【CD購入録】NOCTURNAL RITES「PHOENIX」(2017)

  • 2017/09/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
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NOCTURNAL RITES「PHOENIX」(2017)

2010年頃からニューアルバムを制作中という噂は聞かれたものの、続報が入ることがなかったため自然消滅または解散したものとばかり思っていたNOCTURNAL RITES10年振りの新作(通算9枚目)を買いました。ライナーノーツによるとバンド側としては解散するつもりは毛頭なく、しばらくリフレッシュ期間を設けるつもりが、どんどんその期間が長くなってしまったとのことです。前作「8TH SIN」(2007)発表後にメインソングライターNils Norberg(G)が脱退、後任にChris Rorland(G)を迎えるも人気バンドSABATONにも在籍する彼がNOCTURNAL RITESとの活動を並行させることは難しく離脱。今年になってSCAR SYMMETRYの中心人物でもあるPer Nilsson(G)が加入したことでバンドが活性化し、完成したのが本作のようです。待望の新作なので期待を胸に抱きつつ、10年という長いブランクがあったので一抹の不安も感じていましたが第一印象としてはNOCTURNAL RITESらしい1枚に仕上がっていると思います。若干ヘヴィになった感はありますが、スピードに頼ることなくドッシリと構えた重厚なヘヴィメタルサウンドとJonny Lindkvist(Vo)の熱唱が今回も堪能できますね。即効性の高い楽曲は少ないですが何度も聴きたくなる魅力を備えています。現時点でのお気に入りは前任ギタリストChrisが曲作りにも参加した②Before We Waste Awayですね。

【CD購入録】ANTHEM「ENGRAVED」(2017)

  • 2017/08/01(火) 00:00:00

【CD購入録】
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ANTHEM「ENGRAVED」(2017)

「軍曹」、「柴サタン」とも呼ばれる絶対的なバンマスとして君臨する柴田 直人(B)率いるANTHEMの16作目を買いました。柴田作の曲がアルバムの大半を占めるANTHEMにしては珍しく今回は清水 昭男(G)が約半数の楽曲を手掛け、SABER TIGERの近作でも作詞を担当している遠藤 フビトが2曲で歌詞を書くなど新しい試みを導入しています。個人的にはJ-POPのアーティストにも曲を提供するなど引き出しの多い清水色が濃くなることを期待していたのですが、いざ聴いてみると良くも悪くも不変のANTHEMサウンドが貫かれているという印象ですね。外部からのインプットが増えても結局はリーダーの支配力でANTHEMらしくなったという感じでしょうか。先行でPVも公開されたリードトラック①The Artery Songから②Far Awayへと至る流れ、スピーディーな③Keep Your Spirit Alive、⑤Midnight Growl、清水が持ち込んだと思われる要素が強めの⑩Don't Break Awayやラストを締めくくるタイトル曲⑪Engravedなどが気に入っています。ただし過去作品にあったようなキラーチューンが本作にも収録されているかというと、現時点では身を乗り出してしまうほどの楽曲はないかなというのが正直な感想ですね。

【CD購入録】SABER TIGER「BYSTANDER EFFECT」(2015)

  • 2017/07/27(木) 00:00:00

【CD購入録】
BYSTANDER EFFECT
SABER TIGER「BYSTANDER EFFECT」(2015)

下山 武徳(Vo)復帰後としては3枚目、SABER TIGERの結成35周年記念にあたる通算11作目を買いました。本作は「キャッチーで大合唱できること」をテーマにした1枚だそうで、たしかにここ最近のアルバムと比べるとわかりやすい作品になっているように思います。このバンドにはもう少しわかりやすいメロディが欲しいと感じていたので、この方向性は歓迎ですね。また今回はSABER TIGERとして久し振りに日本語詞による楽曲が収録されています。下山が日本語で歌うのを聴いているとSIXRIDEを思い出しますね。第一印象としては、やはり日本語詞のナンバーの方がスッと耳に入ってくるし、中でも8分近くあるバラード⑨An Endless Endは胸に迫ってきます。全体的に見ればキャッチーになったと言っても、それはあくまでSABER TIGERにしてはの話なので僕の嗜好からすればもっとメロディアスになってもらってもいいのですが、そうなるとSABER TIGERらしさが揺らいできそうなので難しいところですね…。

【CD購入録】MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS「MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS」(2014)

  • 2017/05/30(火) 00:00:00

【CD購入録】
SILENT ASSASSINS
MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS「MIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINS」(2014)

