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【現在の愛聴盤】OPERUS「SCORE OF NIGHTMARES」(2020)

  • 2020/07/10(金) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
SCORE OF NIGHTMARES
OPERUS「SCORE OF NIGHTMARES」(2020)

2005年にカナダのトロントで結成されたシンフォニック・パワーメタルバンドOPERUSの2作目。1stフルレンスアルバム「CRNOTAPH」をリリースしたのは2017年らしく結成から10年以上経過しているので、これまで紆余曲折があったのかもしれませんが翌年にはRHAPSODYのリユニオン・フェアウェルツアーをサポートしたり、2019年にはWACKEN OPEN AIRに出演したりと順調な活動を見せています。バンドの創設者でメインソングライターでもあるOscar Rangel(G)はカナディアン・スラッシャーANNIHILATORにベーシストとして在籍していたほか、他のメンバーもVITAL REMAINS、SKULL FISTなどの現/元メンバーという経歴があるようです(僕にとっては未知のバンドですが)。本作の音楽性としてはパワーメタルを基本としつつシアトリカルな要素も含んでいて、その要因となっているのが正式メンバーでもあるチェロ奏者Robin Howeの存在と、俳優としても活動しているフロントマンDavid Michael Mooteの太い声質によるオペラティックな歌唱ですね。そんなOPERUSならではの世界観は序曲①Overture Of Madnessに続く②Phantasiaで早くも発揮されているし、先行で公開されていた⑥Where Falcons Flyもその前に配されたピアノインスト⑤Echoesからの流れで聴くことで一段と魅力的になっています。また2019年に加入したリードギタリストDean Paul Arnoldのソロも大きな聴きどころですね。アルバムを締めくくる⑪La LloronaはOPERUSらしさが凝縮された1曲だと思います。この曲は中南米に伝わる怪談「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」が元になっているようでMVにも力が入っています。ヨーロッパではなくカナダからこの手のバンドが、しかもこれ程のクオリティを備えて登場したというのは予想外でした。余談ですが本作はSilver Wingsというスタジオでレコーディングされたらしく縁を感じますね(笑)。これからも注目していきたいバンドです。

【CD購入録】MAGNUS KARLSSON’S FREE FALL「WE ARE THE NIGHT」(2020)

  • 2020/06/15(月) 00:00:00

【CD購入録】
WE ARE THE NIGHT
MAGNUS KARLSSON’S FREE FALL「WE ARE THE NIGHT」(2020)

現代HR/HMシーン屈指のソングライター/ギタリストMagnus Karlsson(PRIMAL FEAR、STARBREAKER、THE FERRYMEN、ex-LAST TRIBE)とゲストシンガー達との競演が醍醐味のプロジェクトMAGNUS KARLSSON'S FREE FALLによる3rdアルバム。今回のゲストはDino Jelusick(ANIMAL DRIVE)、Renan Zonta (ELECTRIC MOB)、Noora Louhimo(BATTLE BEAST)、Mike Andersson (CLOUDSCAPE)、Ronnie Romero(RAINBOW、LORDS OF BLACK etc)、Tony Martin(ex-BLACK SABBATH)の6名で、過去2作でMagnusと抜群の相性を見せていたTony Harnell(Vo/STARBREAKER、ex-TNT etc)ALLEN-LANDE、ALLEN/OLZONなどMagnusとの競演回数の多いRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)らは参加していません。Dino JelusickとRenan Zontaが僕にとって未知のボーカルということもあってゲストが地味、率直に言うと格落ちしたという印象すら抱いていたのですが①Hold Your Fire feat. Dino Jelusick、②Kingdom Falls feat. Renan Zontaを聴いて驚きました。彼等のパワフルかつ男前な歌声は新たなスターの誕生を感じさせるし、この2人がいるなら同じタイプのRussell やJorn Lande(Vo/JORN etc)の参加が見送られたのも腑に落ちるほどです。DinoのANIMAL DRIVE、RenanのELECTRIC MOBはどちらも本プロジェクトと同じFRONTIERS RECORDS所属、特に後者は本作と同日にデビュー作「DISCHARGE」をリリースしているのでレーベルとしても彼等をプッシュしていくつもりなのでしょう。また初参加となるNoora Louhimo嬢もパワーバラード④Queen Of Fireで持ち味を存分に発揮しているし、FREE FALLとしては初となるインスト⑪On My Way Back To Earthなど聴きどころが多いアルバムとなっています。やはりMagnusは期待を裏切りませんね。

【CD購入録】ALLEGIANCE REIGN「EI EI O」(2020)

  • 2020/05/15(金) 00:00:00

【CD購入録】
EI EI O
ALLEGIANCE REIGN「EI EI O」(2020)

