【CD購入録】THE NIGHTS「THE NIGHTS」(2017)

  • 2017/09/10(日) 00:00:00

【CD購入録】
THE NIGHTS
THE NIGHTS「THE NIGHTS」(2017)

フィンランド出身のグラム系HR/HMバンドRECKLESS LOVEのプロデューサー/ソングライターとしてデビューから最新作まで全てのアルバムに参加しているIlkka Wirtanen(G)Sami Hydeなるシンガーと組んだメロディック・ロックプロジェクトTHE NIGHTSのデビュー作を買いました。THE NIGHTSという名前の新プロジェクトが存在していることは知っていましたが名前、ジャケットともに地味だったこともありスルー状態でした。ところが、ふとYouTube上で③Julietteを聴いて好感触だったので他の曲もチェックしてみたところ僕好みの楽曲が多そうだったので調べてみるとIlkkaはRECKLESS LOVEではBack To Paradise、So Happy I Could Dieなど多数の作曲に関わり、THE MAGNIFICENTの隠れた名曲Driveも手掛けていると知り購入。重厚なサウンドの中でフックに満ちたメロディが流れる①Welcome To The Showで幕を開けるや前述の③を筆頭に⑤In A Blink Of An Eye、⑥Hold On、⑩I Wanna Be Your Superheroなど一度聴いただけで口ずさめそうな楽曲群の充実振りは流石の一言です。ボーカルのSamiもやや鼻にかかった甘い歌声の持ち主でこの手の曲を歌うにはピッタリだと思います。2017年注目のニューアクトの登場ですね。

NIGHTWISH「OCEANBORN」(1999)

  • 2017/06/21(水) 00:00:00

OCEANBORN.jpg
【No.495】
★★★(1999)

本国フィンランドのみならず、後に欧州メタルシーン屈指の人気バンドへと成長することになるシンフォニックメタルバンドNIGHTWISHが1999年に発表した2ndアルバム。今や女性ボーカルが在籍するバンドが続々と登場しているものの、本作が日本でリリースされた1999年当時はまだまだ珍しく僕が初めて聴いた女性シンガーを擁するメタルバンドのアルバムは本作かSINERGY「BEWARE THE HEAVENS」(1999)だったと思います。NIGHTWISH最大の特徴は名門シベリウス音楽院で声楽を学んだ(本作レコーディング時はまだ在学中)というTarja Turunen(Vo)のオペラティックな歌唱ですね。ヘヴィメタルとクラシックを融合させたサウンドにTarjaのソプラノボイスが乗ることで完成するNIGHTWISHの世界観はこの当時からオリジナリティに溢れています。

本作はそんなNIGHTWISHらしさを凝縮しパワーメタリックに仕上げたキラーチューン①Stargazersで幕を開けます。名曲の予感しかしないイントロ、ギターメロディに導かれる疾走感に満ちた曲調と神々しく響き渡るTarjaの歌声は絶大なインパクトを誇っています。この①があまりに強力過ぎるためにそれ以降の楽曲が弱く思えてしまうほどですが、何度も聴くうちに段々と他の曲も好きになってきました。曲後半で聴けるTarjaのオペラ歌唱が大きな見せ場となっているドラマティックチューン⑤Passion And The Opera、美旋律バラードの極致と呼びたくなる⑥Swanheart、ロシア民謡を連想させるクサメロが炸裂するインスト⑦Moondanceと続く中盤は異なるタイプの曲を並べつつ、それぞれが充実していてかなり好感触です。またアルバム本編を締めくくる⑩Walking In The AirRAINBOWがインストでカバーしたことでも知られるアニメ「SNOWMAN」の挿入歌で、原曲以上に幻想的な仕上がりとなっていますね。ちなみにRAINBOWのカバーはSnowmanという曲名で「BENT OUT OF SHAPE」(1983)に収録されています。

他のメタルバンドとの差別化という点でTarjaに注目が集まりがちですが、収録曲のほぼ全てを手掛けるリーダーTuomas Holopainen(Key)のメロディセンスも秀逸。彼の作る曲は即効性が高いとは言えないもののリピートするうちにジワジワくるし、カバー曲⑩に象徴されるアレンジの妙や北欧らしい世界観を演出するキーボードパートでも大きな役割を担っています。本作の時点では後にTuomas、Tarjaと並ぶ重要メンバーとなるMarko Hietala(B、Vo)が未加入のため男性ボーカルパートが弱いですがNIGHTWISHを語る上で外せない1枚でしょう。NIGHTWISHは後続バンドにも多大な影響を与えているようでSimone Simons(Vo/EPICA)は本作を聴き衝撃を受けて声楽を学ぶようになったそうだし、LIV MOONはNIGHTWISHが4th「CENTURY CHILD」(2002)でカバーしたThe Phantom Of The Opera(オペラ座の怪人)がきっかけで誕生したのだとか。それだけにTarjaが2005年に解雇という形でバンドを離れてしまったのが残念でなりません…。僕はTarjaの後任Anette Olzon(Vo/ex-ALYSON AVENUE)、現任のFloor Jansen(Vo/ex-AFTER FOREVER)時代は未聴ですがNIGHTWISHのアルバムの中では本作が一番好きですね。

