【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「LEVEL ELEVEN」(2014)

  • 2016/01/24(日) 00:00:00

【CD購入録】
LEVEL ELEVEN
LAST AUTUMN'S DREAM「LEVEL ELEVEN」(2014)

2003年にデビューして以降、2012年まで10年連続でアルバムを発表してきたLAST AUTUMN'S DREAMの11作目を買いました。2013年はベスト盤のみの発表だったためオリジナルアルバムの連続リリース記録は途絶えましたが、こうして冬になると新作を届けてくれるバンドには頭が下がりますね。今回のトピックは何と言ってもMikael Erlandsson(Vo)と並ぶバンドの2枚看板であるAndy Malecek(G)が体調不良から不参加となっていることでしょう。過去作品においてもAndyは体調の関係でソロパートのみプレイ、それ以外はPeter Soderstrom(G)が弾いたこともあったし、後任ギタリストもPeterなので一聴しての違和感は希薄ですがデビュー当初からこのバンドを聴いている身としては寂しい限りですね。また近作ではJamie Borger(Ds)が収録曲の半数近くを作曲していたのに対して今回はMikaelが大半の曲を手がけていて⑩Starのような、いかにも彼らしいメロディが聴けるのも特徴でしょうか。上記のような変化はあるものの、根っこの部分はいつも通りのLAST AUTUMN'S DREAMサウンドなので、気がつけば何度もリピートしている1枚ですね。

LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)

  • 2013/12/03(火) 00:00:00

TEN TANGERINE TALES
【No.390】
★★★★(2012)

2003年にMikael Erlandsson(Vo)Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)を中心としたプロジェクトとして誕生、その後は正式なバンドへと発展し毎年の冬になると優れた作品を届けてくれるLAST AUTUMN'S DREAMの記念すべき10作目。前作のタイトルが「NINE LIVES」で、これまでにリリースしてきたアルバムの枚数を意識していることが感じられましたが今回も「TEN」という数字を作品名に入れてきましたね。なお本作のタイトルは直訳すると「10編の橙色の物語」となり、20秒弱のイントロダクション①Ten Tangerine TalesSWEETのカバー⑪Rebel Rouser(ボーナストラック)を除いた10曲がバンドのオリジナルソングという構成です。そんな10曲のうち半数をJamie Borger(Ds)が手がけた今回のアルバムはバンドの初期作品で感じられた哀愁よりも、優しく温かみのある旋律を前面に出した作品で前作の延長線上にある音楽性となっていますね。

イントロ①に続く②Pickin' Up The Piecesからしてこのバンドらしいポップロックチューンで掴みはOKだし、それ以降も曲によってはモダンなアレンジが見受けられるものの安定感抜群の楽曲が目白押し。特に気に入っているのはJamieらしいポジティブなフィーリングに溢れた④For You、⑤Preludium - The Man I Used To Be、⑥I Will See You Thruという3連発からMikaelの十八番でもある珠玉のバラード⑦When I Found Youに繋がる中盤の流れでしょうか。また今回は、このところメインコンポーザーの座をJamieに譲ったかのように見えていたMikaelのペンによるナンバーが冴えていて、前述の⑦や⑫My Final Love Songといった流石のバラードに加えて爽やかなメロディと共に駆けていく⑨New York Rainなどの充実振りも見逃せません。

というわけで今回も高品質なメロディックロック作品となっているので、安心して聴いていられる1枚です。ただ、前作(というか最近のアルバム)で感じられたマンネリ感や決め曲に欠けるといった課題は解消されているとは言い難いし、MikaelがソロとLAST AUTUMN'S DREAMの初期作品で発揮していた独特の泣きメロ、哀メロが7th「A TOUCH OF HEAVEN」(2009)を境に減退の一途を辿っている点も1995年からMikael Erlandssonというアーティストを聴き続けている身としては寂しくもあります…(客観的に見れば十分楽しめるアルバムなのは間違いないのですが)。なおデビューから10年連続でオリジナルアルバムを発表してきた彼等が2013年の冬にリリースするのはバンドとして2枚目となるベスト盤「PLATFORM - 10TH ANNIVERSARY BEST」だそうです。10年を一区切りとして今後のLAST AUTUMN'S DREAMがどのような活動をしていくのか注目したいですね。

【音源紹介】
・When I Found You

【CD購入録】SAPPHIRE EYES「SAPPHIRE EYES」(2013)

  • 2013/02/16(土) 00:00:00

【CD購入録】
SAPPHIRE EYES
SAPPHIRE EYES「SAPPHIRE EYES」(2013)

スウェーデン出身のメロディックロックバンドALYSON AVENUEのブレインNiclas Olsson(Key)Thomas Bursellなるシンガーが結成したニューアクトSAPPHIRE EYESの1stアルバムを買いました。この2人は以前にSECOND HEATというバンド(プロジェクト?)でも活動していたようですが、そちらは未聴です。本作は今年の1月頃に発見したサンプル音源を聴いてハズレはないと思っていた僕の期待通りではあるものの、それを上回るほどの衝撃はないかなというのが現時点での感想です。勿論、心地よく聴けるメロハー作品であることには間違いないので、これからリピートしていきたいと思います。なお本作にはALYSON AVENUEの元メンバーで昨年までNIGHTWISHに在籍していたAnette Olzon(Vo)、ミスター哀愁ボイスMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)Sven Larsson(G/STREET TALK)など多数のゲストが参加していて、それぞれの持ち味を発揮してくれています。ただゲストであるMikaelがオープニングの①You're My Wingsを全編歌っていることもあってバンドというよりはプロジェクトという印象が強いですね。あとジャケットはもう少し何とかならなかったのでしょうか…(苦笑)

