【CD購入録】MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

  • 2015/10/22(木) 00:00:00

【CD購入録】
KINGDOM OF ROCK
MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

Pete Sandberg(Vo)、Jonas Reingold(B/THE FLOWER KINGS)らが結成した叙情派メタルバンドMIDNIGHT SUNの2代目ギタリストとしてシーンに登場、今や現代HR/HMシーンに欠かせないソングライター/マルチプレイヤーへと成長したMagnus Karlsson(G、B、Key)のソロプロジェクト第2弾を買いました。今回も豪華なゲストシンガーを迎えていてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、David Readman(PINK CREAM69、VOODOO CIRCLE)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Russell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)などデビュー作に引き続き参加したメンバー(Russellはボーナストラックのみ)に加えてMagnusが憧れの存在と語るJoe Lynn Turner(ex-RAINBOW etc)、Tonny Martin(BLACK SABBATH etc)やMagnusと何らかの形で活動を共にしたことのあるJorn Lande(JORN、ALLEN-LANDE)、Jakob Samuel(THE POODLES)、Harry Hess(HAREM SCAREM)そして無名の新人Rebecca De La Motteが参加しています。本作でもMagnusは各シンガーの特徴を捉えた作曲スキルと年々上手くなっていくリードボーカルを披露してくれていて安定感抜群の1枚となっています。現時点でのお気に入りは③No Control(featuring Joe Lynn Turner)、⑧Never Look Away(featuring Tony Harnell)といったメロハー系ナンバーですね。FRONTIERS RECORDSに酷使されたため(?)一時は楽曲の輝きが薄れたようにも感じられたMagnusですが、本作を聴く限り復活したと言えるのではないでしょうか。

【CD購入録】SYMPHONY X「UNDERWORLD」(2015)

  • 2015/07/23(木) 00:00:00

【CD購入録】
UNDERWORLD.jpg
SYMPHONY X「UNDERWORLD」(2015)

前作「ICONOCLAST」(2011)から約4年振りとなるSYMPHONY Xの9作目を買いました。濃密で攻撃的なサウンドがぎっしり詰まった前作に比べて今回は若干メロディアスになった印象を受けます。それに伴いMichael Pinella(Key)の存在感がアップしているのも嬉しいポイント。相変わらずテクニカルなプレイを連発するMichael Romeo(G)、暑苦しいほどの熱唱で聴き手を圧倒するRussell Allen(Vo)を軸にダークなプログレメタルが展開されていますね。正直なところ、もう少しキャッチーなメロディが欲しいし、この手のジャンルに現れる若手バンドも良いのですが、やはりSYMPHONY Xは別格だと本作を聴いて感じました。余談ですが「ラストダンスは堕天使に」という帯タタキはバンドがかつて所属していたゼロ・コーポレーションに通じるものがありますね(笑)。

【CD購入録】TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

  • 2013/06/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE LAND OF NEW HOPE
TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)らと一種のスーパーバンドSYMFONIAを結成したものの、僅か1枚で解散したばかりか音楽業界からの引退をも示唆するコメントを発表したTimo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS)でしたが、FRONTIERS RECORDS社長Serafino Perginoから多くのゲストを迎えたメタルオペラ・プロジェクトの提案を持ちかけられ誕生したTIMO TOLKKI'S AVALONの1stアルバムを買いました。プロジェクト名からしてTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAを連想せずにはいられませんが、ゲストを見てみるとMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Sharon Den Adel(Vo/WITHIN TEMPTATION)、Elize Ryd(Vo/AMARANTHE)、Russell Allen(Vo/SYMPHONY X、ADRENALINE MOB)、Rob Rock(Vo/DRIVER、ex-IMPELLITTERI)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS) 、Derek Sherinian(Key/BLACK COUNTRY COMMUNION、ex-DREAM THEATER)、Alex Holzwarth(Ds/RHAPSODY OF FIRE)といった顔ぶれでAVANTASIAに参加していた人もチラホラ、というかシンガーではElyzeとTony以外はAVANTASIAファミリーですね。歌っている比率を踏まえるとTolkkiとElyze、Rob Rockを基本メンバーとしたプロジェクトと言えるかもしれません。内容の方はAVANTASIAがメタルオペラを名乗っていた初期2作品ほどメロパワ一辺倒ではなく、その後の「THE SCARECROW SAGA」を歌ものメタルっぽくした感じでしょうか。ライナーノーツによると、Tolkkiがこのプロジェクトのために書き上げたストーリー「THE LAND OF NEW HOPE」は3部作を予定しているそうなので、 アルバム契約が4枚分あったというSYMFONIAを投げ出した前科があるTolkkiですが(苦笑)今回は完結まで頑張ってもらいたいですね。

ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

  • 2013/06/12(水) 00:00:00

THE SHOWDOWN
【No.379】
★★★(2012)

Russell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)という実力派シンガー2人の名前を冠したプロジェクトでありながらMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、STARBREAKER、ex-LAST TRIBE)がサウンドの鍵を握るALLEN-LANDEの3rdアルバム。ラインナップはこれまでと同じでMagnusがギターのみならずベース、キーボードも演奏、ドラムはLAST TRIBE時代の盟友Jaime Salazar(BAD HABIT)が叩いているほか、2体の巨大生物が対決するアートワークも3作連続でRodney Matthewsが手掛けるという鉄壁の布陣で制作されています。その一方で過去作品ではMagnusがドラム以外の全楽器、作詞作曲をこなしていたのに対して今回は3曲でゲストピアノ奏者を迎えていたり、歌詞の大半をTomas Erlandssonなる人物が書いていたりしています(作曲は全てMagnusなので個人的には気になりませんが)。

今回のアルバムは「ショウダァァウゥ!」という強烈なシャウト(歌い手はおそらくJorn)がインパクト大なタイトル曲①The Showdown、ALLEN-LANDEとして初のPVが作られた②Judgement Dayと続く流れで幕を開けます。疾走曲のみならず過去作品には少なからず収録されていたアップテンポのナンバーまでも姿を消し、本作は重厚なミドルチューンとバラードで構成されていることもあって、聴き始めの頃はこれまで以上に各曲のキャラ立ちの弱さやマンネリ化が目につき「ALLEN-LANDEも潮時か…」と思ったりもしました。ところが聴き込むうちに味わいが増してきてリピートしてしまう辺りが希代のソングライターMagnus Karlssonの為せる業といったところでしょうか。伸びやかなメロディが心地よい④Turn All Into Gold、アルバム随一のキャッチーなサビを持った⑤Bloodlines、1st「THE BATTLE」(2005)に通じるメロハーチューン⑦We Will Rise AgainDREAM THEATERのバラードWait For Sleep(名盤「IMAGES AND WORDS」収録)のピアノメロディに勇壮なギターアレンジを施したかのようなリフが楽曲を覆う劇メロナンバー⑩The Artistなどが気に入っています。Russellが歌うバラード⑥CopernicusReach A Little Longer、Master Of Sorrow(どちらもボーカルはJorn)に比べるとやや薄味ながらも魅力的。なお僕が持っている日本盤にはボーナストラックとして⑥のアコースティックバージョンが収められていますが輸入盤はAliasという未発表曲を収録しているようです。この記事を書いている今日現在、YouTubeに音源がアップされているので聴いてみたところボーナス扱いなのが不思議なくらいの良曲でした。

過去2作品はリリースされてすぐにゲットしていましたが、本作はなかなか購入に踏み切れずにいました。いざ聴いてみるとALLEN-LANDEがこれまでのアルバムで提示してきた高品質なメロディックメタルは今回も健在なので買って損はなかったと思っています(アルバム全体のメリハリに欠ける、RussellとJornのスタイルが似ていて上手いボーカルが2人いる強みを活かせていないといったマイナス面としっかり引き継いでいますが…)。iPodでシャッフルして聴いている時に本作の曲が登場するとハッとさせられるのに1枚のアルバムとして聴くと物足りないという意味で「HIGHER」(2003)以降のHAREM SCAREMと似ているかもしれませんね。①の歌詞和訳にもある通り「最終決戦」と訳すことができる「THE SHOWDOWN」という単語をアルバムタイトルにしていることを踏まえると本作がラストアルバムなのかもしれませんが、次回作があるならばきっと買うと思います。

【音源紹介】
・We Will Rise Again

ALLEN-LANDE「THE REVENGE」(2007)

  • 2013/06/04(火) 00:00:00

THE REVENGE
【No.378】
★★★(2007)