【音源紹介】
Stargazers

【CD購入録】BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

  • 2017/02/18(土) 00:00:00

【CD購入録】
BRINGER OF PAIN
BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

ジャケットからしてインパクト抜群なBATTLE BEASTの4作目を買いました。過去のアルバムで創作面のイニシアティブを握っていたAnton Kabanen(G)が前作「UNHOLY SAVIOR」(2015)リリース後に脱退したと聞いた時にはバンドがどうなるのか心配でしたが、ここに届けられた新作はそんな不安を吹き飛ばすばかりか最高傑作なのではないかと思えるほどの充実盤となっています。シンセサウンドを纏いながら駆け抜けていくアップテンポ①Straight To The Heartを聴いて今まで以上に僕好みのメロディアスな作風で手応えを感じていたら、それ以降もテンションが下がることなくあっという間に聴き終えてしまったという感じです。メロディ志向の楽曲群の中でガツンと来るタイトル曲②Bringer Of Pain、重厚なヘヴィサウンドでアルバムに起伏をつけている⑥Lost In Wars、「ウィ!ウィル!ファァィ!」と初めて聴いた時から歌えてしまった⑧We Will Fight、タイトル通りのダンサブルチューン⑨Dancing With The Beast、本編を見事に締めくくるバラード⑩Far From Heaven などバラエティに富んでいる点も見逃せません。それに加えてボーナストラックもBATTLE BEASTらしいメタルソング⑪God Of War、クワイアが荘厳な雰囲気を醸し出す⑫The Eclipse、ロックンロールテイストに溢れた⑬Rock Trashと充実しています。バンド史上最大の危機を見事に乗り越えた本作は気が早いかもしれませんが2017年の年間ベスト入りは確実だと思います。

ARI KOIVUNEN「FUEL FOR THE FIRE」(2007)

  • 2017/01/23(月) 00:00:00

FUEL FOR THE FIRE
【No.484】
★★★★(2008)

フィンランドのアイドル発掘番組、その名も「Idols」でHR/HMソングを歌って優勝を果たしたAri Koivunenのデビューアルバム。本作の目玉はフィンランドメタル界の有名人がAriに楽曲を提供している点でしょう。Timo Tolkki(G/ex-STARTOVARIUS)、Marco Hietara(B、Vo/NIGHTWISH)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)LEVERAGE、THUNDERSTONEといったバンドのメンバーが手掛ける楽曲群は流石の出来栄え。またJanne Wirman(Key/CHILDREN OF BODOM)、Nino Laurenne(G/THUNDERSTONE)、Mirka Rantanen(Ds/THUNDERSTONE)といったプレイヤーが名を連ねる演奏陣も本作ではバッキングに徹しているせいか派手さこそないものの流石の安定感を誇っていますね。盤石の体制でのバックアップとAri自身の人気もあってか、本作はフィンランドのナショナルチャートで12週連続1位を記録したそうです。

50曲以上の候補から厳選されたという本作の収録曲は僕好みのものが多く程よい疾走感を持った①God Of Warで幕を開け、ミッドテンポの②Hear My Callに繋がる構成はベタながらも掴みとしてはバッチリだし、後者の哀メロはなかなか強力。それ以降もストレートなハードロック④Don't Try To Break Me、前曲から一転してじっくり聴かせるTimo Tolkkiによる泣きのバラード⑤Angels Are Calling、曲名通りの飛翔感にテンションが上がる⑥I Fly、ズシリと響く重厚感を持ったヘヴィチューン⑦Our Beast、Tony Kakko作の軽快なロックソング⑧Losing My Insanity、力強さとフックに満ちたメロディが秀逸な⑨Stay Trueと続く怒涛の展開に心を奪われました。ちなみにボーナストラックにはカバー曲としてフィンランド人シンガーKirka⑫Hetki LyoBilly Joel⑬Piano Man、「Idols」のオリジナルソング⑭On The Top Of The Worldと日本盤限定で④、⑤のライブ音源が収録されていて穏やかなバラード⑭は結構好きだったりします。

楽曲面の充実振りが目立つ本作で聴けるAriの歌唱は良く言えば北欧らしい透明感と繊細さを持ったスタイル、裏を返せば線の細いハイトーンタイプですね。Ariと同じくオーディション番組(American Idol)出身のChris Daughtry、James Durbin辺りと比べると凄みは感じられませんが歌声自体には独特のオーラがあって将来性を感じさせてくれます。それまで無名だった新人のデビュー作、ソコソコの歌唱力、名だたるソングライターが提供した楽曲群といった特徴を総合するとAGNES「WHEN THE NIGHT FALLS」(2006)と共通点が多いように思いますね。Ariは2nd「BECOMING」(2008)をリリースした後、フィンランドのメタルバンドAMORALに加入、長年フロントマンを務めたもののバンドは2017年1月5日にファイナルライブを行い解散しています。Ariのソロ名義によるアルバムは現時点では2枚のみですがAMORALが解散した今、新たなソロ作品がリリースされるかもしれませんね。

【音源紹介】
Stay True

【CD購入録】MORS PRINCIPIUM EST「DAWN OF THE 5TH ERA」(2014)

  • 2017/01/15(日) 00:00:00

【CD購入録】
DAWN OF THE 5TH ERA
MORS PRINCIPIUM EST「DAWN OF THE 5TH ERA」(2014)

フィンランドのメロディック・デスメタルバンドMORS PRINCIPIUM ESTの5作目を買いました。一度聞いただけでは覚えられないバンド「モルス・プリンシピアム・エスト」はラテン語で「死は始まりに過ぎない」という意味の言葉だそうです。彼等については以前から名前だけは知っていてKALMAH、SCAR SYMMETRYなどと同じく北欧メロデス界の中堅バンドというイメージがありましたが実際に聴くのは今回が初めてです。いざ聴いてみるとこれが予想以上に好感触で、上に挙げた2バンド以上に僕のツボにハマるバンドかもしれません。まず印象的なのが弾きまくりのソロパートのみならずリフでも耳に残るフレーズを連発しているギターパート。そしてアグレッシブに押しまくるだけでなく、スピードを抑えた楽曲も持ち前のメロディセンスによって魅力的な仕上がりとなっています。お気に入りはタイトな演奏で迫ってくる③Leader Of The TitansARCH ENEMYを彷彿とさせる④We Are The Sleep、リリカルなピアノの調べに導かれて激しさと美しさの両面を見せつけてくれる⑪The Forsakenといったところでしょうか。過去作品もなかなか評判が良いみたいだし、1月25日発売予定の6th「EMBERS OF THE DYING WORLD」(2017)も期待できそうなのでいつか聴いてみたいですね。

【CD購入録】RECKLESS LOVE「INVADER」(2016)

  • 2016/12/20(火) 00:00:00

【CD購入録】
INVADER.jpg
RECKLESS LOVE「INVADER」(2016)

