CHILDREN OF BODOM「TOKYO WARHEARTS LIVE IN JAPAN 1999」(1999)

  • 2014/06/21(土) 00:00:00

TOKYO WARHEARTS LIVE IN JAPAN 1999
【No.399】
★★★★(1999)
年間ベスト1999年第3位

暴虐のブラックメタルと美麗なネオクラシカルエッセンスを融合させた「SOMETHING WILD」(1998)で衝撃的なデビューを飾り、2nd「HATEBREEDER」(1999)で更なる進化を遂げたCHILDREN OF BODOMIN FLAMESをメインアクトにしてSINERGYと共に初来日を果たした模様を収録したライブアルバム。当日のライブに参戦した方々の間ではメインのIN FLAMESを食ってしまうほど素晴らしいパフォーマンスだったという評判のようですが、本作を聴くとそんな高評価にも納得できますね。ちなみにSINERGYは1999年にデビューしたヘヴィメタルバンドで女性シンガーKimberly Gossの確かな歌唱力とルックスのインパクトに加えてIN FLAMES、CHILDREN OF BODOMそれぞれの中心人物Jesper Stromblad(G)、Alexi Laiho(G)が在籍していたり、当時AlexiとKimberlyが恋人関係にあったことなどから注目を集めていましたが後にAlexi達は関係を解消、バンドも3rd「SUICIDE BY MY SIDE」(2002)を最後に消滅しています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Intro(アメリカのテレビドラマ「マイアミ・バイス」のテーマを基にしたイントロ)
02. Silent Night, Bodom Night(2nd「HATEBREEDER」)
03. Lake Bodom(1st「SOMETHING WILD」)
04. Warheart(2nd「HATEBREEDER」)
05. Bed Of Razors(2nd「HATEBREEDER」)
06. War Of Razors(ギター/キーボードソロ)
07. Deadnight Warrior(1st「SOMETHING WILD」)
08. Hatebreeder(2nd「HATEBREEDER」)
09. Touch Like Angel of Death(1st「SOMETHING WILD」)
10. Downfall(2nd「HATEBREEDER」)
11. Towards Dead End(2nd「HATEBREEDER」)

バンドのマスコットキャラである死神(?)がアニメ調にデフォルメされ、ゴジラらしき怪獣と対峙するアルバムジャケットには思わず苦笑いしてしまいますが肝心の内容はというと、デビュー2年目の初来日で早くもライブ盤リリースするというバンドの勢いをそのまま反映させた熱い1枚となっています。選曲面についても彼等のライブに欠かせない②Silent Night, Bodom Night、⑩Downfallといった2ndからの曲を中心に、デビュー作の美味しいところも押さえていて初期ベスト盤と言っても差し支えないほど充実しています(唯一の不満はバンド名を冠したChildren Of Bodomが入っていないことくらい)。またライブ盤でありながらスタジオアルバム以上に音が良く、超絶テクニックを見事に再現してしまうどころかオリジナルよりも更に速くアグレッシブなバージョンとなっている点も見逃せません。

そんなバンドの中心にいるのはやはりAlexiとJanne Wirman(Key)の2人。⑥War Of Razorではソロバトルを繰り広げているほか僕の大好きな⑧Hatebreeder、⑪Toward Dead Endを筆頭にどの曲も本作のバージョンを聴いてしまうとスタジオ盤には戻れないほどカッコいい仕上がりになっています。CHILDREN OF BODOMは本作以降も加速度的に成長を続け、バンドとしての成熟振りを記録したライブDVD、2CD「CHAOS RIDDEN YEARS - STOCKHOLM KNOCKOUT LIVE」(2006)もリリースしていますが僕はバンドの熱い初期衝動を収めた本作の方が好きですね。

【音源紹介】
・Towards Dead End(Live)

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA:AROUND THE WORLD IN TWENTY DAYS-LIVE-」(2011)

  • 2013/04/28(日) 00:00:00

THE FLYING OPERA
【No.373】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第9位

Tobias Sammet(Vo/EDGUY)の「自分が憧れたアイドル達と一緒にアルバムを制作したい」という無邪気な発想から誕生し、豪華なゲストシンガー陣が名を連ねた話題性と歌い手の魅力を引き出すTobiasの類い稀なるソングライティングなどから大成功を納めたプロジェクトAVANTASIA初となる2008年のTHE SCARECROW WORLD TOURの模様を収録したライブ作品。僕が持っているのは2DVD、2CD仕様の初回限定盤です。Tobias自身も実現できないと思っていたAVANTASIAツアーの基本メンバーは2003年頃からEDGUYのプロデュースに携わるようになり今回のツアー実現の重要なキーマンともなったSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)CENTERS~AT VANCE時代は優れたシンガーとして知られていましたが自身のバンドHARTMANNやAVANTASIAでは素晴らしいギタリストでもあることを世に知らしめたOliver Hartmann(G、Vo)、自らもAINAなるロックオペラを主宰するRobert Hunecke(B/ex-HEAVEN'S GATE)RHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)、KAMELOTといったパワーメタルバンドのプロデュースをSaschaと共に手掛けているMiro(Key)、EDGUYでTobiasと活動を共にしているFelix Bohnke(Ds)、AVNATASIAの音世界に欠かせない女性バッキングボーカルにAmanda Somerville、Cloudy Yangといった顔ぶれです(Amandaはリードボーカルも担当)。そして注目のゲスト陣には濃厚な歌声と体格で圧倒的な存在感を放ちながら厳つい表情で熱唱するだけでなく、メロディを乗せたMCで観客を煽る姿が正に「歌鬼」なJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)、全てのスタジオ盤に参加していたものの残念ながらツアー参加は実現しなかったMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)と自分がアルバムで歌っていたパートを担当しているAndore Matos(Vo/ex-ANGRA)、まるで「おじいちゃん」のような外見からは想像できないパワフルボイスを大仰な手振りに合わせて響かせるBob Catley(Vo/MAGNUM)、アルバムではAlice Cooper(Vo)が担っていた邪悪なキャラクターを見事に演じてみせたKai Hansen(Vo、G/GAMMA RAY)、AVANTASIAの初期2作品でギタリストを務めたHenjo Richter(G/GAMMA RAY)といった面々を迎えています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Twisted Mind(「THE SCARECROW」)
02. The Scarecrow(「THE SCARECROW」)
03. Another Angel Down(「THE SCARECROW」)
04. Prelude/Reach Out For The Light(「THE METAL OPERA」)
05. Inside(「THE METAL OPERA」)
06. No Return(「THE METAL OPERA PART2」)
07. The Story Ain't Over(EP「LOST IN SPACE PART2」)
08. Shelter From The Rain(「THE SCARECROW」)
09. Lost In Space(「THE SCARECROW」)
10. I Don't Believe In Your Love(「THE SCARECROW」)
11. Avantasia(「THE METAL OPERA」)
12. Serpents In Paradise(「THE METAL OPERA」)
13. Promised Land(EP「LOST IN SPACE PART2」)
14. The Toy Master(「THE SCARECROW」)
15. Farewell(「THE METAL OPERA」)
16. Sign Tf The Cross/The Seven Angels(Medley)(「THE METAL OPERA」、「THE METAL OPERA PART2」)

そんな参加メンバーの紹介だけでかなりの文章量になってくるAVANTASIA初のライブ作品はドイツで毎年開催されているヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIR、チェコで行われたMONSTERS OF ROCKという2公演のテイクからなるセットリストで構成されていて、個人的には1st~3rdまでのベスト盤と言いたくなるくらい充実していますね(個人的にはBobのジェントルボイスが映える隠れた名曲⑦The Story Ain't Overが収録されているのが高ポイント)。曲によっては10人以上がステージに登場するなどしてAVANTASIAの壮大な世界観を再現しているだけでなく、ライブならではの熱さがスタジオ盤以上の魅力を放っている場面も少なくありません。中でもSascha、Oliverの叙情ギターソロから激情に満ちたTobiasとJornのボーカルバトルへと雪崩れ込んでいく②The Scarecrowは圧巻の一言。また⑩I Don't Believe In Your Loveはアルバムを聴いている時は印象の薄い曲でしたが、ライブバージョンを聴いてカッコいいハードロックソングだと気づきました。

