【CD購入録】BRUNO MARS「UNORTHODOX JUKEBOX」(2012)

  • 2017/04/28(金) 00:00:00

【CD購入録】
UNORTHODOX JUKEBOX
BRUNO MARS「UNORTHODOX JUKEBOX」(2012)

ソロデビュー前から他のアーティストに提供した曲がヒット、1st「DOO WOPS & HOOLIGANS」(2010)を発表するや、こちらも大ヒットを記録し「キング・オブ・メロディ」と呼ばれるようになったBruno Marsの2作目を買いました。デビューアルバムも珠玉のメロディが詰まった1枚でしたが僕としては本作の方が気に入っています。Bruno Marsというアーティストに関心を持った直後に調べてみるとYouTubeで全曲試聴できたので数曲聴いてみたのですが即座に購入を決めました。オープニングの①Young Girlsは「舞い降りてきたメロディ」と表現したくなる旋律だし、ビルボードチャートで6週連続1位を獲得したという②Locked Out Of Heavenで聴ける「ウゥ!」も耳から離れません。曲によって表情は異なるものの、どれもフック満載のメロディを持っていてBruno Marsというソングライターの力量を見せつけてくれます。コンパクトな楽曲が10曲並び約35分というボリュームもいいですね。しばらくは至福のメロディとBrunoの絶品ボーカルに溢れた本作のリピートから抜け出せそうにありません。

【CD購入録】BRUNO MARS「DOO WOPS & HOOLIGANS」(2010)

  • 2017/04/24(月) 00:00:00

【CD購入録】
DOO-WOPS AND HOOLIGANS
BRUNO MARS「DOO WOPS & HOOLIGANS」(2010)

ハワイ出身のシンガーソングライターBruno Marsの1stアルバムを買いました。普段HR/HMを主に聴いている僕は彼のことを全くと言っていいほど知らなかったのですが、シングルが全米1位に輝いたり、グラミー賞を2度受賞したりするなどかなり有名なアーティストのようです。相互リンク先のむーじゅさん(はぐれメタラーの音遊生活)の記事を読んでBruno Marsに興味を持ちました。いざ聴いてみると、いきなり全米No.1ソング2連発となるアルバム冒頭①Grenade、②Just The Way You Areからして美メロが炸裂。それ以降もムーディーな③Our First Time、ファンキーに駆けていく④Runaway Baby、曲名通りのけだるいムードに包まれた⑤The Lazy Song、一転してハッピーな曲調で楽しませてくれる⑥Marry You、メロウなバラード⑦Talking To The Moonなど様々なタイプの楽曲を聴かせてくれます。どこか懐かしく感じる80年代ポップスを軸にしつつR&B、ヒップホップやレゲエの要素も感じられ、あっという間に聴けてしまう1枚ですね。本作と一緒に2nd「UNORTHODOX JUKEBOX」(2012)も買ったので、そちらの記事も近々書こうと思っています。

【CD購入録】ベッド・イン「RICH」(2016)

  • 2017/04/12(水) 00:00:00

【CD購入録】
RICH.jpg
ベッド・イン「RICH」(2016)

おみ足担当・益子寺 かおり(Vo・通称かおり・ジャケット左)、パイオツカイデー担当・中尊寺まい(Vo、G・通称ちゃんまい・ジャケット右)の2人によって結成されたアイドルユニットベッド・インの1stアルバムを買いました。彼女達のことは全く知らなかったのですが「90年代バブル系地下セクシーアイドルユニット」がコンセプトのようで、ボディコンが基本スタイルでライヴ(彼女達曰くおギグ)では下ネタも交えた過激なパフォーマンスで注目を集めているようです。僕も最初はイロモノかと思っていたのですがPVも制作された①「GOLDの快感」、②「♂×♀×ポーカーゲーム」、⑩「C調び〜なす!」を試聴したところ良さげだったので買ってみました。いざ聴いてみると歌謡曲風のメロディやド派手なシンセサウンドなど懐かしさを感じる要素が多々あってニヤリとしてしまいますね。ラップソング⑤「成りアガり VICTORY」などは僕の好きなタイプの曲ではないのですが、この手の歌が流行っていた90年代を思い出しながら聴いています。お気に入りは哀愁のメロディが堪らない⑥「太陽を信じて…」ですね。かおりの厚みのある歌声、ちゃんまいの媚びた感じの甘い歌にスポットを当てたそれぞれのソロボーカル曲⑦「ROSA-涙のバリライト-」、⑧V.H.S.もあります。また彼女達はバンド形態での活動に拘りがあるようでパートタイムラバーズというバックバンドが演奏を支えているし、インタビュー記事を読んでいてもバブリーで下ネタ満載の中に真面目な一面が垣間見ることができるのも好印象。最近はテレビ等への出演も増えているようなので世間での注目度が上がってブレイク、なんてこともあるかもしれませんね。

THE RASMUS「THE RASMUS」(2012)

  • 2015/12/04(金) 00:00:00

THE RASMUS
【No.456】
★★★(2012)

前作「BLACK ROSES」(2008)をリリース後、出世作の5th「DEAD LETTERS」(2004)以降の楽曲を中心に構成されたベスト盤「THE BEST OF THE RASMUS」(2010)を発表、2011年にはフロントマンLauri Ylonen(Vo)LAURI名義で初のソロアルバム「NEW WORLD」(輸入盤のみ)を制作するなどしていたTHE RASMUSの8作目。「DEAD LETTERS」に魅せられ過去作品を大人買いし、6th「HIDE FROM THE SUN」(2005)以降も欠かさずチェックしてきた僕ですが前作「BLACK ROSES」(2008)を聴いて美しいメロディに酔いしれつつも、ここ数作は同路線が続いたこともあり手詰まり感を抱いていました。今回もメロディ重視のミッドテンポが主体なのですが、心を揺さぶる泣きメロを軸にした従来路線から爽やかな曲調の中に仄かな哀愁を閉じ込めた楽曲をメインとした作風にシフトしています。