5th「V: THE NEW MYTHOLOGY SUITE」(2000)からSYMPHONY Xに加入し、2017年現在まで不動のベーシストとして在籍しているMike LePondによるソロプロジェクトMIKE LEPOND'S SILENT ASSASSINSのセルフタイトル作を買いました。ベースに加えてリズムギターと全曲の作詞作曲も手がけるLePond以外のメンバーはSYMPHONY XのリーダーMichael Romeo(G)がギターだけでなくキーボードも担当、Metal Mike Chlasciak(G/HALFORD etc)も複数の曲でギターソロを弾いていて2人が共演している曲もあります。ボーカルはAlan Tecchioなる人物で、いかにもアメリカのヘヴィメタルシンガーという感じのタイプですね。本作の音楽性はSYMPHONY Xよりもストレートなヘヴィメタルでありつつスラッシーに突っ走ったり、民謡調のフレーズが飛び出したりとなかなか面白い仕上がりとなっています。特にアルバム後半の充実振りは目を見張るものがあり、前のめりに突進する⑥Silent Assassins、ロックンロール調の⑦Ragnarok、終盤でスリリングなインストパートが展開される⑧The Progeny、ラストを飾る11分の大作⑨Oath Of Honorなど聴き応えがありますね。これは意外な掘り出し物かもしれません。

【CD購入録】FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

  • 2017/03/22(水) 00:00:00

【CD購入録】
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FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

2009年にOZZY OSBOURNEのツアーに帯同、翌年にリリースされたアルバム「SCREAM」にも参加していたギリシャ人ギタリストGus G.のメインバンドFIREWINDの8作目を買いました。5th「THE PREMONITION」(2008)などを聴いて手堅い正統派ヘヴィメタルが楽しめる一方でFIREWINDならではの決め手に欠けるイメージがありました。そんな理由からここ最近の2作品はノーチェックだったし、本作も当初はスルーの予定だったのですがB!13さんからコメントをいただいたことがきっかけで①Hands Of Time、③Ode To Leonidas、④Back On The Throneのオフィシャル音源を聴いてみたところ予想以上にメロディックパワーメタル寄りで僕好みだったので購入した次第です。今回のアルバムに収録されている楽曲にはメロパワ界きってのプロデューサーDennis Ward(B/PINK CREAM 69、UNISONIC)とGusによるプロジェクトのために書かれたマテリアルも含まれているそうで、その制作過程が今回の作風に影響しているのかもしれませんね。2015年に加入し、本作が初めてのスタジオ盤となるHenning Basse(Vo/ex-METALIUM)の歌唱はRob Rock(Vo/IMPELLITTERI)を彷彿とさせる熱唱系でバンドとの相性も良さそうです。本作は「テルモピュライの戦い」、「サラミスの海戦」という古代ギリシャの2つの戦いを題材にしたバンド初のコンセプトアルバムですが、各曲をシームレスに繋いだりSEを用いたりすることなく通常作品と同じく個々の楽曲が独立した構成となっています。ギリシャのバンドと言えばGus Drax(G)率いるSUNBURSTKosta Vreto(G)が在籍するWARDRUMといった期待の若手が相次いでシーンに登場していますが15年近いキャリアを誇るFIREWINDも負けていませんね。

【CD購入録】BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

  • 2017/02/18(土) 00:00:00

【CD購入録】
BRINGER OF PAIN
BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

ジャケットからしてインパクト抜群なBATTLE BEASTの4作目を買いました。過去のアルバムで創作面のイニシアティブを握っていたAnton Kabanen(G)が前作「UNHOLY SAVIOR」(2015)リリース後に脱退したと聞いた時にはバンドがどうなるのか心配でしたが、ここに届けられた新作はそんな不安を吹き飛ばすばかりか最高傑作なのではないかと思えるほどの充実盤となっています。シンセサウンドを纏いながら駆け抜けていくアップテンポ①Straight To The Heartを聴いて今まで以上に僕好みのメロディアスな作風で手応えを感じていたら、それ以降もテンションが下がることなくあっという間に聴き終えてしまったという感じです。メロディ志向の楽曲群の中でガツンと来るタイトル曲②Bringer Of Pain、重厚なヘヴィサウンドでアルバムに起伏をつけている⑥Lost In Wars、「ウィ!ウィル!ファァィ!」と初めて聴いた時から歌えてしまった⑧We Will Fight、タイトル通りのダンサブルチューン⑨Dancing With The Beast、本編を見事に締めくくるバラード⑩Far From Heaven などバラエティに富んでいる点も見逃せません。それに加えてボーナストラックもBATTLE BEASTらしいメタルソング⑪God Of War、クワイアが荘厳な雰囲気を醸し出す⑫The Eclipse、ロックンロールテイストに溢れた⑬Rock Trashと充実しています。バンド史上最大の危機を見事に乗り越えた本作は気が早いかもしれませんが2017年の年間ベスト入りは確実だと思います。

