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【CD購入録】BATTLE BEAST「NO MORE HOLLYWOOD ENDINGS」(2019)

  • 2019/04/15(月) 00:00:00

【CD購入録】
NO MORE HOLLYWOOD ENDINGS
BATTLE BEAST「NO MORE HOLLYWOOD ENDINGS」(2019)

今年の2月に2nd「FROM HELL WITH LOVE」をリリースしたBEAST IN BLACKを率いるAnton Kabanen(G)がかつてメインソングライターとして在籍していたBATTLE BEASTの5作目。Antonは追い出されるような形でバンドを脱退したためBATTLE BEASTとの関係性は悪いのですが、BEAST IN BLACKとBATTLE BEASTが2枚続けて同じ年に新作を完成させるとは因縁めいたものを感じますね。今回もAnton不在で制作した第1弾アルバムにあたる前作「BRINGER OF PAIN」(2017)を継承した作風でありながら、バンドの大衆化を更に推し進めた仕上がりとなっています。それを象徴しているのがBON JOVIIt's My Lifeを連想させるパートもある④Unfairy Tales、もはやメロディックロックと呼んでもよさそうなポップソング⑤Endless Summerの2曲ですね。勿論メタリックなナンバーも収録していて、文字通り拳を突き上げたくなる勇壮なメロディと女傑シンガーNoora Louhimoのシャウトが熱い⑨Raise Your Fists、待ってましたの疾走曲⑩The Golden Hordeなどが気に入っています。またシアトリカルな雰囲気を醸し出すタイトル曲②No More Hollywood Endingsは新鮮だし、メロウなバラードもきっちり聴かせてくれるのも好印象。作品を重ねる毎に鋼鉄成分が希薄になっているのは事実ながら相変わらず僕好みのメロディが楽しめる1枚ですね。

【CD購入録】CHILDREN OF BODOM「HEXED」(2019)

  • 2019/03/17(日) 00:00:00

【CD購入録】
HEXED.jpg
CHILDREN OF BODOM「HEXED」(2019)

Roope Latvala(G)の後任にDaniel Freyberg(G/NAILDOWN、ex-NORTHER)を迎えたCHILDREN OF BODOMの10作目。今回は先行で公開されていた②Under Grass And Clover、⑥Platitudes And Barren Wordsがいい意味でCHILDREN OF BODOMらしくない明るさを持ったサウンドだったので注目していました。そんな新機軸と呼べそうな要素は②、⑥に加え80年代風の④Hecate's Nightmareでも感じられ全体的にキャッチーな仕上がりとなっていますね。かつての凶暴性は控えめになっているためヌルくなったという声もあるかもしれませんが個人的には本作の方向性もアリだと思います。また⑪Knuckledusterは2004年発表のEP「TRASHED, LOST AND STRUNGOUT」に収録されていた曲のリメイクで、ボーナストラックにはYOUTH CODEというアメリカのインダストリアルユニットがリミックスした⑭Knuckleduster(remix)も収められていてバンドがこの曲を気に入っていることが窺えますね。ちなみに⑭の後にはタイトル不明のシークレットトラックが流れてくるという不思議な仕様となっています。

【CD購入録】CHILDREN OF BODOM「I WORSHIP CHAOS」(2015)

  • 2019/03/13(水) 00:00:00

【CD購入録】
I WORSHIP CHAOS
CHILDREN OF BODOM「I WORSHIP CHAOS」(2015)

今月に10作目となるニューアルバム「HEXED」(2019)を発表したCHILDREN OF BODOMの9th。2004年から長きに渡って在籍していたRoope Latvala(G)が脱退したため本作はバンド史上初めて4人体制でレコーディングされたアルバムでAlexi Laiho(Vo、G)がリズムギターも弾いています。今回も5th「ARE YOU DEAD YET?」(2005)の延長線上にあるエクストリームメタルが展開されていてCHILDREN OF BODOMらしさに溢れた楽曲を聴かせてくれますね。惜しむらくはアルバムを代表する決めの1曲がないことでしょうか。と言いつつ尺は短いながらもバンド初期を彷彿とさせるソロパートをフィーチュアした④Horns⑥I Worship Chaos〜⑧Suicide Bomberにかけての流れは好きですね。

【CD購入録】FROZEN LAND「FROZEN LAND」(2019)

  • 2019/01/20(日) 00:00:00

【CD購入録】
FROZEN LAND
FROZEN LAND「FROZEN LAND」(2019)

フィンランドから現れたメロディックパワーメタル界のニューカマーFROZEN LANDのデビューアルバム。端的に言うと90年代パワーメタルの黄金期を彩ったTimo Tolkki(G)が在籍していた頃のSTRATOVARIUSや初期SONATA ARCTICAを彷彿とさせるサウンドが堪能できるアルバムです。オープニング①Loser's Gameで聴くことのできる高揚感たっぷりのサビメロには思わずニヤリとしてしまいました。またJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)が使いそうな音色が飛び出す⑤The Rising、ストラト愛に溢れまくった⑧Mask Of The Youthを筆頭に良くも悪くも初めて聴いた気がしない疾走曲は自然とテンションが上がりますね。スピードチューンだけでなく⑥Unsung Heroesのようなキャッチーミドルも収録している点にメロディセンスの非凡さを感じさせます。オリジナリティが希薄であることは否定できないし、メンバーがYouTubeで発見してバンドにリクルートしたというイタリア人シンガーTony Meloniは不安定な場面もありますが僕は許容範囲内ですね。1月にして早くも2019年のブライテストホープ候補が現れました。

