RICHARD ANDERSON「THE ULTIMATE ANDERSSON COLLECTION」(2005)

  • 2015/08/07(金) 00:00:00

THE ULTIMATE ANDERSSON COLLECTION
【No.439】
★★(2006)

1999年にネオクラシカルメタルバンドMAJESTICの中心人物としてシーンに登場するや、圧巻の速弾きテクニックとYNGWIE MALMSTEEN等からの絶妙な借用フレーズ、バンドを支配する独裁者的なキャラクターなどから「鍵盤魔人」、「キーボード版YNGWIE MALMSTEEN」として一躍有名になったRichard Andersson(Key)がこれまでにMAJESTICやTIME REQUIEM、SPACE ODYSSEY名義で発表してきた楽曲をリメイクしたベスト盤。Richard以外のメンバーはSPACE ODYSSEYでもタッグを組むMagnus Nilsson(G)、リズム隊にはRichardが以前から共演を望んでいたセッションプレイヤーAndy Rose(B)、Jorg Andrews(Ds)の両名を迎えているほかSven Cirnski(G/BAD HABIT)が2曲でソロを弾いているのですが、本作の目玉はかつてYNGWIE MALMSTEENとも活動を共にしていたJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)がゲストとして1曲に参加、Mr.北欧ボイスことGoran Edman(Vo)がリードボーカルを取っている点でしょう。Richard曰く、彼を何度かリクルートしようとしたことがあるというYNGWIEも参加していれば面白かったのですが残念ながら実現していません。

【トラックリストと収録アルバム】
1. Time Requiem(TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」)
2. Confusicus(MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」)
3. Attar Of Roses(TIME REQUIEM「THE INNER CIRCLE OF REALITY」)feat. Jens Johansson
4. Black Moon Rising(MAJESTIC「ABSTRACT SYMPHONY」)
5. Above And Beyond(TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」)feat. Sven Cirnski
6. Emposium(SPACE ODYSSEY「EMBRACE THE GALAXY」)
7. Golden Sea(MAJESTIC「ABSTRACT SYMPHONY」)
8. The Rapture Of Canaan(MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」)
9. Visions Of New Dawn(TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」)feat. Sven Cirnski
10. Voodoo Treasure(MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」)
11. Cadenza Op.2 In A-Minor
12. Killing The Myth(Home Demo 1989)
13. I'm Getting Crazy(Studio Demo 1990)
14. Basement Boogie(Home Demo 1986)

上記トラックリストにある通り、本作はリメイク10曲とボーナストラック4曲という構成です。肝心の再録曲に関してはTIME REQUIEMのGrand Opus、Hidden Memories、SPACE ODYSSEYのEntering The Dome辺りも収録して欲しかったところですが代表曲と呼べるものは概ね押さえられていると思います。しかし、本作のバージョンがオリジナル以上の感動をもたらしてくれることは残念ながらありませんでした…。サウンドプロダクションは軽く聴こえるし、アレンジについても完成度の高かった原曲に比べると粗さが目立ちますね。それに加えてGoranが歌うメロディも若干変更されているためオリジナルを聴き込んでいた身としては違和感があります。僕の中でGoran Edmanは「メタルを歌うには線が細いけれど、その繊細な歌声はメロウなナンバーで輝きを増す歌い手」という印象が強いので今回のリメイクをGoranが歌うと聞いた時にマッチするのが疑問でしたが悪い予感が当たってしまったかな。この手の企画ならSPACE ODYSSEYのリードボーカルを務めるパワフルシンガーNils Patrik Johansson(ASTRAL DOORS、WUTHERING HEIGHTS)がMAJESTIC、TIME REQUIEMの曲を歌ってくれた方が嬉しかったですね。

日本盤ボーナストラックの4曲についても⑪Cadenza Op.2 In A-Minorはピアノインスト、それ以外はデモ音源で歌モノは⑬I’m Getting Crazyのみ、しかもその⑬がRichardらしからぬハードロックだというのもマイナス要因ですね。ちなみに⑫Killing The Mythはボーカル入りの完成形がSPACE ODYSSEYの次回作「TEARS OF THE SUN」(2006)に収録されています。というわけで僕のようにRichardの関連作品をチェックしてきたファンにとっては微妙な作品と言えそうです。その一方でRichard Anderssonというコンポーザーがこれまでに発表した名曲群が1枚のアルバムで聴けるので、これから彼の作品に触れるという方には丁度いい入門盤になりそうではありますね。

【音源紹介】
Attar Of Roses feat. Jens Johansson

【現在の愛聴盤】FAIR WARNING「BEST AND MORE」(2012)

  • 2013/04/21(日) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
BEST AND MORE
FAIR WARNING「BEST AND MORE」(2012)

HR/HMを聴くようになった1995年に出会って以降、僕の中でメロディアスハードロックバンドの最高峰として君臨し続けているFAIR WARNINGの2枚組ベスト盤をレンタルして聴いています。バンドはこれまでに「EARLY WARNINGS 92-95」(1997)、「A DECADE OF FAIR WARNING」(2001)とベストアルバムを2枚発表しているものの前者は初期2作品からのみの選曲でベスト盤リリースのタイミングとしては時期尚早、後者はレコード会社の版権のしがらみでデビュー作にして名盤の「FAIR WARNING」(1992)からの収録曲が少ないなど不満が残る作品だったのに対して本作は2枚組で全32曲というボリュームで充実していますね。

【トラックリストと収録作品】
DISC-1
01. Burning Heart(Live)(ライブ盤「TALKING AIN'T ENOUGH」)
02. Save Me(3rd「GO!」)
03. All On Your Own(3rd「GO!」)
04. Longing For Love(1st「FAIR WARNING」) 05. When Love Fails(1st「FAIR WARNING」)
06. Angels Of Heaven(3rd「GO!」)
07. Out On The Run(Live)(ライブ盤「TALKING AIN'T ENOUGH」)
08. Don't Give Up(2nd「RAINMAKER」)
09. Long Gone (1st「FAIR WARNING」)
10. Generation Jedi(Live)(ライブ盤「TALKING AIN'T ENOUGH」)
11. Don't Keep Me Waiting(5th「BROTHER'S KEEPER」)
12. Still I Believe(Live)(ライブ盤「TALKING AIN'T ENOUGH」)
13. Heart On The Run(4th「FOUR」)
14. Here Comes The Heartache(6th「AURA」)
15. I'll Be There(3rd「GO!」)
16. I Fight(4th「FOUR」)
17. The Way You Want It(3rd「GO!」)

DISC-2
01. Rock 'N' Roll (Live)(LED ZEPPELINのカバー。未発表音源)
02. A Little More Love(Live)(ライブ盤「LIVE IN JAPAN」)
03. Come On(シングル「SAVE ME」)
04. The Heart Of Summer(2nd「RAINMAKER」)
05. Angel Of Dawn(Live)(ミニライブ盤「LIVE AT HOME」)
06. The Call Of The Heart(Live)(ライブ盤「LIVE IN JAPAN」)
07. Rain Song(ミニライブ盤「LIVE AT HOME」)
08. Like A Rock(ライブ盤「LIVE AND MORE」DISC-2)
09. Out Of The Night (ライブ盤「LIVE AND MORE」DISC-2)
10. Meant To Be(ライブ盤「LIVE AND MORE」DISC-2 )
11. Don't Count On Me(6th「AURA」)
12. Just Another Perfect Day(6th「AURA」)
13. Light In The Dark(シングル「ANGELS OF HEAVEN」)
14. Man On The Moon(Live)(ライブ盤「LIVE AND MORE」DISC-1)
15. Children's Eyes(シングル「IN THE GHETTO」)

ポイントは選曲対象が各スタジオ盤だけでなくライブ作品やシングルにまで及んでいるためDISC-2③Come On、DISC-2⑬Light In The Darkなどの隠れた名曲も収録されている点ですね。FAIR WARNINGファンの僕はシングル、ライブ盤を含めて(おそらく)全ての音源を持っているため、初めて聴くのはDISC-2①Rock 'N' Roll (Live)のみですが、これはまぁオマケという感じですね。選曲を見ると、あの曲を入れて欲しかった(名曲が多いバンドならではの贅沢な悩み)だとか、Andy Malecek(G)のソロが楽曲のハイライトだったDISC-1①Burning Heart、流石のTommy Heart(Vo)も高音がキツそうなDISC-1⑫Still I Believe、DISC-2⑤Angel Of Dawnなどはアルバムバージョンの方が良かっただとか気になる点があるのは事実ながら、全体的には押さえるべき曲は押さえられているのでFAIR WARNING入門用としては最適なアルバムだと思います(スタジオ盤から聴くなら「GO!」が断然お薦め)。ここ最近のアルバムは名曲とそれ以外の差が大きいため今ひとつのめり込めずにいるのですが、こうしてベスト盤を聴いていると4月24日にリリースされる7th「SUNDANCER」に期待したくなってしまうんですよね…。

HAREM SCAREMのベストアルバム5作品

  • 2012/10/02(火) 00:00:00

僕の中でFAIR WARNING、GOTTHARD、TERRA NOVAと並ぶ「メロディック・ロック四天王」の一翼を担うHAREM SCAREMのオリジナルアルバム、ライブ/企画盤を紹介してきましたが最後は彼等が発表した5枚のベストアルバムに関する記事でHAREM SCAREM特集を締めくくりたいと思います。
まずは各ベスト盤のトラックリストと簡単な感想から。

THE BEST OF
「THE BEST OF」(1998)

