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【CD購入録】FUKI「MILLION SCARLETS」(2019)

  • 2019/06/17(月) 00:00:00

【CD購入録】
MILLION SCARLETS
FUKI「MILLION SCARLETS」(2019)

今年の1月にリリースされたSyu(G/GALNERYUS)のソロ「VORVADOS」にゲスト参加し2曲でリードボーカルを取っていたことも記憶に新しい女性シンガーFuki(FUKI COMMUNE、DOLL$BOXX、UNLUCKY MORPHEUS etc)のソロアルバム。彼女にとって初のソロプロジェクトとなったFUKI COMMUNE同様、LIGHT BRINGER時代の盟友Mao(Key)が全面的にサポートしているものの外部ソングライターによる楽曲の割合が増えていることもあってHR/HM度は減退しています。オープニングを飾る①Bloody Rain、②「君の居ない世界」はパワーメタル系ではあるもののそれ以降は「自分が聞きたいFukiの歌声”をめいっぱい収録した」と自ら語るのも頷けるほど、これまで以上に幅広い曲調と歌い方を披露。Jill(Violin/UNLUCKY MORPHEUS)の客演が光るゴシカルな⑤「絶戒のJuliet」、ピースフルなコーラスが印象的な和やかソング⑧「子供のように」、Fukiのセリフパートもあるアイドルポップ風⑨Zinger♡Ringer♡Gang♡Love辺りがその顕著な例でしょうか。そんな⑨から本作随一のシンフォニックメタル曲⑩Sacred Bones Riotに繋がる落差もインパクト大な本作はこれまでで最も振り幅の大きなアルバムなのでメタルシンガーFukiのソロとして聴くと意表を突かれますが、HR/HMだけでは表現しきれないFukiの歌を楽しむ1枚としてはFUKI COMMUNE以上に最適だと思います。

FUKI COMMUNE「WELCOME!」(2016)

  • 2019/06/13(木) 00:00:00

WELCOME!_201606202226504f1.jpg
【No.532】
★★★★(2016)
年間ベスト2016年第5位

2014年いっぱいでLIGHT BRINGERが活動休止となってからもNozomu Wakai's DESTINIA、SOUND HORIZONへのゲスト参加やUNLUCKY MORPHEUSで活動をしていた稀代の歌姫FukiによるソロプロジェクトFUKI COMMUNEの1stアルバム。本作がリリースされる頃からアニソン系ヘヴィメタルシンガーと呼ばれるようになった気がするFuki嬢ですが、インタビューによるとソロでアニソン歌手を目指したいという本人の想いからFUKI COMMUNEが誕生したらしいので、この呼び名はアーティスト側の意向でもあるようですね。制作面でパートナーを務めるのは現時点でLIGHT BRINGERのラストアルバムとなっている「MONUMENT」(2014)でメインソングライターを務めたMao(Key)で幻想的なバラード⑥「朝な朝な」、尺八の音色とともに疾走する曲調が陰陽座の代表曲でアニメ「バジリスク」の主題歌にもなった「甲賀忍法帖」を連想させる⑦「狂い咲け雪月華」を除く全曲を彼が作曲、Fukiが作詞しています。本作は「MONUMENT」の残り香を感じさせつつアニソン要素が強まっているため、インディーズ時代のLIGHT BRINGERから濃密なインストパートを取り除くとFUKI COMMUNEになると言うこともできそうですね。

デジタリーなイントロダクション①Welcome to my dream - Instrumental -に導かれて登場する②「月が満ちる前に」、③「輝く夜へようこそ!」はどちらもキャッチーなサビメロで幕を開ける楽曲で心を掴まれました。この2曲はアニソンっぽさを強く感じさせつつも、編曲にMaoと若井 望(G/Nozomu Wakai's DESTINIA)が関わっていることもあってかメタリックな魅力も兼ね備えていて、本作のみならずFUKI COMMUNEを象徴するナンバーと言えそうですね。続く④I'll never let you down!はMaoのオルガンプレイが耳に残るハードロックでFukiもこれまで披露してこなかった乱暴な歌い方や低い唸り声を取り入れています。その一方で外部ライターによる⑥では囁くように歌うFukiが新鮮です。個人的にはヒロイックなメロデイが駆け抜ける⑨Liberator、序盤はバラード調ながら後半は一転して激しくドラマティックな展開が聴き手を飲み込んでいく⑩「未来」、LIGHT BRINGERの3rd「GENESIS」(2012)収録のLove you♡と同系統の爽快系スピードチューン⑪Sail on my loveのラスト3曲がハイライトとなっていますね。

