曲)(シングル「SO BLIND」、4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
06. Surrender(アルバム未収録曲)(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
07. Change Comes Around(アコースティックバージョン)(「LIVE ONES」)
08. Turn Around(アコースティックライブ)(シングル「TURN AROUND」)
09. Hard To Love(アコースティックライブ)(シングル「TURN AROUND」)
10. Good Enough(未発表新曲)
11. Wasted Time(アルバム未収録曲)(シングル「SO BLIND」)
12. Without You(アルバム未収録曲)(シングル「SO BLIND」)
13. Blue(ライブバージョン)(シングル「NEW RELIGION」)
14. No Justice(ライブバージョン)(シングル「NEW RELIGION」)
15. More Than You'll Ever Know(アルバム未収録曲)(「LIVE IN JAPAN」)

オリジナルアルバムとライブ盤を買い揃えている僕としては④Cages、⑤The Mirror、⑥Surrender、⑩Good Enough、⑪Wasted Time、⑫Without Youが目当てでしたが、これらの中で最も僕の琴線に触れたのは切ないサビメロが胸を締め付けるバラード⑫でした。本作に同曲のアコースティックライブバージョンが収められているほか、後にリリースされる「BALLADS」(1999)や「THE VERY BEST OF HAREM SCAREM」(2002)といったベストアルバムにも収録されていることから、バンドがこの曲に自信を持っていることが窺えます。その他に本作でしか聴けないのは当時の最新作「BIG BANG THEORY」のリードトラックの別バージョン①So Blind、温かみのあるメロディをしっとり聴かせるバラード⑩の2曲で、ギターパートをアコースティックに差し替えたのみでボーカルなどはオリジナルと同じに聴こえる前者は微妙ですが後者はオリジナルアルバムに入っていても遜色ないクオリティだと思います。

というわけで、このアルバムで初めて聴いたナンバーについては一定レベル以上の満足感が得られたので「流石はHAREM SCAREM」と思える部分もありますが、いちファンとしてはモヤモヤ感が残る1枚というのが正直な感想です。その大きな要因は本作が当時のスタジオ盤未収録曲をフォローしきれていないこと。「タイトルにある通りシングルB面曲を集めた作品だから」だと言われてしまえばそれまでですがシングル曲What I Do(「THE BEST OF」収録)、New Religion(「THE BEST OF」、「LIVE AT THE SIREN」収録)は本作で聴くことができないし、⑮More Than You'll Ever Knowと一緒に「LIVE IN JAPAN」に入っていた僕の好きなインストPardon My Zingerも何故か外されています。本作のような企画盤はオリジナル作品は勿論チェックした上で未発表曲も聴きたいというファンをターゲットにしているはずなのに、そういう視点からすると中途半端な作品になってしまっているため「ファンの中でもかなり熱心な人向けの1枚」と言わざるを得ないのが残念。そして、そういう人はシングルも買っていると思うのでバンドの商魂逞しさが印象づけられてしまうのでは?と心配になってみたり…。HAREM SCAREMは本作発表後、バンド名変更騒動もあって人気が下降したため日本ではシングルをリリースすることはなくなりましたが未発表新曲を必ずと言っていいほど収録したベストやライブ作品は頻繁に発表していたので、解散前にそんなスタジオ盤未収録曲全てが聴ける作品集を出してくれれば嬉しかったんですけどね。そんな思いからHAREM SCAREMが発表したライブ作や5枚のベスト盤をレンタルしてレアトラック音源集を作って聴いてみたところ、これが意外と悪くない。というかバンド後期(特に8th「HIGHER」以降)のアルバムより好きかもしれないほどです。また、このバンドには既発曲のアコースティックバージョンも多数存在するのでそれらをアコースティック音源集として聴いてもなかなか好印象でした。

【音源紹介】
・Hard To Love(Acoustic Live)


自分で作ってみたレアトラック/アコースティック音源集はこちら。発表されたアルバム順に曲を並べており、音源の見つかったものはそのリンクを貼っています。
【レアトラック音源集】
01. Pardon My Zinger(「LIVE IN JAPAN」)
02. More Than You'll Ever Know(「LIVE IN JAPAN」)
03. What I Do(「THE BEST OF」)
04. Cages(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
05. The Mirror(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
06. Surrender(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
07. New Religion(「LIVE AT THE SIREN」)
08. Good Enough(「B-SIDE COLLECTION」)
09. Wasted Time(「B-SIDE COLLECTION」)
10. Without You(「B-SIDE COLLECTION」)
11. Lauralie(「LAST LIVE」)
12. Another Nail For My Heart(SQUEEZEのカバー「LAST LIVE」)
13. Remember(「BALLADS」)
14. Why(「BALLADS」)
15. If I'd Been Awake(「ROCKS」)
16. Going Nowhere(「ROCKS」)
17. Freedom(「THE VERY BEST OF HAREM SCAREM」)