東京を拠点とする戦国バトルメタルバンドALLEGIANCE REIGNの1stアルバム。ちなみに、このバンドはフルレンスアルバムを「長編合戦組曲」と呼んでいるそうです。「TURISASの日本版がやりたい」というコンセプトで誕生したバンドのようですが、サウンド的にはRHAPSODY OF FIREを連想させます。RHAPSODY OF FIRE やTURISASよりもわかりやすい音楽性、メンバーが本物の甲冑に身を包むという見た目のインパクトを踏まえると和製GLORYHAMMERという感じでしょうか。中身の方も聴き応えがあって、ストーリーアルバムでもある本作の幕開けを告げる①Warcry〜開戦〜に続く②A Signal Fire Of Battle〜合戦の狼煙〜は掴みに最適なスピードチューン、タイトル曲③Ei Ei O〜勝鬨〜は初めて聴いた時から「エ〜イ、エ〜イ、オ〜♪」と歌ってしまうほどキャッチーだし、「シャキーン!」というSEで始まるネオクラシカル要素の強い④Allegiance Sword〜忠義の刀〜、勇壮に進行していきメタル魂を鼓舞する⑤Marching Warriors〜いざ、参ろうぞ〜へと続くアルバム前半はなかなか強力。インタビュー記事を読んだ印象ではリーダーの矢城山 武義(G)はバンドのコンセプト/世界観に強い拘りを持っていて次作の構想も既にあるようなので今後が楽しみなニューアクトの登場ですね。

DYNAZTY「THE DARK DELIGHT」(2020)

  • 2020/04/25(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE DARK DELIGHT
DYNAZTY「THE DARK DELIGHT」(2020)

音楽性は異なるもののH.E.A.Tと並ぶスウェディッシュHR/HMのホープとして注目しているDYNAZTYの7作目。サウンド面が大きく変化した4th「RENATUS」(2014)以降、音の密度の濃いヘヴィメタルを聴かせていましたが、前作「FIRESIGN」(2018)ではデジタルサウンドの割合が増すなど更なる進化を見せてくれた一方で、ともすればヌルいと感じる場面もありました。本作では「FIRESIGN」の路線を継承しつつも、前作以上にタイトな音になっていますね。楽曲としては先行で公開されていた①Presence Of Mind、⑥Heartless Madness、⑦Waterfallは勿論、パワーバラード⑤Hologramやアグレッション全開の⑩Apexなどがが気に入っています。それに加えてボーナストラック⑬The Shoulder Devilも素晴らしい出来となっていてなぜ本編に入れなかったのか疑問に思うほどです。これまで以上に歌メロが充実しているのはNils Molin(Vo)AMARANTHEに加入した効果かもしれませんね。

【CD購入録】SERENITY 「THE LAST KNIGHT」(2020)

  • 2020/04/15(水) 00:00:00

【CD購入録】
THE LAST KNIGHT
SERENITY「THE LAST KNIGHT」(2020)

メンバー全員が闘いの王をイメージした衣装に身を包み、素顔を隠した謎のメタルバンドWARKINGSにおいて唯一、正体が明かされているTribune(Vo)の「中の人」Georg Neuhauserを擁するオーストリア産メロディックメタルバンドSERENITYの7作目。余談ですが彼の名前(ゲオルグ・ノイハウザー)って声に出して読みたくなるカッコよさがありますね。3rd 「DEATH AND LEGACY」(2011)以来となる彼等のサウンドに触れた第一印象は「KAMELOTっぽさが増している」でした。ただ、そこにはネガティブな意味合いはあまりなくKAMELOT以上に親しみやすいメロディとGeorgの甘い歌声を存分に活かしたシンフォニックメタルはSERENITYならではの強みだと思います。序曲①The Last Knight以降の②Invictus〜⑤Souls And Sinsまで重厚なミドルチューンが続くので地味な印象は拭えませんが個々の楽曲としては十分魅力的です。待ってましたの疾走曲⑥My Kingdom Comesはドラムパターンも含めてかなりKAMELOTしていて「本家にこんな曲なかったっけ?」と思ってしまうほど(笑)。本作は神聖ローマ皇帝のマクシミリアンI世の生涯をテーマとしたコンセプトアルバムではあるものの、コンパクトな曲を集めた作品なので聴きやすい印象ですね。

【CD購入録】ALLEN/OLZON「WORLDS APART」(2020)

  • 2020/03/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
WORLDS APART
ALLEN/OLZON「WORLDS APART」(2020)

Russell Allen(Vo/SYMPHONY X)、Anette Olzon(Vo/THE DARK ELEMENT、ex-NIGHTWISH)という男女ボーカルを看板に据え、Magnus Karlsson(G/MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL、PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE etc)が創作面を担うFRONTIERS RECORDSの新プロジェクトALLEN/OLZONの1stアルバム。ラインナップ的にALLEN-LANDEの二番煎じっぽさを感じていましたが、どうやらJorn Lande(Vo/JORN、ex-MASTERPLAN)がALLEN-LANDEの新作で歌うことを望まなかったためAnetteを迎えたという経緯があったようなので、事実上ALLEN-LANDEの続編と言えそうです。サウンドの方もALLEN-LANDEの初期3作品と同路線で派手さこそないものの、匠の域に達したMagnus Karlsson流メロディックHR/HMが繰り広げられています。それどころかMagnusの楽曲、ギタープレイともに冴え渡っていて僕がALLEN-LANDEで最も気に入っている1st 「THE BATTLE」(2005)に迫るものすら感じるしRussellとJornの声質が似ているため、どちらが歌っているかわからないという課題もALLEN/OLZONは男女によるデュエットなので当然ながらクリアしています。ちなみにジャケット、アルバムタイトルから推察するにALLEN-LANDEのテーマが「対決」だとすればALLEN/OLZONは「引き離された男女」でしょうか。高品質な楽曲が揃う本作でのお気に入りを挙げるとすれば先行で公開されていた①Never Die、②Worlds ApartとAnetteが歌うことでしなやかさが加わった⑧My Enemyですね。