【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)

  • 2012/12/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
TEN TANGERINE TALES
LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)

2003年にデビューして以降、冬になると新作を毎年届け続けて早10年、LAST AUTUMN'S DREAMの記念すべき10作目を買いました。「10編の橙色の物語」というアルバムタイトル、それとリンクして温かみのある色調を用いたジャケットから連想される通りのハートウォーミングなメロディに溢れた1枚だと思います。作品から感じられるイメージとしては3rd「WINTER IN PARADISE」(2005)の対極にあるのではないでしょうか。ここ最近のアルバム同様、哀愁は控えめでキラーチューンと呼べそうなものがないことにもどかしさを感じる一方、作品単体としては心地よく聴けるのも事実なので期待にはきっちり応えてくれています。リリース間隔を空けてじっくり作り込んだLAST AUTUMN'S DREAMのアルバムが聴いてみたい反面、この時期に彼等の新作が聴けないのは寂しくもあり、ファンとしては悩ましいところですね。

LAST AUTUMN'S DREAM「NINE LIVES」(2011)

  • 2012/12/17(月) 00:00:00

NINE LIVES
【No.357】
★★★★(2011)

Mikael Erlandsson(Vo)、Jamie Borger(Ds/TALISMAN、TREAT)という2人の優れたソングライターを擁する叙情派メロディック・ロックバンドLAST AUTUMN'S DREAMの9thアルバム。MikaelとJamieが半数ずつの曲を書いているほか、Nalley Pahlsson(B/TREAT)のペンによる⑤Golden Cage、恒例のカバーソングとしてANGEL⑪Waited For A Long Timeという曲を収録した構成となっています(⑤のギターリフがモロにTNTIntuitionしているのはご愛敬?)。結成当初は哀愁味に溢れたメロディアスハード路線だったのに対して、7th「A TOUCH OF HEAVEN」(2010)辺りからバンド初期の哀感は薄まり心温まる癒しの旋律を軸にしたサウンドに移行していたのですが今回も近作の延長線上にある作品だと思います。

どこか5th「HUNTING SHADOWS」(2007)を思わせるオーソドックスなロックサウンドに甘美なメロディが乗る①In A Perfect World、いかにもMikaelらしいメロディ運びを見せるタイトル曲②Nine Livesでこのバンドの世界観に誘われたかと思うとエンディングまですんなり聴ける本作も良質のナンバーが揃う安心クオリティに仕上がっています。「メロディアスハードからパワーポップ志向のサウンドに変化してきた」というMikaelの言葉通り、本作は④Merry-Go-Roundや⑤に象徴される明るいムードが強まっていますね。それに拍車をかけているのが複数の楽曲でフィーチュアされているハンズクラップ(手拍子)で、聴いているうちに楽しい気持ちにさせてくれます。バンド初期にあった胸を締め付ける哀メロを求めると肩透かしをくらうと思うし、僕も哀愁に溢れたナンバーの方が好きですが優しいメロディが聴き手を包み込んでくれる⑥All I Can Think Of、本作で最もポップス寄りの⑦Megalomania、バラード系の⑩We Never Said Goodbye、⑫Don't Let Love Fade Awayなど個々の楽曲は魅力的なんですよね。

というわけで総合的にはこれまで同様、手堅いメロディックロック作品であることは事実ながらデビューから9年連続でアルバムを発表し続けていることもあって流石にマンネリズムが漂っている感は否めません。⑧The Last To KnowJeff Scott Soto(Vo/TALISMAN)が、⑨Angel Eyesでは女性シンガーJenny Redenkvistがゲスト参加している辺りは新機軸と呼べそうですが、Mikaelという個性抜群のシンガーを擁するこのバンドにデュエットが必要だったかどうかは疑問が残りますし、⑧の同名異曲が6th「DREAMCATCHER」(2008)に収録されていることについても釈然としません(ちなみに僕は6thの曲の方が好きです)。ハイペースでアルバムを作るあまり同じタイトルの曲を過去にレコーディングしたことを忘れてしまったわけでないと思うのですが…。間もなくリリースされる次回作「TEN TANGERINE TALES」は記念すべき10年連続10枚目のアルバムとなるので、ここを節目にワーカホリック気味な活動ペースを見直してみてもいいのではと個人的には思っています。

【音源紹介】
・Nine Lives

【CD購入録】SHINING LINE「SHINING LINE」(2010)

  • 2012/01/31(火) 00:00:00

【CD購入録】
SHINING LINE
SHINING LINE「SHINING LINE」(2010)