本作はライブ本編とTobiasのロングインタビュー/ドキュメンタリーからなるDVD2枚、DVDと同じライブ音源を収めたCD2枚セットの仕様だけでなく、DVDまたはCDのみのフォーマットも存在しますが個人的にはDVDの方が断然楽しめましたね。理由は大きく2つあって、ひとつはBob、Jorn、Oliver、Sascha & Miroといった(日本で映像作品をほとんどリリースしていない)ミュージシャンの姿やライブ中にTobiasが見せるイキイキとした表情を観ることができた点。そしてもうひとつは、AVANTASIA誕生の経緯や初のPVが制作されたシングルLost In Spaceの誕生秘話や、それをWACKENで演るかどうかの葛藤などスタジオ作品を聴いているだけではわからないAVANTASIAの裏側に迫るインタビューが実に興味深いということです。抜群の作曲能力と歌唱力、アクティブなステージアクションやライブ運びの上手さに加えて多くの先輩ミュージシャンをAVANTASIAに参加させる人柄に至るまでTobiasは才能に溢れた人物だとつくづく感じますね。そんな才能に恵まれながらも決しておごることなく周囲への感謝の気持ちを忘れないTobiasの言動は素晴らしいと思うし、僕のわずか1歳年上の彼が自分の夢を叶えている姿には胸を打たれました。ハイライトは⑮FarewellでWACKENの大観衆(公称10万人)が一体になっているのをステージから見て感激しているTobiasの表情でしょうか。Tobiasと僕の間には直接的な繋がりはないし、住んでいる世界が全く違うのですが本作を観ていると自分も家族や仕事のために自分にできることを頑張ろうという気持ちにさせてくれます。現時点での最新作「THE MYSTERY OF TIME」(2013)のライナーノーツには「THE SCARECROW」3部作完成後に本作を発表してAVANTASIAは幕を降ろす予定だったとの記載があり、Tobiasもインタビューでツアーを再び実現させるのは難しいという見解を示していましたが、ご存知の通りAVANTASIAは2011年、2013年にもワールドツアーを実現させています。本作には参加していないMichael Kiske(Tobiasは12歳の時にKiskeの歌を聴いてシンガーを目指すようになったのだとか)も帯同したライブも是非DVD化してもらいたいですね。

【音源紹介】
・Farewell(Live)

GOTTHARD「HOMEGROWN - ALIVE IN LUGANO」(2011)

  • 2012/10/05(金) 00:00:00

HOMEGROWN ALIVE IN LUGANO
【No.346】
★★★★(2011)

2代目シンガーにNic Maeder(Vo)を迎えた新作「FIREBIRTH」(2012)でバンドの第2章がスタートしたGOTTHARDが2010年10月5日に逝去した希代のフロントマンSteve Lee(Vo)を擁するラインナップとしては、おそらく最後となったであろう公演の模様を収録したライブアルバム。本作は2010年7月17日にバンドの故郷であるスイスはルガーノで行われたライブパフォーマンスを収めたCDと1999年の末に全く同じ場所で行われたミレニアム・カウントダウンコンサートからのテイク4曲とSteveを除くメンバーのインタビューを収録したDVDの2枚組仕様となっています。あまりにも早過ぎる、そして突然だったSteveの死後にリリースされた作品ということもあり、どうしても彼の歌声に集中して聴いてしまうのですが抜群の安定感を保ちつつライブならではの熱さもしっかり感じさせてくれる絶品歌唱はこれまでと同じく僕を魅了してくれます。また歌唱力だけではなく⑥Hushで見られるような観客を巧みに煽るステージングも素晴らしく、ライブで彼の姿を観ることができなかったことが残念でなりません…。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Intro
02. Unspoken Words(9th「NEED TO BELIEVE」)
03. Gone Too Far(8th「DOMINO EFFECT」)
04. Top Of The World (6th「HUMAN ZOO」)
05. Need To Believe(9th「NEED TO BELIEVE」)
06. Hush(1st「GOTTHARD」)
07. Unconditional Faith(9th「NEED TO BELIEVE」)
08. Acoustic Medley 2010(Sweet Little R'R'~Angel~One Life One Soul)
09. Shangri La(9th「NEED TO BELIEVE」)
10. I Don't Mind(9th「NEED TO BELIEVE」)
11. Heaven(5th「HOMERUN」)
12. The Oscar Goes To...(8th「DOMINO EFFECT」)
13. Lift U Up(7th「LIPSERVICE」)
14. Leo vs. Steve(Guitar/Vocal Solo)
15. Sister Moon(3rd「G.」)
16. Anytime Anywhere(7th「LIPSERVICE」)
17. The Train(未発表曲)

本作のセットリストは結果的にSteveの遺作となった9th「NEED TO BELIEVE」(2009)からの楽曲を軸に④Top Of The World、今やSteveを追悼する特別な1曲となった⑪Heaven(「ONE FOR ALL ALL FOR ONE 東日本大震災チャリティ・アルバム」に先行収録されていたテイク)など、ロック/バラード両方の代表曲を交えた構成となっています。まずは文字通りライブのイントロとなる①Introの後にガツンとかましてくれるインパクト抜群のロックチューン②Unspoken Wordsからして最高にカッコいいですね(その次に配された③Gone Too Farも絶妙)。新作からの楽曲と過去の名曲が違和感なく溶け込んでいるばかりか、バンド初期のタフでハードな質感を強めた9thの収録曲がライブでは更に生き生きと聴こえてくる点も見逃せません。ギターバトルをフィーチュアした⑩I Don't Mindはその最たる例ではないでしょうか。歌唱だけではなく演奏面でも安定感とまとまりがあって優れたライブアクトとして知られるGOTTHARDのパフォーマンスがしっかり収められた1枚だと思います。オリジナルとは一味違うアレンジで聴かせる⑧Acoustic MedleyLeo Leoni(G)とSteveによるライブならではの即興っぽい絡み⑭Leo Vs Steveからブルージーな⑮Sister Moonに続く流れなどからは20年近く活動を続けてきたベテランならではの円熟味が感じられますね。

なお本作にはスタジオ新曲として⑰The Trainが収録されています。この曲は「HEAVEN - BEST OF BALLADS PART 2」(2011)収録の爽やかさと清涼感に溢れたWhat Am Iと同じく制作予定だったアコースティック作品「D FROSTED Ⅱ」用に書かれていたナンバーだそうで、こちらの方はメロディがじんわりと胸に沁みる佳曲です。また付属DVDもファンとして見逃せない内容となっていて、今回のルガーノ公演にまつわるエピソードやSteveの思い出を語る各メンバーのインタビューを見ると、いかにSteveが愛されていたか、GOTTHARDというバンドの絆がどれほど強固だったのかが伝わってきます。そのインタビューによると、本作はSteveの命日である10月5日にリリース予定だったようですが国内盤、輸入盤のどちらも9月に発売されています。作業などの関係で後ろにずれ込むのは理解できますが、早く発売することになったのは大人の事情があったからでしょうか。このバンドのファンならばマストアイテムだし、ライブ作品として流石のクオリティを誇っていると思うので、このバンドを知らない方にも是非聴いてもらいたい1枚ですね。

【音源紹介】
・The Train

HAREM SCAREM「RAW AND RARE」(2008)

  • 2012/09/15(土) 00:00:00

RAW AND RARE
【No.344】
★★(2008)

10thアルバム「HUMAN NATURE」(2006)リリース後にD.C. Cooper(Vo/ex-ROYAL HUNT)率いるメロディックメタルバンドSILENT FORCEとのやや異色なカップリングという形で約5年振りの来日が決定したHAREM SCAREMでしたが、来日公演の2ヶ月前に「もう1枚のスタジオアルバムを制作した後にバンドはそれぞれ別の道を進むことを決めた。今回のツアーが最後の公演となる」とHarry Hess(Vo)が電撃発表してファンを驚かせました。本作は来日ツアーから約1ヶ月後の2007年10月27日に英国ノッティンガムで開催されたメロディックロックの祭典「FIREFEST Ⅳ」に出演した事実上のラストライブを全曲収録した作品で、バンド通算5枚目となるライブ盤です。内容は当日の模様に加えて、映像と音は良いとは言えませんが1994年の「MOOD SWINGS TOUR」からの12曲やバックステージ、最終公演前に行われたインタビューなどの貴重映像を収録したDVDと「FIREFEST」の音源をそのまま収めたCDの2枚組となっています。「FIREFEST」の映像を見て、まず感じたのはHarryを始めとする各メンバーの表情がラストライブだとは思えないほどリラックスしているということ。ベーシストBarry Donaghyに至っては「巨根」とプリントされた黒Tシャツという出で立ちです(苦笑)。最終公演当日のインタビューでも「I quit the band now I just play with myself」と書かれた赤いTシャツを着ていたBarryは、こういうのが好きなんでしょうね。