【CD購入録】MARY'S BLOOD「FATE」(2016)

  • 2016/11/19(土) 00:00:00

【CD購入録】
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MARY'S BLOOD「FATE」(2016)

骨太で硬派なサウンドが持ち味のガールズメタルバンドMARY'S BLOODの3作目を買いました。今回も僕が注目するEYE(Vo)による迫力満点のシャウト、SAKI(G)のテクニカルなプレイという2大要素は健在でオープニングを飾る①Counter StrikeはMARY'S BLOODの魅力をギュッと凝縮したナンバーだし、それに続く②Shall We Dance?もガツンと来るメタリックチューンとなっています。その後は落ち着いた曲調や一際ポップな⑥HANABI、演歌テイストも感じられる⑧In The Rainを交えつつラストは再び激しい曲で締める構成も良いですね。ちなみに本作では複数のゲストを迎えていて③Angel’s LadderBABYMETALKARATEを作曲、編曲したゆよゆっぺなる人物が提供しているほか、⑤Chateau de Sableにはルーク篁(G/CANTA、ex-聖飢魔II)⑨Change The Fateには五十嵐☆sun-go☆美貴(G/SHOW-YA)が客演しています。正直なところ第一印象としては前作「BLOODY PALACE」(2015)に及ばないような気もしますがMARY'S BLOODらしい1枚に仕上がっていると思います。

【CD購入録】VOLCANO「JUGGERNAUT」(2016)

  • 2016/07/18(月) 00:00:00

【CD購入録】
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VOLCANO「JUGGERNAUT」(2016)

前作「MELT」(2015)から僅か1年というVOLCANOとしては異例の短さでリリースされた5作目を買いました。2nd「DAVI」(2001)発表後10年近く音沙汰がなかったことを思うと、前作が完成した時に屍忌蛇(G)が言っていた「今からやぞ」という言葉通り、ここから活動を活発化してくれそうで嬉しいですね。中身の方はというと「MELT」の延長線上にあるヘヴィメタルサウンドの中で、屍忌蛇のギターが泣きまくるVOLCANOらしい作風となっています。現時点でのお気に入りはギターがひと泣きした後に「オー アイムソーリー♪」と歌い出す⑤I Missですね。バンド史上初の壮大なバラードという触れ込みの⑪Coming Hillも感動的ですが、期待を上回るほどではないかな。とはいえVOLCANOらしさはしっかり見せつけてくれているので愛聴しています。曲作りの時に目の前に玄米茶があったことから仮タイトルが「玄米茶」になり、そこから歌詞を考えたという③Get Mad Childのサビは「げん!まいちゃ!」にしか聞こえませんね(笑)。

【CD購入録】KISSIN' DYNAMITE「GENERATION GOODBYE」(2016)

  • 2016/07/07(木) 00:00:00

【CD購入録】
GENERATION GOODBYE
KISSIN' DYNAMITE「GENERATION GOODBYE」(2016)

2008年にデビューして以降、きっちり2年ごとにニューアルバムを届けてくれているKISSIN' DYNAMITEの5作目を買いました。初期のパーティーロック調から徐々にシリアスな方向へ変化してきた感のある彼等ですが、今回も近作の延長線上にある1枚と言えそうです。ドッシリと構えて聴かせるミッドテンポ①Generation Goodbyeはアルバムの掴みとしては微妙ながら単体で見ればカッコいいし、これぞKISSIN' DYNAMITE!なロックチューン②Hashtag Your Life(曲名がいかにも今どきのバンドらしいですね)、そこから一転してドラマティシズムと哀愁に溢れたパワーバラード③If Clocks Were Running Backwardsと続く展開にヤられました。PVも制作された②、③を筆頭に今回も良曲揃いなので、あっという間に聴けてしまいます。デビュー当時は16歳だったフロントマンJohannes Braunの成長に合わせるかのように、ロックソングだけでなくバラード系もこれまで以上に聴き応えがあるのも本作の特徴でしょうか。本編ラストの⑪Utopiaも泣けます。今回のアルバムも2016年を振り返る頃には年間ベスト入りを果たしてそうな力作ですね。