最近ではAlexi Laiho(Vo、G/CHILDREN OF BODOM)が結成したカバープロジェクトTHE LOCAL BANDのフロントマンとしてLOUD PARK 15に出演したことで話題となったOlli Herman(Vo)のメインバンドRECKLESS LOVEの4作目を買いました。前作「SPIRIT」(2013)ではI Love Heavy Metal、Metal Assといったタイトルの曲を収録、曲調もハードになっていましたが今回はバンドの根幹部分でもある楽しくポップなハードロックに焦点を当てていますね。「ウィアーザ ウィーケン、ウィアーザ ウィーケン♪」のコーラスが耳に残る①We Are The Weekend、疾走感のあるサビとそこに絡む掛け声がカッコいい②Hands、怪しげなメロディがクセになる③Monster、一転してソフトで幻想的な④Child Of The Sunと続く序盤が特に気に入っています。3rd収録のSo Happy I Could Dieに匹敵するキラーチューンこそないものの、北欧バッドボーイズロック界随一のメロディセンスは本作でも発揮されていますね。

PRIVATE LINE「DEAD DECADE」(2011)

  • 2016/12/16(金) 00:00:00

DEAD DECADE
【No.483】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第5位

ハードロックンロールと北欧ならではの叙情メロディを融合させた前作「EVEL KNIEVEL FACTOR」(2006)が見事な出来栄えだったPRIVATE LINEによる約4年振りの3rdアルバム。曲作りの時期にSammy Aaltonen(Vo)の父親が亡くなるなどしたことが影響してかアルバムジャケットは暗く、曲名にもDeath、Dead、Ghost、Graveなど死を連想させる単語が多いですね。Sammyによると「本作がPRIVATE LINEにとってのブラックアルバム」だそうですがダークな作品に仕上がっているかというと、むしろその逆で破天荒なロックサウンドは影を潜め、これまで以上にメロディに焦点を当てた作風となっています。曲によっては同郷のメランコリックロックバンドTHE RASMUS、世界的なヒットを記録したMY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」(2006)を彷彿とさせる場面もありますね。

ビッグなコーラスと共に駆け抜ける①Deathbedtime Storiesで幕を開け、ダークな哀メロとそれを歌う子供のコーラスがこれまでにないスケールの大きさを感じさせるタイトル曲②Dead Decadeと続く流れからして「これまでと一味違う」と感じさせてくれます。それ以降もパンキッシュに弾ける③Black Swan、妖しさを演出する冒頭のハーモニカが印象的な④Ghost Dance、ダンサブルなアレンジでノリ良く聴かせる⑤13th Step From The Grave、PRIVATE LINE流ロックにブルーズテイストを加味した⑥Down Came The Rainと、手を替え品を替え魅力的なメロディを堪能させてくれるので飽きないですね。また終盤にも一際ポップな歌メロが耳に残る⑨Meltdown Town、間奏にロシアンフォーク風のパートを交えた疾走チューン⑩Deathroll Casinoというハイライトがあるのも好印象です。

1stアルバム「21ST CENTURY PIRATES」(2004)ではMOTLEY CRUELive Wire、前作ではCHEAP TRICKHe's A Whoreをカバーしていましたが、今回はTHE LORDS OF THE NEW CHRCH⑬New Churchを収録しています。PRIVATE LINEがこれまでに取り上げたバンドは少なからず知っていましたがTHE LORDS OF THE NEW CHURCHは全く知りませんでした。調べてみたところ、どうやら80年代のパンクバンドのようです。オリジナルアーティストを知らないこともあってかカバー曲に関しては過去作品に軍配が上がりますね。とはいえオリジナル曲の充実度は今回が一番だと思うので僕の中ではこのアルバムが最高傑作です。注文をつけるとすれば作品毎のスパンをもう少し短くして欲しいということでしょうか。本作も4年振りのアルバムでしたが2016年現在、4作目に関する情報は入ってきていません…。オフィシャルサイトは今も存在しているしSammyとElias Logren(Ds)はアコースティックライヴも行っているもののファンとしてはPRIVATE LINEの新作情報が待ち遠しいですね。

【音源紹介】
Deathroll Casino

PRIVATE LINE「EVEL KNIEVEL FACTOR」(2006)

  • 2016/11/15(火) 00:00:00

EVEL KNIEVEL FACTOR
【No.482】
★★★★(2007)

フィンランド出身のバッドボーイズロックバンドPRIVATE LINEの2作目。アルバムタイトルにある「イーブル・ニーブル」というのはアメリカの有名スタントマンで、無謀な挑戦をしては派手に失敗することもあり、人々は彼のスタント成功以上に失敗する姿を観たがったという心理を表現する「イーブル・ニーブル・ファクター」という言葉があるそうです。バンドの中心人物Sammy(Vo)によるとシンガー、ソングライター、プロデューサーとして全てを自身で行うことになった本作の制作状況を表現するのに「イーブル・ニーブル・ファクター」は相応しい言葉だったのだとか。そんなチャレンジングな環境でレコーディングされた今回のアルバムですが、結果は見事成功と言えると思います。

期待感を煽るイントロダクション①Prelude For The Daredevilsに続くタイトル曲②Evel Knievel Factorで炸裂する「ウォウォウォウォオ~♪ イェイェイェイェエ~♪」のコーラスは合唱必至だし、ロックサウンドを基本としつつサビではメランコリックな雰囲気を前面に出した③Broken Promised Land、前曲のピアノによるアウトロから切れ目なく繋がる④Aliveへと至る流れでこの作品に引き込まれました。デジタルサウンドも交えて疾走する⑦Prozac Nation、⑨Gods Of Rewindのようにキーボードを上手く取り入れている点も好印象だし、ロックソングだけでなく⑤Sound AdviceTREATのギタリストAnders Wikstromが作曲に関与)や⑩Anywayといったバラード系の充実振りも見逃せません。また②と似たウォウォウコーラスが登場するボーナストラック⑫Tokyoも本編に入らなかったのが不思議なほどキャッチーな1曲です。