FRONTIERS RECORDS主導の単発プロジェクトかと思いきや予想に反して制作されたALLEN-LANDEの第2弾アルバム。前作「THE BATTLE」(2005)から約2年のスパンがあるとはいえ、中心人物のMagnus Karlsson(G/LAST TRIBE)はその間にTony Harnell(Vo/TNT)とタッグを組んだSTRABREAKERのセルフタイトル作、元PRAYING MANTISのシンガーTony O'hora初のソロアルバム「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)に全面参加、Mike Andersson(Vo/CLOUDSCAPE)を中心としたPLANET ALLIANCEにも大きく関わるなどしていたので、Magnusのワーカホリック振りには頭が下がります。FRONTIERSの社長Serafino PerginoLAST TRIBEよりもAORに近い曲を要請されたことからスタートし、誰がシンガーとなるのかわからない状況でソングライティングを進めた前作とは異なり、当初からRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/ex-MASTERPLAN)が歌うことをイメージしてMagnusが書き上げた楽曲群は全体的に1stよりもヘヴィでメタリックな仕上がりとなっているように思います。

「THE BATTLE」がアルバム序盤の畳み掛けで勢いをつけ最後まで聴かせるタイプだったとすれば、今回は聴き進めるにつれて充実感を増していく作品と言えそうです。そんなアルバムのハイライトとなっているのがJornが感情を込めまくって歌い上げる名バラード④Master Of Sorrow。ライナーノーツでMagnus自身も「今まで書いたバラードの中でもベスト」と語るこの曲以降⑤Will You Follow、⑥Just A Dream、⑦Her Spell、⑨Wake Up Callといったキャッチーなアップテンポ、メロハー風のアプローチを取り入れた⑧Gone Too FarWITHIN TEMPTATIONにインスパイアされたというMagnusのコメントも頷けるシンフォニックなミドル⑪Who Can You Trustなど良曲がズラリと並びます。個々の楽曲のインパクトでは前作に分があるかもしれませんが、アルバム全体の完成度では本作が上かもしれません。ラストをしっとり聴かせるバラード⑫When Time Doesn't Healで締める構成もグッド。日本盤ボーナストラックにその⑫のリミックス(アンプラグド)バージョンが収められているのですが、僕としては④の別バージョンを聴きたかったかな…。

というわけで今回も期待に十分応えるだけの逸品ではあるものの地味な印象は拭い切れないし、RussellとJornの共演がケミストリーを起こすことまではできていないという前作の課題はそのままです。それに加えて2003年を最後にLAST TRIBEが活動を停止して以降MagnusがこのALLEN-LANDEで2枚、STARBREAKER「STARBREAKER」(2005)、TONY O'hola「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)、PLANET ALLIANCE「PLANET ALLIANCE」(2006)そして本作発表後にはMark Boals(Vo/RING OF FIRE、ex-YNGWIE MALMSTEEN)と結成したTHE CODEX「THE CODEX」(2007)をリリースするなど、供給過多と言えるほどにアルバムを乱発していることも僕の本作に対する印象に少なからず影響を与えているように思います。当初はLAST TRIBE以外でMagnusの曲が聴けることに興奮していた僕もMagnus絡みのプロジェクトが質は高いが決め手に欠けるものばかりだったこともあって、有難味が薄れてきてしまってるんですよね。数々のプロジェクトに携わる職人ソングライターのようなMagnusの活動スタイルに対して、一定以上の満足感を得ながらも「多忙な中でこれだけ良質な作品を連発できるなら、じっくり腰を据えてアルバムを制作して名盤を生み出してほしい」という複雑な心境になる1枚でもあります。

【音源紹介】
・Master Of Sorrow

ALLEN-LANDE「THE BATTLE」(2005)

