【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「GHOSTLIGHTS」(2016)

  • 2016/01/31(日) 00:00:00

【CD購入録】
GHOSTLIGHTS.jpg
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「GHOSTLIGHTS」(2016)

2016年の新譜初買いは、誕生から15年を数えるTobias Sammet(Vo/EDGUY)主宰のメタルオペラ・プロジェクトTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAの7作目です。今回のゲストシンガー陣の主な顔ぶれはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Jorn Lande(Vo/JORN、ALLEN-LANDE)、Ronnie Atkins(Vo/PRETTY MAIDS)、Bob Catley(Vo/MAGNUM)といった以前からのメンバーに加えDee Snider(Vo/TWISTED SISTER)、Geoff Tate(Vo/ex-Queensryche)、Marco Hietala(B、Vo/NIGHTWISH)らが初参加しています。前作「THE MYSTERY OF TIME」(2013)がAVANTASIAの作品としては今ひとつツボにはまらなかったし、EDGUYも僕の好みから徐々にずれてきているように感じていたので一抹の不安もありましたが今回はなかなか良さげですね。コンパクトかつキャッチーな歌モノから劇的な大作、ミステリアスなナンバー、メロディアスなバラードなどTobiasの多彩なソングライティング能力が遺憾なく発揮されているアルバムの中でもKiskeのハイトーンが冴え渡るタイトル曲⑤Ghostlightsがいいですね。この手のメロパワは大好物です。また僕が買った初回生産限定盤にはライブ音源11曲入りのボーナスCDが付いているので聴き応えがありますね。同時に買ったDREAM THEATER「THE ASTONISHING」をなかなか聴けずにいます(笑)。

【CD購入録】UNISONIC「LIGHT OF DAWN」(2014)

  • 2014/07/26(土) 00:00:00

【CD購入録】
LIGHT OF DAWN
UNISONIC「LIGHT OF DAWN」(2014)

Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)Dennis Ward(B/PINK CREAM 69)を中心に結成、その後Kai Hansen(G/GAMMA RAY、ex-HELLOWEEN)が加入したことで注目度がグッと上がったUNISONICの2作目を買いました。本作はリリース前から1stアルバムよりもメタリックになっていると言われていましたが、期待を煽る序曲①Venite 2.0に導かれて始まる②Your Time Has Comeからして前評判通りのサウンドだし先行で音源が公開されていた③Exceptional、④For The Kingdomも好印象。それ以降はやたらと明るい⑤Not Gonna Take Anymore、パワフルな⑦Find Shelterなどを筆頭に佳曲揃いではあるものの前半に比べると若干インパクトに欠けるかな…。ブックレット上の作曲クレジットはバンド名義ですが、創作面のブレインであるDennisは今回のアルバム制作にあたり過去にKiskeが歌ったアルバムを聴き返して彼の声を研究した上で曲作りに臨んだのだとか。意図的にKiskeの声の美味しいところを引き出してみせたDennisの作曲テクニックもさることながら、今でもこれだけ伸びやかなハイトーンが出せるKiskeには脱帽ですね。バンドとしては着実に僕好みになってきているので今後も楽しみにしています。

【CD購入録】TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

  • 2013/06/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE LAND OF NEW HOPE
TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)らと一種のスーパーバンドSYMFONIAを結成したものの、僅か1枚で解散したばかりか音楽業界からの引退をも示唆するコメントを発表したTimo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS)でしたが、FRONTIERS RECORDS社長Serafino Perginoから多くのゲストを迎えたメタルオペラ・プロジェクトの提案を持ちかけられ誕生したTIMO TOLKKI'S AVALONの1stアルバムを買いました。プロジェクト名からしてTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAを連想せずにはいられませんが、ゲストを見てみるとMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Sharon Den Adel(Vo/WITHIN TEMPTATION)、Elize Ryd(Vo/AMARANTHE)、Russell Allen(Vo/SYMPHONY X、ADRENALINE MOB)、Rob Rock(Vo/DRIVER、ex-IMPELLITTERI)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS) 、Derek Sherinian(Key/BLACK COUNTRY COMMUNION、ex-DREAM THEATER)、Alex Holzwarth(Ds/RHAPSODY OF FIRE)といった顔ぶれでAVANTASIAに参加していた人もチラホラ、というかシンガーではElyzeとTony以外はAVANTASIAファミリーですね。歌っている比率を踏まえるとTolkkiとElyze、Rob Rockを基本メンバーとしたプロジェクトと言えるかもしれません。内容の方はAVANTASIAがメタルオペラを名乗っていた初期2作品ほどメロパワ一辺倒ではなく、その後の「THE SCARECROW SAGA」を歌ものメタルっぽくした感じでしょうか。ライナーノーツによると、Tolkkiがこのプロジェクトのために書き上げたストーリー「THE LAND OF NEW HOPE」は3部作を予定しているそうなので、 アルバム契約が4枚分あったというSYMFONIAを投げ出した前科があるTolkkiですが(苦笑)今回は完結まで頑張ってもらいたいですね。

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE MYSTERY OF TIME」(2013)

  • 2013/03/28(木) 00:00:00

【CD購入録】
THE MYSTERY OF TIME
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE MYSTERY OF TIME」(2013)

豪華なゲストシンガーを迎え、現代メタルシーン屈指のソングライターTobias Sammet(Vo)が各ボーカリストに合った楽曲を手掛けるプロジェクトAVANTASIAの6作目を買いました。今回の参加メンバーはJoe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW、DEEP PURPLE、YNGWIE MALMSTEEN etc)、Michael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Biff Byford(Vo/SAXON)、Ronnie Atkins(Vo/PRETTY MAIDS)、Eric Martin(Vo/MR. BIG)、Bob Catley(Vo/MAGNUM)、Cloudy Yang(Vo)、Sascha Paeth(G/ex-HEAVENS GATE)、Oliver Hartmann(G、Vo/HARTMANN、ex-AT VANCE)、Arjen Lucassen(G/AYREON)などなどです。常連メンバーだったAndre Matos(ex-ANGRA)、Jorn Lande(ex-MASTERPLAN etc)、Russell Allen(SYMPHONY X)といったメタルシンガーが不参加、JoeやEricといったハードロック系シンガーが初参加している一方で「今回は初期2作品のようなメタルオペラ作品になる」という情報を耳にしてどんな作風になるのか気になっていましたが、音楽性はさほどメロパワ寄りではなくHR/HMの枠に収まりきらないほど多彩な楽曲で構成される近作に似た内容ですね。本作では各シンガーに役柄を与えているという意味で1st、2ndアルバムのような作品ということなのだと思います。AVANTASIAの作品は即効性は低いけれど、聴き込むうちにどんどんはまっていくことが多いので全10曲(うち10分超えの大作が2曲)、日本盤ボーナストラック2曲を合わせると約72分に及ぶ聴き応え十分な本作の世界にどっぷり浸りたいと思います。KiskeとKai Hansen(G/GAMMA RAY、ex-HELLOWEEN)のタッグがUNISONICで実現したとはいえ音楽性がキーパーサウンドとは距離があるので、KiskeとTobiasのタッグによる疾走曲④Where Clock Hands Freezeはメタルを歌うKiskeが聴きたい僕にとっては理想的なナンバーですね。