デビュー作「21ST CENTURY PIRATES」(2004)はBURRN!誌上でいきなりクロスレビューされ、インタビューもカラーで掲載されるなど新人バンドとしては破格の扱いを受けていました。そんな1stアルバムは正直なところ「可もなく不可もなく」という印象でしたが、本作での成長振りは「化けた」と言っていいレベルだと思います。僕が北欧ロックンロールバンドを聴くようになったのはHARDCORE SUPERSTAR「HARDCORE SUPERSTAR」(2005)、CRASHDIET「REST IN SLEAZE」(2005)などがきっかけだったのですが、本作におけるPRIVATE LINEのメロディセンスの良さは同系統バンドの中でも頭一つ抜きん出ています。それに加えてフロントマンのSammyはこの手の曲を歌うのに最適の声質だし、ソングライティング能力も高く、ルックス的にも華があって文句なしの逸材なので将来が楽しみなバンドですね。

【音源紹介】
Evel Knievel Factor

【CD購入録】HEVISAURUS「JURAHEVIN KUNINKAAT」(2009)

  • 2016/10/28(金) 00:00:00

【CD購入録】
JURAHEVIN KUNINKAAT
HEVISAURUS「JURAHEVIN KUNINKAAT」(2009)

フィンランドから現れた恐竜着ぐるみバンドHEVISAURUSの1stフルレンスアルバムを買いました。なぜメンバーがこんな格好をしているかというと、彼等は子ども向けヘヴィメタルバンドだからだそうで日本で言うところのガチャピンとムック、または「おかあさんといっしょ」に出てくる着ぐるみキャラによるバンドという感じでしょうか。6,500万年前のジュラヘヴィ期という時代から眠りについていた恐竜達が魔女の力によってメタリックな卵から孵ったというのが公式設定だそうですが、実際のメンバーはHEVISAURUSの発案者でもあるMirka Rantanen(Ds/THUNDERSTONE) を筆頭にJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)、Henrik Klingenberg(Key/SONATA ARCTICA)、Nino Laurenne(G/THUNDERSTONE)、Mikko Salovaara(Vo/ex-KIUAS)といったフィンランドメタル界の有名人がレコーディングに参加していることもあってクオリティの高い仕上がりとなっています。曲調もバラエティに富んでいて正統派ヘヴィメタル、フォーク/ヴァイキングメタル風から哀愁のバラード、シンガロングを誘うアリーナロックまであって楽しめますね。歌詞は全てフィンランド語なので内容はわかりませんが、「ウンガチャカ ウンガチャカ♪」に始まり「ウィーゥウィーゥ ウィッキッウッ♪」のサビへと繋がる⑧Intiaanin Sotahuuto、「ポッポッポー♪」と歌うサビが頭から離れない⑪Popkornipullaなど、気づけは口ずさんでいる曲も少なくないし、IRON MAIDENテイストに溢れた疾走曲⑬Louhikaarme Ja Ritariも文句なしのカッコよさです。被り物バンド(?)の先駆者として同じくフィンランドにLORDIがいますがHEVISAURUSも負けていません。こうして小さい頃からメタルの英才教育を受けられるフィンランドの子どもたちが羨ましいですね(笑)。

LORDI「GET HEAVY」(2002)

  • 2016/10/24(月) 00:00:00

GET HEAVY
【No.481】
★★★★★(2004)

メンバー全員がゾンビ風のコスチューム(特殊メイク?)に身を包んだフィンランドのモンスターバンドLORDIの1stアルバム。本作がリリースされたのは2002年ですが、僕は2004年になってLORDIというバンドの存在を知りHR/HM系サイトで本作が絶賛されているのを見て是非とも聴いてみたいと思い購入しました。実際にCDを手にしてみてまずは力の入りまくったコスチューム姿にビックリ、肝心の音楽を聴いてみて各曲の素晴らしさにまたビックリという作品で、いろんな意味でインパクトがありますね。バンド側の徹底した世界観へのこだわり、エンターテイメント性の高いショウなどKISSを彷彿とさせる点がチラホラありますが、中心人物のMr. Lordi(Vo)はKISSのファンクラブ「KISS ARMY」のフィンランド支部長を務めていたそうです。

イロモノバンドとして片付けられかねないルックスとは裏腹に、本作で聴くことの楽曲群はどれも一度聴いたら口ずさめてしまいそうなものばかりですね。ホラー映画が始まりそうなイントロ①Scarctic Circle Gatheringに導かれてスタートするタイトル曲②Get Heavyを聴いて「なかなか良いね」と思っていたら、キャッチーにドライヴする③Devil Is A Loserでこのアルバムに引き込まれ、リーダートラック⑤Would You Love A Monsterman?ですっかり魅了されました。収録曲のどれもがシングルカットできそうなものばかりなのですが前述の⑤、曲をグイグイ引っ張っていくキーボードと哀愁を撒き散らすメロディが堪らない⑩Last Kiss Goodbye、自然と身体が揺れてくるほどにダンサブルな⑪Dynamite Tonightがハイライト。メランコリックな⑥Icon Of Dominance、メロディアスなサビメロが秀逸な⑦Not The Nicest Guyもかなり気に入っています。

フロントマンのMr. Lordiはダミ声で好き嫌いが分かれそうだし、キャッチーな楽曲群とはミスマッチに思えるものの不思議な魅力(魔力?)があってリピートするうちに気にならなくなってきて、今では「この声でこそLORDIサウンド!」と思うようになりました(笑)。演奏陣もバンド最大の武器であるボーカルメロディを活かす裏方に徹しつつ、キーボードが所々でいい仕事をしている点も見逃せませんね。デビューシングル⑤が母国フィンランドのナショナルチャートで1位を獲得するなど、早くもブレイクした彼等の人気は後にヨーロッパ全土へと拡大していくこととなります。オバマ大統領が2016年のスピーチで「フィンランドは世界の中で人口あたりのヘヴィメタル・バンドの数が一番多く、さらに望ましい政治をしている国として上位に入っている。音楽と政治に何かしらの相互関係があるかはわかりませんが。」と語るほどのメタル大国フィンランドの懐の深さをまざまざと見せつけてくれる1枚です。

【音源紹介】
Would You Love A Monsterman?