【トラックリストと収録作品】
01. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
02. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
03. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
04. Blue(3rd「VOICE OF REASON」)
05. Believe(Kevin Elson Mix)(4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
06. Rain (Full Band Version) (4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
07. Turn Around(5th「BIG BANG THEORY」)
08. Staying Away(Kevin Elson Mix)(4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
09. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
10. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
11. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
12. So Blind(Kevin Elson Mix)(5th「BIG BANG THEORY」)
13. Tables Turning(Kevin Elson Mix)(5th「BIG BANG THEORY」)
14. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
15. Morning Grey(Kevin Elson Mix)(4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
16. New Religion(Remix)(「LIVE AT THE SIREN」)
17. What I Do(未発表曲)
デビュー作「HAREM SCAREM」(1991)~5th「BIG BANG THEORY」(1998)までの楽曲からなるバンド初のベストアルバム。押さえるべき楽曲は概ね収録されているし、最初のベスト盤ということもあって「彼等のベストと言えば本作」という印象が強いですね。シングルカットもされた未発表曲⑰はインダストリアルな雰囲気漂うロックソングで当時のバンドはこういうモダンな方向性を目指していたことが窺えます。また既発曲は全てリマスターされているほか、4th「BELIEVE」収録曲の大半と5th「BIG BANG THEORY」の代表曲⑫などにリミックスが施されていてオリジナル盤とは異なる仕上がりとなっています(僕はオリジナルミックスの方が好みですが)。

BALLADS.jpg
「BALLADS」(1999)

【トラックリストと収録作品】
01. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
02. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
03. Something To Say(1st「HAREM SCAREM」)
04. Stranger Than Love(2nd「MOOD SWINGS」)
05. If There Was A Time(2nd「MOOD SWINGS」)
06. Just Like I Planned(2nd「MOOD SWINGS」)
07. Mandy(2nd「MOOD SWINGS」)
08. Let It Go(3rd「VOICE OF REASON」)
09. Necessary Evil(3rd「VOICE OF REASON」)
10. Rain(4th「BELIEVE」)
11. Hail, Hail(4th「BELIEVE」)
12. The Mirror(4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
13. In My State Of Mind(5th「BIG BANG THEORY」)
14. Without You(シングル「SO BLIND」)
15. More Than You'll Ever Know(「LIVE IN JAPAN」)
16. Remember(未発表曲)
17. Why(未発表曲)
6th「RUBBER」(1999)に伴う来日の記念盤として発表されたバラードベスト。収録曲の大半が「THE BEST OF」と異なっているにもかかわらず、バラードという枠の中でこれだけ多彩な楽曲を揃えられるHarry Hess(Vo)Pete Lesperance(G)の作曲能力の高さには脱帽ですね。ちなみにHarryは自他共に認めるバラードライターで、本作のオープニングを飾るバンドの代表曲①を弱冠17歳で書き上げたという有名なエピソードがあるほどです。未発表曲はどちらもなかなかの佳曲で僕は特に後者が好きですね。

ROCKS_20120130111142.jpg
「ROCKS」(2001)

【トラックリストと収録作品】
01. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
02. With A Little Love(1st「HAREM SCAREM」)
03. How Long(1st「HAREM SCAREM」)
04. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
05. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
06. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
07. Sentimental Blvd.(2nd「MOOD SWINGS」)
08. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
09. Believe(4th「BELIEVE」)
10. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
11. Turn Around(5th「BIG BANG THEORY」)
12. Climb The Gate(5th「BIG BANG THEORY」)
13. Sometimes I Wish(5th「BIG BANG THEORY」)
14. Stuck With You(6th「RUBBER」)
15. Trip(6th「RUBBER」)
16. If I'd Been Awake(未発表曲)
17. Going Nowhere(未発表曲)
「BALLADS」(1999)の約2年後にリリースされたロックソングベスト。アルバムタイトル、ジャケットからもわかるとおり、「BALLADS」と対になっている本作はRUBBER名義で発表された唯一のアルバム「ULTRA FEEL」(2001)の来日記念盤でもあります。選曲自体は手堅いものの僕の好きなロックチューンは「THE BEST OF」や翌年発表の「THE VERY BEST」で一通り聴けるので本作でしか聴けない楽曲に関して言うと、このバンドのロックソングとしては2番手に位置する佳曲でバラードの穴埋めをしたという印象も…。また新曲2曲についても⑯はどちらかというとバラード風で、ガツンと来るハードロックを期待していた身からすると作品の主旨から外れているように思えることもあって「BALLADS」と比べて満足感はやや低めだったりします。

THE VERY BEST OF HAREM SCAREM
「THE VERY BEST」(2002)

【トラックリストと収録作品】
01. Freedom(未発表曲)
02. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
03. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
04. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
05. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
06. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
07. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
08. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
09. Blue(4th「BELIEVE」)
10. Believe(4th「BELIEVE」)
11. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
12. Rain(4th「BELIEVE」)
13. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
14. Climb The Gate(5th「BIG BANG THEORY」)
15. Turn Around(5th「BIG BANG THEORY」)
16. Without you(シングル「SO BLIND」)
17. Stuck With You(6th「RUBBER」)
18. Draggin' Me Down(RUBBER名義「ULTRA FEEL」)
改名騒動の末に再びHAREM SCAREMとして活動していくことを表明した記念に(?)リリースされたベスト盤。「THE VERY BEST」と銘打っているだけあって、デビュー作からRUBBER名義の「ULTRA FEEL」までの全アルバムから選曲されているので網羅性は過去最高です。ただし収録曲を見ると新曲①を除く17曲中12曲は「THE BEST OF」でも聴けるので7th「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)でHAREM SCAREMに興味を持った新規ファン向けの1枚という印象が強いですね。「THE BEST OF」との差別化としては、デビュー作のオープニングにして名曲の②が収録されている点とアルバム順に曲が並んでいるのでバンドの音楽性が変化していくのを楽しめることでしょうか。

THIS AINT OVER BEST OF AVALON YEARS
「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」(2009)

【トラックリストと収録作品】
01. Weight Of The World(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
02. Next Time Around(10th「HUMAN NATURE」)
03. Higher(8th「HIGHER」)
04. Days Are Numbered(11th「HOPE」)
05. Don't Come Easy(9th「OVERLOAD」)
06. Killing Me(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
07. Watch Your Back(11th「HOPE」)
08. Human Nature(10th「HUMAN NATURE」)
09. Give It To You(8th「HIGHER」)
10. If You(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
11. Shooting Star(11th「HOPE」)
12. Afterglow(9th「OVERLOAD」)
13. Voice Inside(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
14. Daggar(9th「OVERLOAD」)
15. Lost(8th「HIGHER」)
16. This Ain't Over(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
17. Tomorrow May Be Gone(10th「HUMAN NATURE」)
18. If There Was A Time(アコースティックバージョン)
19. Honestly(アコースティックバージョン)
バンド名をRUBBERからHAREM SCAREMに戻した7th「WEIGHT OF THE WORLD」~ラストアルバム11th「HOPE」までの作品から選ばれたバンド後期としては唯一のベストアルバム。7作目以降は1枚のアルバムとして聴いた時に物足りなさを感じることも少なくなかったのですが、こうして選りすぐりの楽曲群を聴くと改めてメロディ作りの上手さにうならされますね。「この曲よりもあちらが聴きたかった」というものも2~3曲ありますが、この内容であれば文句なし。バンド後期については各アルバムに好きな曲が点在している印象を持っていた僕にとっては非常にありがたいアイテムですね。本編の後に収録されている既発曲のアコースティックバージョン2曲は日本未発売の企画盤「MELODICROCK EP」(2008)からのテイク。前者は初のアコースティクアレンジ、後者はアコースティクギター・バージョンだった「LIVE AND ACOUSTIC」(1994)のテイクとは、一味違うピアノバージョンで今回も見事な出来栄えです。

以上、各アルバムを振り返ってみると1991年にデビューしてから2008年に解散するまでの約17年間でベスト盤を5枚も発売していて供給過多の感は否めません。特に1997年~2002年の間にRUBBER名義を含めるとスタジオアルバム5枚、ベスト盤を4枚、ライブ作品を3枚、B面曲を集めた企画盤、90年代後半には複数のシングルがリリースされているため、どうしても食傷気味になってしまいますね。当時のHAREM SCAREMは3rd「VOICE OF REASON」(1995)がバンドの作品に対する満足感とは裏腹にセールス面で失敗に終わったため、レーベル側が制作に介入した4th「BELIEVE」(1997)を発表するなどしていたので、作品濫発の原因はレコード会社にあるのだとは思いますが…。
ベスト盤5作品に話を戻すと、これからこのバンドを聴くという方に1枚だけ選ぶとすれば網羅性の高さとバランスの良さから「THE VERY BEST」、もし2枚選べるなら、これと「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」をお薦めしたいですね。この2枚を聴けばHAREM SCAREMの11枚とRUBBFR名義を合わせた全12アルバムの収録曲を一通り押さえることができるので。また、バンドの初期~中期を深堀りしたいという場合には「BALLADS」と「ROCKS」が最適ではないでしょうか。個人的に最も満足感が高かったのは「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」ですが、これはバンド後期に絞ったベスト盤なので、HAREM SCAREMに初めて触れるという方にはChange Comes AroundHonestlyといった初期の名曲をまずは聴いていただきたいですね。

というわけで最後に僕が選ぶHAREM SCAREMのロック/バラードベストそれぞれ15曲を曲順も一応考えてピックアップしてみました。YouTube上で音源が公開されているものについてはリンクを貼っています。