  • 2013/05/27(月) 00:00:00

THE BATTLE
【No.377】
★★★(2005)
年間ベスト2005年第9位

Magnus Karlsson(G/LAST TRIBE)が書いた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)が歌うプロジェクトALLEN-LANDEの1stアルバム。とはいえこのプロジェクトを企画したのでは彼等ではなくFRONTIERS RECORDSの社長Serafino PerginoがMagnusにAOR寄りの曲作りをオーダーしたところから始まり、Magnusが作曲を進めるのと平行してFRONTIERSがシンガーを選定した結果RussellとJornに白羽の矢が立ったというのがALLEN-LANDE誕生の経緯のようです。ちなみに上記の2人と言えばRoland Grapow(G/ex-HELLOWEEN)Uli Kusch(Ds/ex-HELLOWEEN)MASTERPLAN結成する際、Russellに加入を要請したものの断られたためJornに打診、結果的にJornがシンガーの座に就いたというエピソードがありましたね。また、このプロジェクトの仕掛人Serafinoは本作と同じ2005年にMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)をフィーチュアしたPLACE VENDOMEのアルバムをリリースするなどしていたので、僕の中で彼に対する注目度が高くなってきたのもこの頃だったと思います。LAST TRIBEのシンガーRickard Bengtssonも作品を重ねる度に成長はしていたものの、Magnusが手掛けた曲をトップクラスのシンガーの歌唱で聴きたいという気持ちがあったのでALLEN-LANDEの話を初めて耳にした時は期待に胸が膨らみました。

このアルバムに収められているのはSYMPHONY Xタイプのネオクラ系プログレメタルでもMASTERPLANのようなパワーメタルでもないサウンドで、曲によってはLAST TRIBEよりもソフトなメロディアスHR/HM路線です。こうしてJornがメロハー系の曲を歌っているのを耳にするとMILLENIUMの傑作「HOURGLASS」(2000) をふと思い出したりしますね。プロジェクト名の影響もあってボーカルに注目が集まりがちですが、Magnusファンとしては楽曲面の充実振りに目が(というか耳が)いきます。軽快なハードロック②Hunter's Night、爽やかなサビメロが冴え渡る③Wish For A Miracle、LAST TRIBE時代には希薄だったメジャー感溢れるバラード④Reach A Little Longer、攻撃的なギターリフとポップなサビの対比が印象的な⑤Come Aliveと続くアルバム前半がハイライトでしょうか。レーベルから「こんなタイプの曲を書いてほしい」と依頼されて、指定された音楽性の枠内でここまでの仕事ができるMagnusの才能には脱帽ですね。

LAST TRIBEの3rd「THE UNCROWNED」(2003)と同じく、スピードに頼らずメロディの良さで勝負するそのスタイルは楽曲の幅が狭くなりがちなので間延び感がしてしまうのは否めませんが、曲毎に取り出して聴けばどれも高品質なものばかり。ただMagnusが作詞作曲を担当しRussellとJornという実力的に申し分ない2人のシンガーが単独で歌い、曲によってはデュエットするというこのプロジェクトに対する事前の期待値からすると物足りなさを感じるというのも事実だったりします。その要因のひとつがプロジェクトの肝であるシンガー2人はそれぞれ素晴らしい歌を聴かせてくれてはいるものの声質が似ているためブックレットを見ないとどちらが歌ってるかわかり難く、コラボレーションによる相乗効果が生まれるには至っていないことでしょうか。この辺りは参加メンバーに対する期待が大きいためハードルが高くなっていることが関連していると思うし、客観的に見れば満足できる作品であることには間違いないんですけどね…。

【音源紹介】
・Wish For A Miracle

【CD購入録】MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

  • 2013/05/23(木) 00:00:00

【CD購入録】
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MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

自身のバンドLAST TRIBEとして3枚のアルバムを発表した後はマルチプレイヤー、コンポーザー、プロデューサーとしても才能を発揮して主にFRONTIERS RECORDSの様々なプロジェクトに携わってきたMagnus Karlsson(G)による初のソロ作品を買いました。LAST TRIBEのアルバムはどれも傑作だったのに対して、その後に乱発気味にリリースされたプロジェクト作品ではFRONTIERSに酷使されるあまり(?)以前ほどの魅力が感じられなかったのですが今回はなかなか良いですね。本作では多くのゲストシンガーを迎えているのも話題のひとつでRussell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)、Ralf Scheepers(PRIMAL FEAR)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Mark Boals(THE CODEX、ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN)、Mike Andersson(PLANET ALLIANCE)、Rickard Bengtsson(ex-LAST TRIBE)といった過去のMagnus関連作品のリードシンガーに加えてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、Herman Saming(A.C.T)、David Readman(PINK CREAM69、VOODOO CIRCLE)も参加しています。またMagnusも3曲でリードシンガーも務めていて、上記のゲストボーカル陣の中にあっても違和感ない歌を披露しています。個人的に一番楽しみだった⑨Last Tribeは曲調、歌詞の両面でLAST TRIBEというバンド名に込められた「自分達がメタルの最後の種族だ」という気持ちが伝わってくるメタル讃歌となっていてニヤリ。こうなってくるとプロジェクトではなくMagnusがイニシアチブを握る正式なバンドが聴きたくなりますね。

