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TNT「REALIZED FANTASIES」(1992)

  • 2020/06/10(水) 00:00:00

REALIZED FANTASIES
【No.543】
★★★(1997)

「TELL NO TALES」(1987)、「INTUITION」(1989)の2作品が高く評価され、北欧メタルの雄としての地位を日本で確立したTNTの5thアルバム。直近2作品は本国ノルウェーと日本で好評を博したもののアメリカでのセールスが不調に終わったためレーベルを移籍、そのレコード会社から楽曲に対する注文が入ることも少なくなかったようで当初の予定から大幅に遅れて完成に至ったのが今回のアルバムです。僕はリアルタイムで本作を聴いていませんが、リリース当時は日本のファンからも厳しい意見が多かったようで、後追いの僕にとっても「INTUITION」の次に本作を聴いた時にはかなり違和感がありました。

その違和感の要因としては、バンドがこれまでに築き上げてきた楽曲の透明感や北欧ならではの叙情メロディがかなり減退、アメリカンなロックサウンドに移行していることが大きいですね。それにともなってTony Harnell(Vo)もガナって歌う場面が散見されます。また細かい点かもしれませんが過去作品の収録時間が30分台だったのに対して、本作は50分弱のボリュームとなっている点も気になりますね。このバンドはコンパクトながらも密度の濃い作品を届けてくれるのが大きな特徴だったので4〜6分台の曲が並ぶ本作を聴いて「TNTがフツーのバンドになってしまった…」と一抹の寂しさを感じました。とはいえTonyのハイトーンは健在だし、Ronni Le Tekro(G)によるヘンテコなギターワークも相変わらず冴え渡っているので、従来のTNTと比較しなければそれなりに楽しめるのも事実です。

捻りの効いたギターが耳に残るハードロック①Downhill Racer、②Hard To Say GoodbyeやLAメタル的なドライヴィングチューン③Mother Warned Me、派手さはないもののサビメロがクセになるラスト曲⑩Indian Summerは本作ならではの楽曲だと思います。また坂本 龍一「戦場のメリークリスマス」に似たメロディが登場するバラード④Lionheart、爽やかでポップなメロディが気持ちいい⑤RainなどはTNTらしさが感じられるナンバーです。特に④は彼等がこれまでにバンドが生み出してきた名バラードに比べても遜色なく、この曲のために本作を聴く価値があると思えるほど。その一方でお洒落なピアノやギターソロの響きがQUEENを彷彿とさせる⑧Easy Street、ブルージーな⑨All You Needといった「TNTでやる必要がある?」と感じてしまうナンバーが集中するアルバム後半は微妙ですね。後にRonni自身も「妥協の産物」と語る本作が今ひとつ纏まりに欠けるアルバムになっているのは、バンドが目指す音とレーベルの意向が噛み合わなかったせいかもしれません。個人的にアルバム前半は気に入っているので駄作で片付けてしまうのは勿体ない1枚だと思います。本作を最後にTNTは一時解散、1997年に「FIREFLY」で復活を果たしますが多くのファンから本作以上に厳しい評価を受けてしまうことに…(苦笑)。僕は本作までしかTNTのアルバムは聴いていませんが「FIREFLY」以降の作品もいつかチェックしてみたいと思っています。

【音源紹介】
Lionheart

TNT「INTUITION」(1989)

  • 2020/05/25(月) 00:00:00

INTUITION.jpg
【No.542】
★★★★(1997)

「バンドの最高傑作」、「80年代北欧メタルを代表をする名盤」など高い評価を受けているTNTの4作目。2nd 「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」(1984)でTNTサウンドの礎を築き、前作「TELL NO TALES」(1987)ではその進化形を見せてくれましたが、今回は更に洗練されていて普段HR/HMに馴染みのない人にも受け入れられそうなほど聴きやすい作風となっています。透明感に溢れたサウンドの中で煌くメロディ、それを歌い上げるTony Harnell(Vo)の超絶ハイトーンボイスとRonni Le Tekro(G)による独特のギターフレーズが織り成す音世界は今回の本作で完成の域に達しています。

アルバムはTNTとしては初となる序曲①A Nation Free (Intro)でスタート、この曲がスケール感たっぷりなので荘厳な幕開けとなっています。②Caught Between The Tigersは個性的なギターリフとグルーヴを持ったロックチューンで、典型的なTNTソングとは一線を画す曲調ながらクセになる1曲ですね。それに続く北欧ハードポップの理想郷③Tonight I'm Falling、母国ノルウェーのクラシック音楽家グリーグの「ペール・ギュント」第二組曲の「ソルヴェイグの歌」のメロディ(後にKAMELOTも名曲Foreverでフィーチュアしています)をギターソロに取り入れた美麗バラード④End Of The Line、冒頭のギターメロディだけで心を鷲掴みされる爽やかな名曲⑤Intuitionの3連発は実に強力。それ以降も②に通じるメタリックな側面を見せる⑥Forever Shine On、ポップセンスが弾ける⑦Learn To Love、③や⑤といった超名曲の影に隠れがちですが並のアルバムならキラーチューン間違いなしの⑨Take Me Down (Fallen Angel)、ワルツのような雰囲気の中で泣きのメロディとミステリアスなギターソロが光るエンディング曲⑩Wisdomなど聴きどころが満載です。

