ALMAH「FRAGILE EQUALITY」(2008)

  • 2015/02/19(木) 00:00:00

FRAGILE EQUALITY
【No.419】
★★★(2010)

ブラジルの至宝ANGRAの2代目フロントマンEdu Falaschi率いるALMAHの2ndアルバム。デビュー作「ALMAH」(2006)ではEmppu Vuorinen(G/NIGHTWISH)、Lauri Porra(B/STRATOVARIUS)、Casey Grillo(Ds/KAMELOT)という豪華ゲストを迎えたEduのソロプロジェクトという印象でしたが、本作ではバンドメンバーを全員ブラジル人に一新しています。ANGRAでも活動を共にしているFelipe Andreoli(B)、メロスピバンドBURNING IN HELLのリーダーでもあるMarcelo Moreira(Ds)もさることながら注目すべきはMarcelo BarbosaPaul Schroeberのギターコンビでしょう。時にやかましく感じれるほどのギターの弾きっぷりが楽曲のハイライトになっているし、自己主張の強いベースと手数の多いドラムが織りなすインストパートに圧倒され、結果としてEduが一番目立っていない気すらしますね(苦笑)。

そのEduの歌唱スタイルはANGRAの「REBIRTH」(2001)や「TEMPLE OF SHADOWS」(2004)で披露していたハイトーンは控えめで当時の最新作「AURORA CONSURGENS」(2006)同様、中音域を軸としているのですがメロディのフックはこちらの方が上なので、こういう歌い方のEduも魅力的に感じられますね。音楽性はANGRA以上に骨太で正統派寄りのヘヴィメタルです。冒頭のギターメロディを聴いただけで気分が高揚してくる①Birds Of Prey、パワフルに押し寄せてくる②Beyond Tomorrow、ジャーマンメタルっぽい明るさを持った③Magic Flameとメタルチューンを立て続けに繰り出す序盤でアルバムの世界にグッと引き込まれます。その後もメロウチューン、ブラジリアンテイストが感じられるゆったり系、ANGRAではできなさそうな激しいナンバーなど正統派メタルを軸に異なる表情を見せてくれるのが良いですね。

贅沢を言えばドラムがやたら前に出た音作りのため聴き疲れしてしまう、「これ!」というキラーチューンが欲しかったなど不満点もありますが「AURORA CONSURGENS」と比べると明らかに僕好みの作風ですね。本作がリリースされた当時のANGRAは契約の問題で事実上の活動休止状態だったので、ALMAHをバンド化させたEduの動きがANGRA解散に繋がるのではと噂されたりしていました。結局EduはANGRAでハイトーンを使い過ぎたことから喉を痛めてしまい2012年にバンドを脱退。ALMAHの次作以降ではメロパワから距離を置き、高音域で歌うことを求められないモダンなサウンドを取り入れながら活動を継続しています。

【音源紹介】
・Birds Of Prey

【CD購入録】ALMAH「MOTION」(2011)

  • 2015/02/16(月) 00:00:00

【CD購入録】
MOTION.jpg
ALMAH「MOTION」(2011)

ANGRAの6th「AURORA CONSURGENS」(2006)辺りからボーカルパフォーマンスが不安視されることが増えたEdu Falaschi(Vo/ANGRA)のメインバンドALMAHの3作目を買いました(Eduは結局2012年にANGRAを脱退)。本作がリリースされる頃にはEduが喉を痛めていることは周知の事実になりつつあったのが関係してか、音楽性も前作「FRAGILE EQUALITY」(2008)のようなメロディックメタルではなくモダンな要素も取り入れたメタル作品となっています。音楽性が変化した上にEduは今回も中低音メインで歌っているのですが、さほど悪くないしANGRAの近作よりも好きかもしれません(ギターチームが今回も弾きまくっているのも好印象)。ドラマティックなイントロの後に「これがEduか!?」と思わずにいられないシャウトが炸裂する①Hypnotized、派手さはないかわりにキャッチーな歌メロを聴かせてくれる②Living And Driftingという掴みは上々だし⑤Zombies Dictatorや日本盤ボーナス⑪Get A Wishといったメロパワ系もしっかり収録しています。特に日本のファンに捧げる曲だという⑪は出色の出来。ANGRAは勿論、前作時点でのALMAHとも別バンドかというほどに路線は変わっていますが意外と気に入りそうな予感がしています。