【CD購入録】ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

  • 2012/11/27(火) 00:00:00

【CD購入録】
THE SHOWDOWN
ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE etc)が手がけた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/JORN、MASTERPLAN)が歌うスーパープロジェクトALLEN-LANDEの3作目を買いました。音楽性は1st「THE BATTLE」(2005)の頃から不変で、今回も一流アーティスト揃いなだけあって流石のクオリティを誇ってはいるもののマンネリ感は否めないし、RussellとJornの声質が似ているためどちらが歌っているのかわからないという点も相変わらずです。特にRussellとJornの歌が似ているということについては、せっかくシンガーが2人いるのにアルバムクレジットを見ないとどちらが歌っているのかわからないほどなので、何だか勿体なく感じてしまいますね。どちらも熱く歌い上げるタイプなのでコントラストをつけるにはハイトーン系シンガーと組んだ方が効果的だと思うのですが…。個人的には最近SECRET SPHEREに加入したMichele Luppi(Vo/ex-VISION DIVINE)とのコラボが聴いてみたいです。この手のプロジェクトは結成当初は豪華なラインナップが楽しめる反面、バンド感が希薄なのでコンスタントにアルバムが発表されると新鮮味が欲しくなってきてしまうんですよね。

【CD購入録】SYMPHONY X「ICONOCLAST」(2011)

  • 2011/07/06(水) 00:00:00

【CD購入録】
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SYMPHONY X「ICONOCLAST」(2011)

今やネオクラシカル/プログレメタル界の重鎮となった感もあるSYMPHONY Xの8作目を買いました。僕が購入した国内盤は7曲入りのDisc-1、5曲入りのDisc-2という2枚組ですが、Disc-1全曲とDisc-2から2曲を抜粋して曲順も少し変えた9曲入りで1枚仕様の輸入盤もあるようです。前作「PARADISE LOST」(2007)がこのバンドとしてはメロパワ色が強くわかりやすい作風だったのに対して、今回はややキャッチーさが後退した印象ですね。2枚組という形式に敷居の高さを感じましたがRussell Allen(Vo)のパワフルな歌唱、リーダーMichael Romeo(G)を筆頭としたテクニカルな演奏陣が織り成すサウンドはSYMPHONY Xらしさに満ち溢れているので聴き込むにつれて味わいが増してくるのではないかと期待する一方、本作はヘヴィでダークなゴリ押し感が強いようにも思うので期待半分、不安半分という状態です。

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「ANGEL OF BABYLON」(2010)

  • 2011/03/29(火) 00:00:00

ANGEL OF BABYLON
【No.282】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第10位

当初は前編・後編で完結する予定だったもののTobias Sammet(Vo/EDGUY)の創作意欲が止まらなかったため3部作となった「THE SCARECROW」物語のパート3にしてAVANTASIAの5thアルバム。同時リリースされた第2部「THE WICKED SYMPHONY」と同じくバラエティに富んだ、それでいてキャッチーなメロディを持った楽曲が目白押しな充実作です。ゲストシンガーのインパクトではKlaus Meine(SCORPIONS)、Tim Ripper Owens(YNGWIE MALMSTEEN、ex-JUDAS PRIEST)が参加していた前作に一歩譲りますが、本作ではJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)が大きな存在感を放っているし、個性派シンガーJon Oliva(Vo/SAVATAGE)やメタル界を代表するキーボードプレイヤーJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)が参加するなど相変わらずの豪華さを誇っています。

