【CD購入録】LOVEBITES「AWAKENING FROM ABYSS」(2017)

  • 2018/02/12(月) 00:00:00

【CD購入録】
AWAKENING FROM ABYSS
LOVEBITES「AWAKENING FROM ABYSS」(2017)

2017年5月に「THE LOVEBITES EP」でデビューした5人組ガールズメタルバンドLOVEBITES初となるフルレンスアルバムを買いました。メンバーが女性だけのメタルバンドといえばALDIOUSを草分け的存在としてCYNTIA、GACHARIC SPIN、MARY'S BLOODなどが続々と登場していますがLOVEBITESは硬派なメタルを追求していて、タイプ的にはMARY'S BLOODに近いように思います。ただし正統派メタルに軸足を置きつつJ-POP風の楽曲を収録することもあったMARY'S BLOOD以上に、本作はストイックでゴリゴリなメタルチューンが並んでいるのが特徴でしょうか。また個人的な注目ポイントとしてMao(Key/LIGHT BRINGER)が作曲に参加しているということも大きいですね。バンドは「最高のヘヴィメタルを演る」という信念のもとでワールドワイドな活動を視野に入れているらしく歌詞は全て英語、ミックスとマスタリングにはNIGHTWISH、CHILDREN OF BODOMのアルバムも手掛けたMikko KarmilaMika Jussilaが担当していて音作りについても申し分ありません。序曲から疾走曲に繋がるというヘヴィメタルの伝統を体現した①The Awakening〜②The Hammer Of Erathからして胸が熱くなるし、アルバムのリードトラックにして劇的なメロディが耳に残る④Shadowmaker、速弾きのmidoriとメロディ重視のmi-yaという2人のギタリストが熱いバトルを繰り広げる⑤Scream For Me (Awakened Version)IRON MAIDENっぽいサウンドで駆け抜ける⑩Don't Bite The Dust (Awakened Version)、重厚な展開を見せるMao作の⑪Edge Of The Worldなど聴き応えのある曲が目白押し。ちなみにAwakened Versionと記載のある曲はEPにも収録されていて本作ではEP収録曲は全てリメイクされています。メロディックメタルを好んで聴く僕としてはもう少しキャッチーさが欲しいかなという気もしていましたがリピートするうちにお気に入り度が増していますね。昨年のうちに聴いていたらZEMETHとブライテストホープ争いをしていたかもしれません。

AMARANTHE「AMARANTHE」(2011)

  • 2018/02/04(日) 00:00:00

AMARANTHE.jpg
【No.507】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第10位

男女クリーンボイスにデス声担当を加えたトリプルボーカル体制が話題となったスウェーデンの新星AMARANTHEのデビューアルバム。バンドの創設者はメロパワバンドDRAGONLANDの中心人物Olof Morck(G)で、彼が一時期DREAM EVILにも在籍したことのあるJake E(Vo/DREAMLAND)とプロジェクトを立ち上げたことがAMARANTHE誕生のきっかけのようです。当初は多くのゲストを迎える予定だったそうですが女性ボーカルElize Ryd、グロウル担当のAndyが歌った時に2人のパフォーマンスがバンドには最適と判断し、そこから本格的なバンドへと変化したそうです。シンガーが3人いることに注目が集まりがちですが、メロデス風のスタイルを基本としつつテクノ/トランス風のアレンジも取り入れたSOILWORK meets BLOOD STAIN CHILDと表現できそうなサウンドの中で輝くキャッチーな歌メロがAMARANTHE最大の武器でしょう。

まずは冒頭4曲①Leave Everything Behind、②Hunger、③1.000.000 Lightyears、④Automaticがいずれも即効力抜群で一気にAMARANTHEの世界に引き込まれます。どれも甲乙付け難いですが中でも③はこのバンドの魅力を凝縮した1曲だと思うし、本作唯一のバラード⑥Amaranthineもしっとり聴かせる高品質な仕上がりとなっています。また⑧Call Out My Nameのようなダンスメタルも収録していてB級感が抜け切らないメロパワバンドDRAGONLANDのギタリストOlofが、これほどポップで大衆性を備えたメロディセンスを持っていたとは驚きです。AMARANTHEはOlofとJake Eが作曲の中心となっているようなので2人のケミストリーによって、AMARANTHEサウンドができあがっているのかもしれませんね。

初めて聴いた時から口ずさめそうなキャッチーな楽曲群はどれも3〜4分台のコンパクトなものばかりで聴きやすいし、アルバムとしてもデビュー盤とは思えないほどの完成度を誇っているので普段メタルを聴かないリスナーをも取り込む魅力を秘めているのではないでしょうか。日本での注目度も高く2011年4月にデビューすると7月に初来日、10月にはLOUD PARK 11に出演するなどニューアクトとして申し分のないスタートを切っています。ただし各曲が似通っていることもあってアルバムとしてのメリハリがあまり感じられないのも事実で、中盤以降は何曲目を聴いていたのかわからなくなることもありますね。聴き始めの頃はかなりのお気に入り盤だったのですが、個人的には繰り返し聴いているうちに飽きがくるのも早かったりします。というわけで注文をつけたくなる点がなくはないものの新世代メタルの大型新人として十分のインパクトを持った1枚です。

【音源紹介】
1.000.000 Lightyears

HAMMERFALL「GLORY TO THE BRAVE」(1997)

  • 2017/12/16(土) 00:00:00

GLORY TO THE BRAVE
【No.505】
★★★(1997)

正統派メタルが不遇の時代を迎えていた90年代後半(1997年)に突如現れ、「ピュアメタルの救世主」として注目を集めたスウェーデン産メタルバンドHAMMERFALLのデビュー作。発売当時はJesper Stromblad(G/IN FLAMES)、Mikael Stanne(Vo/DARK TRANQUILLITY)がかつて在籍していたバンドとして話題になっていた記憶があります。僕自身、IN FLAMESの熱心なファンというわけではありませんが名ソングライターとして名高いJesperが書くメロデス以外の曲を聴いてみたいというのが本作の購入動機のでした(ちなみにJesper、Mikaelの両名ともアルバムリリース時は既に脱退)。また1995年からHR/HMを聴くようになった僕としては鋲付きレザージャケットに身を包み、外見や曲名からして「いかにもヘヴィメタル」なバンドは逆に新鮮で興味をそそられたというのもありますね。中心人物Oscar Dronjak(G)がその細身に鎧風のコスチュームを纏った姿はいろんな意味でインパクトがありました(笑)。