【トラックリストと収録アルバム】
LIVE AT FIREFEST Ⅳ
01. Dagger(9th「OVERLOAD」)
02. Human Nature(10th「HUMAN NATURE」)
03. Caught Up In Your World(10th「HUMAN NATURE」)
04. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
05. With A Little Love(1st「HAREM SCAREM」)
06. Killing Me(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
07. If There Was A Time(2nd「MOOD SWINGS」)
08. Don't Come Easy(9th「OVERLOAD」)
09. Voice Of Reason(3rd「VOICE OF REASON」)
10. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
11. Karma Cleansing(4th「BELIEVE」)

1994 MOOD SWINGS TOUR
01. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
02. Empty Promises(2nd「MOOD SWINGS」)
03. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
04. Sentimental Blvd.(2nd「MOOD SWINGS」)
05. If There Was A Time(2nd「MOOD SWINGS」)
06. Mandy(2nd「MOOD SWINGS」)
07. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
08. Distant Memory(1st「HAREM SCAREM」)
09. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
10. Stranger Than Love(2nd「MOOD SWINGS」)
11. Guitar Solo
12. Had Enough(2nd「MOOD SWINGS」)

同年9月に行われた最後の来日公演では「FIREFEST」と同じ11曲の他にも1st「HAREM SCAREM」(1991)収録のHard To Love、Honestly、2nd「MOOD SWINGS」(1993)収録のChange Comes Aroundといったバンド初期の人気ナンバーもプレイしたようですが「FIREFEST」のセットリストを見る限り、これを最終公演とするにはかなり微妙な選曲ですね…。バンドの歴史を総括する趣向が凝らされているわけではないし①Dagger、②Human Natureという佳曲ではあるが掴みとしては強力と言い難い前作「OVERLOAD」(2005)と最新作収録の2曲からライブがスタートしていることもあって、このツアーが新作を出した後に行うライブ以上でも以下でもないという印象が強いです。それに加えて演奏と歌の両方が淡泊なのも気になりますね。音圧の低いパワーポップに傾倒していた「LAST LIVE」(2000)、バンド名をHAREM SCAREMに戻してハードロックの質感を強めていた「LIVE AT THE GODS」(2002)という最近のライブ盤2作品でそうだったように、このバンドはその時に目指している音楽性がライブに反映されることが多かったのですが、その傾向は本作にも見られるように思います。堅実かつ無難である反面エキサイトメントに欠け、どうにも熱くなれないんです…。

そんな僕にとっては特典映像の「1994 MOOD SWINGS TOUR」の方が数段魅力的だったりします。映像自体は会場の後方から固定カメラで撮影されたものなので画面下半分は観客で隠れ、メンバーの姿は上半身しか見えませんが今のバンドが失ってしまったエネルギーと緊張感に溢れています。世界で最もHAREM SCAREMを評価していたと言っても過言ではない日本では、特に人気の高い2nd「MOOD SWINGS」(1993)を完全再現するとか、RUBBER期を含めた全作品からのベストライブを行うなどのファンサービスをして欲しかったですね。グランジ寄りのサウンドからパワーポップまで音楽面ではその時々に興味を持ったサウンドを積極的に取り込み、毎回一定レベル以上のアルバムを作り上げる器用さを持っていたバンドですが、ファンの心を掴むことに関しては不器用だったと言わざるを得ません。これがラストツアーであることなどお構いなしに自然体で素のライブ収めたパートを「RAW」、1994年の秘蔵ライブ映像などで構成されるパートを「RARE」と考えると本作のタイトルにも納得できるものの、メインである「RAW」パートを見ても感慨深くなることがなく魅力薄だというのがファンとして何とも歯痒いですね。

・Human Nature(Live)


・Saviors Never Cry(Live)

本作とは異なるテイクです。

【CD購入録】STRATOVARIUS「UNDER FLAMING WINTER SKIES: LIVE IN TAMPERE」(2012)

  • 2012/08/19(日) 00:00:00

【CD購入録】
UNDER FLAMING WINTER SKIES LIVE IN TAMPERE
STRATOVARIUS「UNDER FLAMING WINTER SKIES: LIVE IN TAMPERE」(2012)

5th「EPISODE」(1996)からSTRATOVARIUSに加入、その後は当時のリーダーTimo Tolkki(G)との確執で一時的にバンドを離れたこともありましたが13th「ELYSIUM」(2011)までの全アルバムでドラムを叩いてきたJorg Michael(Ds)のフェアウェルツアーからフィンランドのタンペレ公演を収めたライブ盤を買いました。本作はDVD+2CD仕様の国内盤も出ていますが、僕は2CDのみの輸入盤を選択。なおDVDには脱退することになったJorgのスピーチとドキュメンタリー映像が含まれているようです。中身の方は長年ヨーロピアンメタルの王者として君臨してきたことも頷ける流石の出来栄えです。本作のセットリストはJorg在籍時の楽曲のみで構成されていますが、そのままベスト盤としても機能しそうなほどの充実振り(「ELEMENTS PART2」収録のDisc-1②I Walk To My Own Songは少し意外でしたが)。前任ドラマーのTuomo Lassilaはバンドの名付け親であり、リーダーを務めたこともありましたがSTRATOVARIUSのドラマーといえば、やはりJorgですね。長い間お疲れ様でした!なおバンドは既に後任にRolf Pilve(Ds/STATUS MINOR etc)を迎えています。

HAREM SCAREM「LIVE AT THE GODS」(2002)

  • 2012/08/07(火) 00:00:00

H SCAREM LIVE GODS
【No.339】
★★★★(2002)

バンド名をRUBBERからHAREM SCAREMに戻して発表した「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)はRUBBER時代の迷走っぷりを払拭する傑作でした。そんな名実ともの復活作をリリースしたHAREM SCAREMが2002年に英国で開催されたメロディックロックイベント「THE GODS 2002」に出演した時の模様を収めたライブ作品。バンドは2008年に解散するまでに5枚ものフルレンスライブ盤を発表していますが、その中でも僕が最も気に入っているのが本作です。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
02. Killing Me(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
03. Stuck With You(6th「RUBBER」)
04. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
05. Who-Buddy(6th「RUBBER」)
06. You Ruined Everything(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
07. This Ain t Over(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
08. See Saw(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
09. If You(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
10. Warming A Frozen Rose(3rd「VOICE OF REASON」)
11. How Long(1st「HAREM SCAREM」)
12. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
13. Outside Your Window(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
14. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
15. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
16. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)

セットリストは最新作を中心に、メンバー自身が「気に入っていない作品」と公言している4th「BELIEVE」(1997)とRUBBER名義の「ULTRA FEEL」(2001)を除く全作品からバランス良く16曲が選曲されています。ライブのオープニングを飾る名曲①Change Comes Aroundを筆頭に④Hard To Love、⑫Honestly、⑭So Blind、⑯No Justiceといった代表曲をしっかり押さえているだけでなく今回初めてライブ盤に収録される⑪How Longのような曲もあって個人的にはかなり満足度の高いセットリストになっています。中でもスタジオ盤以上に力強いHarry Hess(Vo)の歌唱とPete Lesperanceのギターのみというシンプルなアレンジで圧巻のパフォーマンスを披露してくれる⑫は鳥肌ものです。また僕があまり好きになれなかった2作品からの楽曲に関しても、ダークでヘヴィな印象が強かった「VOICE OF REASON」(1995)収録曲は躍動感を増し、シンプルなサウンドを目指すあまりに音が軽くなっていた「RUBBER」(1999)収録曲はエッヂの効いたロックサウンドを強化したライブバージョンとなっていて好印象。

本作を聴いているとHAREM SCAREMがどれほど素晴らしい曲をたくさん生み出してきたか、そして最新作にはグレイテストヒッツ的なセットリストの中でも遜色ないほどの楽曲が並んでいたことを思い知らされますね。内容的にはHAREM SCAREMがこれまでに歩んできた道の集大成とも呼べる1枚なのでベストアルバムとしても機能しそうだし、このバンドは作品によって微妙に(時には大きく)音楽性が異なるので、統一感のあるサウンドで各アルバムからの曲を聴くことができる本作は入門盤にも最適だと思います。

