【CD購入録】ARCH ENEMY「WILL TO POWER」(2017)

  • 2017/09/02(土) 00:00:00

【CD購入録】
WILL TO POWER
ARCH ENEMY「WILL TO POWER」(2017)

3代目ボーカルAlissa White-Gluz(Vo/ex-THE AGONIST)を迎えての2枚目、元NEVERMOREのギタリストJeff Loomis加入後のラインナップでは初のフルレンスアルバムとなるARCH ENEMYの10作目を買いました。前作「WAR ETERNAL」(2014)は名盤と呼べるほどの仕上がりだったし、先行で公開されていた③The World Is YoursがいかにもARCH ENEMYらしい1曲だったので今回も期待していたのですが、それにきっちりと応えてくれていますね。大御所となった今も彼等のチャレンジは続いているようでバンド初のバラード(?)⑤Reason To BelieveではAlissaがクリーンボイスも披露しています。Alissa加入時にMichael Amott(G)は「ARCH ENEMYで彼女がクリーンボイスで歌うことはない」と語っていた記憶があるので、いきなりの前言撤回に驚きもありますが個人的には歓迎です。またMichaelの実弟でバンドを2度脱退したことのある(笑)Christopher Amott(G)が一部の曲作りに関わっていたり、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS)が3曲で客演しているのもサプライズですね。ChristopherとJensが関与した⑨Dream Of Retributionはアルバム後半の聴きどころとなっています。今年の9月はGALNERYUSNOCTURNAL RITESなど注目盤が多いのですが幸先の良いスタートとなりました。

【CD購入録】ALPHOENIX「FINAL CRUSADES」(2017)

  • 2017/05/22(月) 00:00:00

【CD購入録】
FINAL CRUSADES
ALPHOENIX「FINAL CRUSADES」(2017)

泣き/クサメロを盛り込んだエクストリームメタルで注目を集めたものの2013年に解散してしまったMYPROOFの主要メンバーThor(Vo)Shimpei(G、Vo)が新たに立ち上げたALPHOENIX(アルフェニックスではなくアルフィニクスと読むそう)の1stアルバムを買いました。2017年はGYZE、SERENITY IN MURDERと国産メロデスバンドが相次いで力作を届けてくれていますが、本作もそのムーブメントに乗った1枚と言えそうです。アルバムの幕開けを告げるインスト①The Final Crusadeはアコギで始まり泣きのギターへと展開、このメロディがアルバムを締めくくるキラーチューン⑪Reincarnationで再登場する仕掛けがニクいですね。それ以外にも聴き応えのある楽曲は多く、緩急を織り交ぜながら泣かせにかかる④Tragic Night Falls、サビのクリーンボーカルがアニソンっぽい⑧Last Ignition辺りが特に気に入っています。また本作にはDougen(Vo/THOUSAND EYES)⑥RiseSophia(Vo/ex-BLOOD STAIN CHILD)が⑧、Ryoji(G/GYZE)が⑪にゲスト参加、Ettore Rigotti(G/DISARMONIA MUNDI)がエンジニアとして関わっているのもポイント。少し前までMYPROOFが解散していたこと、元メンバーがALPHOENIXなるバンドを結成していたことも知らずにいましたが今後に注目していきたいバンドですね。ちなみに歌詞は日本語のようですが歌詞カードを読みながら聴いていても、内容がわからない場面も少なくありません(苦笑)。

【CD購入録】SERENITY IN MURDER「THE ECLIPSE」(2017)

  • 2017/05/18(木) 00:00:00

【CD購入録】
THE ECLIPSE
SERENITY IN MURDER「THE ECLIPSE」(2017)

メンバーが大学在学中にレコーディングしたという「THE FIRST FRISSON OF THE WORLD」(2011)でデビューした国産シンフォニック・メロデスバンドSERENITY IN MURDERの3作目を買いました。当初からメロディセンスの良さが注目を集めていた彼等ですが着々と成長しているようですね。過去2作品にあった楽曲のフェイドアウトが唐突過ぎるという点も改善されているように思います。暴虐性と美しいメロディの融合という強みはそのままに、この手のバンドとしては珍しいバラード調の⑦The Sea Is...、音使いやメロディに和の要素を取り込んだ⑪Land Of The Rising Sunなどの新機軸がアクセントとなっているのもいいですね。Shuntaro(Key)が脱退してしまいましたが、メインソングライターFreddy(G)指揮の下これまで同様にピアノ、シンセ、オーケストラサウンドが重要な役割を担っていてスタジオ盤を聴く限り鍵盤奏者不在の影響は感じられません。インタビューを読んでいるとメンバーも今回のアルバムに大きな自信を持っているようだし、過去作品と比較してもバンドがレベルアップしたと感じられるアルバムになっていますね。

【CD購入録】GYZE「NORTHERN HELL SONG」(2017)

  • 2017/03/31(金) 00:00:00

【CD購入録】
NORTHERN HELL SONG
GYZE「NORTHERN HELL SONG」(2017)