SHAMAN「RITUAL」(2002)

  • 2015/02/13(金) 00:00:00

RITUAL.jpg
【No.418】
★★★(2002)

人間関係のもつれからANGRAを脱退したAndre Matos(Vo)が新たに結成したバンドSHAMANの1stアルバム。Andreと共にANGRAを離れたリズム隊Luis Mariutti(B)、Ricardo Confessori(Ds)、そしてLuisの実弟Hugo Mariutti(G)が脇を固めDerek Sherinian(Key/ex-DREAM THEATER)Tobias Sammet(Vo/EDGUY、AVANTASIA)がゲストとして参加しています。衝撃的な分裂劇を乗り越えてKiko Loureiro(G)、Rafael Bittencourt(G)率いる新生ANGRAがデビュー作「ANGELS CRY」(1993)を彷彿とさせる「REBIRTH」(2001)で文字通り復活したのに対して、SHAMANは民族音楽色が濃くANGRAの2nd「HOLY LAND」(1996)をシンフォニックメタル寄りにした印象を受けますね。

本作を聴いてまず驚いたのがAndreの歌唱法が別人かと思うほどに変化している点です。ANGRA時代と比べると荒れ気味でアグレッシブな歌い方となっていて透明感は失われているものの妙な裏声ハイトーンも激減しているので、これはこれでアリかもしれません。イントロダクションとしては3分とやや長めで壮大な①Ancient Windsに続くメタリックな攻撃性とAndreらしい優雅さを併せ持った疾走曲②Here I Amはインパクト抜群。その後もダイナミックなサビメロに加えてインストパートも充実した③Distant Thunder、南米フォークロア調のイントロから始まるパワーバラード④For Tomorrow、②に比べると薄味ながら軽快に駆け抜けるサウンドが気持ちいい⑤Time Will Come、ダークな出だしからドラマティックに展開していく⑥Over Your Head(キーボードソロはDerekがプレイ)とアルバム中盤まではかなり良い感じです。後半は失速気味ではありますがAndreとTobiasがデュエットしたストレートなメタルチューン⑩Prideでラストを締めくくっているので全体的には好印象。

民族音楽テイストとシンフォニックメタルサウンドが絡み合う演奏パート、そこに個性的なAndreのボーカルが乗ることで確固たるアイデンティティを築いていますね。アルバムの総合力としてはANGRA「REBIRTH」に軍配が上がりますがSHAMANの第1作目としては上々の滑り出しと言えるのではないでしょうか。今回の分裂劇はひとつのバンドがANGRAとSHAMANに別れ、その両方が聴き応えのある作品をリリースしてくれたので僕としては結果オーライという感じですね。本作を聴いた時点では2nd「REASON」(2005)をリリース後、ドラマーのRicardoを除く全員がバンドを脱退することになるとは夢にも思いませんでした…。バンドは今も存続していてAndreを欠く現体制でも2枚のアルバムを発表しています。

【音源紹介】
・Here I Am

【CD購入録】ANGRA「AQUA」(2010)

  • 2015/02/07(土) 00:00:00

【CD購入録】
AQUA.jpg
ANGRA「AQUA」(2010)

ブラジルが誇るメロディックメタルの雄ANGRAの7作目を買いました。前作「AURORA CONSURGENS」(2006)があまり好きになれなかったのと、本作の評判があまりよろしくなかったことから聴くのが先延ばしになっていました。いざ聴いてみての第一印象は「Carry OnNova Eraが大好きな僕にとってはやや厳しいかな」という感じですね。本作のウィークポイントとしてEdu Falaschi(Vo)のボーカルに覇気がない、音質が軽いといった点が指摘されていますが僕としては耳に残るメロディが非常に少ないのが痛いですね。Eduの喉の調子を考慮した結果なのかもしれませんが高音域で歌う場面は皆無、淡々とメロディが流れていきます。数回聴いて印象に残ったのは癒し系バラード④Lease Of Lifeくらいでしょうか(聴き込むにつれて味が出てくるのかもしれませんが)。ANGRAで歌うことに限界を感じていたEduは本作を最後にバンドを脱退し、自身のバンドALMAHでの活動に集中していくこととなります。そしてANGRAの方はゲストボーカルになんとFabio Lione(Vo/RHAPSODY OF FIRE)を迎えてツアーを敢行することを発表。昨年12月17日にはFabioをフロントマンに据えたラインナップで8作目「SECRET GARDEN」をリリースしたので、いつかそちらも聴いてみようと思っています。

