【CD購入録】VEGA「WHAT THE HELL!」(2013)

  • 2013/12/07(土) 00:00:00

【CD購入録】
WHAT THE HELL!
VEGA「WHAT THE HELL!」(2013)

SUNSTORM、KHYMERA、FIRST SIGNALといったFRONTIERS RECORDSに所属するバンド/プロジェクトに楽曲を提供してきたTom Martin(G)James Martin(Key)のMartin兄弟が率いるメロディックロックバンドVEGAの2作目を買いました。今回のアルバムを聴くにあたって驚いたのは本作がFRONTIERSではなくCHILDREN OF BODOMなどを輩出した有名メタルレーベルSPINEFARMからリリースされているという点です。レーベル移籍の影響かジャケットもモダンな感じ(SEPULTURA「NATION」っぽい?)になっていて一抹の不安を覚えましたが、実際に聴いてみると極端に音楽性が変わっている訳ではなく安心しました。とはいっても適度な愁いを帯びたキヤッチーなメロディックロックが展開されていたデビュー作と比べて湿り気や哀愁といった要素は減退していますね。モダンなイントロ①Carnival Of Lost Soulsに続いて「ヘ!ヘ!ヘイ!」というパワフルなコーラスが耳に残る②White Knuckle Rideや骨太なタイトル曲③What The Hellを聴くとデビュー時とは別バンドかと思ってしまうほどですが、そんな新機軸においてもメロディは相変わらず魅力的だし前作のサウンドを継承している曲もあるのでリピートしています。

FIRST SIGNAL「FIRST SIGNAL」(2010)

  • 2012/12/06(木) 00:00:00

FIRST SIGNAL
【No.356】
★★★(2010)

10作目「HUMAN NATURE」(2006)に伴う来日公演の2ヶ月前に「もう1枚のスタジオアルバムを作った後に解散する」と表明し、その言葉の通り11th「HOPE」(2008)リリース後にライブを行うことなく解散したHAREM SCAREMのフロントマンHarry Hessを擁する新プロジェクトFIRST SIGNALの1stアルバム。仕掛人はメロディアスハードファンの僕にとって最重要レーベルのひとつFRONTIERS RECORDSの社長で、これまでにもMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)がメロディックロックを歌うというコンセプトのPLACE VENDOMERobert Sall(G/WORK OF ART)、Erik Martensson(Vo/ECLIPSE)、Jef Scott Soto(Vo/TALISMAN)の3人が組んだプロジェクトW.E.T.などを発案してきたSerafino Perginoです。本作のテーマは「クラシックなHAREM SCAREMサウンドを蘇らせること」だそうですがHarryが「HAREM SCAREMとして本作のようなアルバムを作ってきたつもりはない」と語っている通り、ハーレムサウンドの復活というよりは「Harryが他のソングライターによる良質なメロディックロックを歌っているアルバム」と表現した方が合っていると思います。HAREM SCAREMの作品群の中で近いアルバムを挙げるとすれば、外部ライターの曲を一部取り入れたこともあってバンドの独自性が薄めなデビューアルバム「HAREM SCAREM」(1991)でしょうか。

今回、Harryは曲作りには全く関わっておらずTomとJamesのMartin兄弟ECLIPSEやW.E.T.で活躍するErik Martenssonといったソングライター陣が楽曲を提供、Dennis Ward(B/PINK CREAM 69)がプロデュースするというFRONTIERS作品ではお馴染みの顔ぶれがHarryをバックアップしています(HAREM SCAREMの人脈では元ドラマーのDarren Smithがバックボーカルで参加)。まずはオープニングの①This Cityが爽快メロハー系のキラーチューンで僕はこの曲の先行PVを見た瞬間に本作購入を決めました。Martin兄弟恐るべし。それ以外にも爽やかなサビメロが耳に残る②When You Believeとダイナミックなメロディ展開がいかにも彼らしい⑩Yesterday's Rainの2曲を書いたErik、アルバム随一の泣きメロが胸に沁みるバラード④Crazyを提供したRonny Milianowicz(Ds/SAINT DAEMON)などFRONTIERS御用達ライター陣の作曲能力の高さには改めて感心してしまいますね。また、このアルバムには③Part Of Me、⑨When November FallsというRichard Marxのカバー2曲も収録されていて、楽曲の素晴らしさだけでなくアルバムへの溶け込み具合もお見事。なお後者はFRONTIERS恒例のアコースティックバージョンが日本盤ボーナスとして収録されていて僕はこちらの方が好きですね。