【CD購入録】ALLEN-LANDE「THE GREAT DIVIDE」(2014)

  • 2020/03/22(日) 00:00:00

【CD購入録】
THE GREAT DIVIDE
ALLEN-LANDE「THE GREAT DIVIDE」(2014)

現代HR/HMシーンきっての実力者Russell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/JORN、ex-MASTERPLAN etc)両名の熱唱が堪能できるプロジェクトALLEN-LANDEの4thアルバム。これまではMagnus Karlsson(G/MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL、PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE)が作曲、ギターに加えてドラム以外の演奏とプロデュースを手掛けていましたが本作ではTimo Tolkki(G/TIMO TOLKKI'S AVALON、ex-STRATOVARIUS etc)がMagnusの代わりを務めています。正直なところALLEN-LANDEは作品を重ねる毎にお気に入り度が微妙に下降線を辿っていたし、STRATOVARIUS脱退後のTimoにもかつての輝きが感じられずチェックするのが先送りになっていたのですが、いざ聴いてみるとなかなか楽しめる1枚に仕上がっています。その要因となっているのがRussellとJornによる圧巻のボーカルで、コンポーザーの交代も関係なく自分達の色に染め上げてしまう辺りは流石の一言。Magnus時代と比べてあっさりしている印象があるものの90年代STRATOVARIUSの残り香が感じられる②Down From The Mountain、③In The Hands Of Time、⑥Dream About Tomorrowなどにはニヤリとしてしまいます。

【CD購入録】STARBREAKER「DYSPHORIA」(2019)

  • 2020/03/17(火) 00:00:00

【CD購入録】
DYSPHORIA.jpg
STARBREAKER「DYSPHORIA」(2019)

MAGNUS KARLSSON'S FREE FALLでも相性の良さを見せていたTony Harnell(Vo/ex-TNT、WESTWORLD etc)Magnus Karlsson(G/FREE FALL、PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE etc)によるHR/HMプロジェクトSTARBREAKERの約11年振りとなる新作3rdアルバム。前作「LOVE'S DYING WISH」(2008)がダークでメランコリックな音楽性だったのでPRIMAL FEARを彷彿とさせるメタルチューン①Pure Evilでの幕開けは意外でした。ただし、それ以降はそこまでメタリックな楽曲はなく、いぶし銀とも言えるMagnusのメロディセンスとTonyの美声が織りなすメロディアスHR/HMが並びます。聴き始めの頃はもう少しキャッチーなメロディが欲しいと感じていましたが、リピートするうちにどんどん味わいが増していて文字通りの美旋律バラード⑤Beautiful One(ボーナストラックのアコースティック版も良い)、ギターのメインメロディがクセになる表題曲⑥Dysphoria、Magnusがドラマティックに弾きまくる⑨Bright Star Blind Meなどが特に気に入っています。MAGNUS KARLSSON'S FREE FALLで聴けたハードポップサウンドとは一線を画す内容ながらSTARBREAKERならではの魅力を備えた1枚だと思います。

MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

  • 2020/03/13(金) 00:00:00

KINGDOM OF ROCK
【No.539】
★★★★(2015)

ギタープレイヤーとして活動する傍ら、FRONTIERS RECORDSと専属作曲家契約を結び、レーベルが送り出すバンド/プロジェクトの作曲やプロデュース、時には演奏も請け負うというギタリストの新たな音楽活動のスタイルを確立したと言っても過言ではないMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE etc)のソロプロジェクトMAGNUS KARLSSON'S FREE FALLの2nd。メインバンドだったLAST TRIBEが自然消滅して以降、裏方に徹していたMagnusが豪華なゲストボーカル陣を迎えて久し振りに表舞台へ帰ってきたセルフタイトルのデビュー作は彼の近作に漂っていた「お仕事感」が希薄で、改めてその作曲能力の高さを見せつけてくれる傑作でした。今回のゲストシンガーには前作に引き続きRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、David Readman(PINK CREAM 69、VOODOO CIRCLE)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Russell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)らが名を連ねているほか、Magnusにとって夢の共演となるJoe Lynn Turner(ex-RAINBOW etc)、Tonny Martin(ex-BLACK SABBATH etc)、Magnusと何らかの形で活動を共にしたことのあるJorn Lande(JORN、ALLEN-LANDE)、Jakob Samuel(THE POODLES、ex-MIDNIGHT SUN)、Harry Hess(HAREM SCAREM)、そして無名の新人女性シンガーRebecca De La Motteが初めて参加しています。

今回も歌い手の強みを活かしたMagnusのソングライティング術は冴え渡っていてJorn Landeにピッタリな力強いHR/HM讃歌①Kingdom Of Rockで幕を開けると、MIDNIGHT SUNのラストアルバム「METAL MACHINE」(2001)で共演していたJakob Samuelの上手さを再確認させてくれる②Out Of The Darkと続きJoe Lynn Turnerには哀愁のメロディアスハード③No Control、Tony Martinには重厚でドラマティックな④When The Sky Fallsを提供し、憧れの存在と語る2人の魅力を引き出すことに成功しています。ちなみに日本盤ボーナスはRussell Allenが歌う③のアコースティックバージョンですが、やはりJoeの方がしっくりきますね。また僕がTony Harnellに歌って欲しいと思っているハードポップの理想形⑧Never Look Away、Harry Hessが歌うことでHAREM SCAREMテイストが色濃くなりつつもMagnus印がしっかりと刻まれた⑨A Heart So Cold、無名ながら本作の実力派シンガー達に引けを取らないRebecca De La Motte嬢の堂々たる歌唱が映えるメジャー感たっぷりのバラード⑩The Right Momentへ至る終盤の流れは秀逸です。