【CD購入録】UNISONIC「UNISONIC」(2012)

  • 2012/03/22(木) 00:00:00

【CD購入録】
UNISONIC_20120229182606.jpg
UNISONIC「UNISONIC」(2012)3月21日発売予定

2009年11月Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)Dennis Ward(B/PINK CREAM 69)が中心となって新バンドが結成され、当初の予定では2010年の春にはアルバムをリリースするという話だったのが、徐々にスケジュールが遅れ今年になってようやく発表となったUNISONICの1stアルバムを買いました。元々はKiskeとDennis、そこにMandy Meyer(B/ex-ASIA、GOTTHARD、KROKUS)、Kosta Zafiriou(Ds/PINK CREAM 69)を加えた4人編成でしたがKai Hansen(G/GAMMA RAY、ex-HELLOWEEN)が2011年の春に電撃加入しています。BURRN!誌のインタビューによると、それまでに制作されていた曲を聴いて「メランコリックすぎる」と進言したKaiからのインプットによりハードな質感が増したようでオープニングにしてバンドを代表するトラック①Unisonicにおける「ユ~ニ ソニィィ~ック♪」のサビも実にKaiらしい(曲のベースはMandy作でサビはKaiのアイデア)。それ以外にも③Never Too Late、⑥Never Change MeといったKai作のナンバーからキーパー時代のポップサイドに似た雰囲気が感じられるのも嬉しいですね。全体的なイメージとしてはジャーマンメタルと呼ぶにはソフトすぎますが、そこまでメタリックな作風にならないことは予想していたので個人的には十分満足だし、Kiskeの歌いっぷりに関しては改めて触れるまでもなく最高です。今はKaiの曲にどうしても耳が行きがちではあるものの、その他にも良い曲が多そうなのでしばらくヘビロテしたいと思います。

【CD購入録】KISKE/SOMERVILLE「KISKE/SOMERVILLE」(2010)

  • 2011/08/21(日) 00:00:00

【CD購入録】
KISKE SOMERVILLE
KISKE/SOMERVILLE「KISKE/SOMERVILLE」(2010)

以前からその存在が公言されていたMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、UNISONIC、ex-HELLOWEEN)が女性ボーカルと組むプロジェクトが、彼の相棒にTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAでも共演経験のあるAmanda Somerville(Vo)を迎えてリリースした1stアルバムを買いました。PLACE VENDOMEでHR/HMシーンに復帰して以降、Kiske関連のアルバムはソフトなAOR系が多かったので本作もそんな感じかと思っていたら、これが予想以上にヘヴィな質感を持っていて少しびっくり(勿論メタルと呼ぶほどではありませんが)。この辺りは本作のメインコンポーザーMat Sinner(B)、Magnus Karlsson(G)の両名がピュアメタルバンドPRIMAL FEARに籍を置いていることも関係しているのかな。アルバム全体の印象としては手堅く一定水準以上のクオリティを誇るものの、飛び抜けて感動的でもないという「良くも悪くもFRONTIERSらしい作品」ながらKiskeの歌声に惚れ込んだ身としてはよく聴いている1枚です。ちなみに僕が買ったのは②Silence、③If I Had A WishのPV(こちらこちら)に加えてそのメイキング映像が収録されたDVD付き輸入盤でKiskeを始めとするメンバーのオフショットを見ることができて良かったです。

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「ANGEL OF BABYLON」(2010)

  • 2011/03/29(火) 00:00:00

ANGEL OF BABYLON
【No.282】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第10位

当初は前編・後編で完結する予定だったもののTobias Sammet(Vo/EDGUY)の創作意欲が止まらなかったため3部作となった「THE SCARECROW」物語のパート3にしてAVANTASIAの5thアルバム。同時リリースされた第2部「THE WICKED SYMPHONY」と同じくバラエティに富んだ、それでいてキャッチーなメロディを持った楽曲が目白押しな充実作です。ゲストシンガーのインパクトではKlaus Meine(SCORPIONS)、Tim Ripper Owens(YNGWIE MALMSTEEN、ex-JUDAS PRIEST)が参加していた前作に一歩譲りますが、本作ではJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)が大きな存在感を放っているし、個性派シンガーJon Oliva(Vo/SAVATAGE)やメタル界を代表するキーボードプレイヤーJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)が参加するなど相変わらずの豪華さを誇っています。

Jornによる説得力抜群の歌唱でスタートした後TobiasにRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)、前作ではギタリストに徹していたOliver Hartmann(Vo/HARTMANN、ex-AT VANCE)が加わってパワフルにせめぎ合い、伸びやかなサビはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)が朗々と歌う①Stargazersは正に「AVANTASIAオールスターズ」と呼ぶべきナンバーで、それに続いて王道を行くメロディックメタル曲②Angel Of BabylonはJensによる特徴的なキーボードソロをフィーチュアしながらスリリングに疾走していきます。オープニングに9分半の長編①とわかりやすいメロパワ②を並べるという入り方は前作と同じですね。また楽曲の多彩さという点で本作は過去最高と思えるほどで、ポップな歌メロがインパクト抜群な③Your Love Is Evil、3rd「THE SCARECROW」収録曲のThe Toy MasterではAlice Cooper(Vo)が演じていたストーリー上のキャラ「トイ・マスター」がJon Olivaの客演で再登場するミステリアスチューン④Death Is Just A Feelingという対照的な2曲、Eric Singer(Ds)による「1、2、3、4!」のカウントで始まりクワイアやシンフォニックな質感を排除しているためラフな仕上がりとなったハードロック⑤Rat Race、AVANTASIAのプロデューサーSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)のペンによるゴシックメタル調をAVANTASIAのツアーに帯同した経験もある女性シンガーCloudy Yangが全編を歌う⑧Symphony Of Life、オールドスタイルなロックサウンドを前に出した⑨Alone I Remember(Jornのパフォーマンスがこれまた素晴らしい)など非常にカラフル。それでいて各曲にはTobias節が貫かれているし、アルバム終盤をEP「LOST IN SPACE PART 2」(2007)にも収録されていた名曲⑩Promised LandBob Catley(Vo/MAGNUM)が希望を感じさせるメロディを優しく聴かせるシンフォバラード⑪Journey To Arcadiaといった「らしい」曲で締めてくれているため「散漫」ではなく「バラエティがメチャクチャ豊富」という印象になっています。ちなみに⑩のEPヴァージョンではTobias、Jorn、Kiskeの3名がボーカルを分け合っていましたが、本作ではTobiasとJornのみが歌うヴァージョンとなっています。

