【CD購入録】PLACE VENDOME「CLOSE TO THE SUN」(2017)

  • 2017/08/13(日) 00:00:00

【CD購入録】
CLOSE TO THE SUN
PLACE VENDOME「CLOSE TO THE SUN」(2017)

Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)がメロディックロックを歌うプロジェクトPLACE VENDOMEの4作目を買いました。2005年の結成当初はAVANTASIAへのゲスト参加はあったもののHELLOWEEN脱退後にHR/HMから距離を置いていたMichael Kiskeが久々にアルバム1枚を通して歌うハードロックプロジェクトとして注目を集めていましたが、今やFRONTIERS RECORDSお抱えのライターが提供する楽曲群をKiskeが歌うためのプロジェクトという感じですね。本作もAlessandro Del Vecchio(Key)、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE)といったおなじみのソングライターからJani Liimatainen(G/CAIN'S OFFERING、ex-SONATA ARCTICA)、Simone Mularoni(G/DGM)といった新顔も含めた作曲陣に加えてギターソロではGus G.(FIREWIND)、Kai Hansen(GAMMA RAY、ex-HELLOWEEN)らが名を連ねる豪華なラインナップです。中身の方も期待を裏切らない上質のメロディックロック作品となっていて、過去のアルバムに比べるとややメタリックになっているように思います。これ!という決め手こそないもののFRONTIERS RECORDS作品だけあって手堅い仕上がりですね。現時点でのお気に入りはJani作の②Welcome To The Edgeでしょうか。余談ですが、PLACE VENDOMEがなければKiskeとKaiが在籍するバンドUNISONICの誕生や、彼等2人がHELLOWEENのツアーに帯同するPUMPKINS UNITEDツアーも実現しなかった可能性もあるのでPLACE VENDOMEは色んな意味で重要なプロジェクトだと感じる今日この頃です。

【CD購入録】KISKE/SOMERVILLE「CITY OF HEROES」(2015)

  • 2017/03/14(火) 00:00:00

【CD購入録】
CITY OF HEROES
KISKE/SOMERVILLE「CITY OF HEROES」(2015)

PLACE VENDOME、UNISONICなどでも精力的に活動するMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)と、様々なメタルバンドへのゲスト参加を経てSascha PaethプロデュースのTRILLIUM名義で2011年にアルバムを発表した女性シンガーAmanda SomervilleによるデュエットプロジェクトKISKE/SOMERVILLEの2作目を買いました。本作のソングライティング面の中核を担うのはMat Sinner(B)、Magnus Karlsson(G)PRIMAL FEAR組で⑥Breaking NeptuneのみSander Gommans(G/ex-AFTER FOREVER)とAmandaの共作となっています。全体的な印象としてはPLACE VENDOMEよりもメタル寄りで、曲によってはゴシックメタル風のアレンジも垣間見えます。いかにもオープニングという感じの勢いがある①City Of Heroes、ジャーマンメタル系の明るいメロディを持った⑧Open Your Eyes、ポップフィーリングに溢れる⑫Right Nowなどがお気に入りです。それにしても、ここ最近のMichaelはかなりのハイペースで作品を発表していますね。特に2009年〜2017年の間にはKISKE/SOMERVILLE、PLACE VENDOME、UNISONICでフルアルバムを7枚もリリースしているし、それに加えてAVANTASIAなど多数のプロジェクトにゲスト参加しているため彼が歌う新曲が毎年発表されているのではないでしょうか。Michaelの大ファンの僕としては嬉しい反面、供給過多に感じて有り難みが薄れてしまっている、というのが正直なところです。贅沢な話だというのはわかっているのですが…(苦笑)。

【CD購入録】PLACE VENDOME「THUNDER IN THE DISTANCE」(2013)

  • 2017/03/11(土) 00:00:00

【CD購入録】
THUNDER IN THE DISTANCE
PLACE VENDOME「THUNDER IN THE DISTANCE」(2013)

今年の2月に最新作4th「CLOSE TO THE SUN」をリリースしたPLACE VENDOMEの3作目を買いました。もともとFRONTIERS RECORDSの社長Serafino Pergino発案の「Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)が歌うAORプロジェクト」というアイデアから誕生したこともあって今回もレーベル所縁のソングライター達による良質の楽曲群をMichaelが朗々と歌い上げています。作曲の中核を担っているのはLIONVILLEなどで活動するAlessandro Del Vecchio(Key)で収録曲の約半数を手がけているほか、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR etc、ex-LAST TRIBE)、Timo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS etc)といった著名ライターも1曲ずつを提供しています。作品を重ねる度に音楽性がソフトになっきているのはMichaelが歌う「バンド」UNISONICとの差別化を図るためでしょうか。心地よく聴ける作品なのは間違いないし、王道的バラード⑤It Can’t Rain Forever、軽快なアップテンポ⑧Never Too Late(UNISONICに同名異曲が、PLACE VENDOMEの1stにはToo Lateという曲が収録されていましたね)、Magnus Karlssonらしいメロディが楽しめる⑪Break Out辺りは好きな曲ですが全体的にもう少しパンチが欲しいような気もしますね。といいつつ、気がつけばリピートしている1枚です。