【CD購入録】ARION「LIFE IS NOT BEAUTIFUL」(2018)

  • 2018/12/03(月) 00:00:00

【CD購入録】
LIFE IS NOT BEAUTIFUL
ARION「LIFE IS NOT BEAUTIFUL」(2018)

1stアルバム「LAST OF US」をリリースした2014年にLOUD & METAL ATTACK、LOUD PARKで2度の来日を果たし、今年の11月にはHOKUO LOUD NIGHTにも出演したフィンランドのメロディックメタルバンドARIONの2作目を買いました。Elize Ryd(Vo/AMARANTHE)をゲストに迎えたキャッチーメタル③At The Break Of Dawn、曲調とLassi Vaaranen(Vo)の歌唱法どちらもがSTRATOVARIUSっぽい⑥Unforgivableという先行で公開されていた2曲を聴いて好感触だったのですが、やはりアルバムにおいてもこれらの曲が輝いていますね。またスケールの大きなメロパワ④The Last Sacrifice、前曲とは対照的にヘヴィなサウンドで攻めてくる⑦Punish You、アグレシッブに畳み掛ける前半とゆったりしたサビの対比が印象的なタイトル曲⑧Life Is Not Beautiful辺りも気に入っています。ちなみにTopias Kupiainen(Ds)Matias Kupiainen(G/STRATOVARIUS)の実弟で、Matiasが本作のソングライティングやミキシングに携わっていることもアルバムの安定感に貢献してそうですね。飛び抜けた強みこそないものの、安心して聴けるパワーメタル作品だと思います。

【CD購入録】THE DARK ELEMENT「THE DARK ELEMENT」(2017)

  • 2017/12/24(日) 00:00:00

【CD購入録】
THE DARK ELEMENT
THE DARK ELEMENT「THE DARK ELEMENT」(2017)

Tarja Turunen(Vo)の後任として2007年から2012年までNIGHTWISHに在籍していた女性シンガーAnette OlzonJani Liimatainen(G/CAIN'S OFFERING、ex-SONATA ARCTICA)を中心に結成された新プロジェクトTHE DARK ELEMENTのデビューアルバムを買いました。FRONTIERS RECORDSの発案で誕生したプロジェクトのようですが、本作はFRONTIERS関連アルバムの中でも上位に入ってきそうな予感がします。疾走系のメロパワチューンは収録せず、とにかくメロディを聴かせることに注力した楽曲群が並ぶ女性ボーカル作品という点でWITHIN TEMPTATIONを連想させますね。ちなみに僕はAnette在籍時のNIGHTWISHをほとんど聴いていないので彼女についてはメロディックロックバンドALYSON AVENUEのシンガーというイメージが強いです。ALYSON AVENUEの1st「PRESENCE OF MY MIND」に収録されたTell Me You Love Me(Or Leave Me)は名曲!リズム隊はCAIN'S OFFERINGと同じメンツなのでTimo Kotipelto(Vo/STRATOVARIUS、CAIN'S OFFERING)が歌えばCAIN'S OFFERINGになりそうな曲もありますが、そんなことは気にならないほど魅力的なナンバーが並びます。特に先行で公開されていた②My Sweet Mysteryはそのキャッチーなサビを初めて聴いた時から魅了されたし、グロウルがいいアクセントになっている⑥Dead To Me(バラード風にアレンジしたボーナストラック⑬もグッド)、「ヘ〜ロ〜♪」のコーラスが耳から離れない⑦Halo、スケール感のあるメロディで本編を締めくくる⑪Only One Who Knows MeなどJaniは僕好みの曲を書いてくれるソングライターだと再確認しました。THE DARK ELEMENTはバンドであくまでもプロジェクトという位置づけだそうですが是非とも継続してもらいたいですね。

【CD購入録】THE RASMUS「DARK MATTERS」(2017)

  • 2017/12/01(金) 00:00:00

【CD購入録】
DARK MATTERS
THE RASMUS「DARK MATTERS」(2017)

バンド名を冠した8th「THE RASMUS」(2012)をリリースした後に無期限活動休止を発表したフィンランドのメランコリック・ロックバンドTHE RASMUS(現在来日公演中)が約5年振りに復活して完成させた9作目を買いました。サウンド的には哀愁のメロディが胸に突き刺さるというよりは、聴き手を優しく包み込む美旋律に浸る1枚という印象ですね。ただしハードさはかなり薄まっているためHR/HMファンにとっては物足りない面もありそうです。僕ももう少しヘヴィネスが欲しいというのが率直な感想ですが、THE RASMUS最大の武器であるメロディセンスは今回も健在。現時点でのお気に入りは③Wonderman⑦Black Days〜⑩Dragons Into Dreamsと続くアルバム終盤ですね。日本盤ボーナストラックの2曲も本編と遜色ない出来で貫禄を感じさせてくれます。