THE RASMUS「THE RASMUS」(2012)

  • 2015/12/04(金) 00:00:00

THE RASMUS
【No.456】
★★★(2012)

前作「BLACK ROSES」(2008)をリリース後、出世作の5th「DEAD LETTERS」(2004)以降の楽曲を中心に構成されたベスト盤「THE BEST OF THE RASMUS」(2010)を発表、2011年にはフロントマンLauri Ylonen(Vo)LAURI名義で初のソロアルバム「NEW WORLD」(輸入盤のみ)を制作するなどしていたTHE RASMUSの8作目。「DEAD LETTERS」に魅せられ過去作品を大人買いし、6th「HIDE FROM THE SUN」(2005)以降も欠かさずチェックしてきた僕ですが前作「BLACK ROSES」(2008)を聴いて美しいメロディに酔いしれつつも、ここ数作は同路線が続いたこともあり手詰まり感を抱いていました。今回もメロディ重視のミッドテンポが主体なのですが、心を揺さぶる泣きメロを軸にした従来路線から爽やかな曲調の中に仄かな哀愁を閉じ込めた楽曲をメインとした作風にシフトしています。

そんなアルバムの特徴はオープニングから如実に表れていて、前奏もなく「I can't believe that it's over〜♪」という幻想的な歌い出しからジワジワと盛り上がっていく①Strangerで早くも違いが感じられるし、シングルにもなったダンサブルな②I'm A MessもTHE RASMUSにしては明るめのナンバーです。THE RASMUSらしい哀感を持った③It's Your Night、④Save Me Once Againにしても泣きよりも優しさに満ち溢れた旋律がとにかく心地よいですね(特に④におけるLauriのエモーショナルな歌唱には神々しさを感じるほど…)。それ以外にも切なさの中に希望を感じさせるメロディが光る⑥End Of The Story、アルバムのポップサイドを象徴する⑦You Don't See Me、5th〜6thの頃に近い雰囲気が感じられる本編ラスト⑩Skyなども気に入っています。

エキサイティングな展開や高揚感はありませんが、聴き手を優しく包み込む楽曲群はひとつの物語を紡いでいくかのようで、聴き終えた時には穏やかな気持ちになっている自分に気づきます。4th「INTO」(2001)で確立した哀メロサウンドは僕の好みど真ん中でしたが、この路線では結局「DEAD LETTERS」を越えられないようにも思えたので本作のような方向転換は個人的にはアリですね。デビュー当時に比べると音楽性が大きく変わったバンドなので、ここから先どのように変化していくか楽しみにしていたら本作リリースから半年もしないうちにバンドは無期限活動休止することを発表してしまいました。このアルバムをセルフタイトルにしたのは、これがバンドの集大成になる可能性を見越してのことだったのかもしれません。ただしライブ活動は継続しているようなので、いつか新作を届けてくれると信じています。

【音源紹介】
I'm A Mess

【CD購入録】LAURI「NEW WORLD」(2011)

  • 2015/12/01(火) 00:00:00

【CD購入録】
NEW WORLD
LAURI「NEW WORLD」(2011)

THE RASMUSのフロントマンLauri YlonenLAURI名義で発表した初のソロアルバムを買いました。バンドの新曲用の曲作りを進める中でTHE RASMUSらしくないものができあがったため、ソロとして発表することになったそうです。こうして聴いてみると、かなりロック色は薄くエレクトロポップと呼べそうな曲もあるので確かにTHE RASMUSの曲としては違和感があるもののアレンジ次第ではバンド名義でも問題なさそうな哀メロチューンもあり、その最たる例がシングルカットもされた②Heavy、⑤In The Cityの2曲ですね。オープニングを飾る①Disco-nnectの曲名に象徴されているようにディスコ調のアレンジが目立つためTHE RASMUSファンとしては微妙な作品ですがLauriのメロディセンスを味わうことができる1枚ではあると思います。

THE RASMUS「BLACK ROSES」(2008)

  • 2015/11/28(土) 00:00:00

BLACK ROSES
【No.455】
★★★(2008)

フィンランドが誇るメランコリックロッカーTHE RASMUSの7thアルバム。本作を語る上で欠かせないのはBON JOVI、KISSなどを手掛けたこともある大物Desmond Childがプロデュースしているという点でしょう。5th「DEAD LETTERS」(2004)を聴いてファンになったDesmondの方から「是非一緒に仕事をしたい」と連絡してきたそうで、このエピソードからもTHE RASMUSの非凡さが窺えますね。大御所プロデューサーが関わることでバンドサウンドにどのような影響を与えるのか注目していましたが、それほど大きな変化はないように思います。このバンドの場合、泣きのメロディとLauri Ylonen(Vo)の哀愁ボイスという強烈な個性があるので安心して聴くことができますね。

バンドの根幹部分にブレはないものの前作「HIDE FROM THE SUN」(2005)にあったヘヴィなバッキングは影を潜め、電子サウンドやプログラミングを用いる場面が増えているので最早ハードロックと呼んでいいのかどうかも微妙になってきています。それが結果的に彼等らしい哀愁サウンドは保ちつつ、これまで以上のメジャー感を纏った好盤に仕上がっている辺りは流石。そんなバンドの持ち味は冒頭から発揮されていて、シングルカットされた①Livin' In A World Without Youを聴いた時点でガッツポーズでした。それ以降もTHE RASMUSらしい悲哀に満ちたナンバーが並び、アルバム後半にはシンフォアレンジがいい味を出している⑧Lost And Lonely、曲名通りの勇壮な響きを持った⑨The Fight、ミャウミャウしたキーボードが曲を引っ張る⑩Dangerous Kindといった新生面も見せてくれます。そんな実験的要素もある曲の後に、切ないメロディが胸に沁みるバラード⑪Live Foreverを配して本編を締めくくる構成もニクいですね。