【音源紹介】
・Honestly(Live)

HAREM SCAREM「LAST LIVE」(2000)

  • 2012/07/21(土) 00:00:00

LAST LIVE
【No.336】
★(2007)

6th「RUBBER」(1999)リリースに際して、日本以外ではバンド名をHAREM SCAREMからRUBBERに変更して活動していくことを発表し、ファンを驚かせたHAREM SCAREMの通算3枚目となるライブアルバム。本作は1999年11月~12月にかけて過去最大規模で行われた来日公演からのテイクを収めたものですが、その来日後に創設メンバーでもあるDarren Smith(Ds)の脱退と日本でもRUBBERと名乗ることをアナウンスしたため、HAREM SCAREMとしては最後のライブとなることから「LAST LIVE」というタイトルがつけられています(2002年にはHAREM SCAREM名義を復活させることになるわけですが)。なおバンドは来日記念盤として新曲2曲を含むバラードベスト「BALLADS」(1999)をリリースしています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Stuck With You(6th「RUBBER」)
02. Turn Around(5th「BIG BANG THEORY」)
03. It's Gotta Be(6th「RUBBER」)
04. Headache(6th「RUBBER」)
05. Coming Down(6th「RUBBER」)
06. Climb The Gate(5th「BIG BANG THEORY」)
07. Sunshine(6th「RUBBER」)
08. Without You(シングル「SO BLIND」)
09. Pool Party(6th「RUBBER」)
10. Trip(6th「RUBBER」)
11. Face It(6th「RUBBER」)
12. Who-Buddy(6th「RUBBER」)
13. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
14. Lauralie(未発表曲)
15. Another Nail For My Heart(未発表曲。SQUEEZEのカバー)

このライブ盤に関して、まず触れておかなければならないのは収録曲が5th「BIG BANG THEORY」(1998)と「RUBBER」期からのみ選ばれたという事実でしょう。このバンドはこれまでもデビュー作「HAREM SCAREM」(1991)~3rd「VOICE OF REASON」(1995)の3枚から選曲した「LIVE IN JAPAN」(1996)、4th「BELIEVE」(1997)収録曲を軸に初期の名曲を厳選した「LIVE AT THE SIREN」(1997)という収録曲がほとんど重ならない2枚のライブ作品を発表していたので今回も既発のライブ盤に入っていない曲が多くなるのではと予測していましたが、ここまで徹底するとは驚きました。当日のライブでは他のアルバムからの曲もプレイしたにもかかわらず、ライブアルバム収録曲をここ最近の2作品に絞っている点はHAREM SCAREM時代との決別宣言のように受け取れますね。

かつては「カナダの技巧派集団」と称されるなど、そのライブパフォーマンスにも定評があったのに対して本作では「RUBBER」の雰囲気を継承して肩の力を抜いたライブとなっているように感じます。ロックバンドとしてのエナジーや迫力といったものは皆無に等しく、従来のバンド像を期待すると拍子抜けしてしまうこと必至だと思います。そんな緩さは「BIG BANG THEORY」からの楽曲にも如実に表れていてスタジオ盤よりも大人しく感じられてしまうのが残念。「RUBBER」を試聴した時点で購入をためらってしまい、バンドがHAREM SCAREMに名義を戻してから後追いでRUBBER期の作品をチェックした僕としては、このアルバムにも①Stuck With You、⑫Who-Buddy、⑬So Blindといったお気に入りナンバーは確かに収録されているものの、それ以上に当時のバンドが従来のハーレムサウンドを払拭して新しいバンドRUBBERになったことをアピールするのに躍起になっているような印象が強くて素直に楽しめなかったりするんですよね。というわけでHAREM SCAREMの作品群の中でもデビュー作や2nd「MOOD SWINGS」(1993)、4th辺りを好む僕には厳しい内容である半面、「RUBBER」が好きだという人は結構ツボにはまるかもしれません。なお本作には2つのスタジオ曲が追加されていて、Pete Lesperance(G)がリードボーカルを担当した⑭Lauralieは明るい曲調がメインだった「RUBBER」のナンバーとは味わいの異なるゆったり系のミッドテンポ、もうひとつの⑮Another Nail For My HeartSQUEEZEなるバンドのカバーで当時のHAREM SCAREMにぴったりのポップロックチューンです。

【音源紹介】
・Who-Buddy(Acoustic Live)

本作とは異なるテイクです。

【CD購入録】GALNERYUS「PHOENIX LIVING IN THE RISING SUN」(2012)

  • 2012/07/19(木) 00:00:00

【CD購入録】
PHOENIX LIVING IN THE RISING SUN
GALNERYUS「PHOENIX LIVING IN THE RISING SUN」(2012)

2003年に「FLAG OF THE PUNISHMENT」でデビューして約10年が経過しようとしている今では日本のメタルシーンを牽引するほどの存在となったGALNERYUSの通算4作目となるライブDVDを買いました。2代目シンガー小野 正利加入後だけで早くも2枚目のライブ作品となる本作は「RAISE YOUR FLAG AGAIN TOUR 2011」のファイナルを飾った渋谷公演を収めたDVD-1、2012年2月に敢行した韓国公演から7曲、RAISE YOUR FLAG AGAIN TOUR 2011の大阪公演ダイジェストとFuture Never Dies「絆」のPVが楽しめるDVD-2に加えてDVD-1と同音源を異なるミックスで仕上げた2枚組CDも付属する豪華4枚組仕様です。それでいて定価は4,800円、しかもAmazonではそれより1,000円以上安い価格だったのも購入の決め手でしたね。本作のメインである渋谷でのライブは6th「RESURRECTION」(2010)以降のアルバム収録曲を中心にそれ以前の名曲を織り交ぜたセットリストで文句なし。ただ、ご本人もゆるーいMCで語っている通り、小野さんに疲れがあったのか高音域が苦しそうな場面もチラホラ…(DVD-2の方が調子が良いような気もします)。それでもなお伸びやかなハイトーンには聴き惚れてしまうし、演奏陣も流石のプレイで魅了してくれましたけどね。というわけでファンならば必見、ボリューム満点なのでファンならずともお買い得感のある作品だと思います。

HAREM SCAREM「LIVE AT THE SIREN」(1998)

  • 2012/06/13(水) 00:00:00

H SCAREM LIVE SIREN
【No.332】
★★★(1998)

カナダ産ハードロックバンドHAREM SCAREMが4thアルバム「BELIEVE」(1997)発表後に敢行した地元カナダでのツアーの模様を収めたバンド通算2作目のライブ作品。4枚のスタジオアルバムに対してライブ盤が2枚というのは多すぎる気もしますが、ライブパフォーマンスには定評のある彼らだけあって内容的には流石のクオリティを備えています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Believe(4th「BELIEVE」)
02. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
03. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
04. Morning Grey(4th「BELIEVE」)
05. Staying Away(4th「BELIEVE」)
06. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
07. Baby With A Nail Gun(4th「BELIEVE」)
08. Cages(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
09. Rain(4th「BELIEVE」)
10. Karma Cleansing(4th「BELIEVE」)
11. Surrender(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
12. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
13. Table Turning(未発表曲)
14. New Religion(未発表曲)

前回のライブ盤「LIVE IN JAPAN」(1996)とできるだけ重複しないように選ばれたライブトラックは、12曲中9曲が最新作からという偏ったセットリストとなっています(⑧CagesCHEAP TRICKのカバー⑪Surrenderの2曲は「BELIEVE SPECIAL EDITION」に収録)。「BELIEVE」は過去3枚のHAREM SCAREMサウンドをミックスしたような作品だったし①Believe、③Die Off Hard、⑤Staying Away、⑦Baby With A Nail Gun、⑨Rainといった僕のお気に入り曲はしっかり押さえてくれているので、新作偏重の選曲はあまり気になりませんでした。スタジオ盤でDarren Smith(Ds)がリードボーカルを務めていた⑤はライブでもDarrenがパワフルな歌声を披露していて、Harry Hess(Vo)はバックボーカルに専念しています。そしてバンドの代表曲で名バラードの⑥Honestlyや名盤「MOOD SWINGS」(1993)収録の②Saviors Never Cry、⑫Change Comes Aroundといった初期作品の名曲がきっちり収録されているのも嬉しいところ。Change Comes Aroundは他のライブ作品だとオープニングに収録されていますが、ドラマティックな曲展開を持つこの曲は終盤に演奏した方が感動的だと思いますね。