【CD購入録】BEAST IN BLACK「BERSERKER」(2017)

  • 2017/11/15(水) 00:00:00

【CD購入録】
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BEAST IN BLACK「BERSERKER」(2017)

フィンランドの戦闘獣BATTLE BEASTの創設メンバーでメインソングライターだったAnton Kabanen(G、Vo)が新たに立ち上げたBEAST IN BLACKの1stアルバムを買いました。BATTLE BEASTのメンバーと喧嘩別れの形で袂を分かつことになったAntonでしたが早々にBEAST IN BLACKに着手し、BATTLE BEASTの新作「BRINGER OF PAIN」(2017)から僅か9ヶ月遅れでアルバムを完成させたAntonの仕事振りには脱帽です。中身の方もAnton在籍時のBATTLE BEASTの延長線上にある正統派メタルで、メンバーに鍵盤奏者はいないものの存在感のあるキーボードが楽曲を盛り上げています。バンド名を冠したオープニングチューン①Beast In Blackの冒頭で炸裂する「バァサァァカァァ!!」というUdo Dirkschneider(Vo/U.D.O.、ex-ACCEPT)ばりのシャウトでいきなりAnton復活を高らかに宣言。BATTLE BEAST在籍時のマテリアルもあるという本作は中途半端な位置に配されたボーナストラック⑧Hell For All Eternity、⑩Go To Hellを含め流石の出来栄えです。BEAST IN BLACKのメンバーはYannis Papadopoulos(Vo/WARDRUM)を始め、全員が別バンドとの掛け持ちをしています。BATTLE BEASTのメンバー達がAntonだけでなく自分達のアイデアも活かしてほしいと考えだしたことが分裂のきっかけになったそうなので、Antonが自身のメタル道を追求するためには専属メンバーではない方がいいのかもしれませんね。分裂騒動勃発時にはどうなることかと心配しましたがBATTLE BEASTは相変わらずの良作をリリース、Antonもこうして復活となれば楽しみなバンドが2つになったという見方もできるので結果オーライといったところでしょうか。「BRINGER OF PAIN」に比べると本作はメタル成分が高めという差異はあるものの、どちらもなかなかの力作だと思います。

【CD購入録】THE NIGHTS「THE NIGHTS」(2017)

  • 2017/09/10(日) 00:00:00

【CD購入録】
THE NIGHTS
THE NIGHTS「THE NIGHTS」(2017)

フィンランド出身のグラム系HR/HMバンドRECKLESS LOVEのプロデューサー/ソングライターとしてデビューから最新作まで全てのアルバムに参加しているIlkka Wirtanen(G)Sami Hydeなるシンガーと組んだメロディック・ロックプロジェクトTHE NIGHTSのデビュー作を買いました。THE NIGHTSという名前の新プロジェクトが存在していることは知っていましたが名前、ジャケットともに地味だったこともありスルー状態でした。ところが、ふとYouTube上で③Julietteを聴いて好感触だったので他の曲もチェックしてみたところ僕好みの楽曲が多そうだったので調べてみるとIlkkaはRECKLESS LOVEではBack To Paradise、So Happy I Could Dieなど多数の作曲に関わり、THE MAGNIFICENTの隠れた名曲Driveも手掛けていると知り購入。重厚なサウンドの中でフックに満ちたメロディが流れる①Welcome To The Showで幕を開けるや前述の③を筆頭に⑤In A Blink Of An Eye、⑥Hold On、⑩I Wanna Be Your Superheroなど一度聴いただけで口ずさめそうな楽曲群の充実振りは流石の一言です。ボーカルのSamiもやや鼻にかかった甘い歌声の持ち主でこの手の曲を歌うにはピッタリだと思います。2017年注目のニューアクトの登場ですね。

NIGHTWISH「OCEANBORN」(1999)

  • 2017/06/21(水) 00:00:00

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【No.495】
★★★(1999)

本国フィンランドのみならず、後に欧州メタルシーン屈指の人気バンドへと成長することになるシンフォニックメタルバンドNIGHTWISHが1999年に発表した2ndアルバム。今や女性ボーカルが在籍するバンドが続々と登場しているものの、本作が日本でリリースされた1999年当時はまだまだ珍しく僕が初めて聴いた女性シンガーを擁するメタルバンドのアルバムは本作かSINERGY「BEWARE THE HEAVENS」(1999)だったと思います。NIGHTWISH最大の特徴は名門シベリウス音楽院で声楽を学んだ(本作レコーディング時はまだ在学中)というTarja Turunen(Vo)のオペラティックな歌唱ですね。ヘヴィメタルとクラシックを融合させたサウンドにTarjaのソプラノボイスが乗ることで完成するNIGHTWISHの世界観はこの当時からオリジナリティに溢れています。