【CD購入録】JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

  • 2016/06/21(火) 00:00:00

【CD購入録】
SWING OF DEATH
JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

2014年に解散を発表したWIG WAMのギタリストTeenyことTrond HolterがWIG WAM在籍時から構想を温めていたドラキュラをテーマにしたストーリーアルバムを買いました。リードシンガーを務めているのはJorn Lande(Vo/JORN、ALLEN-LANDE etc)で、今回も濃厚なボーカルパフォーマンスを披露しています。WIG WAMのリードシンガーだったAge Sten Nilsenによると、本作は元々WIG WAMの別プロジェクトとして自身が歌うはずだったにもかかわらずTrondが独断でJornとレコーディングを進めていったのだとか…。そのことが引き金となりWIG WAMの解散が決定的になったという、いわくつきの1枚でもあります。音楽性はWIG WAMとは似ても似つかないほどダークかつドラマティックなヘヴィメタルでJornの熱唱も冴えていますね。また曲によってはヨーロッパ民謡風のメロディが飛び出してきたり、女性シンガーとのデュエットもあったりしてアルバムに起伏を持たせています。ハイライトは劇的な展開と終盤の弾きまくりギターソロが印象的な⑦Queen Of The Deadですね。いわゆる疾走曲の類いは収録されていないので即効性は低めですが繰り返し聴いているうちに味わいが増してくる辺りは流石です。WIG WAMの中心人物だったGlamとTeenyの2人が解散後に発表したアルバムによる対決は本作に軍配が上がりますね。

【CD購入録】RUSSKAJA「ENERGIA!」(2013)

  • 2016/05/06(金) 00:00:00

【CD購入録】
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RUSSKAJA「ENERGIA!」(2013)

現時点での最新作でもある4th「PEACE, LOVE & RUSSIAN ROLL」(2015)でその存在を知り、ファンになったロシアン・ターボ・ポルカ・メタルバンドRUSSKAJAの3作目を買いました。「PEACE, LOVE & RUSSIAN ROLL」と比べると本作の方がHR/HM色は薄いように感じますね。その反面、ポルカやブラスサウンドが生み出す楽しげな雰囲気が強調され、メロディについても哀愁よりキャッチーさが前面に出ています。歌詞は英語よりもロシア語、ドイツ語の比率が大きいため意味はほとんどわかりませんが、タイトル曲①Energiaの「エェ!ネェ!ギィ!アァ!」を筆頭に曲名を連呼するサビが多いため初めて聴いた時から口ずさんでしまうし③Radost Moja、⑤Istanbul辺りのメロディもクセになります。何度もリピートしていた4thに負けず劣らず、今回も中毒性の高い1枚なのでしばらくヘビロテ決定ですね。

【CD購入録】DYNAZTY「TITANIC MASS」(2016)

  • 2016/04/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
TITANIC MASS
DYNAZTY「TITANIC MASS」(2016)

前作「RENATUS」(2014)でそれまでのハードロックンロールからヘヴィメタルへと音楽性が変化したDYNAZTYの5作目を買いました。ラテン語で「生まれ変わる、再生する」という意味を持つタイトルだった前作で文字通り化けた彼等ですが、本作は「RENATUS」で提示した音楽性の延長線上にある作風となっていますね。PVも制作されたオープニング曲①The Human Paradoxを聴いて高まっていた期待にしっかりと応えてくれています。数回聴いた現時点では、この曲を超えるキラーチューンはないように思うし、第一印象は前作に及びませんが愛聴盤になることは間違いなさそうですね。4thでは聴けなかったバラードも⑥I Want To Live Forever、⑪The Smoking Gunの2曲が収録されています。

【CD購入録】SUNBURST「FRAGMENTS OF CREATION」(2016)

  • 2016/04/18(月) 00:00:00

【CD購入録】
FRAGMENTS OF CREATION
SUNBURST「FRAGMENTS OF CREATION」(2016)

ギリシャから彗星の如く現れたプログレッシブ・パワーメタルバンドSUNBURSTの1stアルバムを買いました。僕はこのバンドのことを全く知らなかったのですがBURRN!誌上で藤木さんがプッシュされている記事を読み、YouTubeで試聴してすぐさま購入を決めました。中心人物のGus Drax(G)は新世代のギターヒーローとして注目されているようですね。本作はそんなGusが敬愛するDREAM THEATER(初期)、SYMPHONY X、CONCEPTION、NEVERMOREといった先達からの影響の下にあるサウンドで個人的にはビルドアップされたKAMELOTという印象が強いです。実際、シンガーのVasilis GeorgiouRoy Khan(Vo)の後任を探していたKAMELOTのオーディションを受けたこともあるそうで(Gus談)、ウェットかつ表現力に溢れた彼がTommy Karevik(Vo/SEVENTH WONDER)の代わりにKAMELOTに加入していても違和感なかったのではと思うほど。こうしてボーカルとギターに実力者が揃っているバンドはやはり強いですね。ズバ抜けたキラーチューンこそないものの全体的にクオリティは高く、ザクザクと刻まれるリフと哀愁を帯びたサビが印象的な①Out Of The Worldを皮切りにバラード⑤Lullabyやギターインスト⑦Beyond The Darkest Sun、12分に及ぶ長編曲⑩Remedy Of My Heartなど楽曲のバリエーションもあって聴き応えは十分。2016年のブライテストホープ有力候補が登場しましたね。