HAMMERFALLの強みは正統派メタルを基盤としつつジャーマンメタル風のわかりやすいメロディを持ち、北欧ならではの哀愁を湛えているという点だと思います。個人的にはヘヴィメタルの王道ど真ん中よりはメロディックパワーメタルの方が好きなのでこの音楽性は歓迎です。オープニングを飾る①The Dragon Lies Bleedingは特にジャーマンテイストが強く、一度聴いたら耳から離れないサビメロの威力は抜群だしエンディングでしつこいほどにサビを繰り返す構成もいいですね。曲名にMetalという単語が使われるのは珍しいなと当時思った②Metal Age、「ハァ〜ンマ、フォ〜」のコーラスが印象的なバンドのテーマソング③HammerFallときて、哀愁のバラード④I Believeと繋がる流れも絶妙(僕の中でメタルアルバム4曲目はバラードが定石というイメージがあります)。後半も⑤Child Of The Damned、⑥Steel Meets Steel、⑧Unchainedといった疾走感のあるメタルチューン(⑤はWARLORDのカバー)を軸にイントロのギターメロディと漢臭いコーラスがいかにもヘヴィメタルなミドル⑦Stone Cold、そして作品を荘厳に締めくくる悲哀に満ちたバラード⑨Glory To The Braveがハイライトとなっています。歌詞の内容的には鎮魂歌と呼ぶに相応しい⑨は90年代のメタルバラードを代表する1曲と言えるのではないでしょうか。

というわけで楽曲面は結構充実しているし疾走曲①、バラード⑨という「動」と「静」の両方でキラーチューンが存在しているのは大きいですね。ただし本作が大好きなアルバムだったかというと、そうでもないというのが正直なところです。その理由としてはJoacim Cans(Vo)による線の細い歌声と演奏面での魅力不足の2点が挙げられます。Joacimに関してはバラードではなかなか味のある歌唱を聴かせてくれるものの、ヘヴィメタルを歌うにはもっと力強さが欲しいところですね。本作をパワフルなシンガーが歌っていたら更にワンランク上のアルバムになっていたと思います。といいつつもリピートしているうちにこのミスマッチ具合がクセになってきたりもしていますが…。HAMMERFALLはそれほど熱心に追いかけてきたバンドではありませんが、本作は時々聴きたくなるアルバムですね。日本での人気はそこそこながら、ヨーロッパでは絶大なる人気を誇り母国スウェーデンではアルバムが国内チャート1位を獲得するなどしています。なお本作の20周年記念盤が2CD+DVDという豪華仕様で2017年12月8日にリリースされたようで、その人気の高さが窺えますね。

【音源紹介】
The Dragon Lies Bleeding

【CD購入録】THRESHOLD「LEGENDS OF THE SHIRES」(2017)

  • 2017/12/12(火) 00:00:00

【CD購入録】
LEGENDS OF THE SHIRES
THRESHOLD「LEGENDS OF THE SHIRES」(2017)

英国が誇るプログレッシブHR/HMのベテランTHRESHOLDの11作目を買いました。僕が初めて彼等の音に触れた8th「DEAD RECKONING」(2007)リリース後に長年フロントマンを務めたAndrew "Mac" McDermott(Vo/ex-SARGANT FURY)が体調不良のため脱退(残念ながら2011年に他界)、初代シンガーDamian Wilsonが復帰したものの再度離脱したためバンドは2nd「PSYCHEDELICATESSEN」(1994)でリードボーカルをとっていたGlynn Morganを迎えています。Glynnというシンガーのことは全く知りませんでしたがIRON MAIDENBruce Dickinson後任ボーカルオーディションで最終選考まで残ったという実力者だそうで本作でも力強い歌声を披露してくれています。「DEAD RECKONING」がお気に入り盤だったので続く9th「MARCH OF PROGRESS」(2012)も試聴はしたものの、インパクトに欠ける印象が拭えずスルーしていました。ところが適度な疾走感とTHRESHOLDらしからぬ(?)キャッチーなメロディを持ったDisc-1②Small Dark Linesを試聴して気に入ったため購入。本作は2枚組83分のコンセプトアルバムでメンバーは物語の詳細を語らず聴き手に委ねたいという意向のようですがアルバムジャケットにも描かれ、タイトルにもなっているThe Shire(シャイア)という場所が舞台となっているようです。一聴してガツンとくるナンバーは少ないのは事実ながらDisc-1⑤Stars And Satellites、Disc-2④State Of Independence、Disc-2⑤The Superior Machineなどリピートしたくなる魅力に溢れた作品だと思います。

LIV MOON「THE END OF THE BEGINNING」(2012)

  • 2017/11/27(月) 00:00:00

THE END OF THE BEGINNING
【No.504】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

2009年にデビューして以降、精力的な活動を続けるLIV MOONが前作「SYMPHONIC MOON」(2012)と同年にリリースした4作目。2nd「GOLDEN MOON」(2011)から本作発表まで僅か18ヶ月しか経っていないというワーカホリック振りです。そんな驚異的な活動ペースを支えているのは外部ソングライターの存在でしょう。正式メンバーである西脇 辰弥(Key)による楽曲は全14曲中3曲に止まり、丘 ナオキや前作で名曲Kiss me Kill meを手掛けていたKAZSINといったLIV MOON作品ではお馴染みのライターに加え今回はKee Marcello(G/ex-EUROPE)、Kiko Loureiro(G/ANGRA)、Magnus Rosen(B/ex-HAMMERFALL)といった海外HR/HM界でも名の通ったプレイヤーが作曲と演奏面で参加しています。

本作は北欧神話をモチーフにしたコンセプトアルバムで、テーマ選びにはヨーテボリ(イエテボリ)出身でもあるAkane Liv(Vo)のルーツが北欧にあることも関係しているようです(ちなみに彼女とMagnus Rosenは幼馴染なのだとか)。過去作品に比べると2ndのBLACK RUBY、3rdのKiss me Kill meに匹敵するほどのキラーチューンこそないものの、実験的なモダンサウンドを取り入れた楽曲が姿を消したこともあってアルバムの統一感は過去最高です。また、これまで以上にオーケストラサウンドが本格的になっていて、よりスケールの大きな作品となっています。小〜中学生の頃にファイナルファンタジーに夢中になっていたこともあって「ラグナロク」、「オーディン」など北欧神話関連の単語に馴染みはある一方で神話そのものに関する知識はない僕の場合、コンセプトに浸ることはできませんが純粋な音楽作品として愛聴しています。LIV MOONの最高傑作と呼べる仕上がりだと思いますね。