ANGRA「REBIRTH」(2001)

  • 2015/02/04(水) 00:00:00

REBIRTH
【No.417】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第8位

クラシックとパワーメタルを高次元で融合させた「ANGELS CRY」(1993)でデビューを果たし「ブラジルの至宝」と称賛されたANGRAでしたが、3rd「FIREWORKS」(1998)制作時から囁かれていた人間関係のもつれが表面化。アルバム完成後に中心人物のAndre Matos(Vo)がリズム隊を引き連れてバンドを脱退した時点でANGRAはもう解散してしまうだろうと思っていました。ところが残されたKiko Loureiro、Rafael Bittencourtのギターチームは諦めることなく後任メンバーを迎えてリリースに漕ぎ着けたのが通算4枚目にあたる本作です。僕はAndre特有の声がひっくり返るハイトーンが苦手で、世間での評価が高いデビュー盤を含むANGRAの過去作品にもさほど思い入れがなかったので「Andre不在のANGRAも聴いてみるか」という軽い気持ちで本作を手に取ったのですが、これが予想以上の名盤で驚きました。

本作の注目ポイントは何と言っても新加入ボーカリストEdu Falaschi(Vo/ex-SYMBOLS)のパフォーマンスでしょう。力強さだけでなくAndreに通じる繊細さも感じさせる彼のボーカルは絶品です(Eduも本作ではAndreを意識して歌ったと後に告白しています)。それでいて裏声になることもないので、僕にとっては結果的にANGRAに対する苦手意識がひとつ解消されたので嬉しいですね。また楽曲面でも期待を煽る序曲①In Excelsisに続き、正しく「ANGRA新時代」の到来を宣言するに相応しい名曲②Nova Eraやブラジリアンテイストを巧みに取り入れた2部構成からなる⑥Unholy Wars(Part I - Imperial Crown、Part II - Forgiven Return)、バンド分裂後最初に書かれた曲で終盤のハイライトとなっている⑨Running Aloneといった疾走曲には思わずガッツポーズが出てしまいます。それに加えて本作はミドル、バラード系も味わい深く魅力的なナンバーが多いという点も見逃せません。

各所で指摘されているようにアルバム構成はデビュー盤とよく似ていて「ANGELS CRY」を意識し過ぎているという声もあるようですが、解散寸前の状態からアルバムタイトル通りの「再生」を果たした作品だし、各曲のメロディがかなり充実しているので気になりません。楽曲単位で比べるとメロパワ史にその名を刻むCarry Onを筆頭にAngels Cry、Evil Warningといった「ANGELS CRY」の収録曲ほどの凄み、濃密さは感じられないもののNova Eraがバンドの代表曲であることは間違いないし、1枚のアルバムとして見れば僕にとっては本作こそがANGRAの最高傑作です。メンバー間の確執からバンドが分裂してしまったにも関わらず、こうしてポジティブな空気に満ちた復活作を生み出したKikoとRafaelに拍手を送りたいですね。ちなみにAndreの方もSHAMANというバンドを立ち上げ2002年に1stアルバム「RITUAL」を発表しています。

【音源紹介】
・In Excelsis~Nova Era

【CD購入録】HIBRIA「BLIND RIDE」(2011)

  • 2011/03/01(火) 00:00:00

【CD購入録】
BLIND RIDE
HIBRIA「BLIND RIDE」(2011)