Pierpaolo Monti(Ds)Amos Monti(B)という2人のイタリア人(もしかすると兄弟?)を中心とするメロハープロジェクトSHINING LINEの1stアルバムを買いました。本作の注目ポイントは何と言っても1曲毎に参加している豪華なゲストボーカル陣で、ざっと挙げただけでもErik Martensson(ECLIPSE)、Harry Hess(ex-HAREM SCAREM)、Michael Bormann(ex-JADED HEART、ZENO)、Mikael Erlandsson(LAST AUTUMN'S DREAM)、女性シンガーRobin Beckなど僕の好きなシンガーが名を連ねています。そんなメロディックロック界の実力者達が歌い上げる楽曲群はどれもがキャッチーなメロディを持っているだけでなく、バックを支える程よくエッヂの効いたギターと煌びやかなキーボードも効果的で心地好いメロディックロックを堪能させてくれます。特にアルバム序盤が強力で初期HAREM SCAREMにも通じるキャッチーソングをHarry Hessが歌う②Amy、曲名通りの力強いサビが印象的な③Strong Enough、Robin Beckが情感豊かに歌い上げる⑤Heat Of The Light、Mikael Erlandssonがいかにも彼らしい哀愁ボイスを響かせる⑥Can't Stop The Rock辺りがお気に入りですね。単発ブロジェクトで終わってしまう可能性があるかもしれませんが、もし同じメンバーで次回作がリリースされるのであれば是非聴いてみたいとところです。

LAST AUTUMN'S DREAM「YES」(2010)

  • 2011/02/26(土) 00:00:00

YES.jpg
【No.279】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第6位

2003年の結成当初は「天性のメロディメイカーにして絶品哀愁ボイスの持ち主Mikael Erlandsson(Vo)と元FAIR WARNINGの叙情派ギタリストAndy Malecekによる夢の共演」が目玉だったのが、2nd「Ⅱ」(2004)から加入したJamie Borger(Ds/TREAT、TALISMAN)がドラマーとして以上にコンポーザーとしての頭角を表してきて、今やこのバンドを形容する時に「MikaelとJamieのそれぞれが生み出す優れた楽曲にAndyのギターが乗る」といった具合にJamie抜きでは語れなくなってきたLAST AUTUMN'S DREAMの8thアルバム。メンバーMarcel Jacob(B)の自殺という悲劇を乗り越えて作り上げた前作「A TOUCH OF HEAVEN」(2009)はその悲しみを振り払うかのようにポップで明るい作風だったのに対して、今回は聴き手を包み込むような温もりと優しさに満ちた1枚となっています。これまでは切ない哀メロが冴えるナンバーから癒しの旋律、程よくポップセンスの効いた曲までMikaelのペンによる楽曲が大半を占める作品の中で、JamieによるTALISMANの雰囲気を漂わせるロックソングや爽やかな曲が良いアクセントとなっている印象でしたが本作では6曲がJamie、5曲がMikael作、2曲がカバーという構成で曲数的に見るとJamieがメインコンポーザーとなっています。

そしてMikaelが書く曲が減ったからといってアルバムのクオリティが下がるどころか、メロディの充実度が過去最高クラスとなっているのが本作の素晴らしいところ。ガツンと来るような圧巻のキラーチューンこそありませんが、本作の場合はどの曲も高水準であるために突出した1曲がないように感じる作品なんだと思います。MikaelのコーラスとTALISMAN風のリフから始まる①I've Fallen Into You、本作におけるハードポップ系のハイライト⑥To Be With You、終始楽しげなムードで曲が進行する⑧In This Thing Too DeepでJamieが持ち味を発揮すれば、Mikaelも負けじと②The Sound Of A Heartbreak、⑪Survivor、⑫I Forgive You(日本盤ボーナス)など彼にしか生み出し得ない哀愁ソングでMikaelワールドを展開。2人のソングライターによる楽曲が絡み合いながらお互いを高めあっているようにも思えますね。それだけでなく仄かな哀感の中に流れる優しく爽やかな旋律が身も心も癒してくれる名曲③Another Nightに代表されるように、JamieがMikaelのテイストを吸収した曲作りに成功している点も見逃せません。

ここまでMikaelとJamieによる楽曲の素晴らしさばかりに触れてきましたが、バンド結成当時からの大看板であるAndyのギターもしっかりと輝いています。中でも最大の見せ場はブルージーな味わいもある⑨Still Standin' Where Ya Left Meでのプレイでしょうか。恒例のカバー曲はMICHAEL BOLTON④Fool's GameJEFF PARIS⑩Kissin' Goodbye My Tearsの2曲を収録。デモテープに眠っていた曲をたまたまJamieが発見したことで陽の目を見たという後者が特に気に入っています。デビューから8年続けて1年に1枚というハイペースで作品をリリースしつつ、クオリティは並の同系統バンドの上をいくLAST AUTUMN'S DREAMの作曲能力には感服せずにはいられませんね。ただし気になる点もあります。それは作品を重ねるごとにMikaelの曲が減ってきている分をJamieがTALISMAN用のストックを使って補っていると見れなくもないということ。いくらLAST AUTUMN'S DREAMがライブをほとんどしないバンドで、名コンポーザーを擁しているとはいえ毎年フルアルバムを出し続けるのはキツくなってくるのではないかと個人的に心配しています。それにこのバンドがじっくり腰を据えて曲作りをしたら、どんな傑作が出来上がりのか聴いてみたいですしね。勿論本作には満足しているし、毎年安定した品質を誇るこのバンドの作品は冬の風物詩となっています。そんな大好きなバンドだからこそ1年に1枚という制約によって疲弊してしまう前に、その縛りから解放してあげて息の長い活動をしてもらいたいという気持ちもあるんですよね…(余計な心配かもしれませんが)。