本作はそんなNIGHTWISHらしさを凝縮しパワーメタリックに仕上げたキラーチューン①Stargazersで幕を開けます。名曲の予感しかしないイントロ、ギターメロディに導かれる疾走感に満ちた曲調と神々しく響き渡るTarjaの歌声は絶大なインパクトを誇っています。この①があまりに強力過ぎるためにそれ以降の楽曲が弱く思えてしまうほどですが、何度も聴くうちに段々と他の曲も好きになってきました。曲後半で聴けるTarjaのオペラ歌唱が大きな見せ場となっているドラマティックチューン⑤Passion And The Opera、美旋律バラードの極致と呼びたくなる⑥Swanheart、ロシア民謡を連想させるクサメロが炸裂するインスト⑦Moondanceと続く中盤は異なるタイプの曲を並べつつ、それぞれが充実していてかなり好感触です。またアルバム本編を締めくくる⑩Walking In The AirRAINBOWがインストでカバーしたことでも知られるアニメ「SNOWMAN」の挿入歌で、原曲以上に幻想的な仕上がりとなっていますね。ちなみにRAINBOWのカバーはSnowmanという曲名で「BENT OUT OF SHAPE」(1983)に収録されています。

他のメタルバンドとの差別化という点でTarjaに注目が集まりがちですが、収録曲のほぼ全てを手掛けるリーダーTuomas Holopainen(Key)のメロディセンスも秀逸。彼の作る曲は即効性が高いとは言えないもののリピートするうちにジワジワくるし、カバー曲⑩に象徴されるアレンジの妙や北欧らしい世界観を演出するキーボードパートでも大きな役割を担っています。本作の時点では後にTuomas、Tarjaと並ぶ重要メンバーとなるMarko Hietala(B、Vo)が未加入のため男性ボーカルパートが弱いですがNIGHTWISHを語る上で外せない1枚でしょう。NIGHTWISHは後続バンドにも多大な影響を与えているようでSimone Simons(Vo/EPICA)は本作を聴き衝撃を受けて声楽を学ぶようになったそうだし、LIV MOONはNIGHTWISHが4th「CENTURY CHILD」(2002)でカバーしたThe Phantom Of The Opera(オペラ座の怪人)がきっかけで誕生したのだとか。それだけにTarjaが2005年に解雇という形でバンドを離れてしまったのが残念でなりません…。僕はTarjaの後任Anette Olzon(Vo/ex-ALYSON AVENUE)、現任のFloor Jansen(Vo/ex-AFTER FOREVER)時代は未聴ですがNIGHTWISHのアルバムの中では本作が一番好きですね。

【音源紹介】
Stargazers

【CD購入録】BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

  • 2017/02/18(土) 00:00:00

【CD購入録】
BRINGER OF PAIN
BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

ジャケットからしてインパクト抜群なBATTLE BEASTの4作目を買いました。過去のアルバムで創作面のイニシアティブを握っていたAnton Kabanen(G)が前作「UNHOLY SAVIOR」(2015)リリース後に脱退したと聞いた時にはバンドがどうなるのか心配でしたが、ここに届けられた新作はそんな不安を吹き飛ばすばかりか最高傑作なのではないかと思えるほどの充実盤となっています。シンセサウンドを纏いながら駆け抜けていくアップテンポ①Straight To The Heartを聴いて今まで以上に僕好みのメロディアスな作風で手応えを感じていたら、それ以降もテンションが下がることなくあっという間に聴き終えてしまったという感じです。メロディ志向の楽曲群の中でガツンと来るタイトル曲②Bringer Of Pain、重厚なヘヴィサウンドでアルバムに起伏をつけている⑥Lost In Wars、「ウィ!ウィル!ファァィ!」と初めて聴いた時から歌えてしまった⑧We Will Fight、タイトル通りのダンサブルチューン⑨Dancing With The Beast、本編を見事に締めくくるバラード⑩Far From Heaven などバラエティに富んでいる点も見逃せません。それに加えてボーナストラックもBATTLE BEASTらしいメタルソング⑪God Of War、クワイアが荘厳な雰囲気を醸し出す⑫The Eclipse、ロックンロールテイストに溢れた⑬Rock Trashと充実しています。バンド史上最大の危機を見事に乗り越えた本作は気が早いかもしれませんが2017年の年間ベスト入りは確実だと思います。

ARI KOIVUNEN「FUEL FOR THE FIRE」(2007)

  • 2017/01/23(月) 00:00:00

FUEL FOR THE FIRE
【No.484】
★★★★(2008)

フィンランドのアイドル発掘番組、その名も「Idols」でHR/HMソングを歌って優勝を果たしたAri Koivunenのデビューアルバム。本作の目玉はフィンランドメタル界の有名人がAriに楽曲を提供している点でしょう。Timo Tolkki(G/ex-STARTOVARIUS)、Marco Hietara(B、Vo/NIGHTWISH)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)LEVERAGE、THUNDERSTONEといったバンドのメンバーが手掛ける楽曲群は流石の出来栄え。またJanne Wirman(Key/CHILDREN OF BODOM)、Nino Laurenne(G/THUNDERSTONE)、Mirka Rantanen(Ds/THUNDERSTONE)といったプレイヤーが名を連ねる演奏陣も本作ではバッキングに徹しているせいか派手さこそないものの流石の安定感を誇っていますね。盤石の体制でのバックアップとAri自身の人気もあってか、本作はフィンランドのナショナルチャートで12週連続1位を記録したそうです。