このプロジェクトの初期2作品はアルバムタイトルからして「メタルオペラ」だったのに対して、この「THE SCARECROW」3部作をTobiasは「ロックオペラ」と表現しているとおりメタル色は確実に薄まっているのでメロパワを求めると肩透かしをくらうかもしれませんが、練り上げられた楽曲群はどれも高品質だと思います。気になる点を挙げるとすれば本作のオープニング、エンディング曲がやや尻切れトンボ気味に終わっているのと、今回の3部作はゲーテの「ファウスト」をモチーフにしていながらも内容が抽象的なため物語の情景を思い浮かべながら音楽を聴くというコンセプトアルバムならではの楽しみが味わいにくいことでしょうか。本作ならびに「THE SCRECROW」サーガはストーリーに沿って聴き進めるというよりは、優れた楽曲集として楽しむアルバムという感じですね。

【音源紹介】
・Promised Land(ANGEL OF BABYLON VERSION)

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE WICKED SYMPHONY」(2010)

  • 2011/03/27(日) 00:00:00

THE WICKED SYMPHONY
【No.281】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第9位

今やメロディックメタル界の最重要人物となった感のあるTobias Sammet(Vo/EDGUY)EDGUYと並行して活動を続けるプロジェクトAVANTASIAの4thアルバム。前作「THE SCARECROW」(2008)が完成した時点から続編の存在を明言していたTobiasが溢れるインスピレーションを抑えることなく曲作りを進めた結果、裕にアルバム2枚分のマテリアルが出来上がったため本作と5th「ANGEL OF BABYLON」を同時リリースするという形をとっています。今回も初期2作品のようなメロパワ路線ではなく、曲調の幅を大きく広げた前作の延長線上にある1枚という印象ですね。ゲストシンガーはAndre Matos(ex-ANGRA、SHAMAN)、Bob Catley(MAGNUM)、Jorn Lande(MASTERPLAN)、Michael Kiske(UNISONIC、PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)、Ralf Zdiarstek(他のシンガーと比べて知名度は低いですがAVANTASIAの初期2作品にも参加)という過去作品でも歌っていた顔ぶれに加えて新たにKlaus Meine(SCORPIONS)、Russell Allen(SYMPHONY X)、Tim“Ripper”Owens(YNGWIE MALMSTEEN、ex-JUDAS PRIEST)の3人が参加しています。

何と言っても圧巻なのはアルバム序盤の畳み掛け。プロデューサーSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)と並んでAVANTASIAには欠かせないMiro(Key)が手がける壮大でシンフォニックなイントロに導かれてTobias、Jorn、Russell3人のボーカルが交錯しながらキャッチーなサビへと繋がる9分半の大作①The Wicked Symphonyで幕を開け、Kiskeがキーパー時代HELLOWEEN風のメロパワを歌う②Wastelands、初参加のRipperにピッタリの鋼鉄チューンでTobias自身もJUDAS PRIESTPainkiller風と認める③Scales Of Justice、Klausがカリスマ性抜群の歌声でAVANTASIAの世界をSCORPIONS色に染めてみせた王道ハードロック④Dying For An Angelまでの流れには、Tobiasの卓越した作曲能力と豪華シンガー陣が共演するAVANTASIAの魅力が凝縮されていると思います。それ以降もBobの渋い歌唱が冴えるバラードとして始まりMEATLOAFっぽい劇的展開の中でBobとTobias、Jornが絡み合い、終盤にはKiskeも登場する8分の長編⑥Runaway Train、Jornの独壇場とも思えるオーセンティックなハードロック⑧Forever Is A Long Time、Russellのエネルギッシュボイスと共に駆け抜けるアップテンポ⑩States Of Matterなどは一聴して心を揺さぶられました。

ただ上記楽曲のように即効性のある曲も存在する一方で、メロディックメタルの枠に納まり切らず拡散し続ける楽曲群に戸惑いを感じたのも事実で、正直なところ聴き始めの頃は本作と「ANGEL OF BABYLON」の収録曲の約半数ずつしか気に入っていなかったので「2枚にする必要もなかったのでは…」と思っていた僕ですが、リピートするうちにどんどん引き込まれていきました。これだけ豪華な歌い手が揃う作品でありながら聴きどころをゲストに持っていかれることなく常に曲の良さが耳を捉え、しかもゲストシンガーの特性を活かした楽曲を次々と生み出すTobiasのソングライティングスキルの高さこそがAVANTASIAの肝ですね。ちなみに前作のMVPシンガーがJorn Landeだとすれば本作のMVPはKlaus Meineでしょう。参加曲は④のみながら独特の艶と張りのある歌声で圧倒的な存在感を放っています。また本作には日本盤ボーナストラックとして前作のシングル曲Lost In Spaceのライブが本編終了後に収録されていますが「THE WICKED SYMPHONY」と「ANGEL OF BABYLON」という連続性のある音世界に浸る際の妨げとなっていると思うので「ANGEL OF BABYLON」のラストにまとめて欲しかったかな。「ライブテイクが聴けるのは嬉しいけれど作品の構成的にはありがた迷惑かも」という意味でSENTENCEDの遺作「FUNERAL ALBUM」(2005)を思い出してしまいました(苦笑)。

【音源紹介】
・Dying For An Angel

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「LOST IN SPACE PART1 & 2」(2008)

  • 2011/03/05(土) 00:00:00

LOST IN SPACE PART1  2
【No.280】
★★★(2010)

Tobias Sammet(Vo/EDGUY)率いるプロジェクトAVANTASIAが3rd「THE SCARECROW」(2008)に先駆けてリリースした2枚のEP「LOST IN SPACE PART1」と「LOST IN SPACE PART2」を1枚にまとめたお得盤(現時点で国内盤はありません)。前々からこのEPは聴いてみたかったのですが、1枚あたり6曲で\2,100という価格がネックとなって購入に踏み切れずにいたので、このような形(2枚のEPを1枚にまとめて約\1,500)でリリースされていなければ買っていなかったと思います。