LIGHT BRINGERやDOLL$BOXXに比べると聴き込むほどに好きになる要素は少ないですが、やり過ぎ感かなくとっつきやすい作風なので普段ヘヴィな音楽を聴かないリスナーにとってのHR/HM入門盤には最適な1枚だと思います。またソロプロジェクトというだけあってFukiのボーカルに焦点が当てられているし演奏陣もそれほど前に出てこない音作りのため、彼女の歌を存分に味わえるのもいいですね。異なる声色を駆使しながら楽曲のコンセプトにあわせて多彩な表情を見せつつも「Fukiの声」という太い芯が通っているため彼女の世界観にグッと引き込まれます。HR/HMシンガーとしてのFukiを期待すると肩透かしをくらう要素もあるのは事実ながら、アニソン要素も多分に含んでいたLIGHT BRINGERでシーンに登場したFuki初のソロプロジェクトとしては申し分ない仕上がりとなっていると思います。

【音源紹介】
「輝く夜へようこそ!」(Music Video Short ver.)

DOLL$BOXX「DOLLS APARTMENT」(2012)

  • 2019/05/30(木) 00:00:00

DOLLS APARTMENT
【No.531】
★★★★★(2013)

リードシンガーのArmmyが体調不良のため脱退してしまうという危機に直面したガチャピンことGACHARIC SPINのツアーにFuki(Vo/LIGHT BRINGER)がサポートボーカルとして参加したことがきっかけで誕生したDOLL$BOXXの1stアルバム。「ガチャガチャな4人が作り出す高速スピンサウンド」を掲げるGACHARIC SPINとアニソンテイストもあるメロディックメタルを聴かせるLIGHT BRINGERが合体することでどんなケミストリーが起きるのか興味津々でしたが、期待を裏切らない仕上がりとなっています。基本的にはガチャピン寄りの音楽性でありつつ、両バンドに共通する「音を詰め込んだ濃密なサウンドスタイル」はしっかり継承(というか更に強化)されているし、それに負けじとFuki嬢のボーカルも声を張り上げて歌う場面が多くて圧倒されます。

そんなパワー漲るアルバムを象徴するかのようにグロウルも交えながら畳み掛けてくる①Loud Twin Stars、キャッチーな掛け声パートで一緒に歌いたくなる②Merrily High Go Roundで掴みはバッチリ。Fukiの凄まじい声量に改めて感心させられる③Take My Chanceもインパクトがあるし、FチョッパーKOGA(B)のベースラインが気持ちいい④monopolyも好きですがそれ以降は更に強力です。曲名通りの勇ましさを感じさせる⑤「ロールプレイング・ライフ」、Fukiの絶品歌唱が堪能できるモダンバラード⑥fragrance、本作では最もメタリックな疾走ナンバー⑦KARAKURI TOWNを経て、外部ライターによる曲ながらサビメロが絶品なキラーチューン⑧「おもちゃの兵隊」に至る流れが素晴らしいですね。それまでの濃厚な楽曲とは対照的にシンプルな曲調が光る⑨Doll’sBoxも締めくくりに相応しいと思います。GACHARIC SPINのリメイク⑩「ヌーディリズム($ヴァージョン)」はボーナストラックのような位置付けでしょうか。

正直なところ聴き始めの頃は無機質なサウンドプロダクションに違和感があったし、押しまくるスタイルに聴き疲れやFukiの低音域にぎこちなさを感じたりしていたものの、それ以上に魅力的な楽曲群にねじ伏せられてしまいました。ただ⑩の歌に関してはFukiだと余裕がありすぎて、オリジナルでオレオレオナ(Key、Vo)はな(Ds、Vo)のツインボーカルが醸し出す独特の緊迫感が肝だと思っていた僕としては原曲の方が好きですね。といいつつもGACHARIC SPINのどの作品よりも好きだし、LIGHT BRINGERのアルバムと比較しても名盤「SCENES OF INFINITY」(2013)に次ぐお気に入り盤となっています。個性的な5人のメンバーが一体となって迫ってくるDOLL$BOXXサウンドは数あるガールズバンドの中でも一際輝いていますね。また本作の全10曲うち⑩を除く9曲のMVが制作されている辺りにレーベル側も力が入っていることが窺えます。