そんなアルバムの特徴はオープニングから如実に表れていて、前奏もなく「I can't believe that it's over〜♪」という幻想的な歌い出しからジワジワと盛り上がっていく①Strangerで早くも違いが感じられるし、シングルにもなったダンサブルな②I'm A MessもTHE RASMUSにしては明るめのナンバーです。THE RASMUSらしい哀感を持った③It's Your Night、④Save Me Once Againにしても泣きよりも優しさに満ち溢れた旋律がとにかく心地よいですね(特に④におけるLauriのエモーショナルな歌唱には神々しさを感じるほど…)。それ以外にも切なさの中に希望を感じさせるメロディが光る⑥End Of The Story、アルバムのポップサイドを象徴する⑦You Don't See Me、5th〜6thの頃に近い雰囲気が感じられる本編ラスト⑩Skyなども気に入っています。

エキサイティングな展開や高揚感はありませんが、聴き手を優しく包み込む楽曲群はひとつの物語を紡いでいくかのようで、聴き終えた時には穏やかな気持ちになっている自分に気づきます。4th「INTO」(2001)で確立した哀メロサウンドは僕の好みど真ん中でしたが、この路線では結局「DEAD LETTERS」を越えられないようにも思えたので本作のような方向転換は個人的にはアリですね。デビュー当時に比べると音楽性が大きく変わったバンドなので、ここから先どのように変化していくか楽しみにしていたら本作リリースから半年もしないうちにバンドは無期限活動休止することを発表してしまいました。このアルバムをセルフタイトルにしたのは、これがバンドの集大成になる可能性を見越してのことだったのかもしれません。ただしライブ活動は継続しているようなので、いつか新作を届けてくれると信じています。

【音源紹介】
I'm A Mess

【CD購入録】LAURI「NEW WORLD」(2011)

  • 2015/12/01(火) 00:00:00

【CD購入録】
NEW WORLD
LAURI「NEW WORLD」(2011)

THE RASMUSのフロントマンLauri YlonenLAURI名義で発表した初のソロアルバムを買いました。バンドの新曲用の曲作りを進める中でTHE RASMUSらしくないものができあがったため、ソロとして発表することになったそうです。こうして聴いてみると、かなりロック色は薄くエレクトロポップと呼べそうな曲もあるので確かにTHE RASMUSの曲としては違和感があるもののアレンジ次第ではバンド名義でも問題なさそうな哀メロチューンもあり、その最たる例がシングルカットもされた②Heavy、⑤In The Cityの2曲ですね。オープニングを飾る①Disco-nnectの曲名に象徴されているようにディスコ調のアレンジが目立つためTHE RASMUSファンとしては微妙な作品ですがLauriのメロディセンスを味わうことができる1枚ではあると思います。

USER of a common name「FREEWAY」(2006)

  • 2015/10/28(水) 00:00:00

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【No.450】
★★★(2006)

母国スウェーデンから約2年遅れで1stアルバム「USER」の日本盤が2005年にリリースされるや、直後に来日公演を行うなど上々の日本デビューを果たしたUSER of a common nameの2作目。溌剌としたポップサウンドと程よい歌謡曲テイスト、ほんのり漂う哀愁といった要素が評価されたのか、本作は日本先行発売となっています。今回もデビュー作で提示していたバンドの強みは健在で「ソフトな曲はソフトに仕上げ、ハードな曲にはヘヴィなサウンドを施した」とメンバーが語る通り、一段とメリハリが強調された作風に仕上がっていますね。

まずはオープニングの①Don't Stop Loving Meが前作のハイライトチューンDo Youを彷彿とさせるアップテンポで掴みはバッチリ。その流れを引き継いだ佳曲②I Will Get Over Youを挟んで繰り出される③Miss Wantedはライナーノーツで「昭和のアイドル歌謡(褒め言葉)」と評されたナンバーで一度聴いたら耳から離れないメロディが強力だし、徐々に盛り上がっていく展開に引き込まれる哀愁ミドル④St.Deniseなど前作の流れを汲みつつ一回り成長したバンドの姿を見せてくれます。そして今回のアルバムの作風を象徴するのが⑤I Believeでしょう。デビュー作ではあり得なかったほどのヘヴィネス、終盤にはLinda Karlstedt(Vo)らしからぬシャウトもフィーチュアしつつサビはメロウな1曲となっています。ピアノをバックにLindaが切々と歌うパートで始まる7分の大作⑥Freeway、エモーショナルな⑧Someoneなどのバラードもなかなかの出来。アルバム前半に比べると後半の楽曲がやや弱く感じられますが、演歌に通じる悲哀を帯びた本編ラスト⑫A Widow's Griefが素晴らしいため聴き終えた時の満足度は高いですね。

楽曲面では相変わらず僕のツボにハマるものとそうでない曲が混在しているため、1枚のアルバムとしては物足りなさが残ることは否定できません。とはいえ前作から成長した姿を見せてくれているのも事実で、特にLindaのボーカルパフォーマンスは従来の可愛らしさに加えて、歌い回しに艶っぽさが感じられるなど更に表現力がアップしていますね。楽曲の振り幅も大きくなった本作は、デビュー作以上にバンドが自分達のやりたいことを追求したアルバムと言えるのではないでしょうか。順調に活動していくかに思えたUSERですがLindaの健康問題(椎間板ヘルニア)やレーベルとの関係性が悪化したことなどからバンドは解散。その後はどのメンバーも表立った音楽活動はしていないようです。

【音源紹介】
Don't Stop Loving Me

USER of a common name「USER」(2005)

  • 2015/10/25(日) 00:00:00

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【No.449】
★★★(2005)

男女2名ずつからなるスウェーデン出身のポップロックバンドUSER of a common nameの1stアルバム。本国では2003年にリリースされていたようですが日本ではボーナストラック⑫Insideを追加、PV3曲入りのDVD付きの2枚組て税込2,300円というお得な仕様で2005年に発売されています。ちなみに元々のバンド名はUSERだったものの、カナダの同名バンドからクレームが入ったためUSERの後に「of a common name」を追加したのだとか。バンドの中心となっているのは10代の頃から一緒に音楽活動をしているLinda Karlstedt(Vo)、Sussi Janjic(Ds)の女性メンバー2人で、作曲面のイニシアチブも彼女達が握っています。男女混合バンドというと男性メンバーが曲を書き、女性ボーカルが歌うイメージが強かったので彼等のような体制は珍しいように思いますね。