【CD購入録】MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

  • 2015/10/22(木) 00:00:00

【CD購入録】
KINGDOM OF ROCK
MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

Pete Sandberg(Vo)、Jonas Reingold(B/THE FLOWER KINGS)らが結成した叙情派メタルバンドMIDNIGHT SUNの2代目ギタリストとしてシーンに登場、今や現代HR/HMシーンに欠かせないソングライター/マルチプレイヤーへと成長したMagnus Karlsson(G、B、Key)のソロプロジェクト第2弾を買いました。今回も豪華なゲストシンガーを迎えていてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、David Readman(PINK CREAM69、VOODOO CIRCLE)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Russell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)などデビュー作に引き続き参加したメンバー(Russellはボーナストラックのみ)に加えてMagnusが憧れの存在と語るJoe Lynn Turner(ex-RAINBOW etc)、Tonny Martin(BLACK SABBATH etc)やMagnusと何らかの形で活動を共にしたことのあるJorn Lande(JORN、ALLEN-LANDE)、Jakob Samuel(THE POODLES)、Harry Hess(HAREM SCAREM)そして無名の新人Rebecca De La Motteが参加しています。本作でもMagnusは各シンガーの特徴を捉えた作曲スキルと年々上手くなっていくリードボーカルを披露してくれていて安定感抜群の1枚となっています。現時点でのお気に入りは③No Control(featuring Joe Lynn Turner)、⑧Never Look Away(featuring Tony Harnell)といったメロハー系ナンバーですね。FRONTIERS RECORDSに酷使されたため(?)一時は楽曲の輝きが薄れたようにも感じられたMagnusですが、本作を聴く限り復活したと言えるのではないでしょうか。

【CD購入録】PRIMAL FEAR「DELIVERING THE BLACK」(2014)

  • 2015/02/23(月) 00:00:00

【CD購入録】
DELIVERING THE BLACK
PRIMAL FEAR「DELIVERING THE BLACK」(2014)

欧州メタルシーンを代表する正統派メタルバンドPRIMAL FEARの10作目を買いました。「カッコいいヘヴィメタル作品」の一言で済ましてしまいたくなるほど見事なメタルアルバムですね。結成当初はMat Sinner(B/SINNER)が元GAMMA RAYのハイトーンシンガーRalf Scheepersと組んだという点に注目が集まっていましたが今ではAlex Beyrodt(G/SILENT FORCE etc)、Magnus Karlsson(G/FREE FALL、ex-LAST TRIBE etc)というバンドのメインソングライターを務められるほどの逸材が2人も加入し、ちょっとしたスーパーバンドとなっています(ドラマーのRandy Blackも実にパワフル)。②Rebel Faction、⑧Never Pray For Justice、⑪Inseminoid辺りは即効性の高いメタルチューンだし、このバンドはミドルテンポの曲も間延びすることなくカッコいいのが強みですね。9分に及ぶドラマティック長編⑦One Night In December、バラード⑨Born With A Broken Heartもいいアクセントになっています。メロディック・パワーメタルを好んで聴く僕としてはキャッチーなメロディがもう少し欲しい気もしますが、ここまで質の高いヘヴィメタルを並べられるとぐうの音も出ませんね。

ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

  • 2013/06/12(水) 00:00:00

THE SHOWDOWN
【No.379】
★★★(2012)

Russell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)という実力派シンガー2人の名前を冠したプロジェクトでありながらMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、STARBREAKER、ex-LAST TRIBE)がサウンドの鍵を握るALLEN-LANDEの3rdアルバム。ラインナップはこれまでと同じでMagnusがギターのみならずベース、キーボードも演奏、ドラムはLAST TRIBE時代の盟友Jaime Salazar(BAD HABIT)が叩いているほか、2体の巨大生物が対決するアートワークも3作連続でRodney Matthewsが手掛けるという鉄壁の布陣で制作されています。その一方で過去作品ではMagnusがドラム以外の全楽器、作詞作曲をこなしていたのに対して今回は3曲でゲストピアノ奏者を迎えていたり、歌詞の大半をTomas Erlandssonなる人物が書いていたりしています(作曲は全てMagnusなので個人的には気になりませんが)。

今回のアルバムは「ショウダァァウゥ!」という強烈なシャウト(歌い手はおそらくJorn)がインパクト大なタイトル曲①The Showdown、ALLEN-LANDEとして初のPVが作られた②Judgement Dayと続く流れで幕を開けます。疾走曲のみならず過去作品には少なからず収録されていたアップテンポのナンバーまでも姿を消し、本作は重厚なミドルチューンとバラードで構成されていることもあって、聴き始めの頃はこれまで以上に各曲のキャラ立ちの弱さやマンネリ化が目につき「ALLEN-LANDEも潮時か…」と思ったりもしました。ところが聴き込むうちに味わいが増してきてリピートしてしまう辺りが希代のソングライターMagnus Karlssonの為せる業といったところでしょうか。伸びやかなメロディが心地よい④Turn All Into Gold、アルバム随一のキャッチーなサビを持った⑤Bloodlines、1st「THE BATTLE」(2005)に通じるメロハーチューン⑦We Will Rise AgainDREAM THEATERのバラードWait For Sleep(名盤「IMAGES AND WORDS」収録)のピアノメロディに勇壮なギターアレンジを施したかのようなリフが楽曲を覆う劇メロナンバー⑩The Artistなどが気に入っています。Russellが歌うバラード⑥CopernicusReach A Little Longer、Master Of Sorrow(どちらもボーカルはJorn)に比べるとやや薄味ながらも魅力的。なお僕が持っている日本盤にはボーナストラックとして⑥のアコースティックバージョンが収められていますが輸入盤はAliasという未発表曲を収録しているようです。この記事を書いている今日現在、YouTubeに音源がアップされているので聴いてみたところボーナス扱いなのが不思議なくらいの良曲でした。