【トラックリスト】
01. Lost In Space(オリジナル曲。3rd「THE SCARECROW」に収録)feat.Amanda Somerville
02. Lay All Your Love On Me(ABBAのカバー)
03. Another Angel Down(オリジナル曲。3rd「THE SCARECROW」に収録)feat.Jorn Lande
04. The Story Ain't Over(オリジナル曲。本作にのみ収録)feat.Bob Catley and Amanda Somerville
05. Return To Avantasia(1st「THE METAL OPERA」メインテーマの小インスト。本作にのみ収録)
06. Ride The Sky(LUCIFER'S FRIENDのカバー)feat.Eric Singer
07. Promised Land(オリジナル曲。後にバージョン違いを5th「ANGEL OF BABYLON」に再録)feat. Jorn Lande and Michael Kiske
08. Dancing With Tears In My Eyes(ULTRAVOXのカバー)
09. Scary Eyes(オリジナル曲。本作にのみ収録)
10. In My Defense(FREDDIE MERCURYのカバー)
11. Lost In Space(Alive At Gatestudio)feat.Amanda Somerville
12. Lost In Space(Extended Version)feat.Michael Kiske

EP盤ではタイトル曲①はPART1と2の両方に、②~⑥がPART1、⑦~⑪がPART2に収録、⑫は本作にのみ収録されていて「THE SCARECROW」とダブるのは①、③の2曲となっています。ただし、そこからカバーやインスト小曲を除くとここでしか聴けないAVANTASIAの純然たる新曲は3曲だけということになります。

そんな収録曲の内訳を見ると魅力薄な作品と思ってしまいそうですが、さにあらず。聴き逃すには勿体ない楽曲が含まれています。まず新曲ではTobias自身も会心の出来と語るバラード④が秀逸。Bob Catley(Vo/MAGNUM)の声にマッチしたこの曲は「THE SCARECROW」3部作本編のバラードを凌駕しているのではと思えるほどです。⑦は後のアルバムに再録したのも納得の名曲だし、派手さに欠けるものの⑨も佳曲。またカバー曲については⑥こそあまり馴染めなかったものの、地元の先輩HELLOWEENが発表したカバーアルバム「JUKEBOX」バージョン以上にはまっていると思う②、EDGUYの出世作3rd「VAIN GLORY OPERA」収録のHymnに続いて2曲目となるULTRAVOXのカバー⑧、故Freddie Mercury(Vo/QUEEN)の世界観にTobiasが果敢に挑んだ⑩などが楽しめました。ちなみにタイトル曲のバージョン違い⑪と⑫は前者がいわゆるアコースティックバージョン、後者がオリジナルには不参加のMichael Kiske(Vo/UNISONIC、PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)も歌っていてアレンジも異なるバージョンです。

Tobiasは2008年にEDGUYで「TINNITUS SANCTUS」とAVANTASIAで「THE SCARECROW」を、2010年にはその続編「THE WICKED SYMPHONY」、「ANGEL OF BABYLON」と3年間で4枚のフルアルバムを発表していながら、本作のような隠し球まで持っているんですから驚きですね。オリジナルアルバムを差し置いて購入するほどとまではいきませんが、Tobiasファンは聴いておいて損のない1枚ではないでしょうか。それにしてもTobiasはEDGUY時代から、しれっと名曲をシングルに入れてくるので油断できませんね。僕の中でTobias Sammetと瞬火(B、Vo/陰陽座)の2人はカップリング曲も聴き逃したくないソングライターです。

EP盤のジャケットはこちら。
LOST IN SPACE PART1
「LOST IN SPACE PART1」(2007)

LOST IN SPACE PART2
「LOST IN SPACE PART2」(2007)

何だかジャケットに統一感がないですね…。

【音源紹介】
・The Story Ain't Over

MASTERPLAN「MASTERPLAN」(2003)

  • 2010/08/14(土) 00:00:00

MASTERPLAN.jpg
【No.250】
★★★(2003)

元々はRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Janne Wirman(Key/CHILDREN OF BODOM)といった豪華メンバーがRoland Grapow(G)のプロジェクトにゲスト参加する予定だったのですが、RolandとUli Kusch(Ds)HELLOWEENを解雇されたため正式なバンドとして始動することになったMASTERPLANのデビュー作。正式バンドとして活動するからにはパーマネントなメンバーが必要だということでRussellやJanneの参加は見送られたようです(Janneはゲストとして本作で演奏したそうですが)。Russellに代わりフロントマンを務めるのは、これまでに数多くのバンドを渡り歩いた実力派職人シンガーJorn Lande(Vo/ex-ARK、MILLENIUM、YNGWIE MALMSTEEN etc)で、渡り鳥Jornも遂に定住の地を見つけたかと本作リリース時には話題になりました。元HELLOWEENのメンバーによる新バンドということもあり本家との比較は避けられないMASTERPLANですが、本作に関して言えばRolandとUli在籍時HELLOWEENの最終作「THE DARK RIDE」(2000)や新体制による1枚目「RABBIT DON'T COME EASY」(2003)よりも好きかもしれません。

元HELLOWEENのメンバーとJorn Landeが合体ということだけでも注目に値するのに、本作にはJornがMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)とデュエットした④Heroesという目玉ソングが収録されています。その④はいかにもキーパー風なHELLOWEENチューンで「あざとさ」も感じますが、この2人の共演の前ではそんなことはどうでもよくなってしまいますね。そして僕にとって嬉しい驚きだったのは、MASTERPLANがそんな話題性だけでなくバンドとしての魅力をしっかり備えているという点です。前述の④を筆頭に、爽やかな空気を発散しながら疾走する①Spirit Never DieやHELLOWEENのWhere The Rain Grows(「THE MASTER OF THE RINGS」収録)っぽさもある⑩Sail Onでメロパワファンの要求を満たす一方で、Jornの存在感ある歌唱力が物を言うパワーバラード⑤Into The Light、哀愁のハードロック⑥Through Thick And Thin、ブルージーテイストも感じさせる⑨The Kid Rocks Onなど、メロディックメタルの枠に収まらない楽曲も良いですね。