本作がハーレムサウンドを再現しているかは微妙なので、レーベル側が謳う「HAREM SCAREM復活」を過度に期待すると肩透かしをくらう可能性もありますが⑤Goodbye To The Good Timesのようなハーレム時代にはなかったタイプの曲を歌うHarryが聴けるのは面白いし、メロディックロックファンならば文句なしに楽しめる1枚に仕上がっていると思います。優れたシンガーがFRONTIERSに楽曲から演奏陣、プロデューサーに至るまでをお膳立てされて歌うプロジェクトという意味でJoe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW etc)SUNSTORM、Michael KiskeのPLACE VENDOMEと同列の作品と言えるのではないでしょうか。ちなみにHAREM SCAREMが解散してからのHarryは他のアーティストのプロデュースや楽曲提供に忙しくも充実した日々を送り、HAREM SCAREM時代の盟友Pete Lesperance(G)と一緒に仕事をすることは多いものの再結成はおろかロックソングを書くこともなく、メロディックロックとは縁遠い音楽活動をしていたようです。そう考えるとHarry Hessというシーン屈指の歌い手をバンド解散後初めて表舞台に呼び戻してくれたFRONTIERSに拍手を送りたいですね。

【音源紹介】
・This City

【CD購入録】VEGA「KISS OF LIFE」(2011)

  • 2011/09/19(月) 00:00:00

【CD購入録】
KISS OF LIFE
VEGA「KISS OF LIFE」(2011)

FRONTIERS RECORDSご用達のメロハーソングライターTomとJamesのMartin兄弟と、1999年にKICKで大々的なデビューを飾ったもののブレイクに至らずバンドは解散してしまい、その後EDEN、WILDKARDというバンドで活動してきたNick Workman(Vo)が新たに結成したニューアクトVEGAの1stアルバムを買いました。Joe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW、YNGWIE MALMSTEEN etc)がフロントマンを務めるSUNSTORMの2nd「HOUSE OF DREAMS」(2009)で初めて彼らを知って以来KHYMERA、FIRST SIGNALなど数々のプロジェクトに彼らが楽曲提供しているのを聴いては「いつかMartin兄弟のバンドを聴いてみたい」と思うようになっていた僕の期待を裏切らない1枚だと思います。PVも制作されたリーダートラックにしてアルバム随一のキャッチーさを誇る②Kiss Of Life、北欧的なムード漂うバラード⑤Too Young For Wingsを筆頭に良曲が目白押し。NickはKICK時代と同じく、どこか煮え切らない印象もありますが、ハイトーンが今まで以上に伸びやかでシンガーとしての魅力がアップしたように思います。Martin兄弟には裏方のソングライターに徹するのではなく、このVEGAや他のバンド/プロジェクトでもいいのでどんどん前に出てきてもらいたいですね。

SUNSTORM「HOUSE OF DREAMS」(2009)

  • 2009/10/28(水) 00:00:00

HOUSE OF DREAMS
【No.193】
★★★(2009)

Joe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW、YNGWIE MALMSTEEN etc)Jim Peterik(G/PRIDE OF LIONS、ex-SURVIVOR)による夢のコラボレーションが話題となったメロディアスハードロック・プロジェクトSUNSTORMの2ndアルバム。前作はSUNSTORM featuring JOE LYNN TURNER名義でしたが、本作からシンプルにSUNSTORMとなっています。今回Jimは3曲に関わるだけに止まっていますが楽曲のクオリティは前作に引けを取らないものが多く、僕にとってお気に入りの1枚となっています。中でも全11曲(輸入盤)のうち4曲を手がけたTomとJamesのMartin兄弟のペンによる楽曲(①Divided、②Don't Give Up、③The Spirit Inside、⑩House Of Dreams)が素晴らしい出来ですね。思わずMartin兄弟がメインソングライターで、SUNSTORMのプロデューサーであるDennis Ward(B/PINK CREAM 69)がシンガーを務めるKHYMERAの3rdアルバムを買ってしまいました。