50曲以上の候補から厳選されたという本作の収録曲は僕好みのものが多く程よい疾走感を持った①God Of Warで幕を開け、ミッドテンポの②Hear My Callに繋がる構成はベタながらも掴みとしてはバッチリだし、後者の哀メロはなかなか強力。それ以降もストレートなハードロック④Don't Try To Break Me、前曲から一転してじっくり聴かせるTimo Tolkkiによる泣きのバラード⑤Angels Are Calling、曲名通りの飛翔感にテンションが上がる⑥I Fly、ズシリと響く重厚感を持ったヘヴィチューン⑦Our Beast、Tony Kakko作の軽快なロックソング⑧Losing My Insanity、力強さとフックに満ちたメロディが秀逸な⑨Stay Trueと続く怒涛の展開に心を奪われました。ちなみにボーナストラックにはカバー曲としてフィンランド人シンガーKirka⑫Hetki LyoBilly Joel⑬Piano Man、「Idols」のオリジナルソング⑭On The Top Of The Worldと日本盤限定で④、⑤のライブ音源が収録されていて穏やかなバラード⑭は結構好きだったりします。

楽曲面の充実振りが目立つ本作で聴けるAriの歌唱は良く言えば北欧らしい透明感と繊細さを持ったスタイル、裏を返せば線の細いハイトーンタイプですね。Ariと同じくオーディション番組(American Idol)出身のChris Daughtry、James Durbin辺りと比べると凄みは感じられませんが歌声自体には独特のオーラがあって将来性を感じさせてくれます。それまで無名だった新人のデビュー作、ソコソコの歌唱力、名だたるソングライターが提供した楽曲群といった特徴を総合するとAGNES「WHEN THE NIGHT FALLS」(2006)と共通点が多いように思いますね。Ariは2nd「BECOMING」(2008)をリリースした後、フィンランドのメタルバンドAMORALに加入、長年フロントマンを務めたもののバンドは2017年1月5日にファイナルライブを行い解散しています。Ariのソロ名義によるアルバムは現時点では2枚のみですがAMORALが解散した今、新たなソロ作品がリリースされるかもしれませんね。

【音源紹介】
Stay True

【CD購入録】MORS PRINCIPIUM EST「DAWN OF THE 5TH ERA」(2014)

  • 2017/01/15(日) 00:00:00

【CD購入録】
DAWN OF THE 5TH ERA
MORS PRINCIPIUM EST「DAWN OF THE 5TH ERA」(2014)

フィンランドのメロディック・デスメタルバンドMORS PRINCIPIUM ESTの5作目を買いました。一度聞いただけでは覚えられないバンド「モルス・プリンシピアム・エスト」はラテン語で「死は始まりに過ぎない」という意味の言葉だそうです。彼等については以前から名前だけは知っていてKALMAH、SCAR SYMMETRYなどと同じく北欧メロデス界の中堅バンドというイメージがありましたが実際に聴くのは今回が初めてです。いざ聴いてみるとこれが予想以上に好感触で、上に挙げた2バンド以上に僕のツボにハマるバンドかもしれません。まず印象的なのが弾きまくりのソロパートのみならずリフでも耳に残るフレーズを連発しているギターパート。そしてアグレッシブに押しまくるだけでなく、スピードを抑えた楽曲も持ち前のメロディセンスによって魅力的な仕上がりとなっています。お気に入りはタイトな演奏で迫ってくる③Leader Of The TitansARCH ENEMYを彷彿とさせる④We Are The Sleep、リリカルなピアノの調べに導かれて激しさと美しさの両面を見せつけてくれる⑪The Forsakenといったところでしょうか。過去作品もなかなか評判が良いみたいだし、1月25日発売予定の6th「EMBERS OF THE DYING WORLD」(2017)も期待できそうなのでいつか聴いてみたいですね。

【CD購入録】RECKLESS LOVE「INVADER」(2016)

  • 2016/12/20(火) 00:00:00

【CD購入録】
INVADER.jpg
RECKLESS LOVE「INVADER」(2016)

最近ではAlexi Laiho(Vo、G/CHILDREN OF BODOM)が結成したカバープロジェクトTHE LOCAL BANDのフロントマンとしてLOUD PARK 15に出演したことで話題となったOlli Herman(Vo)のメインバンドRECKLESS LOVEの4作目を買いました。前作「SPIRIT」(2013)ではI Love Heavy Metal、Metal Assといったタイトルの曲を収録、曲調もハードになっていましたが今回はバンドの根幹部分でもある楽しくポップなハードロックに焦点を当てていますね。「ウィアーザ ウィーケン、ウィアーザ ウィーケン♪」のコーラスが耳に残る①We Are The Weekend、疾走感のあるサビとそこに絡む掛け声がカッコいい②Hands、怪しげなメロディがクセになる③Monster、一転してソフトで幻想的な④Child Of The Sunと続く序盤が特に気に入っています。3rd収録のSo Happy I Could Dieに匹敵するキラーチューンこそないものの、北欧バッドボーイズロック界随一のメロディセンスは本作でも発揮されていますね。