【音源紹介】
・Another Night

LAST AUTUMN'S DREAM「A TOUCH OF HEAVEN」(2009)

  • 2010/07/21(水) 00:00:00

A TOUCH OF HEAVEN
【No.247】
★★★★(2009)

TALISMANでもタッグを組むJamie Borger(Ds)と共に2ndアルバム「Ⅱ」(2004)から加入し、それまでMikael Erlandsson(Vo)Andy Malecek(G)を中心としたプロジェクトの色合いの濃かったLAST AUTUMN'S DREAMにバンドらしさと強力なグルーヴ感をもたらしたMarcel Jacob(B)が自殺してしまうという悲劇に見舞われながらも、後任にNalley Pahlsson(B/TREAT、VINDICTIV)を迎えて1年に1枚のペースを今回も崩すことなく新作をリリースしてくれたLAST AUTUMN'S DREAMの7作目。まずは大きな悲しみを乗り越えてアルバムを届けてくれたバンドに感謝の意を表したいですね。ジャケットに描かれている4枚の枯葉はLAST AUTUMN'S DREAMの4人のメンバーを、その中で天使が手にしている1枚の葉はMarcel Jacobを象徴していて、彼が今は天使と共にいるということを表しているそうです…(涙)。

Marcelの肉声とベースソロをフィーチュアしたイントロ①Heaven And Earth ‐ A Requiem To Marcel Jacobで始まる本作は哀悼ムードいっぱいの作風になるのかと思いきや、中身はその逆でLAST AUTUMN'S DREAMにしてはポップで爽快な1枚だと思います。元々TALISMAN用のマテリアルだったという②Caught In Between、哀メロの中にもポジティブムードが漂う③Top Of The World(練られた構成のギターソロもグッド)と続くアルバム冒頭や⑤Come Rain Or Shine、⑦Last Mistake、⑩What's On Your Mind、⑬Running On Like Waterなどアップテンポの楽曲が多いですね。また3曲収録されているカバーソングもSIX FEET UNDER④Candle In The Darkこそミディアムバラード調ながら、1973年に英国チャート1位に輝いたWIZZARDのご機嫌ロック⑧See My Baby JiveHAREM SCAREMもカバーしたCHEAP TRICKを代表するポップチューン⑫Surrenderの2曲が本作の明るいイメージに拍車をかけています。といってもMikaelの掠れ気味の哀愁ボイスによって各曲とも並々ならぬ哀感が備わっているわけですが。ちなみに⑫では「Daddy's Alright,Mommy's Alright~♪」というサビをエンディングのコーラスで「Jamie's Alright, Nalley's Alright, Mikael's Alright, Andy's Alright~♪」と歌詞を変えて歌っているのは「Marcelの死を乗り越えていくから大丈夫だよ」というメンバー4人からファンへのメッセージなのかな。粒の揃った楽曲が並んでいるものの、このバンド特有の泣き/哀愁という面では物足りないかなと感じていた僕を涙させてくれるのがMikaelの絶唱に聴き入ってしまうバラード⑭Jenny's Eyesで、ここまでの13曲で抑えていた泣きの旋律をこの1曲に注ぎ込んだかのような哀感に胸が締め付けられる名曲ですね。

なお、これまではメンバーの中でただ一人ドイツに住んでいるAndyとスウェーデンに住む他のメンバーが顔を合わせることなくギターソロのデータファイルを送る形でレコーディングが進められていたようですが、今回はAndyがスウェーデンに赴きメンバー同士が顔を合わせてレコーディングが行われたようです。前作ではAndyが前歯を骨折してしまうというアクシデントに見舞われたため収録曲の半分くらいにしか参加していなかったので、このままAndyはフェイドアウトしてしまうのかと不安になりましたが、どうやら大丈夫そうですね(とはいえ本作でもリズムギターの全てはPeter Soderstromというギタリストが弾いているようです…)。カバーが3曲もあり、Jamie作とはいえTALISMAN用の曲だった②やJeff Scott Soto(Vo/TALISMAN)のソロアルバム「ESSENTIAL BALLADS」収録曲のリメイク⑦(Jeffもバックボーカルで参加)が収録されるなどオリジナル曲の割合は過去の作品群の中で最も低いですが、どの曲も強烈な個性で自分達の色に染め上げ、クオリティの高いアルバムに仕上げる辺りは流石ですね。

【音源紹介】
・Jenny's Eyes

LAST AUTUMN'S DREAM「DREAMCATCHER」(2008)

  • 2009/12/15(火) 00:00:00

DREAMCATCHER
【No.208】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第9位

毎年11月~12月にアルバムを発表している秋/冬の風物詩的バンドLAST AUTUMN'S DREAMの6thアルバム。デビュー作からずっと聴き続けている経験から、このバンドにハズレはないと思っていましたが今回も独特のハスキーボイスが哀愁を増幅させるシンガーMikael Erlandsson(Vo)と、もはや元FAIR WARNINGの肩書きは不要と思えるほどこのバンドに定着したAndy Malecek(G)の2枚看板に加えて、Marcel Jacob(B)とJamie Borger(Ds)というTALISMAN組がリズムを支えるというバンドの旨味をきっちりと聴かせてくれるので過去の作品が気に入ったならば、押さえておいて間違いないアルバムです。