Ryoji(Vo、G、Key)率いる北海道出身のトリオ編成メロディック・デスメタルバンドGYZEの3作目を買いました。バンドは本作からワールドワイドな活動を始めていて3月末現在は目下ヨーロッパツアー中のようです。CHILDREN OF BODOMが2nd「HATEBREEDER」(1999)当時のサウンドのまま進化したたのような音楽性を持つGYZE最大の武器は泣きまくりギターメロディにあると思っているのですが、本作ではその傾向が更に強くなっていてギターがボーカル以上に目立っていますね。また今回はアルバムジャケットに神社の鳥居が描かれていたり、曲名にアイヌの言葉を用いていたりと北海道のバンドであることを前面に出しているのも印象的。お気に入りは今後バンドの表題曲になりそうなタイトルトラック⑪Northern Hell Songですね。過去2作品同様、今回も慟哭のメロデスが堪能できる力作となっています。

【CD購入録】MORS PRINCIPIUM EST「DAWN OF THE 5TH ERA」(2014)

  • 2017/01/15(日) 00:00:00

【CD購入録】
DAWN OF THE 5TH ERA
MORS PRINCIPIUM EST「DAWN OF THE 5TH ERA」(2014)

フィンランドのメロディック・デスメタルバンドMORS PRINCIPIUM ESTの5作目を買いました。一度聞いただけでは覚えられないバンド「モルス・プリンシピアム・エスト」はラテン語で「死は始まりに過ぎない」という意味の言葉だそうです。彼等については以前から名前だけは知っていてKALMAH、SCAR SYMMETRYなどと同じく北欧メロデス界の中堅バンドというイメージがありましたが実際に聴くのは今回が初めてです。いざ聴いてみるとこれが予想以上に好感触で、上に挙げた2バンド以上に僕のツボにハマるバンドかもしれません。まず印象的なのが弾きまくりのソロパートのみならずリフでも耳に残るフレーズを連発しているギターパート。そしてアグレッシブに押しまくるだけでなく、スピードを抑えた楽曲も持ち前のメロディセンスによって魅力的な仕上がりとなっています。お気に入りはタイトな演奏で迫ってくる③Leader Of The TitansARCH ENEMYを彷彿とさせる④We Are The Sleep、リリカルなピアノの調べに導かれて激しさと美しさの両面を見せつけてくれる⑪The Forsakenといったところでしょうか。過去作品もなかなか評判が良いみたいだし、1月25日発売予定の6th「EMBERS OF THE DYING WORLD」(2017)も期待できそうなのでいつか聴いてみたいですね。

【CD購入録】AMARANTHE「MAXIMALISM」(2016)

  • 2016/10/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
MAXIMALISM.jpg
AMARANTHE「MAXIMALISM」(2016)

2016年9月にHELLOWEENと共に来日した新世代メタルバンドの注目株AMARANTHEの4作目を買いました。冒頭の①Maximize、②Boomerangでいきなり発揮される「男女クリーンボイスとグロウルが絡み合うキャッチーなメタルサウンド」というAMARANTHEらしさは本作でも健在です。QUEENWe Will Rock Youを彷彿とさせるリード曲③That Songを先行で聴いた時は従来とは異なる曲調に戸惑いもありましたが、アルバムの流れの中で聴くとなかなか好感触。正直なところ個々の楽曲のインパクトとしては初期2作品に及ばないし、金太郎飴状態になりつつある感も否めませんが魅力的なメロディ満載のコンパクトな楽曲群はリピートを誘われますね。

【CD購入録】DISARMONIA MUNDI「COLD INFERNO」(2015)

  • 2016/10/17(月) 00:00:00

【CD購入録】
COLD INFERNO
DISARMONIA MUNDI「COLD INFERNO」(2015)

CORONER RECORDSのオーナーとしてレーベルを経営する傍ら、ジブリ映画の曲をエクストリームメタル風にカバーするプロジェクトIMAGINARY FLYING MACHINESを立ち上げたりBLOOD STAIN CHILD、GYZEといった日本のバンドをプロデュースしたりと多方面で活躍するマルチプレイヤーEttore Rigottiのメイン(?)プロジェクトDISARMONIA MUNDIの5作目を買いました。今回も正式メンバーは全ての楽器とクリーンボーカルまでを1人でこなすEttoreとグロウル担当のClaudio RavinaleのみでBjorn“Speed”Strid(Vo/SOILWORK、THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA)が過去作に引き続きゲストとして参加しています。サウンドの方も①Creation Dirgeの冒頭がオーケストラ風で驚かされますが、曲自体はDISARMONIA MUNDIらしいモダンメロデス/エクストリームメタルとなっています。個人的にこのバンドはアルバムとしてはそれなりに楽しめる一方で聴き終えた時に印象的な曲がなかったりするのですが、今回はサビメロが一際キャッチーな②Stormghost、④Coffinやアグレッション全開の⑥Slaves To The Illusion Of Lifeなどが気に入っています。日本盤ボーナスの⑪The Loneliness Of The Long Distance Runnerも良い曲だなと思っていたらIRON MAIDENのカバーでした(笑)。ちなみにこの曲にはChristian Alvestam(Vo/ex-SCAR SYMMETRY)がゲスト参加しています。マンネリ感は否めないものの流石のクオリティを誇る1枚という感じですね。

BLOOD STAIN CHILD「EPSILON」(2011)