メンバー全員が歌えるバンドという強みを活かしてスタジオ盤同様の分厚いコーラスハーモニーを見事に再現しているだけでなく、演奏面でも安定感があるので安心して聴いていられる1枚です。総合的には2002年発表のライブ盤「LIVE AT THE GODS 2002」に軍配が上がりますが、あちらには「BELIEVE」からの曲は全く収録されていないのでファンとしては両方聴いて損はないと思います。また新曲も2曲収録されていて、⑬Table Turningは次作「BIG BANG THEORY」(1998)にも収録されるパワーバラード、⑭New Religionはオリジナルアルバムで聴くことはできませんが後にシングルカットされたほか、バンド初のベスト盤「THE BEST OF」(1998)にリミックスバージョンが収録されているロックソングの佳曲です。

【音源紹介】
・Honetly(Live)

HAREM SCAREM「LIVE ONES」(1997)

  • 2012/06/05(火) 00:00:00

LIVE ONES
【No.331】
★★(1997)

2nd「MOOD SWINGS」(1993)のヒットを受けて本国カナダから約3年遅れでリリースされた1st「HAREM SACREM」(1991)の直後に発表されたミニアルバム「LIVE AND ACOUSTIC」(1994)と1996年に実現した初来日公演を収めたライブ盤「LIVE IN JAPAN」(1996)を「LIVE ONES」というタイトルでカップリングした作品(邦題は「カナダ技巧派集団来日記念盤」)。この2枚組仕様が発売されたのは4th「BELIEVE」(1997)に伴う来日公演の約1ヶ月前なので帯タタキにもあるように4作目で初めてHAREM SCAREMを知ったファン向けの作品のようで、実際に2枚組がCD1枚分の価格で買えるお得盤です。

【トラックリスト】
Disc-1「LIVE AND ACOUSTIC」
01. Honestly(アコースティックバージョン)
02. If There Was A Time(エディットバージョン)
03. No Justice(ライブ)
04. Mandy(ライブ)
05. Hard To Love(ライブ)
06. Jealousy(アコースティックバージョン)
07. Something To Say(エディットバージョン)

Disc-2「LIVE IN JAPAN」
01. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
02. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
03. Warming A Frozen Rose(3rd「VOICE OF REASON」)
04. Blue(3rd「VOICE OF REASON」)
05. Candle(3rd「VOICE OF REASON」)
06. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
07. Breathing Sand(3rd「VOICE OF REASON」)
08. Had Enough(2nd「MOOD SWINGS」)
09. Empty Promises(2nd「MOOD SWINGS」)
10. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
11. Voice Of Reason(3rd「VOICE OF REASON」)
12. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
13. Pardon My Zinger(未発表曲)
14. More Than You'll Ever Know(未発表曲)
15. Change Comes Around(未発表テイク。アコースティックバージョン)

Disc-1「LIVE AND ACOUSTIC」の聴きどころとしてまず挙げられるのが、デビュー作収録の名バラードをギターだけのアコースティックアレンジで仕上げた①Honestlyでしょうか。シンプルであるが故にメロディそのものが胸に迫ってきます。また、もうひとつのアコースティックバージョン⑥Jealousyのテイクもおそらく本作でしか聴けないので貴重だと思います。そして定評のあるライブパフォーマンスについても③No Justice、⑤Hard To Loveといった代表曲だけでなく叙情インスト④Mandyが収録されているのがファンとしては嬉しいところ。その一方で②If There Was A Time⑦Something To Sayのエディットバージョンは前者がギターソロを、後者が冒頭のアコギパートをカットしているため楽曲の魅力が半減してしまっているのが残念かな(エディットバージョンがオリジナルを越えることそうそうないとは思いますが…)。何でもこのDisc-1は日本のレコード会社の要望でバンドのプロモ資料用に録音された音源だそうです。当時のバンドがいかに注目され、レコード会社もそれをサポートしていたかを物語っていますね。

そしてバンド初のフルレンスライブ盤となるDisc-2「LIVE IN JAPAN」は当時の最新作「VOICE OF REASON」(1995)を中心に構成されたセットリストとなっていてデビュー作からは⑥Slowly Slipping Awayのみというのが寂しいですがライブ当日はHonestlyなども演奏されたようです。バンドは後にライブ盤を乱発していくことになりますが本作でしか聴けない⑧Had Enough、⑨Empty Promisesはファンとしてはチェックしておきたいところですね。ただ、本作以降のライブ作品に比べるとバンドのトレードマークでもあるコーラスの厚みにやや欠けるような気も…。ライブ本編12曲の後に収録されているのは、来日公演でもプレイされたというアップテンポのギターインスト⑬Pardon My Zingerと「VOICE OF REASON」にも通じる陰欝なムードを漂わせつつも伸びやかなサビが印象的なバラード⑭More Than You'll Ever Knowというスタジオ未発表曲で、どちらももなかなかの出来映えです。HAREM SCAREMはベストやライブ作品の最後に未発表曲をだいたい2曲収録することが多いのですが、この⑬と⑭はその中でもかなり好きな部類に入りますね。なお「LIVE ONES」として再発される際、新たに⑮Change Comes Aroundのアコースティックバージョンが追加されています。

【音源紹介】
・Mandy(Live)


・Slowly Slipping Away(Live)

BLIND GUARDIAN「LIVE」(2003)

  • 2012/03/19(月) 00:00:00

LIVE.jpg
【No.321】
★★★(2009)

ドイツが誇るファンタジック・メタル界の大御所BLIND GUARDIANが敢行した18ヶ月間に及ぶ欧州ツアーの音源を厳選して作り上げた2枚組ライブ盤。バンド初のライブアルバム「TOKYO TALES」(1993)が地元の先輩SCORPIONSのライブ作品に敬意を払いつつ、自分達らしさも込めたタイトルだったのに対して今回はシンプルに「LIVE」と題されています。曲が終わる度にHansi Kursch(Vo)のMCやオーディエンスの歓声が入っているためライブとしての流れは希薄で各地のテイクを寄せ集めた感が強いですが、本作はデビューアルバムから当時の最新作「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)までのフルアルバム7枚全てからの楽曲を網羅しているので本作はBLIND GUARDIAN入門に最適な作品と言えるかもしれませんね。

僕が本作を入門盤に推す理由は、このバンドの場合ライブになると観客の大合唱がスタジオ盤でのクワイアパートを見事に補い、時にはスタジオバージョンを凌駕していることも少なくないからです。その最たる例であるDisc-2④Bard's Songはライブバージョンを聴いてこその1曲だと思います。勿論スタジオ盤のような緻密さをライブで再現しきれていなかったり、Hansiがフェイクしいたりする部分もありますが、メタルバンドBLIND GUARDIANとしての熱さや高揚感を強調したライブテイクの方が僕は好きですね。「TOKYO TALES」を発表したころは勢いのある疾走曲メインだったのに対して、本作はスピードチューンを軸にバラード、大合唱を誘うキャッチーミドルなどで緩急をつけていてバンドの成熟振りを感じさせてくれます。セットリストに関しては他に聴きたかった曲もありますがDisc-1⑤The Script For My Requiem、Disc-2⑤Imaginations From The Other Side、⑪Mirror Mirrorなど僕の大好きな曲は押さえられているし、その他もまずまず手堅い選曲だと思います。

オーディエンスによる合唱のフィーチュア度は「TOKYO TALES」ほどではないものの、曲間では「オーレー オレオレオレー トーメーン!トーメーン!」とThomenことThomas Stauch(Ds)へ声援を送ったり、「チャチャッチャ チャッチャ!ミーラ ミーラ!」と手拍子とともに名曲Mirror Mirrorをリクエストしたりしている会場の盛り上がりが伝わってくるのも良いですね。なおバンドは本作から僅か1年後にBLIND GUARDIANのライブ作品の決定盤ともいえる「IMAGINATIONS THROUGH THE LOOKING GLASS」(2004)というDVD作品をリリースしています。こちらはその名も「BLIND GUARDIAN FESTIVAL」という彼等メインのフェスの模様を収めた内容でThe Last Candle、Somewhere Far Beyond、I'm Alive、Another Holy War、And Then There Was Silence等ライブCDには収録されていなかった僕のお気に入り曲が聴けるので思わず買ってしまいました。