Jornによる説得力抜群の歌唱でスタートした後TobiasにRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)、前作ではギタリストに徹していたOliver Hartmann(Vo/HARTMANN、ex-AT VANCE)が加わってパワフルにせめぎ合い、伸びやかなサビはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)が朗々と歌う①Stargazersは正に「AVANTASIAオールスターズ」と呼ぶべきナンバーで、それに続いて王道を行くメロディックメタル曲②Angel Of BabylonはJensによる特徴的なキーボードソロをフィーチュアしながらスリリングに疾走していきます。オープニングに9分半の長編①とわかりやすいメロパワ②を並べるという入り方は前作と同じですね。また楽曲の多彩さという点で本作は過去最高と思えるほどで、ポップな歌メロがインパクト抜群な③Your Love Is Evil、3rd「THE SCARECROW」収録曲のThe Toy MasterではAlice Cooper(Vo)が演じていたストーリー上のキャラ「トイ・マスター」がJon Olivaの客演で再登場するミステリアスチューン④Death Is Just A Feelingという対照的な2曲、Eric Singer(Ds)による「1、2、3、4!」のカウントで始まりクワイアやシンフォニックな質感を排除しているためラフな仕上がりとなったハードロック⑤Rat Race、AVANTASIAのプロデューサーSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)のペンによるゴシックメタル調をAVANTASIAのツアーに帯同した経験もある女性シンガーCloudy Yangが全編を歌う⑧Symphony Of Life、オールドスタイルなロックサウンドを前に出した⑨Alone I Remember(Jornのパフォーマンスがこれまた素晴らしい)など非常にカラフル。それでいて各曲にはTobias節が貫かれているし、アルバム終盤をEP「LOST IN SPACE PART 2」(2007)にも収録されていた名曲⑩Promised LandBob Catley(Vo/MAGNUM)が希望を感じさせるメロディを優しく聴かせるシンフォバラード⑪Journey To Arcadiaといった「らしい」曲で締めてくれているため「散漫」ではなく「バラエティがメチャクチャ豊富」という印象になっています。ちなみに⑩のEPヴァージョンではTobias、Jorn、Kiskeの3名がボーカルを分け合っていましたが、本作ではTobiasとJornのみが歌うヴァージョンとなっています。

このプロジェクトの初期2作品はアルバムタイトルからして「メタルオペラ」だったのに対して、この「THE SCARECROW」3部作をTobiasは「ロックオペラ」と表現しているとおりメタル色は確実に薄まっているのでメロパワを求めると肩透かしをくらうかもしれませんが、練り上げられた楽曲群はどれも高品質だと思います。気になる点を挙げるとすれば本作のオープニング、エンディング曲がやや尻切れトンボ気味に終わっているのと、今回の3部作はゲーテの「ファウスト」をモチーフにしていながらも内容が抽象的なため物語の情景を思い浮かべながら音楽を聴くというコンセプトアルバムならではの楽しみが味わいにくいことでしょうか。本作ならびに「THE SCRECROW」サーガはストーリーに沿って聴き進めるというよりは、優れた楽曲集として楽しむアルバムという感じですね。

【音源紹介】
・Promised Land(ANGEL OF BABYLON VERSION)

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE WICKED SYMPHONY」(2010)

  • 2011/03/27(日) 00:00:00

THE WICKED SYMPHONY
【No.281】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第9位

今やメロディックメタル界の最重要人物となった感のあるTobias Sammet(Vo/EDGUY)EDGUYと並行して活動を続けるプロジェクトAVANTASIAの4thアルバム。前作「THE SCARECROW」(2008)が完成した時点から続編の存在を明言していたTobiasが溢れるインスピレーションを抑えることなく曲作りを進めた結果、裕にアルバム2枚分のマテリアルが出来上がったため本作と5th「ANGEL OF BABYLON」を同時リリースするという形をとっています。今回も初期2作品のようなメロパワ路線ではなく、曲調の幅を大きく広げた前作の延長線上にある1枚という印象ですね。ゲストシンガーはAndre Matos(ex-ANGRA、SHAMAN)、Bob Catley(MAGNUM)、Jorn Lande(MASTERPLAN)、Michael Kiske(UNISONIC、PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)、Ralf Zdiarstek(他のシンガーと比べて知名度は低いですがAVANTASIAの初期2作品にも参加)という過去作品でも歌っていた顔ぶれに加えて新たにKlaus Meine(SCORPIONS)、Russell Allen(SYMPHONY X)、Tim“Ripper”Owens(YNGWIE MALMSTEEN、ex-JUDAS PRIEST)の3人が参加しています。