【アコースティック音源集】
01. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
02. How Long(1st「HAREM SCAREM」)
03. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
04. Honestly(LIVE AND ACIUSTIC)
05. Jealousy(LIVE AND ACIUSTIC)
06. Candle(3rd「VOICE OF REASON」)
07. Change Comes Around(「LIVE ONES」、「B-SIDE COLLECTION」)
08. So Blind(「B-SIDE COLLECTION」)※リンク先は別音源
09. Climb The Gate(ライブ)(「B-SIDE COLLECTION」)
10. Without You(ライブ)(「B-SIDE COLLECTION」)
11. Turn Around(ライブ)(「B-SIDE COLLECTION」)
12. Hard To Love(ライブ)(「B-SIDE COLLECTION」)
13. Higher(10th「HUMAN NATURE」)
14. Stranger Than Love(11th「HOPE」)
15. If There Was A Time(「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」)
16. Honestly(「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」)

HAREM SCAREM「LIVE ONES」(1997)

  • 2012/06/05(火) 00:00:00

LIVE ONES
【No.331】
★★(1997)

2nd「MOOD SWINGS」(1993)のヒットを受けて本国カナダから約3年遅れでリリースされた1st「HAREM SACREM」(1991)の直後に発表されたミニアルバム「LIVE AND ACOUSTIC」(1994)と1996年に実現した初来日公演を収めたライブ盤「LIVE IN JAPAN」(1996)を「LIVE ONES」というタイトルでカップリングした作品(邦題は「カナダ技巧派集団来日記念盤」)。この2枚組仕様が発売されたのは4th「BELIEVE」(1997)に伴う来日公演の約1ヶ月前なので帯タタキにもあるように4作目で初めてHAREM SCAREMを知ったファン向けの作品のようで、実際に2枚組がCD1枚分の価格で買えるお得盤です。

【トラックリスト】
Disc-1「LIVE AND ACOUSTIC」
01. Honestly(アコースティックバージョン)
02. If There Was A Time(エディットバージョン)
03. No Justice(ライブ)
04. Mandy(ライブ)
05. Hard To Love(ライブ)
06. Jealousy(アコースティックバージョン)
07. Something To Say(エディットバージョン)

Disc-2「LIVE IN JAPAN」
01. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
02. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
03. Warming A Frozen Rose(3rd「VOICE OF REASON」)
04. Blue(3rd「VOICE OF REASON」)
05. Candle(3rd「VOICE OF REASON」)
06. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
07. Breathing Sand(3rd「VOICE OF REASON」)
08. Had Enough(2nd「MOOD SWINGS」)
09. Empty Promises(2nd「MOOD SWINGS」)
10. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
11. Voice Of Reason(3rd「VOICE OF REASON」)
12. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
13. Pardon My Zinger(未発表曲)
14. More Than You'll Ever Know(未発表曲)
15. Change Comes Around(未発表テイク。アコースティックバージョン)

Disc-1「LIVE AND ACOUSTIC」の聴きどころとしてまず挙げられるのが、デビュー作収録の名バラードをギターだけのアコースティックアレンジで仕上げた①Honestlyでしょうか。シンプルであるが故にメロディそのものが胸に迫ってきます。また、もうひとつのアコースティックバージョン⑥Jealousyのテイクもおそらく本作でしか聴けないので貴重だと思います。そして定評のあるライブパフォーマンスについても③No Justice、⑤Hard To Loveといった代表曲だけでなく叙情インスト④Mandyが収録されているのがファンとしては嬉しいところ。その一方で②If There Was A Time⑦Something To Sayのエディットバージョンは前者がギターソロを、後者が冒頭のアコギパートをカットしているため楽曲の魅力が半減してしまっているのが残念かな(エディットバージョンがオリジナルを越えることそうそうないとは思いますが…)。何でもこのDisc-1は日本のレコード会社の要望でバンドのプロモ資料用に録音された音源だそうです。当時のバンドがいかに注目され、レコード会社もそれをサポートしていたかを物語っていますね。