前作に続きMagnusのリードボーカル曲が2曲(⑥I Am Coming For You、⑪Walk This Road Alone)あるのですが、本業がギタリストとは思えないほどの歌声なので強者シンガー達が歌う楽曲群の中でも聴き劣りしないどころか更に歌唱力がアップしているように思います。前作収録のHigher、Not My Saviourのようなメタリックチューンが本作にはないため初めて聴いた時のインパクトは強くなかったもののリピートするうちにハマっていきました。こうしてMagnusが多くのシンガーとコラボした楽曲を聴いて感じるのはTony Harnellとの相性の良さですね。惜しむらくは彼等が組んだSTARBREAKERが本プロジェクトで聴ける王道メロディックロックとは一線を画すサウンドだということでしょうか(STARBREAKERも嫌いではないのですが…)。充実盤を続けてリリースしてくれたこのプロジェクトは是非継続してもらいたいし、次回はKISKE/SOMERVILLEで共演したMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、UNISONIC 、ex-HELLOWEEN)、MagnusがキャリアをスタートさせたMIDNIGHT SUNのフロントマンPete Sandbergなどが参加してくれると嬉しいですね。…と思っていたら今年の5月8日に新作「WE ARE THE NIGHT」をリリースするという情報が入ってきましたが残念ながら上記2人のゲスト参加は実現しなかったようです。

【音源紹介】
Never Look Away

MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

  • 2020/03/01(日) 00:00:00

FREEFALL.jpg
【No.538】
★★★★(2013)
年間ベスト2013年第5位

僕のお気に入りギタリスト/ソングライターの1人Magnus Karlsson(PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE)初となるソロ・プロジェクトMAGNUS KARLSSON'S FREE FALLの第1弾アルバム。Magnusの経歴を紹介するとJonas Reingold(B/THE FLOWER KINGS)、Pete Sandberg(Vo)を中心とした北欧叙情派HR/HMバンドMIDNIGHT SUNの3rd「NEMESIS」(1999)でデビュー、2001年には自身のバンドLAST TRIBEをスタートさせて3年連続で傑作アルバムを発表。その後は現代メロディックHR/HMシーン屈指の仕掛人Serafino Perginoが社長を務めるFRONTIERS RECORDS発のプロジェクトALLEN-LANDE、STARBREAKERなどのソングライター/プロデューサーとして活躍し、現在は正統派メタルバンドPRIMAL FEARに籍を置きつつ近年もRonnie Romero(Vo/RAINBOW etc、ex-LORDS OF BLACK)、Mike Terrana(Ds/ex-RAGE、YNGWIE MALMSTEEN etc)THE FERRYMENを結成するなど精力的に活動しています。

このプロジェクトの目玉は何と言っても豪華なゲストシンガー陣でRussell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)、Ralf Scheepers(PRIMAL FEAR)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Mark Boals(THE CODEX、ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN)、Mike Andersson(PLANET ALLIANCE)、Rickard Bengtsson(ex-LAST TRIBE)など、これまでにMagnusとコラボレートしたことのある歌い手に加えてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、Herman Saming(A.C.T)、David Readman(PINK CREAM 69、VOODOO CIRCLE)も参加しています。またMagnusもそんなゲスト達に応えるかのようにRussell Allenには力強いHR/HM①Free Fall、Ralf Scheepersには高揚感溢れるメタリックチューン②Higher、Tony Harnellには透明感のあるバラード④Stronger、Rick Altziにはパワーメタル色の強い疾走曲⑤Not My Saviour、Herman Samingには幻想的でメロディアスな⑩Fightingなど、各人の個性を活かした楽曲を生み出しています。こうして見ると改めて彼の作曲能力の高さに唸らされますね。またMagnusのキャリアの中でLAST TRIBEに思い入れが強い僕にとってRickard Bengtssonとの久々の共演が実現した⑨Last Tribeは感涙モノでした。

マルチプレイヤーでもあるMagnusは本作でドラムを除く全ての楽器を演奏しているだけでなく本編で3曲(中でも③Heading Outは出色の出来)、日本盤ボーナスとなっている④のアコースティックバージョンでリードボーカルをとっているのですが、その歌声が実に魅力的で全曲を彼が歌ったアルバムも聴いてみたいほどです。LAST TRIBE時代もMagnusの歌をフィーチュアした楽曲があったせいか本作で彼がボーカルを務める曲はLAST TRIBEっぽさを感じますね。そのLAST TRIBEの最終作3rd「UNCROWNED」(2003)をリリース後、MagnusはFRONTIERS RECORDS所属の様々なプロジェクトに関わることになるのですがALLEN-LANDEの1st「THE BATTLE」(2005)を最後に良作ではあるもののどこか物足りなさが残るのも事実でした。流石のMagnusもネタ切れかと思っていたので本作は正に起死回生の一撃となりましたね。

【音源紹介】
Last Tribe

【CD購入録】RAGE「WINGS OF RAGE」(2020)

  • 2020/02/25(火) 00:00:00

【CD購入録】
WINGS OF RAGE
RAGE「WINGS OF RAGE」(2020)