過去2作品はリリースされてすぐにゲットしていましたが、本作はなかなか購入に踏み切れずにいました。いざ聴いてみるとALLEN-LANDEがこれまでのアルバムで提示してきた高品質なメロディックメタルは今回も健在なので買って損はなかったと思っています(アルバム全体のメリハリに欠ける、RussellとJornのスタイルが似ていて上手いボーカルが2人いる強みを活かせていないといったマイナス面としっかり引き継いでいますが…)。iPodでシャッフルして聴いている時に本作の曲が登場するとハッとさせられるのに1枚のアルバムとして聴くと物足りないという意味で「HIGHER」(2003)以降のHAREM SCAREMと似ているかもしれませんね。①の歌詞和訳にもある通り「最終決戦」と訳すことができる「THE SHOWDOWN」という単語をアルバムタイトルにしていることを踏まえると本作がラストアルバムなのかもしれませんが、次回作があるならばきっと買うと思います。

【音源紹介】
・We Will Rise Again

ALLEN-LANDE「THE REVENGE」(2007)

  • 2013/06/04(火) 00:00:00

THE REVENGE
【No.378】
★★★(2007)

FRONTIERS RECORDS主導の単発プロジェクトかと思いきや予想に反して制作されたALLEN-LANDEの第2弾アルバム。前作「THE BATTLE」(2005)から約2年のスパンがあるとはいえ、中心人物のMagnus Karlsson(G/LAST TRIBE)はその間にTony Harnell(Vo/TNT)とタッグを組んだSTRABREAKERのセルフタイトル作、元PRAYING MANTISのシンガーTony O'hora初のソロアルバム「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)に全面参加、Mike Andersson(Vo/CLOUDSCAPE)を中心としたPLANET ALLIANCEにも大きく関わるなどしていたので、Magnusのワーカホリック振りには頭が下がります。FRONTIERSの社長Serafino PerginoLAST TRIBEよりもAORに近い曲を要請されたことからスタートし、誰がシンガーとなるのかわからない状況でソングライティングを進めた前作とは異なり、当初からRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/ex-MASTERPLAN)が歌うことをイメージしてMagnusが書き上げた楽曲群は全体的に1stよりもヘヴィでメタリックな仕上がりとなっているように思います。

「THE BATTLE」がアルバム序盤の畳み掛けで勢いをつけ最後まで聴かせるタイプだったとすれば、今回は聴き進めるにつれて充実感を増していく作品と言えそうです。そんなアルバムのハイライトとなっているのがJornが感情を込めまくって歌い上げる名バラード④Master Of Sorrow。ライナーノーツでMagnus自身も「今まで書いたバラードの中でもベスト」と語るこの曲以降⑤Will You Follow、⑥Just A Dream、⑦Her Spell、⑨Wake Up Callといったキャッチーなアップテンポ、メロハー風のアプローチを取り入れた⑧Gone Too FarWITHIN TEMPTATIONにインスパイアされたというMagnusのコメントも頷けるシンフォニックなミドル⑪Who Can You Trustなど良曲がズラリと並びます。個々の楽曲のインパクトでは前作に分があるかもしれませんが、アルバム全体の完成度では本作が上かもしれません。ラストをしっとり聴かせるバラード⑫When Time Doesn't Healで締める構成もグッド。日本盤ボーナストラックにその⑫のリミックス(アンプラグド)バージョンが収められているのですが、僕としては④の別バージョンを聴きたかったかな…。

というわけで今回も期待に十分応えるだけの逸品ではあるものの地味な印象は拭い切れないし、RussellとJornの共演がケミストリーを起こすことまではできていないという前作の課題はそのままです。それに加えて2003年を最後にLAST TRIBEが活動を停止して以降MagnusがこのALLEN-LANDEで2枚、STARBREAKER「STARBREAKER」(2005)、TONY O'hola「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)、PLANET ALLIANCE「PLANET ALLIANCE」(2006)そして本作発表後にはMark Boals(Vo/RING OF FIRE、ex-YNGWIE MALMSTEEN)と結成したTHE CODEX「THE CODEX」(2007)をリリースするなど、供給過多と言えるほどにアルバムを乱発していることも僕の本作に対する印象に少なからず影響を与えているように思います。当初はLAST TRIBE以外でMagnusの曲が聴けることに興奮していた僕もMagnus絡みのプロジェクトが質は高いが決め手に欠けるものばかりだったこともあって、有難味が薄れてきてしまってるんですよね。数々のプロジェクトに携わる職人ソングライターのようなMagnusの活動スタイルに対して、一定以上の満足感を得ながらも「多忙な中でこれだけ良質な作品を連発できるなら、じっくり腰を据えてアルバムを制作して名盤を生み出してほしい」という複雑な心境になる1枚でもあります。