PRIVATE LINE「DEAD DECADE」(2011)

  • 2016/12/16(金) 00:00:00

DEAD DECADE
【No.483】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第5位

ハードロックンロールと北欧ならではの叙情メロディを融合させた前作「EVEL KNIEVEL FACTOR」(2006)が見事な出来栄えだったPRIVATE LINEによる約4年振りの3rdアルバム。曲作りの時期にSammy Aaltonen(Vo)の父親が亡くなるなどしたことが影響してかアルバムジャケットは暗く、曲名にもDeath、Dead、Ghost、Graveなど死を連想させる単語が多いですね。Sammyによると「本作がPRIVATE LINEにとってのブラックアルバム」だそうですがダークな作品に仕上がっているかというと、むしろその逆で破天荒なロックサウンドは影を潜め、これまで以上にメロディに焦点を当てた作風となっています。曲によっては同郷のメランコリックロックバンドTHE RASMUS、世界的なヒットを記録したMY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」(2006)を彷彿とさせる場面もありますね。

ビッグなコーラスと共に駆け抜ける①Deathbedtime Storiesで幕を開け、ダークな哀メロとそれを歌う子供のコーラスがこれまでにないスケールの大きさを感じさせるタイトル曲②Dead Decadeと続く流れからして「これまでと一味違う」と感じさせてくれます。それ以降もパンキッシュに弾ける③Black Swan、妖しさを演出する冒頭のハーモニカが印象的な④Ghost Dance、ダンサブルなアレンジでノリ良く聴かせる⑤13th Step From The Grave、PRIVATE LINE流ロックにブルーズテイストを加味した⑥Down Came The Rainと、手を替え品を替え魅力的なメロディを堪能させてくれるので飽きないですね。また終盤にも一際ポップな歌メロが耳に残る⑨Meltdown Town、間奏にロシアンフォーク風のパートを交えた疾走チューン⑩Deathroll Casinoというハイライトがあるのも好印象です。

1stアルバム「21ST CENTURY PIRATES」(2004)ではMOTLEY CRUELive Wire、前作ではCHEAP TRICKHe's A Whoreをカバーしていましたが、今回はTHE LORDS OF THE NEW CHRCH⑬New Churchを収録しています。PRIVATE LINEがこれまでに取り上げたバンドは少なからず知っていましたがTHE LORDS OF THE NEW CHURCHは全く知りませんでした。調べてみたところ、どうやら80年代のパンクバンドのようです。オリジナルアーティストを知らないこともあってかカバー曲に関しては過去作品に軍配が上がりますね。とはいえオリジナル曲の充実度は今回が一番だと思うので僕の中ではこのアルバムが最高傑作です。注文をつけるとすれば作品毎のスパンをもう少し短くして欲しいということでしょうか。本作も4年振りのアルバムでしたが2016年現在、4作目に関する情報は入ってきていません…。オフィシャルサイトは今も存在しているしSammyとElias Logren(Ds)はアコースティックライヴも行っているもののファンとしてはPRIVATE LINEの新作情報が待ち遠しいですね。

【音源紹介】
Deathroll Casino

PRIVATE LINE「EVEL KNIEVEL FACTOR」(2006)

  • 2016/11/15(火) 00:00:00

EVEL KNIEVEL FACTOR
【No.482】
★★★★(2007)

フィンランド出身のバッドボーイズロックバンドPRIVATE LINEの2作目。アルバムタイトルにある「イーブル・ニーブル」というのはアメリカの有名スタントマンで、無謀な挑戦をしては派手に失敗することもあり、人々は彼のスタント成功以上に失敗する姿を観たがったという心理を表現する「イーブル・ニーブル・ファクター」という言葉があるそうです。バンドの中心人物Sammy(Vo)によるとシンガー、ソングライター、プロデューサーとして全てを自身で行うことになった本作の制作状況を表現するのに「イーブル・ニーブル・ファクター」は相応しい言葉だったのだとか。そんなチャレンジングな環境でレコーディングされた今回のアルバムですが、結果は見事成功と言えると思います。

期待感を煽るイントロダクション①Prelude For The Daredevilsに続くタイトル曲②Evel Knievel Factorで炸裂する「ウォウォウォウォオ~♪ イェイェイェイェエ~♪」のコーラスは合唱必至だし、ロックサウンドを基本としつつサビではメランコリックな雰囲気を前面に出した③Broken Promised Land、前曲のピアノによるアウトロから切れ目なく繋がる④Aliveへと至る流れでこの作品に引き込まれました。デジタルサウンドも交えて疾走する⑦Prozac Nation、⑨Gods Of Rewindのようにキーボードを上手く取り入れている点も好印象だし、ロックソングだけでなく⑤Sound AdviceTREATのギタリストAnders Wikstromが作曲に関与)や⑩Anywayといったバラード系の充実振りも見逃せません。また②と似たウォウォウコーラスが登場するボーナストラック⑫Tokyoも本編に入らなかったのが不思議なほどキャッチーな1曲です。