【ROCK SIDE】
01. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
キャッチーなメロディ、テクニカルかつ歌心溢れるギター、分厚いコーラス、先の読めない展開などHAREM SCAREMサウンドの全てを詰め込んだ超名曲。彼等の楽曲群の中で一番好きな曲です。
02. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
デビューアルバムのオープニングを飾るハードポップナンバー。ライブで演奏されることも多いバンドの代表曲です。
03. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
典型的なHAREM SCAREM流ロックソング。爽やかな曲調の中、絶妙なバランスで配合された哀愁が堪りません。
04. All I Want(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
キャッチーでメロディアスなサビが強力。初めて聴いた時から一緒に歌っていた記憶があります。
05. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
ライブで必ずと言っていいほど演奏されるバンドを代表する1曲です。オリジナルもさることながら、解散したバンドが日本のために再び集結して新たに提供してくれた「ONE FOR ALL ALL FOR ONE 東日本大震災チャリティ・アルバム」(2011)収録バージョンも実に感動的。
06. If You(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
従来のハーレムサウンドとは意図的に距離を置き、パワーポップに傾倒していたRUBBER期を経た後だからこそ生まれた名曲。「If you never go away, how can I, can I miss you~♪」というウィットの効いた歌詞も良いですね。
07. Baby With A Nail Gun(4th「BELIEVE」)
一度聴いただけで口ずさめてしまうメロディを持ったギターインスト。Peteのソロ作品ではこういうタイプの曲がもっと聴きたいですねぇ。
08. Weight Of The World(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
バンド名をHAREM SCAREMに戻した復活作「WEIGHT OF THE WORLD」のオープニングにしてタイトルトラック。「MOOD SWINGS」に近い音楽性になるという宣言通りのハードロックサウンドが展開されるこの曲でアルバムが幕を開けた時点で、テンションが上がったことは言うまでもありません。
09. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
これまでとは印象の異なるパワーポップ調に移行し始めた「BIG BANG THEORY」のリードトラック。メロディの組み立ての上手さが抜群ですね。
10. Staying Away(4th「BELIEVE」)
HarryではなくDarren Smith(Ds)がリードボーカルを務めた哀愁のドライヴィングチューン。Darrenのラフな歌声がマッチしています。
11. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
Change Comes Aroundと並ぶ「MOOD SWINGS」の代表曲にしてバンドが誇る至高のハードロックナンバー。僕とHAREM SCAREMの出会いはこの曲でした。
12. Give It To You(8th「HIGHER」)
If Youと同系統の軽快なパワーポップチューン。サビは勿論、そこに至るまでのメロディも僕の琴線を刺激してくれます。
13. Killing Me(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
「WEIGHT OF THE WORLD」のオープニングに配されたタイトル曲が持つハードな質感とは対照的にポップなナンバー。どことなくデビュー作を彷彿とさせるキャッチーなメロディが一発で耳に残ります。
14. Empty Promises(2nd「MOOD SWINGS」)
「MOOD SWINGS」特有のダークな緊張感が色濃く出た1曲。このバンドならではのコーラスワークが歌うサビの哀メロもグッド。
15. Tomorrow May Be Gone(10th「HUMAN NATURE」)
後期HAREM SCAREMの中で一番好きなロックナンバー。フックに満ち溢れた旋律美がもたらしてくれる高揚感が最高です。

【BALLAD SIDE】
01. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
HAREM SCAREM最高のハードロックがChange Comes Aroundだとすればバラードはこの曲で決まりです。バラード作りの天才Harry Hessの真骨頂。
02. Stranger Than Love(2nd「MOOD SWINGS」)
ドラマティックでスケールの大きな1曲。バラードと捉えていいのか迷う面もありますが「BALLADS」にも収録されていたのでバラード扱いとしました。そんな分類などお構いなしに優れたナンバーだと思います。
03. Higher(8th「HIGHER」)
丁寧に紡がれる繊細なメロディが胸に沁みます。「HUMAN NATURE」のボーナストラックとして収録されたアコースティックバージョンも秀逸。
04. Rain(4th「BELIEVE」)
バンドを代表するアコースティックバラード。温かさに満ちた至福のメロディにただただ酔いしれるのみ。
05. Tables Turning(5th「BIG BANG THEORY」)
「Love me~♪」と歌うサビで感情を一気に爆発させるパワーバラード。このバンドにしては珍しいオルガンサウンドもはまっています。
06. If There Was A Time(2nd「MOOD SWINGS」)
美しいイントロからHarryのハイトーンへと至る流れで勝負あり。この曲におけるギターソロはPete Lesperanceの名演のひとつですね。
07. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
デビュー当時のAOR路線を代表するバラード。HR/HMファンに限らず、幅広い層にアピールできそうな大衆性を備えた1曲です。
08. In My State Of Mind(5th「BIG BANG THEORY」)
ビアノとボーカルのみで聴かせるシンプルな一品。余計な装飾がない分、より一層メロディが胸に迫ってきます。
09. Shooting Star(11th「HOPE」)
最後のアルバム「HOPE」に収録された往年の名曲に勝るとも劣らない1曲。哀愁/泣きのメロディが大きな感動をもたらしてくれます。
10. Mandy(2nd「MOOD SWINGS」)
2分弱の短い曲でありながらドラマティック極まりないギターインスト。聴き手のイマジネーションを刺激しつつ、聴き終える頃には爽やかな余韻を残してくれます。
11. This Ain't Over(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
Harryの温かみのある歌声を最大限に活かした王道的な1曲。5枚目のベスト盤のタイトルがここから取られたことにも納得できる後期HAREM SCAREMを代表するバラードですね。
12. Never Have It All(5th「BIG BANG THEORY」)
そこかしこにQUEENへの敬意が感じられるナンバー。Harryの力強い歌唱とともに後半に進むにつれて劇的になっていく展開も感動的です。
13. Just Like I Planned(2nd「MOOD SWINGS」)
バンドの特徴のひとつであるボーカルハーモニーに焦点を当てたアカペラソング。こういう曲ができるのも彼等ならではの強みですね。
14. Something To Say(1st「HAREM SCAREM」)
アコースティックギターのリリカルな調べに導かれ、清らかなサビへと繋がっていくデビュー作の本編ラストナンバー。どうしてもHonestlyに注目が集まりがちですが、この曲も隠れた名バラードだと思います。
15. Nothing Without You(11th「HOPE」)
バンドのキャリアを締めくくったラストアルバム「HOPE」の本編エンディング曲。派手さはないものの、じんわりと感動をもたらしてくれるナンバーです。

こうして見ると5枚のベスト盤に収録されていないのは30曲の中でEmpty Promises、Baby With A Nail Gun、Never Have It All、All I Want、Nothing Without Youの5曲だけなので、かなりベタなチョイスになってしまいました。上記30曲以外にもこのバンドには良い曲がたくさんあるので、このブログがきっかけとなって一人でも多くの方にHAREM SCAREMを聴いてくれると嬉しいですね。「足りないのは名声だけ」という帯タタキの名盤2nd「MOOD SWINGS」で日本デビュー、結局最後まで名声を得られなかった彼等ですがHAREM SCAREMこそ僕にとって「カナダ最強のハードロックバンド」です。

【現在の愛聴盤】RAPHAEL「不滅華」(2001)

  • 2012/04/27(金) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
不滅華
RAPHAEL「不滅華」(2001)

少し前の話になりますがヴィジュアル系メタルバンド(と僕が見なしている)RAPHAELの復活が報じられて以来、彼等のアルバムの中でもお気に入り盤の「不滅華」(2001)をよく聴いています。簡単にRAPAHELというバンドを紹介させてもらうと、彼等は1997年にYUKI(Vo)、YUKITO(B)、HIRO(Ds)そして華月(かずき)(G)の4人で結成。インディーズ時代から注目を集めていたバンドは1999年にシングル「花咲く命ある限り」でメジャーデビュー、また同年に1stフルレンスアルバム「MIND SOAP」をリリースして翌年には日本武道館公演を行うなど、バンドの人気は更に加速していったようです(メンバーはまだ当時、高校生だったといのも驚き)。「キャプテン」こと和田 誠さんがメロディックメタルバンドの有望株として紹介したり、BURRN!誌にも掲載されたりしていた記憶があるのでHR/HMシーンでもそれなりに名前が知られていたと思います。ところが、2000年10月31日に殆どの楽曲を手がけていたリーダー華月が19歳の若さで急逝(原因は鎮静剤の多量摂取だそうです)。その後は活動を休止していたのですが、華月の誕生日である4月7日に12年振りとなる復活ライブを華月の命日である10月31日と11月1日の2日間に渡って開催することを発表しました。

僕がRAPHAELと出会ったのは、何気なく立ち寄ったレンタルCDショップで試聴して即座に気に入った2000年発表のシングル「LOST GRADUATION」がきっかけでした。その後、フルアルバムもリリースされていることを知り購入。クサメタルの名曲「花咲く命ある限り」に悶絶したのを覚えています。クセのあるボーカルや思春期ならではの葛藤や繊細な気持ちをストレートに乗せた歌詞がHR/HMリスナーにとっては好き嫌いが分かれるかもしれませんが、メロディのクオリティは一級品。それだけに中心人物の華月の急死によって、バンドが活動できなくなってしまったのはショックでした。まだ粗削りな部分が感じられたデビューアルバム「MIND SOAP」以上の姿をその後に発表した「EVERGREEN」(2000)、「秋風の狂詩曲(ラプソディー)」(2000)といったシングルで提示しつつあったので、2ndアルバムでどんな成長を遂げているか楽しみだったんですけどね…。今でこそVERSAILLES、摩天楼オペラ(こちらは未聴)といったヴィジュアル系メタルバンドが活躍していますが、僕の中で「その手のバンド」といえば、まずRAPHAELが頭に浮かびますね。半ば伝説化しつつあったバンドが現在の姿を見せる今回の復活ライブを熱心なファンの皆さんの間でどう受け止められているのかわかりませんが、このニュースを目にして久々にRAPHAELの音楽に浸っている今日この頃です。