【音源紹介】
・Valhalla(Live)


・The Bard's Song(Live)

【CD購入録】ROYAL HUNT「FUTURE'S COMING FROM THE PAST」(2012)

  • 2012/02/28(火) 00:00:00

FUTURES COMING FROM THE PAST
ROYAL HUNT「FUTURE'S COMING FROM THE PAST」(2012)

かつてROYAL HUNTD.C. Cooper(Vo)が在籍していた90年代後半にCDとVHS媒体で発表されていた2つのライブ作品「1996」(1996)「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER~」(1998) のDVD盤を買いました。僕の中でこの2作品はこれまでに聴いたライブ作品の中でも別格で、それぞれを1996年と1998年の年間ベストアルバムに選ぶほどだったので正に待望のDVD化です(ちなみに1997年は4th「PARADOX」が年間ベストアルバムでした)。これら2作品のDVD化はD.C.復帰以前から噂は出つつも実現していなかったのでヤキモキしていましたが、D.C.の復帰作「SHOW ME HOW TO LIVE」に伴う来日の約3ヶ月前にリリースというのは最適のタイミングなのかもしれませんね。内容の方は冷静になって観ることができないほど思い入れが強いので、「ひとり宝塚」とも称されるD.C.によるのキレのあるステージアクション、Steen Mogensen(B)のベースネックと左利きギタリストJacob Kjaerのギターネックが作り出すVの字、そして「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER~」で真価を発揮するシアトリカルなステージなどを観るにつけ当時の想い出と共に「最高!」という感想しか出てきません(笑)。DVD化に際して特典映像として、映像は粗いながらも当時の来日時のオフショットが追加(一部は既発)されていて若々しいメンバーの姿を楽しむことができます。

BLIND GUARDIAN「TOKYO TALES」(1993)

  • 2012/02/03(金) 00:00:00

TOKYO TALES
【No.316】
★★★★(1995)

BLIND GUARDIAN初の来日公演の模様を収めたバンドにとって初めてのライブ盤。タイトルは同郷ドイツの先輩バンドSCORPIONSの名ライブアルバム「TOKYO TAPES」(1978)にあやかってつけられたようです。出世作となった3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)、ジャーマンメタルシーンの中で磐石の地位を固めた当時の最新作4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)という名盤の楽曲を中心に初期2作品からも②Banish From Sanctuary、⑧Majesty、⑨Valhallaといった名曲をピックアップした本作のセットリストはベストアルバムとしても機能しそうなほどの充実振り。しかも、1st「BATTALIONS OF FEAR」(1988)と「FOLLOW THE BLIND」(1989)はスタジオ盤だとHansi Kursch(Vo、B)のボーカルや音質に甘さが見られたのに対して今回はタイトに仕上がっているので、本作のバージョンを聴いてしまうとスタジオバージョンは聴けなくなってしまうほどです。

メンバー自身が認めているようにパフォーマンスに荒さが残るのは事実ながら、ライナーノーツでHansiが「このライブアルバムを特別なものにしているのはファンの声」と絶賛しているオーディエンスの大合唱が凄い。スタジオ盤でのクワイアパートを観客が見事に再現していて、会場の一体感がCDからも伝わってくるほどです。スタジオで修正が加えられているのかもしれませんがバンドとオーディエンスがひとつとなって、こんなに盛り上がっているライブアルバムにはなかなか出会えないのではないでしょうか。歌わせどころのツボを心得たBLIND GUARDIANの楽曲はライブでより一層強い輝きを放っていて、中でもサビでの大合唱が壮大なスケール感を生み出す⑤Quest For Tanelornはその最たるものでしょう。またスピード感と突進力に満ち溢れた楽曲がメインとなっているセットリストの中でも⑪Lost In The Twilight Hallはやはり孤高の名曲だと再確認しました。こうして聴くと本当に良い曲が多いバンドだと改めて感じさせられますね。

5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)以降、大物としての風格さえ漂うようになったバンドの成熟振りとは裏腹に、初期のスピーディーでエネルギッシュな魅力が減退してしまったBLIND GUARDIANに物足りなさを感じている僕としては、本作に収録されているようなノリのいい楽曲をもっと聴きたいと思ってしまいます。CDを聴いているだけで拳を突き上げて一緒に歌いたくなる本作は僕が初めて聴いたライブアルバムであり、今でも僕の心を熱くしてくれる1枚です。後にバンドは2枚組CD「LIVE」(2003)、DVD「IMAGINATIONS THROUGH THE LOOKING GLASS」(2004)といったライブ作品を発表していますが、僕にとってBLIND GUARDIANのライブ盤といえば「TOKYO TALES」ですね。

【音源紹介】
・Lost In The Twilight Hall(Live)

【CD購入録】GOTTHARD「HOMEGROWN - ALIVE IN LUGANO」(2011)

  • 2011/10/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
HOMEGROWN LIVE IN LUGANO
GOTTHARD「HOMEGROWN - ALIVE IN LUGANO」(2011)

2010年10月5日に旅先で不慮の交通事故に遭って命を落としてしまったSteve Lee(R.I.P. Vo/GOTTHARD)を擁するGOTTHARD最後のライブパフォーマンスを収めたCDと1999年末のミレニアムコンサートからの5曲、残された4人のメンバーによるインタビューを収録したDVDの2枚組を買いました。CD、DVDともにバンドの故郷であるスイスはルガーノで収録されています。主役はやはりSteveの絶品歌唱で、その抜群の安定感は良い意味でスタジオ盤を聴いているのかと錯覚させるほどだし、それでいてライブならではの熱さもしっかり感じさせてくれる彼こそ正にプロフェッショナル!結果的にSteveの遺作となった9th「NEED TO BELIEVE」(2009)に伴うツアーであるため、その最新作からの楽曲を軸にしつつ④Top Of The World⑪Heaven(「ONE FOR ALL ALL FOR ONE 東日本大震災チャリティ・アルバム」に収録されていたのは本作のテイクだと思われます)など、ロック/バラード両方の代表曲を交えたセットリストもいいですね。新作からの曲が違和感なく溶け込んでいる点も流石。ちなみに本作にはスタジオ新曲としてアコースティック作品「D FROSTED Ⅱ」用に書かれていた⑰The Trainも聴くことができます。こうして彼のボーカルを聴いていると「至宝」と呼ぶべき歌い手を失った悲しみだけでなく、素晴らしい歌声を届けてくれたSteveに感謝の気持ちが改めて込み上げてきますね。

STRATOVARIUS「POLARIS + POLARIS LIVE」(2010)

  • 2011/10/26(水) 00:00:00

POLARIS + POLARIS LIVE
【No.307】
★★★★(2011)

バンド名を冠したアルバムだったにもかかわらず自らのアイデンティティであるメロディック・パワーメタルサウンドとは距離を置いた11thにして問題作「STRATOVARIUS」(2005)発表後、リーダー/メインソングライターのTimo Tolkki(G)が脱退、後任に若手ギタリストMatias Kupiainenを迎えて新体制となったSTRATOVARIUSのお披露目アルバム「POLARIS」(2009)に伴うツアーからイタリアのミラノ、ブルガリアのソフィア公演の模様を収めたと思われるライブ作品。このバンドのライブアルバムとしては「LIVE! VISIONS OF EUROPE」(1998)以来2作品目となります。ちなみに現時点で本作はライブCD単発でのリリースはなく輸入盤「POLARIS」との2枚組仕様か、日本の販売元VICTORのサイトからの有料ダウンロードという形式で発売されていて僕は前者を購入しました。スタジオアルバムの方は日本盤ボーナストラックSecond Sightが収録されていないので国内盤より1曲少なくなっているほかは既に記事にした「POLARIS」と同内容なので、ここでは「POLARIS LIVE」について書きたいと思います。

【セットリストと収録アルバム】
01.Destiny(7th「DESTINY」)
02.Hunting High And Low(8th「INFINITE」)
03.Speed Of Light(5th「EPISODE」)
04.Kiss Of Judas(6th「VISIONS」)
05.Deep Unknown(12th「POLARIS」)
06.A Million Light Years Away(8th「INFINITE」)
07.Bach: Air Suite(Keyboard Solo)
08.Winter Skies(12th「POLARIS」)
09.Phoenix(8th「INFINITE」)
10.S.O.S(7th「DESTINY」)
11.Forever Is Today(12th「POLARIS」)
12.King Of Nothing(12th「POLARIS」)
13.Father Time(5th「EPISODE」)
14.Higher We Go(12th「POLARIS」)