デビュー作「21ST CENTURY PIRATES」(2004)はBURRN!誌上でいきなりクロスレビューされ、インタビューもカラーで掲載されるなど新人バンドとしては破格の扱いを受けていました。そんな1stアルバムは正直なところ「可もなく不可もなく」という印象でしたが、本作での成長振りは「化けた」と言っていいレベルだと思います。僕が北欧ロックンロールバンドを聴くようになったのはHARDCORE SUPERSTAR「HARDCORE SUPERSTAR」(2005)、CRASHDIET「REST IN SLEAZE」(2005)などがきっかけだったのですが、本作におけるPRIVATE LINEのメロディセンスの良さは同系統バンドの中でも頭一つ抜きん出ています。それに加えてフロントマンのSammyはこの手の曲を歌うのに最適の声質だし、ソングライティング能力も高く、ルックス的にも華があって文句なしの逸材なので将来が楽しみなバンドですね。

【音源紹介】
Evel Knievel Factor

【CD購入録】HEVISAURUS「JURAHEVIN KUNINKAAT」(2009)

  • 2016/10/28(金) 00:00:00

【CD購入録】
JURAHEVIN KUNINKAAT
HEVISAURUS「JURAHEVIN KUNINKAAT」(2009)

フィンランドから現れた恐竜着ぐるみバンドHEVISAURUSの1stフルレンスアルバムを買いました。なぜメンバーがこんな格好をしているかというと、彼等は子ども向けヘヴィメタルバンドだからだそうで日本で言うところのガチャピンとムック、または「おかあさんといっしょ」に出てくる着ぐるみキャラによるバンドという感じでしょうか。6,500万年前のジュラヘヴィ期という時代から眠りについていた恐竜達が魔女の力によってメタリックな卵から孵ったというのが公式設定だそうですが、実際のメンバーはHEVISAURUSの発案者でもあるMirka Rantanen(Ds/THUNDERSTONE) を筆頭にJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)、Henrik Klingenberg(Key/SONATA ARCTICA)、Nino Laurenne(G/THUNDERSTONE)、Mikko Salovaara(Vo/ex-KIUAS)といったフィンランドメタル界の有名人がレコーディングに参加していることもあってクオリティの高い仕上がりとなっています。曲調もバラエティに富んでいて正統派ヘヴィメタル、フォーク/ヴァイキングメタル風から哀愁のバラード、シンガロングを誘うアリーナロックまであって楽しめますね。歌詞は全てフィンランド語なので内容はわかりませんが、「ウンガチャカ ウンガチャカ♪」に始まり「ウィーゥウィーゥ ウィッキッウッ♪」のサビへと繋がる⑧Intiaanin Sotahuuto、「ポッポッポー♪」と歌うサビが頭から離れない⑪Popkornipullaなど、気づけは口ずさんでいる曲も少なくないし、IRON MAIDENテイストに溢れた疾走曲⑬Louhikaarme Ja Ritariも文句なしのカッコよさです。被り物バンド(?)の先駆者として同じくフィンランドにLORDIがいますがHEVISAURUSも負けていません。こうして小さい頃からメタルの英才教育を受けられるフィンランドの子どもたちが羨ましいですね(笑)。

LORDI「GET HEAVY」(2002)

  • 2016/10/24(月) 00:00:00

GET HEAVY
【No.481】
★★★★★(2004)

メンバー全員がゾンビ風のコスチューム(特殊メイク?)に身を包んだフィンランドのモンスターバンドLORDIの1stアルバム。本作がリリースされたのは2002年ですが、僕は2004年になってLORDIというバンドの存在を知りHR/HM系サイトで本作が絶賛されているのを見て是非とも聴いてみたいと思い購入しました。実際にCDを手にしてみてまずは力の入りまくったコスチューム姿にビックリ、肝心の音楽を聴いてみて各曲の素晴らしさにまたビックリという作品で、いろんな意味でインパクトがありますね。バンド側の徹底した世界観へのこだわり、エンターテイメント性の高いショウなどKISSを彷彿とさせる点がチラホラありますが、中心人物のMr. Lordi(Vo)はKISSのファンクラブ「KISS ARMY」のフィンランド支部長を務めていたそうです。

イロモノバンドとして片付けられかねないルックスとは裏腹に、本作で聴くことの楽曲群はどれも一度聴いたら口ずさめてしまいそうなものばかりですね。ホラー映画が始まりそうなイントロ①Scarctic Circle Gatheringに導かれてスタートするタイトル曲②Get Heavyを聴いて「なかなか良いね」と思っていたら、キャッチーにドライヴする③Devil Is A Loserでこのアルバムに引き込まれ、リーダートラック⑤Would You Love A Monsterman?ですっかり魅了されました。収録曲のどれもがシングルカットできそうなものばかりなのですが前述の⑤、曲をグイグイ引っ張っていくキーボードと哀愁を撒き散らすメロディが堪らない⑩Last Kiss Goodbye、自然と身体が揺れてくるほどにダンサブルな⑪Dynamite Tonightがハイライト。メランコリックな⑥Icon Of Dominance、メロディアスなサビメロが秀逸な⑦Not The Nicest Guyもかなり気に入っています。