  • 2016/10/13(木) 00:00:00

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【No.480】
★★★★(2011)

メロディックデスメタルをテクノ/トランス調のアレンジで聴かせるという独自のサウンドを前作「MOZAIQ」(2007)で確立したBLOOD STAIN CHILDの5thアルバム。「MOZAIQ」から専任シンガーのSadewが加入しワールドデビューも果たしたため、ここからエンジン全開で活動していくのかと思いきや、そうはいかなかったようでSadewや創設メンバーでもあるViolator(Ds)の脱退、レーベル移籍などがあり前作から約4年が経過してのニューアルバムとなります。本作の注目ポイントは何といってもSadewの後任にバンドが迎えたギリシャ出身の女性ボーカルSophiaと、それに伴うトランス色の更なる強化でしょう。最早メタルというジャンルでは括りきれない楽曲もチラホラありますが、一段とメロディアスになった本作の音楽性は結構好きですね。

そんな非メタル系ナンバーとして挙げられるのが③STARGAZER、⑥ELECTRICITY、⑨Dedicated To Violatorなどで特に③のキャッチーなメロディの魅力はバンド史上最高。本作のキラーチューンですね。アルバム全体で7割程度、③と⑥ではほぼ全てのボーカルパートを任されているSophia嬢の歌唱力はさほど高くなく一本調子に感じられるものの②FOREVER FREE④S.O.P.H.I.Aを聴いていると感情を抑えた彼女の歌い方は近未来的なトランスサウンドを持ち味とするBLOOD STAIN CHILDとマッチしていると思います。バンド史上初となるバラード⑫SAI-KA-NOも彼女がいるからこそできたナンバーでしょう。その一方でアルバムの軸となっているのは、あくまでもメタリックな楽曲群で⑤Unlimited Alchemist⑧MOON LIGHT WAVEIN FLAMESっぽさ漂う⑪La+などがお気に入りです。

前作で確立したトランスメタルの更なる進化に一役買っているのがDISARMONIA MUNDIの中心人物にして本作リリース元のレーベルCORONER RECORDSのオーナーでもあるEttore Rigottiで、彼の方からバンドに対して「君たちの音楽は素晴らしいのに、なぜあまり知られていない!?君たちをもっと世界に広めたい!」とラブコールを送ってきたそうです。Ettoreが共同プロデューサーを務めたこともあってか、これまで以上にサウンドが洗練されたように感じますね。今度こそBLOOD STAIN CHILDの快進撃が始まるかと期待したのですが、本作リリース後も活動は順調ではないようで2012年2月にSophiaが脱退したため同年12月に後任として女性シンガーKiKiを迎えてシングル「LAST STARDUST」を発表するも、2016年にはKiKiのみならずオリジナルメンバーのひとりRyo(B、Vo)までもがバンドを離れています。更に残念なのはセンス抜群の音使いとアレンジで今のブラステサウンドの中核を担ってきたAki(Key)がサイトのメンバーリストからひっそりと姿を消していることですね。バンドは2016年6月に男性ボーカルSaikaを迎えたことをリニューアルしたHPで発表し、ニューシングル「NEXUS」もリリースしたようなのでこのままフルアルバムの制作に入ってもらいたいところです。今のメンバーでどんな作品が生まれるのか未知数なので一抹の不安もありますが…。

【音源紹介】
STARGAZER

BLOOD STAIN CHILD「MOZAIQ」(2007)

  • 2016/10/01(土) 00:00:00

MOZAIQ
【No.479】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第10位

BLOOD STAIN CHILDの4作目にして、僕が初めてこのバンドの音に触れたアルバム。今回もメンバーチェンジがあり、前作「IDOLATOR」(2005)から加入したShiromasa(G)はバンドを離れG.S.R.なるギタリストが参加、更にバンド初となる専任シンガーSadewを迎えた6人編成となっています。Sadewはルックスのみならずグロウルや悲しげなクリーンボーカルまでAnders Frieden(Vo/IN FLAMES)に似ていますね。本作ではそんな彼の歌唱に加えて、これまで兼任という形でリードボーカルを担っていたRyo(B)のシャウト、メインソングライターRyu(G)のノーマルボイス、女声のサンプリングなどを駆使し、前作で掴んだ近未来的メロデスという独創的な音楽性を更に進化させています。

このアルバムを初めて聴いた時はプレイボタンを押すと同時に流れてくるディスコ風の音に驚かされましたが、ここまで大胆にユーロビートとメロデスを融合させて、しかもカッコよく仕上げてしまうバンドのセンスにタダならぬものを感じました。ダンサブルなメロデスと呼べそうな③FreedomはBLOOD STAIN CHILDならではの新境地だし、ノーマルボイスで畳み掛けるサビメロが印象的な⑤Pitch Black Roomなどアルバム前半の充実振りはなかなかだと思います。後半にはどことなく「和」を感じさせる音使いと女性ボーカルがなんとも言えない浮遊感を醸し出す⑦METROPOLICE、トランス色を前面に出した⑧C.E.0079など風変わりな楽曲もあって面白いですね。そして日本盤ボーナスにTRFのカバー曲⑫EZ DO DANCEを収録してしまうのもBLOOD STAIN CHILDならではと言えるでしょう。ちなみにアメリカ/ヨーロッパ盤にはEZ DO DANCEの代わりにCosmic Highwayというオリジナル曲が収録されていて、YouTubeで聴く限りなかなかの佳曲です。