【音源紹介】
・Master Of Sorrow

ALLEN-LANDE「THE BATTLE」(2005)

  • 2013/05/27(月) 00:00:00

THE BATTLE
【No.377】
★★★(2005)
年間ベスト2005年第9位

Magnus Karlsson(G/LAST TRIBE)が書いた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)が歌うプロジェクトALLEN-LANDEの1stアルバム。とはいえこのプロジェクトを企画したのでは彼等ではなくFRONTIERS RECORDSの社長Serafino PerginoがMagnusにAOR寄りの曲作りをオーダーしたところから始まり、Magnusが作曲を進めるのと平行してFRONTIERSがシンガーを選定した結果RussellとJornに白羽の矢が立ったというのがALLEN-LANDE誕生の経緯のようです。ちなみに上記の2人と言えばRoland Grapow(G/ex-HELLOWEEN)Uli Kusch(Ds/ex-HELLOWEEN)MASTERPLAN結成する際、Russellに加入を要請したものの断られたためJornに打診、結果的にJornがシンガーの座に就いたというエピソードがありましたね。また、このプロジェクトの仕掛人Serafinoは本作と同じ2005年にMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)をフィーチュアしたPLACE VENDOMEのアルバムをリリースするなどしていたので、僕の中で彼に対する注目度が高くなってきたのもこの頃だったと思います。LAST TRIBEのシンガーRickard Bengtssonも作品を重ねる度に成長はしていたものの、Magnusが手掛けた曲をトップクラスのシンガーの歌唱で聴きたいという気持ちがあったのでALLEN-LANDEの話を初めて耳にした時は期待に胸が膨らみました。

このアルバムに収められているのはSYMPHONY Xタイプのネオクラ系プログレメタルでもMASTERPLANのようなパワーメタルでもないサウンドで、曲によってはLAST TRIBEよりもソフトなメロディアスHR/HM路線です。こうしてJornがメロハー系の曲を歌っているのを耳にするとMILLENIUMの傑作「HOURGLASS」(2000) をふと思い出したりしますね。プロジェクト名の影響もあってボーカルに注目が集まりがちですが、Magnusファンとしては楽曲面の充実振りに目が(というか耳が)いきます。軽快なハードロック②Hunter's Night、爽やかなサビメロが冴え渡る③Wish For A Miracle、LAST TRIBE時代には希薄だったメジャー感溢れるバラード④Reach A Little Longer、攻撃的なギターリフとポップなサビの対比が印象的な⑤Come Aliveと続くアルバム前半がハイライトでしょうか。レーベルから「こんなタイプの曲を書いてほしい」と依頼されて、指定された音楽性の枠内でここまでの仕事ができるMagnusの才能には脱帽ですね。

LAST TRIBEの3rd「THE UNCROWNED」(2003)と同じく、スピードに頼らずメロディの良さで勝負するそのスタイルは楽曲の幅が狭くなりがちなので間延び感がしてしまうのは否めませんが、曲毎に取り出して聴けばどれも高品質なものばかり。ただMagnusが作詞作曲を担当しRussellとJornという実力的に申し分ない2人のシンガーが単独で歌い、曲によってはデュエットするというこのプロジェクトに対する事前の期待値からすると物足りなさを感じるというのも事実だったりします。その要因のひとつがプロジェクトの肝であるシンガー2人はそれぞれ素晴らしい歌を聴かせてくれてはいるものの声質が似ているためブックレットを見ないとどちらが歌ってるかわかり難く、コラボレーションによる相乗効果が生まれるには至っていないことでしょうか。この辺りは参加メンバーに対する期待が大きいためハードルが高くなっていることが関連していると思うし、客観的に見れば満足できる作品であることには間違いないんですけどね…。

【音源紹介】
・Wish For A Miracle

【CD購入録】MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

  • 2013/05/23(木) 00:00:00

【CD購入録】
FREEFALL.jpg
MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

自身のバンドLAST TRIBEとして3枚のアルバムを発表した後はマルチプレイヤー、コンポーザー、プロデューサーとしても才能を発揮して主にFRONTIERS RECORDSの様々なプロジェクトに携わってきたMagnus Karlsson(G)による初のソロ作品を買いました。LAST TRIBEのアルバムはどれも傑作だったのに対して、その後に乱発気味にリリースされたプロジェクト作品ではFRONTIERSに酷使されるあまり(?)以前ほどの魅力が感じられなかったのですが今回はなかなか良いですね。本作では多くのゲストシンガーを迎えているのも話題のひとつでRussell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)、Ralf Scheepers(PRIMAL FEAR)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Mark Boals(THE CODEX、ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN)、Mike Andersson(PLANET ALLIANCE)、Rickard Bengtsson(ex-LAST TRIBE)といった過去のMagnus関連作品のリードシンガーに加えてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、Herman Saming(A.C.T)、David Readman(PINK CREAM69、VOODOO CIRCLE)も参加しています。またMagnusも3曲でリードシンガーも務めていて、上記のゲストボーカル陣の中にあっても違和感ない歌を披露しています。個人的に一番楽しみだった⑨Last Tribeは曲調、歌詞の両面でLAST TRIBEというバンド名に込められた「自分達がメタルの最後の種族だ」という気持ちが伝わってくるメタル讃歌となっていてニヤリ。こうなってくるとプロジェクトではなくMagnusがイニシアチブを握る正式なバンドが聴きたくなりますね。