音楽性はキャッチーかつ爽やかなポップロックで、北欧ならではの哀愁が所々で顔を覗かせます。本作のハイライトは何と言っても②Do Youですね。突き抜けたサビメロはインパクト抜群で初めて聴いた時からお気に入りナンバーでした。それ以外にも気だるいメロディで進行していきサビで視界がパッと開ける①Hide、歌謡曲テイストが僕の琴線に触れまくりの⑤To Feel、癒しの旋律が胸に沁みる⑧Fabulous、繊細なバラード⑩Right Words、軽快に駆け抜けるパンキッシュな⑪Youthなど印象に残る曲が多いですね。なお②はALOHA FROM HELLというドイツの女性ボーカルバンドがタイトルと歌詞を一新してNo More Days To Wasteという曲名でカバーしています。

そんな楽曲群を歌うLindaはキュートな声質でありながら、時には力強く歌うこともできるシンガーで楽曲の魅力を増幅してくれていますね。またアレンジについてもポップ一辺倒になるのではなく適度にヘヴィだというのもHR/HMリスナーとしては嬉しいポイント。惜しむらくは②や⑤を始めとする上記お気に入り曲と、その他の曲との差が結構あるように感じられるため1枚のアルバムとして聴くと良作止まりになっていることでしょうか。とはいえメロディックロックファンなら聴いて損はない作品だと思います。

【音源紹介】
Do You

BBMAK「SOONER OR LATER(U.S.A VERSION)」(2000)

  • 2015/01/19(月) 00:00:00

SOONER OR LATER USA
【No.415】
★★★★(2000)
年間ベスト2000年第9位

大学時代に友人から「これいいよ」と薦められてその存在を知ったイギリス出身の男性3人組ボーカルグループBBMAK(ビービーマック)のデビューアルバム。グループ名はMark Barry(Vo)、Christian Burns(Vo、G)、Stephen McNally(Vo、G)というメンバーの名前から取られているようです。美形揃いのルックスから、見た目重視のアイドルグループかと思いきや音の方はアコースティック主体の高品質ポップスに仕上がっていて、いい意味で予想を裏切られました。外部ライターによる楽曲もいくつかあるものの、基本的にはメンバー達がソングライティングしているのも好印象。友人が貸してくれた「SOONER OR LATER」は世界に先駆けて日本を含むアジア諸国で1999年にリリースされた全11曲入りのオリジナル盤、僕が持っているのは翌年にオリジナル盤から選ばれた6曲に新曲7曲(⑬Mary's PrayerはボーナストラックでGary Clarkのカバー)を加えた全米デビュー記念盤です。ちなみに2001年には本作から⑬を外して新曲2曲を追加、曲順も一新して母国イギリスでリリースしたUK盤も発表されていて1枚のアルバムが3パターンも存在するというややこしい事態となっています(苦笑)。

そんな事情はさておき中身は素晴らしいの一言。ポップセンスとメロウな雰囲気、美しさを併せ持ったメロディ、聴きやすい英語で歌われる歌詞、そして3人による見事なコーラスワークがBBMAKの強みですね。アルバム前半6曲は、このUSAバージョンのために書き下ろされた新曲でオリジナル盤の収録曲以上に僕好みのものが多く、中でも「ラ~ヴ、イ~ズ、アンプレディクタボー♪」というサビをつい口ずさんでしまうポップチューン③Unpredictable、分厚いハーモニーをフィーチュアしたバラード④Ghost Of You And Meがハイライトですね。インタールード的な役割を果たす1分弱の⑥Always以降はオリジナル盤からのナンバーで構成されていて、これまた佳曲揃い。特に記念すべきデビューシングル⑦Back Here、落ち込んだ時に聴くと元気を与えてくれそうなセカンドシングル曲⑩Still On Your Sideは出色の出来です。

BBMAKがデビューした当時は男性ボーカルグループ全盛期でBACKSTREET BOYS*NSYNCなどの方がもてはやされていたので彼等のアルバムも聴いてみたりもしましたが、このジャンルでの僕の一押しは断然BBMAKですね。どれくらい好きだったかというと新曲を聴きたいがために後日、本作のUK盤も買ってしまったほどです(中古ですが)。それほどツボにはまったアーティストだっただけに彼等が2nd「INTO YOUR HEAD」(2002)をリリースした後、2003年に解散してしまったことが残念でなりません…。オリジナル盤、UK盤のジャケットと概要をまとめると以下のようになるかと思います。ちなみに僕のお気に入り度としてはUSA盤とUK盤が同等、オリジナル盤は一歩譲るかなという感じです 。

SOONER OR LATER
BBMAK「SOONER OR LATER」(1999)
世界で最も早くリリースされたBBMAKのアルバムは日本盤でした。7曲目~11曲目はUSA盤には未収録(⑪More Than WordsはあのEXTREMEのカバー)。

SOONER OR LATER UK
BBMAK「SOONER OR LATER(UK VERSION)」(2001)
アジアでリリースされたオリジナル盤、全米デビューを飾ったUSAバージョンに続き、彼等の母国イギリスでリリースされた3枚目の「SOONER OR LATER」。新曲については飛び抜けたものはないけれどBBMAKらしさに溢れた⑧If I Could Fly、⑪Save Me Tonight、更にシークレットトラックとして彼等にしてはヘヴィなギターを取り入れたインストが追加されています。曲順も変更されていますが「Back HereはこのUK盤やオリジナル盤のように1曲目にあるべき」というのが持論です。

【音源紹介】
・Still On Your Side

【CD購入録】AKANE LIV「LIV」(2014)

  • 2014/12/18(木) 00:00:00

【CD購入録】
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AKANE LIV「LIV」(2014)