デビューした頃はCHILDREN OF BODOMフォロワーと呼ばれていた彼等ですが、ダンスミュージックとメロデスの融合という荒技で他のバンドとの差別化に成功していますね。そんな話題性もさることながらこのバンドのメロディセンスが本作リリース時のCHILDREN OF BODOMやSOILWORK以上に僕好みなので愛聴していました。ただしデビュー当初からBLOOD STAIN CHILDのファンだという方の間では、本作について賛否両論あるようですね。たしかにクリーンボーカルが平坦に感じられる、メタルミュージックの肝であるはずのギターパートにもう少し魅力が欲しいなど物足りない点もありますが②Cyber Green、④ENERGY BLAST、⑩Peacemakerのような疾走系のナンバーはグッと来るし、耳に残るメロディも多いので過去のアルバムよりも本作の方が好きですね。

【音源紹介】
Freedom

BLOOD STAIN CHILD「IDOLATOR」(2005)

  • 2016/09/19(月) 00:00:00

IDOLATOR.jpg
【No.478】
★★★(2007)

2000年代の日本メロデスシーンにおける有望株ブラステことBLOOD STAIN CHILDの3rdアルバム。デビュー以降、不動だったメンバーに変化があり長年在籍していたツインギターの一翼Daiki(G)が脱退しShiromasa(G)が加入しています。過去作品ではCHILDREN OF BODOMフォロワーに分類されそうな音楽性でしたが、今回は前作「MYSTIC YOUR HEART」(2003)でその片鱗を見せていたディスコ/トランス風のサウンドを大幅増量、リーダーのRyu(G)がクリーンボイスでサイドボーカルを務めるようになったことなどから従来とは異なる作風となっていますね。1st「SILENCE OF NORTHERN HELL」(2002)が中世ヨーロッパを思わせるシンフォニックアレンジだとすれば、今回は近未来的なサイバーメタルへと変化を遂げていて同じバンドとは思えないほどです。穿った見方をすればチルボドから「NATURAL BORN CHAOS」(2002)期のSOILWORKに乗り換えたと言えなくもない気もしますが…(苦笑)。

まずはオープニングの①HYPER SONICからして新生ブラステの魅力を凝縮した強力チューンなのですが、僕が一番好きなのは③Embrace Meですね。この曲を引っ張っていくもの悲しいキーボードの旋律は正にキラーフレーズ!本作のハイライトは間違いなくこの曲だと思います。また今回のアルバムで顕著なトランスへの傾倒を象徴する⑧NUCLEAR TRANCEも挑戦的な1曲だし、次作「MOZAIQ」(2007)で花開く「ダンス・ユーロビート+メタル」への布石となっていそうな⑩TYPE-Nなど随所でこれまでの作品とは一味違う魅力を発散しています。アルバム後半に失速する感はあるものの、前半に収録された楽曲群の充実振りはなかなかだし押し一辺倒に感じられた前作に対して、今回は緩急がうまくつけられています。LUNA SEAのカバー⑫TRUE BLUEは原曲をよく知らないので事前情報なく聴いたらブラステのオリジナルと思ってしまいそうですね。

「このアルバムでようやく完璧な自分達のオリジナリティが出せたと思っている」とRyuが語っているように、本作でBLOOD STAIN CHILDのアイデンティティが確立されましたね。そのカギを握るのは、前作のようにソロで弾きまくる場面は激減したものの先鋭的なアレンジが光るAki(Key)の存在でしょう。今回のアルバムで掴んだ音楽性を更に押し進めた4th「MOZAIQ」から僕はこのバンドを聴くようになり、本作を含む初期3作品は後追いでチェックしたため「トランスメタルに到達するまではこんな作風だったのか」という感想ですが、リアルタイムで聴いていたら本作で一皮剥けたという印象を抱いたと思います。デビュー作で見せていたクサメロは影を潜めてしまったので、その点に寂しさを感じる面もありますが総合的に見てもバンドがこれまでに発表した2枚のアルバムを上回る力作。次回作以降、アグレッションは希薄になっていくのでBLOOD STAIN CHILDならではの独自性とメロデスバンドらしさのバランスとしては本作くらいがベストなのかもしれませんね。

【音源紹介】
Embrace Me

BLOOD STAIN CHILD「MYSTIC YOUR HEART」(2003)

  • 2016/08/31(水) 00:00:00

MYSTIC YOUR HEART
【No.477】
★★★(2007)

CHILDREN OF BODOMの影響下にあるメロディックデスメタルとRHAPSODYにも通じるシンフォアレンジを融合させたスタイルが話題となった国産バンドBLOOD STAIN CHILDの2作目。今回もチルボドテイストは保ちつつも前作「SILENCE OF NORTHERN HELL」(2002)にあった大仰さは控えめとなり、代わりにキーボードによるデジタル音が楽曲を彩っています。それでいてサウンドの根幹部分はメロデスの王道に近づいた感があり、Ryo(B、Vo)のデス声もデビュー作と同じくAlexi Laiho(Vo/CHILDREN OF BODOM)を連想させる喚くようなスタイルに加えて、静かに歌うパートではAnders Friden(Vo/IN FLAMES)からの影響が感じられますね。