【音源紹介】
「おもちゃの兵隊」

【CD購入録】JIM PETERIK & WORLD STAGE「WINDS OF CHANGE」(2019)

  • 2019/05/16(木) 00:00:00

【CD購入録】
WINDS OF CHANGE
JIM PETERIK & WORLD STAGE「WINDS OF CHANGE」(2019)

ここ最近はPRIDE OF LIONSに加えてPETERIK/SCHERER、SCHERER/BATTENなど複数のプロジェクトで精力的な活動を見せているJim Peterik(G/ex-SURVIVOR)JIM PETERIK & WORLD STAGE名義として19年振りに完成させた2作目。このプロジェクトはゲストシンガー達がJimの曲を歌うという体制でDon Barnes (38 SPECIAL)、Dennis DeYoung(STYX) 、故Jimi Jamison(ex-SURVIVOR)、Kevin Cronin (REO SPEE DWAGON)、Toby Hitchcock(PRIDE OF LIONS)などJimと共演経験のある人選からLars Safsund(LIONVILLE、WORK OF ART)のように初共演と思われる人物まで多岐に渡った顔ぶれとなっています。90年代にHR/HMを聴くようになった僕としてはJimi Jamison、Lars Safsund、Toby Hitchcock以外は名前は知っているけれど作品を聴いたことがない歌い手が多いですね。とはいえキャリア的には申し分のない実力者揃いだし、Jimによる熟練の作曲術で生み出された曲はどれも確かなクオリティを備えているので心地よく聴ける1枚となっています。メロディアスな曲は勿論、⑨I Will What I Want、⑪Avalancheといったノリ重視のロックソングにもフックがあるのは流石ですね。

【CD購入録】TOBY HITCHCOCK「RECKONING」(2019)

  • 2019/05/11(土) 00:00:00

【CD購入録】
RECKONING.jpg
TOBY HITCHCOCK「RECKONING」(2019)

Jim Peterik(G/ex-SURVIVOR)と組んだPRIDE OF LIONSでこれまでに5枚のアルバムをリリースしているToby Hitchcock(Vo)の2ndソロ作品。前作「MERCURY'S DOWN」(2011)ではErik Martensson(Vo、G/ECLIPSE、W.E.T.)が全面参加していたのに対して今回はDaniel Flores(Ds、Key/FIND ME etc)プロデュースの下、FRONTIERS RECORDS御用達のAlessandro Del Vecchio(Key)Marcus Nygren(Vo/STATE OF SALAZAR)、Michael Palace(Vo/PALACE)といったソングライターが曲を提供しています。ラインナップを見ただけで「ハズレはない」と確信できる顔ぶれですが中身の方もその期待を裏切りません。Tobyの伸びやかな高音を活かす溌剌としたサウンドが気持ちいい①No Surrender、②Promise Meの冒頭2曲と雄大なバラード③Show Me How To Liveを筆頭にメロディックロックの王道をゆく楽曲群がズラリと並びます。優等生過ぎる感があるのも事実ながらメロハー職人達と実力派シンガーが集結しただけあってクオリティは折り紙つきですね。

【CD購入録】SCHERER/BATTEN「BATTLEZONE」(2017)

  • 2019/05/02(木) 00:00:00

【CD購入録】
BATTLE ZONE
SCHERER/BATTEN「BATTLEZONE」(2017)

Jim Peterik(G/PRIDE OF LIONS、ex-SURVIVOR)に見出され、PETERIK/SCHERERでデビューを果たしたMarc Scherer(Vo)と、Michael JacksonJeff Beckとの共演経験もあるニューヨーク出身の女性ギタリストJennifer BattenによるプロジェクトSCHERER/BATTENの1stアルバム。作曲とプロデュースにはJim Peterikが関わっていることもあってPETERIK/SCHERERにも似た極上のメロディアスハード作品に仕上がっています。それだけでなくJenniferのフラッシーなギターをフィーチュアしているためPETERIK/SCHERERでは希薄だったハードなサウンドも楽しめるのが特徴ですね。心地よいドライヴ感を持った②Rough Diamond、ポップなメロディが弾ける③What Do You Really ThinkもさることながらMarcとJenniferも曲作りに関わったタイトル曲⑤BattleZone、泣きのギターが冴え渡る⑥It Cuts Deep、サックスの音色がいい味を出している⑦The Harder I Try、晴れ渡る青空が目に浮かぶ爽快チューン⑧Dreaming With My Eyes Wide Openが並ぶ後半の充実振りは流石の一言です。また⑨Space And TimeはJimが故John Wetton(Vo/ASIA、ex-KING CRIMSON etc)の2ndソロ「VOICE MAIL」(1994)に提供した名曲のリメイクという贅沢な内容となっています。正直なところ、ここ最近のPRIDE OF LIONSよりもこちらの方が好きですね。