タイトル通りLAST AUTUMN'S DREAMの音世界へと導いてくれる序曲①Welcome...から、いかにもこのバンドらしい哀愁のハードロック②One By Oneへと雪崩れ込み、間髪入れずに③Hold On To My Heart、④Frozen Flowerと畳み掛け、Mikaelの1stソロ作「THE 1」にも通じる泣きメロ全開な⑤Silent Dreamまでのアルバム序盤の充実振りは見事というほかありません。ラップ調のボーカルアプローチを取り入れたアップテンポ⑥Alarmやポップなメロディが光る⑬Me & Youといった明るい楽曲もあるものの、本作制作前にMikaelが離婚を経験するという辛い出来事があったせいか、このバンドにしてはストレートなハードロック路線だった前作以上に「メロウ」な印象が強いです。そして特筆すべきはJamieがソングライティング面で大きく貢献している点。本作の中でも僕の2大フェイバリットソングである③と歌謡曲風の切ないメロディが味わえる⑩The Last To Knowは両方ともJamieの作曲です。メロディの充実度は傑作4th「SATURN SKYLINE」に迫るものがあるだけに曲間のインターバルをやたらと詰めたり、曲のエンディングを強引にフェイドアウトさせたりするのではなく1曲毎の余韻に浸りたかったいような気もしますが…。

本作はレコーディング直前にAndyが前歯を数本折る怪我をしてしまったため、一部の楽曲ではゲストギタリストが参加していると聞いて、作品に影響が出るのではと思っていましたがMartin Krolund、Sayit Dolenというゲストギタリスト2人の踏ん張りもあり、僕はそれほど気になりませんでした。本作の中で一番の名演だと思った⑭When My Love Left Your Heartのギターソロなんて、最初はてっきりAndyが弾いてると思ったら、ライナーノーツにゲストギタリストMartinの演奏だと書いてあってビックリ。このバンドのインタビュー記事を読むと作品を重ねる毎にAndyと他のメンバーの間に距離が生まれているのが少し気になりますね。…と思っていたところにMarcel Jacobが自ら命を絶ってしまうという悲しいニュースが入ってきました。特にライブでこのバンドの大きな魅力だった彼の後任にNalle Pahlsson(B/TREAT、VINDICTIV etc)を迎えた7th「A TOUCH OF HEAVEN」が2009年12月16日にリリースされます。悲しみを乗り越えて作品をリリースしてくれたバンドを応援する意味でも即ゲットする予定です。

【音源紹介】
・When My Love Has Left Your Heart

LAST AUTUMN'S DREAM「LIVE IN GERMANY」(2008)

  • 2009/12/12(土) 00:00:00

LIVE IN GERMANY
【No.207】
★★★★(2008)

僕の中で叙情派メロディックロックの雄としての地位をすっかり確立したLAST AUTUMN'S DREAM初のライブアルバム。本作は4th「SATURN SKYLINE」(2006)発表後に実現した2007年6月の初来日公演を経て、同年9月にドイツで開催されたメロディックロック・フェスティヴァル「UNITED FORCES OF ROCK Ⅲ」に出演した際の音源なのですが、このバンドの場合は1年に1枚というハイペースで作品をリリースし続けているため、このライブ盤が発売されたのは次のアルバム「HUNTING SHADOWS」(2007)よりも後となっています(笑)。

LAST AUTUMN'S DREAMのライブについては4thでバンドらしさがグンと増したものの、アルバムではベーシストMarcel Jacobがリズムギターのほぼ全編を弾き、Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)はソロのみをプレイしていたのでスタジオバンド的なイメージが拭いきれなかったのと、Mikael Erlandsson(Vo)のような掠れ声が魅力のシンガーはライブだと荒さが目立つのではないかという点が気になっていました。ところが、ミュージシャンとして熟練の域にあるメンバーが揃うこのバンドにそんな心配は無用だったみたいです。まず演奏面についてはAndyのソロの素晴らしさは言わずもがなリズムギターに関してもMarcel以上にワイルドな印象だし、ライブでその真価を発揮するリズム隊、特にMarcel独特のベースラインに耳が釘づけです。スタジオ盤では綺麗にまとまったメロディックロックだったのが、ライブではハードロックバンドとしての適度な重さやエッヂの鋭さが加味されていて一層魅力的なんですよね。そしてMikaelのボーカルも彼特有の哀愁を湛えた声質はそのままに、良い意味でラフになっていながらも肝心のメロディはしっかりと歌ってくれています。