9th「ELEMENTS PART1」(2003)以降、メロパワから離れつつあった彼らにとって「POLARIS」はSTRATOVARIUS新章の幕開けを告げるだけでなく、バンドの復活作と言える内容だったと思うのですがライブ構成もSTRATOVARIUSがメロディック・パワーメタルに帰還したことを印象づけるものとなっています。まずはバンドが確固たる地位を築いた90年代後半の作品「DESTINY」(1998)のタイトルトラックであり10分近くに及ぶ大作①Destinyによる大胆な幕開け、それとは対象的にコンパクトかつキャッチーなメロディが秀逸な②Hunting High And Lowで観衆の心をガッチリ掴みます。このツアーで最も注目されているであろうニューギタリストMatiasの紹介を挟んで彼の速弾きから曲が始まるスピードチューン③Speed Of Light、そして実はMatias同様に「POLARIS」がバンドに加入して最初のアルバムだったLauri Porra(B)の見せ場を盛り込んだミドル④Kiss Of Judas、バンドが黄金期と言える時期に発表した上記4曲と並んでも遜色ない新作のオープニング曲⑤Deep Unknownまでの流れは見事と言うほかありません。またJens Johansson(Key)がグイグイ楽曲を引っ張っていく⑥A Million Light Years Away、彼らしい音色で「バッハのG線上のアリア」を弾きまくるキーボードソロ⑦Bach: Air Suiteから⑧Winter Skiesへと繋がる中盤はJensの独壇場だし、それ以降も5th「EPISODE」(1996)~8th「INFINITE」(2000)から厳選されたグレイテストヒッツ的セットリストと「POLARIS」からの5曲が違和感なく溶け込んだ好演が展開されています。新作の楽曲に関しては前述の⑧や⑫King Of Nothingなど、スタジオ盤では地味に思えたナンバーが更に魅力的になっているのも好印象ですね。

本作はスタジオでの手直しがほとんど施されていないこともあって荒いながらも「生」の新生STRATOVARIUSの姿を楽しむことができるのが特徴で、Timo Kotipeltoのボーカルは⑩S.O.S、⑪Forever Is Today、⑬Father Timeなど一部の楽曲で高音域が苦しそうではあるものの大半の曲はしっかり歌えているし中低音域は実に魅力的です。それに加えてオーディエンスの煽り方やショウ運びも上手く、YouTubeで見ただけですがステージアクションも華があるので、メタルバンドのフロントマンとしては屈指の存在だと思いますね。本ライブ単体でのリリースがない変則的な作品でありながら全14曲で収録時間70分以上と聴き応えがあるし、選曲も良いのでSTRATOVARIUSファンは買って損することのない1枚ではないでしょうか。ちなみに僕は13th「ELYSIUM」(2011)の日本盤ボーナスとして収録されているAgainst The Wind、Black Diamondのライブバージョンと合わせてよく聴いています。

【音源紹介】
・Winter Skies(Live)

【CD購入録】STRATOVARIUS「POLARIS + POLARIS LIVE」(2010)

  • 2011/09/14(水) 00:00:00

【CD購入録】
POLARIS + POLARIS LIVE
「POLARIS + POLARIS LIVE」(2010)

リーダー/メインソングライターのTimo Tolkki(G)が脱退して新体制となったSTRATOVARIUSのお披露目アルバム「POLARIS」(2009)の輸入盤に14曲入りライブCDがカップリングされた2枚組を買いました。僕は「POLARIS」の国内盤を持っていますが、本作は2枚で1000円台という値段だったのでライブ盤目当てで購入。なお日本盤ボーナストラックSecond Sightは当然ながら収録されていないのでスタジオアルバムの方は国内盤より1曲少なくなっています。ちなみに日本の販売元VICTORのサイトから本ライブ音源はダウンロード(有料)することができるようです。Timo Kotipelto(Vo)のMCから推測するに、ブルガリアのソフィアとイタリアのミラノ公演の模様が収録されているみたいですね。またライブの手直し作業はほとんどしていないようで、荒いながらも「生」の新生STRATOVARIUSの姿を楽しむことができます。Timoのボーカルは⑩SOS、⑪Forever Is Today、⑬Father Timeなど一部の楽曲で高音域が苦しそうですが、大半の曲はしっかり歌えているし中低音は非常に魅力的。セットリストについても新作からの5曲以外はグレイテストヒッツ的な内容となっていて僕は概ね満足でした。新作の楽曲は⑧Winter Skiesを筆頭にライブの方が良いと思えるナンバーが多いのも好印象ですね。

KAMELOT「ONE COLD WINTER'S NIGHT」(2006)

  • 2011/09/01(木) 00:00:00

ONE COLD WINTER'S NIGHT
【No.301】
★★★(2006)

4th「THE FOURTH LEGACY」(2000)以降の作品で一気にスターダムへの階段を駆け上がっていったアメリカ産メロディックメタルバンドKAMELOTの2枚組ライブアルバム。本作はバンドの顔というべき実力派シンガーRoy Khan(Vo)の故郷ノルウェーはオスロで複数のゲストプレイヤーを迎えたスペシャル公演の模様を収めていて、CDだけでなくバンド初のDVD作品としてもリリースされています。バンドは以前に「THE EXPEDITION」(2000)というライブ作品を輸入盤でのみリリースしていますが、あちらはライブ8曲と未発表音源3曲を収録した少し中途半端なアルバムでした。それに対して本作はKAMELOTが大きく飛躍した4作目から当時の最新作7th「THE BLACK HALO」(2005)までという、バンドに脂が乗り切った4作品の楽曲群からなるライブをフルボリュームで収録しています。

ある意味バンドの集大成といっても過言ではないライブのオープニングに抜擢されたのは、イタリア語による女性ボーカルをフィーチュアしてキャバレーのような雰囲気を醸し出す小曲Disc-1①Intro: Un Assassinio Molto Silenziosoと最新作のタイトルトラックDisc-1②The Black Halo。アルバム名を冠したナンバーとはいえスタジオ作品では9曲目、10曲目に位置するこれらの曲での幕開けというのは少し意外だったし、ライブの掴みとしては弱いかなというのが正直なところだったりします。そんな本作のハイライトは⑤Center Of The Universe、⑥Nights Of Arabia、⑧Foreverといったバンドを代表するクサメロ疾走曲群と深みのある美麗バラード⑦Abandonedで畳み掛けてくるDisc-1の中盤です。中でもRoyの発案により雪が舞い散る演出の中で歌われる⑦の美しさは何度観ても言葉を失ってしまうほど素晴らしい。この曲に限らずRoyがステージ上で放つカリスマティックなオーラが凄まじく、僕はDVD盤を持っていませんがYouTube上で観ただけでその立ち姿に目を奪われてしまいました。やはり彼には歌の上手さや声域の広さという次元では語れない魅力がありますね。

ゲスト陣についてはバンドリーダーThomas Youngblood(G)の奥様でもあるMariは勿論、スタジオ盤でもRoyとのデュエットが話題となったSimone Simons(Vo/EPICA)がDisc-1⑩The Hauntingに、バンドのプロデューサーでもあるSascha Paeth(G/ex-HEAVENS GATE)がリズムギターとしてDisc-1⑪Moonlightに参加しているほか、「THE BLACK HALO」でShagrath(Vo/DIMMU BORGIR)が参加していたDisc-2③March Of MephistoではKAMELOTとカップリング来日をしたこともあるDREAM EVILの元ドラマーSnowy Shawが悪魔メフィスト役として登場するなどなかなか豪華です。これらゲスト陣との共演に加えて、吸血鬼伝説のモチーフになったと言われるエリザベス・バソリーをテーマにした3部構成の長編DISC-2②Elizabeth(Ⅰ.Mirror Mirror~Ⅱ.Requiem For The Innocent~Ⅲ.Fall From Grace)ではMariが鏡に向かってエリザベスを演じるなどシアトリカルな演出による見所も多いのでDVD盤の方が商品価値は高いと思われます。インスト面では疾走曲におけるドラムパターンが今やバンドに欠かせない味となっているCasey Grillo(Ds)、作品を重ねるにつれて貢献度が大きくなってきているキーボードプレイヤーの座に次回作から正式メンバーとして迎えられることになるOliver Palotai(Key)のソロを収録している一方で、メタルミュージックにおける最重要楽器のギターソロは入っていないというのが何ともKAMELOTらしいですね。総合的に優れたライブアルバムではありますが、映像と合わせて楽しむことでその真価を発揮する作品だと思うのでCDではなくDVD盤を買った方が良かったかな…と少し後悔しています。