RAPHAELのオフィシャルサイトはこちら

【僕が大好きなRAPHAELの楽曲3選】
・花咲く命ある限り

デビュー当時のSONATA ARCTICAを彷彿とさせるキラドコサウンドと往年のDARK MOOR級のクサメロが融合した記念すべきバンドのメジャーシングル。「み~に~く~い ほ~どに~ き~れ~い~に な~るわぁ♪」の歌詞も耳に残ります。

Lost Graduation

僕がこのバンドと出会った思い出深い1曲。クサメロだけでなく癒しの旋律も持ち味としているRAPHAELらしさが溢れています。

タッチ

RAPHAELのオリジナル曲ではありませんが、数あるアニソンのメタルカバーの中でもこの曲のアレンジは秀逸なので。歌詞の世界観もバンドにマッチしていると思います。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「桜牙列伝」(2011)

  • 2012/04/16(月) 00:00:00

【CD購入録】
桜牙列伝
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「桜牙列伝」(2011)

勇者アーサー(G/DRAGON GUARDIAN)YAZIN(G/KNIGHTS OF ROUND)によるプロジェクトDRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」がこれまでに発表した「新選組散華録」(2010)、「新選組悲恋歌」(2010)のシングル2作品とフルレンスアルバム「新選組魔戦記」(2011)から選ばれた8曲(序曲を含む)に新曲2曲を加えて制作されたリメイクベスト盤を買いました。リメイクに当たって、オリジナルでは複数の女性声優陣が担当していたボーカルパートがDRAGON GUARDIANの1st「聖邪のドラゴン」(2006)のリメイク作品「DESTINY OF THE SACRED KINGDOM」(2011)にも参加していた男性シンガーLeo Figaro(Vo/MINSTRELIX)に差し替えられているほか、語りとセリフがカットされギターソロが盛り込まれています。選曲に関しては③「紅き涙」、⑦「粉雪ニ吠エル義士」(「新撰組魔戦記」収録)や⑩「護国の刃」(「新撰組散華録」収録)といった僕のお気に入り曲はしっかり収録されているし②「鬼神の剣」、⑥「人斬り」といった新曲もこのプロジェクトらしい出来映えだと思います。ただボーカルパートについては本作で聴けるLeoよりも個人的にはオリジナルの方が好きかな(特に⑧「織姫と彦星」は曲調、歌詞ともに女性ボーカルの方がマッチしていたと思います)。DRAGON GUARDIANの関連アルバムの中でも桜牙は名盤3rd「DRAGONVARIUS」(2009)の次に好きな作品なので、こうしてリメイクされたのは素直に嬉しいですね。帯タタキにもある通り「今までジャケットや語りで敬遠していたリスナーに強くアピール出来る」作品だと思います。

HELLOWEEN「THE BEST, THE REST, THE RARE」(1991)

  • 2011/10/31(月) 00:00:00

THE BEST, THE REST, THE RARE
【No.308】
★★★★(1995)

メロディック・パワーメタルのオリジネイターであり後続バンドに多大なる影響を与えたHELLOWEEN初のベストアルバム。本作に収録されている楽曲は1stフルレンス「WALLS OF JERICHO」(1985)、シングル「JUDAS」(1986)といったKai Hansen(G)がボーカルも兼任していたバンド初期、そして専任シンガーMichael Kiskeが加入して1988年と1989年に発表したメロディックメタルの金字塔「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」PART 1とPART 2という所謂「キーパー時代」、すなわち後にGAMMA RAYを結成するKai Hansenが在籍していた時期の作品から選ばれています。ただし「THE BEST, THE REST, THE RARE」というアルバムタイトルの通り、本作はシングルでしか聴けなかったレアトラックを収録していたり、僕を含めた多くのファンが超名曲と見なしているであろうEagle Fly Freeが入っていなかったりしているので純粋なベスト盤というよりは半ば企画盤として捉えた方がいいかもしれません。しかも本作がリリースされた1991年当時はシングルにのみ収録されていた楽曲群についても後に再発されたオリジナルアルバムに追加されていることもあって、KaiがHELLOWEENにいた頃の真髄を味わうなら「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」の2枚組(邦題「守護神伝 完全版」)、バンドの全体像を知りたいのであればKiskeの後任Andi Deris(Vo/ex-PINK CREAM 69)期も含めたベスト盤「TREASURE CHEST」(2002)の方が適しているように思います。

【トラックリストと収録作品】
01. I Want Out(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)
02. Dr. Stein(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)
03. Future World(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART1」)
04. Judas(シングル「JUDAS」)
05. Walls Of Jericho(「WALLS OF JERICHO」)
06. Ride The Sky(「WALLS OF JERICHO」)
07. Halloween(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART1」)
08. Livin' Ain't No Crime(シングル「DR.STEIN」収録)
09. Save Us(シングル「I WANT OUT」収録)
10. Victim Of Fate(Michael Kiskeバージョン)(シングル「DR.STEIN」収録)
11. Savage(シングル「DR.STEIN」収録)
12. Don't Run For Cover(シングル「I WANT OUT」収録)
13. Keeper Of The Seven Keys(「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」)

というわけで、今となっては中途半端な感が否めない本作ですが僕にとっては「HELLOWEENと出会った1枚」ということもあって非常に想い出深いアルバムです。メタリックな質感とキャッチーなメロディが絶妙のバランスで同居する楽曲の上でどこまでも伸びやかなKiskeのハイトーンが響き渡る①I Want Out、このバンド特有のコミカル路線を代表する②Dr. Stein、ポジティブムード全開で聴いていると元気になれる③Future Worldという名曲の畳み掛けに一発で魅了されました。その後に続くKaiボーカル時代の④Judas、⑤Walls Of Jericho~⑥Ride The Skyを聴いて冒頭の3曲とは異なる粗削りな曲調、シンガーの力量の差に戸惑いましたが曲そのものは気に入っているし、アルバムの真ん中と最後に配されたそれぞれ13分に及ぶ⑦Halloween、⑬Keeper Of The Seven Keysという大作2曲は僕にとって10分越えナンバーの初体験曲であるだけでなく、僕の中で長編曲を聴く際のひとつの基準にもなっています(非常に高い完成度を誇るこれら2曲を最初に聴いてしまったため、それを上回る大作曲になかなか出会えないハメになってしまうわけですが…)。

またシングルのカップリング曲を集めたアルバム後半は陽気でほのぼのムードすら漂う⑧Livin' Ain't No Crime、KiskeがANTHRAXにインスパイアされて書いたというHELLOWEEN流スラッシュ⑪Savage、つい口ずさんでしまう歌謡曲風メロディが魅力的な⑫Don't Run For Coverなど曲調が実に多彩。今でこそ15年以上に渡ってHR/HMを愛聴している僕ですが、当初はヘヴィメタルに対して「いかつい服装/髪型をしたメンバーによる喧しいだけの音楽」というようなマイナスイメージを持っていました(苦笑)。本作はそんな僕に対してヘヴィメタルの門戸を開いてくれた作品のひとつです。このブログで最初に取り上げたYNGWIE MALMSTEEN「ECLIPSE」(1990)が煌めくような美旋律でヘヴィメタルに興味を持たせてくれた1枚だとすれば本作は親しみ易さとキャッチーなメロディでメタルに対するネガティブな印象を払拭してくれた1枚という感じでしょうか。本作でジャーマンメタル、メロディックメタルに開眼した僕は「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」やEagle Fly Free、How Many TearsといったHELLOWEENの名盤/名曲に出会いましたが、今でも僕がこのバンドに対して抱くイメージは本作の冒頭3曲ですね。前述したように客観的に見ると中途半端なベストアルバムだと思うものの今でも本作を聴くと、初めてこのバンドと出会い衝撃を受けた当時の想い出がよみがえってきます。そういう意味で僕のミュージックライフにとって大切な作品です。

【音源紹介】
・I Want Out

既にHELLOWEEN脱退を決意していたKaiがこのI Want Out(外に出たい)という曲を書いたのだとか…。

「HEAVEN - BEST OF BALLADS PART 2」(2011)

  • 2011/10/05(水) 00:00:00

HEAVEN BEST OF BALLADS 2
【No.305】
★★★★(2011)

