RICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY「EMBRACE THE GALAXY」(2003)

  • 2015/06/22(月) 00:00:00

EMBRACE THE GALAXY
【No.434】
★★★(2003)

MAJESTICからTIME REQUIEMへとバンド名は変われど、圧巻の鍵盤捌きと抜群のパクリセンス(笑)でファンを拡大してきた鍵盤魔人Richard Andersson(Key)が新たに立ち上げたRICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEYのデビュー作。プログレ指向が強かったTIME REQUIEMに比べて、本作はよりストレートでシンプルなアプローチのネオクラシカルメタルでMAJESTICの頃に立ち戻ったかのような印象です。今回もRichardが作詞作曲、プロデュースなどを取り仕切っていますがRichard曰く彼の旧友Magnus Nilsson(G)とタッグを組んでいること、TIME REQUIEMよりもソフトなサウンドとなっていることがSPACE ODYSSEYの特徴だそうです。確かにRichardがとにかく弾きまくるTIME REQUIEMに比べるとギターの存在感が大きいように思いますね(それでも依然としてキーボード重視ですが…)。

中身の方はというと、もはや安心印のRichard Anderssonミュージックなのですが本作の目玉は無名のパワフルシンガーPatrik Johansson(Vo/ASTRAL DOORS、WUTHERING HEIGHTS)による圧巻のボーカルパフォーマンスでしょう。古くはRonnie James Dio(Vo)、最近ではJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)系の熱唱スタイル基本にDavid Coverdale(Vo/WHITESNAKE)のようなディープボイスも操る彼は本作でその名をHR/HMシーンに轟かせることとなります。オープニングトラック①Despair And Painのサビ前で炸裂する「ニョォォ〜!」のシャウトは思わず笑ってしまうほどの暑苦しさですが、ここまで力強く歌えるPatrikは間違いなく逸材ですね。当初はD.C. Cooper(Vo/SILENT FORCE、ex-ROYAL HUNT)を迎える構想があったらしく、いいところまで話が進んでいたそうですが金額面での折り合いがつかず断念したのだとか。ちなみにD.C.は2006年にイタリアのメロパワバンドSTEEL SEALのデビュー作「BY THE POWER OF THUNDER」にゲストボーカルとして全面参加していますが、その理由のひとつに「メロディもやりたいように書ける自由があった」ことを挙げているのでAndre Andersen(Key/ROYAL HUNT)以上の独裁者(と思われる)Richardと組んだとしても合わなかったかもしれませんね。

話が少し逸れましたが隠れた実力派シンガーPatrikに加えてべーシストには初期YNGWIE MALMSTEENを支えた名手Marcel Jacob(B/TALISMAN)、北欧を代表するプログレバンドTHE FLOWER KINGSのドラマーZoltan Csorsz、そのTHE FLOWER KINGSの中心人物でMIDNIGHT SUNなどでも活動していたJonas Reingold(B)がミックスや共同プロデューサーとして関わるなどシーン屈指のプレイヤーが参加しています。楽曲的にも従来のRichard関連作品にはなかった新技ジャーマンメタルテイストを導入した④Entering The Dome、⑥Grand Openingのような高揚感溢れる曲もあってグッド。相変わらず他のバンドからの引用が散見されるので、その点が容認できない方にとっては駄目なサウンドだとは思いますが僕は曲が自分好みなら問題ありません(パクリに気付かないこともしばしばあるので/苦笑)。本作がリリースされた2003年といえばYNGWIE MALMSTEENやSTRATOVARIUSといった大御所が僕の好みから外れ気味だったので、それに取って代わる存在となってくれるのではという期待もありましたね。

【音源紹介】
Entering The Dome

【CD購入録】TALISMAN「7」(2006)

  • 2014/12/03(水) 00:00:00

【CD購入録】
TALISMAN7
TALISMAN「7」(2006)

スウェーデンの重鎮TALISMANによるタイトル通りの7作目を買いました。正直なところ4th「LIFE」(1995)をピークとしてTALISMAN関連の作品に物足りなさを感じていたのですが今回は一味違いますね。勢いに満ちたハードロック①Fallingで幕を開けるやMarcel Jacob(B)のベースが全編でうなり、グルーヴィなナンバーからポップソング、バラードまで多彩な表情を見せてくれます。従来のバンドにはなかったタイプの曲が書けるJamie Borger(Ds)の存在も大きく、彼のペンによる産業ロック系⑨Shed A Tear Goodbyeが良いアクセントになっていますね。TALISMANが持つ音楽的要素がバランスよく溶け合っているという意味では入門盤に相応しい1枚と言えるかもしれません。これだけの充実作を生み出しておきながら当時のメンバーは課外活動に忙しくMarcelとJamieはLAST AUTUMN'S DREAMで毎年アルバムを発表、Fredrik Akesson(G)ARCH ENEMYにも在籍、そしてJeff Scott Soto(Vo)は憧れのバンドでもあったJOURNEYのシンガーの座を射止めたこともあって本作がラストアルバムになるのではないかと囁かれていました。結局FredrikはARCH ENEMYを、JeffはJOURNEYを脱退したのですがMarcelの自殺という形で本作がTALISMAN最後のアルバムとなってしまったのが残念でなりません…。アヴァロン・レーベルによるとバンドは未発表音源を収録したアルバムの制作を予定しているそうです。