その名の通りの序曲①Prologueを受けて展開していく②Free your Soul、③Fountain of my Pleasureは全てKAZSINによるナンバーで改めてLIV MOONとの相性の良さを感じますね。また「ミ、サーマ、イー♪」というキャッチーなサビが耳から離れない丘 ナオキ作の⑧Midsummer Eveも気に入ってます。西脇作品で輝きを放っているのはAkane嬢が様々な声色を駆使して巨人や小人などのキャラクターを演じるタイトル曲⑥The End of the Beginningですね。この辺りは彼女の元宝塚女優としての経験が活かされているのでしょう。個人的なハイライトは郷愁を誘うメロディが堪らない⑫Immortals(Keeが作曲に関与)、元々はKikoから提供された疾走曲を思い切ってバラードにアレンジしたという⑬「黄金の涙」、曲名通り大海原をイメージさせる旋律がクライマックスに相応しい⑭Voyageと続く終盤ですね。「~MOON」で統一されていたアルバムタイトルの法則は今回当てはまらず「始まりの終わり」と名付けられた作品名から、このアルバムでLIV MOON第1章の締めくくり次のステージに入るのかと思っていたら、それまでのハイペース降りが嘘のように沈黙状態へと入ってしまうことに…。2015年に初のベスト盤「THE BEST OF LIV MOON」、2016年にはミニアルバム「R.E.D」をリリースしたLIV MOONの新作がそろそろ聴けると嬉しいですね。

【音源紹介】
「黄金の涙(Live)」

LIV MOON「SYMPHONIC MOON」(2012)

  • 2017/11/04(土) 00:00:00

SYMPHONIC MOON
【No.503】
★★★★(2012)

圧巻の歌唱力を誇るAkane Liv(Vo)をフィーチュアした国産シンフォニック・メタルユニットLIV MOONの3rdアルバム。Akane嬢と共にLIV MOONを立ち上げた西脇 辰弥(Key)によるナンバーを中心に、外部ライターからの楽曲も取り入れるスタイルを確立した前作「GOLDEN MOON」(2011)から僅か10ヶ月という短いスパンでのリリースとなります。今回はアルバム制作前から高音で歌うWHITE LIV、低音で歌うBLACK LIVという正邪のキャラクター分けをすることを念頭に置いていたのだとか。ただし、このコンセプトについては1曲の中にWHITE LIVとBLACK LIVが混在していることが多いため中途半端に思えるのも事実で、個人的にはアルバム前半と後半でWHITE/BLACKサイドに分けるなど線引きを明確にしてくれた方が嬉しかったですね。デビュー当初はソプラノボイスを売りにしていたAkane Livですが、ロウトーンで歌った前作の収録曲BLACK RUBYの評判が良かったことが低音域も取り入れるきっかけになったらしく、本作ではそんなBLACK LIVの割合が多めになっています。

妖艶なメロディにヴァンパイア目線のドSな歌詞(笑)が乗る①Amen!、シンフォニックメタルの王道②「零の天使」というオープニング2曲は清水 昭男(G/ANTHEM)が作曲、ギタープレイを担当していてLIV MOONの世界観にピッタリの楽曲を提供してくれています。そして本作のハイライトは何と言っても④Kiss me Kill meでしょう。Akane Livの歌唱、メロディ、楽曲の世界観のどれをとっても一級品でLIV MOONのひとつの到達点がここにあると思います。アルバム後半にはドラマティックに駆け抜ける⑦Black Serenade、ゆったりとした幕開けから爽やかな疾走パートに展開していく⑧心月世、LIV MOONにしては異色のダサかっこいい(?)男声コーラスを取り入れた⑨The Last Saviorといったメタリックチューンも収録しているのもグッド(⑨はCONCERTO MOONっぽいですね)。また終盤に配されたWHITE LIVサイドの歌唱が映えるバラード⑩「堕天使の笑み」、WHITE LIVとBLACK LIVが合わさって昇華されていく⑫Masqueradeなどのしっとり系ナンバーもアルバムをいい形で締めくくっています。

アルバムとしてお気に入り度では前作に軍配が上がりますが、タイトルにある通りシンフォニックメタルとしての焦点がこれまで以上に定まっている本作も好印象。前作の「よざくらん〜夜桜嵐〜」タイプにあたるエキセントリックな⑥Fugitiveは悪くはないもののアルバムの中で浮いてしまっていますが…。バンドメンバーも2ndから変更なくLIV MOONとしてのラインナップが固まってきた感がありますね。中でも大村 佳孝(G)のネオクラシカルプレイはLIV MOONの音世界に欠かせない要素になってきています。大きな武器であるソプラノボイスを抑えたボーカルパートやメタル以外の要素があることは賛否両論かもしれませんが、歌唱法の変化は成長過程のひとつ、メタル一辺倒ではない点はLIV MOONならではの特徴だと思っています。日本のシンフォニックメタルシーンを代表する存在への階段を着々と上っていることを感じさせてくれる力作ですね。

【音源紹介】
Kiss me Kill me(LIVE)

【CD購入録】HELLOWEEN「PUMPKINS UNITED」(2017)

  • 2017/10/31(火) 00:00:00

【CD購入録】
PUMPKINS UNITED
HELLOWEEN「PUMPKINS UNITED」(2017)

Kai Hansen(G、Vo)Michael Kiske(Vo)が電撃復帰し、7人体制で敢行するPUMPKINS UNITED WORLD TOURで来年3月に来日予定のHELLOWEENが現ラインナップで緊急リリースしたデジタルシングル、その名もPumpkins Unitedを買いました。作詞作曲はKai、Andi Deris(Vo)、Michael Weikath(G)の3人、ボーカルはKai、Kiske、Andiという歴代シンガーが共演しています。曲調はキーパー時代を彷彿とさせる親しみやすいメロディを持ったパワーメタルで現メンバーによるスタジオ盤への期待が高まる1曲となっていますね。また歌詞には「riding the sky」、「eagle」、「we burn」、「wake up the mountain」、「walls in Jericho」などファンならニヤリとしてしまう単語が散りばめられている点も見逃せません。HELLOWEENは僕がHR/HMにハマるきっかけとなったバンドのひとつですが1995年当時はKaiとKiskeは既にバンドを離れていて、彼等がHELLOWEENに復帰するのは夢のまた夢という感じだったので今回の新曲リリースは感慨深いですね。D.C. Cooper(Vo)ROYAL HUNT復帰に続いて、不可能だと思っていたラインナップの復活がただただ嬉しくてヘビロテしています。ちなみにこの曲は11月1日発売予定の3CD+1DVD仕様のベストアルバム「SWEET SEDUCTIONS」には収録されないようです。