そんなLAST AUTUMN'S DREAMがライブバンドであること確認できる充実作ではあるのは事実ながら気になる点もチラホラ…。まずはMikael自身もインタビューで語っていたそうですが、当日のライブでエア・マイクを立てられなかったためにオーディエンスの歓声がほとんど聞こえないということ。オープニングの①For The Young And The Wildのサビの後にスタジオ盤なら入ってくるはずの「オーオオー♪」というコーラスがない(バンドメンバーのバックコーラスもありません)とやはり寂しいし、⑦Rock'N'Roll Is Saving My Soulは会場全体が大合唱している歌声がもう少し聞こえればもっと感動的だったのに…。そして更に痛いのはライブがたった8曲(セットリストは4th中心)+スタジオ新曲2曲という収録曲の少なさ。各曲は本当に素晴らしいだけに最低でも10曲、もっと言えば2枚組で聴きたいぐらいです。などと不満点を挙げつつも、バンドのデビュー作1曲目にしてライブのエンディングを飾る名曲⑧Again And Againの哀メロを聴いていると楽曲、ライブパフォーマンスの両方が素晴らしいと実感できると同時に1995年から応援してきたMikaelが歌うライブ作品をこうして堪能できているんだと感慨深くなりますね。そして曲のラストでMikaelがJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)、Marcel Jacob、Mikael本人(日本表記のミカエルではなくマイケルと発音してますね)の順にメンバー紹介をしてから最後にAndy Malecekの名前をコールしてそのままギターソロに雪崩れ込むという演出は感動モノだし、もうこのラインナップは聴けないんだと思うとウルッと来てしまいました…。2曲収録されている新曲については、良いとは思いますがライブのインパクトが大きすぎるためオマケ感が強いです。

【音源紹介】
・Rock'N'Roll Is Saving My Soul(Live)

LAST AUTUMN'S DREAM「HUNTING SHADOWS」(2007)

  • 2009/12/10(木) 00:00:00

HUNTING SHADOWS
【No.206】
★★★(2007)

ベストアルバム発表、待望の初来日公演など2007年にバンドとしての活動が一気に活発化してきたLAST AUTUMN'S DREAMの5thアルバム。これまでの作品で築き上げてきたLAST AUTUMN'S DREAMブランドとも言える高品質で哀愁たっぷりのメロディアス・ハードロックを軸に、本作はMikael Erlandsson(Vo)のソロ作に収録されてそうな楽曲あり、BON JOVIJOURNEY風のアメリカンなナンバーあり、80年代ハードロックの香りを感じさせるものありと楽曲の幅を広げてきたように感じます。

全体的に見ると哀愁のメロハー色はこれまでと比べて控えめに感じられるものの、Mikaelのソロ作に通じる哀愁ソング②Rainbow Sky、⑤Lost In Moscowや日本に向けて書かれた⑪Overnight Sensationはかなり強力。そんな哀メロナンバーの中でもMikaelソロ時代の名曲It’s Alrightに通じるクサいメロディに乗って泣きまくるAndy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)のギターが胸を締め付けてくれる③My Alibiは、LAST AUTUMN'S DREAMの魅力を凝縮させたかのようなキラーチューンですね。そして今や、このバンドの中でMikaelに次ぐ重要ソングライターとなった感のあるJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)も3曲を提供していて、JOURNEY風バラードの④I’m Not Supposed To Love You Anymoreと爽やかロックチューン⑨Save Our Loveは結構リピートしています。

ライブを経験したことが影響してか、これまでよりもシンプルでオーソドックスなハードロックに近づいた結果、タフなリズム隊が強調されているように思えるのも嬉しいポイント。アルバムを通してダレることなく、すんなり聴き通せるアルバムを連発してくれる辺りはベテランミュージシャン集団のなせる業といえそうですね。あとはMikaelとJamieばかりが曲を書くのではなくて、AndyやMarcel Jacob(B/TALISMAN etc)による曲も聴いてみたいなと思っていたのですが、Marcelに関してはその願いは叶わなくなってしまいました…

【音源紹介】
・My Alibi

LAST AUTUMN'S DREAM「SATURN SKYLINE」(2006)

  • 2009/12/07(月) 00:00:00

SATURN SKYLINE
【No.205】
★★★★(2006)
年間ベスト2006年第7位

2003年にデビューしてからというもの、1年に1枚のペースで上質のアルバムをリリースし続けてくれているLAST AUTUMN'S DREAMの4作目。前作でバンドとしての体勢が整った感があったので、今後に期待していた僕の予想以上に粒の揃った楽曲と安定感抜群の演奏が楽しめる作品となっています。哀愁に満ちた湿り気たっぷりのメロディをMikael Erlandsson(Vo)のハスキーボイスが歌い上げ、Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)のギターがギラリと輝くというバンドの明確な強みはそのままに、TALISMANでもタッグを組むMarcel Jacob(B)Jamie Borger(Ds)によるリズム隊も気持ちいいグルーヴ感をもたらしてくれていますね。

そんなバンドの一体感を象徴するのがTALISMAN風の躍動感あるリズムの中で哀メロが響く②After Tomorrow’s Gone(Jamieが作曲)です。この曲の持ち味である「うねり」はTALISMANのボトムを支えるMaecelとJamieならではのものでしょう。その後も②の勢いを引き継ぎ更に加速する③Pages、ややゴスペルっぽいバラード④Rock’N’Roll Is Saving My Soul、いかにもMikaelらしい哀愁に満ちたコーラスが堪らない⑦Supersonic、曲調とAndyのギターが見事にマッチしたロマンティックバラード⑦Frozen Heart、それとは対照的にポップさが弾ける⑨American Girl、後半のハイライトとなる哀メロチューン⑩Dominoなどなど素晴らしい楽曲が揃っています。過去の作品に少なからずあった印象の薄い曲がなくなりましたね。QUEENっぽいコーラスワークで始まる本編ラストのバラード⑪Still On The Runも好きですが、日本のバンドBEAGLE HATが本作のために書き下ろした⑫Skyscraperの繊細なメロディが秀逸で聴後感もかなり良いです。