【現在の愛聴盤】TALISMAN「CATS AND DOGS」(2003)

  • 2014/11/30(日) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
CATS DOGS
TALISMAN「CATS AND DOGS」(2003)

今年に入ってマイブームとなっているTALISMANの後期作品の中で以前から持っていた唯一のアルバム(6作目)をヘビロテ中です。前作「TRUTH」(1998)とHUMANIMALで活動を共にしていたPontus Norgren(G)は脱退、前任者Fredrik Akesson(G)が復帰しています。「ヘ!ヘ!ヘェェェイ!!」というJeff Scott Soto(Vo)のシャウトとファンク要素の強い①Skin On Skinに面食らうものの、HR/HM好きなら理屈抜きで熱くなれるアップテンポ②Break It Down Again、リピートするに連れて味わいが増してくる③In Make Believe、④Love Will Come AgainMarcel Jacob(B)を中心とした演奏陣にスポットを当てた⑤Outta My Wayと続くアルバム前半はなかなかの手応え。後半にテンションが下がってしまうのが残念ですがJamie Borger(Ds)のペンによる爽やか系ミドル⑦Sorryは本作で一番のお気に入りです。ベテランらしい貫禄のある作品である一方、初期のアルバムに収録されていたような名曲が欲しくなる1枚でもありますね。

【CD購入録】TALISMAN「TRUTH」(1998)

  • 2014/11/27(木) 00:00:00

【CD購入録】
TRUTH.jpg
TALISMAN「TRUTH」(1998)

独特のグルーヴ感と叙情メロディが織り成すTALISMANサウンドを完成させた傑作「LIFE」(1995)を発表後、別プロジェクトHUMAN CLAYを結成して2枚のアルバムをリリースしたMarcel Jacob(B)Jeff Scott Soto(Vo)が再びTALISMANの名の下でタッグを組んだ通算5枚目のアルバムを買いました。ドラマーはお馴染みのJamie Borgerですが、ギタリストはPontus Norgren(ex-GREAT KING RAT)にチェンジしています。まず驚かされるのはTALISMANとしては3年振りの復活作でありながらQUEENのカバー①Let Me Entertain Youで幕を開けるという点です。自他共に認める(?)ひねくれ者で皮肉屋のMarcelらしいと言えばそうなのかもしれませんが。アルバムの作風としては前作「LIFE」、前々作「HUMANIMAL」(1994)ほどのヘヴィさはなく、全体的にマイルドな仕上がりになっています。中でも⑤I'll Be There 4 U、⑧Heaven's Got Another Hero、⑨Your Manといったバンドのソフトサイドを担う楽曲が充実していますね。特に⑤はJamie Borger(Ds)が書いたナンバーで、後にLAST AUTUMN'S DREAMで発揮される作曲センスが窺える1曲です。一方、メタリックチューンとしては⑬Pavilion Of Oblivionのような「らしい」曲はあるものの過去の名曲と比べると物足りない気もしますね。それなりに楽しめるアルバムではありますが決め曲に欠けていたり、音楽性を拡げすぎた感があったりするのでTALISMANの作品としては微妙かな。

【CD購入録】HUMANIMAL「HUMANIMAL」(2002)

  • 2014/10/28(火) 00:00:00

【CD購入録】
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HUMANIMAL「HUMANIMAL」(2002)

Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)、Pontus Norgren(G)というTALISMANのメンバー3人が在籍するニューアクト(?)HUMANIMALの1stアルバムを買いました。ちなみにドラマーはTomas Bromanなる人物です。ラインナップからしてTALISMANとの違いがよくわからないのですが、元々はPontusとMarcelで新しいプロジェクトを立ち上げようという話からHUMANIMALが誕生、その後Tomasが加入し、レーベルの意向でシンガーがJeffに決まったという経緯があり結果的にこのようなラインナップになったのだとか(何故TALISMANの3rdアルバムと同じプロジェクト名にしたのかは謎ですが…)。Pontus主導と言いながらもソングライティングはMarcelとJeffのコンビが手掛けているので本作がTALISMANらしくないわけがありません。相違点を挙げるとすれば楽曲の幅を広げすぎて散漫にも感じられたTALISMANの5th「TRUTH」(1998)よりもギターオリエンテッドでオーソドックスなHR/HMに焦点が定まっていることでしょうか。ただ近年のTALISMANやHUMAN CLAY同様、質は高いが決め手に欠けるので聞き流してしまいがちです。そんな中⑦Iは初めて聴いた時から印象に残っていますね。

【CD購入録】HUMAN CLAY「U4IA」(1997)

  • 2014/10/25(土) 00:00:00

【CD購入録】
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HUMAN CLAY「U4IA」(1997)