2009年にデビューして以降、精力的に活動し2012年までに4枚のフルアルバムを発表してきた国産シンフォニック・メタルバンドLIV MOONでその美声を響かせるAkane Liv(Vo)初のソロアルバムを買いました。「誰もが聞いたことのあるクラシック曲をモチーフにした曲作り」をテーマにクラシックフレーズを取り入れたナンバーが並んでいます。作品テーマとしては今更感が強いし、HR/HMに通じる要素はほとんどありませんがAkane嬢の卓越した歌唱力もあって、なかなか良い感じに仕上がっています。楽曲的にはバッハの「トッカータとフーガ」をモチーフにした②NIGHT PARADEとベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」を取り入れた④HIKARIのインパクトが大きいですね。先行シングル「NIGHT PARADE」にこれら2曲が収録されているのは納得だし、パッヘルベルの「カノン」をフィーチュアしたというReborn(シングルにのみ収録)も聴きたくなってきます。あと宝くじのCMでも使われているモーツァルトの「怒りの日」で曲が始まる⑦Close Your Eyesを聴いた時にはギバちゃんと妻夫木クンの顔が浮かびました(笑)。

【CD購入録】家入 レオ「純情」(2014)、「Silly」(2014)

  • 2014/12/09(火) 00:00:00

【CD購入録】
福岡出身のシンガーソングライター家入 レオのシングル2曲をダウンロード購入しました。

純情
家入 レオ「純情」(2014)

我が家の息子達がハマっていることもあって、毎週日曜日の朝は一緒に「ドラゴンボール改」を見ています。そのエンディングテーマとして出会ったのがこの曲。家入 レオというアーティストの曲をちゃんと聴くのは今回が初めてで、鋭い眼差しと凛とした表情が印象的だというイメージしかありませんでしたが彼女の歌はなかなか魅力的ですね。この曲は軽快なテンポで進み「ドンマ〜イ♪」と歌うサビがインパクト抜群のナンバーで、初めて聴いた時から子供達も口ずさんでいたほどです。

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家入 レオ「Silly」(2014)

10月から放送されている連続ドラマ「Nのために」(原作:湊 かなえ)の主題歌。僕はあまり連ドラを見ないのですが10月以降の金曜日は子供を寝かしつけた後に、お酒を飲みながら夫婦でこのドラマを見るのが密かな楽しみになっています。ドラマはざっくり言うと恋愛ミステリーで、要所要所で挿入されるこの曲がドラマの世界観と見事にマッチしていると思います。切なくも儚い、それでいて温かみのあるナンバーで「純情」とは対照的なバラードですね。余談ですが「素敵な選TAXI」というドラマも欠かさず見ています。

クレジットを見るとどちらの曲も歌詞は家入 レオ本人によるものですが、作曲は西尾 芳彦という人物が手掛けています。気になったので調べてみるとYUI絢香をプロデュースした人物でもあるようですね。「純情」、Sillyともに僕好みのメロディなので、この人の名前は覚えておこうと思います。

BRAINS BEAT BEAUTY「FIRST CAME MOSES, NOW THIS… 」(1997)

  • 2014/07/05(土) 00:00:00

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【No.400】
★★★★★(1998)

スウェーデンの男性ポップデュオBRAINS BEAT BEAUTYが1997年に発表した1stアルバムにして現時点で唯一の作品。中心となっているのはGoran Danielsson(Vo)なる人物で、その相棒を務めるのは本作リリース当時は活動休止中だったEUROPEのドラマーIan Haugland、またMic Michaeli(Key/EUROPE)も数曲に参加しています。ライナーノーツによるとグループ名は「知は美に勝る」という慣用句「BRAINS BEFORE BEAUTY」のBEFOREをBEATに置き換えたもので「ルックスだけのグループより、素晴らしい音楽をやってる俺達の方が売れるに決まってる!」という意味が込められているようです。確かに中心メンバーの2人はイケメンという言葉とは無縁のオジサマなので言い得て妙なネーミングかもしれません(笑)。

僕はBURRN!誌上で藤木さんが本作を取り上げていたのがきっかけで彼等のことを知り軽い気持ちで買ってみたのですが、いざ聴いてみるとMY琴線に触れまくりなメロディの数々に圧倒されました。BRAINS BEAT BEAUTYサウンドにとって重要なファクターであるストリングスで幕を開ける①Where Broken-Hearted People Go、バッキングで流麗に舞うピアノが印象的な②Live At The Opera Houseの時点でかなりの手応えを感じていましたが、本作の本領が発揮されるのはそれ以降でした。ゆったりとしたメロディがとにかく心地よい③Shine A Light、抜群の歌メロセンスが光るミディアムチューン④I Close My Eyes、30秒足らずの小インスト⑤Politicsを挟んでこれまでとは打って変わってポップに弾ける⑥Open Heart、Micが奏でるピアノによるイントロの時点で名曲認定の極上バラード⑦Heroesと続く流れは超強力。⑧Tiger's Eyeではこちらが「ギョッ」となるくらいコミカルなテクノサウンドを導入していたり、⑦までが素晴らしすぎるためアルバム後半で少しテンションが下がり気味だったりしますが本編ラストをバラード⑪Steinway & Sons And Meで綺麗に締めくくっている点はお見事。それに加えてアカペラで魅せてくれる⑫Hurry Home、軽快なポップソング⑬Life In The Undergroundといったボーナストラックにも抜かりはありません。ちなみに本作はコンセプトアルバムだそうですが、情報が少ないためその内容はよくわかりません(歌詞を読む限り恋愛ストーリーのようです)。

そんな素晴らしい楽曲を歌うGoranの低音域メインで深みがあるボーカル、それを包み込むストリングスアレンジと効果的に配されたバックのハーモニーや女声コーラスが曲の更なる魅力を引き出すことに成功しているし、④などで顕著なMikael Larsson(G)の情感に満ちたプレイもいいですね。僕はYNGWIE MALMSTEENHELLOWEENがきっかけでHR/HMを聴くようになり、中でも北欧のアーティストが出す音が好きでいろいろ聴き漁りましたが本作は北欧哀メロハードポップの名盤MIKAEL ERLANDSSON「THE 1」(1995)ERIKA「COLD WINTER NIGHT」(1990)に勝るとも劣らない1枚だと思っています。それだけに、これほどのアルバムが現在廃盤だという事実が信じられません。ビクターから発売されていた国内盤を見ると①に「彷徨うハート」という邦題が付けられていて、当時はそれなりに注目されていたことが窺える節もあるんですけどね…。