【CD購入録】VOLBEAT「OUTLAW GENTLEMEN & SHADY LADIES」(2013)

  • 2016/04/04(月) 00:00:00

【CD購入録】
OUTLAW GENTLEMEN SHADY LADIES
VOLBEAT「OUTLAW GENTLEMEN & SHADY LADIES」(2013)

ロカビリーメタルと評される独特の音楽性で母国デンマークは勿論、ヨーロッパ各地で人気を博しているというVOLBEATの5作目を買いました。バンドのアイデンティティである「ロカビリー」というジャンルはよくわからない僕ですが、彼等のサウンドはオーソドックスなHR/HMを基本にしつつキャッチーだったり、おどろおどろしかったり、北欧ならではの哀愁を感じさせたりと表情が豊かなので聴いていて楽しいですね。お気に入り曲はノリノリの曲調が気持ちいい④Dead But Rising、⑧My Body、爽やかさすら感じる⑨Lola MontezSarah Blackwoodなる女性シンガーをゲストに迎えた⑪The Lonesome Rider、演歌に通じる泣きとクサメロが耳に残る⑭Our Loved Ones辺りでしょうか(⑧はカバー曲ですが)。そんな楽曲群の魅力を増幅させているのがMichael Poulsen(Vo)の男前かつ渋いボーカルで、彼の歌声を聴いているとJB(Vo/GRAND MAGUS、ex-SPIRITUAL BEGGARS)が思い浮かびます。日本での注目度は高いとは言えない彼等ですが、本作がビルボードチャートでTOP10入りを果たすなどしているので、今後ビッグになっていくのかもしれませんね。

ANTHEM「ABSOLUTE WORLD」(2014)

  • 2016/03/19(土) 00:00:00

ABSOLUTE WORLD
【No.465】
★★★(2014)

2001年の再結成から長きに渡りANTHEMの顔であり続けた坂本 英三(Vo)が電撃脱退、1988年から1992年の解散まで在籍していた森川 之雄(Vo)が復帰した新生ANTHEMの第1弾(通算15作目)。梶山 章(G)と組んだGOLDBRICKで森川の高い歌唱力は確認済みだったものの、11th「IMMORTAL」(2006)からこのバンドを聴き始めた僕にとっては「坂本 英三こそがANTHEMの声」だったので、シンガー交代劇に一抹の不安も感じていました。ところが、実際に聴いてみると曲調は前作「BURNING OATH」(2012)の延長線上にあるし、両シンガーの声質が比較的似ていることもあってか身構えていたこちらが拍子抜けするほど違和感は少ないですね。

新体制の挨拶代わりの1曲としてPVも制作された①Shine On、その勢いを引き継いだ②Strangerへの繋がりで掴みはOK。硬派なメタルサウンドと哀愁が見事に融合した③Pain、パンキッシュに爆走する2分弱の④Destroy The Boredomで更に攻めた後に北欧テイストを感じさせるミディアムバラード⑤Love Of Hellで一息ついて、攻撃的なリフとは対照的な哀メロが冴え渡るサビがインパクト抜群な⑥Don't Let It Dieに至る展開は隙がありません。冒頭4曲で畳み掛けておいて5曲目でスローダウン、その後に再びメタリックに攻めるという構成は前作を連想させます。僕にとってのキラーチューン⑥はどこかで聴いた覚えがあると思っていたら、サビが布袋 寅泰の名曲Poisonによく似ていますね。初めて聴いた時からこの曲が好きだったことにも納得です(笑)。清水 昭男(G)が手掛けた楽曲の割合が増すアルバム後半も悪くはないものの、前半のインパクトが強烈なこともあって地味な印象は拭えませんね。