【CD購入録】PRIDE OF LIONS「FEARLESS」(2017)

  • 2019/04/28(日) 00:00:00

【CD購入録】
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PRIDE OF LIONS「FEARLESS」(2017)

天才メロディメイカーJim Peterik(G/ex-SURVIVOR)、張りのあるハイトーンボイスの持ち主Toby Hitchcock(Vo)という2枚看板で質の高いメロディックロックを量産してきたPRIDE OF LIONSの5作目。2015年にはJimがTobyと似たタイプのMarc Scherer(Vo)PETERIK/SCHERERを立ち上げ、同系統のアルバムを発表したためPRIDE OF LIONSの今後に一抹の不安がよぎりましたが全くの杞憂だったようです。今回も期待にきっちり応える作品になっているばかりか、やや物足りなさを感じた前作「IMMORTAL」(2012)から持ち直した感もありますね。PRIDE OF LIONS史上で最もヘヴィな⑤FearlessSURVIVOR時代の盟友で2014年に他界したJimi Jamison(Vo)へ捧げた⑦Freedom Of The Nightなど話題性のあるナンバーも収録しています。ただし過去の名作群で聴けた問答無用のキラーチューンはないように思うので手堅いメロディックロック作品というイメージが強いですね。

【CD購入録】PETERIK/SCHERER「RISK EVERYTHING」(2015)

  • 2019/04/19(金) 00:00:00

【CD購入録】
RISK EVERYTHING
PETERIK/SCHERER「RISK EVERYTHING」(2015)

Jim Peterik(G/PRIDE OF LIONS、ex-SURVIVOR)がスタジオで偶然耳にしたMarc Scherer(Vo)の歌声に惚れ込み、結成に至ったという新プロジェクトPETERIK/SCHERERの1stアルバム。Marcは5オクターブの音域を持っているらしく、声質的にはToby Hitchcock(Vo/PRIDE OF LIONS)に似ているので時々PRIDE OF LIONSを聴いているような気になってきます(笑)。違いを挙げるとすればTobyに比べてMarcはあまり声を張り上げずに力を抜いたスタイルだということでしょうか。楽曲的にも「流石Jim Peterik」と言いたくなる高品質なものばかりで安定感抜群です。まずは冒頭の①Risk Everything、②Chance Of A Lifetimeが清涼感に溢れるメロハーの王道チューンだし、重厚なミドル③Cold Bloodedを挟んで繰り出される④Desperate In Loveはバラードかと思いきや徐々にアップテンポになっていく展開が美味。Jimのメロディ作りの上手さが際立つ⑤Thee Crescendoも印象的で序盤の充実振りは目をみはるものがありますね。後半はややテンションが下がるように感じますが、日本盤ボーナス⑫The Man I Am、⑬Moment To Memoriesに至るまで佳曲揃いでPRIDE OF LIONSに勝るとも劣らないクオリティを誇っているのでメロディックロックファンなら聴いて損はない1枚だと思います。

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「MOONGLOW」(2019)

  • 2019/02/20(水) 00:00:00

【CD購入録】
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TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「MOONGLOW」(2019)