前作以上に北欧メロデスバンドを彷彿とさせる要素が多いためフォロワー臭は強くなっているものの、メインソングライターのRyu(G)のメロディセンスは相変わらず僕好みだし全9曲中大半が疾走チューンなので聴いていると否が応でもテンションが上がります。①Be In For Killing Myself、②∞ System、③The Rise Of All The Fallという冒頭の畳み掛けで掴みはOK。またアルバム後半には⑥eM Solution、⑦Clone Life、⑧The Road To Ruinというハイライトがあって、このジャンルのバンドとして海外勢とも十分渡り合えるだけのインパクトがありますね。ちなみにエンディング曲⑨Deep Silent Memoryは19分もありますが、本編が3:20で終了した後に15分近くの無音状態を挟んでトランス系のインストSextronicsがシークレットトラックとして収録されています。こういう仕掛けも嫌いではないですが、無音のパートが長過ぎてスキップするのが面倒ですね(苦笑)。

本作を語る上で欠かせないのはデビュー作以上に存在感を発揮している鍵盤奏者Akiでしょう。キラキラのシンセや楽曲を包み込む寒々しいサウンド、デス声のバックでクサメロを奏でたかと思えばソロパートではギターと熱いバトルを繰り広げるなど大活躍しています。彼の音選びのセンスの良さもBLOOD STAIN CHILDの武器ですね。このバンドに対する世界からの注目度も高まってきたようでCHILDREN OF BODOMのアルバムをプロデュースしたこともあるAnssi Kippoが共同プロデューサーとして本作に関わっています。Anssiの手腕によるところもあってか、サウンドプロダクションも良くなっていますね。バンドとしての着実な成長が感じられる1枚だと思います。

【音源紹介】
The Road To Ruin

BLOOD STAIN CHILD「SILENCE OF NORTHERN HELL」(2002)

  • 2016/08/23(火) 00:00:00

SILENCE OF NORTHERN HELL
【No.476】
★★★(2007)

大阪出身の5人組メロディック・デスメタルバンドBLOOD STAIN CHILDのデビューアルバム。リリース当初、本作は7曲入りミニアルバムという位置づけで次回作「MYSTIC YOUR HEART」(2003)が1stフルレンスと見なされていたようですが、今ではこの作品がBLOOD STAIN CHILDの正式な1stアルバムという見方が一般的なようです。今でこそ国産メロデスシーンといえばGYZE、THOUSAND EYESなどの有望株が続々と現れていますが、本作が発表された2002年当時に活動していた日本のメロデスバンドというと女性グロウラー嶋本 斎子擁するSHADOWくらいしか思いつかないですね(実際は他にもいたと思いますが)。僕の中でBLOOD STAIN CHILDはこのジャンルの草わけ的バンドのひとつというイメージがあります。

本作で展開されているサウンドを一言で表すなら「超CHILDREN OF BODOMタイプ」ですね。中でも④Legend Of Darkは「ジャンジャン♪」と響くオーケストラヒットと喚き系のデスボイスが笑ってしまうほどチルボドしていて、やり過ぎ感もありますが曲としては好きです。このバンドの強みはCHILDREN OF BODOM風サウンドにクサメロとシンフォニックなアレンジを融合させている点でしょうね。初期CHILDREN OF BODOMが好きだったので後続バンドと言われるKALMAH「SWAMPLORD」(2000)、NORTHER「DREAMS OF ENDLESS WAR」(2002)なども聴いてみたところ「本家には及ばないかな」というのが率直な感想でした。そんな理由から僕が最初に聴いたBLOOD STAIN CHILDの作品は4th「MOZAIQ」(2007)で、このアルバムは後追いでチェックしたのですがリアルタイムで聴いていたら結構インパクトがあったのではないかと思います。

大仰なシンフォニックサウンドの中でクサいメロディが乱舞するBLOOD STAIN CHILDの魅力を凝縮したオープニングにしてタイトル曲の①Silence Of The Northern Hell、イントロのギターからして見事な泣きっぷりを見せる③Under The Sin Of Grief、3:00過ぎから怒涛の展開を見せる⑤Requiemなどはなかなか強力。ダンス/ユーロビートを導入してトランスメタルを確立する後の作品群に比べると、オリジナリティは希薄かもしれませんが非凡なメロディセンスはこの当時から輝きを放っていますね。音質があまり良くないこと、パワー不足と粗さが目立つグロウルに今後の課題があるし、全7曲で31分というボリュームに食い足りなさを感じるのは事実ながらデビュー作としては十分の出来ではないでしょうか。

【音源紹介】
Silence Of Northern Hell

【CD購入録】THOUSAND EYES「ENDLESS NIGHTMARE」(2015)

  • 2015/11/25(水) 00:00:00

【CD購入録】
ENDLESS NIGHTMARE
THOUSAND EYES「ENDLESS NIGHTMARE」(2015)