LIV MOON「GOLDEN MOON」(2011)

  • 2017/10/14(土) 00:00:00

LIV MOON GOLDEN MOON
【No.502】
★★★★(2011)
2011年年間ベスト第3位

デビューアルバム「DOUBLE MOON」(2009)リリース前にLOUD PARK 09への出演が決定、「4オクターブの美神」というキャッチコピーでBURRN!誌にインタビューが掲載されるなど鳴り物入りで国産メタルシーンに登場したLIV MOONの2作目。カバー曲を集めたミニアルバム「COVERS - SCREAM AS A WOMAN」(2010)発表後にAkane Liv(Vo)と作曲のイニシアチブを握る西脇 辰弥(Key)以外のメンバーがガラリと代わっています。シンフォニックメタルというよりシンフォゴシック要素もあるモダンロックという感じだったデビュー作に対して、元ANIMETALのベーシストMASAKIVitalij Kuprij(Key/ARTENSION etc)との共演経験もある大村 佳孝(G)を迎えた本作はメタル度がグッと向上していますね。

そんなメンバーチェンジの効果は早速表れていて、荘厳かつヘヴィなドラマティックサウンドの中でAkane嬢の歌声が響き渡る①「死の舞踏〜ディエス イレ〜」はシンフォニック・ゴシックメタルというジャンルの美味しいところを凝縮した1曲に仕上がっています。続く②SAY GOODBYE、③NOT GAME!も同系統のナンバーなので、この手の楽曲が目白押しかと思いきやアニソン、デジタリーな曲やJ-POP調のバラードまで多彩な表情を見せてくれます。中でも突出しているのはAkane嬢がこれまでにない低音ボイスを披露しているクサメロ疾走曲④BLACK RUBY、勇壮なメロディが映えるドラマティックチューン⑭「アマラントスの翼」の2曲で、これらを聴くために本作を買っても損はないと思えるほどのキラーチューンです。それらの影に隠れがちですが、フランスの画家ドラクロワの代表作「民衆を導く自由の女神」を題材にした⑧「ドラクロワの女神」も、そのテーマにマッチしたメロディが素晴らしい1曲となっています。それ以外にも、まるでQUEENなアレンジが印象的な⑩「バレリーナ・シンフォニー」、MASAKIのベースが唸り、ゲスト参加のSyu(G/GALNERYUS)が華を添える⑪「静かな奇跡 」、HR/HMファンだけでなく幅広い層にアピールできそうな⑬「溺れる人魚」など聴きどころがたくさんありますね。

前作は全て西脇作曲だったのに対して今回は複数の曲で外部ソングライターを迎えているのも特徴で前述の④は河田 貴央、⑭は坂部 剛という人が手掛けた曲です。本作以降、LIV MOONのアルバムは収録曲の約半数が外部ライターによるものなので、今回の作品でLIV MOONの作曲スタンスが確立されたという感じですね。メロディの充実度も大きく向上していて、音楽性を模索している感が強かったデビューアルバムと本作以降では大きな差があるので、このアルバムこそがLIV MOONの真のデビュー作品だと個人的には思っています。LIV MOONの顔でもあるAkane Livの歌唱に関しては、とにかく高音域で勝負していた1stアルバムよりも④に象徴されるような低い声も駆使していることもあって本作の方が断然好きですね。僕はこのアルバムを聴いてLIV MOONのファンになりました。

【音源紹介】
BLACK RUBY

【CD購入録】GALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」(2017)

  • 2017/09/28(木) 00:00:00

【CD購入録】
ULTIMATE SACRIFICE
GALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」(2017)

バンド初のコンセプトアルバムだった前作「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)の続編にあたるGALNERYUSの11作目を買いました。ストーリーは前作の主人公の息子を軸としたものとなっていて、今回もブックレットに物語の内容が書かれています。なんとなく僕が小学生〜中学生の頃にハマっていたシミュレーションゲーム「ファイアーエムブレム」を思い出しました。アルバムの場面設定を英語でナレーションする導入パート①Enter The New Gateで幕を開けるや②Heavenly Punishmentがいきなりのハイライトチューンで大きな盛り上がりを見せてくれます。それ以降も濃密なGALNERYUS流メロディックメタル曲が矢継ぎ早に繰り出され、ラスト2曲の⑧Burutal Spiral Of Emotions、⑨Ultimate Sacrificeはどちらも10分越えの大作ということもあって聴き終える頃にはお腹いっぱいです(笑)。そんな中、歌謡曲風で懐かしさを感じる⑥Wherever You Areは一息つかせる役割を担っていますね。楽曲単位では泣きまくりの⑨がお気に入りです。ブックレットを読む限り続編がありそうな気もしますね。デビュー作「FLAG OF THE PUNISHMENT」(2003)から3rd「BEYOND THE END OF DESPAIR…」(2006)までは3部作という位置づけだったので、前作から始まったシリーズがGALNERYUSのコンセプトアルバム3部作となる可能性があるのかもしれません。

【CD購入録】NOCTURNAL RITES「PHOENIX」(2017)

  • 2017/09/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
PHOENIX.jpg
NOCTURNAL RITES「PHOENIX」(2017)