Tobias Sammet(Vo)EDGUYと並行して活動を続けているメタルオペラ・プロジェクトTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAの8作目。ゲストシンガーは過去作でも歌っていたMichael Kiske(HELLOWEEN、UNISONIC)、Jorn Lande(JORN、ALLEN-LANDE)、Ronnie Atkins(PRETTY MAIDS)、Bob Catley(MAGNUM)、Geoff Tate(ex-QUEENSRYCHE)、Eric Martin(MR.BIG)に加えて今回はCandice Night(BLACKMORE'S NIGHT)、Hansi Kursch(BLIND GUARDIAN)、Mille Petrozza(KREATOR)らが初めて参加しています。音楽性としては近作と同じくメロディックパワーメタルの枠に収まりきらない多彩なHR/HMが展開されていてTobiasの非凡なソングライティング能力が発揮されていますね。プレイボタンを押すと同時にTobiasが静かに歌うサビから始まる①Ghost In The Moonは新鮮だし、母国ドイツの先輩HansiとMilleの個性を活かすのに最適なパートが用意された②Book Of Shallows、Candiceの清廉な歌声をフィーチュアした③Moonglow、ケルティックなサウンドと曲後半で疾走する構成が3rd「THE SCARECROW」(2008)のタイトル曲を思い起こさせる④The Raven Childなど序盤からして充実しています。また後半も活気あふれる⑧The Piper At The Gates Of Dawn、Tobias曰くMichael Kiskeの声をイメージして作曲したというパワーメタル⑩Requiem For A Dreamといった曲がアルバムを盛り上げてくれます。個人的な好みとしてAVANTASIAの最高傑作と言えるかは微妙ですが今回も愛聴盤となりそうです。

【CD購入録】WITHIN TEMPTATION「RESIST」(2019)

  • 2019/02/15(金) 00:00:00

【CD購入録】
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WITHIN TEMPTATION「RESIST」(2019)

ヨーロッパを代表するシンフォニックメタルバンドの名に相応しい傑作アルバム「HYDRA」(2014)をリリース後、燃え尽き症候群のような状態に陥り解散も意識したというWITHIN TEMPTATIONの7作目。バンド史上最大と言ってもいいくらいの危機を乗り越えて完成させた本作は、相変わらずハイクオリティで大物の風格を感じさせる極上のサウンドです。彼等にしては珍しいアップテンポDangerousも収録していた前作に比べると地味な作風ですが、ついリピートしたくなる不思議な魅力がありますね。印象的なキーボードのフレーズが曲を引っ張っていく①The Reckoningからラストに相応しい壮大な雰囲気を持つ⑩Trophy Hunterまで、このバンドらしい楽曲が並んでいます。惜しむらくはミドルテンポの曲が続くためHR/HMならではの高揚感が希薄な点でしょうか。解散の危機をなんとか乗り切ったバンドの今後に注目したいですね。

【CD購入録】CORE LEONI「THE GREATEST HITS PART 1」(2018)

  • 2019/01/29(火) 00:00:00

【CD購入録】
THE GREATEST HITS PART1
CORE LEONI「THE GREATEST HITS PART 1」(2018)

スイスを代表するハードロックバンドGOTTHARDの中心人物Leo Leoni(G)がバンド名を冠したデビュー作の発売25周年を記念して立ち上げたプロジェクトCORE LEONIの第1弾アルバム。内容はというと1st「GOTTHARD」(1992)から3rd「G.」(1996)までの曲を中心としたGOTTHARDのリメイク作品でリードボーカルはRonnie Romero(Vo/LORDS OF BLACK、RITCHIE BLACKMORE'S RAINBOW)が務めています。Nic Maeder(Vo)加入後のGOTTHARDは渋めのブルーズロック色が強くのめり込めなかった僕としては、ここ最近の本家以上に楽しめました。Ronnieの熱唱もお見事で今は亡きSteve Lee(Vo)が歌っているのかと錯覚してしまう場面もあるほど。新曲⑨Walk On WaterもSteve在籍後期のGOTTHARDを彷彿とさせる佳曲です。Nicをフロントマンに迎えた体制で順調に活動していると思っていたため、別のシンガーを迎えてGOTTHARDのリメイク作をリリースしたLeoの真意はわかりませんがCORE LEONIのラインナップでオリジナルアルバムを出してくれるなら大歓迎ですね。

【CD購入録】OUTLOUD「VIRTUAL HERO SOCIETY」(2018)

  • 2018/11/21(水) 00:00:00

【CD購入録】
VIRTUAL HERO SOCIETY
OUTLOUD「VIRTUAL HERO SOCIETY」(2018)