何と言っても圧巻なのはアルバム序盤の畳み掛け。プロデューサーSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)と並んでAVANTASIAには欠かせないMiro(Key)が手がける壮大でシンフォニックなイントロに導かれてTobias、Jorn、Russell3人のボーカルが交錯しながらキャッチーなサビへと繋がる9分半の大作①The Wicked Symphonyで幕を開け、Kiskeがキーパー時代HELLOWEEN風のメロパワを歌う②Wastelands、初参加のRipperにピッタリの鋼鉄チューンでTobias自身もJUDAS PRIESTPainkiller風と認める③Scales Of Justice、Klausがカリスマ性抜群の歌声でAVANTASIAの世界をSCORPIONS色に染めてみせた王道ハードロック④Dying For An Angelまでの流れには、Tobiasの卓越した作曲能力と豪華シンガー陣が共演するAVANTASIAの魅力が凝縮されていると思います。それ以降もBobの渋い歌唱が冴えるバラードとして始まりMEATLOAFっぽい劇的展開の中でBobとTobias、Jornが絡み合い、終盤にはKiskeも登場する8分の長編⑥Runaway Train、Jornの独壇場とも思えるオーセンティックなハードロック⑧Forever Is A Long Time、Russellのエネルギッシュボイスと共に駆け抜けるアップテンポ⑩States Of Matterなどは一聴して心を揺さぶられました。

ただ上記楽曲のように即効性のある曲も存在する一方で、メロディックメタルの枠に納まり切らず拡散し続ける楽曲群に戸惑いを感じたのも事実で、正直なところ聴き始めの頃は本作と「ANGEL OF BABYLON」の収録曲の約半数ずつしか気に入っていなかったので「2枚にする必要もなかったのでは…」と思っていた僕ですが、リピートするうちにどんどん引き込まれていきました。これだけ豪華な歌い手が揃う作品でありながら聴きどころをゲストに持っていかれることなく常に曲の良さが耳を捉え、しかもゲストシンガーの特性を活かした楽曲を次々と生み出すTobiasのソングライティングスキルの高さこそがAVANTASIAの肝ですね。ちなみに前作のMVPシンガーがJorn Landeだとすれば本作のMVPはKlaus Meineでしょう。参加曲は④のみながら独特の艶と張りのある歌声で圧倒的な存在感を放っています。また本作には日本盤ボーナストラックとして前作のシングル曲Lost In Spaceのライブが本編終了後に収録されていますが「THE WICKED SYMPHONY」と「ANGEL OF BABYLON」という連続性のある音世界に浸る際の妨げとなっていると思うので「ANGEL OF BABYLON」のラストにまとめて欲しかったかな。「ライブテイクが聴けるのは嬉しいけれど作品の構成的にはありがた迷惑かも」という意味でSENTENCEDの遺作「FUNERAL ALBUM」(2005)を思い出してしまいました(苦笑)。

【音源紹介】
・Dying For An Angel

【CD購入録】RUSSELL ALLEN'S ATOMIC SOUL「RUSSELL ALLEN'S ATOMIC SOUL」(2005)

  • 2010/08/07(土) 00:00:00

【CD購入録】
ATOMIC SOUL
RUSSELL ALLEN'S ATOMIC SOUL「RUSSELL ALLEN'S ATOMIC SOUL」(2005)

プログレメタル界の雄SYMPHONY Xのフロントマンで、最近はALLEN-LANDEAYREON、TOBIAS SAMMET'S AVANTASIAなどの課外活動も目立つようになってきたRussell Allen(Vo)初のソロアルバムを買いました。ゲストにMichael Romeo(G)、Michael Pinnella(Key)のSYMPHONY X組、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS)らが参加しているのでシンフォニックでプログレッシブなメロディックメタルを想像していたのですが、本作はシンプルでストレートなハードロック作品となっていて僕は何曲かで初期GOTTHARDを思い出しました。購入前に期待していた音像と異なるため聴き始めは戸惑ってしまいましたが、リピートしているうちに説得力あるRussellのボーカルに魅せられてしまう1枚ですね。エンディングでRussellのシャウトが炸裂する⑥Seasons Of Insanity、Michael Pinnellaのピアノが優雅に舞う爽やかなロックチューン⑩We Will Fly、Michael RomeoとJensが参加しているDEEP PURPLEタイプのハードロック⑪Atomic Soulがお気に入りです。