作品を重ねるごとに着実に成長を続けるこのバンドは、本作でメロディックロックというジャンルの中でも僕にとって重要バンドのひとつとなりました。これまでのアルバムには必ず収録されていたMikaelのソロ作やFAIR WARNINGのカバーもなくなり、バンドの楽曲で勝負した上で見事なアルバムを作り上げた彼らに拍手を送りたいですね。再結成したFAIR WARNINGのアルバムが霞んでしまうほどの充実作にしてバンドの最高傑作。

【音源紹介】
・Pages

LAST AUTUMN'S DREAM「WINTER IN PARADISE」(2005)

  • 2009/12/04(金) 00:00:00

WINTER IN PARADISE
【No.204】
★★★★(2005)

スウェーデンを拠点とする哀愁のメロディアス・ハードロックバンドLAST AUTUMN'S DREAMの3rdアルバム。前作「Ⅱ」(2004)は楽曲のフックや音質面でやや弱いかなと感じられただけに少し心配していましたが、今回はバンドの集大成と言っても過言ではないアルバムを届けてくれました。メンバーはThomas Lassar(Key/CRYSTAL BLUE)の代わりにMikael Erlandsson(Vo)がキーボードを兼任している以外は、前作と同じです。

しっとりしたピアノイントロからAndy Malecek(G)の叙情ギターへと繋がる開始10数秒で僕の心を鷲掴みにしてくれる①Love To Go、前作からドラマーの座についたJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)作曲のメロディック・ポップロック②Don't Let Our Love Go Down、ゆったりした哀愁のメロディが心地よい③The Way You Smile、そしてMikaelソロ時代の傑作「THE 1」に収録されていたハイライトナンバーのリメイク④It’s Alrightと続く序盤を聴いて前作で感じた物足りなさは吹き飛んでしまいました。④はオリジナル以上にハードロック色を前に出したアップテンポのリズムで曲が進行していくため好みが分かれるかもしれませんが、僕はこちらの方が好きですね。また本作を過去のアルバム以上に気に入っている理由として、コーラスの重ね方や楽曲が醸し 出す雰囲気がMikaelのソロ作に近いという点が挙げられます。これは過去の作品で多くの曲を書いていたRick Brightmanの出番が減り、Mikaelの作曲への関与が大きくなってきたせいかも。

それにしてもAndy Malecekというギタリストは僕の琴線に触れるトーンでギターを演奏してくれるなぁと再確認。FAIR WARNING時代にもLong Gone、Burning Heart、All On Your Ownなどで絶品のソロを聴かせてくれていましたが、スカイギターを操るHelge Engelke(G/FAIR WARNING)のサポート役という印象が拭いきれませんでした。そんな彼がLAST AUTUMN'S DREAMでリードギタリストとなるや、①や③を始めとする曲で響かせる極上の音色、楽曲本来の泣きを最大限に引き出す④のギターソロ、バラード⑩If You’re The Oneにおけるフレージングなど見せ場を次から次へと生み出してくれているのが頼もしい限り。またAndyのギターとMikaelの歌声の相性が最高なんですよね。

【音源紹介】
・Love To Go

LAST AUTUMN'S DREAM「Ⅱ」(2004)

  • 2009/12/01(火) 00:00:00

Ⅱ
【No.203】
★★(2004)

素晴らしい組み合わせだと思いつつも、一回限りのプロジェクトっぽくもあったMikael Erlandsson(Vo)Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)を中心とするメロディックロックバンドLAST AUTUMN'S DREAMが約1年という短いスパンでリリースした2ndアルバム。前作に参加していたEUROPE組に代わってMarcel Jacob(B)Jamie Borger(Ds)というTALISMAN組がバックを支え、前作でも楽曲を提供していたThomas Lassar(Key/CRYSTAL BLUE)が正式メンバーとしてクレジットされています。方向性としては前作同様の哀愁メロハー路線でありつつ、疾走系の割合がやや増えたという感じです。

そんな印象はオープニングトラックにして日本盤ボーナスの①Fire With Fire④Runningといった楽曲で顕著となっています。そういえば同年リリースのDREAM EVILの3rdもそうだったけど、この当時は日本盤ボーナスを敢えて1曲目に持ってくるというのが流行っていたのかな。スピーディーな楽曲が増えたのはハードロックバンドとしては喜ぶべきことなのですが、このバンド最大の武器である哀愁のメロディという点では前作にやや及ばないかなぁというのが正直なところです。暖かみのあるメロディで聴き手を優しく包み込んでくれる②Up In Paradise、⑨So Much Love In The Worldなど、僕がこのバンドに求める楽曲もあるにはあるのですが前作のAgain And Againに匹敵するキラーチューンがないというのが少し残念。⑤(Always Be)You And Iのメロディとアコギが醸しだす雰囲気がEric ClaptonTears In Heavenしているのはご愛嬌ということで…。