さて、本作の方はというとアルバム前半がなかなか強力です。Gunter Werno(Key/VANDEN PLAS)が奏でる煌びやかなキーボードからしてメロハー好きのツボを突いてくれる①、ドラマティック極まりない②、Martin兄弟のメロディセンスに舌を巻く③、サビで「I Found Love, I Found Love Tonight~♪」と歌いながら元気いっぱいに駆け抜ける④I Found Loveと来た後に、美旋律バラードのお手本のような⑤Say You Will、それとは対照的なアップテンポ⑥Gutters Of GoldというJim作の楽曲2連発と、ここまではどれをシングルカットしても通用しそうな楽曲が並んでいます。作品後半はやや大人しいような気もしますが②と同路線のタイトル曲⑩、ヒットメイカーDesmond ChildとJoeの共作バラード⑪Walk Onという終盤2曲も良いですね。

1stアルバムを愛聴していた方であれば本作も期待を裏切らない好盤といえそうです。演奏陣の顔ぶれは基本的に変わっていないものの、本作ではThorsten Koehne(G/EDEN'S CURSE)がギターソロを担当していてEDEN'S CURSE同様、派手に弾きまくることで楽曲に華を添えてくれていますね。目新しさはほとんどありませんが、やはりJoeにはこういうメロディックロックを歌って欲しいです。

【音源紹介】
・I Found Love

SUNSTORM featuring JOE LYNN TURNER「SUNSTORM」(2006)

  • 2009/10/26(月) 00:00:00

SUNSTORM.jpg
【No.192】
★★★(2007)

RAINBOW~DEEP PURPLE~YNGWIE MALMSTEEN’S RISING FORCEなど名だたるバンドのフロントマンとして活躍し、今はソロ活動をメインにしているハードロック界を代表するシンガーJoe Lynn Turnerを中心とするプロジェクトSUNSTORMのデビューアルバム。Joeのファーストソロアルバム「RESCUE YOU」(1985)の後に制作されていながらお蔵入りになっていたデモ音源をもとに、Jim Peterik(G/PRIDE OF LIONS、ex-SURVIVOR)からも一部の楽曲が提供された本作は、80年代風産業ロックの王道を行く仕上がりです。

Joeのソロアルバムは「HOLYMAN」(2000)と「SLAM」(2001)しか聴いていませんが、どちらもブルージーな味わいを持っていて「大人の渋さ」が楽しめた反面、もっとアップテンポで明るく弾けた曲を歌うJoeの声が聴きたいと思っていた僕にとって本作はその希望を叶えてくれるアルバムとなっています。特に②Fame And Fortune⑦Fist Full Of Heatといった楽曲は、ホントJoeの声にピッタリ。バックの演奏陣にはUwe Reitenauer(G)、Dennis Ward(B)というPINK CREAM 69組がいて、Dennisがプロデューサーで「FRONTIER RECORDS」からリリースされるメロディックロック作品とくればMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)PLACE VANDOMEと比較してしまいますが、両プロジェクトのデビュー作に関してはSUNSTORMの方が好きな曲が多いですね。その功労者は紛れもなく、アルバムの約半数にあたる楽曲を手がけたJim Peterikその人でしょう。佳曲揃いの本作の中でも、Jim作曲の④This Is My Heart、⑥Another You、⑪Making Up For A Lost Time、⑫Arms Of Loveといった楽曲群は一際輝いています。

ライナーノーツでも書かれているようにソロアルバムであればJoe自身が書いた曲に固執することも大切だけど、こういうプロジェクトだからこそ外部ソングライターの曲であっても良いもの(Joeの声に合うもの)であればアルバムに収録するという姿勢が、結果として高品質のアルバムに繋がったのかなとも思います。メロディアスハード好きの方は聴いておいて損はない1枚ですね。

【音源紹介】
Fame And Fortune