ヨーロッパ諸国、特に母国スイスで圧倒的な人気を誇るGOTTHARDのフロントマンとして多忙な日々を送る中「(趣味として楽しんでいた)バイクでアメリカを旅する」という夢を叶えるために休暇を取って渡米したSteve Lee(Vo)はフィアンセやバンドメンバーのMark Lynn(B)を含むバイク仲間達とツーリング中に不慮の事故に遭ってしまい、2010年10月5日に47歳の若さで天に召されてしまいました。本作はそんなSteveへの追悼盤であり、バンドとしては2枚目のバラードベストアルバムとなります。僕はこのバンドのスタジオ盤を全てチェックしているので本作に収録された18曲のうち②What Am I、⑩Have A Little Faith(Special Piano Version)、⑮Falling(Special Acoustic Version)、⑰Merry X-Mas、⑱Let It Be(Special Acoustic Version)を除く13曲を既に聴いているのですが、それでもリピートしたくなるほど素晴らしい1枚です。バラードベスト第1弾「ONE LIFE, ONE SOUL - BEST OF BALLADS +1」(2002)、2枚組ベスト「ONE TEAM, ONE SPRIT THE VERY BEST」(2004) のバラードサイド、そして本作という3枚のバラード作品をリリースしているにも関わらず収録曲がほとんど被らずに、これだけのクオリティを保つことのできるバンドは稀有なのではないでしょうか。なお現時点での最新作「NEED TO BELIEVE(2009)と同時期に収録されたもののお蔵入りになっていたという未発表曲②は爽快感、優しさや温かさといったポジティブな要素が同居したナンバーで、この曲や⑩、⑮はSteve自身も制作を望んでいたというアコースティック作品「D FROSTED」の第2弾を想定してレコーディングされたものだそうです。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Heaven(5th「HOMERUN」)
02. What Am I(未発表曲)
03. Where Is Love When It's Gone(8th「DOMINO EFFECT」)
04. Need To Believe(9th「NEED TO BELIEVE」)
05. One Life, One Soul(3rd「G.」)
06. The Call(8th「DOMINO EFFECT」)
07. Don't Let Me Down(9th「NEED TO BELIEVE」)
08. Nothing Left At All(7th「LIPSERVICE」)
09. Unconditional Faith(9th「NEED TO BELIEVE」)
10. Have A Little Faith(Special Piano Version) (6th「HUMAN ZOO」収録曲未発表バージョン)
11. Tears To Cry(9th「NEED TO BELIEVE」)
12. Everything I Want(7th「LIPSERVICE」)
13. I've Seen An Angel Cry(7th「LIPSERVICE」)
14. Tomorrow's Just Begun(8th「DOMINO EFFECT」)
15. Falling(Special Acoustic Version)(8th「DOMINO EFFECT」収録曲未発表バージョン)
16. And Then Goodbye(7th「LIPSERVICE」)
17. Merry X-Mas(日本未発売のEP「MERRY X-MAS」)
18. Let It Be(Special Acoustic Version)(3rd「G.」収録曲。「DOMINO EFFECT」ツアーエディションにのみ収録)

アルバムの構成としては「Show me the way to your heart...」というSteveのベストパフォーマンスのひとつに数えられる歌い出しで始まる名バラードで、今回の悲劇の後にシングルがスイスチャートで1位にもなった①Heaven、バンド名の起源であるゴッタルド峠に3,000人以上のファンが参列したというSteveの葬儀で流されたアコースティックバラードの名曲⑤One Life, One Soul以外は7th「LIPSERVICE」(2005)~9th「NEED TO BELIEVE」(2009)の3枚からの選曲が中心で、聴いていて心温まる作品に仕上がっています。また曲順についても単に年代順に並べるのではなくSteveの追悼曲と言っても過言ではない①と前述の未発表曲②で始まり、後半にはバージョン違いの楽曲を挟みつつ曲名からして終盤に相応しい⑯And Then Goodbyeでひと区切りつけ、それ以降も厚みのあるコーラスと手拍子が温かさを演出するアルバム未収録曲⑰、オリジナルとは違った味わいが嬉しい日本盤ボーナス⑱に至るまで見事と言うほかありません。

バラード集の第1弾「ONE LIFE, ONE SOUL - BEST OF BALLADS +1」収録曲の大半を占めていた3rd「G.」(1996)~5th「HOMERUN」(2001)の3作品では「G.」を除いて最もメロディアスな指向を強めていたのに対して、本作のメインとなっている7th~9thではバンドが骨太なハードロックに原点回帰しつつあるように思っていた僕ですが、こうして改めて聴くと第1弾に負けず劣らず感動的なバラードが多いことに気付かされました。また、それと同時に現代ハードロックシーンで最高の歌い手のひとりであるSteve Leeという至宝を失ってしまった悲しみがこみ上げてきますね。しかし、そんな悲しみさえも包み込んで聴き手に力を与えて励ましてくれる彼の歌声は筆舌に尽くし難いほどの素晴らしさです。このブログを訪れてくださった1人でも多くの方にSteve Leeの歌を聴いていただきたいですね。

【音源紹介】
・What Am I

【CD購入録】GOTTHARD「HEAVEN - BEST OF BALLADS PART 2」(2011)

  • 2011/01/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
HEAVEN BEST OF BALLADS 2
GOTTHARD「HEAVEN - BEST OF BALLADS PART 2」(2011)

Steve Leeの追悼盤でもあるGOTTHARDのバラードベスト第2弾を買いました。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Heaven(5th「HOMERUN」)
02. What Am I(未発表曲)
03. Where Is Love When It's Gone(8th「DOMINO EFFECT」)
04. Need To Believe(9th「NEED TO BELIEVE」)
05. One Life, One Soul(3rd「G.」)
06. The Call(8th「DOMINO EFFECT」)
07. Don't Let Me Down(9th「NEED TO BELIEVE」)
08. Nothing Left At All(7th「LIPSERVICE」)
09. Unconditional Faith(9th「NEED TO BELIEVE」)
10. Have A Little Faith(Special Piano Version) (6th「HUMAN ZOO」収録曲未発表バージョン)
11. Tears To Cry(9th「NEED TO BELIEVE」)
12. Everything I Want(7th「LIPSERVICE」)
13. I've Seen An Angel Cry(7th「LIPSERVICE」)
14. Tomorrow's Just Begun(8th「DOMINO EFFECT」)
15. Falling(Special Acoustic Version)(8th「DOMINO EFFECT」収録曲未発表バージョン)
16. And Then Goodbye(7th「LIPSERVICE」)
17. Merry X-Mas(日本未発売のEP「MERRY X-MAS」)
18. Let It Be(Special Acoustic Version)(3rd「G.」収録曲。「DOMINO EFFECT」ツアーエディションにのみ収録)

GOTTHARDのスタジオ盤をコンプリートしている僕にとっては全18曲中②、⑩、⑮、⑰、⑱を除く13曲が既に聴いたことのある音源だったので買うかどうか迷ったのですが、バンドを応援したいという気持ちで購入しました。ちなみに②、⑩、⑮はSteveの事故がなければ制作が進んでいたであろうアコースティック作品「D FROSTED PART2」用のテイクだそうです。こうして本作を聴いていると1992年のデビュー以来、GOTTHARDというバンドがいかに優れた楽曲を多く残してきたかがわかりますね。バラードベスト第1弾「ONE LIFE, ONE SOUL - BEST OF BALLADS +1」(2002)、2枚組ベスト「ONE TEAM, ONE SPRIT THE VERY BEST」(2004) のバラードサイド、そして本作という3枚のアルバムに収録された楽曲がほとんど被っていない上に、これだけ素晴らしいバラードがあるんですから…。収録曲の構成としてはSteve事故死の後にシングルがスイスチャートで1位となった①、Steveの葬儀で流れたという⑤以外は7th「LIPSERVICE」(2005)以降の作品から選りすぐられたバラードがズラリと並んでいて非常に心温まる作品に仕上がっています。

BURRN!誌2011年2月号のインタビュー記事でGOTTHARDのメンバーが語っていたように、バンドの今後についてはまだ未定とのことですが、ファンとしては彼らの決断をじっくり待ち、どのような答えを出したとしてもそれを支持するつもりです。できればSteveの声をもっと聴きたいので、Freddy Scherer(G)が語っていたスイスのルガノで開催されたライブ音源(Steve最後のライブ)をリリースして欲しいと思っています。
頑張れ!GOTTHARD!

【CD購入録】TREAT「WEAPONS OF CHOICE 1984-2006」(2006)

  • 2011/01/15(土) 00:00:00

【CD購入録】
WEAPONS OF CHOICE 1984-2006
TREAT「WEAPONS OF CHOICE 1984-2006」(2006)

オリジナルアルバムとしては18年振りとなる6th「COUP DE GRACE」(2010)のあまりの素晴らしさに感銘を受け、過去の作品群も聴きたいと思っていたスウェーデンのメロディックロックバンドTREATのベスト盤を買いました。セルフタイトル作5th「TREAT」(1992)を最後に解散していたバンドが再結成してリリースしたのが本作のようで新曲2曲、未発表曲1曲を含む全19曲というボリュームです。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Rev It Up(2nd「THE PLEASURE PRINCIPLE」)
02. I Burn For You(新曲)
03. World Of Promises(3rd「DREAMHUNTER」)
04. Conspiracy(4th「ORGANIZED CRIME」)
05. Ride Me High(2nd「THE PLEASURE PRINCIPLE」)
06. Mr. Heartache(4th「ORGANIZED CRIME」)
07. We Are One(1st「SCRATCH AND BITE」)
08. Sole Survivor(3rd「DREAMHUNTER」)
09. Go!(新曲)
10. Ready For The Taking(4th「ORGANIZED CRIME」)
11. Changes(1st「SCRATCH AND BITE」)
12. Get You On The Run(4th「ORGANIZED CRIME」)
13. Strike Without A Warning(2nd「THE PLEASURE PRINCIPLE」)
14. Too Wild(1st「SCRATCH AND BITE」)
15. Outlaw(3rd「DREAMHUNTER」)
16. You're The One I Want(3rd「DREAMHUNTER」)
17. Learn To Fly(5th「TREAT」)
18. Still In Heaven(未発表曲)
19. Party All Over(4th「ORGANIZED CRIME」)

流石、80年代北欧メタル史にその名を刻んだバンドだけあってキャッチーな中にも哀愁を感じさせる楽曲が次から次へと登場しますね。5th以前の作品を聴いたことがないので詳しいことはわかりませんが初心者の僕でも曲名は見かけたことがある③(IN FLAMESがカバーしてましたよね)や⑫なども収録されているし、問題作という噂も耳にする「TREAT」からは1曲だけですが5枚全てから選曲しているようなので手堅いベストと言えるのかな。また特筆すべきは②、⑨という新曲の素晴らしさで、他の曲と比べて遜色ないばかりか②は本作のベストチューン候補です。たまに顔を出すグルーヴィーな曲調が個人的には苦手だったりしますが、長く楽しめそうな1枚だと思います。

TERRA NOVA「BEST OF +5」(2006)