幾度もメンバーチェンジを繰り返しながら奇才Peter "Peavy" Wagner(Vo、B)がブレることなく自身のヘヴィメタル道を追求し続けるRAGEの23枚目。今回もここ最近のアルバムと同じく、攻撃性とメロディアスな要素を兼ね備えたメタリックチューンによる怒涛の攻めを見せてくれていて①Trueからタイトル曲⑤Wings Of Rageまでの流れは圧巻です。個人的には④Tomorrowや⑤のメロディ運びにRAGEらしさを感じますね。30秒弱のインタールード⑥Shadow Over Deadland (The Twilight Transition)を挟んでの後半は雰囲気がガラリと変わっているのも特徴で⑦A Nameless Grave、⑨Shine A Lightといったパワーバラードは胸が熱くなるし、その2曲に挟まれた⑧Don’t Let Me Downもアグレッシブな側面を見せつつサビではテンポダウンしてタイトルを連呼するユニークな構成となっています。また⑩HTTS 2.0 (Higher Than The Sky)は11th 「END OF ALL DAYS」(1996)に収録された名曲のリメイクでグッと攻撃性を増したカッコいい仕上がり、というか本作のオリジナル曲が霞んでしまうほどの素晴らしさです。Victor Smolski(G/ALMANAC)在籍時のラストアルバムとなった「21」(2012)や現ラインナップの第1弾「THE DEVIL STRIKES AGAIN」(2016)の頃はRAGEに対する関心が薄れていましたが、前作「SEASONS OF THE BLACK」(2017)と今回のアルバムを聴いて僕の中のRAGE熱が再び高まってきました。

【CD購入録】RAGE「SEASONS OF THE BLACK」(2017)

  • 2020/02/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
SEASONS OF THE BLACK
RAGE「SEASONS OF THE BLACK」(2017)

ドイツの大ベテランRAGEが前作「THE DEVIL STRIKES AGAIN」(2016)から僅か1年という短いスパンで完成させた22作目。Marcos Rodriguez(G)、Vassilios "Lucky" Maniatopoulos(Ds)を迎えた新体制としては第2弾となります。新メンバーのお披露目アルバムでもあった前作はVictor Smolski(G/ALMANAC)在籍時よりもストレート且つ力で押す印象が強かったのですが今回もそのサウンドを継承しています。ただ本作は「THE DEVIL STRIKES AGAIN」以上にメロディやギターパートが充実していて、新メンバーの2人もバンドに馴染んでいることが窺えますね。①Season Of The Black、②Serpents In Disguiseというスピードチューン2曲で幕を開けた後はキャッチーでありながら哀愁も漂うミドル③Blackened Karma、ハードロック風の④Time Will Tellと一気に畳み掛けてくるし、中盤に配された疾走曲⑥Walk Among The Deadも聴きどころです。また4部構成の組曲The Tragedy Of Man (⑧Gaia〜⑪Farewell)も流石の出来栄えでラストの⑪が壮大なバラードということもあってアルバムを見事に締めくくってくれます。ボーナスディスクにはRAGEの前身にあたるAVENGER名義で発表した楽曲のリメイクが6曲収録されていて本編以上に勢い任せな感はあるものの、こちらも十分楽しめました。

【CD購入録】LOVEBITES「ELECTRIC PENTAGRAM」(2020)

  • 2020/02/15(土) 00:00:00

【CD購入録】
ELECTRIC PENTAGRAM
LOVEBITES「ELECTRIC PENTAGRAM」(2020)

2018年12月に前作「CLOCKWORK IMMORTALITY」をリリース、その後は国内のライヴに加えてARCH ENEMYDRAGONFORCEのツアーに帯同するなど海外でも知名度上昇中のガールズメタルバンドLOVEBITESが早くも完成させた3rdアルバム。メンバー自身が「3枚目の作品が勝負」と語っている通り、これまで以上に気合いが感じられる本作は雷鳴のSEとスラッシュメタルのようなリフ(個人的にはKREATORを連想しました)で幕を開ける①Thunder Vengeanceからして強烈です。IRON MAIDENのようなギャロップ調のビートが心地よい③Golden Destination、このバンドにしては珍しく適度に荒れたロックンロール④Raise Some Hell、LOVEBITESの魅力が凝縮された⑥When Destinies Alignといった序盤の畳み掛けは圧巻。またアルバム後半もアコギソロを入れるなどしてドラマティックに聴かせる⑦A Frozen Serenade、独特の妖しいムードを持った⑧Dancing With The Devilがいいアクセントになっているし、スラッシーなサウンドと構築美に溢れたギターソロがカッコいい⑩Set The World On Fire、そしてピアノが効果的な劇的メロディックメタル⑫Swan Songでアルバムを締めくくるまでテンションが下がることなく一気に駆け抜けていきます。全12曲で70分という長丁場ながら、しばらくは本作のヘビロテから抜け出せそうにありません。

【CD購入録】TEMPERANCE「VIRIDIAN」(2020)

  • 2020/02/10(月) 00:00:00

【CD購入録】
VIRIDIAN.jpg
TEMPERANCE「VIRIDIAN」(2020)