ボーカルの交代に加えて、絶対的リーダー柴田 直人(B)が胃ガンの手術・療養のため約半年間活動を休止せざるをえなくなったり、サポートドラマーだった田丸 勇を正式メンバーに迎える決断を下したりするなど本作がバンドにとって大きな転換期になったことは間違いないでしょう。そんな中でファンが期待するANTHEM像をしっかり提示してくれたバンドに脱帽です。「ANTHEMとして柴田 直人と坂本 英三のコンビができることはやり尽くした」という理由から森川加入に至ったことを考えると、坂本時代から大きな変化はないように思いますが、このブレない姿勢こそがANTHEMなのだと思います。音楽性の振り幅が大きいとは言えないバンドなのでマンネリと感じるか、ベテランの貫禄と見るかで評価が分かれるかもしれませんね。僕は今のANTHEMサウンドが好きなので「マンネリズム大いに結構!」というスタンスで、これからも応援していくつもりです。

【音源紹介】
Shine On

ANTHEM「BURNING OATH」(2012)

  • 2016/03/11(金) 00:00:00

BURNING OATH
【No.464】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

国産メタル界の大御所ANTHEMの再結成後7枚目、通算14作目となるアルバム。本作発表に際してはレコード会社を移籍したり、本間 大嗣(Ds)が体調不良のため⑦Ghost In The Flameを除く全ての曲をサポートドラマー田丸 勇が叩いていたりと色々あったにもかかわらず前作「HERALDIC DEVICE」(2011)から僅か1年弱のスパンで新作を完成させています。上記のような変化がバンドにどんな影響をもたらすか気になっていましたが、結論から言うと本作はANTHEMの新たなる名盤ですね。近作のオープニング曲はキーボードを導入した柔和なイメージがあったのに対して、ヘヴィなリフでガツンとくるシングル曲①Evil Oneからして「今回は一味違う」と感じさせてくれます。

その後もいかにもANTHEMらしい歌謡曲風の歌メロが冴える②Unbroken Sign、1分足らずのインスト③Overtureに導かれてスタートするパワフルな④On And Onまでの畳み掛けは圧巻。怒涛の勢いは⑤Get Awayでペースダウンするものの、この曲も箸休めには勿体ないほどの劇的なメロディを持ったミドルチューンだし、続く⑥Struggle ActionはANTHEM流メロパワと言えそうな1曲でなかなか新鮮ですね。後半に失速するケースの多かったANTHEMですが本作は違います。坂本 英三(Vo)の演歌風の歌い回しと終盤のギターソロがカッコいいブルージーな長編曲⑦、テクニカルに攻めてくるインスト⑧Double Helix、サビもさることながらBメロがツボな⑨Face The Coreの流れは文句のつけようがありません。そして硬派なサウンドの中に爽やかさを織り込んだキャッチーなメタル⑪Dance Aloneで締めくくるラストも秀逸。この曲を筆頭に前作ではインストのみだった清水 昭男(G)のペンによるナンバーが大きな存在感を放っているのもポイントですね。

メロディアスでありながらメタルの攻撃性も忘れないANTHEMらしさ、再結成後の各作品にあった安定感はそのままに「IMMORTAL」(2006)以外のアルバムで感じていた物足りなさを見事に払拭した1枚ですね。ここまで楽曲が充実していると、ウィークポイントであるはずの坂本によるカタカナ英語すら持ち味に思えてくるし、④の「留まる事など死んだも同じ」を始めとしたクサくて熱い歌詞がこれまで以上に響いてきます。「できることはやり尽くした」という理由から本作を最後にANTHEMと坂本 英三は別の道を歩むことになるのですが、本作を聴いていると確かに現体制の到達点がここにあると思えてきますね。それほど充実したアルバムです。バンドは2014年2月に坂本の脱退と森川 之雄(1988年から1992年の解散まで在籍)が再加入したことを発表し、新たなステージへと突入していくこととなります。

【音源紹介】
Evil One

ANTHEM「HERALDIC DEVICE」(2011)

  • 2016/02/29(月) 00:00:00

HERALDIC DEVICE
【No.463】
★★★(2011)

柴田 直人(B)率いるジャパニーズメタル界の重鎮ANTHEMが再結成から10年の節目にリリースした13thアルバム。2010年にはバンドの25周年を記念して森川 之雄(Vo)時代の代表作4th「GYPSY WAYS」(1988)、5th「HUNTING TIME」(1989)を現メンバーで再現するスペシャルライブを敢行、その模様を収めた「PROLOGUE LIVE BOXX 2」をリリースするなど、いい意味でベテランらしからぬ勢力的な活動を続けていますね。そんな彼等も今回は納得のいくマテリアルを揃えるのに苦労したらしく柴田は本作を「難産の末に生まれたアルバム」と表しているようです。