ブラジル出身パワフルメタラー5人組HIBRIAの3作目を買いました。前作「THE SKULL COLLEATOR」(2008)リリース後、演奏面における個性のひとつでもあったベースプレイヤーMarco Panichiが脱退したのには驚きましたが、後任Benhur Lima(B)も前任者に勝るとも劣らない実力者のようですね。過去2作品てむせ返るほどの熱気を発散するパワーメタルを聴かせてくれていたHIBRIAにしては、今回は熱さ抑えめになった印象です。これまでのアルバムを聴いて楽曲単体では素晴らしいものの、終始押しまくりの作風に聴き疲れを感じる節もあった僕としては本作の路線もありだと思いますね。これまでとは若干異なる雰囲気を持つ本作はバンドが更なる飛躍を遂げるための過渡期的アルバムのようにも感じるので、気の早い話ですが次回作でとんでもないものを作ってくれるのではと期待を募らせながら聴いています。それにしても前作から加入したEduardo Baldo(Ds)のドラミングは聴いていて実に気持ちいいですね。

【CD購入録】ALMAH「FRAGILE EQUALITY」(2008)

  • 2010/05/27(木) 00:00:00

【CD購入録】

FRAGILE EQUALITY
ALMAH「FRAGILE EQUALITY」(2008)

ANGRAの2代目シンガーEdu Falaschi率いるALMAHの2作目を買いました。前作(未聴)の時点ではNIGHTWISH、STRATOVARIUS、KAMELOTといった有名どころのメンバーを従えたプロジェクトという感じでしたが、本作のメンバーにはANGRAの同僚Felipe Andreoli(B)をはじめとするブラジル人プレイヤーが名を連ねていて、プロジェクトからバンドへと生まれ変わった印象を受けます。まずは何と言ってもMarcelo BarbosaPaul Schroeberのギターチームがかなりの凄腕で、楽曲のハイライトを生み出してくれているのが最大のポイントですね。本家ANGRAのKiko Loureiro、Rafael Bittencourtという2人のギタリストに勝るとも劣らないテクニカルかつメロディアスなプレイを聴かせてくれています。また要所でベースソロを決めてくれるFelipe、手数の多いドラミングで存在感をアピールするMarcelo Moreira(Ds/BURNING IN HELL)などインスト陣は誰も手練揃いですね。結果としてEduのボーカルが一番目立っていない気もしますがANGRA以上にどメタルでありつつ、ブラジリアンテイストも忘れない本作は僕のツボを刺激してくれるので、このところ複雑さを増してきている本家よりもALMAHの方が僕好みかもしれません。

【CD購入録】SHAMAN「IMMORTAL」(2007)

  • 2010/05/25(火) 00:00:00

【CD購入録】
IMMORTAL.jpg
SHAMAN「IMMORTAL」(2007)

ブラジルの至宝ANGRAを脱退したAndre Matos(Vo)、Ricardo Confessori(Ds)、Luis Mariutti(B)の3人がLuisの実弟Hugo Mariutti(G)を加えて結成したメロディック・メタルバンドSHAMANの3作目を買いました。1st「RITUAL」がトライバルな風味もあるメロディックメタルの好盤だったものの、前作(未聴)でゴシカルな路線になったと聞いて迷走気味かと思っていたら、なんとAndreとMariutti兄弟が脱退してしまうという事件が発生。普通ならここで解散の道を選ぶのでしょうがRicardoは不屈の闘志でバンドを立て直し、Thiago Bianchi(Vo/KARMA)らのブラジル出身プレイヤーを迎えてリリースしたのが本作です。今回は「RITUAL」をパワーメタル寄りにしたような音楽性だし、ThiagoのハイトーンがAndreに似ていることもあって、やはりANGRAやデビュー当時のSHAMANを連想させますね。キラーチューンと呼べるものがないのが少し寂しいですが、各曲ともに安定感があります。ちなみに本作のタイトル「IMMORTAL」は「インモータル」と読むようです。ANTHEM「IMMORTAL」(2006)しかり、BOB CATLEY「IMMORTAL」(2008)しかり、ARCH ENEMYの名曲Immortal(「BURNING BRIDGES」収録)しかり、「不滅」と訳されるこの単語のカタカナ表記は「イモータル」だと思うのですが、確かに「イモータル」より「インモータル」の方が「SHAMANは不滅だ」というRicardoの想いや、バンドを去った3人への怨念がこもっているような気がしますね(笑)。と思っていたら、なんとなんとRicardoがANGRAに復帰したのだとか。SHAMANはANGRAの分家のようなバンドなので今後どうなるのか気になっていましたが、SHAMANも継続しているようで近々アヴァロン・レーベルより新作「ORIGINS」をリリースするようですね。