そしてバンド初のフルレンスライブ盤となるDisc-2「LIVE IN JAPAN」は当時の最新作「VOICE OF REASON」(1995)を中心に構成されたセットリストとなっていてデビュー作からは⑥Slowly Slipping Awayのみというのが寂しいですがライブ当日はHonestlyなども演奏されたようです。バンドは後にライブ盤を乱発していくことになりますが本作でしか聴けない⑧Had Enough、⑨Empty Promisesはファンとしてはチェックしておきたいところですね。ただ、本作以降のライブ作品に比べるとバンドのトレードマークでもあるコーラスの厚みにやや欠けるような気も…。ライブ本編12曲の後に収録されているのは、来日公演でもプレイされたというアップテンポのギターインスト⑬Pardon My Zingerと「VOICE OF REASON」にも通じる陰欝なムードを漂わせつつも伸びやかなサビが印象的なバラード⑭More Than You'll Ever Knowというスタジオ未発表曲で、どちらももなかなかの出来映えです。HAREM SCAREMはベストやライブ作品の最後に未発表曲をだいたい2曲収録することが多いのですが、この⑬と⑭はその中でもかなり好きな部類に入りますね。なお「LIVE ONES」として再発される際、新たに⑮Change Comes Aroundのアコースティックバージョンが追加されています。

【音源紹介】
・Mandy(Live)


・Slowly Slipping Away(Live)

【現在の愛聴盤】RAPHAEL「不滅華」(2001)

  • 2012/04/27(金) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
不滅華
RAPHAEL「不滅華」(2001)

少し前の話になりますがヴィジュアル系メタルバンド(と僕が見なしている)RAPHAELの復活が報じられて以来、彼等のアルバムの中でもお気に入り盤の「不滅華」(2001)をよく聴いています。簡単にRAPAHELというバンドを紹介させてもらうと、彼等は1997年にYUKI(Vo)、YUKITO(B)、HIRO(Ds)そして華月(かずき)(G)の4人で結成。インディーズ時代から注目を集めていたバンドは1999年にシングル「花咲く命ある限り」でメジャーデビュー、また同年に1stフルレンスアルバム「MIND SOAP」をリリースして翌年には日本武道館公演を行うなど、バンドの人気は更に加速していったようです(メンバーはまだ当時、高校生だったといのも驚き)。「キャプテン」こと和田 誠さんがメロディックメタルバンドの有望株として紹介したり、BURRN!誌にも掲載されたりしていた記憶があるのでHR/HMシーンでもそれなりに名前が知られていたと思います。ところが、2000年10月31日に殆どの楽曲を手がけていたリーダー華月が19歳の若さで急逝(原因は鎮静剤の多量摂取だそうです)。その後は活動を休止していたのですが、華月の誕生日である4月7日に12年振りとなる復活ライブを華月の命日である10月31日と11月1日の2日間に渡って開催することを発表しました。

僕がRAPHAELと出会ったのは、何気なく立ち寄ったレンタルCDショップで試聴して即座に気に入った2000年発表のシングル「LOST GRADUATION」がきっかけでした。その後、フルアルバムもリリースされていることを知り購入。クサメタルの名曲「花咲く命ある限り」に悶絶したのを覚えています。クセのあるボーカルや思春期ならではの葛藤や繊細な気持ちをストレートに乗せた歌詞がHR/HMリスナーにとっては好き嫌いが分かれるかもしれませんが、メロディのクオリティは一級品。それだけに中心人物の華月の急死によって、バンドが活動できなくなってしまったのはショックでした。まだ粗削りな部分が感じられたデビューアルバム「MIND SOAP」以上の姿をその後に発表した「EVERGREEN」(2000)、「秋風の狂詩曲(ラプソディー)」(2000)といったシングルで提示しつつあったので、2ndアルバムでどんな成長を遂げているか楽しみだったんですけどね…。今でこそVERSAILLES、摩天楼オペラ(こちらは未聴)といったヴィジュアル系メタルバンドが活躍していますが、僕の中で「その手のバンド」といえば、まずRAPHAELが頭に浮かびますね。半ば伝説化しつつあったバンドが現在の姿を見せる今回の復活ライブを熱心なファンの皆さんの間でどう受け止められているのかわかりませんが、このニュースを目にして久々にRAPHAELの音楽に浸っている今日この頃です。