Michele GuaitoliAlessia Scolletti嬢という男女のシンガーにMarco Pastorino(G/ex-SECRET SPHERE)を加えたトリプルボーカル体制によるイタリアのモダン・メロディックメタルバンドTEMPERANCEの5thアルバム。バンドの編成やサウンドからスウェーデンのAMARANTHEを連想させる部分があるもののTEMPERANCEはそこまで女性ボーカル偏重というわけではなく、デジタルサウンドも味付け程度なのでよりオーソドックスなメロディックメタルに近いように思います。それが顕著に表れているのが疾走感に溢れた④My Demons Can’t Sleepで、僕はこの曲を試聴してアルバムの購入を決めました。スピードチューンはそれほど多くありませんがフックに満ちたメロディが満載だし、ケルティックな⑨Nanook、ハンズクラップがリラックスした雰囲気を演出する2分足らずの小曲⑪Catch The Dreamといった変化球があるのも好印象。日本盤ボーナストラック⑫Lost In The Christmas Dreamは2019年にデジタル限定でリリースされた文字通りのクリスマスソングで、ボーナスにしておくには勿体ないほど魅力的ナンバーです。試聴段階から期待値が高かったのですが、その期待にしっかり応えてくれた充実盤なので過去の作品もチェックしたくなりました。

【CD購入録】VICTORIUS「SPACE NINJAS FROM HELL」(2020)

  • 2020/01/26(日) 00:00:00

【CD購入録】
SPACE NINJAS FROM HELL
VICTORIUS「SPACE NINJAS FROM HELL」(2020)

2020年に初めて聴いた新譜はドイツ出身の5人組メロディック・パワーメタルバンドVICTORIUSの5枚目となるフルレンスアルバムです。このバンドの名前は以前から知っていたのですが今回は②Ninjas Unite、③Supersonic Samurai、⑤Nippon Knights、⑥Shuriken Showdown、極め付けは⑦Wasabi Warmachineといった日本語を用いた曲名に興味をそそられ試聴したところ予想以上に好感触だったので迷わず購入しました。「ピュア・メロディック・パワー、シンフォニック・メタルバンドVICTORIUSの最新作!!独自のニンジャ・ファンタジーに乗せたドラマティック・パワー・メタルで、忍者、サムライ、ドラゴン、そして古代日本の歴史の真実を描く!!邪悪な忍者の一族『サンブラーダー』とドラゴンの神『リングロング』が手を組み、世界を征服した。さあ、手裏剣を手に取り、アストラルレーザーシャークに飛び乗れ!!」というブッ飛んだメーカーインフォを見ているとネタバンドかと思ってしまう彼等ですが、中身の方は真っ当なメロパワサウンドが展開されています。このバンドの強みは初めて聴いた時から一緒に口ずさめてしまうキャッチーなサビメロでしょう(曲のタイトルをサビに持ってきていることも効果大)。ここまでわかりやすいメロパワを聴いたのは久し振りですね。特にオープニングの①Tale Of The Sunbladersから⑥までの流れはなかなか強力。贅沢を言えばバラードが1曲でもあれば抑揚がついて更に良かったと思いますが、これからも注目していきたいバンドですね。

ALHAMBRA「THE EARNEST TRILOGY」(2016)

  • 2019/12/10(火) 00:00:00

THE EARNEST TRILOGY
【No.537】
★★★★(2018)

超絶技巧を誇る演奏陣と世良 純子嬢(Vo)による圧巻のボーカルがせめぎ合う国産シンフォニック・プログレHR/HMバンドの最高峰ALHAMBRAの5th。ただし本作を5枚目のフルレンスアルバムと呼べるかと言うと微妙で、その実態は3rd「SOLITUDE」(2010)収録の8曲中6曲をリレコーディングし、新曲としてインストとボーカル曲を2曲ずつ追加した内容となっています。リーダーのYuhki(Key/GALNERYUS)によると当初は本作では5曲目にあたるSolitudeをシングルで発表する予定だったものの、レーベル側の意向でアルバムとしてリリースすることになったため急ピッチで作業を進めなければならなかったそうで、結果的に「SOLITUDE」はバンドが満足できる仕上がりではなかったこともあって発売後しばらくしてから廃盤となっていました。僕は「SOLITUDE」を持っていたので本作を購入するか迷ったのですが、彼等の過去作品を聴くうちに新曲がどうしても聴きたくなって本作も買いました。

アルバムの幕開けからして印象が変わっていて「SOLITUDE」の序曲「東風遥か(Far Away A Spring Wind)」が優雅な雰囲気に溢れていたのに対して、本作の①Appassionataは大仰で緊迫感のある曲調でMVも制作されたリードトラック②Earnestに雪崩れ込んでいきます。元々、ALHAMBRA屈指の疾走曲だった②はさらにビルドアップされていて本作から加入したドラマーHideki(MAHATMA)Hibiki(B/LIGHT BRINGER、MARDELAS)のリズム隊が生み出すエネルギーは凄まじく、それに負けじと世良のボーカルも一段とパワフルかつ表現力が豊かになっていますね。そこからオリジナル盤にはなかった近未来的なSEでシームレスに繋がる重厚なミドル③OO (Double O)には日本屈指のグロウラーDOUGEN(Vo/THOUSAND EYES etc)が参加。原曲以上に迫力のある仕上がりになっていて、冒頭3曲の時点で作品として大きく生まれ変わったことが実感できます。