ギリシャ屈指のメロディメイカーBob Katsionis(Key、G/FIREWIND)率いるメロディアス・ハードロックバンドOUTLOUDの4作目を買いました。今回もChandler Mogel(Vo)の魅力的な歌声を活かした優れたメロハーサウンドが展開されています。シンセの音色がダンサブルな雰囲気を醸し出す②My Promise、近未来的な印象のある③Virtual Heroes、哀メロの効いた④I Am The Oneとシングルカット曲を固めた序盤は強力だし、絶品のサビメロを奏でるギターから始まる⑧Borrowed TimeはOUTLOUDお得意のスタイルがハマった僕好みのナンバーとなっています。それらの間にはバラード佳曲⑤Share My Dreams、サックスをフィーチュアした⑥World-Go-Round、アリーナロック風の⑦We Got Toniteがあったり、終盤にはアカペラ主体の⑪Fallen Loveがあったりして1枚のアルバムとしての流れもいいですね。僕の中でOUTLOUDは今やメロディテック・ロックバンドの中でも安心ブランドのひとつとなっています。

【CD購入録】DYNAZTY「FIRESIGN」(2018)

  • 2018/11/17(土) 00:00:00

【CD購入録】
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DYNAZTY「FIRESIGN」(2018)

AMARANTHEに電撃加入したNils Molin(Vo)が以前から在籍していたDYNAZTYの6作目を買いました。初期はバッドボーイズ〜メロディックロック系だったのが4th「RENATUS」(2014)でグッとメタル度が増し、音をギッシリ詰め込んでいた印象でしたが今回はソリッド感が減退し適度に隙間のあるサウンドに変化しているように思います。気持ちよく疾走するわけでもなければメロウなバラードで泣かせるでもない作風なので、ガツンと来るインパクトはありませんが不思議とリピートしたくなります。正式メンバーは不在ながらアルバムを重ねる度にキーボードの存在感が増し、デジタルサウンドによる装飾が目立ってきているのも本作の特徴ですね。その傾向が表れているタイトル曲⑥Firesign、「フォロ、ミィ♪」の漢臭いコーラスをフィーチュアした⑧Follow Meなどが気に入っています。

【CD購入録】TREAT「TUNGUSKA」(2018)

  • 2018/09/25(火) 00:00:00

【CD購入録】
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TREAT「TUNGUSKA」(2018)

スウェーデン産メロディックロックのベテランバンドTREATの8作目を買いました。18年振りの復活アルバムとなった前々作「COUP DE GRACE」(2010)に比べると、前作「GHOST OF GRACELAND」(2016)は一撃のインパクトはさほど大きくないものの円熟味を感じさせる作品でした。今回もその延長線上にあると言えそうな作風で、一度聴いただけで頭から離れなくなってしまうようなキラーチューンはない一方で味わい深いメロディックロックが楽しめます。先行で音源が公開されていた④Rose Of Jericho、⑧Build The Loveは流石の出来だし、重厚なオープニング曲①Progenitorsや即効性高めの⑨Riptide、そして本編ラストをカッコよく締めくくる⑫Undefeatedなどもお気に入りですね。派手さはなくともバンドの魅力がしっかりと発揮された1枚だと思います。

【CD購入録】浜田 麻里「GRACIA」(2018)

  • 2018/09/21(金) 00:00:00

【CD購入録】
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浜田 麻里「GRACIA」(2018)

今年でデビュー35周年を迎える大ベテランでありながら、そのハイトーンボイスは衰えるどころか一段と冴え渡っている浜田 麻里の26作目を買いました。前作「MISSION」は2016年にリリースされた新譜の中でも頭ひとつ抜きん出た名盤だったので今回も期待していましたが、それにしっかりと応えてくれる力作に仕上がっています。一聴して感じるのは前作以上にメタル度をグッと増しているということですね。特に若井 望(G/DESTINIA)が作曲に関わった①Black Rain、②Disruptor、③Orienceの冒頭3曲が強力なメタリックチューンで心を鷲掴みにされました。ゲスト演奏陣に関しても豪華さはそのままにギタリストにはPaul Gilbert(MR.BIG etc)Chris Broderick(ex-MEGADETH)、Michael Romeo(SYMPHONY X)、Chris Impellitteri(IMPELLITTERI)といったプレイヤーが新顔として参加していて楽曲に華を添えています。またアルバム中盤に配された歌謡曲風のメロディアスチューンも胸に沁みるし、終盤もハードな⑩Dark Triadから凄まじいハイトーンが響く⑪Mangataで締めくくる圧巻の流れです。今回もかなりのお気に入り盤になりそうな気がしています。