RAPHAELのオフィシャルサイトはこちら

【僕が大好きなRAPHAELの楽曲3選】
・花咲く命ある限り

デビュー当時のSONATA ARCTICAを彷彿とさせるキラドコサウンドと往年のDARK MOOR級のクサメロが融合した記念すべきバンドのメジャーシングル。「み~に~く~い ほ~どに~ き~れ~い~に な~るわぁ♪」の歌詞も耳に残ります。

Lost Graduation

僕がこのバンドと出会った思い出深い1曲。クサメロだけでなく癒しの旋律も持ち味としているRAPHAELらしさが溢れています。

タッチ

RAPHAELのオリジナル曲ではありませんが、数あるアニソンのメタルカバーの中でもこの曲のアレンジは秀逸なので。歌詞の世界観もバンドにマッチしていると思います。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「桜牙列伝」(2011)

  • 2012/04/16(月) 00:00:00

【CD購入録】
桜牙列伝
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「桜牙列伝」(2011)

勇者アーサー(G/DRAGON GUARDIAN)YAZIN(G/KNIGHTS OF ROUND)によるプロジェクトDRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」がこれまでに発表した「新選組散華録」(2010)、「新選組悲恋歌」(2010)のシングル2作品とフルレンスアルバム「新選組魔戦記」(2011)から選ばれた8曲(序曲を含む)に新曲2曲を加えて制作されたリメイクベスト盤を買いました。リメイクに当たって、オリジナルでは複数の女性声優陣が担当していたボーカルパートがDRAGON GUARDIANの1st「聖邪のドラゴン」(2006)のリメイク作品「DESTINY OF THE SACRED KINGDOM」(2011)にも参加していた男性シンガーLeo Figaro(Vo/MINSTRELIX)に差し替えられているほか、語りとセリフがカットされギターソロが盛り込まれています。選曲に関しては③「紅き涙」、⑦「粉雪ニ吠エル義士」(「新撰組魔戦記」収録)や⑩「護国の刃」(「新撰組散華録」収録)といった僕のお気に入り曲はしっかり収録されているし②「鬼神の剣」、⑥「人斬り」といった新曲もこのプロジェクトらしい出来映えだと思います。ただボーカルパートについては本作で聴けるLeoよりも個人的にはオリジナルの方が好きかな(特に⑧「織姫と彦星」は曲調、歌詞ともに女性ボーカルの方がマッチしていたと思います)。DRAGON GUARDIANの関連アルバムの中でも桜牙は名盤3rd「DRAGONVARIUS」(2009)の次に好きな作品なので、こうしてリメイクされたのは素直に嬉しいですね。帯タタキにもある通り「今までジャケットや語りで敬遠していたリスナーに強くアピール出来る」作品だと思います。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN「DESTINY OF THE SACRED KINGDOM」(2011)

  • 2012/03/31(土) 00:00:00

【CD購入録】
DESTINY OF THE SACRED KINGDOM
DRAGON GUARDIAN「DESTINY OF THE SACRED KINGDOM」(2011)

メジャーデビュー後もファンの間で根強い支持を得ているDRAGON GUARDIANの1st「聖邪のドラゴン」(2006)のボーカルパートを男性ハイトーンシンガーLeo Figaro(MINSTRELIX)による英語詞に差し替え、セリフ/語りを完全排除してメタリックに仕上げたリメイクアルバムを買いました(ちなみにLeoは日本人)。「聖邪のドラゴン」に関しては評判のクサメロを味わう前に、DRAGON GUARDIANの後の作品群以上に聴き手を選ぶアニメ要素に撃沈してしまった僕も本作はすんなり聴けました。リメイクするに当たって何故か曲順が変更され、新曲②Treasure Landを追加収録しているのでオリジナル盤にあった物語性はなくなっていますが1枚のメロディック・スピードメタル作品として、なかなか聴き応えのある1枚だと思います。なお、前述の新曲②はDRAGON GUARDIANの5th「聖魔剣ヴァルキュリアス」(2011)で「炎の魔石」として再録されています。

BLIND GUARDIAN「THE FORGOTTEN TALES」(1996)

  • 2012/02/25(土) 00:00:00

THE FORGOTTEN TALES
【No.318】
★★(1996)