バンドの中心人物であるUliとRolandに関して、Uliの楽曲はHELLOWEEN時代から好きだったのですがRolandのソロ作やHELLOWEEN時代の曲を聴く限りThe ChanceThe Dark Rideといった一部の楽曲を除き、心ときめくものがなかったので期待していませんでした。ところが本作を聴いているとHELLOWEENでは活かしきれなかったRolandのハードロックテイストはMASTERPLANならではの持ち味なのかもしれないと思えてきます。そして本作最大の功労者は胸を熱くしてくれるシャウトからソウルフルなディープボイスまでを駆使して歌い上げるJornでしょう。上に挙げたお気に入り曲は勿論、やや弱いかなと思える楽曲までも彼が歌うことでワンランク上のレベルに聴こえてきます。ちなみに本作は僕が持っている日本盤(⑥、⑨がボーナストラック)と輸入盤では収録曲と曲順が異なっていて、ヨーロッパでのシングルEnlighten Meなる曲は日本盤未収録となっています。

【音源紹介】
・Heroes

TRICK OR TRAET「TIN SOLDIERS」(2009)

  • 2009/10/31(土) 00:00:00

TIN SOLDIERS
【No.194】
★★★★(2009)
年間ベスト2009年第10位

HELLOWEENのトリビュートバンドとして結成されたイタリア出身の5人組TRICK OR TREATが放つ2ndアルバムにして日本デビュー盤。10月31日のハロウィンで子どもがお菓子を貰うときの決まり文句をバンド名にしているだけでなく、ボーカルはMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)タイプの声質で、HELLOWEENがメロディックメタルの歴史にその名を刻んだ名盤「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」に通じるサウンドという前評判通り、所謂「キーパい」音楽性を追求するバンドで爽系のメロディを据えた疾走曲に往年のHELLOWEEN特有のコミカルさも感じさせる作品です。なお、ゲストとしてMichele Luppi(Vo/KILLING TOUCH、ex-VISION DIVINE)が1曲、Michael Kisikeが2曲で参加しています。

この手のバンドにとってはお約束でもある序曲にはメルヘンチックな①A Night In The Toy Shopを持ってきて、わかりやすい疾走曲②Paper Dragonでメロパワファンの心を掴むというベタベタな展開は、わかっていてもグッと来てしまいますね。そんな②を筆頭に④Freedom、⑥Elevator To The Sky、⑨Final DestinationといったHELLOWEEN愛に満ちたスピードチューンもさることながら、それ以外の楽曲も粒揃いだというのがこのバンドの強みではないでしょうか。Micheleが参加した③Take Your Chance、Kiskeがリードボーカルを担当する⑤Hello Moonはメロディアスハードの香りがするし、バンドが標榜する「ピュア・ハッピー・メタル」という表現がピッタリな⑦Loser Song、魅力的なバラードもできると証明してみせた⑧Tears Against Your Smile(Kiskeがゲスト参加)など、フォロワーの一言で片付けてはもったいないと思わせるだけの楽曲がありますね。7分台と本作の中で最も長い曲でもある⑫Human Dramaもボーナストラックには勿体無いクオリティです。ただ、タイトルトラックの2部作⑩Tin Soldiers Pt.1、⑪Tin Soldiers Pt.2の前半部分は2分台のインストなので1曲にまとめた方が良かったかも。

KEEPER時代のHELLOWEENに強い愛着を持つ僕は、あの頃のサウンドの雰囲気を味わえればいいかなという軽い気持ちで本作を買ったのですが、これは久々に現れたメロディックメタル界注目ニューアクトかもしれません。Kiske愛が滲み出るフロントマンAlessandro Conti(Vo)は、やや線の細さを感じさせるものの確かな実力者だと思いますし、何しろ楽曲そのものがとても魅力的です。このバンドには下手にオリジナリティを求めて自分たちの強みを失ってしまうことなく、この路線でこれからも活動してほしいですね。

【音源紹介】
・Loser Song

PLACE VENDOME「STREETS OF FIRE」(2009)

  • 2009/10/24(土) 00:00:00

PLACE VENDOME STREETS OF FIRE
【No.191】
★★★(2009)

1回限りかと思われた「Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)がメロディアス・ハードロックを歌うプロジェクト」PLACE VENDOMEの2作目。前作ではプロデューサーDennis Ward(B/PINK CREAM69)が作曲も担当していましたが、今回は外部ソングライターを迎えています。その作曲陣がなかなかの顔ぶれで、SINERGY在籍時から個人的に注目していたRonny Milianowicz(Ds/SAINT DEAMON、ex-DIONYSUS)、僕のお気に入りギタリスト/ソングライターであるMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ALLEN・LANDE etc)Pekka Heino(Vo)、Torsti Spoof(G)といったLEVERAGE組、Robert Sall(G/WORK OF ART)らが楽曲を提供しています。Kiske自身はハードロック色が更に薄れた本作を「前作以上にAOR度が高まった」と分析をしているようですね。僕も同感です。

ドラマティックなピアノに導かれてスタートするオープニング①Streets Of FireからしてKiskeの伸びやかな高音と気持ちよく揺れるヴィブラートが堪能できます。やはり彼の歌声は痺れますね。作品トータルで見ても、楽曲的にやや物足りなさが感じられた前作以上に粒揃いなのも嬉しいところ。Magnus作の口ずさみたくなるメロディを持ったリーダートラックにして名バラード②My Guardian Angel、サビの儚い歌いまわしが独特の切なさを発散する③Completely Breathless、メロハーど真ん中の④Follow Me、軽快なハードポップ⑥BelieverJOURNEYっぽさを感じさせる⑦Valerie(The Truth Is In Your Eyes)、⑩Surrender Your Soulなど良質のAORチューンがズラリ。そして作品を見事に締めくくってくれる⑫I’d Die For You後半での劇的な展開にはゾクッと来ました。

Kiskeの絶品ボーカルが最大の聴きどころであるのは間違いありませんが、彼のボーカル抜きで考えても魅力的な楽曲とPINK CREAM69のメンバーを中心とした手堅い演奏もあって安心して楽しめる1枚です。ただこういうメロディックロックはMichael Kiskeの多彩な魅力のごく一部しか活かすことが出来ないように感じるのも事実なんですよね。前作を聴いた時点ではHR/HMシーンから遠ざかっていたKiskeがメロディアスハードを歌ってくれる感動に浸っていた僕も贅沢なもので、次は彼のボーカルの旨みを全て引き出すようなHR/HM作品を期待してしまいます。そう思っているところにKiskeとDennisがバンドを結成したというニュースが飛び込んできました。現時点では他のメンバーなどの詳細情報はありませんが是非ギタリストはMagnus Karlssonでお願いします!