再録曲がパワーアップしているだけでなく新曲の充実振りも見逃せません。世良と今や準メンバーとなっている佐々井 康雄(Vo/GERARD、ex-ARK STORM)のツインボーカルにDOUGENのデス声を加えた④Warning You!はバンド初の英語詞によるナンバーで、どこかワイルドな印象があって新鮮な空気をもたらしていますね。そして極めつけはDie Walkure(2nd「FADISTA」収録)と組曲Siegfried(4th「SIEGFRIED」収録)と続いてきた「ニーベルングの指環」シリーズのスピンオフ的作品だという⑨「Das Rheingold ~ラインの黄金~」の存在です。荘厳なコーラスとギターソロからなる短いインスト新曲⑧Close Your Eyesに導かれて始まるこの曲は過去の名曲シリーズに含まれるに相応しい新たなマスターピースだと思います。個人的には終盤の「にーじーの かーけーはーしがー かーかーる〜♪」という歌詞が乗るパートのメロディが大好きです。「SOLITUDE」もALHAMBRAにしては珍しくコンパクトな作品で悪くないと思っていましたが、今のバンドでレコーディングした「THE EARNEST TRILOGY」を聴くともうあちらには戻れないですね。

【音源紹介】
Earnest

ALHAMBRA「SOLITUDE」(2010)

  • 2019/11/25(月) 00:00:00

SOLITUDE.jpg
【No.536】
★★★(2013)

Yuhki(Key/GALNERYUS)MARGE LITCH在籍時に活動を共にしていた世良 純子(Vo)らと結成したALHAMBRAの3作目。Yuhkiが作曲し、世良が歌詞を書いて歌うというスタイルは従来と同じですが本作では10分越えの大作は姿を消していることもあって、このバンドにしてはコンパクトな歌モノと呼べそうな作風になっています。ALHAMBRA特有の大仰でファンタジックな世界観は薄れ、ポップな側面にスポットが当てられていることもあって従来のアルバムとはやや印象が異なります。またゲストという形ながらALHAMBRAの作品で重要な役割を担ってきた佐々井 康雄(Vo/ARK STORM)が参加していないというのも違和感のひとつですね。

まるで宮廷音楽のように優雅な序曲① 「東風遥か(Far Away A Spring Wind)」に導かれてスタートする②Earnestがいきなりのキラーチューン!幾重にも重ねられたクサいメロディと練り込まれたインストパートが絡み合いながら疾走するこの曲は1st「明日への約束」(2005)収録のMissing You、Orionに匹敵するバンドの代表曲だと思います。また③OO (Double O)はYuhkiのハモンドがグイグイ曲を引っ張っていくミドルテンポで初めの頃は印象に残りませんでしたが、リピートするうちにジワジワと好きになった1曲です。静かな出だしから徐々に熱を帯びていき劇的なエンディングを迎えるタイトル曲の④Solitude、ALHAMBRAのイメージとは一線を画すアニソン風ナンバーでHibiki(B)がリーダーを務めるLIGHT BRINGERっぽさもある⑤「約束の鍵 (Key To The Wish)」といったソフトな楽曲から、ALHAMBRAらしさ満点でベースソロも聴きどころのプログレメタル⑥The Earth (Die Erde)へと続くアルバム中盤も良いですね。その後はデビュー作収録の名曲にしてバンドを代表するスピードチューンのリメイク⑦Orion 2010(冒頭のサビのコーラスが分厚くなりテンポも少し早くなっているようです)を経て、ピアノとボーカルだけでしっとり聴かせる小品⑧「はるうさぎ(Ha・ru・u・sa・gi)」でアルバムは締めくくられます。

楽曲的には②、⑥や再録の⑦のような典型的なALHAMBRA流メタリックチューンを収録しているのは事実ながらこれまで以上に強調されたポップサイドと時折出てくる健康的で応援歌のような歌詞ををどこまで許容できるかで本作の評価が分かれそうですね。個人的にはメタル度が低くなっても、このバンド(というかYuhki)が生み出すメロディは魅力的だと再確認できました。ただ、序曲のインストや再録曲込みで全8曲、40分弱というボリュームは物足りなさを感じますね。この点についてはYuhkiが後のインタビューで「元々はSolitudeをシングルでリリースするつもりだったもののレーベル側の意向でなんとかアルバムの形にした」と語っていていて、ミニアルバムと呼んでもよさそうな尺の短さ、ドラムサウンドが迫力に欠けるといった点も致し方なかったのかもしれません。ちなみに本作はリリース後しばらくして廃盤となり2016年に収録曲の大半をレコーディング、新曲を追加した「THE EARNEST TRILOGY」として生まれ変わっています。

【音源紹介】
Solitude

【CD購入録】CYHRA「NO HALOS IN HELL」(2019)

  • 2019/11/20(水) 00:00:00

【CD購入録】
NO HALOS IN HELL
CYHRA「NO HALOS IN HELL」(2019)

長年の友人でもあるJesper Stromblad(G/DIMENSION ZERO、ex-IN FLAMES)Jake E(Vo/AMARANTHE)がお互いのソロアルバムについて話をしたところ、音楽性が近かったため2016年にバンド結成に至ったというCYHRAの2作目。デビュー作「LETTERS TO MYSELF」(2017)にはPeter Iwers(ex-IN FLAMES)も参加していたもののツアー開始早々に脱退、2017年に加入したEuge Valovirta(G)が本作ではベースも兼任しています。今回も先行で公開されていた①Out Of My Life、③Battle From Withinを筆頭にモダンなメロディックメタルの中で哀メロが光っているし、JesperとEugeが紡ぎ出すギターはメロディだけでなく音色にも泣きを含んでいますね。他にもAMARANTHEを彷彿とさせるダンサブルな⑤Bye Bye Forever、アルバム本編ではピアノのアレンジですがボーナスディスクではフルバンドのバージョンが楽しめるバラード⑦Lost In Time、ケルティックな雰囲気も漂う⑩Blood Brothers、メタリックなリフで始まり「ヒッヒッミィ ヒッミィハー♪」と歌うキャッチーなサビに繋がる⑪Hit Meなども気に入っています。Jesperは家族のことや体調の問題もあってツアーに帯同することは難しいそうですが、脱退することなく制作面で今後もその才能を発揮してほしいですね。