作り手にとっては産みの苦しみを味わったアルバムのようですが、いざ聴いてみると従来作品の延長線上にあるANTHEMらしい安定感抜群の1枚に仕上がっています。インパクトのあるリードトラックを序盤に配して聴き手の心をガッチリ掴み、アルバムの折り返し点に清水 昭男(G)作のインストゥルメンタルがあって、エンディングは硬派なメタルチューンで締めるという作風は再結成後ANTHEMの様式美ですね。①The SignのイントロがANTHEMにしては珍しくキーボードを絡ませたものだったり、ロックンロールのフィーリングを取り入れた③Go!SCORPIONSの有名曲Rock You Like A Hurricaneを連想させるハードロック④Blind Alleyがあったりと新しい一面を見せつつも、バンドとしての核はしっかり保っているのも好印象。特にストレート③は本作の中で一番好きな曲だし、漢の悲哀を感じさせる勇壮なクサメロが胸を打つミドル⑥Wayfaring Manから、清水作のインストの中でもかなりメタリックな⑦Code Of The Silenceへ繋がる流れも聴きどころですね。

本作もANTHEMファンは勿論、ヘヴィメタルという音楽のファンであれば一定以上の満足感が得られるのは事実ながら、再結成ANTHEMのアルバムの中では下から数えた方が早いかなという気もします。僕のツボにハマるメロデイが少ないと言ってしまえばそれまでなのですが…。今回は⑦を除き、全曲を柴田が手がけているということも関係しているのかもしれません。清水特有の親しみやすいメロデイがもう少し欲しかったですね。僕がANTHEMを聴くきっかけとなった名盤11th「IMMORTAL」(2006)、タイトルトラックが飛び抜けた名曲だった12th「BLACK EMPIRE」(2008)に続くアルバムなので地味に感じます。客観的に見れば「ヘヴィメタルかくあるべし」な力作ですが、今のANTHEMならこれくらいやってくれるだろうという予想の範疇内に収まる作品でもありますね。

【音源紹介】
The Sign

【CD購入録】LEPROUS「COAL」(2013)

  • 2016/02/26(金) 00:00:00

【CD購入録】
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LEPROUS「COAL」(2013)

ノルウェーのダーク・プログレッシブメタルバンドLEPROUSの3作目を買いました。メンバーがブラックメタルの大御所EMPERORやその中心人物Ihsahn(Vo)のソロでバックバンドを務めていた関係で来日経験もあるようですが、メロディ派の僕はEMPERORもIhsahnもよく知らないのでこのバンドもノーチェックでした。他のブロガーさんの記事を見ていると最新作の4th「THE CONGREGATION」(2015)を高く評価されている方が多かったので一度聴いてみたいと思っていたところ、本作を安価で発見したので捕獲。プログレメタルといってもDREAM THEATERのようにテクニカルパートで聴き手を圧倒するのではなく、緻密に組み立てられた楽曲をじっくり聴かせるスタイルでPAIN OF SALVATIONやプログレデススタイルだった頃のOPETHからグロウルを大幅カットしたような感じでしょうか(両バンドの熱心なファンではないのであくまでイメージですが)。そんなLEPROUSサウンドの核となっているのはEinar Solberg(Vo、Key)の卓越した歌唱力。伸びやかなハイトーン、繊細な歌唱から濁声まで幅広いスタイルをこなしていて、中でも④The Cloakにおけるエモーショナルな歌声は絶品です。即効性の高い音楽性ではないため聴き込みが必要だと感じていますが、何度も聴きたくなる不思議な魅力に溢れた1枚ですね。

ANTHEM「BLACK EMPIRE」(2008)

  • 2016/02/23(火) 00:00:00

BLACK EMPIRE
【No.462】
★★★(2008)

前作「IMMORTAL」(2006)を聴いて、すっかりファンになったANTHEMの12作目。本作を聴く前に再結成後のアルバムを中心に過去作品をチェックし、僕が初めてリアルタイムで触れるANTHEMの新作ということもあって期待を胸に購入した記憶があります。実際に聴いてみるとオープニングトラックの①Black Empireが完全に僕好みでやられました。怪しげな雰囲気で進行していき、サビでは一転してキャッチーになる展開と、そのサビメロに宿る哀愁が実に素晴らしい。2008年の年間ベストチューンにも選出したバンド屈指の名曲です。