LAST TRIBE「THE UNCROWNED」(2003)

  • 2013/05/20(月) 00:00:00

L TRIBE UNCROWNED
【No.376】
★★★★(2003)
年間ベスト2003年第9位

2001年のデビュー以降、1年に1枚のペースで高品質なアルバムを届け続けるLAST TRIBEの3作目。ソングライティングやギタープレイだけではなくキーボード、プロデュース、ボーナストラックではボーカルまでこなす中心人物Magnus Karlsson(G)のマルチな才能はここに来て一段と輝きを増していますね。前作「WITCH DANCE」(2002)ではプログレテイストもある正統派、躁なメロディを持ったジャーマンメタル調からポップな歌ものまでバラエティに富んだ楽曲が並んでいましたが、今回は上に挙げたタイプの中でも「プログレテイストもある正統派メタル」に焦点を絞ってきたように思います。これまでの作品には少なからず収録されていた疾走系ナンバーがないこと、楽曲がやや画一的になったこともあって地味になった感は否めませんがリピートするうちに味わいが増してくる辺りは流石ですね。

本作は何と言ってもアルバム冒頭が実に強力。重厚かつヘヴィなリフワークから流麗なサビへと展開していく①Healer、メジャーキーを用いた明るい曲調と終盤のアレンジが秀逸な②The Chosen Oneという名曲2連発で幕を開けます。そして、パイプオルガンで荘厳に始まるイントロからエンディングまで一分の隙もないドラマティックメタルの極致④The Uncrownedも本作のハイライトですね。そんなタイトルトラック以降は若干テンションが下がるもののMagnusらしいギターが炸裂する⑤Otherworld、配置も絶妙な1分半の叙情インスト⑥April Skyや本編ラストの⑩Call Of The Tribeなどは確かな聴きどころとなっています。またMagnusが歌う⑪Blessed By The Darkも楽曲、歌唱の両面でボートラだとは信じがたいほどのクオリティを誇っている点にも驚かされました。

このバンドの要がMagnusであることは間違いないのですが、デビュー当時からMagnusの相棒を務めるRickard Bengtsson(Vo/ex-ARMAGEDDON)、屈強のリズム隊としてバンドの屋台骨をしっかり支えるDick Lowgren(B/TIME REQUIEM、ex-ARMAGEDDON etc)、Jaime Salazar(Ds/BAD HABIT、ex-THE FLOWER KINGS etc) といった他のメンバーもLAST TRIBEに欠かせない存在となっている点も見逃せません。特にRickardは1st「THE RITUAL」(2001)やARMAGEDDONの頃と比べて大きく成長しましたね(最大の見せ場は⑨Full Moonのラストでしょうか)。派手さこそないもののデビューから3枚続けて質の高いアルバムを作り上げ、メンバーも定着してきたLAST TRIBEに大きな期待を寄せていたのですが現時点では本作を最後にバンドは自然消滅しています。その才能を高く評価されてMagnusが多くのプロジェクトに引っ張りだこになったことが大きな要因だと思うのですがALLEN/LANDE、STARBREAKER、THE CODEXなど彼が携わったプロジェクトは一定以上の質は担保されているけれどLAST TRIBEほどの感動は得られない作品が大半だというのがファンとしてはもどかしいですね。2013年現在MagnusはMat Sinner(B、Vo/SINNER)、Ralf Scheepers(Vo/ex-GAMMA RAY)を擁するPRIMAL FEARのパーマネントメンバーとなっているし、Rickardはプロデューサーやエンジニアとして活躍、DickはエクストリームメタルバンドMESHUGGAHに10年近く在籍、Jaimeは相変わらず複数のバンドやプロジェクトを掛け持ちするなど多忙なようですが、いつかLAST TRIBEを復活させてもらいたいですね。

【音源紹介】
・The Uncrowned

LAST TRIBE「WITCH DANCE」(2002)

  • 2013/05/17(金) 00:00:00

L TRIBE W DANCE
【No.375】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第6位

Pete Sandberg(Vo)がリーダーだと思っていたらそのPeteが脱退、後任にTALISMANでドラマーを務めていたことがあり後にTHE POODLESを結成することになるJakob Samuel(Vo)を迎えたことで、実はJonas Reingold(B)のバンドだということが明らかになったMIDNIGHT SUN。そのバンドの2代目ギタリストとしてシーンに登場したMagnus Karlsson率いるLAST TRIBEの2ndです。いちプレイヤーに徹していたMIDNIGHT SUNに対して、自分の理想とする音楽を追求するために結成したLAST TRIBEでは弾きまくりのギターや卓越したソングライティング能力で僕を魅了してくれていたので、期待が高まっていましたが本作はそんな期待にきっちり応えてくれる仕上がりとなっていますね。リズム隊にセッションミュージシャンを起用していたこともありプロジェクトっぽさが感じられたデビュー作「THE RITUAL」(2001) からメンバーチェンジがあり、技巧派ベーシストDick Lowgren(B/TIME REQUIEM、ex-ARMAGEDDON etc)とMIDNIGHT SUNでも活動を共にしていた北欧の名手Jaime Salazar(Ds/BAD HABIT ex-THE FLOWER KINGS etc)が加入していて大幅にレベルアップ。Magnus自身も「今のLAST TRIBEは正式なバンド」だと表明しています。