TALISMANサウンドの中核を担うMarcel Jacob(B)Jeff Scott Soto(Vo)によるHUMAN CLAYの2作目を買いました。「HUMAN CLAYは単発プロジェクト」という大方の予想に反して、セルフタイトルの前作から僅か1年のインターバルで発表された今回のアルバムでは新たにJamie Borger(Ds/TALISMAN)が加入していて、TALISMANとの差別化がますます難しくなっています(ギターは全てMarcelがプレイ)。 TALISMAN時代から曲名や歌詞でYouの発音を「U」、Forの発音を「4」と表記したりしていましたが、パッと見ただけでは読めない本作のタイトルはその極みですね。アルバムタイトルの読みはユーフォリア=「EUPHORIA(幸福感の意)」だそうです。Marcel曰く「HUMAN CLAYの音楽性は自分達が影響を受けたアーティストへの思いを表現したもの」とのことですが、聴く人によっては露骨と感じるほどのオマージュも少なくないようでライナーノーツでもMarcel自身がそれを認め、楽しんでいることも含めて言及されています。個人的にパクリはそれほど気にならないものの、デビュー作よりも耳に残るメロディが少ないということが残念ですね。そんな中④Pain & Deceptionはカッコいいなぁと思っていたら、この曲はYNGWIE MALMSTEENがデビュー前に制作したEP「MERLN'S CASTLE」(ベースはMarcelがプレイ)のタイトル曲の焼き直しだとライナーで暴露されています(苦笑)。

【CD購入録】HUMAN CLAY「HUMAN CLAY」(1996)

  • 2014/10/22(水) 00:00:00

【CD購入録】
HUMAN CLAY
HUMAN CLAY「HUMAN CLAY」(1996)

4作目「LIFE」(1995)リリース後にギタリストのFredrik Akessonが脱退、レーベルとの関係が悪化したことなどもあって活動停止状態となったTALISMANの中心人物Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)が新たに結成したHUMAN CLAYの1stアルバムを買いました。本作にはYngwie Malmsteen、Brian Young(BEAU NASTY)そしてFredrik Akessonという3人のギタリストがゲスト参加しているものの、基本メンバーはMarcelとJeffだけでMarcelがベースのみならずギターとキーボード、ドラムのプログラミングまでもこなしています。TALISMANファンであれば最も気になるであろうYngwieと共演した④Jealousyについては、曲調がヴァイキングメタル風ということもあって彼のギターが見事にハマっていますね。それ以外の楽曲についてもファンキーな要素が薄くなっている他はTALISMANの新作と呼んでも差し支えなさそうなナンバーが並び、メロハーテイストの⑧Don't Look Backが収められているなど「本作はTALISMANが2nd「GENESIS」(1993)の次に発表したアルバム」と言われればすんなり受け入れられそうなほどです。その一方で「LIFE」に収録されていた名曲Bodyのリメイク⑨Holdin' Onは持ち味だったグルーヴ感が大きく減退した仕上がりでガッカリ…。全体的に飛び抜けたナンバーこそありませんが、一定レベル以上の佳曲をこうして並べられる辺りは流石と言うべきでしょうか。

【現在の愛聴盤】TALISMAN「LIFE」(1995)

  • 2014/09/06(土) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
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TALISMAN「LIFE」(1995)

9月3日にTALISMANの1st「TALISMAN」(1990)、2nd「GENESIS」(1993)がリマスター再発されたことを受けてTALISMAN特有の音楽性が完成の域に達した4th「LIFE」(1995)をリピート中です。初期2作品も良いけれど僕にとってTALISMANと言えば本作ですね。新しく取り入れたヘヴィネスとグルーヴが前作「HUMANIMAL」(1993)では強調され過ぎていた感がありましたが、今回は持ち前のメロディセンスと見事に融合しています。①Tears In The Sky、⑥Loveblind、⑨Bodyなどはこのバンドならではの名曲ですね。なお本作は先行で発売された国内盤と、リマスターの上ボートラとして未発表曲1曲とデモ音源3曲を追加した欧州盤とで曲順やミックスが異なります。僕はゼロ・コーポレーションから出ていた日本盤を最初に聴き、1993年に行われた初の来日公演の模様を収めたライブアルバム「5 OUT OF 5 LIVE IN JAPAN」と本作のヨーロッパ盤がセットになった2枚組を後で購入しました(勿論お目当てはライブの方)。聴き比べてみると音質の良さ、曲間が短くクロスオーバー気味に楽曲が繰り出されるミックスのハマリ具合などからヨーロッパ盤の方が好きなのですが不満がひとつあります。それは国内盤では①のラストで繰り広げられていたボーカルとベースの応酬がカットされていること。アルバム全体で見ても大きな聴きどころになっていたのに何故このようなミックスにしたのか疑問です…。この点にさえ目をつぶればライブとセットになった輸入盤の方が断然お得だと思います。

【CD購入録】TALISMAN「HUMANIMAL」(1994)

  • 2014/08/20(水) 00:00:00

【CD購入録】
HUMANIMAL
TALISMAN「HUMANIMAL」(1994)

Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)という元YNGWIE MALMSTEEN組を中心としたスウェーデン産ハードロックバンドTALISMANの3作目を買いました。1994年のリリース当時は日本とヨーロッパで収録曲が異なるバージョンが発売されていましたが今回僕が買ったのは再発盤の2枚組仕様です。

トラックリストはこちら
DISC-1
01. 3233 + Colour My XTC
02. Fabricated War
03. Tainted Pages
04. TV Reality
05. Seasons
06. All + All
07. D.O.A.P.S.
08. Blissfull Garden
09. Lonely World
10. Delusions Of Grandeur
11. Since You've Gone
12. Humanimal
13. Doin' Time Wit' My Baby