【CD購入録】ECLIPSE「MONUMENTUM」(2017)

  • 2018/09/13(木) 00:00:00

【CD購入録】
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ECLIPSE「MONUMENTUM」(2017)

FRONTIERS RECORDSお抱えのソングライターとして多くの作品に関わり多忙を極めるErik Martensson(Vo、G)率いるECLIPSEの6作目を買いました。Erikは年々忙しくなってそうなのにECLIPSEのアルバムとしては約2年振りと、これまでで最も短いスパンでのリリースとなっていますね。彼のワーカホリック振りは素直に凄いと思います。いかにもECLIPSEらしい①Vertigoで幕を開ける本作も躍動感溢れる溌剌としたハードロックが堪能できます。過去2作品と同系統のサウンドなので新鮮味は希薄ながら、ここまで上質なアルバムにはなかなか出会えないと思いますね。そういう意味では非常にFRONTIERS RECORDSらしい作品だし、その中でも上位に来そうな充実盤です。

【CD購入録】GACHARIC SPIN「G-LITTER」(2018)

  • 2018/08/28(火) 00:00:00

【CD購入録】
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GACHARIC SPIN「G-LITTER」(2018)

リードシンガー不在で演奏陣の4人中3人がボーカルを兼任、パフォーマー(ダンサー)も正式メンバーに含むというユニークな編成で活動を続けるガールズロックバンドGACHARIC SPINの5作目を買いました。先行で公開されていたオープニングの①Redlineがこのバンドらしいロックチューンだったので期待していたのですが初めて聴いた時の印象は微妙でしたね。その要因となっているのが「年齢不詳の魔女になぁりたぁいなぁ…」というセリフから始まる⑧「年齢不詳の魔女になりたい」オレオレオナ(Key、Vo)のキャラが大炸裂する⑩「ズバリ発情期!」、うんち君(笑)のことを歌った⑪「うんうんうんちくん」という終盤の流れで、色モノ感が強く印象に残ったからです。ところが数回リピートするうちに、そんなことはあまり気にならなくなってきました。それどころか⑩のメロディとオレオレオナの絶叫が耳から離れなくなりました(笑)。またシリアスな楽曲についても①を筆頭に②Peacefully、⑨「アメフラレ」などで僕の期待にしっかり応えてくれています。インディーズ時代と比べると確実にポップ化が進行していて、初期の頃の方が僕好みなのは確かですが本作も十分楽しめそうな予感がしますね。

【CD購入録】CLIF MAGNESS「LUCKY DOG」(2018)

  • 2018/07/17(火) 00:00:00

【CD購入録】
LUCKY DOG
CLIF MAGNESS「LUCKY DOG」(2018)

Jay Graydon(G、Key)、Glenn Ballard(Key)と共に立ち上げたプロジェクトPLANET 3でアルバムを発表後、初のソロ作品「SOLO」(1995)で僕にAORの素晴らしさを教えてくれたClif Magness(Vo)がまさかの復活を果たして完成させた通算2枚目のソロアルバムを買いました。僕が持っている「SOLO」は1995年の国内盤ですが輸入盤では1994年にリリースされているので実質24年振りの新作となりますね。多くのアーティストに楽曲を提供するなど長年に渡り裏方に徹していたClifを表舞台に呼び戻したのはまたもFRONTIERS RECORDSの社長Serafino Perginoのようで、本作にもエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされています。HR/HMから距離を置いていた元HELLOWEENの伝説的シンガーMichael Kiskeをシーンに復活させたPLACE VENDOMEを筆頭にSerafinoのメロディックHR/HMへの貢献度は計り知れませんね。彼がいなければ現在のHR/HM界は違った形になっていたのかも…と思ってしまうほどです。本作の内容はというと期待を裏切らない高品質なメロディックロック/AORとなっていますが、キーボードが各曲を彩っていた「SOLO」に比べると、ギター主体のオーガニックな作風となっていて①Ain't No Way、⑧Shoutのように若々しさや勢いを感じさせる点が意外でした。Clifのボーカルに関しても流石に声の張りは落ちているように思いますが、温かみのある分厚い歌声は御年60歳を越えた今でも健在です。しばらくはClifが生み出す心地よいメロディックロックに浸りたいと思います。これからはFRONTIERS RECORDSのソングライターとして酷使されることなく(苦笑)、数年に1枚くらいのペースで新作を届けてくれると嬉しいですね。