全体的には前作と同じく当時流行っていたメロパワとは一線を画したメロディックメタルで、楽曲が複雑な展開を見せる場面がありつつも歌メロは更にキャッチーになっていて更に聴きやすさが増していますね。序曲①The Gatheringに導かれて劇的なイントロから始まるタイトルトラック②Witch Dance、ミドルテンポの王道的ナンバー③Messengerと繋がる流れは鉄板です。それ以降も絶品のボーカルメロディに「キュイ~ン♪」とうなるMagnusのギターが絡む④Bring Out The Brave、爽やかなメロディがドラマティックに駆け抜けていく⑥Behind Your Eyes、ジャーマンメタル調の明るいメロディも飛び出す⑧Man Of Peace(Magnusの高速フレーズにDickがユニゾンするパートがカッコいい)といったメタリックチューン、ポップとすら言えそうな⑪DreamerBilly JoelHonestyっぽい?)など、多彩かつ高品質なナンバーが目白押し。前作に収録されていた超名曲Black Widowほどのインパクトこそないものの、アルバム全体の出来としては本作の方が上かもしれません。

それにしてもMagnusのギターは聴いていて気持ちがいいですね。良い意味でギタリストのエゴが感じられたデビュー作に比べて今回は楽曲のためのプレイに重きを置きつつ、見せ場もきっちり作ってくれています。それだけでなくMagnusは日本盤ボーナストラック⑫Tell Me Moreではリードボーカルも披露していてアコースティックバラード風の曲調と彼の素直な歌声がマッチしているし、客観的に見ても十分上手いと思います。本作と同時期にリリースされたMIDNIGHT SUNの4作目にしてラストアルバムとなった「METAL MACHINE」(2001)が僕好みの作風ではなかったこともあって、本作を聴きながらMagnusにはLAST TRIBEに専念してもらいたいと思ったことを今も覚えていますね。

【音源紹介】
・Dreamer

【CD購入録】ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

  • 2012/11/27(火) 00:00:00

【CD購入録】
THE SHOWDOWN
ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE etc)が手がけた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/JORN、MASTERPLAN)が歌うスーパープロジェクトALLEN-LANDEの3作目を買いました。音楽性は1st「THE BATTLE」(2005)の頃から不変で、今回も一流アーティスト揃いなだけあって流石のクオリティを誇ってはいるもののマンネリ感は否めないし、RussellとJornの声質が似ているためどちらが歌っているのかわからないという点も相変わらずです。特にRussellとJornの歌が似ているということについては、せっかくシンガーが2人いるのにアルバムクレジットを見ないとどちらが歌っているのかわからないほどなので、何だか勿体なく感じてしまいますね。どちらも熱く歌い上げるタイプなのでコントラストをつけるにはハイトーン系シンガーと組んだ方が効果的だと思うのですが…。個人的には最近SECRET SPHEREに加入したMichele Luppi(Vo/ex-VISION DIVINE)とのコラボが聴いてみたいです。この手のプロジェクトは結成当初は豪華なラインナップが楽しめる反面、バンド感が希薄なのでコンスタントにアルバムが発表されると新鮮味が欲しくなってきてしまうんですよね。

【CD購入録】KISKE/SOMERVILLE「KISKE/SOMERVILLE」(2010)

  • 2011/08/21(日) 00:00:00

【CD購入録】
KISKE SOMERVILLE
KISKE/SOMERVILLE「KISKE/SOMERVILLE」(2010)

以前からその存在が公言されていたMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、UNISONIC、ex-HELLOWEEN)が女性ボーカルと組むプロジェクトが、彼の相棒にTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAでも共演経験のあるAmanda Somerville(Vo)を迎えてリリースした1stアルバムを買いました。PLACE VENDOMEでHR/HMシーンに復帰して以降、Kiske関連のアルバムはソフトなAOR系が多かったので本作もそんな感じかと思っていたら、これが予想以上にヘヴィな質感を持っていて少しびっくり(勿論メタルと呼ぶほどではありませんが)。この辺りは本作のメインコンポーザーMat Sinner(B)、Magnus Karlsson(G)の両名がピュアメタルバンドPRIMAL FEARに籍を置いていることも関係しているのかな。アルバム全体の印象としては手堅く一定水準以上のクオリティを誇るものの、飛び抜けて感動的でもないという「良くも悪くもFRONTIERSらしい作品」ながらKiskeの歌声に惚れ込んだ身としてはよく聴いている1枚です。ちなみに僕が買ったのは②Silence、③If I Had A WishのPV(こちらこちら)に加えてそのメイキング映像が収録されたDVD付き輸入盤でKiskeを始めとするメンバーのオフショットを見ることができて良かったです。

【CD購入録】BOB CATLEY「IMMORTAL」(2008)

  • 2009/11/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
BOB CATLEY IMMORTAL
BOB CATLEY「IMMORTAL」(2008)