DISC-2
01. Animal Ritual
02. You Cannot Escape From The Revelation Of The Identical By Seeking Refuge In The Illusion Of The Multiple
03. My Best Friends Girl
04. Dear God
05. Hypocrite
06. Wastin' R Time
07. To Know Someone Deeply(Is To Know Someone Softly)
08. Todo Y Todo(All + Allのスペイン語バージョン)

デビュー作は北欧メタルの王道、2ndアルバムではそこにグルーヴィな味わいを加えるなど音楽性を変化させてきた彼等ですが、今回は一段とヘヴィなサウンドに傾倒していますね。このアルバムで展開されている路線がTALISMANの持ち味のひとつであることは確かながら、バンドのダークサイドをかなり強調した仕上がりとなっていてデビュー当時とはまるて別バンドのよう。特にDISC-1①Colour My XTCPVは曲調もさることながらラッパーのような風貌と振り付けで歌うJeffに驚かされました。僕は本作を後追いでチェックしたため、ある程度の耐性はできていましたがリアルタイムで聴いていたらショックだったでしょうね…。ただ過去の音楽性と切り離して聴くと決して悪い作品ではないし、DISC-1⑨Lonely World、⑫HumanimalはTALISMANらしさ全開の好メタルチューンとなっています。ちなみにタイトルが異様に長いDISC-2②You Cannot Escape From The Revelation Of The Identical By Seeking Refuge In The Illusion Of The Multipleはテクニカルな演奏をバックにJeffが曲名をメロディに乗せて歌う実験的なナンバーです。全21曲という長尺のボリューム、曲調の振り幅の大きさなどから冗長、散漫といったイメージもありますがもう少し聴き込んでみようと思います。

TALISMAN「GENESIS」(1993)

  • 2014/08/16(土) 00:00:00

GENESIS_20120810161737.jpg
【No.404】
★★★(1995)

結成当初はMarcel Jacob(B/ex-YNGWIE MALMSTEEN)のスタジオプロジェクトと見なされていたTALISMANの2ndアルバム。バンド名を冠したのデビュー作から約3年振りとなる今回のアルバムでもJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)がMarcelの相棒を務めていますが、JeffはもうひとつのバンドEYESに専念するために一時TALISMANを脱退するなど再びタッグを組むまでは紆余曲折があったようです。またギタリストにはオーディションで発掘した新人Fredrik Akessonを迎えており、彼は後のTALISMAN作品にも多く参加することとなります。Fredrikは2005年にChristopher Amott(G)ARCH ENEMYから脱退した際にツアーギタリストとして加入(2007年にChristopherが復帰したためスタジオ盤には不参加)、今ではOPETHに在籍するなど現代北欧ミュージックシーンで名うてのギタリストとしての地位を確立しているのでMarcelは見る目があったということですね。

音楽性はというと「典型的な北欧メタル」だった前作から一皮剥けて、後のTALISMANサウンドのキーとなる「独特のうねり」が顔を出すようになっているためデビュー作はMarcelのソロ、今回がTALISMANとしてのリアルファーストアルバムと捉えることができるかもしれません。そんな変化を象徴するかのように1stアルバムで楽曲を彩っていたキーボードは大幅に減少してサウンドが骨太になっています。グルーヴィなバッキングとキャッチーなサビメロが耳に残る①Time After TimeYNGWIE MALMSTEENの「MARCHING OUT」(1985)に収録されてそうなハードチューン②Comin' Homeで掴みはOK。HR/HMには似つかわしくないファンキーなアレンジを巧みに取り入れた④If U Would Only Be My Friendを聴いているとTALISMANが凡百の北欧メタルバンドと一線を画す存在だと感じさせられますね。そんなバンドの新生面が強調されている今回のアルバムは楽曲のインパクトという面ではデビュー作に一歩譲りますが、強力な哀メロが炸裂する⑨Give Me A Signはバンドを代表する名曲です(サビ直前のアコギもいい!)。また、MR.BIGの有名曲Addicted To That Rushに酷似した⑤All Or Nothingは冒頭の歌詞までもがそっくりなのできっと確信犯でしょうね(笑)。

TALISMAN最大の特徴であるMarcelのベースはかなり目立ってきているし、Jeffの剛柔を巧みに使い分けたボーカルも安定感を増しています。「お行儀のいい」タイプの曲が多かったデビュー盤よりも、本作ぐらい適度にロックした作風の方がJeffの声が活かされていますね。さほどのめり込めない曲があるのも事実だし音質が良くなかったり、ドラムが打ち込みであるため迫力に欠けるといった弱点は今回も改善されていませんが「GENESIS」(=「創世記」、「起源」)と題された本作でTALISMANは自分達のサウンドを掴んだと言えると思います。なおアヴァロン・レーベルから9月3日にリリースされる再発盤は2012年に輸入盤でのみ発売されていたバージョンと同じ内容のようです。

【音源紹介】
・Give Me A Sign

TALISMAN「TALISMAN」(1990)

  • 2014/08/12(火) 00:00:00

TALISMAN.jpg
【No.403】
★★★(1995)