2010年頃からニューアルバムを制作中という噂は聞かれたものの、続報が入ることがなかったため自然消滅または解散したものとばかり思っていたNOCTURNAL RITES10年振りの新作(通算9枚目)を買いました。ライナーノーツによるとバンド側としては解散するつもりは毛頭なく、しばらくリフレッシュ期間を設けるつもりが、どんどんその期間が長くなってしまったとのことです。前作「8TH SIN」(2007)発表後にメインソングライターNils Norberg(G)が脱退、後任にChris Rorland(G)を迎えるも人気バンドSABATONにも在籍する彼がNOCTURNAL RITESとの活動を並行させることは難しく離脱。今年になってSCAR SYMMETRYの中心人物でもあるPer Nilsson(G)が加入したことでバンドが活性化し、完成したのが本作のようです。待望の新作なので期待を胸に抱きつつ、10年という長いブランクがあったので一抹の不安も感じていましたが第一印象としてはNOCTURNAL RITESらしい1枚に仕上がっていると思います。若干ヘヴィになった感はありますが、スピードに頼ることなくドッシリと構えた重厚なヘヴィメタルサウンドとJonny Lindkvist(Vo)の熱唱が今回も堪能できますね。即効性の高い楽曲は少ないですが何度も聴きたくなる魅力を備えています。現時点でのお気に入りは前任ギタリストChrisが曲作りにも参加した②Before We Waste Awayですね。

CYRIL ACHARD'S MORBID FEELING「...IN INCONSTANCIA CONSTANS」(2002)

  • 2017/08/21(月) 00:00:00

IN INCONSTANCIA CONSTANS
【No.499】
★★★(2002)

フランス出身の技巧派ギタリストCyril AchardCYRIL ACHARD'S MORBID FEELING名義でリリースした現時点で唯一のアルバム。Cyrilは地元フランスで複数のHR/HMバンドでの活動を経て1997年に初のソロ作品「CONFUSION」をリリース、本作はソロとしては第2弾にあたります。「CONFUSION」がギターインスト作品だったのに対してシンガーも在籍するバンド形態で制作された今回のアルバムは、テクニカルな演奏を盛り込んだ歌モノ作品に仕上がっています(⑥The Deep One’sのみインスト)。フランスのメタルギタリストというと後期ELEGYにも在籍していたPatrick Rondat、約8年振りの新作「LIFE」(2017)を発表したADAGIOの中心人物Stephan Forteが思い浮かびます。上記の2人はネオクラシカル系バリバリの印象が強いですが、Cyrilはネオクラ風味もありつつダークな質感は控えめでジャズ/フュージョンっぽさも感じさせるプレイスタイルですね。

本作を聴いて最初に連想したのは初期DREAM THEATERで、そこにポンプロックのテイストを加味したという感じでしょうか。疾走曲や純然たるバラードと呼べるものはなく、どの曲もミドル〜アップテンポのため各曲の表情が掴みにくいこと、Aメロ〜Bメロ〜サビとわかりやすく展開するのではなく楽曲構成が複雑なこともあって数回聴いただけでは、なかなか印象に残りませんでした。ところがリピートするうちに本作の魅力に引き込まれ、終盤に手に汗握るインストパートを配した②Fallen From Grace、「ア〜イ、ドゥ〜、エェニスィィン♪」という親しみやすいサビが耳に残る③Empty Vowなどハッとさせられる場面も少なくないことに気づきます。どの曲でも伸び伸びと弾きまくっているCyrilのギターが中心となっているのは事実ながらPatric Peekなるシンガーの存在も見逃せません。野暮ったく感じられる場面もありますが時折David Readman(Vo/PINK CREAM 69、ADAGIO etc)を彷彿とさせる歌い回しを披露してくれています。

なお本作にはテクニカルギタリストTony MacAlpineが3曲にゲスト参加していてCyrilとギターバトルを繰り広げているのかと思いきや、残念ながらキーボード奏者として参加でした…(そういえばTonyは自身のアルバムでもピアノでクラシック曲を弾いていましたね)。まだ荒削りな部分はあるものの今後の活躍を期待させるには十分の1枚で僕はこのアルバムを聴いてCyril Achardに興味を持ち、彼がMike Terrana(Ds/RAGE etc)らと結成したインストトリオTABOO VOODOOもチェックしました。本作リリース後のCyrilはTABOO VOODOOやMike Terranaのソロ作「MAN OF THE WORLD」(2005)に参加していましたが最近ではソロや他のアーティストとのコラボ名義でHR/HMから距離を起いたアコースティック/ジャズ路線のインストアルバムを複数発表しているようです。いつか本作の延長線上にあるプログレメタル作品をリリースしてくれると嬉しいですね。ちなみにAmazonでCyril Achardの作品を検索するといくつかのアルバムが「アダルト商品」扱いになっていました…(苦笑)。

【音源紹介】
Empty Vow

【CD購入録】ADAGIO「LIFE」(2017)

  • 2017/08/17(木) 00:00:00

【CD購入録】
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ADAGIO「LIFE」(2017)

David Readman(Vo/PINK CREAM 69 etc)、Richard Andersson(Key/TIME REQUIEM、SPACE ODYSSEY)を含むラインナップで2001年にデビューしたフランス産ネオクラシカル・プログレッシブメタルバンドADAGIOが約8年振りに発表した5作目を買いました。このバンドについてはSYMPHONY X同様、音楽性としては僕好みではあるものの分かり易いメロディがそれほど多くないため、とっつきにくいイメージがありました。久々の新作が出ると知った時もさほど興味はわかなかったのですがアルバム本編のエンディング曲⑨Tornの哀メロはかなりツボだったし、バンドのYouTubeオフィシャルチャンネルでアルバム全曲が試聴できたので聴いているうちに「これはいいかも」と思い購入した次第です。9分もあるタイトル曲①Lifeは派手さこそないもののグイグイと引き込まれるし、モダンでアグレッシブな③Subrahmanya、叙情バラード⑧Trippin' Awayなども気に入っています。中心人物でもあるマエストロStephan Forte(G)のギターは相変わらず冴え渡っているし、最近ではMYRATHのプロデューサーとしても注目されたKevin Codfert(Key)が作り出す音世界といったADAGIOに欠かせない要素も健在です。そして本作から新加入したアメリカ人シンガーKelly Sundown Carpenterも力強い歌唱で盛り立ててくれています。彼のことはよく知りませんでしたが調べてみるとNils Patrik Johansson(Vo/ASTRAL DOORS、WUTHERING HEIGHTS)の後任としてCIVIL WARにも籍を置いているようですね。ADAGIOはここ最近シンガーが固定できていませんでしたが、本作のラインナップはなかなか強力だと思うのでこのまま活動してくれることを願っています。

WITHIN TEMPTATION「HYDRA」(2014)

  • 2017/08/05(土) 00:00:00

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【No.498】
★★★★(2014)
年間ベスト2014年第10位