【音源紹介】
・Where Broken-Hearted People Go

ERIC CARMEN「WINTER DREAMS」(1998)

  • 2014/04/30(水) 00:00:09

WINTER DREAMS
【No.396】
★★★★(1998)
年間ベスト1998年第5位

オハイオ州クリーブランド出身のシンガーソングライターEric Carmenによる前作から13年振りとなる6thアルバム。僕はBURRN!誌上の今月のおすすめコーナーで藤木さんが本作を取り上げていたのがきっかけでEricのことを知ったのですが、彼は70年代のポップミュージックシーンで一世を風靡したバンドRASPBERRIESの中心人物でバンド解散後はソロに転向してヒットを飛ばしていたようです。中でもラフマニノフの「ピアノ協奏曲」を取り入れた名曲All By Myselfは世界の歌姫Celine Dionを始めとする多くアーティストにカバーされたり、日本ではCMソングに起用されるなどしていてEricのことを知らなかった僕もこの曲は聞き覚えがありました。

本作で聴くことができるのは「夢の面影」という邦題、幻想的なモノクロジャケットから連想される通り、どこまでも甘くセンチメンタルなメロディの数々。アルバムからのファーストシングルとなった①I Was Born To Love Youは作品を象徴するかのような優しさに溢れたラブバラード、それに続くセカンドシングル曲②Someone That You Loved Before(過ぎゆく恋)もバラードなのですがDiane Warrenとの共作でもあるこちらはメロディがより重厚で歌詞も失恋をテーマとするなど前曲とは対照的です。③Every Time I Make Love to You(愛を奏でよう)もまたまたバラードでヒットソングのお手本的なこの曲までを聴いて「個々の曲は魅力的だけれど同系統が続くのはちょっと…」と思っていたら④Cartoon Worldは楽しげな手拍子を伴ったポップチューンでいいアクセントになっています(というかこの曲は単体としてもかなりのお気に入り)。そして本作のハイライトとなっているのが⑤Almost Paradise(パラダイス~愛のテーマ)。この男女デュエットによるバラードは映画「フットルース」のためにEricが手掛けたもので、オリジナルではMike Reno(Vo/LOVERBOY)Ann Wilson(Vo/HEART)が歌っていました。今回のセルフカバーではEricがJaney Clewerなる女性シンガーとデュエットしていて個人的には本作のバージョンの方が好きですね。それ以降も楽しげな曲調の⑥Top Down Summer、タイトル通りのロマンチックなムードに包まれる⑦Isn't It Romantic、④と並んで本作のポップサイドを担う⑧I Could Really Love You、EricがかつてPeter Cetera(Vo/ex-CHICAGO)に提供した好バラードのリメイク⑩I Wanna Take Forever Tonightなど彼の優れたメロディセンスが遺憾なく発揮されたアルバムとなっています。

そんな楽曲群を歌い上げるEricの歌声は温かくて繊細、それでいて曲によっては力強く響いていて各曲をより一層魅力的なものとしてくれています。普段HR/HMを中心に聴いている僕にとってはサウンドがソフト過ぎる感はあるものの、作品全体が醸し出す穏やかな空気が実に心地いいんですよね。ただ13年振りの作品でありながら前述の⑤と⑩はセルフリメイク、⑨Caroline, NoTHE BEACH BOYS⑪Walk Away Renee(いとしのルネ)THE LEFT BANKEのカバーなのでEricの新作を長年待ちわびていた人にとっては腑に落ちないかもしれませんね(ちなみに⑪はオーストラリアのシンガーソングライターRick Priceもカバーしていて個人的にはあちらの方が好きです)。このアルバムでEricと出会った僕は書き下ろし曲が少ないことは気になりませんでしたが、本作発表から15年以上が経過した2014年になってもニューアルバムの情報が入ってこず待ちくたびれた状態なので、もし次回作の3分の1がリメイクやカバーだったらガッカリするかも…。いつかEricの新曲が聴ける日が来ると信じて気長に待ちたいと思いますが、彼の寡作っぷりはギター仙人Uli Jon Roth以上ですね(苦笑)。なお本作は母国アメリカでは2000年になって「I WAS BORN TO LOVE YOU」というタイトルで発売されています。

【音源紹介】
・I Was Born To Love You

【CD購入録】LINDA BENGTZING「MIN KARUSELL -EN SAMLING」(2011)

  • 2012/09/05(水) 00:00:00

【CD購入録】
MIN KARUSELL EN SAMLING
LINDA BENGTZING「MIN KARUSELL -EN SAMLING」(2011)

元BURRN!、現METALLION誌の藤木さんのオススメでその存在を知り「INGENTING ATT FORLORA」(2006)を聴いて一気にファンになったスウェーデン人女性シンガーLINDA BENGTZINGのベスト/企画盤を買いました。購入前はオリジナル作品だと思い込んでいたので、既発アルバムからのベスト選曲が並ぶ序盤(①Hur Svart Kan Det Va~⑤Jag Ljuger Sa Bra)を聴いて焦りましたがアルバム未収録曲(⑥E Det Fel Pa Mej~⑩Karlekens Barn)も収録されていてホッとしました。それ以降はカラオケバージョンが4曲収められていて全14曲となっています。CDを買う時にはよく調べないといけませんね、反省…。6曲目以降の音源はLindaが他のアーティストとの共作名義でシングルとして発表したものがメインとなっているようで、僕の琴線に触れたのは強力なサビを持つ⑥ですね。どうやらこの曲にはデビュー作収録曲の一部にもクレジットされていたThomas G:son(G/MASQUERADE)がソングライターとして関与している模様。彼にはもっと活躍してもらいたいですね。過去2枚のアルバムを持っている僕にとっては純然たる新曲が5曲だけなので少し食い足りない気もしますが、その5曲はどれも楽しめました。Lindaの作品群を一通りチェックしてみた現時点での印象としては出会いのインパクトも含めてデビュー作が一番のお気に入りで、その後に2nd「VILD & GALEN」(2008)と本作がほぼ同率で続くという感じでしょうか。