10代の頃からYngwie Malmsteen(G)と音楽活動を共にし、 彼のソロ名義で2作目にあたる「MARCHING OUT」(1985)にも参加していたスウェーデン屈指のベースプレイヤーMarcel Jacob(故人。2009年7月に自殺)が自分のやりたい音楽を追及するために結成したTALISMANの1stアルバム。後にMarcelとJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)を中心としたバンドへと成長していったTALISMANですが、結成当時はMarcelのソロプロジェクト的な色合いが強かったようでシンガーもJeffではなく「Mr.北欧ボイス」ことGoran Edman(Vo/ex-MADISON)が想定されていたのだとか。ところがGoranがYngwieに引き抜かれたためMarcelが「MARCHING OUT」のバンドメンバーでもあったJeffに声をかけたという経緯があったようです。なおキーボードプレイヤーとしては後のYngwieバンドに長期間(1989年から2001年まで)在籍することとなるMats Olaussonも参加していて良い仕事をしています。

TALISMANは後にファンキーでグルーヴィーな要素を強めていきますが、本作は透明感あるキラキラサウンドと瑞々しいメロディの数々が楽しめる「これぞ北欧メタル」な1枚となっています。力強くもキャッチーな歌メロをフィーチュアしたオープニングチューン①Break Your Chains、冒頭のアカペラからして爽快感に溢れたハードポップ③I'll Be Waiting、北欧ならではの哀メロが冴え渡る⑤Just Between Us、⑨Day By Dayなどはこのバンドのみならず北欧メタルを代表するナンバーだと思います。また上記4曲には一歩譲るもののハードにドライヴィングする⑦Queenも結構好きだし、それ以外も佳曲揃いでMarcelが優れたソングライターであることを証明してくれていますね。アルバムの中で明らかに浮いているロックンロール⑩Women, Whiskey, And Songsこそ微妙ですが、本編を締めくくるインスト⑪Great Sandwichでは泣きのギターとMarcelらしいベースソロが楽しめて好印象。

このアルバムにはいくつかのバージョンが存在していて、僕が最初に聴いたのはオリジナルの11曲にボーナストラックとしてライヴ音源が6曲も追加されたゼロ・コーポレーションからの国内盤でした。追加音源の中にはMarcelも参加していたJohn Norum(G/EUROPE)の1stソロ「TOTAL CONTROL」に収録されていたLet Me Love You、Eternal FlameやMarcelがJoey Tempest(Vo/EUROPE)と共作したEUROPE随一のメタルチューンScream Of Angerといった興味深いナンバーも含まれていますが音質が極めて悪いためほとんど聴いていません(苦笑)。また2003年には本作のナンバーをGoranが歌ったデモバージョン7曲とインスト1曲が追加されたリマスター盤が再発され、GoranによるTALISMANの曲が聴きたくて買い直しました。一部、曲タイトルや歌詞が異なるGoranバージョンはJeffが歌うオリジナルと聴き比べても遜色ないばかりか、中にはDay By DayのようにGoranの方がはまっていると思える曲もあるほどです。バンドはJeffの持ち味を活かすため作を重ねるごとに今回のアルバムで展開しているような北欧サウンドから離れていくことになるのですが、もしGoranがフロントマンになっていたらTALISMANがどのような方向性へ進んでいたのか聴いてみたい気もしますね。ちなみに9月3日にアヴァロン・レーベルから再発される国内盤にはGoranが歌っている音源は収録されていないようです。

【音源紹介】
・I'll Be Waiting

LAST AUTUMN'S DREAM「DREAMCATCHER」(2008)

  • 2009/12/15(火) 00:00:00

DREAMCATCHER
【No.208】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第9位

毎年11月~12月にアルバムを発表している秋/冬の風物詩的バンドLAST AUTUMN'S DREAMの6thアルバム。デビュー作からずっと聴き続けている経験から、このバンドにハズレはないと思っていましたが今回も独特のハスキーボイスが哀愁を増幅させるシンガーMikael Erlandsson(Vo)と、もはや元FAIR WARNINGの肩書きは不要と思えるほどこのバンドに定着したAndy Malecek(G)の2枚看板に加えて、Marcel Jacob(B)とJamie Borger(Ds)というTALISMAN組がリズムを支えるというバンドの旨味をきっちりと聴かせてくれるので過去の作品が気に入ったならば、押さえておいて間違いないアルバムです。

タイトル通りLAST AUTUMN'S DREAMの音世界へと導いてくれる序曲①Welcome...から、いかにもこのバンドらしい哀愁のハードロック②One By Oneへと雪崩れ込み、間髪入れずに③Hold On To My Heart、④Frozen Flowerと畳み掛け、Mikaelの1stソロ作「THE 1」にも通じる泣きメロ全開な⑤Silent Dreamまでのアルバム序盤の充実振りは見事というほかありません。ラップ調のボーカルアプローチを取り入れたアップテンポ⑥Alarmやポップなメロディが光る⑬Me & Youといった明るい楽曲もあるものの、本作制作前にMikaelが離婚を経験するという辛い出来事があったせいか、このバンドにしてはストレートなハードロック路線だった前作以上に「メロウ」な印象が強いです。そして特筆すべきはJamieがソングライティング面で大きく貢献している点。本作の中でも僕の2大フェイバリットソングである③と歌謡曲風の切ないメロディが味わえる⑩The Last To Knowは両方ともJamieの作曲です。メロディの充実度は傑作4th「SATURN SKYLINE」に迫るものがあるだけに曲間のインターバルをやたらと詰めたり、曲のエンディングを強引にフェイドアウトさせたりするのではなく1曲毎の余韻に浸りたかったいような気もしますが…。