フロントマンのMr. Lordiはダミ声で好き嫌いが分かれそうだし、キャッチーな楽曲群とはミスマッチに思えるものの不思議な魅力(魔力?)があってリピートするうちに気にならなくなってきて、今では「この声でこそLORDIサウンド!」と思うようになりました(笑)。演奏陣もバンド最大の武器であるボーカルメロディを活かす裏方に徹しつつ、キーボードが所々でいい仕事をしている点も見逃せませんね。デビューシングル⑤が母国フィンランドのナショナルチャートで1位を獲得するなど、早くもブレイクした彼等の人気は後にヨーロッパ全土へと拡大していくこととなります。オバマ大統領が2016年のスピーチで「フィンランドは世界の中で人口あたりのヘヴィメタル・バンドの数が一番多く、さらに望ましい政治をしている国として上位に入っている。音楽と政治に何かしらの相互関係があるかはわかりませんが。」と語るほどのメタル大国フィンランドの懐の深さをまざまざと見せつけてくれる1枚です。

【音源紹介】
Would You Love A Monsterman?

THE RASMUS「THE RASMUS」(2012)

  • 2015/12/04(金) 00:00:00

THE RASMUS
【No.456】
★★★(2012)

前作「BLACK ROSES」(2008)をリリース後、出世作の5th「DEAD LETTERS」(2004)以降の楽曲を中心に構成されたベスト盤「THE BEST OF THE RASMUS」(2010)を発表、2011年にはフロントマンLauri Ylonen(Vo)LAURI名義で初のソロアルバム「NEW WORLD」(輸入盤のみ)を制作するなどしていたTHE RASMUSの8作目。「DEAD LETTERS」に魅せられ過去作品を大人買いし、6th「HIDE FROM THE SUN」(2005)以降も欠かさずチェックしてきた僕ですが前作「BLACK ROSES」(2008)を聴いて美しいメロディに酔いしれつつも、ここ数作は同路線が続いたこともあり手詰まり感を抱いていました。今回もメロディ重視のミッドテンポが主体なのですが、心を揺さぶる泣きメロを軸にした従来路線から爽やかな曲調の中に仄かな哀愁を閉じ込めた楽曲をメインとした作風にシフトしています。

そんなアルバムの特徴はオープニングから如実に表れていて、前奏もなく「I can't believe that it's over〜♪」という幻想的な歌い出しからジワジワと盛り上がっていく①Strangerで早くも違いが感じられるし、シングルにもなったダンサブルな②I'm A MessもTHE RASMUSにしては明るめのナンバーです。THE RASMUSらしい哀感を持った③It's Your Night、④Save Me Once Againにしても泣きよりも優しさに満ち溢れた旋律がとにかく心地よいですね(特に④におけるLauriのエモーショナルな歌唱には神々しさを感じるほど…)。それ以外にも切なさの中に希望を感じさせるメロディが光る⑥End Of The Story、アルバムのポップサイドを象徴する⑦You Don't See Me、5th〜6thの頃に近い雰囲気が感じられる本編ラスト⑩Skyなども気に入っています。

エキサイティングな展開や高揚感はありませんが、聴き手を優しく包み込む楽曲群はひとつの物語を紡いでいくかのようで、聴き終えた時には穏やかな気持ちになっている自分に気づきます。4th「INTO」(2001)で確立した哀メロサウンドは僕の好みど真ん中でしたが、この路線では結局「DEAD LETTERS」を越えられないようにも思えたので本作のような方向転換は個人的にはアリですね。デビュー当時に比べると音楽性が大きく変わったバンドなので、ここから先どのように変化していくか楽しみにしていたら本作リリースから半年もしないうちにバンドは無期限活動休止することを発表してしまいました。このアルバムをセルフタイトルにしたのは、これがバンドの集大成になる可能性を見越してのことだったのかもしれません。ただしライブ活動は継続しているようなので、いつか新作を届けてくれると信じています。

【音源紹介】
I'm A Mess

【CD購入録】LAURI「NEW WORLD」(2011)

  • 2015/12/01(火) 00:00:00

【CD購入録】
NEW WORLD
LAURI「NEW WORLD」(2011)

THE RASMUSのフロントマンLauri YlonenLAURI名義で発表した初のソロアルバムを買いました。バンドの新曲用の曲作りを進める中でTHE RASMUSらしくないものができあがったため、ソロとして発表することになったそうです。こうして聴いてみると、かなりロック色は薄くエレクトロポップと呼べそうな曲もあるので確かにTHE RASMUSの曲としては違和感があるもののアレンジ次第ではバンド名義でも問題なさそうな哀メロチューンもあり、その最たる例がシングルカットもされた②Heavy、⑤In The Cityの2曲ですね。オープニングを飾る①Disco-nnectの曲名に象徴されているようにディスコ調のアレンジが目立つためTHE RASMUSファンとしては微妙な作品ですがLauriのメロディセンスを味わうことができる1枚ではあると思います。