というわけで今回も哀メロ満載の楽曲が楽しめる手堅い作品で、気がつけば何度もリピートしているのですがマンネリ気味に感じてしまうのも事実。意外性やワクワク感、このアルバムでしか得ることのできない「何か」がないように思うし、5th「DEAD LETTERS」(2004)と比べると物足りないというのが正直なところです。特にアルバム前半は似たテンポの曲が続くため連続して聴くと心地よい反面、1曲ずつを取り出すとあまり印象に残らなかったりするんですよね…。このクオリティで文句を言うのは贅沢だとわかってはいるものの、もう一押し欲しいと思ってしまう1枚です。

【音源紹介】
Livin' In A World Without You

THE RASMUS「INTO」(2003)

  • 2015/11/22(日) 00:00:00

RASMUS INTO
【No.454】
★★★(2007)

5th「DEAD LETTERS」(2004)が世界的にヒットし、フィンランドのみならずヨーロッパを代表する存在へと成長したTHE RASMUSの4作目。僕は「DEAD LETTERS」と6th「HIDE FROM THE SUN」(2005)の2作品に魅了され、本作を含むそれ以前のスタジオ盤4枚を大人買いしました。3rd「HELL OF A TESTER」(1998)で哀メロが顔を出すようになったものの、バンド初期の3作品はラップも取り入れたファンキーなロックサウンドが基本で、別バンドかと思うような路線だったのでTHE RASMUSの持ち味であるメランコリックロックが確立されたのは本作だと思っています。ちなみにバンドは1st「PEEP」(1996)がフィンランド国内でゴールドディスクを獲得するなど地元ではデビュー当初から売れっ子だったようですね。

本作を聴くまでTHE RASMUSは5th、6thしか知らなかったので、とにかく切ない哀メロで泣かせるバンドというイメージがありました。ところが、このアルバムはそんな泣きの要素を軸にしつつ甘酸っぱいメロディと快活で爽やかな雰囲気も感じられるのが特徴ですね。それを象徴するのが④F-F-F-Fallingでしょう。「DEAD LETTERS」にもボーナストラックとして収録されていたこの曲を5thの一部として聴いた時にはポップで異色な曲だと思っていたのですが、本作からのリメイクだと知って妙に納得しました。それ以外にも「Oh Yeah, Oh Yeah~♪」と歌う哀愁コーラスからドライヴ感に満ちたサビへの展開が秀逸な⑤Heartbreaker、温もりのある旋律が聴き手を優しく包み込んでくれる⑦Someone Else、「胸キュン」という言葉(もう死語?)がピッタリのメロディが堪らない⑧Small Town、そしてこれぞTHE RASMUSな激泣きバラード⑩Last Waltz辺りは大好きですね。特に④、⑤、⑧は本作ならではの楽曲だと思います。

初めて聴いた時は僕が抱くTHE RASMUS像とは異なる明るめのサウンドに違和感がありましたが、メロディ作りの上手さと声そのものにただならぬ哀感を含んだLauri Ylonen(Vo)の歌唱はこの頃から光っていますね。出世作「DEAD LETTERS」で開花するメランコリック・ゴシックテイストはやや控えめで、バンドのポップセンスや楽曲から感じられる温かみが心地よい1枚です。アルバム全体の完成度で言えば次作以降の方が上かもしれませんが、個々の楽曲を取り出して聴けば本作も負けていません。なお僕が持っているバージョンには本編ラスト⑩の後にシングルB面曲が追加され全14曲となっています。⑬Play DeadはLauriも大ファンだというBJORK⑭Used To Feel BeforeTHE KINGSTONE WALLのカバーなのですが、THE RASMUS印はしっかり刻まれていてバンドのアレンジ能力の高さが伺えますね。

【音源紹介】
F-F-F-Falling

THE RASMUS「HIDE FROM THE SUN」(2005)

  • 2015/11/15(日) 00:00:00

HIDE FROM THE SUN
【No.453】
★★★(2005)
年間ベスト2005年第10位

哀愁のメロディに満ち溢れた5th「DEAD LETTERS」(2004)を聴いて、すっかりファンになったTHE RASMUSの6作目。前作で彼等に魅了された日本のリスナーは僕だけではなかったようで、2004年10月にバンドは初来日も果たしています。そんな出世作に続くアルバムということで期待を胸に聴いてみると、メランコリックな旋律美は健在でありながら演奏は前作よりも若干ヘヴィに、それでいて曲調は耽美性を強めていて更にメロディを聴かせるスタイルになったように思いますね。冒頭の①Shotからして哀愁ダダ漏れ(笑)、続く②Night After Night(Out Of Shadows)で早くも本作のハイライトを迎えます。タイトルから推測するに、この曲は前作でも2曲目に配されていたIn The Shadowsのアンサーソングなのかな、と思ってみたり。聴き始めの段階で印象に残ったのは②くらいだったので当初は「悪くはないけれどTHE RASMUSにしては平均的な楽曲が多い」という感想でしたが、リピートする内に本作のメロディがジワジワと胸に沁み入ってきました。

キャッチーなシングル曲③No Fear、「ファラウェ〜 ファラウェ〜♪」と歌う物悲しいメロディが秀逸な④Lucifer's Angel、サビのコーラスがHAREM SCAREMっぽい⑥Dead Promises(同郷のチェロメタルバンドAPOCALYPTICAが客演)などもさることながら、アルバム後半の充実振りには目を見張るものがありますね。アコースティック調の淡々とした演奏と儚いメロディが絶妙にマッチしたバラード⑧Sail Awayから哀メロを丁寧に紡いでいく⑨Keep Your Heart Brokenへ至る流れは文句のつけようがないし、アルバム本編を幻想的に締めくくる⑪Don't Let Goも筆舌に尽くし難いほどの美しさを誇っています。そんな⑪の余韻に浸っているところに流れてく⑫Triggerもボーナストラックにしておくには惜しい佳曲です。