本作はレコーディング直前にAndyが前歯を数本折る怪我をしてしまったため、一部の楽曲ではゲストギタリストが参加していると聞いて、作品に影響が出るのではと思っていましたがMartin Krolund、Sayit Dolenというゲストギタリスト2人の踏ん張りもあり、僕はそれほど気になりませんでした。本作の中で一番の名演だと思った⑭When My Love Left Your Heartのギターソロなんて、最初はてっきりAndyが弾いてると思ったら、ライナーノーツにゲストギタリストMartinの演奏だと書いてあってビックリ。このバンドのインタビュー記事を読むと作品を重ねる毎にAndyと他のメンバーの間に距離が生まれているのが少し気になりますね。…と思っていたところにMarcel Jacobが自ら命を絶ってしまうという悲しいニュースが入ってきました。特にライブでこのバンドの大きな魅力だった彼の後任にNalle Pahlsson(B/TREAT、VINDICTIV etc)を迎えた7th「A TOUCH OF HEAVEN」が2009年12月16日にリリースされます。悲しみを乗り越えて作品をリリースしてくれたバンドを応援する意味でも即ゲットする予定です。

【音源紹介】
・When My Love Has Left Your Heart

LAST AUTUMN'S DREAM「HUNTING SHADOWS」(2007)

  • 2009/12/10(木) 00:00:00

HUNTING SHADOWS
【No.206】
★★★(2007)

ベストアルバム発表、待望の初来日公演など2007年にバンドとしての活動が一気に活発化してきたLAST AUTUMN'S DREAMの5thアルバム。これまでの作品で築き上げてきたLAST AUTUMN'S DREAMブランドとも言える高品質で哀愁たっぷりのメロディアス・ハードロックを軸に、本作はMikael Erlandsson(Vo)のソロ作に収録されてそうな楽曲あり、BON JOVIJOURNEY風のアメリカンなナンバーあり、80年代ハードロックの香りを感じさせるものありと楽曲の幅を広げてきたように感じます。

全体的に見ると哀愁のメロハー色はこれまでと比べて控えめに感じられるものの、Mikaelのソロ作に通じる哀愁ソング②Rainbow Sky、⑤Lost In Moscowや日本に向けて書かれた⑪Overnight Sensationはかなり強力。そんな哀メロナンバーの中でもMikaelソロ時代の名曲It’s Alrightに通じるクサいメロディに乗って泣きまくるAndy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)のギターが胸を締め付けてくれる③My Alibiは、LAST AUTUMN'S DREAMの魅力を凝縮させたかのようなキラーチューンですね。そして今や、このバンドの中でMikaelに次ぐ重要ソングライターとなった感のあるJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)も3曲を提供していて、JOURNEY風バラードの④I’m Not Supposed To Love You Anymoreと爽やかロックチューン⑨Save Our Loveは結構リピートしています。

ライブを経験したことが影響してか、これまでよりもシンプルでオーソドックスなハードロックに近づいた結果、タフなリズム隊が強調されているように思えるのも嬉しいポイント。アルバムを通してダレることなく、すんなり聴き通せるアルバムを連発してくれる辺りはベテランミュージシャン集団のなせる業といえそうですね。あとはMikaelとJamieばかりが曲を書くのではなくて、AndyやMarcel Jacob(B/TALISMAN etc)による曲も聴いてみたいなと思っていたのですが、Marcelに関してはその願いは叶わなくなってしまいました…

【音源紹介】
・My Alibi

LAST AUTUMN'S DREAM「SATURN SKYLINE」(2006)

  • 2009/12/07(月) 00:00:00

SATURN SKYLINE
【No.205】
★★★★(2006)
年間ベスト2006年第7位

2003年にデビューしてからというもの、1年に1枚のペースで上質のアルバムをリリースし続けてくれているLAST AUTUMN'S DREAMの4作目。前作でバンドとしての体勢が整った感があったので、今後に期待していた僕の予想以上に粒の揃った楽曲と安定感抜群の演奏が楽しめる作品となっています。哀愁に満ちた湿り気たっぷりのメロディをMikael Erlandsson(Vo)のハスキーボイスが歌い上げ、Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)のギターがギラリと輝くというバンドの明確な強みはそのままに、TALISMANでもタッグを組むMarcel Jacob(B)Jamie Borger(Ds)によるリズム隊も気持ちいいグルーヴ感をもたらしてくれていますね。