今や本国オランダは勿論、ヨーロッパを代表するフィーメルゴシックHR/HMバンドへと成長を遂げたWITHIN TEMPTATIONの6thアルバム。今回もバンドがひとつの到達点に達したと自負する4th「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)で提示したメジャー感たっぷりのモダンゴシックサウンドの延長線上にある作風です。2011年リリースの前作「THE UNFORGIVING」はバンド初のコンセプトアルバムでそのストーリーを題材にしたコミック本を出版したことが話題となりましたが、本作のトピックは全10曲中4曲に外部シンガーがゲスト参加していることでしょう。特にTarja Turunen(Vo/ex-NIGHTWISH)Sharon Den Adel(Vo)という2大歌姫が共演した④Paradise(What About Us?)はWITHIN TEMPTATIONファンのみならずシンフォゴシックメタラーにとっても大注目の1曲で流石の出来栄えとなっています。

そんな④以外ではHoward Jones(Vo/ex-KILLSWITCH ENGAGE)が男前な歌声を響かせる②Dangerous、アメリカ人ラッパーXzibitとの共演が意外とマッチしている③And We RunDave Pirner(Vo/SOUL ASYLUM)とのデュエットバラード⑩Whole World Is Watchingがゲスト参加曲となっています。アルバム全体で見てもこれら4曲が際立っていて中でもバンド最速曲とも言われる②の緊張感はカッコいいし、ラップパートが楽曲のドラマ性をアップさせている③は大きな聴きどころですね。どちらの曲も本作の特徴であるヘヴィネスとシリアスな雰囲気が強調された本作の代表曲です。ゲストが参加していない楽曲では現在のWITHIN TEMPTATIONスタイルの王道をゆく①Let Us Burn、Sharonの儚い歌唱が沁みる⑦Covered By Roses、このバンドにしてはギターの主張がかなり激しい⑨Tell Me Whyなどが気に入っています。また⑤Edge Of The Worldでは3rd「THE SILENT FORCE」(2004)の頃のような幻想的なムードがあったり、⑥Silver Moonlightでは久し振りにグロウルをフィーチュアしていたりとバンド初期の要素が復活している点も見逃せません。

僕が持っている本作のデラックスエディションにはカバー6曲、本編収録曲が完成に至る過程を記録したエボリューショントラックなるものを4曲収録したボーナスディスクが付いています。カバーソングはコンピレーションアルバム「THE Q-MUSIC SESSIONS」(2013)からの抜粋で、元ネタがHR/HMジャンル外のアーティストばかりということもあってか印象に残っている曲はほとんどなく、却ってWITHIN TEMPTATIONのメロディセンスの高さを再認識する結果となりました。ちなみに今年初めてBruno Marsのアルバムをチェックした時、聞き覚えのある名前だと感じたのは本作にBrunoのカバー曲Grenadeか収録されているからだったようですね。なおメインソングライターのRobert Westerholt(G)はSharonとの間に3人目の子供が産まれた2011年以降、ツアーに帯同せず創作面とレコーディングでのみ参加するとともにバンドのスポークスマンを務めているのだとか。Sharonがツアーに参加しないことはあり得ないので家庭と仕事(バンド)を両立するための現実的な選択だと思いますが、子育てと仕事のやりくり追われている身としては親近感が湧きますね(笑)。

【音源紹介】
And We Run

WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」(2011)

  • 2017/07/23(日) 00:00:00

THE UNFORGIVING
【No.497】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第6位

前作「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)で従来のゴシックメタルに大衆的な親しみやすさを加味し、更なる進化を遂げたWITHIN TEMPTATIONの5作目。リーダーのRobert Westerholt(G)によると「THE HEART OF EVERYTHING」の出来にかなり満足しているようで「通常のアルバムを作るという意味ではやりきった」と感じたことから、今回はバンド初のコンセプトアルバムであるだけでなく、そのストーリーと連動したコミックを出版するという意欲作となっています。ジャケットはアメコミ風のイラストで、インタビュー記事のメンバー写真を見ても従来にはなかった軽いノリになっているためバンドイメージに変化が見られるものの最大の武器であるメロディセンスは衰えるどころか更に磨きがかかっていますね。

今や厳かなゴシックメタル的ムードは大きく減退、シンフォニックアレンジの効いたメロディアスHR/HMとなっているため初期からのファンにとっては賛否両論ありそうですが僕は本作を聴いてWITHIN TEMPTATIONのファンになりました。今回はこれまで以上に楽曲の幅が広がっていて、このバンドにしては珍しく疾走感のあるロックチューン③In The Middle Of The Night、曲名通りの武骨さ、勇ましさと共に進行する⑥Iron、ディスコ調のサウンドを取り入れた⑧Sineadなどは、本作の多様性を象徴するナンバーだと思います。WITHIN TEMPTATIONの凄いところは新境地に挑戦しつつ、それを失敗に終わらせず魅力的に聴かせることができる点でしょう。僕にとってのハイライトはダンサブルな⑧とは対照的な熱唱系バラード⑨Lost、即効性は低いもののリピートするうちにジワジワくる⑩Murder、モダンサウンドを纏った哀愁ドライヴィングチューン⑪A Demon's Fateと続く後半の流れですね。

Sharon Den Adel(Vo)のボーカルについては、3rd「THE SILENT FORCE」(2004)辺りまでで披露していたエンジェリックボイスは控えめで、作風の変化に合わせるように力強く低音域で歌う場面が増えていますね。また音楽的にもメンバーのルックス的にも依然としてSharon推し全開ではありますが、短いとはいえギターソロが聴ける曲が増えたのも特徴でしょうか。本作はコンセプトアルバムではあるもののSEは①Why Not Meのみだし、大作も一切なくコンパクトな楽曲が並んでいるため小難しさは皆無。あくまで歌モノ作品として成り立っているのも好印象です。ゴシックメタルからメインストリーム系ロックへの飛躍のきっかけを掴んだ前作の流れを上手く発展させた充実盤だと思います。

【音源紹介】
Sinead

【CD購入録】CYNTIA「URBAN NIGHT」(2016)

  • 2017/07/19(水) 00:00:00

【CD購入録】
URBAN NIGHT
CYNTIA「URBAN NIGHT」(2016)