KOUTA(G/LIGHTNING)率いる国産メロデスバンドTHOUSAND EYESの2作目を買いました。KOUTAがTORU(G/TEARS OF TRAGEDY)とコンビを組むギターパートは本作でもバンドの大きな武器となっているし、DOUGEN(Vo/AFTERZERO)のグロウルも実に強力です。プレイボタンを押すと同時に炸裂する彼の咆哮と激しいブラストビートで幕を開ける①Endless Nightmareからしてインパクトがありますね。DOUGENが喉を痛めたためレコーディングが遅れたそうですが、アルバムを聴く限り心配はなさそうです。デビュー盤「BLOODY EMPIRE」(2013)の時点で完成度の高い90年代型メロデスを聴かせてくれていましたが、今回も期待を裏切らない出来栄え。もう少し楽曲の幅を広げてほしいような気もしますが、ここまで攻撃的に迫ってこられると逆に清々しく感じるほどです。中でもアルバムを締めくくる⑫One Thousand Eyesは年間ベストチューン候補に入ってきそうな1曲ですね。

【CD購入録】SOILWORK「THE RIDE MAJESTIC」(2015)

  • 2015/09/16(水) 00:00:00

【CD購入録】
THE RIDE MAJESTIC
SOILWORK「THE RIDE MAJESTIC」(2015)

メンバーチェンジを繰り返しながらもバンドとして成長を続けるメロデス/エクストリームメタル界の重鎮SOILWORKの10作目を買いました。現代ヘヴィメタルのひとつの型となった感すらあるグロウルとクリーンボイスを駆使したSOILWORKサウンドはそのままに、今回はクリーンパートの歌メロが更に強調されています。この辺りはBjorn“Speed”Strid(Vo)David Andersson(G)が在籍し、Bjornがノーマルボイスで歌うTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAでの活動が活かされているのかもしれませんね。先行で公開されていた①The Ride Majesticが好感触だったので購入したのですが、アルバムのハイライトはその①と⑦The Ride Majestic(Aspire Angelic)でしょうか。バンドの最高傑作かどうかはさておき十分楽しめる作品だと思います。

【CD購入録】SERENITY IN MURDER「THE FIRST FRISSON OF THE WORLD」(2011)

  • 2015/06/16(火) 00:00:00

【CD購入録】
THE FIRST FRISSON OF THE WORLD
SERENITY IN MURDER「THE FIRST FRISSON OF THE WORLD」(2011)

女性ボーカルEmiを擁する国産メロデスバンドSERENITY IN MURDERの1stアルバムを買いました。攻撃的なサウンドを軸としつつ、メロディアスなフレーズを紡ぎ出すツインギターとシンフォニックなアレンジが織り成す楽曲群は僕好みですね。クリーンボイスを使うことなく終始グロウルで押しまくるEmiは迫力十分だし、サウンドプロダクションも良好。様々な面で新人離れした完成度を誇っています。惜しむらくはアルバムの決め手となる曲がないことでしょうか。音楽性としては僕の好きなタイプでクオリティも高いのに、聴き終わった時にあまり印象に残っていないというのが正直なところです。同系統バンドにGYZEというツワモノがいるため、どうしてもハードルが高くなりがちですが今後が楽しみなバンドであることは間違いありません。

CHILDREN OF BODOM「HATE CREW DEATHROLL」(2003)

  • 2015/03/07(土) 00:00:00

HATE CREW DEATHROLL
【No.421】
★★★★(2003)
年間ベスト2003年第5位

デス/ブラックメタルにネオクラシカルギターと派手なキーボードを融合させるという独自のサウンドで1998年にデビューして以降、順当な成長振りを見せるCHILDREN OF BODOMの4作目。前作「FOLLOW THE REAPER」(2000)はこれまでで最もJanne Wirman(Key)のプレイが目立っていたのに対して今回はキーボードを(このバンドにしては)グッと抑え、ギターに重きを置いた作風となっています。それと連動するように男声コーラスや一緒に歌えそうなパートが増えているのも特徴でヘヴィかつブルータル、それでいてキャッチーなメタルを生み出すことに成功していますね。デビューアルバムから3rdまでは着実に前進しているという印象でしたが、今回は「化けた」と言えるほど飛躍していて驚きました。

まずはオープニングの①Needled 24/7からして強烈。バンドの代名詞にもなっている「ジャンジャン!」というキーボードで幕を開けたかと思うと極上のメロディとブルータリティが押し寄せてくるこの曲は間違いなくキラーチューンです。心地よいグルーヴ感の中で「666!!(シックシックシックス!!)」と叫ぶAlexi Laiho(Vo、G)が堪らなくカッコいい②Sixpounder、Janneが大きな見せ場を作り出すソロパートだけでなくリフワークも秀逸な③Chokehold(Cocked'N'Loaded)、そこから間髪入れずに繋がる④Bodom Beach Terrorも激しいサウンドの中で美味しいギターフレーズが乱舞していてテンションは上がりっぱなしです。チルボド流のメロウなバラード(?)⑤Angels Don't Killで一息ついた後は怒涛の後半へ突入。従来のネオクラテイストとキャッチーなコーラスが同居した⑥Triple Corpse Hammerblow、邪悪なムードを発散しながら疾走するイントロに始まりサビではシンガロングを誘うコーラスを配した⑦You're Better Off Dead、そして⑧Lil' Bloodred Ridin' Hoodの余韻に浸る間もなくドラマティックにスタートするタイトル曲⑨Hate Crew DeathrollはCHILDREN OF BODOMの魅力を詰め込んだようなナンバーで、これを本編ラストに持ってくる配置も素晴らしい。恒例のカバーはSLAYER⑩Silent ScreamRAMONES⑪Somebody Put Something In My Drinkの2曲で、前者のハマり具合は見事だし後者ではこれまでと違って「歌うAlexi」が新鮮です。