【CD購入録】KIKO LOUREIRO「FULLBLAST」(2009)

  • 2009/08/04(火) 00:00:00

【CD購入録】
FULLBLAST.jpg
KIKO LOUREIRO「FULLBLAST」(2009)

そろそろ活動再開へ向けて動き始めた感のあるANGRAのスーパー・ギタリストKiko Loureiro3枚目のソロアルバムを買いました。HR/HMと母国のブラジリアンミュージックを融合させた好盤1st「NO GRAVITY」に対し、ソロ2作目「UNIVERSO INVERSO」はジャズ・フュージョン路線との評判だったのでスルーしていましたが、今回は1stに近い路線となっています。Kikoのバックを固めるのはANGRAの同僚Felipe Andreoli(B)と「NO GRAVITY」にも参加していた名手でKikoも「驚異的な万能ドラマー」と絶賛するMike Terrana(Ds/MASTERPLAN、ex-YNGWIE MALMSTEEN、RAGE etc)という豪華なメンツです。HR/HMを基本としつつ絶妙なさじ加減で、ブラジリアン/ラテンテイストをセンス良く盛り込んでキャッチーなメロディを聴かせるこの路線が僕好みですね。時に激しく、時にロマンティックにギターを奏でるKikoのプレイにうっとりしてしまいます。今のところ特に気に入っているのはギターとドラムが絡み合うリズムが心地よい⑦Corrosive Voices、ANGRAの曲としても通用しそうな超メタリックチューン⑨Outrageousですね。気持ちよく聴けるギターインストアルバムとして愛聴していくことになりそうです。

HIBRIA「THE SKULL COLLECTORS」(2008)

  • 2009/01/09(金) 22:27:30

THE SKULL COLLECTORS
【No.087】
★★★(2008)

2004年にデビュー作「DEFYING THE RULES」で多くのメタラーのド肝を抜いて見せたブラジルの超新星HIBRIA。てっきり2作目は2006年くらいには出るのかなと思っていたのが、延びに延びて4年振りの新作となってしまいました。この4年間のうちにバンドの音楽性変化やメンバートラブルがあったのかと心配していましたが、いざ蓋を開けてみるとそんなのは要らぬ心配でした。前作で膨らんだ期待を裏切らない充実作です。

前作と同様または、それ以上の正統派メタルナンバーがひしめき合う本作の中で特に好きなのは①Tiger Punch、これぞHIBRIAな疾走メタルチューン③Screaming Ghost、⑥Devoted To Your Fear、HIBRIAにしてはスピード抑え気味でキャッチーなサビを持ってきた④Sea Of Revenge、フックあるメロディと突き抜けるサビが堪らない⑦The Skull Collectorですね。そしてやはり耳で追ってしまうのは、看板シンガーIuri Sanson(Vo)のメタルど真ん中なハイトーンボーカル。クリアな高音域を響かせた前作の頃に比べると、ややハスキーな声質になったような気もしますがアクセル踏みっ放しのパワフル歌唱は今回も凄い存在感を放ってます。

ただ、個人的に期待していた楽曲のバラエティの拡大という点に関しては前作以上に「豪快で力強いパワーメタル1本で勝負」という印象が強く、僕が望んでいたHIBRIA像とは少し違う感じですね。それと関係して①のような「決めの1曲」がある一方で各曲の差別化がしにくい悩みも解消されるには至っていないかな。男気溢れる直球勝負の優れたヘヴィメタルを生み出すバンドであることは本作で証明されたと思うので、今後は「剛」だけでなく「柔」のイメージを持った楽曲を書けるようになると鬼に金棒ですね。ハイトーンシャウトを連発するIuriも良いけど、彼のマイルドな歌も聴いてみたいなぁ…。