2012年のデビュー以降、毎年フルアルバムを発表するなど精力的な活動を続けているガールズバンドCYNTIAの5作目を買いました。前作「WOMAN」(2015)でかなりポップな作風に変化していたこと、リーダーでもあったKANOKO(Ds)が脱退したことなどから解散もあり得るかなと思っていましたが、バンドはサポートドラマーを迎えて新譜を完成させてくれたようです。タイトル通りのイントロ①introductionがデジタル音の中でギターソロが響く曲調だったので期待と不安が半々だったのですが、洗練されたハードポップ②Urban Night、前作に収録されたKISS KISS KISSタイプのキャッチーソング③「ハピネス」、CYNTIA流メタル④Bless of the Fireへと至る流れを聴いて、これまでの集大成的作品のように感じました。⑤Life Goes On、⑥Un!verseで聴ける歌メロの充実振り、ラストを締めくくるバラード⑨Call Me.も流石です。デビュー当時のようにガールズメタルを名乗るにはソフト過ぎる感はありますが、耳に残るメロディが多いので楽しめました。従来の作品は複数のソングライターが曲を出し合っていたのに対して、今回は②をYUI(G)⑦「不眠症シンデレラ」AZU(B)が手掛けている以外はAYANO(Key)のペンによる曲のようです。曲数が少ないため物足りなく感じるのは事実ながらCYNTIA健在を知らしめるには十分の1枚だと思います。

【CD購入録】LIV MOON「DOUBLE MOON」(2009)

  • 2017/07/15(土) 00:00:00

【CD購入録】
DOUBLE MOON
LIV MOON「DOUBLE MOON」(2009)

元宝塚女優でもあるAkane Liv(Vo)NIGHTWISHのカバー曲The Phantom Of The Opera(2002年発表の4th「CENTURY CHILD」収録)を聴いて感銘を受け、西脇 辰弥(Key)と共に立ち上げたシンフォニック・メタルプロジェクトLIV MOONの1stアルバムを買いました。「元タカラジェンヌがメタルを歌う」という話題性もあってかデビュー当時Yahooニュースで取り上げられていた記憶もあるし、メジャーデビュー前からBURRN!誌にインタビューが掲載され、LOUD PARK 09に出演するなど破格の待遇を受け2009年12月にリリースされたのが本作です。LIV MOON誕生のきっかけはNIGHTWISHだそうですが、本作を聴いてオランダが誇るフィーメルゴシックの重鎮WITHIN TEMPTATIONを最初に連想しました。僕は2nd「GOLDEN MOON」(2011)からLIV MOONを聴き、現時点での最新作4th「THE END OF THE BEGINNING」(2012)までをチェックした後に本作を購入したこともあってかLIV MOONのアルバムの中では物足りなく感じるというのが正直な感想です。お気に入りはシンフォゴシックとは一線を画すJ-POP的な⑧「鮮やかに…」でしょうか。Akane嬢の歌唱力は素晴らしいものの、楽曲のメロディという点ではインパクトに欠ける1枚という感じですね。

WITHIN TEMPTATION「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)

  • 2017/07/11(火) 00:00:00

THE HEART OF EVERYTHING
【No.496】
★★★(2007)

「ナイチンゲールの声」と称される美声で聴く者を魅了する歌姫Sharon Den Adel(Vo)を擁するシンフォニック・ゴシックメタルバンドWITHIN TEMPTATIONの4thアルバム。「ナイチンゲールの声」という彼女の愛称は正直なところ意味がよくわからないのですが「ナイチンゲール=看護師=癒し」、つまりは癒しの歌声ということでしょうか。バンドの母国オランダといえば僕がHR/HMを聴き始めた90年代半ばは貴公子Robby Valentine(Vo、Key)のイメージが強かったものの2000年代に入ってロビー様の勢いが失速するのと入れ替わるようにWITHIN TEMPTATIONがヨーロッパでブレイク、その後もAFTER FOREVER、EPICA、DELAINなどが続々と登場し、今やオランダは僕の中でゴシックメタル大国となっています。そんなバンド勢の代表格でもあるWITHIN TEMPTATIONは僕が初めて聴いたこの手のバンドで、世間でも評価の高い2nd「MOTHER EARTH」(2000)、3rd「THE SILENT FORCE」(2004)もチェックしましたが荘厳な雰囲気を発散している一方で敷居の高さを感じてしまい、美旋律に酔いしれながらもそれほどハマることはありませんでした。

これまではお行儀よく纏まっていた感のある彼等ですが、今回はKeith Caputo(LIFE OF AGONY)なるシンガーがゲスト参加した②What Have You Doneを筆頭にHR/HMらしいダイナミズムが増していて聴きやすくなりましたね。「Sanctus Espiritus〜♪」と歌うラテン語のサビが耳から離れない④Our Solemn Hour、Sharonにしては珍しい低音域の歌唱をフィーチュアしたタイトル曲⑤The Heart Of Everything、アルバムの中でも一際キャッチーなメロディを持つ⑥Hand Of Sorrowと続く中盤も強力。そしてアルバム終盤には⑨All I Need、⑪Forgivenといった美しいバラードに加えて⑩The Truth Beneath The Roseのようにドラマティックかつ勇壮な楽曲もあって、美しさだけでなく力強さも感じられるのがこれまでの作品と異なる点でしょうか。

平たく言えばデビュー作「FALLEN」(2003)が世界的ヒットを記録したEVANESCENCEの要素を従来のゴシックメタルサウンドに加味したような作風ですが、結果的に僕好みの音楽性に変化しているのが嬉しいですね。そしてバンドの顔でもあるSharonのボーカルパフォーマンスは更なる成長を遂げていて、神々しさすら感じさせる高音域で儚げに歌うパートを最大の武器にしつつ今回はより多彩な表情を見せてくれています。そんな彼女が歌うメロディラインは親しみやすく、楽曲を盛り上げるシンフォアレンジもお見事。大衆的な聴きやすさを身につけた今回のアルバムはバンドの分岐点ではないかと思っています。デビュー当初の崇高なゴシックメタルサウンドは希薄になっていますが、僕は本作以降のWITHIN TEMPTATIONが好きですね。

【音源紹介】
What Have You Done

【CD購入録】ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)

  • 2017/06/30(金) 00:00:00

【CD購入録】
SOULDANCE.jpg
ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)