【CD購入録】LINDA BENGTZING「VILD & GALEN」(2008)

  • 2012/09/03(月) 00:00:00

【CD購入録】
VILD  GALEN
LINDA BENGTZING「VILD & GALEN」(2008)

極上の北欧ハードポップが詰まった1stアルバム「INGENTING ATT FORLORA」(2006)が素晴らしかったスウェーデンの女性シンガーLINDA BENGTZINGの2作目を買いました。今回も前作と同じく3分台とコンパクトでありながら耳に残る楽曲が目白押しなので安心して聴ける1枚だと思います。基本線は前作と同じでありながら、美しいメロディを紡いでいくしっとり系バラード④Idag,Imorgen & Igar、それとは対照的に情熱的なサウンドで迫って来るタイトルトラック⑦Vild & Galenなど、楽曲のレパートリーが少し広がったようにも感じますが作品トータルで見ると前作に軍配が上がるかな。とはいえ本作も長く愛聴していくアルバムになりそうな予感がしています。

【CD購入録】LINDA BENGTZING「INGENTING ATT FORLORA」(2006)

  • 2012/08/31(金) 00:00:00

【CD購入録】
INGENTING ATT FORLORA
LINDA BENGTZING「INGENTING ATT FORLORA」(2006)

HR/HMを聴き始めた頃から、どんなバンドを聴くかを考える際に大いに参考にさせてもらっていた藤木さんがBURRN!編集部を離れるというニュースは2012年上半期の中でも大きな出来事でした。それがきっかけで過去に藤木さんがお薦めされていたアルバムの中で未聴のものを振り返ってみた時に思い出したスウェーデンの女性シンガーLINDA BENGTZING(カタカナ表記はリンダ・ベンツィング?)の1stアルバムを買いました。レビューの中で藤木さんが書かれていた通りERIKA、TONE NORUMタイプの北欧ハードポップでとにかく曲が良いですね。煌びやかなシンセから始まる①Ingenting Att Forlolaで幕を開けて以降、キャッチーソングから哀愁のバラードまで粒揃いの楽曲がズラリ。とにかくポップで耳に残る②Jug Ljuger Sa Bra、⑥Alla Flickor、⑦Han Ar Min、⑩Diamanter、哀メロ系では④Himlen Ar Du、⑨Vad Hande Sen、⑫Nu Kommer Jag Tillbaksなどが特に気に入っています。曲名からわかるように歌詞は英語ではなく全編スウェーデン語なので歌の内容は全くわかりませんが、それを補って余りある優れたメロディが満載です。Lindaも魅力的な声の持ち主なので何度でも聴きたくなりますね。どうやら彼女はこれまでに3枚のアルバムを発表しているようなので、他の2枚も是非チェックしたいと思います。ちなみに一見HR/HMとは無関係そうな本作ですがJonas Reingold(B/THE FLOWER KINGS、MIDNIGHT SUN etc)、Thomas Gson(G/MASQUERADE)が一部の曲に参加していたり、Lindaがジャケット写真で着ている服にはIRON MAIDENKISSがプリントされていたりします。

AQUILA「MAN WITH A MISSION」(2004)

  • 2010/12/07(火) 00:00:00

MAN WITH A MISSION
【No.270】
★★★(2004)

解散を余儀なくされたTERRA NOVAのリーダーFred Hendrix(Vo)のソロプロジェクトとして始動し、その後バンドへと発展したAQUILAの2ndアルバム。僕はTERRA NOVAへの思い入れが強いので、このバンドを聴く時にどうしても「TERRA NOVAと比べてどうか」というフィルターを通してしまうのですが、今回はアコースティックサウンドに傾倒していた前作よりもTERRA NOVA時代にあった煌びやかさが戻ってきていて作品全体としてもTERRA NOVA寄りになっていると思います。Fredが曲を書き、彼が歌えばそれだけでTERRA NOVAらしさが生まれるのは事実ながら、やはり2つのバンドを比べるとメロディの質が違いますね。イメージで言うと爽やかさと哀愁の比率がTERRA NOVAでは7:3だとすると、AQUILAは9:1という感じでしょうか。それに伴って前作同様バラードは情感を込めて歌い上げるのではなくサラリと聴かせるタイプになっているし、Gesuino Derosas(G/ex-TERRA NOVA)が脱退してしまったためにギターパートもかなり魅力薄となっています(彼が在籍していた前作の時点でギターソロは激減していましたが…)。

ただTERRA NOVAという前身バンドから切り離して本作を聴いてみると、Fredの非凡なメロディセンスと味わいのある歌声が耳に残る1枚であることは間違いありません。跳ねるようなサビメロが気持ちいい①Oh Boy、音を詰め込まない涼しげな曲調の中をキャッチーなメロディが流れていくタイトルトラック⑥Man With A Mission、「シェイキンミ、ベイベー♪」のサビに合わせて踊り出してしまいそうな⑦Shakin' Me Babe、本作の中で一番TERRA NOVAに近い⑧Still Standing、前作にI Runというナンバーがあったので「曲名被りすぎ!」と思いつつサビになると「ラァァン、ラァン、ラァン、ラァァン♪」のコーラスをつい口ずさんでしまう⑫Run、美旋律がじんわり胸に沁みるピアノバラード⑭All Cried Outなどなど佳曲多数。非常に耳馴染みの良いポップなサウンドであるがゆえに劇的な盛り上がりこそありませんが、メロディの印象度は前作以上だと思います。

本作を発表後、TERRA NOVA名義で契約していたレーベルとの問題が解消されたため2005年8月にTERRA NOVAは4th「ESCAPE」で復活を果たしています。その復活作リリースに際してFredはBURRN!誌2005年9月号のインタビューで「AQUILAはモダンなポップ、TERRA NOVAは80年代のロックを目指す別バンドだ。これからは2つのバンドを並行して活動する」と語っていてましたが、B!誌2010年12月号のインタビューによると「AQUILAは…おそらく永遠にやらない方がいいだろう、っていうに結論になった」とのことなので本作がAQUILAのラストアルバムということになってしまいました。