  • 2010/12/18(土) 00:00:00

BEST OF +5
【No.272】
★★★(2006)

一時解散していたものの6年振りとなる4th「ESCAPE」(2005)で再結成し、多くのメロハーファンを歓喜させたTERRA NOVA初のベストアルバム。本作には全部で17曲が収録されていて、その中の12曲がデビュー作「LIVIN' IT UP」(1996)~3rd「MAKE MY DAY」(1999)より厳選されたナンバー、5曲が2nd「BREAK AWAY」(1998)制作時にレコーディングした未発表曲という構成です。ポップでキャッチー、超爽やかな楽曲の数々を歌い上げるFred Hendrix(Vo)のハスキーでエモーショナルな歌声と演奏パートのハイライトとなるGesuino Derosasのギター(本作の収録曲では④と⑦のソロが特に好きです)、各曲を華麗に彩るRon Hendrix(Key)というTERRA NOVAの旨みがギッシリ詰まった1枚です。

【トラックリストと収録アルバム】
01. I Wanna Know(未発表曲)
02. Break Away(2nd「BREAK AWAY」)
03. Livin' It Up(1st「LIVIN' IT UP」)
04. Love Sick(3rd「MAKE MY DAY」)
05. Not Here With Me(2nd「BREAK AWAY」)
06. Hey Babe(1st「LIVIN' IT UP」)
07. Right Now(2nd「BREAK AWAY」)
08. Once Bitten Twice Shy(1st「LIVIN' IT UP」)
09. How(3rd「MAKE MY DAY」)
10. Make My Day(3rd「MAKE MY DAY」)
11. Holding On(2nd「BREAK AWAY」)
12. Eye To Eye(3rd「MAKE MY DAY」)
13. Love Of My Life(1st「LIVIN' IT UP」)
14. Against The Wind(未発表曲)
15. Reminiscing(未発表曲)
16. I'm The One(未発表曲)
17. Holy Water(未発表曲)

既発の12曲に関しては3枚のアルバムからバランス良く選ばれているだけでなく、それぞれのオープニングナンバーを贅沢に並べた②~④、オリジナル作品ではアルバム中盤に配されていた「これぞTERRA NOVA!」な⑦と⑧を連続させている辺りがかなり強力。またバラードについても3枚全てから選曲しており、失恋ソングの⑤、自ら恋人に別れを告げることの辛さを歌った⑨、真っ直ぐな王道ラブバラード⑬をチョイスしていて、「爽」と「哀」というバンドの2枚看板をたっぷり堪能させてくれますね。基本的にTERRA NOVAのバラードにハズレはないと思っているので、どれが入っても納得できるのですが上記の通り歌詞のテーマを重複させることなく選んでいたり、デビュー作のラストを見事に飾った名バラード⑬をベストアルバムの部のラストに持ってきたりするなど選曲、曲順の両面でツボを押さえていると思います。僕としてはデビュー作でTERRA NOVA史の幕開けを爽やかに告げた「Whoo, Let's rock the night away~♪」のコーラスからスタートする③をオープニングにして欲しかった、バンドの楽曲の中で一番思い入れの強い珠玉のバラードOnly For Youも入れて欲しかったなど細かい要望もありますが、これはあくまで個人的な希望なので客観的に見ればTERRA NOVAを知るには最適と言える12曲でしょう。「個々の楽曲は素晴らしいのにアルバム後半はやや息切れ気味」という僕がバンドの初期3作品に対して抱いていた数少ないマイナスイメージも、本作では感じられません(ベスト盤なので当然といえば当然ですが)。

そして3枚のオリジナル作品を持っている僕としては未発表曲に注目していたのですが、この5曲については良い曲だとは思うけれどTERRA NOVAとしてはアウトテイクレベルかなぁというのが正直なところです。その中で印象に残ったのはTERRA NOVAのレパートリーの中でもかなりハードな部類に入る①でしょうか。ただ、この曲はTERRA NOVAの本道からは外れ気味だし、ベスト盤のオープニングを飾るほどのインパクトはないと思うので他の4曲と同じくアルバム後半に並べて欲しかったかな。ファン心理としては、本作未収録の佳曲がこのバンドにはまだあると思うので純粋なベストアルバムとして17曲くらいを収録したDisc-1、「LOVE OF MY LIFE」と「MAKE MY DAY」という2枚のシングルにのみ入っていた曲と今回の5曲を合わせた未発表曲集のDesc-2という2枚組でリリースしてくれれば最高という感じですね。というわけで、これまでTERRA NOVAを応援してきた身としては若干の物足りなさもありますが、もし僕が「ESCAPE」でこのバンドを知ったのであれば大満足したであろう作品です。

【音源紹介】
・Love Of My Life

【CD購入録】OUTRAGE「DAYS OF RAGE 1986-1991」(1995)

  • 2010/03/09(火) 00:00:00

【CD購入録】
DAYS OF RAGE 1986-1991
OUTRAGE「DAYS OF RGAE 1986-1991」(1995)

【CD購入録】OUTRAGE「LIFE UNTIL DEAF」(1995)のコメント欄等にメタラーまっちゅさんからお薦めいただいたOUTRAGEの初期4作品からのベスト盤「DAYS OF RAGE」を買いました。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Under Control Of Law(1st「BLACK CLOUDS」)
02. Blind To Reality(2nd「BLIND TO REALITY」)
03. Madness(4th「THE FINAL DAY」)
04. Just Believe In Me(3rd「THE GREAT BLUE」)
05. Curtain Of History(1st「BLACK CLOUDS」)
06. River(4th「THE FINAL DAY」)
07. Veiled Sky(4th「THE FINAL DAY」)
08. The Day Of Rage(3rd「THE GREAT BLUE」)
09. Name Your Poison(2nd「BLIND TO REALITY」)
10. Edge Of Death(1st「BLACK CLOUDS」)
11. Black Clouds(1st「BLACK CLOUDS」)
12. My Final Day(4th「THE FINAL DAY」)
13. Love Song(DAMNEDのカバー曲)
14. Step On It(Demo’86)(未発表デモ)

METALLICA譲りの攻撃性に満ちたスラッシュメタルとそれを歌い上げる橋本 直樹(Vo)のボーカル、激しいサウンドの中に突然切れ込んでくる阿部 洋介(G)のメロディアスギターというバンドの旨みが詰まった「流石はベストアルバム」という印象です。各曲の収録アルバムを知る前に一通り聴いた時から僕のハートを熱くしてくれたのが③、⑦、⑫でした。後で収録作品を調べてみたら全て4th「THE FINAL DAY」だと知ってビックリ。これは何としても「THE FINAL DAY」を入手しなくてはなりませんね。ちなみに本作のライナーノーツはメンバーによる各曲の解説で、なかなか興味深く読ませてもらいました。

追記です。
OUTRAGEが、その20年以上の活動と海外交流が評価され平成21年度愛知県芸術文化選奨を受賞し、地元の愛知県より
表彰される事になったそうです。凄いぞOUTRAGE!
ソースはこちら

MIKAEL ERLANDSSON「VERY BEST OF MIKAEL ERLANDSON」(2002)

  • 2009/11/22(日) 00:00:00

VERY BEST OF MIKAEL ERLANDSSON
【No.200】
★★★★(2009)

無名ながら優れたバンド/アーティストを発掘してくれていたレーベル「ゼロ・コーポレーション」から「THE 1」でデビューするや、その哀愁と叙情味溢れる美旋律サウンドが好評を博し、1995年度のBURRN!誌人気投票のブライテスト・ホープ(新人賞)部門で第3位を獲得したスウェーデンのシンガーソングライターMikael Erlandsson(Vo)の「THE 1」、「UNDER THE SUN」、「UNFAMILIAR」という初期3作品から厳選された17曲と未発表曲2曲からなるベスト盤。彼のベストアルバムは1998年にも「TEARS OF HEART」(全15曲)というタイトルで発売されていたのですが、5年振りとなる4th「GIFT」での復活に先駆けて発表されたのが本作です。

【トラックリストと収録アルバム】
01. It's Alright(1st「THE 1」)
02. Can't Turn Back Now(2nd「UNDER THE SUN」)
03. Show Me(1st「THE 1」)
04. Life Is A Hard Game To Play(1st「THE 1」)
05. Touch You Now(2nd「UNDER THE SUN」)
06. A Lot Of Love(3rd「UNFAMILIAR」)
07. Carousel Of Seasons(3rd「UNFAMILIAR」)
08. Down To Earth(2nd「UNDER THE SUN」)
09. Wish You Were Here(1st「THE 1」)
10. Open Book(2nd「UNDER THE SUN」)
11. Hold Back The Tears(3rd「UNFAMILIAR」)
12. A Place To Hide In Town(2nd「UNDER THE SUN」)
13. Reason(1st「THE 1」)
14. Television(2nd「UNDER THE SUN」)
15. Can't Keep Hiding(1st「THE 1」)
16. 1000 Years(2nd「UNDER THE SUN」)
17. The 1(1st「THE 1」) 
18. Delirious(未発表曲)
19. Tell Me(未発表曲)

選曲については1st、2ndからそれぞれ7曲ずつ、3rdからは3曲と初期2枚に集中していますが、ライナーノーツで藤木さんも書かれているように良い曲を選ぶとこういう結果になると思うので妥当なチョイスかと。まぁ個人的には2ndのタイトルトラックUnder The Sunを入れて欲しかったところですが。曲順に関してもアルバム毎に収録曲を羅列するのではなく、Mikaelの代名詞でもあるコテコテのクサメロナンバー①で始まり、デビュー作のエンディング曲⑰で本編を締める辺りにこだわりが感じられて嬉しいですね。