本作で楽曲を一番多く手がけているのがMikael Eralndssonではなく前作でも曲を提供していたRick Brightmanというドイツ人ソングライターということもあり、まだバンドというよりはプロジェクト色が強いですね。他にも前作以上にハードロック然とした曲を収録していながら、サウンドプロダクションがデビュー作よりも軽めだったり、恒例のリメイク曲に今回はMikaelの哀愁ボイスとはミスマッチな感が否めないFAIR WARNINGの中でもハードな⑥Heat Of Emotionをチョイスしていたりとチグハグな印象が目立つのも気になります。勿論、1枚の作品としてみれば魅力的なメロディも多いのは確かなんですが、このバンドに対する期待からすると少し物足りなさが残ってしまうんですよね。

【音源紹介】
・Brand New Life

LAST AUTUMN'S DREAM「LAST AUTUMN'S DREAM」(2003)

  • 2009/11/29(日) 00:00:00

LAST AUTUMNS DREAM
【No.202】
★★★(2003)

レコード会社の紹介で北欧屈指のメロディメイカーMikael Eralndsson(Vo)と泣きのギターの名手Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)がタッグを組み、そのバックをMic Michaeli(Key)、John Leven(B)、Ian Haugland(Ds)というEUROPEのメンバーサポートするという夢のようなバンド(この当時はプロジェクトという印象が強かったですが)LAST AUTUMN'S DREAMのデビュー作。全体的にFAIR WARNING色は薄くて、Mikaelの作品にAndyが参加したかのようなこのアルバムはMikaelの前作ソロ「THE GIFT」にハードロックらしいエッヂが加わったような作風となっています。

楽曲の方はというと、この2人の名前から期待する「叙情メロディ満載でキャッチーな楽曲にエモーショナルなギター絡む」というスタイルそのものズバリな①Again And Againがいきなり炸裂する申し分のないスタートを切ります。ただMikaelが曲作りに関与せず外部ソングライターが提供した楽曲も多いためか、予想していたほど強力な哀メロの畳み掛けはなく中盤から後半にかけては少し弱いかなと思う部分があるのも事実。とはいってもこれはMikael Erlandssonというソングライターの過去作品と比べての話であって、本作も並みのメロディックロックバンドに比べると平均を軽く上回る仕上がりとなっています。お気に入り曲は前述の①、Andyのギターが大活躍する④Break The Chain(Of Destiny)、甘酸っぱいメロディが胸に滲みる⑩Movin' On、いかにもMikaelらしいバラード⑪Going Homeですね。

また、この2人が組むと聞いた時点で期待せずにはいられなかったそれぞれのバンドのリメイク曲もしっかり収録されていて、FAIR WARNINGの②Pictures Of Love(2nd「RAINMAKER」収録)、Mikaelの⑦The One(1st「THE 1」収録)ともに出色の出来。FAIR WARNINGの中でも比較的ソフトでMikaelの哀愁ボイスとマッチする②はナイスチョイスだし、⑦は新たなアレンジを施したことでオリジナルを上回る出来栄えとなっています。余談ですが⑦は僕の結婚式でも使わせてもらいました。ソロ活動では補い切れなかった話題性を手にしたMikael、FAIR WARNINGではセカンドギタリストの座に甘んじていたものの、その実力を遺憾なく発揮できる場を得たAndyの両方にとって意味のあるプロジェクトであるだけでなく、メロディックロック系に明るい話題が少なかった2003年の目玉ともいえるニューバンドのアルバムとして愛聴していた作品です。

【音源紹介】
・Pictures Of Love

【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「DREAMCATCHER」(2008)

  • 2008/12/27(土) 14:28:49

【CD購入録】
LAD DREAMCATCHER
LAST AUTUMN'S DREAM「DREAMCATCHER」(2008)

2003年の結成以来、毎年11月~12月にアルバムを発表している冬の風物詩的バンドLAST AUTUMN’S DREAMの6thアルバムを買いました。泣きを多分に含んだ楽曲、Mikael Erlandsson(Vo)の甘く切ないボーカルとそこに絡んでくるAndy Malecek(G)の情感溢れるギター、そしてMarcel Jacob(B)Jamie Borger(Ds)というTALISMAN組がリズムを支えるというバンドの旨味を今回もきっちりと聴かせてくれるので過去の作品が気に入ったならば、押さえておいて間違いないアルバムです。アップテンポ、ポップチューン、バラードなどスタイルは違えど泣きのメロディをたっぷり聴かせてくれる本作の特徴を挙げるならば、「メロウ」なアルバムということでしょうか。かつてあったハードロックバンドらしい躍動感は控えめな反面、とにかくメロディを聴かせる姿勢が強まったアルバムのように思います。バンドのラインナップもすっかり安定してるみたいなので大化けはなさそうですが、僕が期待するLAST AUTUMN’S DREAMらしいサウンドが楽しめる1枚。⑭When My Love Left Your HeartのラストにおけるギターソロはAndyの名演のひとつですね。って思いながらライナーノーツ見たら、この曲はゲストギタリストMartin Krolandが弾いてるとのこと。このMartinって一体何者?