そんなバンドの一体感を象徴するのがTALISMAN風の躍動感あるリズムの中で哀メロが響く②After Tomorrow’s Gone(Jamieが作曲)です。この曲の持ち味である「うねり」はTALISMANのボトムを支えるMaecelとJamieならではのものでしょう。その後も②の勢いを引き継ぎ更に加速する③Pages、ややゴスペルっぽいバラード④Rock’N’Roll Is Saving My Soul、いかにもMikaelらしい哀愁に満ちたコーラスが堪らない⑦Supersonic、曲調とAndyのギターが見事にマッチしたロマンティックバラード⑦Frozen Heart、それとは対照的にポップさが弾ける⑨American Girl、後半のハイライトとなる哀メロチューン⑩Dominoなどなど素晴らしい楽曲が揃っています。過去の作品に少なからずあった印象の薄い曲がなくなりましたね。QUEENっぽいコーラスワークで始まる本編ラストのバラード⑪Still On The Runも好きですが、日本のバンドBEAGLE HATが本作のために書き下ろした⑫Skyscraperの繊細なメロディが秀逸で聴後感もかなり良いです。

作品を重ねるごとに着実に成長を続けるこのバンドは、本作でメロディックロックというジャンルの中でも僕にとって重要バンドのひとつとなりました。これまでのアルバムには必ず収録されていたMikaelのソロ作やFAIR WARNINGのカバーもなくなり、バンドの楽曲で勝負した上で見事なアルバムを作り上げた彼らに拍手を送りたいですね。再結成したFAIR WARNINGのアルバムが霞んでしまうほどの充実作にしてバンドの最高傑作。

【音源紹介】
・Pages

LAST AUTUMN'S DREAM「WINTER IN PARADISE」(2005)

  • 2009/12/04(金) 00:00:00

WINTER IN PARADISE
【No.204】
★★★★(2005)

スウェーデンを拠点とする哀愁のメロディアス・ハードロックバンドLAST AUTUMN'S DREAMの3rdアルバム。前作「Ⅱ」(2004)は楽曲のフックや音質面でやや弱いかなと感じられただけに少し心配していましたが、今回はバンドの集大成と言っても過言ではないアルバムを届けてくれました。メンバーはThomas Lassar(Key/CRYSTAL BLUE)の代わりにMikael Erlandsson(Vo)がキーボードを兼任している以外は、前作と同じです。

しっとりしたピアノイントロからAndy Malecek(G)の叙情ギターへと繋がる開始10数秒で僕の心を鷲掴みにしてくれる①Love To Go、前作からドラマーの座についたJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)作曲のメロディック・ポップロック②Don't Let Our Love Go Down、ゆったりした哀愁のメロディが心地よい③The Way You Smile、そしてMikaelソロ時代の傑作「THE 1」に収録されていたハイライトナンバーのリメイク④It’s Alrightと続く序盤を聴いて前作で感じた物足りなさは吹き飛んでしまいました。④はオリジナル以上にハードロック色を前に出したアップテンポのリズムで曲が進行していくため好みが分かれるかもしれませんが、僕はこちらの方が好きですね。また本作を過去のアルバム以上に気に入っている理由として、コーラスの重ね方や楽曲が醸し 出す雰囲気がMikaelのソロ作に近いという点が挙げられます。これは過去の作品で多くの曲を書いていたRick Brightmanの出番が減り、Mikaelの作曲への関与が大きくなってきたせいかも。

それにしてもAndy Malecekというギタリストは僕の琴線に触れるトーンでギターを演奏してくれるなぁと再確認。FAIR WARNING時代にもLong Gone、Burning Heart、All On Your Ownなどで絶品のソロを聴かせてくれていましたが、スカイギターを操るHelge Engelke(G/FAIR WARNING)のサポート役という印象が拭いきれませんでした。そんな彼がLAST AUTUMN'S DREAMでリードギタリストとなるや、①や③を始めとする曲で響かせる極上の音色、楽曲本来の泣きを最大限に引き出す④のギターソロ、バラード⑩If You’re The Oneにおけるフレージングなど見せ場を次から次へと生み出してくれているのが頼もしい限り。またAndyのギターとMikaelの歌声の相性が最高なんですよね。

【音源紹介】
・Love To Go

LAST AUTUMN'S DREAM「Ⅱ」(2004)

  • 2009/12/01(火) 00:00:00

Ⅱ
【No.203】
★★(2004)

素晴らしい組み合わせだと思いつつも、一回限りのプロジェクトっぽくもあったMikael Erlandsson(Vo)Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)を中心とするメロディックロックバンドLAST AUTUMN'S DREAMが約1年という短いスパンでリリースした2ndアルバム。前作に参加していたEUROPE組に代わってMarcel Jacob(B)Jamie Borger(Ds)というTALISMAN組がバックを支え、前作でも楽曲を提供していたThomas Lassar(Key/CRYSTAL BLUE)が正式メンバーとしてクレジットされています。方向性としては前作同様の哀愁メロハー路線でありつつ、疾走系の割合がやや増えたという感じです。

そんな印象はオープニングトラックにして日本盤ボーナスの①Fire With Fire④Runningといった楽曲で顕著となっています。そういえば同年リリースのDREAM EVILの3rdもそうだったけど、この当時は日本盤ボーナスを敢えて1曲目に持ってくるというのが流行っていたのかな。スピーディーな楽曲が増えたのはハードロックバンドとしては喜ぶべきことなのですが、このバンド最大の武器である哀愁のメロディという点では前作にやや及ばないかなぁというのが正直なところです。暖かみのあるメロディで聴き手を優しく包み込んでくれる②Up In Paradise、⑨So Much Love In The Worldなど、僕がこのバンドに求める楽曲もあるにはあるのですが前作のAgain And Againに匹敵するキラーチューンがないというのが少し残念。⑤(Always Be)You And Iのメロディとアコギが醸しだす雰囲気がEric ClaptonTears In Heavenしているのはご愛嬌ということで…。