英国の気品を感じさせるハードロックバンドMAGNUMのフロントマンとして活躍後、1998年にソロ活動をスタート、最近ではTobias Sammet(Vo/EDGUY)のサイドプロジェクトAVANTASIAにも参加しているBob Catley(Vo)の6thソロアルバムを買いました。Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、STARBREAKER)が全曲のソングライティングとキーボードで参加していますがギターについては③End Of The Worldのソロを弾いているだけで、ギターパートは本作の発売元であるFRONTIERS RECORDS御用達のDennis Ward(B)Uwe Reitenauer(G)PINK CREAM 69組が担当しています。本作と合わせて買ったTONY O'HORA「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)、STARBREAKER「LOVE'S DYING WISH」(2008)に比べるとMagnusの関わりが薄いアルバムではありますが上記2作品よりも気に入っていたりします。

【CD購入録】TONY O'HORA「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)

  • 2009/11/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
ESCAPE INTO THE SUN
TONY O'HORA「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)

2009年11月現在、PRAYING MANTISの歴代シンガーの中で唯一、2作品続けてリードボーカルを担当したTony O’hora初のソロアルバムを買いました。Magnus Karlsson(G/STARBREAKER)が作曲、ギターのみならずベース、キーボード、ドラムプログラミング、プロデュースに至るまで全面的に関わっています。印象的なメロディは確実に存在(①Broken Soulはどこかで聴いたような…)しているし、いかにもMagnusらしい楽曲が聴けるものの、若干「お仕事的なイメージ」も感じられるのは気のせいでしょうか。TonyのボーカルについてはPRAYING MANTIS時代のマイルド歌唱とは異なり、しゃがれたハイトーンで歌う場面が多く、タイプ的にはSTRABREAKERでMagnusと共演しているTony Harnellに近い(力量的な差はありますが)と思えるほどに印象が違いますね

【CD購入録】STARBREAKER「LOVE'S DYING WISH」(2008)

  • 2009/11/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
LOVES DYING WISH
STARBREAKER「LOVE'S DYING WISH」(2008)

Magnus Karlsson(G)Tony Harnell(Vo/ex-TNT、WESTWORLD)と結成したバンドで、現在PRIMAL FEARと並行してMagnusが正式メンバーとして在籍しているSTARBREAKERの2作目を買いました。複雑な展開はありながらもLiesのような、わかりやすいメロディラインを持ったメロディックメタル曲も収録していた1stに比べて更にダークでメランコリックな作品となっています。Magnusならではの「AOR風味もあるメロディックメタル」を求めていたので少し拍子抜けしました。個人的には取っ付きにくさが感じられて聴き込むには至っていませんが、その壁を越えればスルメ盤になりそうな気もしています。

PLACE VENDOME「STREETS OF FIRE」(2009)

  • 2009/10/24(土) 00:00:00

PLACE VENDOME STREETS OF FIRE
【No.191】
★★★(2009)

1回限りかと思われた「Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)がメロディアス・ハードロックを歌うプロジェクト」PLACE VENDOMEの2作目。前作ではプロデューサーDennis Ward(B/PINK CREAM69)が作曲も担当していましたが、今回は外部ソングライターを迎えています。その作曲陣がなかなかの顔ぶれで、SINERGY在籍時から個人的に注目していたRonny Milianowicz(Ds/SAINT DEAMON、ex-DIONYSUS)、僕のお気に入りギタリスト/ソングライターであるMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ALLEN・LANDE etc)Pekka Heino(Vo)、Torsti Spoof(G)といったLEVERAGE組、Robert Sall(G/WORK OF ART)らが楽曲を提供しています。Kiske自身はハードロック色が更に薄れた本作を「前作以上にAOR度が高まった」と分析をしているようですね。僕も同感です。

ドラマティックなピアノに導かれてスタートするオープニング①Streets Of FireからしてKiskeの伸びやかな高音と気持ちよく揺れるヴィブラートが堪能できます。やはり彼の歌声は痺れますね。作品トータルで見ても、楽曲的にやや物足りなさが感じられた前作以上に粒揃いなのも嬉しいところ。Magnus作の口ずさみたくなるメロディを持ったリーダートラックにして名バラード②My Guardian Angel、サビの儚い歌いまわしが独特の切なさを発散する③Completely Breathless、メロハーど真ん中の④Follow Me、軽快なハードポップ⑥BelieverJOURNEYっぽさを感じさせる⑦Valerie(The Truth Is In Your Eyes)、⑩Surrender Your Soulなど良質のAORチューンがズラリ。そして作品を見事に締めくくってくれる⑫I’d Die For You後半での劇的な展開にはゾクッと来ました。

Kiskeの絶品ボーカルが最大の聴きどころであるのは間違いありませんが、彼のボーカル抜きで考えても魅力的な楽曲とPINK CREAM69のメンバーを中心とした手堅い演奏もあって安心して楽しめる1枚です。ただこういうメロディックロックはMichael Kiskeの多彩な魅力のごく一部しか活かすことが出来ないように感じるのも事実なんですよね。前作を聴いた時点ではHR/HMシーンから遠ざかっていたKiskeがメロディアスハードを歌ってくれる感動に浸っていた僕も贅沢なもので、次は彼のボーカルの旨みを全て引き出すようなHR/HM作品を期待してしまいます。そう思っているところにKiskeとDennisがバンドを結成したというニュースが飛び込んできました。現時点では他のメンバーなどの詳細情報はありませんが是非ギタリストはMagnus Karlssonでお願いします!