未発表だった2曲については、流石にベスト盤本編の収録曲には及ばないものの、前者は哀メロの効いたメロディックロック、後者はパンク調の佳曲なのでファンとしては嬉しいオマケです。残念ながらオリジナル作品3枚と「TEARS OF HEART」の発売元であるゼロ・コーポレーションが倒産してしまった関係でそれら4作品の国内盤は廃盤なので、LAST AUTUMN’S DREAM結成前のMikaelを知るには打ってつけのアルバムだと思います。Mikael ErlandssonといえばLAST AUTUMN'S DREAMの人というイメージが強いかもしれませんが、LAST AUTUMN'S DREAMはMikaelだけでなくバンドメンバーのJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)や外部ライターが楽曲を手がけるハードロックバンドなのでMikael節の真髄に触れるなら、やはりソロ作品ですね。ちなみに①、⑫、⑰はLAST AUTUMN’S DREAMでカバーしています。

【音源紹介】
・Wish You Were Here


・Open Book

GOTTHARD「ONE TEAM, ONE SPRIT THE VERY BEST」(2004)

  • 2009/09/13(日) 00:00:00

ONE TEAM ONE SPIRIT
【No.178】
★★★(2004)

スイスの国民的メロディック・ロックバンドGOTTHARDの2枚組ベストアルバムで、このバンドのベスト盤としては2作目にあたります。前回の「ONE LIFE, ONE SOUL - BEST OF BALLADS +1」はタイトルが示す通りバラードに絞った選曲でしたが、今回は「ハードな曲でロックしたい時、メロウな曲に浸りたい時、それぞれの気持ちに合わせて楽しめるようにしたい」というバンドの意図から楽曲をロックサイド(Disc-1)とバラードサイド(Disc-2)に分けていて、GOTTHARDのハードな面、ソフトな面それぞれにスポットを当てた作品となっています。流石にこれまで良質な楽曲を多数リリースしてきたバンドだけあって、ここに収録されている曲はどれも一定水準を軽くクリアしたものばかりで名曲もしっかりと含まれています。

そんな充実の既発曲に加えて、本作のDisc-1とDisc-2にそれぞれ2曲ずつの新曲が収録されている点も見逃せません。しかも、勇壮でドラマティックなメロディ展開で曲が進行するDisc-1⑧Inside Out、重厚感と力強さを併せ持ったミッドテンポ⑫Fire And Ice、アテネオリンピックのスイス代表チームの公式テーマソングとしてシングルカットもされたパワーバラードDisc-2④One Team, One Spirit、前作「HUMAN ZOO」のアウトテイクというのが信じられない⑬What About Loveと、新曲のどれもがベスト盤の収録曲と比べて遜色ないことに驚かされます。ベスト盤に収録される新曲というとアルバムの最後に入れられることが多いですが、これら4曲はバラバラの曲順に並べられていることからもバンドの新曲に対する自信が窺えますね。また5th「HOMERUN」収録の名曲をピアノアレンジしたDisc-2⑰Everything Can Change(Piano Version)もファンにとっては嬉しい1曲です。

「GOTTHARD最大の魅力はバラードにある」と考える僕は、やはりDisc-2をよく聴いています。ホント、このバンドのバラードの素晴らしさと来たら、時にはBON JOVIJOURNEYといった大御所をも凌駕すると思えるほどです。Disc-2唯一の難点を挙げるとすれば⑯One Life, One Soulでしょうか。本作に収録されているのはオペラ歌手Montserrat Caballeとのデュエットバージョンなのですが、Steveの声との相性があまり良くなく違和感ありまくりです。Disc-1に関しては「何故、この曲が入ってるの?」というものはありませんが、収録曲の大半がどっしり構えたミディアムテンポのロックソングであるためアップテンポのロックナンバーも入れて欲しかったような気もしますね。1st「GOTTHARD」のMean Street Rocket、2nd「DIAL HARD」のHigher、Here Comes The Heat、Open Fire、3rd「G.」のRide On、Hole In Oneのような楽曲が2~3曲あれば緩急がついて更に良かったかな。そんなこんなで気になる点があるのは事実だし、2002年に制作されたベスト盤との間にオリジナルアルバムを1枚しか発表していないというリリースのタイミングなど疑問点も残りますが、2枚で全36曲というボリュームで代表曲は押さえてあるので、GOTTHARDをこれから聴くという方には絶好の入門盤となると思います。

【トラックリストと収録アルバム】
Disc-1 Rock Side
01. Sister Moon (3rd「G.」)
02. Mighty Quinn (3rd「G.」)
03. Mountain Mama (2nd「DIAL HARD」)
04. Top Of The World (6th「HUMAN ZOO」)
05. Eagle (5th「HOMERUN」)
06. Human Zoo (6th「HUMAN ZOO」)
07. What I Like (6th「HUMAN ZOO」)
08. Inside Out (新曲)
09. Movin' On (3rd「G.」)
10. Why Don't We Do It (2nd「DIAL HARD」THE BEATLESのカバーCome Togetherのイントロとなっていた部分)
11. Make My Day (3rd「G.」)
12. Fire & Ice (新曲)
13. Fist In Your Face (3rd「G.」)
14. No Tomorrow (6th「HUMAN ZOO」)
15. Light In Your Eyes (3:56)
16. Cheat & Hide (4th「OPEN」)
17. Standing In The Light (1st「GOTTHARD」)
18. Hush (1st「GOTTHARD」)
19. Firedance (1st「GOTTHARD」)

Disc-2 Ballads Side
01. Homerun (5th「HOMERUN」)
02. Have A Little Faith (6th「HUMAN ZOO」)
03. Reason To Live (5th「HOMERUN」)
04. One Team, One Spirit (新曲)
05. Heaven (5th「HOMERUN」)
06. All I Care For (1st「GOTTHARD」)
07. Love Soul Matter (アコースティックライブ盤「D FROSTED)
08. Still I Belong To You (6th「HUMAN ZOO」)
09. Let It Rain (4th「OPEN」)
10. You (4th「OPEN」)
11. Say Goodbye (5th「HOMERUN」)
12. Let It Be (3rd「G.」)
13. What About Love (新曲)
14. Janie's Not Alone (6th「HUMAN ZOO」)
15. First Time In A Long Time (6th「HUMAN ZOO」)
16. One Life, One Soul (3rd「G.」)
17. Everything Can Change (Piano Version) (5th「HOMERUN」収録曲の別バージョン/未発表曲)

【音源紹介】
・Inside Out


・One Team, One Spirit

GOTTHARD「ONE LIFE, ONE SOUL - BEST OF BALLADS +1」(2002)

  • 2009/09/08(火) 00:00:00

ONE LIFE ONE SOUL
【No.176】
★★★★(2002)

母国スイスでは2nd「DIAL HARD」以降のアルバム全てが国内チャート1位に輝く国民的ロックバンドでありながら、その人気振りが日本には今ひとつ伝わってこないGOTTHARD初のベストアルバムは彼らの最大の武器であるバラードを集めた1枚。普通、メロディック・ロックバンドのベスト盤がバラードアルバムだと聞くと違和感がありますが、このバンドの場合は初めてのベスト盤がバラード集だということをすんなり受け入れている自分に気づきました。確かに「GOTTHARDで好きな曲は?」と聞かれて、真っ先に思い浮かぶのはLet It Rain、Heaven、Let It Be、Love Soul Matterといったバラード系なので、いつの間にか自分の中でGOTTHARDをバラードバンドとして捉えていたのかもしれませんね。

GOTTHARDは好きなバンドのひとつですし、各アルバムに大好きな楽曲はありますが、さほどのめり込めない曲(主に元気なロック系)も確かに存在していて、作品1枚を通して聴くよりは楽曲単位で楽しむことが多いバンドでもありました。なので、こうして僕好みのバラードを集めてくれると満足度は自然と高くなりますね。選曲的にも押さえるべき楽曲は押さえた手堅い内容で、バラードという枠の中でも①Heaven、④Let It Rainといった王道路線、本作のタイトルにもなっている名曲⑦One Life, One Soulに代表されるアコースティック主体でメロディが染み渡るタイプや⑮Out On My Own、⑯I’m On My Wayのように土の香り漂うカントリー系、そして温かみのあるメロディが優しく包み込んでくれる⑧You、⑰Love Soul Matterなど、バラエティ豊富なので単調になることはありません。優れたバラードが多いためか、僕の大好きなLet It BeSomedayが選曲から漏れているのは少し残念ですが…。

また本作は単なるバラードベストではなくROLLING STONESのカバー②Ruby Tuesdayとオリジナル曲③Looking At Youという新曲が2曲、企画盤またはシングルのみの収録曲2曲、既発曲のリミックス3曲(ギタートラックを増やした⑫、ストリングスサウンドを追加した⑬はだいぶ印象が違います)も収録していてファンの購買意欲をそそる内容となっています。特に新曲2曲が良いですね。②に限らずGOTTHARDは本当にカバーが上手いバンドなので、いつかカバーアルバムも出してもらいたいです。ちなみに「BEST OF BALLADS +1」の「+1」は⑱Timeのことを指していて、この曲だけがアップテンポのメロディックロックチューンとなっていています。これが意外と良くて、今後のGOTTHARDにこういうロックナンバーを期待したくなりますね。この曲のラストには本作1曲目Heavenのサビメロのオーケストラアレンジを収録するというニクイ演出がなされています。2004年にバンドはロックサイド、バラードサイドに分けた2枚組ベストをリリースしていますが、僕は本作の方が好きだなぁ。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Heaven (5th「HOMERUN」)
02. Ruby Tuesday (新曲)
03. Looking At You (新曲)
04. Let It Rain (4th「OPEN」)
05. All I Care For (1st「GOTTHARD」)
06. He Ain't Heavy He's My Brother (企画盤「Fight For Your Life」)
07. One Life, One Soul (3rd「G.」)
08. You (4th「OPEN」)
09. Homerun (5th「HOMERUN」)
10. Father Is That Enough? (3rd「G.」)
11. Reason To Live (5th「HOMERUN」)
12. Lonely People (5th「HOMERUN」)Remix Version
13. Peace Of Mind (4th「OPEN」) Remix Version
14. Angel (アコースティックライブ盤「D FROSTED」)
15. Out On My Own (アコースティックライブ盤「D FROSTED」)
16. I'm On My Way (アコースティックライブ盤「D FROSTED」)
17. Love Soul Matter (アコースティックライブ盤「D FROSTED」) Remix Version
18. Time(欧州盤シングル「HOMERUN」のカップリング曲)