PLANET 3「A HEART FROM THE BIG MACHINE」(1991)

  • 2018/06/15(金) 00:00:00

A HEART FROM THE BIG MACHINE
【No.517】
★★★★(1995)

HR/HMを聴き始めた頃に名盤「SOLO」(1995)でAOR(Adult Oriented Rock)の魅力を僕に教えてくれたClif Magness(Vo)が23年振りの新作「LUCKY DOG」(2018)を7月4日に発表するという嬉しいニュースが飛び込んで来たので、Clifがリードボーカルを務めたPLANET 3唯一のアルバムをご紹介。メンバーとして名を連ねるのはJay Graydon(G、Key)、Glenn Ballard(Key)でClifも含めた3人全員がグラミー賞受賞歴のあるソングライターという豪華布陣、ベースとドラムは打ち込みという編成です。僕はClifが歌うアルバムを探す中で本作と出会いましたがDavid Fosterと組んだAIRPLAYで一世を風靡したJay Graydonがこのユニットの中心人物で、彼はPLANET 3の音楽性を「CHICAGO meets DEF LEPPARD」と表現しています。

アメリカ音楽シーン屈指のソングライター3人が集結しただけあって、各曲のクオリティは非常に高く爽やかに幕開けを告げる①Born To Loveからして親しみやすいメロディと程よいロックサウンドのバランスが絶妙。軽快に跳ねるサウンドが気持ちいい②From The Beginning、繊細さと力強さを兼ね備えたClifの歌声を堪能できるバラード③Insincere、洗練されたハードポップ④Criminalもさることながら大きなハイライトとなっているのが「永遠の夜を君と」という邦題がつけられた⑤I Don't Want To Say Goodnightですね。個人的には2:30過ぎの劇的なサビコーラスが鳥肌モノでした。この曲は映画「ネイビーシールズ」のサントラ盤に収録されているほか、クイズ番組「世界ふしぎ発見!」のエンディングテーマに起用され日本でもヒットしたそうです。僕も⑤と⑩I Will Be Loving Youはこのアルバムを聴く前から耳にしたことがありました。

アルバム後半は若干テンションが下がり気味ではあるものの、それでも充実した楽曲が並びます。⑧Only Your EyesはClifの切ない熱唱と哀愁たっぷりのアコギによるソロが秀逸だし、LEVI'SジーンズのCM用に書き下ろされたという⑩も感動的。また⑥The Day The Earth Stood Stillはメロディは薄味ながら都会的なアレンジがお洒落な雰囲気を演出していてクセになりますね。これだけのアルバムを生み出しておきながらPLANET 3が本作のみで解散してしまったのは残念でなりません…。ちなみに僕は「典型的なAOR」と聞くとメロディックロックよりもソフトでメロウ、リズム隊は打ち込みで歌詞は大半が恋愛モノ、といった要素が思い浮かびますが本作もClif Magnessの「SOLO」同様、AORの教科書と呼ぶに相応しい名盤だと思います。

【音源紹介】
I Don't Want To Say Goodnight

【CD購入録】SATIN「IT'S ABOUT TIME」(2018)

  • 2018/05/27(日) 00:00:00

【CD購入録】
ITS ABOUT TIME
SATIN「IT'S ABOUT TIME」(2018)

BON JOVIKISSから多大な影響を受けているというノルウェーのソングライター/マルチプレイヤーTom SatinによるSATIN名義の2作目を買いました。2014年リリースのデビュー作「SATIN」は未聴なので、このアルバムが僕にとって初めて聴くSATINの作品となります。北欧のメロディメイカーといえばMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)が真っ先に思い浮かびますがSATINはMikaelほど哀愁、泣きメロが前面に出ている感はありませんね。このアルバムでもあるSATINのルーツでもある80年代メロディック・ロックからの影響が色濃く表れたサウンドが軸となっていて、懐かしく感じる曲もあります。個人的にはもう少し哀メロを増量してくれた方が好みだったりしますが、キャッチーなメロディが随所に登場する本作はずば抜けたキラーチューンはないにせよメロディック・ロックファンならばリピート必至の魅力に溢れています。SATINの1stアルバムもボーナストラックを追加して6月22日に発売されるようなので気になっています。