Alexi、Janneという2人のスタープレイヤーに加えてリズムギターとして土台を支えるAlexander Kuoppala、音質の向上によってその実力がより明確に伝わってくるようになったHenkka Blacksmith(B)、Jaska Raatikainen(Ds)のリズム隊からなる布陣は鉄壁ですね。個人的な好みでは2nd「HATEBREEDER」が最高傑作だという思いに変わりはないものの、CHILDREN OF BODOMが自身の音楽性を完成させた本作こそがバンドにとっての最重要アルバムと言えるでしょう。それだけでなくバンドは本作で新世代メタルシーンにおけるひとつのスタイルを確立したと思います。難点を挙げるとすれば、このアルバムがこれ以上ないほどにチルボドサウンドの理想型を体現しているため次回以降の作品を聴いても物足りなさを感じてしまう点でしょうか…(苦笑)。

【音源紹介】
・Needled 24/7

CHILDREN OF BODOM「FOLLOW THE REAPER」(2000)

  • 2015/03/01(日) 00:00:00

FOLLOW THE REAPER
【No.420】
★★★(2000)

ARCH ENEMYと並んで僕にメロディック・デスメタルの門戸を開いてくれたテクニカル様式美ブラック・メタル・バンド(本作の帯タタキより抜粋)CHILDREN OF BODOMの3rdアルバム。バンドが持つ攻撃性はキープしつつ、よりストレートで正統派メタル風になりサウンドプロダクションも向上した本作は順当な成長振りを見せつける1枚となっています。若くして北欧エクストリームメタル界を代表するギタリストの一人となったAlexi Laiho(Vo、G)は相変わらず凄まじいプレイを連発しているし、Janne Wirman(Key)のフィーチュア度が更に高まっています。背筋も凍るほどに冷徹なイントロ、バッキングでも確かな存在感を示しソロになると華麗に弾きまくるJanneはチルボドサウンドの鍵を握るほどの存在になっていますね。

アルバムタイトルを冠したオープニングトラック①Follow The Reaperからしてギターとキーボードによる激しいバトルが展開され、その勢いは衰えることなくチルボドらしさ満点の②Bodom After Midnight、③Children Of Decadenceまで持続していきます(前者は一緒に歌えそうなパートもあって新鮮)。また⑤Mask Of Sanityではジャーマンメタルにも通じる明朗な歌メロが飛び出してきて驚かされるし、シングルカットされた⑦Hate Me!は本作の特徴であるキャッチーさ、わかりやすさを端的に表した名曲です。①、⑤、⑦などはバンドの代表曲と言っても過言ではないでしょう。

ただ前作「HATEBREEDER」(1999)とそれに伴うライブ盤「TOKYO WARHEARTS」(1999)で彼等のファンになった僕としては、ネオクラシカル色やクサいメロディが減退している点に物足りなさを感じるのも事実。各パートとしてはカッコいいと思える場面が次から次へと出てくるのですが、ひとつの曲として聴くと印象に残るものとそうでないものがあるんですよね…。また、音質が良くなっている一方でリズムギターのサウンドが鋭すぎて聴き疲れしてしまうのも気になりました。そんな不満点はあるものの、僕がこれまでに聴いたCHILDREN OF BODOMのアルバム群(デビュー作〜7th「RELENTLESS RECKLESS FOREVER」)の中でも本作はトップクラスの出来だし、聴きやすさという点でも秀でているのでCHILDREN OF BODOMのみならずメロデスというジャンルに入門する際にもピッタリの作品だと思います。

【音源紹介】
・Mask Of Sanity

【CD購入録】GYZE「THE BLACK BRIDE」(2015)

  • 2015/02/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
BLACK BRIDE
GYZE「THE BLACK BRIDE」(2015)

イタリアのCoroner Recordsと契約して2013年にリリースしたデビュー作「FASCINATING VIOLENCE」が好評を博し、翌年には国内盤も発売された北海道出身のメロデスバンドGYZEの2作目を買いました。前作では逆輸入デビューという形でしたが今回は日本先行発売となっている点にバンドの勢いを感じますね(今回もDISARMONIA MUNDIの中心人物Ettore Rigottiがバックアップしています)。プレイボタンを押して①BLACK BRIDEのイントロが流れてきた時点で「今回もいける!」と確信しました。バンドの持ち味である劇メロ、哀メロをふんだんに取り入れた楽曲が次から次へと繰り出されます。新生面としては曲名に日本語を取り入れている点でしょうか。⑨「菜の花」は全編日本語で歌っています(内容が聞き取れない箇所も多いですが/苦笑)。とにかくデビュー作から順当すぎるほどに成長した姿を見せてくれる充実盤で嬉しくなりますね。