【音源紹介】
・ごめんなさい。本作からの音源を見つけることができませんでした。

AQUILA「SAY YEAH」(2001)

  • 2010/12/02(木) 00:00:00

SAY YEAH
【No.269】
★★(2001)

1996年のデビュー以降、日本では高い評価を得ていたものの母国オランダを始めとするヨーロッパ市場では波に乗れなかったTERRA NOVA。そんな状況が影響してか、レーベルとのトラブルによりTERRA NOVAという名前で活動できなくなったためバンドは解散。その後、中心人物Fred Hendrix(Vo)がソロ活動を開始したところにGesuino Derosas(G)、Ron Hendrix(Key)といった元TERRA NOVAメンバーが合流することで誕生した新バンドAQUILAの1stアルバムです。TERRA NOVAの3作目「MAKE MY DAY」(1999)がリリースされて1年も経たないうちに発表されたTERRA NOVA解散の報せにはショックを受けました。ただ、バンド名は変われどFredとRonのHendrix兄弟、Gesuinoの3人がいればTERRA NOVAの音楽は成り立つと思っていた僕はAQUILAにTERRA NOVAの続編を求めていたのですが本作の質感はやや異なります。このアルバムで聴けるのはシンプルなアコースティックサウンドを主体としたポップロックという印象で、元々Fredのソロプロジェクトとしてスタートしたこともあって、より彼のルーツに近い作品と言えるかもしれません。

レーベルとの間に生じたビジネス的な問題を経験した後にレコーディングされた本作はTERRA NOVA時代よりもシリアスな作風となっていて、歌詞面でもこれまでよりも重いテーマを取り上げています。中にはFredいわく「コイツ、殺してやりたい!」(ライナーノーツより抜粋)という怒りの感情を歌った⑧Sometimesのような楽曲もありますが、そこはポジティブなメロディ作りの天才Fredのこと、メロディまでブルータルになるはずもなく⑧は歌詞とは対照的に本作随一の爽やかソングに仕上がっているし、アコースティック要素を強調することでより温かみが感じられる1枚となっています。①Cecelia、②Wide Openという冒頭の2曲がアコースティックギターの音色から始まるバラード調であるため掴みは弱いですが、魅力的なメロディとFredの「あの歌声」は本作でも十分も楽しめますね。アルバム後半にはTERRA NOVAに通じる⑥Everyday、⑦Here I Amや本作の中でも明るくノリノリな⑨Say Yeah、⑩The Kids Wanna Rockもあって、この辺りが僕のお気に入りナンバーです。ちなみに⑤Nothing's Impossible Nowと⑥、⑦はTERRA NOVA時代のマテリアルだとか。Fred自身「AQUILAはポップでTERRA NOVAはロック」と語っている通り、本作には③Forgive Meを除いてGesuinoのギターソロと呼べそうなソロは収録されていないし、煌びやかさやドラマティックな展開を見せるバラードもありません。TERRA NOVA以上にポップで明るいサウンドがAQUILAの持ち味だというのもわからなくはないですが、そのAQUILAらしさがTERRA NOVAから失われたものを補い切れていないのが惜しいですね。

本作の内容から少し離れますが、このAQUILAとTERRA NOVAの関係を見ているとRUBBERに対するHAREM SCAREMを連想しました。レコード会社との契約のせいでバンド名を封印せざるを得なかったTERRA NOVA、自らバンド名変更に踏み切ったHAREM SCAREMという違いこそあれ、前身バンド時代よりも万人受けしそうなライトポップ路線を目指したAQUILAとRUBBER誕生の裏側には「もっと売れたい」というミュージシャンとして当然の野心が見え隠れします(皮肉にも前身バンドを高く評価していた日本では逆効果だったわけですが…)。そういえば両バンドとも日本盤と輸入盤で曲順や収録曲が異なっていたのも各マーケットを意識した戦略だったんでしょうね。 ユーロヴィジョンでWIG WAMLORDIが話題になるようになった2005年以降、メロディックロックの復興が進んだように思いますがAQUILAやRUBBERが活動していた2000年代初頭はFAIR WARNINGが解散するなど、この手のバンドにとって厳しい状況だったように記憶しています。そんな時期に解散の憂き目にあってもめげずに、こうして音源を届けてくれたFredには拍手を送りたいですね。

【音源紹介】
・Cecelia

HELLOWEEN「UNARMED BEST OF 25TH ANNIVERSARY」(2009)

  • 2010/10/31(日) 00:00:00

UNARMED.jpg
【No.263】
★★★(2010)

1984年に活動をスタートしたHELLOWEENの25周年記念アルバムである本作はオーケストラと共演をしたり、サックスやホーンによるお洒落なアレンジを取り入れたりすることで過去の楽曲を大胆に生まれ変わらせた企画盤です。僕はMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、UNISONIC、ex-HELLOWEEN)在籍時に思い入れが強いので、バンドの名曲群を現メンバーで単に録り直すという内容であれば買わなかったと思いますが「普段はメタルを聴かないような人にも楽しんでもらえるアルバムを目指した」とメンバーが語る本作は「UNARMED(=非武装)」というタイトル通り、メタリックな攻撃性を一切排除した興味深い仕上がりとなっています。選曲的にはKiske加入後の作品に限られ、約半数がキーパーアルバムからのナンバーですが普通にHELLOWEENのベスト盤としても通用しそうな名曲/代表曲が並んでいますね。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Dr. Stein(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)
02. Future World(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART1」)
03. If I Could Fly(「THE DARK RIDE」)
04. Where The Rain Grows(「MASTER OF THE RINGS」)
05. The Keeper's Trilogy(Halloween~The Keeper Of The Seven Keys~The King For A 1000Years)
(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART1」~「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」~「KEEPER OF THE SEVEN KEYS -LEGACY」)
06. Eagle Fly Free(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)
07. Perfect Gentleman(「MASTER OF THE RINGS」)
08. Forever & One(「TIME OF THE OATH」)
09. I Want Out(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)
10. Fallen To Pieces(「GAMBLING WITH THE DEVIL」)
11. A Tale That Wasn't Right(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART1」)