2013年にデビューしたペルー産パワーメタルバンドNAUTILUZの元メンバーJorge Higginson(B)が立ち上げたANCESTRAL DAWNの1stアルバムを買いました。HigginsonはNAUTILUZのデビュー作「LEAVING ALL BEHIND」(2013)に複数の楽曲を提供していたもののアルバムリリース前に脱退、ANCESTRAL DAWNでリードボーカルを務めるJorge Segersbolも2011年までNAUTILUZに籍を置いていたそうなので、このバンドはNAUTILUZの分家と言えるかもしれません。ANCESTRAL DAWNの音楽性はSegersbolのハイトーンが響き渡る典型的なメロディックパワーメタルでHigginsonが演奏する民俗楽器パンフルートが時折トライバルな雰囲気を醸し出していてブラジルの至宝ANGRAを連想させますね。また本作はFabio Lione(Vo/ANGRA、ex-RHAPSODY OF FIRE)、Mark Boals(Vo/ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN etc)、Ralf Scheepers(Vo/PRIMAL FEAR)、Rick Altzi(Vo/MASTERPLAN、AT VANCE)、Amanda Somerville(Vo)といった実力派シンガーがゲスト参加し与えられた役を演じるメタルオペラでもあるので、この点はAVANTASIAを彷彿とさせます。メロパワの優等生的作品という感はあるものの豪華ゲスト陣が華を添えているし、新人のデビューアルバムとしては高いクオリティを誇っていると思います。

NIGHTWISH「OCEANBORN」(1999)

  • 2017/06/21(水) 00:00:00

OCEANBORN.jpg
【No.495】
★★★(1999)

本国フィンランドのみならず、後に欧州メタルシーン屈指の人気バンドへと成長することになるシンフォニックメタルバンドNIGHTWISHが1999年に発表した2ndアルバム。今や女性ボーカルが在籍するバンドが続々と登場しているものの、本作が日本でリリースされた1999年当時はまだまだ珍しく僕が初めて聴いた女性シンガーを擁するメタルバンドのアルバムは本作かSINERGY「BEWARE THE HEAVENS」(1999)だったと思います。NIGHTWISH最大の特徴は名門シベリウス音楽院で声楽を学んだ(本作レコーディング時はまだ在学中)というTarja Turunen(Vo)のオペラティックな歌唱ですね。ヘヴィメタルとクラシックを融合させたサウンドにTarjaのソプラノボイスが乗ることで完成するNIGHTWISHの世界観はこの当時からオリジナリティに溢れています。

本作はそんなNIGHTWISHらしさを凝縮しパワーメタリックに仕上げたキラーチューン①Stargazersで幕を開けます。名曲の予感しかしないイントロ、ギターメロディに導かれる疾走感に満ちた曲調と神々しく響き渡るTarjaの歌声は絶大なインパクトを誇っています。この①があまりに強力過ぎるためにそれ以降の楽曲が弱く思えてしまうほどですが、何度も聴くうちに段々と他の曲も好きになってきました。曲後半で聴けるTarjaのオペラ歌唱が大きな見せ場となっているドラマティックチューン⑤Passion And The Opera、美旋律バラードの極致と呼びたくなる⑥Swanheart、ロシア民謡を連想させるクサメロが炸裂するインスト⑦Moondanceと続く中盤は異なるタイプの曲を並べつつ、それぞれが充実していてかなり好感触です。またアルバム本編を締めくくる⑩Walking In The AirRAINBOWがインストでカバーしたことでも知られるアニメ「SNOWMAN」の挿入歌で、原曲以上に幻想的な仕上がりとなっていますね。ちなみにRAINBOWのカバーはSnowmanという曲名で「BENT OUT OF SHAPE」(1983)に収録されています。

他のメタルバンドとの差別化という点でTarjaに注目が集まりがちですが、収録曲のほぼ全てを手掛けるリーダーTuomas Holopainen(Key)のメロディセンスも秀逸。彼の作る曲は即効性が高いとは言えないもののリピートするうちにジワジワくるし、カバー曲⑩に象徴されるアレンジの妙や北欧らしい世界観を演出するキーボードパートでも大きな役割を担っています。本作の時点では後にTuomas、Tarjaと並ぶ重要メンバーとなるMarko Hietala(B、Vo)が未加入のため男性ボーカルパートが弱いですがNIGHTWISHを語る上で外せない1枚でしょう。NIGHTWISHは後続バンドにも多大な影響を与えているようでSimone Simons(Vo/EPICA)は本作を聴き衝撃を受けて声楽を学ぶようになったそうだし、LIV MOONはNIGHTWISHが4th「CENTURY CHILD」(2002)でカバーしたThe Phantom Of The Opera(オペラ座の怪人)がきっかけで誕生したのだとか。それだけにTarjaが2005年に解雇という形でバンドを離れてしまったのが残念でなりません…。僕はTarjaの後任Anette Olzon(Vo/ex-ALYSON AVENUE)、現任のFloor Jansen(Vo/ex-AFTER FOREVER)時代は未聴ですがNIGHTWISHのアルバムの中では本作が一番好きですね。

【音源紹介】
Stargazers

【CD購入録】摩天楼オペラ「PANTHEON-PART 1-」(2017)

  • 2017/06/15(木) 00:00:00

【CD購入録】
PANTHEON-PART 1-
摩天楼オペラ「PANTHEON-PART 1-」(2017)

前作「地球」(2016)リリース後に、長年在籍していたギタリストAnziが脱退するという事件がありつつも1年弱のスパンで完成した摩天楼オペラの5作目を買いました。本作と「地球」の間にはミニアルバム「PHOENIX RISING」(2016)を発表するなどギタリスト脱退を感じさせないハイペース振りですね。バンドは後任ギタリストを加入させるのではなくゲストプレイヤーを迎えながら活動していくことを選択し、「PHOENIX RISING」にはGALNERYUSYu-to名義でベーシストとして在籍した経歴もあるLeda、今回のアルバムではJaY(LIGHT BRINGER)がプレイしています。またメンバーによると本作は「摩天楼オペラ史上最もHEAVY METALなアルバム」とのことで①PANTHEON、⑤Excaliburのようなスピードメタル曲、摩天楼オペラ流スラッシュメタルと呼べそうな②Curse Of Bloodもありますが、アルバム全編に渡ってメタリックかというとそうでもありません。前作は実験的な要素も盛り込んだ多彩なアルバムだったことを思うと、今回は比較的焦点を絞った1枚という感じです。過去作品に比べると個々の楽曲のインパクトは若干薄いような気もしますが、摩天楼オペラらしいアルバムなのでリピート中です。