【音源紹介】
・Love Soul Matter(Live)


・Time

【CD購入録】森重 樹一「THE VERY BEST OF MORISHIGE, JUICHI」(2008)

  • 2009/05/04(月) 20:37:27

【CD購入録】
THE VERY BEST OF MORISHIGE, JUICHI
森重 樹一「THE VERY BEST OF MORISHIGE, JUICHI」(2008)

2007年いっぱいでZIGGYが活動休止をしてからも、THE DUST'N'BONEZでハードロックンロール、THE PRODIGAL SONSでブルーズロック、そしてソロで自由度の高い音楽を追求するという3足の草鞋状態で精力的に活動している森重 樹一(Vo)のソロ活動の集大成ともいうべき2枚組ベストアルバムを買いました。本作はこれまでにリリースした6枚のソロ作品から、森重本人が選曲した24曲(全曲リマスタリング)と新録音2曲というボリュームで聴き応え十分です。こうして森重がこれまでにソロ活動で発表してきた楽曲群を聴いていると、ZIGGYの枠には収まり切らない多様性がありますね。そんなバラエティ豊かな作風でありながら耳に残るメロディをしっかり存在させる作曲能力、一声聴いただけでそれとわかる説得力抜群のボーカル、そして他には真似できない独特のボキャブラリーと節回しで心に響く歌詞センスなど、神に二物も三物も与えられた人なんだなぁとつくづく思います。森重のように才能豊かな人がミュージシャンとして活動してくれていること、また彼の作品をリアルタイムで聴けることが嬉しいですね。彼のソロ作品は既に廃盤になってしまっているものもあるので、僕のように森重 樹一の初期ソロ作品を聴きたくても聴けない状況にあったファンにとっては待望の作品だし、まだ森重の音楽に触れたことのない人にとっては手軽な入門盤としても最適だと思います。

森重ソロのディスコグラフィと本作の収録曲はこちら
LOVE SOMEBODY
「LOVE SOMEBODY」(1996)
Disc-1
01. 夜間飛行
02. ROSE MARY
03. Time will tell

HEART OF GOLD
「HEART OF GOLD」(1997)
Disc-1
04. Till The End
05. STRENGTH
06. SAD...
07. Heart of Gold
08. Blowin'Free

BUTTERFLY.jpg
「BUTTERFLY」(1999)
Disc-1
09. 夜は朝が思う程
10. LAZY BLUE
11. あすがこなくても
12. LIVE FOR TODAY

LOOKING FOR MY PARADISE
「LOOKING FOR MY PARADISE」(2002)
Disc-1
13. その頂に
Disc-2
01. EASY COME EASY GO!
02. たった一つ、たった一人

ROCK & ROLL SINGER
「ROCK & ROLL SINGER」(2004)
Disc-2
03. ROCK & ROLL SiNGER
04. Rusty Voice
05. NOTHING LASTS FOREVER
06. 終らない愛の唱

CHRONIC LAY ABOUT
「CHORNIC LAY ABOUT」(2005)
Disc-2
07. 根無し草
08. SUNSHINE GIRL
09. BABY,COME TOGETHER!!!
10. 一人にしないで
11. 涙のNIGHT TRAIN

新録音曲
Disc-2
12. SO ALONE(未発表新曲)
13.涙の夜の数だけ(セルフカバー 俳優 高橋 克典に1999年に提供した曲)


ZIGGY「VICISSITUDES OF FORTUNE」(2004)

  • 2009/03/17(火) 08:16:52

VICISSITUDES OF FORTUNE
【No.111】
★★★★(2007)

日本最強のロックンロールバンドZIGGYの結成20周年記念4枚組ベストアルバム。全63曲というボリュームもさることながら、これほどクオリティの高い楽曲を揃えられるZIGGYはやっぱり凄い。ファン投票で選曲を決めた1992年発表の「ORDER MADE」、1997年までのシングルを網羅した「WHAT'S BEST? SINGLES 1987~1997」というこれまでにリリースした2枚のベスト盤の収録曲をほぼ全てカバーしているだけでなく、全曲リマスタリングを施してバンド初音源の自主制作盤「それゆけ!R&R BAND」や「SOUND TRAX」といったミニアルバムからの楽曲も取り上げてくれてるのがいいですね。それに加えて新曲2曲と「YELLOW POP」、「ZOO&RUBY」両アルバムの頃のデモ音源7曲も収録した豪華な1枚です。選曲に関してはこれまでのシングル曲のうち13枚目のWithout...だけが外れていたり、個人的にZIGGY最高のバラードだと思っている「この空のしたのどこかに」(共に「GLOIATH BIRDEATER」収録)が入っていないのが残念ですが、これほど長い歴史を持つバンドになると完璧なベスト盤を作るのは難しいんでしょうね。

1984年の結成から2004年まで時系列に沿って並べられた楽曲の数々からは、ZIGGYの音楽性の変遷がうかがえます。SNAKE HIP SHAKES以降のZIGGYから聴き始めた僕にとっては、バンド初期の森重 樹一(Vo)による巻き舌全開の歌い方(日本語なのに歌詞が聞き取れない)に違和感こそあれ、楽曲のメロディそのものは既にハイクオリティ。中でもデビュー15周年ライブ盤に収録されていた初期の名曲Disc-1②Feelin' Satisfied、⑤How、Disc-2③Long And Winding Roadのオリジナルバージョンが聴けるのは嬉しいですね。またデモ音源も見逃せないものが多く、中でもStay GoldタイプのDisc-2④「激しい雨に」、哀愁ポップソングDisc-2⑥「TIME~流れるままに~」の2曲はお気に入りだし、シングルでしか聴けなかったDisc-4⑦7th DirectionもハードロッキンなZIGGYの魅力が詰まった僕好みの1曲。ちなみに新曲2曲(Disc-4⑪悪魔と踊れ、⑫聲)は、2005年以降のZIGGYらしいブルージーテイストのある佳曲です。

個人的な好みで言えばリアルタイムで聴いてきたハードロック色の濃いDisc-4が好きですが、自分が小・中学生の頃にテレビでよくかかっていた初期~中期の名曲Disc-1⑨GloriaやDisc-3⑤Stay Goldを聴くとノスタルジックな気持ちになりますね。とにかくボリューム満点のベスト盤なので、僕のようにSNAKE HIP SHAKESからZIGGYを聴き始めた人、ZIGGY初心者の方(曲が多すぎるかもしれませんが)、かつてZIGGYに夢中だった人など、少しでもこのバンドに興味がある人なら買って損はないと思いますよ。4枚組で¥5,600というリーズナブルな価格も魅力。

【音源紹介】
・Long And Winding Road


・7th Direction

【CD購入録】IRON MAIDEN「SOMEWHERE BACK IN TIME THE BEST OF: 1980-1989」(2008)

  • 2009/02/18(水) 08:21:24

【CD購入録】
SOMEWHERE BACK IN TIME
IRON MAIDEN「SOMEWHERE BACK IN TIME THE BEST OF: 1980-1989」(2008)

HR/HMについてブログを書いている僕ですが、実はIRON MAIDENのことは詳しく知りません。というのも僕がメタルに開眼した1995年というと、Bruce Dickinson(Vo)は既にバンドを離れていて、今となっては半ば「なかったこと」になっている感もあるBlaze Bayley(Vo)在籍時だったから。当時の僕にとって最大のメタル情報源だったBURRN!を読んで「IRON MAIDEN=シンガー交代で失敗しちゃった大御所バンド」という印象さえ抱いていたほどです。そんな僕だったのでBruceの復帰作「BRAVE NEW WORLD」(2000)も聴いてはみたものの、それほど夢中になることはありませんでした。ところが添乗員時代に欧米のCDショップに行ってみると、IRON MAIDENの巨大ポスターがドーンと貼られていたり、街中でもIRON MAIDENのTシャツを着て闊歩する若者やライブ広告を目にするなど欧米(特にヨーロッパと南米)での人気振りを肌で感じ、いつかIRON MAIDENの作品を改めて聴きたいと思うようになってました。そんな時に発売されたのがバンドが1980年~1989年にリリースしたアルバム楽曲から構成されている、このベスト盤です。ライナーノーツによると、本作のコンセプトはIRON MAIDENをリアルタイムで体験したことのない若いリスナーへのプレゼントだそうです。30代の僕が若いリスナーかどうかは別として、これは僕にとって絶好のIRON MAIDEN入門盤といえそうです。メタルの王道をゆく楽曲はもちろん、実際のライブをイメージした曲順、アルバム構成も含めて素晴らしいですね。世界最強のへヴィメタルバンドとして名を轟かせるIRON MAIDENの活動を見ていて、バンドの実力もさることながら様々なアイデアでバンドの魅力をリスナーに届けるマネージャーRod Smallwoodの貢献も大きいんじゃないかなぁと感じました。