【音源紹介】
・My Guardian Angel

REVOLUTION RENAISSANCE「NEW ERA」(2008)

  • 2009/05/26(火) 08:21:38

NEW ERA
【No.142】
★★★(2008)

解散の危機を乗り越えてバンド名を冠する11thアルバムを2005年に発表したSTRATOVARIUS。その後、12枚目となる次の作品は「REVOLUTION RENAISSANCE」というタイトルで「VISIONS」(1997)のようなメロディックメタル路線になるという話だったので期待していたら、2008年になってTimo Tolkki(G)が突然バンドの解散を表明。しかもREVOLUTION RENAISSANCEという新バンド(プロジェクト)を結成すると宣言したので驚きも2倍でした。そんなドタバタ劇の末にリリースされた本作は、もともとSTRATOVARIUSの新作用に書かれた楽曲をMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)が5曲、Tobias Sammet(Vo/EDGUY、AVANTASIA)が2曲、Pasi Rantanen(Vo/ex-THUNDERSTONE)が3曲を担当して歌うというプロジェクト的性質の強い作品となっています。

肝心の内容はというとガツンと来るキラーチューンはないものの、「VISIONS」の頃のSTRATOVARIUSを更にわかりやすくキャッチーにした作風なので、僕の中でSTRATOVARIUSに対する情熱が冷めるきっかけとなった「ELEMENTS PART1」よりも断然魅力的です。本作の中では疾走曲と呼べそうな①Heroes、サビメロがやたらと耳に残るミッドテンポ②I Did It My Way、STRATOVARIUSのParadiseHunting High And Lowタイプのポップメタル③We Are Magicといった楽曲をTobias、Kiske、Pasiの順でそれぞれが歌う冒頭3曲、Kiskeの伸びやなハイトーンと気持ちよく揺れるヴィブラートを堪能できる感動のバラード④Angel、これまたKiskeが歌うメロパワチューン⑨Last Night On Earthが気に入っています。本作には名手Jens Johannson(Key)Jorg Michael(Ds)といったSTRATOVARIUSの凄腕プレイヤーが参加していないので、インストパートが淡白な代わりに豪華ボーカリスト陣が華を添えていますね。圧倒的な存在感でTimoの曲をもEDGUY色に染めてしまうTobiasもさることながら、やはりMichael Kiskeは別格です。PasiについてはTHUNDERSTONE時代と声の印象が違うし、与えられた楽曲も3曲中2曲がスローナンバーなのが残念だけど欧州メタルを代表するシンガー2人相手に健闘しています。

①の間奏パートがSTRATOVARIUSのAgainst The Wind(「FOURTH DIMENSION」収録」だったり、⑥Glorious And DevineHELLOWEENWhere The Rain GrowsPowerを彷彿とさせたり、⑩Revolution RenaissanceSoul Of A Vagabond(「ELEMENTS PART1」収録。元ネタはANGRARebirth?)だったりという点が気にならなくもないですが、僕としては許容範囲内ですね。本作がSTRATOVARIUS名義でリリースされていたら「VISIONS」、「INFINITE」の次に好きな作品として挙げるかもしれません。ちなみに日本盤ボーナストラックとして、⑥のTimo Kotipelto(Vo/STRATOVARIUS)バージョンが収録されています。Tobiasが歌う⑥はジャーマンメタル調なのに、同じ曲をKotipeltoが歌うといかにもSTRATOVARIUSらしいナンバーになってるのが印象的でした。やはりTimo Tolkkiの曲をTimo Kotipeltoが歌うことであの「STRATOVARIUSサウンド」が成り立っていたんだと改めて感じました。正式メンバーを揃えてバンドとして本格始動したREVOLUTION RENAISSANCE、後任ギタリストにMatias Kupiainenを迎えて活動を継続させていくSTRATOVARIUSの両方がヨーロピアンメタル界を牽引していく存在になってくれたら嬉しいなぁ。

【音源紹介】
・Last Night On Earth

【CD購入録】TRICK OR TREAT「TIN SOLDIERS」(2009)

  • 2009/04/29(水) 08:11:18

【CD購入録】
TIN SOLDIERS
TRICK OR TREAT「TIN SOLDIERS」(2009)

HELLOWEENのトリビュートバンドとしてキャリアをスタートさせ、2作目となる本作で日本デビューを果たしたイタリア出身のメロパワバンドTRICK OR TREATのアルバムを買いました。バンド名からして、モロにHELLOWEENフォロワー臭がプンプンしていて「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」時代のHELLOWEENを強く感じさせる音楽性です。でも、このバンドの場合はそんな「キーパい」質感を軸とした明るく爽やかなメロスピチューンだけでなく、ほんのり哀愁漂うミドル系でもメロディがしっかりしているのが好印象です。本作の目玉としてMichele Luppi(Vo/ex-VISION DIVINE)③Take Your Chanceに、Michael Kisike(Vo/ex-HELLOWEEN)⑤Hello Moon、⑧Tears Against Your Smileの2曲(③、⑧はデュエット形式)に参加しています。3曲とも疾走感控えめなのが残念ですが。バンドのシンガーAlessandro Conti(Vo)もKiskeへの強い憧れを感じさせるハイトーンボイスの使い手で、その実力はなかなかのもの。現在のところ、お気に入りチューンはバンドが標榜する「ピュア・ハッピー・メタル」という表現にピッタリな曲調の⑦Loser Songですね。メロスピらしいメロスピという意味では去年にアルバムを発表したSYMPHONITY(元のバンド名はNEMESIS)を連想しましたが、僕はこのバンドの方が好きかも。

【CD購入録】PLACE VENDOME「STREETS OF FIRE」(2009)

  • 2009/04/25(土) 17:32:27

【CD購入録】
PLACE VENDOME STREETS OF FIRE
PLACE VENDOME「STREETS OF FIRE」(2009)

Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)にメロディアス・ハードロックを歌わせる」というコンセプトの下に結成されたプロジェクトPLACE VENDOMEの2作目を買いました。デビュー作「PLACE VENDOME」(2005)はレコーディングメンバーでもあるDennis Ward(B/PINK CREAM69)が作曲も担当していましたが、今回はDennisが多忙のため、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ALLEN・LANDE etc)、Torsti Spoof(G/LEVERAGE)、Ronny Milianowicz(Ds/SAINT DEAMON、ex-DIONYSUS)、Robert Sall(G/WORK OF ART)といった外部アーティストが楽曲を提供しています。Kiske自身も語っているように本作の楽曲は前作以上にソフトなため、メロディアス・ハードロックというよりはAORに近いですね。胸躍る名曲こそありませんが、心地よく聴ける1枚です。そんな中、僕を惹きつけたのはビデオクリップも撮影したMagnus作の②My Guardian Angelかな。何だかこの曲を聴いてるとMichael KiskeとMagnus Karlssonがバンドを組んだら面白そうなのになぁと思ってしまいます。