本作で楽曲を一番多く手がけているのがMikael Eralndssonではなく前作でも曲を提供していたRick Brightmanというドイツ人ソングライターということもあり、まだバンドというよりはプロジェクト色が強いですね。他にも前作以上にハードロック然とした曲を収録していながら、サウンドプロダクションがデビュー作よりも軽めだったり、恒例のリメイク曲に今回はMikaelの哀愁ボイスとはミスマッチな感が否めないFAIR WARNINGの中でもハードな⑥Heat Of Emotionをチョイスしていたりとチグハグな印象が目立つのも気になります。勿論、1枚の作品としてみれば魅力的なメロディも多いのは確かなんですが、このバンドに対する期待からすると少し物足りなさが残ってしまうんですよね。

【音源紹介】
・Brand New Life

【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「DREAMCATCHER」(2008)

  • 2008/12/27(土) 14:28:49

【CD購入録】
LAD DREAMCATCHER
LAST AUTUMN'S DREAM「DREAMCATCHER」(2008)

2003年の結成以来、毎年11月~12月にアルバムを発表している冬の風物詩的バンドLAST AUTUMN’S DREAMの6thアルバムを買いました。泣きを多分に含んだ楽曲、Mikael Erlandsson(Vo)の甘く切ないボーカルとそこに絡んでくるAndy Malecek(G)の情感溢れるギター、そしてMarcel Jacob(B)Jamie Borger(Ds)というTALISMAN組がリズムを支えるというバンドの旨味を今回もきっちりと聴かせてくれるので過去の作品が気に入ったならば、押さえておいて間違いないアルバムです。アップテンポ、ポップチューン、バラードなどスタイルは違えど泣きのメロディをたっぷり聴かせてくれる本作の特徴を挙げるならば、「メロウ」なアルバムということでしょうか。かつてあったハードロックバンドらしい躍動感は控えめな反面、とにかくメロディを聴かせる姿勢が強まったアルバムのように思います。バンドのラインナップもすっかり安定してるみたいなので大化けはなさそうですが、僕が期待するLAST AUTUMN’S DREAMらしいサウンドが楽しめる1枚。⑭When My Love Left Your HeartのラストにおけるギターソロはAndyの名演のひとつですね。って思いながらライナーノーツ見たら、この曲はゲストギタリストMartin Krolandが弾いてるとのこと。このMartinって一体何者?

YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE「MARCHING OUT」(1985)

  • 2008/09/17(水) 06:56:54

MARCHING OUT
【No.041】
★★(1995)

STEELERALCATRAZZでの活動を経て、前作「RISING FORCE」でソロデビューするや、その革新的なギタープレイとクラシックからの影響を色濃く反映させた楽曲で当時のメタルシーンにインパクトを与えたYNGWIE MALMSTEENのソロ2作目。インストメインだった前作に対して本作はデビュー作では2曲で歌うのみだったJeff Scott Soto(Vo)によるボーカルメインの作風(インストは3曲)となっています。またバックの演奏陣も前作に続いて参加のJens Johansson(Key)と、その実兄で後にHAMMERFALLで活躍するAnders Johansson(Ds)に加え、北欧の名ベーシストMarcel Jacob(B)という北欧の有名どころが顔を揃えたラインナップになってます。

1995年1月に「ECLIPSE」(1990)で初めてYNGWIEを知り、そのギタープレイと音楽性に衝撃を受けた僕は「RISING FORCE」(1984)から当時の最新作「SEVENTH SIGN」(1994)までをまとめ買いして聴いていたわけですが、本作はその中でもCDトレイに乗る回数が少なかった作品です。その最大の理由は音質の悪さ。音量を2~3上げてようやく他のCDと同じボリュームで聴こえるわ、音が篭りまくりで明瞭さに欠けるわで、当時の僕はYNGWIEの他の作品から彼の世界にはまっていきました。それ以降はROYAL HUNTDREAM THEATERなど、YNGWIE以外のアーティストの作品を聴く機会が増えていき、本作は「音の悪いYNGWIE初期の作品」というイメージのままCDラックに眠ったままになってました。

ところがYNGWIEタイプ(またはフォロワー)といわれる他のバンドも聴くようになってから、久し振りに本作を聴いてみると「あ、ここはあのバンドっぽい」とか「これはあのバンドにありそうな展開」など、本来はこちらがオリジナルなのに逆デジャブな感じがしてビックリ。リフワーク、ギターとキーボードソロの絡め方、曲展開に至るまで本作にはネオクラシカルメタルの基本型が詰まってますね。デビュー作のFar Beyond The Sunほどのキラーチューンはないし、次回作「TRILOGY」ほど垢抜けてはいないんだけど、繊細で煌びやかなギターが素晴らしく、名曲②I’ll See The Light, Tonightも収録されている本作は、ネオクラシカルというジャンルの礎を築いたYNGWIE MALMSTEENの本質を見事に凝縮した1枚といえそう。最近リマスター盤が出たようですが、音の方はどうなんでしょうか?

【音源紹介】
・I'll See The Light, Tonight(Live)