【CD購入録】THE DARK ELEMENT「SONGS THE NIGHT SINGS」(2019)

  • 2019/11/15(金) 00:00:00

【CD購入録】
SONGS THE NIGHT SINGS
THE DARK ELEMENT「SONGS THE NIGHT SINGS」(2019)

Jani Liimatainen(G/CAIN'S OFFERING、ex-SONATA ARCTICA)Anette Olzon(Vo/ex-ALYSON AVENUE、NIGHTWISH)を組ませるというFRONTIERS RECORDSの発案で2017年に誕生したTHE DARK ELEMENTの2作目。セルフタイトルのデビュー作は2017年の年間ベストに選出するほどのお気に入り盤でしたが単発プロジェクトで終わる可能性もありそうだったので、こうして第2弾がリリースされたことがまず嬉しいですね。また中身の方もJaniらしい流麗なメロディをAnetteの美声で聴かせるスタイルに変化はなく、前作が好きだった僕のようなファンであれば今回も満足できる内容だと思います。オープニングの①Not Your Monster、②Songs The Night SingsはこれぞTHE DARK ELEMENTなメロディアスチューンだし、ダンサブルなアレンジを取り入れた⑤Pills On My Pillow、悲壮感が漂う旋律が胸を締め付ける⑥To Whatever Endなども良いですね。終盤でサビを繰り返す曲が多いこともあってかメロディが頭から離れず、気がつけばサビを口ずさんでいることもしばしば。Janiは僕が今注目しているメロディメイカーの1人なので、FRONTIERS RECORDSの様々な作品に楽曲を提供するのではなくCAIN'S OFFERINGとTHE DARK ELEMENTで、その才能を発揮してもらいたいですね。

ALHAMBRA「SIEGFREID」(2012)

  • 2019/11/10(日) 00:00:00

SIEGFREID.jpg
【No.535】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

デビュー当初からGALNERYUSの鍵盤奏者として活躍するYuhkiを中心にLIGHT BRINGERのリーダーでもあるHibiki(B)も在籍するテクニカル系シンフォニックメタルバンドALHAMBRAの4thアルバム。前作「SOLITUDE」(2010)ではそれまでのアルバムに収録されていた大作はなく、歌モノ寄りのコンパクトな作風だったのに対して今回は大仰な世界観が戻っているように感じます。それを象徴しているのが2nd 「FADISTA」(2007)収録の名曲Die Walkureの続編で4部構成、22分に及ぶ組曲Siegfriedの存在でしょう。過去作品のほぼ全てにゲストとして参加している佐々井 康雄(Vo/ARK STORM)がこれまで以上の存在感を発揮して、オペラティックに歌う世良 純子(Vo)とミュージカルのような掛け合いを見せるこの組曲は圧巻の一言。特にクライマックスを迎える⑨Siegfried Suite #4-All For The Reason「ただ愛のために」はハイライトの連続で大きな感動をもたらしてくれます。

アルバム後半に鎮座する「組曲ジークフリード」が最大の聴きどころなのは事実ながら、前半に収録された楽曲もハイクオリティなものが揃っています。オープニングを飾る①Maze Of Tragedy-水晶の雨 Part.Ⅱ-は第一印象としては地味に感じたもののTarja Turunen(Vo/ex-NIGHTWISH)ばりのソプラノボイスが響くドラマティックチューンで聴く度に味わいが増す1曲です。クラシカルな雰囲気の中でクサメロとYuhkiのオルガンサウンドが躍動する②Perfect Blue、冒頭の泣きのギターと爽やかでありつつもどこか儚いサビが秀逸な③Foreverという疾走曲2連発は実に強力。またバンド初となる梶原 稔広(G) 作のギター主体のインスト④Fleeting Circusを挟んで登場する⑤Dear Friendはバンドのポップサイドに焦点を当てたナンバーで、応援歌のような歌詞も相まって「SOLITUDE」の延長線上にある曲と言えそうです。

ALHAMBRAの作品の中では「FADISTA」が一番好きでしたが圧巻の組曲と名曲②、③を含む本作はそれ以上に気に入っているアルバムですね。作品を重ねる毎に存在感を増している男性ボーカル佐々井の貢献度は大きく「組曲ジークフリード」は彼なしでは成り立たないし、仰々しいその歌唱スタイルはALHAMBRAとの相性も抜群。濃厚で複雑なインストパートが火花を散らす緻密でドラマティックな曲展開でありつつも、難しくなりすぎないキャッチーなメロディの充実振りは過去最高だし、それが結実したのが「組曲ジークフリード」だと思います。そんなメロディの魅力だけでなくサウンドプロダクションも含めて、バンド全体がレベルアップしたと感じさせてくれる高品質な1枚です。

Siegfried Suite #4-All For The Reason