惜しむらくはそれに続く③の別バージョン⑬No Fear(Chris Vrenna Remix)が蛇足に感じられるという点でしょうか。アルバム曲のミックス違いにはあまり興味が持てないし、本作には複数のバージョンがあり異なる未発表曲が収録されているようなので、それらを1枚にまとめてくれた方が嬉しかったですね…。サウンドの焦点を哀メロ一本に絞ったことによって、バンドの揺らぎないアイデンティティを誇示することに成功している一方でF-F-F-FallingIn My Lifeのようなポップセンス弾けるナンバーがなくなったのは寂しくもあります。いくつかの不満点はあるし、流石に「DEAD LETTERS」と比べると地味な印象は拭えないものの前作がマグレではなかったことを証明するには十分の力作です。なお発売地域によって別々に収録されていたDancer In The Dark、Open My Eyesなどのボーナストラック全てが聴けるUS盤が2006年に発売されているようなので、これから本作を聴く方にはそちらをオススメしたいですね。

【音源紹介】
・Night After Night(Out Of Shadows)

THE RASMUS「DEAD LETTERS」(2004)

  • 2015/11/04(水) 00:00:00

DEAD LETTERS
【No.452】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第2位

フィンランドを代表するメランコリック・ロックバンドTHE RASMUSの5thアルバム。僕はこのバンドのことを全く知らず、たまたまCDショップで本作を試聴したのがTHE RASMUSとの出会いでした。冒頭4曲をワンコーラスずつ聴いた時点で迷わずレジに向かってましたね。いかにも北欧らしい哀愁が作品全体を覆っていて、随所で泣きのメロディを味わえる極上の一品です。Lauri Ylonen(Vo)のやや掠れたハスキーヴォイスと強力な哀愁のメロディから連想するのは、スウェーデン屈指のシンガーソングライターで現在はLAST AUTUMN'S DREAMで活躍するMikael Erlandsson(Vo)がデビューアルバムにして名盤の「THE 1」で繰り広げた世界観。そこにゴシックテイストを注入したら本作になるという感じですね。

粒揃いの楽曲が並ぶ本作の中でも一度聴いたら耳から離れないメロディを持ったシングル曲②In The Shadows、メランコリックな中にも力強さが感じられる④In My Life、メジャー感たっぷりの爽快なサビがBON JOVIを彷彿とさせる⑥Guiltyが群を抜いて素晴らしいですね。それ以外にも切なすぎるメロディラインが胸に沁みる③Still Standing、重々しいイントロから演歌に通じるクサいサビに繋がっていく⑤Time To Burn、バンドの持ち味を存分に発揮したバラード⑦Not Like The Other Girls、快活なロックチューンでありながら仄かな哀愁を纏った⑨Back In The Pictureなど、哀メロを軸にしつつ曲毎に異なる表情を見せてくれる点も高ポイントですね。それに加えて国内盤に収録されたボーナストラック4曲に関しても、前作「INTO」(2001)のリードトラック⑪F-F-F-Fallingを筆頭にオマケのレベルを超越していて聴き応えがあります。

僕にとっては未知のバンドだったTHE RASUMUSですが、このアルバムをリリースした時点で地元フィンランドは勿論ヨーロッパでも確固たる地位を築いていて本作もこれまでに300万枚ものセールス(!)を記録しているそうです。音楽性としてはHR/HMの範疇に含められるか微妙だし、エキサイティングな曲展開や派手なギターソロはないものの、とにかくメロディの充実度が尋常ではありません。本作を聴いて久々に「これぞ北欧」という楽曲を聴かせてくれるバンドに出会えた喜びに打ち震えたのも良い思い出です。このアルバムと出会った2004年は僕がHR/HMを聴くようになって10年目でしたが、年間ベストの2位と3位にランクインした本作とORPHANED LAND「MABOOL THE STORY OF THE THREE SONS OF SEVEN」を聴いて、世界にはまだ自分の知らない素晴らしいバンドがいることを実感しましたね。

【音源紹介】
In The Shadows

【CD購入録】STRATOVARIUS「ETERNAL」(2015)

  • 2015/09/10(木) 00:00:00


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STRATOVARIUS「ETERNAL」(2015)

僕の中でHELLOWEENと並ぶメロディックパワーメタル界の重鎮となっているSTRATOVARIUSの15作目を買いました。HELLOWEENよりも遅い1989年にデビュー、2004年〜2006年にかけては解散騒動があったりした彼等ですがアルバム枚数では既に追いついていて順調な活動振りが窺えます。オープニングの①My Eternal Dreamがそうだからかもしれませんが、今回はネオクラ系パワーメタル色が戻ってきているように感じますね。この点についてはソングライティングにJani Liimatainen(G/CAIN'S OFFERING、ex-SONATA ARCTICA)が参加していることも関係しているのかもしれません。第一印象としては前作「NEMESIS」(2013)収録のHalcyon Days級のキラーチューンこそないものの、STRATOVARIUSらしいサウンドが堪能できる1枚だと思います。ちなみに本作は10曲入りの通常盤に加えて⑥Endless Forest、⑦Giantsのボーナストラック2曲を追加したSHM-CDとLOUD PARK13の模様を収録したDVD2枚組限定盤があり、僕は迷った末に限定盤を買いました。家でライブDVDを見ることはほとんどないのですが、今のSTRATOVARIUSの曲はひとつでも多く聴きたいというのが限定盤を選んだ理由です。ボートラに関しては静かでメルヘンチックなインスト⑥、キャッチーな歌メロが耳を捕らえる⑦という感じで特に後者が気に入っています。ライブDVDは家族が寝静まった後にでも見ようかな。

【CD購入録】CAIN'S OFFERING「STORMCROW」(2015)

  • 2015/04/30(木) 00:00:00

【CD購入録】
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CAIN'S OFFERING「STORMCROW」(2015)