そんな①やANTHEMにしては珍しいメロウなバラード⑤Walk Through The Nightに象徴されるように、今回は全体的にメロディアスな作風となっていて恒例のギターインスト⑦Pilgrimも従来と違って聴かせるタイプです。坂本 英三(Vo)の歌唱も熱さをキープしながらも、ボーカルメロディは歌謡曲風のものが多いため近作と比べて聴きやすくなっていると思います。だからと言ってメタルバンドとしての攻撃性が失われているかというと、そんなことはなく熱さ迸るシングル曲②Heat Of The Night(サビがKAMELOTLost & Damnedにソックリなのはご愛嬌)からのメタリックチューン3連発は流石だし、「これぞANTHEM」な漢臭さがカッコいいミドル⑨Awakeからストレートな⑩Perfect Crawlerに繋がるアルバム終盤も○。

10th「ETERNAL WARRIOR」(2004)が徹頭徹尾メタル、11th「IMMORTAL」が大人げなさをテーマにしていたのに対して、今回はパワーで押し切るのではなくベテランならではの円熟味を前に出してきたという印象です。アルバム毎に作風を若干変えながらも芯の部分は紛れもなくANTHEMだと感じ取れるのはリーダー柴田 直人(B)の信念がなせるわざなんでしょうね。また、彼がANTHEMの頭脳であることは間違いありませんが⑥Emptiness Worldや⑩のように柴田カラーとは異なる楽曲を生み出せる清水 昭男(G)の存在も大きいと思います。総合的に見ると前作ほどのインパクトはないものの、このバンドのアルバムにハズレはないですね。

【音源紹介】
Heat Of The Night

ANTHEM「ETERNAL WARRIOR」(2004)

  • 2016/02/12(金) 00:00:00

ETERNAL WARRIOR
【No.461】
★★★(2006)

2001年に8th「SEVEN HILLS」で再結成して以降、リーダーの柴田 直人(B)を中心に坂本 英三(Vo)、清水 昭男(G)、本間 大嗣(Ds)という不動のメンバーで勢力的に活動を続ける日本メタル界の大御所ANTHEMの10作目。前作「OVERLOAD」(2002)リリース後は同作のツアーの模様を収録した新体制としては初のライブ盤「LIVE' MELT DOWN」(2003)を発表しているので、再結成後は毎年何らかの作品を届けてくれていることになりますね。本作についてはリリース前から「徹頭徹尾ヘヴィメタルな作品」という柴田の言葉通り、アルバム全編どこを切ってもメタリック、それでいてメロディもしっかり聴かせてくれる1枚となっています。

今回は何と言ってもオープニングの①Onslaughtが強烈。まるでJUDAS PRIESTPainkillerなリフに始まりフック満載のサビから「オンスロゥ!オンスロゥ!」という男臭いコーラスへと展開していくこの曲はANTHEMの魅力を凝縮したかのようなナンバーですね。続くタイトル曲②Eternal Warriorも熱きメタリックチューンだし、ハンズクラップを交えた軽快なノリでキャッチーに聴かせる③Soul Cryがゴリゴリの2曲の後に来るという曲順もグッド。先行シングル「ONSLAUGHT」にはこの①〜③の流れをそのまま収録していることからもバンドがこの3曲に自信を持っていることが窺えます(ファンとしてはシングルを買う価値を見出せませんが/苦笑)。そして本作のもうひとつのハイライトとなっているのが慟哭のメロディを坂本がエモーショナルに歌う④Life Goes Onでしょう。攻撃的なメタルだけでなくこういう曲もできるのがANTHEMの強みですね。それ以外では重苦しい空気の中で光る哀愁が胸に沁みる清水作の⑥Distress、過去2作に収録されていたもの以上に僕好みのインスト⑧Omega Man、派手さはないもののメロディが頭から離れないドラマティックなミドル⑨Easy Motherなどがお気に入りです。余談ですが⑨の「難破船に乗りゆく者の確率は何パーセント?」という歌詞は韻を踏んでいるというよりダジャレに聞こえてしまいますね(笑)。

今回もANTHEM流ヘヴィメタルを堪能できるのでファンなら聴いて損はないと思います。ただし近作同様、アルバム後半に進むに連れてテンションが下がっていく感は否めません。特に今回は①のインパクトが強いため余計にそう思いますね。前作は聴き始めの頃からアルバムにグッと引き込まれたのに対して、本作の第一印象はそれほど良くなかったものの聴き込むうちにだんだん好きになっていったという感じです。柴田自身、本作リリース後のインタビューで「解散してもいいくらい、燃え尽きた」と話すほどの気合いのこもった1枚。1985年にデビューし本作発表時に20周年を迎えようとしているベテランがここまで現役感に満ちた作品を生み出してくれたことは頼もしい限りです。

【音源紹介】
Onslaught(Live)