Kiske:「PLACE VENDOMEの2ndでMy Guradian Angelを歌った時からMagnusのソングライティングには注目していたんだ。彼が他のアーティストに提供した楽曲を聴いた時には衝撃が走ったよ。翌日には彼に連絡をしてこう言ったんだ『僕とバンドを組まないか』ってね。もうメタルは歌わないと決めてたけど、彼とならもう一度やってみたいと思えたんだ。」

Magnus:「Michaelから連絡をもらった時は驚いたね。彼は僕にとってのスターだからすぐにOKしたよ!これまではいろんなプロジェクトを掛け持ちしていたけど、Michaelと組めるのなら僕たちのバンドに集中しなくちゃね。LAST TRIBEで一緒だったDick Lowgren(B)Jaime Salazar(Ds)に声をかけたら是非やりたいって言ってくれたんで、もうラインナップも固まってるんだ。既に何曲かは出来上がっていてMichaelの声を最大限に活かした素晴らしいものになっている。凄いアルバムになりそうだよ。」

なんてインタビュー記事がBURRN!に載らないかなぁと妄想してしまいました(笑)

HELLOWEEN「KEEPERS LIVE」(1989)

  • 2009/04/23(木) 08:36:40

KEEPERS LIVE
【No.129】
★★(1995)

HELLOWEENMichael Kiske(Vo)在籍時に残した唯一のライブアルバム。「KEEPER OF SEVEN KEYS」こそメロディックメタルの聖典であり、Kiskeが大のお気に入りシンガーである僕にとって「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 2」発表後の英国ツアーの模様を収めた本作は愛聴盤となってもおかしくないのですが、意外と聴くことが少ない作品です。

まず収録曲がたった7曲というのが物足りないし、超名曲Eagle Fly Freeも収録されていない選曲もちょっと不満かな。また③Future Worldではオーディエンスとの掛け合いもあるものの、ライブならではの勢いがあまり感じられず曲のテンポもスタジオ盤と同じか少し遅めというのも気になります。そんなほのぼのムードはKiskeのMCや曲間に「猫踏んじゃった」のフレーズが飛び出すという面にも表れていて、メタルバンドとしての攻撃性よりもHELLOWEENの個性でもあるコミカルさが強調されてるように思います。

とはいえ、Kiskeはライブでも素晴らしいハイトーンを響かせていて、楽曲の方は流石の出来栄えです。特にスタジオ盤「WALLS OF JERICHO」ではKai Hansen(G)の残念な歌唱で魅力が半減していた⑦How Many TearsがKiskeのボーカルで見事に生まれ変わっているので、この曲のためだけでも聴く価値はあるかもしれませんね。Andy Deris(Vo)時代のライブはCD2枚組やDVDとしてリリースされているのに、Kiske時代のライブ音源が本作のみというのが残念です。HELLOWEENは2009年に結成25周年を迎えるので、 Kiskeが歌ったライブテイクを掘り起こして「KEEPERS LIVE完全版」としてリリースしてくれないかなぁ。

【音源紹介】
・How Many Tears(Live)

PLACE VENDOME「PLACE VENDOME」(2005)

  • 2009/02/20(金) 08:37:09

PLACE VENDOME
【No.102】
★★★(2005)

ヨーロッパきってのメロディアスHR/HMレーベル「FRONTIERS RECORDS」の発案で始動したプロジェクトPLACE VENDOMEの1stアルバム。本プロジェクトのコンセプトはズバリ「伝説的シンガーMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)にメロディアス・ハードロックを歌わせる」というもので、作曲面についてはDennis Ward(B/PINK CREAM 69)がメインで担当しています。HELLOWEEN脱退後の作品においても、その美声は健在ながら肝心の音楽性が僕の好みともうひとつ合致せず、過去の偉人となった感もあるMichael Kiskeでしたが、今回は一味違います。これはコンポーザー兼プロデューサーのDennisが本作を制作するにあたり、Kiskeが過去に歌った全作品を聴き返し、彼のボーカルの旨みを研究した成果なのかもしれませんね。

PINK CREAM 69の路線に近いオープニングトラック①Cross The Lineを聴いた瞬間に、あのKiskeがHR/HMシーンに帰ってきたと期待が膨らみました。残念ながら、この曲が本作中最もハードな曲で、Kiske自身も「自分が歌うヘヴィな曲としてはCross The Lineが許容範囲の限界」とコメントしているようですが、この曲で聴ける彼の伸びやかなハイトーンはハードロックには最適だと思うし、やはり特別なヴァイブを感じさせてくれます。またHELLOWEEN時代にはそのハイトーンボイスに注目が集まりがちだったKiskeのボーカルも、年齢を重ねたせいか本作では高音以上に中低音域での深み、表現力の豊かさに更なる磨きがかかっていて惚れ惚れしてしまいます。この人の歌はホント別格ですね。

トータルで見れば楽曲的に今一歩かなと思いつつも、前述の①から②I Will Be Waiting、③Too Lateという冒頭の流れ、TERRA NOVA的な溌剌感が明るい空気を振り撒く⑥Place Vendome、ボーナスにするには惜しい⑪Photographなど、聴きどころもありHELLOWEEN脱退後にKiskeが全面参加した作品の中では最も好きな1枚といえそう。楽曲自体のお気に入り度は★★で、Kiskeが歌うと★★★になるという感じなので「Kiskeが歌ってナンボ」のアルバムという印象は拭えませんが、このプロジェクトのコンセプトを踏まえると実に順当な成功作と言えそうな1枚です。

・Place Vendome

TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA「THE SCARECROW」(2008)

  • 2008/11/25(火) 07:55:41

THE SCARECROW.jpg
【No.075】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第6位

EDGUYというバンドだけでなく、今やジャーマンメタル界のリーダーといえる存在になりつつあるTobias Sammet(Vo/EDGUY)が主宰するプロジェクトAVANTASIAの3作目。Tobias自身、AVANTASIAの3枚目のアルバムはないと公言していた時期もあっただけに、こうして3rdアルバムがリリースされたことはファンとして嬉しいですね。