【音源紹介】
・Tiger Punch

【CD購入録】HIBRIA「THE SKULL COLLECTORS」(2008)

  • 2008/12/11(木) 00:01:01

【CD購入録】
THE SKULL COLLECTORS
HIBRIA「THE SKULL COLLECTORS」(2008)

2004年発表のデビュー作「DEFYING THE RULES」で多くのメタラーのド肝を抜いたHIBRIA待望の2ndアルバムを買いました。「待望」という言葉がここまでピッタリの作品も珍しいですね。2006年辺りから2作目をレコーディングしているとの情報は耳にしてましたが、音沙汰のない時期もあったりして、バンドにトラブルでもあったのかと心配してました。こうして、無事リリースとなって良かった…。一般的には今年待望のアルバムといえばGUNS N’ROSESの「CHINESE DEMOCRACY」なんでしょうけど、僕的に2008年待望の新作といえば本作ですね。で、中身はというと①Tiger Punchの緊張感溢れるイントロが流れてきた時点で「Welcome back HIBRIA!」と言いたくなるガッツポーズものの内容です。前作同様、またはそれ以上の正統派メタルナンバー9曲が次から次へと押し寄せてきます。ただ、個人的に期待していた楽曲のバラエティの拡大という点に関しては、前作以上に「豪快で力強いパワーメタル1本で勝負」という印象が強く、僕が望んでいたHIBRIA像とは少し違う感じですね。といいつつ、今はメタル好きのツボを突いてくれる楽曲、バンドが生み出す音圧、Iuri Sanson(Vo)の凄まじいボーカルに圧倒されてます。

HIBRIA「DEFYING THE RULES」(2004)

  • 2008/12/09(火) 00:02:24

DEFYING THE RULES
【No.080】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第8位

ブラジルから突如現れたメタル界の超新星HIBRIAのデビューアルバム。ツインリードを力強く響かせるギターオリエンテッドな作風でDiego KasperAbel Camargoという強力ギターチームが大活躍し、たまにキーパー風メロディも顔を出す正統派メタル曲の数々はデビュー作とは思えないほどにハイレベル。リズム隊も引き締まっていて、中でもベースプレイヤーMarco Panichiの自己主張のあるベースは聴いてて本当に気持ち良く、ついつい彼のプレイを耳で追ってしまうほど魅力的です。そして、それらの曲を歌い上げるIuri Sanson(Vo)は紛れもなく逸材と呼べる人物でしょう。ミドルレンジではMichael Vescera(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN etc)、高音のスクリームはかのDaniel Heiman(Vo/HEED、ex-LOST HORIZON)を彷彿とさせる絶品の歌唱で、作品をワンランク上に押し上げてます。

ガチガチの硬派なサウンド、練り込まれたツインギターメロディが織り成す剛直ピュアメタルを追求するその姿は、一部で指摘されているように久保田 陽子(Vo)を擁した5人編成時のSABER TIGER(作品でいうと1992年発表の「INVASION」など)を連想させますね。これぞというキラーチューンがないような気もするけど、本作の場合はアルバム全曲がハイクオリティなので1曲を選ぶのが難しいと表現した方がいいかもしれません。お気に入り曲を挙げるとすれば、メタル魂を熱くしてくれる事実上のオープニングトラック②Steel Lord On Wheels、ギターソロの後にIuriが披露するラフな吐き出し唱法がクールな④Millennium Quest、叙情メロディが冴えるミッドテンポ⑥Living Under Ice、曲の進行とともに聴き手の気持ちを高揚させる劇的な展開が秀逸なラストトラック⑩Stare At Yourselfといったところですね。

とにかく新人としての衝撃度でいえば2000年のSONATA ARCTICAに勝るとも劣らないものがあり、将来が楽しみなバンドの登場です。本作と同じ2004年に作品をリリースしたSILENT FORCENOCTURNAL RITESといったメロディックメタル界の中堅バンドの作品よりも、当時はHIBRIAの方をよく聴いてました。このアルバムにおける楽曲のレパートリーは疾走曲とミドルチューンだけなので、バラードも聴いてみたいところですが、それは次回のお楽しみということで。

【音源紹介】
・Millennium Quest