Jani Liimatainen(G/ex-SONATA ARCTICA)Timo Kotipelto(Vo/STRATOVARIUS)を中心としたメロディック・パワーメタルバンド(プロジェクト?)CAIN'S OFFERINGの2作目を買いました。前作「GATHER THE FAITHFUL」(2009)以降CAIN'S OFFERINGとしての動きはあまり伝わってきませんでしたが、2012年にKOTIPELTO & LIIMATAINEN名義でアコースティック作品「BLACKOUSTIC」を発表するなど2人の関係は良さそうだったこともありCAIN'S OFFERINGの新作を気長に待っていたので、こうしてニューアルバムを届けてくれたことが嬉しいですね。しかもキーボードにはJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)を迎えるという強力布陣。いざ聴いてみるとメンバーの顔ぶれから期待するサウンドを裏切らない内容となっています。北欧の伝説的キーボード奏者Jensを迎えたこともあってJaniのギターが目立つ場面は前作同様あまりなくコンポーザーに徹していますね。今のところキラーチューンと呼べるものはなさそうですが良曲揃いだし、先行でリリックビデオが公開されていた④I Will Build You A Romeの爽やかなメロディが特に気に入っています(バラード⑤Too Tired To Runのエンディングメロディは「蛍の光」?)。デビュー作との違いを挙げるとすれば、今回はよりドラマティックなアレンジが目立つという点でしょうか。KotipeltoのメインバンドSTRATOVARIUSもニューアルバム「ETERNAL」を8月に出すようなので、そちらも楽しみです。

CHILDREN OF BODOM「HATE CREW DEATHROLL」(2003)

  • 2015/03/07(土) 00:00:00

HATE CREW DEATHROLL
【No.421】
★★★★(2003)
年間ベスト2003年第5位

デス/ブラックメタルにネオクラシカルギターと派手なキーボードを融合させるという独自のサウンドで1998年にデビューして以降、順当な成長振りを見せるCHILDREN OF BODOMの4作目。前作「FOLLOW THE REAPER」(2000)はこれまでで最もJanne Wirman(Key)のプレイが目立っていたのに対して今回はキーボードを(このバンドにしては)グッと抑え、ギターに重きを置いた作風となっています。それと連動するように男声コーラスや一緒に歌えそうなパートが増えているのも特徴でヘヴィかつブルータル、それでいてキャッチーなメタルを生み出すことに成功していますね。デビューアルバムから3rdまでは着実に前進しているという印象でしたが、今回は「化けた」と言えるほど飛躍していて驚きました。

まずはオープニングの①Needled 24/7からして強烈。バンドの代名詞にもなっている「ジャンジャン!」というキーボードで幕を開けたかと思うと極上のメロディとブルータリティが押し寄せてくるこの曲は間違いなくキラーチューンです。心地よいグルーヴ感の中で「666!!(シックシックシックス!!)」と叫ぶAlexi Laiho(Vo、G)が堪らなくカッコいい②Sixpounder、Janneが大きな見せ場を作り出すソロパートだけでなくリフワークも秀逸な③Chokehold(Cocked'N'Loaded)、そこから間髪入れずに繋がる④Bodom Beach Terrorも激しいサウンドの中で美味しいギターフレーズが乱舞していてテンションは上がりっぱなしです。チルボド流のメロウなバラード(?)⑤Angels Don't Killで一息ついた後は怒涛の後半へ突入。従来のネオクラテイストとキャッチーなコーラスが同居した⑥Triple Corpse Hammerblow、邪悪なムードを発散しながら疾走するイントロに始まりサビではシンガロングを誘うコーラスを配した⑦You're Better Off Dead、そして⑧Lil' Bloodred Ridin' Hoodの余韻に浸る間もなくドラマティックにスタートするタイトル曲⑨Hate Crew DeathrollはCHILDREN OF BODOMの魅力を詰め込んだようなナンバーで、これを本編ラストに持ってくる配置も素晴らしい。恒例のカバーはSLAYER⑩Silent ScreamRAMONES⑪Somebody Put Something In My Drinkの2曲で、前者のハマり具合は見事だし後者ではこれまでと違って「歌うAlexi」が新鮮です。

Alexi、Janneという2人のスタープレイヤーに加えてリズムギターとして土台を支えるAlexander Kuoppala、音質の向上によってその実力がより明確に伝わってくるようになったHenkka Blacksmith(B)、Jaska Raatikainen(Ds)のリズム隊からなる布陣は鉄壁ですね。個人的な好みでは2nd「HATEBREEDER」が最高傑作だという思いに変わりはないものの、CHILDREN OF BODOMが自身の音楽性を完成させた本作こそがバンドにとっての最重要アルバムと言えるでしょう。それだけでなくバンドは本作で新世代メタルシーンにおけるひとつのスタイルを確立したと思います。難点を挙げるとすれば、このアルバムがこれ以上ないほどにチルボドサウンドの理想型を体現しているため次回以降の作品を聴いても物足りなさを感じてしまう点でしょうか…(苦笑)。

【音源紹介】
・Needled 24/7

【CD購入録】CHILDREN OF BODOM「HALO OF BLOOD」(2013)

  • 2015/03/04(水) 00:00:00

【CD購入録】
HALO OF BLOOD
CHILDREN OF BODOM「HALO OF BLOOD」(2013)

Alexi Laiho(Vo、G)率いるフィンランド産エクストリームメタルの雄CHILDREN OF BODOMの8作目を買いました。リリース前から本作は2nd「HATEBREEDER」(1999)、3rd「FOLLOW THE REAPER」(2000)を彷彿とさせる作風だという評判でしたが、前作「RELENTLESS RECKLESS FOREVER」(2011)もメロディアスになったと言われつつ過去作品ほどツボにはまらなかったので今回も様子見していました。いざ聴いてみると緊張感に溢れたリフと流麗なギターワークがカッコいい①Waste Of Skin、ブラックメタル風に爆走する②Halo Of Bloodなど掴みは上々。耽美的なチルボドという新境地を見せる⑦Dead Man’s Hand On Youもアクセントになっているし、「これが聴きたかった」と言わずにいられない⑨All Twistedのような曲もあります。バンド初期の雰囲気を残しつつ、5th「ARE YOU DEAD YET?」(2005)以降に強まったモダンテイストも織り込んだ本作はバンドの集大成的なアルバムと言えそうですね。