【音源紹介】
・My Guardian Angel

【CD購入録】PLACE VENDOME「STREETS OF FIRE」(2009)

  • 2009/04/25(土) 17:32:27

【CD購入録】
PLACE VENDOME STREETS OF FIRE
PLACE VENDOME「STREETS OF FIRE」(2009)

Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)にメロディアス・ハードロックを歌わせる」というコンセプトの下に結成されたプロジェクトPLACE VENDOMEの2作目を買いました。デビュー作「PLACE VENDOME」(2005)はレコーディングメンバーでもあるDennis Ward(B/PINK CREAM69)が作曲も担当していましたが、今回はDennisが多忙のため、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ALLEN・LANDE etc)、Torsti Spoof(G/LEVERAGE)、Ronny Milianowicz(Ds/SAINT DEAMON、ex-DIONYSUS)、Robert Sall(G/WORK OF ART)といった外部アーティストが楽曲を提供しています。Kiske自身も語っているように本作の楽曲は前作以上にソフトなため、メロディアス・ハードロックというよりはAORに近いですね。胸躍る名曲こそありませんが、心地よく聴ける1枚です。そんな中、僕を惹きつけたのはビデオクリップも撮影したMagnus作の②My Guardian Angelかな。何だかこの曲を聴いてるとMichael KiskeとMagnus Karlssonがバンドを組んだら面白そうなのになぁと思ってしまいます。

Kiske:「PLACE VENDOMEの2ndでMy Guradian Angelを歌った時からMagnusのソングライティングには注目していたんだ。彼が他のアーティストに提供した楽曲を聴いた時には衝撃が走ったよ。翌日には彼に連絡をしてこう言ったんだ『僕とバンドを組まないか』ってね。もうメタルは歌わないと決めてたけど、彼とならもう一度やってみたいと思えたんだ。」

Magnus:「Michaelから連絡をもらった時は驚いたね。彼は僕にとってのスターだからすぐにOKしたよ!これまではいろんなプロジェクトを掛け持ちしていたけど、Michaelと組めるのなら僕たちのバンドに集中しなくちゃね。LAST TRIBEで一緒だったDick Lowgren(B)Jaime Salazar(Ds)に声をかけたら是非やりたいって言ってくれたんで、もうラインナップも固まってるんだ。既に何曲かは出来上がっていてMichaelの声を最大限に活かした素晴らしいものになっている。凄いアルバムになりそうだよ。」

なんてインタビュー記事がBURRN!に載らないかなぁと妄想してしまいました(笑)

LAST TRIBE「THE RITUAL」(2001)

  • 2008/08/02(土) 10:46:22

THE RITUAL
【No.018】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第5位

Pete Sandberg(Vo/ex-ALIEN etc)がシンガーを務める北欧叙情派メタルバンドMIDNIGHT SUNに3rdアルバム「NEMESIS」から加入し、その名が知られるようになったMagnus Karlsson(G)のバンドLAST TRIBEのデビュー作。ちなみにフロントマンにはChristopher Amott(G/ARCH ENEMY)のソロプロジェクトARMAGEDDONで来日経験もあるRickard Bengtsson(Vo)を迎えています。MIDNIGHT SUNでのMagnusはさほど前に出ることなく、目立つ存在でもなかったので期待せずに聴いたのですが、これが予想以上に素晴らしい出来で驚きました。

LAST TRIBEの基本はあくまでメロディックメタルですが、STRATOVARIUSSONATA ARCTICAのようなスピーディーなネオクラシカル風メロパワ作品ではなく、どっしりと腰を据えた正統派メタル(ややプログレ風味あり)路線です。それはSteve Vai(G)Steve Morse(G/DEEP PURPLE)を敬愛しているというMagnusのギタープレイにも反映されていて、インスト⑩The Ritualも北欧ギタリストにありがちなYNGWIEフォロワー的な代物にならず、口ずさめるほどのキャッチーなギターメロディに溢れています。若干SYMPHONY Xっぽさを感じさせるパートもありますが、歌メロの充実振りはSYMPHONY X以上だし、○○系と簡単にくくれない独自性あるサウンドです。

肝心の楽曲の方も疾走感は控えめながら、どれもが魅力的なメロディを持っているのがLAST TRIBEの強みですね。中でも本作唯一の疾走曲と呼べる③Black Widowは悶絶必至のクサいメロディを撒き散らしながら駆け抜けていく名曲です。特に曲終盤でサビメロにMagnusのテクニカルなギターが絡んでいくパートは、ホンットにカッコいい。MIDNIGHT SUNでは知ることのできなかったMagnus Karlssonというギタリストのバカテク振りと、高いソングライティング能力を見せつけてくれる作品です。メタルは速くてナンボという人には物足りないと思うし、楽曲・メンバーともに派手さに欠けるきらいはありますが、印象に残るメロディとギタープレイ満載の本作は僕にとって名盤ですね。

【音源紹介】
・Black Widow