このプロジェクトの目玉であるゲスト陣は相変わらずの豪華さです。ミステリアスな①Twisted MindRoy Khan(Vo/KAMELOT)、一般のボーカルものとしても通用しそうなバラード⑤What Kind Of Loveには女性シンガーAmanda Somaville、邪悪なムード漂う前半からキャッチーな後半になだれ込む⑦The Toy Masterには重鎮Alice Cooper(Vo)と今回初参加のメンバーのみならず、今やここでしかメタルを歌う声を聴けないMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)の伸びやかな歌唱が楽しめる超HELLOWEENタイプの疾走曲③Shelter From The Rainなど各シンガーの持ち味を活かしまくった楽曲を生み出すTobiasの作曲能力に改めて感服。が、しかし本作の美味しいトコを持っていったのはJorn Lande(Vo/ex-MASTERPLAN)ですね。ケルト風味のドラマティック大作②The Scarecrow、キャッチーな歌メロと躍動感が魅力の⑥Another Angel Downなどでの熱唱振りは他のどのシンガーよりも輝いてます。ちなみに演奏陣はパワーメタル界の名プロデューサーSascha Peath(G/ex-HEAVENS GATE)がギター、リズム隊はTobias自身がベース、Eric Singer(Dr/KISS etc)がドラムというバンド形態を基本にKai Hansen(G, Vo/GAMMA RAY)、Rudolf Shenker(G/SCORPIONS)がゲスト参加しています。

アルバム全体としてはEDGUYと呼応するかのようにメロディックパワーメタル色は後退しているので、パワーメタルの王道的作品を求めるとやや厳しいかもしれませんが、過去2作以上にバラエティに富んだ楽曲が揃っていて、そのどれもが耳に残るメロディを持っているのは流石。すでに「THE SCARECROW」後編の制作も決定しているらしいので、次回作にも期待大ですね。

【音源紹介】
・Shelter From The Rain

TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA「THE METAL OPERA PART 2」(2002)

  • 2008/11/23(日) 07:58:45

THE METAL OPERA PART 2.jpg
【No.074】
★★★★(2002)

若き天才Tobias Sammet(Vo/EDGUY)によるソロプロジェクトAVANTASIA待望の第2弾。メロディックメタルとして、圧倒的な完成度を誇ったPART 1と同時期にレコーディングされていた本作は、絵に描いたようなジャーマンメタル作品だった前作に比べると更にシンフォニックなものはより壮麗にしつつ、ハードロックサウンドも取り入れ曲の幅を広げてきたように感じます。参加メンバーも前作同様の豪華なメンツに加え、気品ある英国ボイスが魅力のBob Catley(Vo/MAGNUM)が参加してるのも注目。

いきなりクライマックスかというほど大仰でドラマティックな大作①The Seven AngelsからAVANTASIAストーリーの後編はスタート。ゲストシンガーの大半が参加し、入れ替わり立ち代り歌い上げる14分の感動絵巻はこの手の音楽が好きな人にとっては至福のひと時となるでしょう。その後はコンパクトにまとめられた楽曲が続き、TobiasとMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)のデュエットで高揚感あるメロディが歌われるジャーマンチューン②No Return、Bob Catleyの渋い歌声がはまるバラード④In Quest ForAndre Matos(Vo/ex-ANGRA)Kai Hansen(Vo、G/GAMMA RAY)がボーカルを分け合い、サビではTobiasが「Welcome To Avantasia~♪」と歌い上げる本作最高の疾走曲⑧Chalice Of Agonyを筆頭にハイクオリティな楽曲が揃っています。

気になるのは「METAL OPERA」の名を冠している割には、音楽的には各曲のつながりが希薄でオペラ作品というより優れたシンフォニックメタル作品になってるということ。豪華絢爛な①を冒頭に持ってきて終盤はどう盛り上がるのかと期待してたのに、淡白なラスト⑩Into The Unknown(いい曲なんですけどね)でAVANTASIAストーリーが締めくくられてしまってるのが残念。純粋に一つの作品として見た場合は美味しいメロディがテンコ盛りなので、その辺りは気にしないでいれば十分楽しめる1枚です。

【音源紹介】
・The Seven Angels(前半部分)

TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA「THE METAL OPERA」(2001)

  • 2008/11/21(金) 09:59:06

THE METAL OPERA.jpg
【No.073】
★★★★★(2001)
年間ベスト2001年第2位

新世代ジャーマンメタルバンドEDGUYの若きフロントマンTobias Sammet(Vo)が自ら作ったファンタジック・ストーリーを展開させるコンセプトアルバム。このアルバムの目玉は何といっても豪華すぎるゲストでしょう。主なところを挙げてみても、伝説のハイトーンシンガーMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)をはじめ、Rob Rock(Vo/ex-IMPELLITERI)、Oliver Heartmann(Vo/ex-AT VANCE)、Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN)といったメタル界の実力派シンガーに加え、麗しのエンジェリックボイスの持ち主Sharon Den Adel(Vo/WITHIN TEMPTATION)他多数のゲストシンガーが参加しています。そしてバックを支える演奏陣もHenjo Richter(G/GAMMA RAY)、Markus Grosskopf(B/HELLOWEEN)、Alex Holzwarth(Ds/RHAPSODY)(曲によってゲストプレーヤー参加)というメンツで、このラインナップ見ただけで興奮してしまいます。

これだけのメンバーを集めたTobiasの人望とゲストシンガー陣にも引けをとらない堂々たる歌唱に感心しきりですが、ここに収録されている曲のなんと素晴らしいことか。一聴して思い出したのは、HELLOWEENがメタル界に残した金字塔的アルバム「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」ですね。序曲からジャーマンメタルの王道を行く疾走曲②Reach Out For The Lightに始まり、キャッチーなサビを持つ③Serpents In Paradiseはいわゆる「キーパーなメロディ」が魅力の曲でHELLOWEENのFuture WorldRise And Fallの雰囲気を感じさせます。2005年に「本家」HELLOWEENが「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」の続編を発表したけど、このアルバムの方がキーパーらしいメロディが味わえます。それ以降も抜群のメロディを持った曲が続きますが、Andre Matosの繊細な歌声がはまっているバラード小曲⑪Inside、威厳に満ちたミドルチューン⑫Sign Of The Cross、クライマックスを飾る10分の大作で完成度の高い疾走曲⑬The Towerと異なるタイプの曲調で畳み掛けるアルバム終盤は圧巻です。

「METAL OPERA」というタイトルから想像するほど、オペラティックな要素はなく基本的な音楽性はEDGUYと大差ないけど、本作以前にリリースされたEDGUYのどのアルバムよりも好きです。「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 3」というフレコミで聴いたとしても、僕はすんなり受け入れられそうなアルバム、即ちメロディック・パワーメタルの名盤ということですね。

【音源紹介】
・Sign Of The Cross(Live)
後半は「THE METAL OPERA PART 2」(2002)の1曲目The Seven Angelsです。