【音源紹介】
・Abandoned(Live)


・Elizabeth(Ⅰ.Mirror Mirror~Ⅱ.Requiem For The Innocent~Ⅲ.Fall From Grace)(Live)

【CD購入録】THE POODLES「NO QUARTER - SPECIAL EDITION」(2010)

  • 2011/08/09(火) 00:00:00

【CD購入録】
NO QUARTER SPECIAL EDITION
THE POODLES「NO QUARTER - SPECIAL EDITION」(2010)

デビュー以降コンスタントに活動を続けるスウェディッシュ・メロディックロックバンドTHE POODLES初のライブCD「NO QUARTER」と同じライブ音源の間にメンバーのコメント等を挟むという構成のドキュメンタリー風DVD「IN THE FLESH」の2枚セット盤を買いました。やや掠れ気味ながら確かな力強さを感じさせるJakob Samuel(Vo)の歌声を軸に、適度な愁いを帯びたメロディックロックはライブでも魅力的に響いてきますね。当時の最新作「CLASH OF THE ELEMENTS」(2010)の収録曲を中心に③Seven Seas、④Metal Will Stand Tall、⑪I Rule The Nightといった過去3作品それぞれの代表曲を含むセットリストはベストに近い選曲ではないでしょうか。ただし、現時点で国内盤のリリースはないのでDVDに収録されているインタビューのやり取りが理解できないのが玉に瑕かな(まぁ、これは僕の英語力不足が原因ですが…)。とはいえCD1枚分の価格でこの2枚組をゲットできたのでお買い得感、満足感は結構ありますね。

KAMELOT「THE EXPEDITION」(2000)

  • 2011/08/01(月) 00:00:00

THE EXPEDITION
【No.297】
★★(2000)

バンドが大きな飛躍を遂げた4th「THE FOURTH LEGACY」(2000)リリース後に敢行したヨーロッパツアー(NEW ALLEGIANCE TOUR)からドイツ、ギリシャ公演の模様を収めたKAMELOT初のライブアルバム。本作がリリースされた2000年は日本でKAMELOTがブレイクする前だったこともあってか、残念ながら現時点で国内盤は発売されていません。収録曲は当時の最新作である4作目の楽曲をメインにしたライブ音源8曲、映画音楽のように壮大な未発表インスト⑨We Three Kings、3rd「SIEGE PERILOUS」(1998)の日本盤ボーナストラック⑩One Day、2nd「DOMINION」(1996)収録曲のリメイク⑪We Are Not Separateの3曲を合わせた全11曲という変則的なものとなっています。今となっては本作以上に中身の濃いライブ作品「ONE COLD WINTER'S NIGHT」(2006)がDVDと2枚組CD仕様でリリースされているので本作は中途半端な作品という印象が強いですが、収録されているパフォーマンスを聴くとKAMELOTがライブアクトとしても優れたバンドであることが伝わってきます。

ライブ音源8曲中5曲が「THE FOURTH LEGACY」からのチョイスとなっていることから、バンドがこのアルバムに大きな自信を持っていることが窺えるし、実際にその最新作には良い曲が多いと実感させられますね。荘厳なイントロから一転して疾走曲①Until Kingdom Comeへと繋がるライブのオープニング、バンド随一の名曲⑥The Fourth Legacyを配した中盤、⑧Desert Reign/Nights Of Arabiaで締めるエンディングと、要所要所でキラーチューンを聴かせる構成が好印象です。また3rdアルバム以前の楽曲(2nd「DOMINION」からの曲は無し)に関しても違和感なく溶け込んでいるばかりか、流麗なメロディと共に駆け抜ける④Millenniumはひとつのハイライトになっているように思います。そしてRoy Khan(Vo/ex-CONCEPTION)のボーカルも⑥のサビなどの高音域は少し苦しそうではあるものの艶と表現力に満ちた歌声を響かせてくれていて、中でもバラード⑤A Sailorman's Hymnにはうっとりしてしまいますね。スタジオ作品では結構作り込んだ感が強いためライブでどこまでKAMELOTらしさを表現できるのかと心配していましたが、ゲスト参加のGunter Werno(Key/VANDEN PLAS)の活躍もあってバンドの世界観を損なうことなく再現してくれています。

デビュー作収録のへヴィチューン⑦Call Of The SeaではRoyが演奏陣のメンバー紹介をした後に各自が短いソロを披露するというパートが含まれていて、個人的には抜群の安定感でバンドを支える「Unbelievable Animal Behind The Drums」ことCasey Grillo(Ds)のドラミングが耳に残りました。当時のKAMELOTといえば「THE FOURTHE LEGACY」というそれまでの3作品を凌駕する力作を作り上げ、注目度がアップしてきた時期だったのでバンド自身もその4作目の楽曲群と過去作品から選りすぐりのナンバーをこうして1枚に纏めることでバンドの新たなスタートを印象付けたかったのかもしれませんね。「THE FOURTH LEGACY」でKAMELOTを知った僕にとっては、4thとそれ以前の楽曲のライブバージョンを手軽に聴けるという点でそれなりに重宝した1枚でした。ただし繰り返しになりますが、「ONE COLD WINTER'S NIGHT」が発表された今となっては聴く機会は激減してしまいましたね。

【音源紹介】
・Until Kingdom Come(Live)

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA」(2011)

  • 2011/04/06(水) 00:00:00

【CD購入録】
THE FLYING OPERA
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA:AROUND THE WORLD IN TWENTY DAYS-LIVE-」(2011)

Tobias Sammet(Vo/EDGUY)が結成した現代パワーメタル界屈指のプロジェクトAVANTASIA初のライブ作品(2DVD、2CD仕様盤)を買いました。本作は2008年のTHE SCARECROW WORLD TOURよりドイツで毎年開催されているヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIRとチェコで行われたMONSTERS OF ROCKの音源で構成されていて、2公演のテイクを日本を含めた2008年ワールドツアーのセットリスト順に編集したもののようです。いやぁ、これは素晴らしい。購入前からある程度予想はしていましたが、3rd「THE SCARECROW」までの曲でベストに近いセットリストからなる本作は2011年に買った新譜の中では1番好きかもしれません。ソングライター/シンガーとしてだけでなくステージではフロントマンとしても超アクティブに躍動するTobiasを筆頭に、AVANTASIAの音世界を見事にライブで再現してくれたゲストシンガーと演奏陣に目がクギ付けです。スタジオ盤に参加していた豪華ゲストについては全員ではないもののツアーに帯同していて、険しい表情で熱唱する姿に「歌鬼」の異名は伊達ではないと思ったJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)、マイクを持っていない右手の動きがまるでオーケストラの指揮者のようであるために小澤 征爾さん(あくまで僕のイメージです)に見えたBob Catley(Vo/MAGNUM)など、このDVDで初めてライブを目にしたミュージシャンも多いです。まだDVDは2回しか見ていませんが何度もリピートしたくなりますね。

そして見逃せないのが、これまでのAVANTASIAの歩みをTobiasがロングインタビューで語るDVDのDisc-2です。「自分のアイドル達と共演したい」という想いからスタートしたAVANTASIAの歴史、初のPVが制作されたシングルLost In Spaceの誕生秘話や、それをWACKENで演るかどうかの葛藤などスタジオ作品を聴いているだけではわからないAVANTASIAの裏側を見ることができます。才能に溢れていながらも決しておごることなく周囲への感謝の気持ちを忘れないTobiasの言動は素晴らしいと思うし、僕のわずか1歳年上の彼が夢を叶えて自分が憧れていたスターと共演している姿が本当に眩しくてカッコいい。特に印象的だったのは⑮FarewellでWACKENの大観衆が一体になっているのをステージから見て感激しているTobiasの顔。自分の夢が実現した時に人はこんなにも素晴らしい表情になるんですねぇ…。2010年に行われたAVANTASIA2度目のワールドツアーも是非DVD化して欲しいです。