5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)が母国ドイツを始めとする欧州メタルシーンでヒットし、一躍スターダムへとのし上がったBLIND GUARDIANによる既発曲のリレコーディングやライブ、カバーソングで構成される企画盤。

【トラックリスト】
01. Mr. Sandman(未発表曲。THE CHORDETTESのカバー)
02. Surfin' USA(未発表曲。THE BEACH BOYSのカバー)
03. Bright Eyes(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲の別バージョン)
04. Lord Of The Rings(3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」収録曲の別バージョン)
05. The Wizard(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」のボーナストラック。URIAH HEEPのカバー)
06. Spread Your Wings(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」のボーナストラック。QUEENのカバー)
07. Mordred's Song(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲の別バージョン)
08. Black Chamber(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」収録曲の別バージョン)
09. The Bard's Song(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」収録曲のライブバージョン)
10. Barbara Ann / Long Tall Sally(2nd「FOLLOW THE BLIND」の収録曲。THE BEACH BOYSとLITTLE RCHARDSのカバーメドレー)
11. A Past And Future Secret(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲と同音源)
12. To France(未発表曲。MIKE OLDFIELDのカバー)
13. Theatre Of Pain(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」収録曲のオーケストラバージョン)

カバーに関しては僕が元々知っていたのがTHE BEACH BOYSの有名曲②Surfin' USAのみなので原曲との比較はできませんが、曲の後半で激しさを増す②、BLIND GUARDIAN色に仕上げられている⑥Spread Your Wings⑫To France、そしてバンドが初めてトライしたカバー曲でライブの定番としても知られる⑩Barbara Ann / Long Tall Sallyなどがお気に入りです。リレコーディング曲はミドル/バラード調に絞られているので熱き疾走チューンを期待すると拍子抜けしてしまいますが、バンドが持つ牧歌的な魅力や叙情性を強調するものばかりで興味深いですね。中でも楽曲のテンポやキーボードサウンドといった点でメンバーが旧バージョンの出来に満足していなかったという④Lord Of The Ringsは僕も本作バージョンの方が好きかもしれません。そして⑬Theatre Of Painも4作目のボートラとして収録されていたクラシックバージョンとはまた異なり楽曲のスケール感を更に強調したインストアレンジで、作品のエンディングに相応しい出来栄えとなっています。そして本作唯一のライブトラックとして収録されているのは、Hansi Kursh(Vo)の歌声ではなくオーディエンスの大合唱が大半を占める⑨The Bard's Song。日本での人気はそれほど突出していないように思うこの曲ですが、ヨーロッパでは絶大な支持を得ていることが窺えるテイクですね。

といった感じでそれなりに楽しめるアルバムではありますが、バンドのメタリックな部分は全くと言っていいほどフィーチュアされていないため物足りなさを感じるのもまた事実。あくまでスタジオ盤を聴いてBLIND GUARDIANの世界観に惚れ込んだ熱心なファン向けの1枚だと思いました。本作を発表して満足したのかバンドはこれ以降、現時点での最新作「AT THE EDGE OF TIME」(2010)までのスタジオアルバムにカバー曲を収録することはなくなりました(シングルには収録あり)。ちなみに2007年にリリースされた本作の再発盤にはボーナストラックとしてDEEP PURPLEHallelujahJUDAS PRIESTBeyond The Realms Of DeathDIODon't Talk To Strangersのカバー3曲とエンハンスド・ビデオクリップ2曲が追加されているようです。

【音源紹介】
・To France

HELLOWEEN「THE BEST, THE REST, THE RARE」(1991)

  • 2011/10/31(月) 00:00:00

THE BEST, THE REST, THE RARE
【No.308】
★★★★(1995)

メロディック・パワーメタルのオリジネイターであり後続バンドに多大なる影響を与えたHELLOWEEN初のベストアルバム。本作に収録されている楽曲は1stフルレンス「WALLS OF JERICHO」(1985)、シングル「JUDAS」(1986)といったKai Hansen(G)がボーカルも兼任していたバンド初期、そして専任シンガーMichael Kiskeが加入して1988年と1989年に発表したメロディックメタルの金字塔「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」PART 1とPART 2という所謂「キーパー時代」、すなわち後にGAMMA RAYを結成するKai Hansenが在籍していた時期の作品から選ばれています。ただし「THE BEST, THE REST, THE RARE」というアルバムタイトルの通り、本作はシングルでしか聴けなかったレアトラックを収録していたり、僕を含めた多くのファンが超名曲と見なしているであろうEagle Fly Freeが入っていなかったりしているので純粋なベスト盤というよりは半ば企画盤として捉えた方がいいかもしれません。しかも本作がリリースされた1991年当時はシングルにのみ収録されていた楽曲群についても後に再発されたオリジナルアルバムに追加されていることもあって、KaiがHELLOWEENにいた頃の真髄を味わうなら「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」の2枚組(邦題「守護神伝 完全版」)、バンドの全体像を知りたいのであればKiskeの後任Andi Deris(Vo/ex-PINK CREAM 69)期も含めたベスト盤「TREASURE CHEST」(2002)の方が適しているように思います。