【CD購入録】AMARANTHE「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)

  • 2014/10/16(木) 00:00:00

【CD購入録】
MASSIVE ADDICTIVE
AMARANTHE「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)

2011年にデビューして以降、順調に活動を続けるAMARANTHEの3作目を買いました。前作「THE NEXUS」(2013)リリース後にデス声担当のAndy(Vo)が脱退、後任にHenrik Englund(Vo/ex-SCARPOINT)が加入しています。本作を聴く限りメンバーチェンジの影響はさほど感じられず、今回もAMARANTHEらしいキャッチーでコンパクトな楽曲が並んでいます。基本線はこれまでと同じですがバンドの独自性でもあるテクノサウンドとの融合をより大胆に取り入れていること、フィーメルシンガーElize Rydの歌声に艶と張りを増している点に進化の跡が感じられますね。楽曲面でも先行で公開されていた②Drop Dead Cynicalを筆頭に④Massive Addictive、⑨Danger Zone、⑫Exhaleなどは1度聴いただけでメロディが耳から離れない強力なナンバーとなっています。ただ過去2作品の序盤にあったような圧倒的な畳み掛けが今回はないので、このバンドのアルバムにしては第一印象のインパクトは若干弱い気もしますね。

CHILDREN OF BODOM「TOKYO WARHEARTS LIVE IN JAPAN 1999」(1999)

  • 2014/06/21(土) 00:00:00

TOKYO WARHEARTS LIVE IN JAPAN 1999
【No.399】
★★★★(1999)
年間ベスト1999年第3位

暴虐のブラックメタルと美麗なネオクラシカルエッセンスを融合させた「SOMETHING WILD」(1998)で衝撃的なデビューを飾り、2nd「HATEBREEDER」(1999)で更なる進化を遂げたCHILDREN OF BODOMIN FLAMESをメインアクトにしてSINERGYと共に初来日を果たした模様を収録したライブアルバム。当日のライブに参戦した方々の間ではメインのIN FLAMESを食ってしまうほど素晴らしいパフォーマンスだったという評判のようですが、本作を聴くとそんな高評価にも納得できますね。ちなみにSINERGYは1999年にデビューしたヘヴィメタルバンドで女性シンガーKimberly Gossの確かな歌唱力とルックスのインパクトに加えてIN FLAMES、CHILDREN OF BODOMそれぞれの中心人物Jesper Stromblad(G)、Alexi Laiho(G)が在籍していたり、当時AlexiとKimberlyが恋人関係にあったことなどから注目を集めていましたが後にAlexi達は関係を解消、バンドも3rd「SUICIDE BY MY SIDE」(2002)を最後に消滅しています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Intro(アメリカのテレビドラマ「マイアミ・バイス」のテーマを基にしたイントロ)
02. Silent Night, Bodom Night(2nd「HATEBREEDER」)
03. Lake Bodom(1st「SOMETHING WILD」)
04. Warheart(2nd「HATEBREEDER」)
05. Bed Of Razors(2nd「HATEBREEDER」)
06. War Of Razors(ギター/キーボードソロ)
07. Deadnight Warrior(1st「SOMETHING WILD」)
08. Hatebreeder(2nd「HATEBREEDER」)
09. Touch Like Angel of Death(1st「SOMETHING WILD」)
10. Downfall(2nd「HATEBREEDER」)
11. Towards Dead End(2nd「HATEBREEDER」)

バンドのマスコットキャラである死神(?)がアニメ調にデフォルメされ、ゴジラらしき怪獣と対峙するアルバムジャケットには思わず苦笑いしてしまいますが肝心の内容はというと、デビュー2年目の初来日で早くもライブ盤リリースするというバンドの勢いをそのまま反映させた熱い1枚となっています。選曲面についても彼等のライブに欠かせない②Silent Night, Bodom Night、⑩Downfallといった2ndからの曲を中心に、デビュー作の美味しいところも押さえていて初期ベスト盤と言っても差し支えないほど充実しています(唯一の不満はバンド名を冠したChildren Of Bodomが入っていないことくらい)。またライブ盤でありながらスタジオアルバム以上に音が良く、超絶テクニックを見事に再現してしまうどころかオリジナルよりも更に速くアグレッシブなバージョンとなっている点も見逃せません。

そんなバンドの中心にいるのはやはりAlexiとJanne Wirman(Key)の2人。⑥War Of Razorではソロバトルを繰り広げているほか僕の大好きな⑧Hatebreeder、⑪Toward Dead Endを筆頭にどの曲も本作のバージョンを聴いてしまうとスタジオ盤には戻れないほどカッコいい仕上がりになっています。CHILDREN OF BODOMは本作以降も加速度的に成長を続け、バンドとしての成熟振りを記録したライブDVD、2CD「CHAOS RIDDEN YEARS - STOCKHOLM KNOCKOUT LIVE」(2006)もリリースしていますが僕はバンドの熱い初期衝動を収めた本作の方が好きですね。

【音源紹介】
・Towards Dead End(Live)