そんな本作のハイライトはバンドを代表する大作3曲をメドレー形式で1曲(17分)に繋げたアレンジの妙、プラハ交響楽団とロンドン合唱団が織り成すオーケストラサウンドが楽曲本来の壮大さとドラマティシズムを更に増幅させている⑤ですね。その他には、リリカルなピアノとAndi Deris(Vo)の独唱でしっとり始まり後半はストリングスとクワイアで劇的に盛り上がるバラード曲⑧が素晴らしい。これは原曲を超えていると思えるほどですね。HELLOWEENサウンドとオーケストラの相性の良さは演歌にも通じるクサいメロディを持つ⑪でも感じられます。またホーンセクションをフィーチュアすることによって、小粋で洒落た曲に生まれ変わりPVも制作された①、イントロのギターメロディをAndiの地元カールスブルグの子供達による合唱に置き換えた⑨など斬新なアレンジがハマった曲もあれば、②や⑦などは比較的オリジナルのイメージを残しつつポップな側面を強調したものもあります。ただ、その一方で元が疾走曲だった④、⑥は小綺麗に纏まりすぎているように感じられ、メロディックメタル界屈指の名曲として慣れ親しんでいたこともあって違和感が拭えないですね。④を初めて聴いた時はサビになるまで何の曲かわからなかったほどだし、フォーキーでスローになった⑥もオリジナル曲の爽快感が殺がれてしまっているように思います。

というわけで中にはやや無理があるように思える曲はあるものの、全体的に見ると四半世紀に渡ってHELLOWEENが生み出してきた素晴らしい楽曲を緻密な作り込みと遊び心に溢れたアレンジで聴くことができる作品として結構楽しめました。KiskeがHELLOWEEN時代の自作曲に生真面目なアンプラグドアレンジを施した「PAST IN DIFFERENT WAYS」とは対照的でポップに、大仰に、時にはラウンジミュージックのようにと曲によってはかなり大胆に手を加えていますね。ただし本作については賛否両論あるようで企画盤とはいえ、あまりにメタルから掛け離れているために「Are You Metal?(おまえらメタルか?)」と問い掛けるファンもいたとか。ちなみにAre You Metal?という質問は現時点での最新作「7 SINNERS」のシングル曲のタイトルになっています。個人的には長きにわたりメタルシーンの第一線で活躍してきたバンドの中で、ここまで思い切ったアレンジでリメイクを自ら実践しただけでなく「らしさ」が保たれているのはメタルバンドとしてのヘヴィネス、攻撃性だけでなくコミカルで爽やかな魅力も併せ持つHELLOWEENだからこそではないかと思っています。

【音源紹介】
・Dr. Stein(「UNARMED」ヴァージョン)


・Dr. Stein(オリジナルヴァージョン。ボーカルはMichael Kiske)

【CD購入録】SPIN GALLERY「STANDING TALL」(2004)

  • 2010/04/20(火) 00:00:00

【CD購入録】
STANDING TALL
SPIN GALLERY「STANDING TALL」(2004)

北欧のメロデイックロック作品でよく名前を見かけるメロハー職人Tommy Denander(G/RADIOACTIVE etc)が結成したプロジェクトSPIN GALLERYの1stアルバムを買いました。メンバーはTommyの他に、個性は希薄ながら爽やかな歌声を響かせるChristian、Magnus、Kristofferという3人のシンガー(Christianは曲作りにも参加)がメインとなっています。個人的にはスウェーデンのメロディックメタルバンドMIDNIGHT SUNに関わっていたAnders Theo Theanderの名前がクレジットされているのを見て懐かしさを覚えました。Tommyのギターが時折メロディアス・ハードロックらしさを振り撒いているものの、本作で聴けるのはBAD HABITをソフトにしたARENA SWEDENに近いサウンドなのでハードロックの要素を期待すると少し肩透かしという感じですね。とはいえ、メロディの充実振りは流石なので爽やかなポップロック作品として楽しめそうです。ちなみに本作にはAOR界の大御所Cliff Magness③My Heartを提供したり、David Foster⑤Graceに華麗なピアノ演奏で参加したりしています。

【CD購入録】HELLOWEEN「UNARMED BEST OF 25TH ANNIVERSARY」(2009)

  • 2010/02/08(月) 00:00:00

【CD購入録】
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HELLOWEEN「UNARMED BEST OF 25TH ANNIVERSARY」(2009)

バンド結成25周年を祝してHELLOWEENが2009年にリリースしたベストアルバム的選曲によるリメイク盤を買いました。当初はアコースティック作品になるとアナウンスされていましたが、実際に完成した本作を聴いてみるとサックスやホーンを用いてお洒落に仕上げていたり、オーケストラと共演していたりと非常に豪華なアルバムとなっています。 ただ、ほとんどの楽曲に大幅なアレンジが施されてジャーマンメタルとは距離のある印象になっているのでオリジナル曲に思い入れが強いと賛否が分かれるかもしれませんね。アルバムの性質としては森重樹一(Vo/THE DUST’N’BONEZ、THE PRODIGAL SONS、ZIGGY)ZIGGYの25周年を記念してリリースした「KING’S ROAD」(2009)に近いと言えそうです。そういえばHELLOWEENとZIGGYってバンドとしては同い年になるんですね。HELLOWEENは僕にとって思い入れの強いバンド(特にKEEPER時代)なので、④Where The Rain Grows⑥Eagle Fly Freeなど原曲がメタリックなものについては本作のヴァージョンに違和感がある一方で、楽曲そのものが持つポップさが強調された⑦Perfect Gentleman、ピアノ主体のバラード⑧Forever And Oneはすんなり聴けました。メタルバンドとしての魅力だけでなくメロディそのものに親しみ易さがあるHELLOWEENだからこそ実現できた面白い企画盤だと思います。Halloween~The Keeper Of The Seven Keys~The King For A 1000Yearsというバンドを代表する大作3曲をメドレー形式で繋げた⑤The Keeper's Trilogyは本作のヴァージョンも好きだけど、メタルアレンジで聴いてみたいな。