【トラックリストと収録作品】
01. I Want Out(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)
02. Dr. Stein(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)
03. Future World(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART1」)
04. Judas(シングル「JUDAS」)
05. Walls Of Jericho(「WALLS OF JERICHO」)
06. Ride The Sky(「WALLS OF JERICHO」)
07. Halloween(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART1」)
08. Livin' Ain't No Crime(シングル「DR.STEIN」収録)
09. Save Us(シングル「I WANT OUT」収録)
10. Victim Of Fate(Michael Kiskeバージョン)(シングル「DR.STEIN」収録)
11. Savage(シングル「DR.STEIN」収録)
12. Don't Run For Cover(シングル「I WANT OUT」収録)
13. Keeper Of The Seven Keys(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)

というわけで、今となっては中途半端な感が否めない本作ですが僕にとっては「HELLOWEENと出会った1枚」ということもあって非常に想い出深いアルバムです。メタリックな質感とキャッチーなメロディが絶妙のバランスで同居する楽曲の上でどこまでも伸びやかなKiskeのハイトーンが響き渡る①I Want Out、このバンド特有のコミカル路線を代表する②Dr. Stein、ポジティブムード全開で聴いていると元気になれる③Future Worldという名曲の畳み掛けに一発で魅了されました。その後に続くKaiボーカル時代の④Judas、⑤Walls Of Jericho~⑥Ride The Skyを聴いて冒頭の3曲とは異なる粗削りな曲調、シンガーの力量の差に戸惑いましたが曲そのものは気に入っているし、アルバムの真ん中と最後に配されたそれぞれ13分に及ぶ⑦Halloween、⑬Keeper Of The Seven Keysという大作2曲は僕にとって10分越えナンバーの初体験曲であるだけでなく、僕の中で長編曲を聴く際のひとつの基準にもなっています(非常に高い完成度を誇るこれら2曲を最初に聴いてしまったため、それを上回る大作曲になかなか出会えないハメになってしまうわけですが…)。

またシングルのカップリング曲を集めたアルバム後半は陽気でほのぼのムードすら漂う⑧Livin' Ain't No Crime、KiskeがANTHRAXにインスパイアされて書いたというHELLOWEEN流スラッシュ⑪Savage、つい口ずさんでしまう歌謡曲風メロディが魅力的な⑫Don't Run For Coverなど曲調が実に多彩。今でこそ15年以上に渡ってHR/HMを愛聴している僕ですが、当初はヘヴィメタルに対して「いかつい服装/髪型をしたメンバーによる喧しいだけの音楽」というようなマイナスイメージを持っていました(苦笑)。本作はそんな僕に対してヘヴィメタルの門戸を開いてくれた作品のひとつです。このブログで最初に取り上げたYNGWIE MALMSTEEN「ECLIPSE」(1990)が煌めくような美旋律でヘヴィメタルに興味を持たせてくれた1枚だとすれば本作は親しみ易さとキャッチーなメロディでメタルに対するネガティブな印象を払拭してくれた1枚という感じでしょうか。本作でジャーマンメタル、メロディックメタルに開眼した僕は「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」やEagle Fly Free、How Many TearsといったHELLOWEENの名盤/名曲に出会いましたが、今でも僕がこのバンドに対して抱くイメージは本作の冒頭3曲ですね。前述したように客観的に見ると中途半端なベストアルバムだと思うものの今でも本作を聴くと、初めてこのバンドと出会い衝撃を受けた当時の想い出がよみがえってきます。そういう意味で僕のミュージックライフにとって大切な作品です。

【音源紹介】
・I Want Out

既にHELLOWEEN脱退を決意していたKaiがこのI Want Out(外に出たい)という曲を書いたのだとか…。