惜しむらくはRonniがボーカルをとった小曲⑧Ordinary Loverが作品全体の流れから見て浮いていることでしょうか…。本作リリース後に実現した初来日の記念盤として再発された「INTUITION」(現在は入手困難)にはElectric Dancerという軽快なロックソングがボーナスとして追加されているのですが、なかなかの佳曲なので⑧よりもこちらの方を通常盤に収録して欲しかったですね。ちなみにElectric Dancerは1996年発売のベスト盤「TILL NEXT TIME」でも聴くことができます。とはいえ、全10曲中の約半数にあたる4曲(③、④、⑤、⑨)が名曲という充実振りには脱帽で、各所で高く評価をされていることも納得の名盤です。

【音源紹介】
Intuition

【CD購入録】MORON POLICE「A BOAT ON THE SEA」(2020)

  • 2020/05/20(水) 00:00:00

【CD購入録】
A BOAT ON THE SEA
MORON POLICE「A BOAT ON THE SEA」(2020)

「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」(1984) のコメント欄でグータラof Fireさんからお薦めいただいたノルウェー出身のプログレッシブ・ロックバンドMORON POLICEの3rdアルバムにして「海映(うみばえ)の夢想劇」という邦題がつけられた日本デビュー盤(輸入盤は2019年にリリースされています)。プログレと言っても小難しい印象はほとんどなく、ポップなメロディが随所で聴ける作品となっています。タイプとしてはスウェーデンのA.C.TMOON SAFARIに近いですが、MORON POLICEの方が自由奔放なスタイルなので聴いていて楽しいですね。落ち着いたピアノの調べが期待感を煽る小曲①Hocus Pocusに導かれて爽やかに駆け抜ける②The Phantom Belowから、曲名とは対照的に複雑な展開を盛り込んだ本編ラスト⑧Isn’t It Easyまで一気に聴けてしまいます。特にアニソン風のキャッチーなメロディの後に早口のスキャットによるボーカルパートが登場し、流れるような展開を見せる⑥Captain Awkwardは秀逸。中心人物のSondre Skollevoll(Vo、G、Key)は様々なジャンルの音楽を聴いていて、中でもゲーム音楽(主にスーパーファミコン)が大好きなんだそうです。確かにゲーム音楽からの影響を感じさせる場面はあるし、僕も一番夢中になっていたゲームはスーファミなので親近感が湧きますね。また日本盤にはボーナストラックが4曲追加されていて穏やかなメロディが胸に染みる⑨Cult Of Tunaのほかデモ音源ながらアコースティックサウンドが心地よい⑩Starlight Cinema、⑪Desolation、「和」のテイストを感じさせるゲーム音楽風インスト⑫Japanese Pogo Stick Adventure!と、どの曲も楽しめました。これまで全く知らないバンドでしたが、かなり気に入ったので過去作品も聴いてみたいと思っています。

TNT「TELL NO TALES」(1987)

  • 2020/04/30(木) 00:00:00

TELL NO TALES
【No.541】
★★★★(1997)

本国ノルウェーでは3週連続でナショナルチャート1位に輝くなどヒットを記録したTNTの出世作にして通算3枚目となるアルバム。日本デビュー盤でもあった前作「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」(1984)はTNTがアイデンティティを確立するための重要作品だったのは事実ながら、バンドとしては発展途上にあることが感じられる1枚でもありました。それに対して本作では2ndにあったヴァイキングメタル系の曲は姿を消し、メジャー感が大幅に増しているだけでなく「北欧ならではの透明感と美しくもキャッチーなメロディを詰め込んだHR/HM」というTNTらしさを凝縮した仕上がりとなっていますね。

バンドの成長振りをいきなり見せつけてくれるアップテンポ①Everyone's A Star、ノリの良いギターリフからキャッチーなサビへ繋がっていく②10,000 Lovers (In One)、珠玉の美旋律ハードロック③As Far As The Eye Can See(見わたす限り)と続く冒頭3曲は実に強力。その後も邦題のセンスは微妙ながら美しさに溢れたバラード⑤Child's Play(チャイルド遊戯)からシームレスに繋がるアコースティックのインスト小品⑥Smooth Syncopationを挟んで爽やかなメロディが躍動する⑦Listen To Your Heart、曲名からして北欧テイスト満点の名バラード⑨Northern Lights、アルバムラストを派手に締めくくるスピードメタル⑪Tell No Talesを始めとする北欧メタルの最高峰が堪能できる1枚となっています。「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」の記事でも書いたように僕はベストアルバム「TILL NEXT TIME」(1996)がTNTとの出会いだったので、そこに収録されていない⑨を初めて聴いた時には「なぜこの曲が入っていないんだ?」というのが率直な感想でした。

加入2作目となるTony Harnell(Vo)の突き抜けるようなハイトーンは更に伸びやかになっているし、メインソングライターでもあるRonni Le Tekro(G)もクラシカルなインスト④SapphireYNGWIE MALMSTEENばりに弾きまくっているほかリフやソロで、その独特なセンスを遺憾なく発揮していますね。全11曲で31分足らずと、収録時間だけ見るとEP並みのボリュームしかないものの中身は濃密で聴き応え満点の逸品となっています。一般的にTNTの最高傑作は4th「INTUITION」(1989)という声が多いようですが僕にとってはどちらも甲乙付け難い名盤です。メタリックなエッヂもある本作、そこから更に洗練された次作という感じでしょうか。これからTNTを聴く方にはどちらの作品も手に取ってもらいたいですね。

【音源紹介】
10,000 Lovers (In One)

TNT「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」(1984)

  • 2020/04/20(月) 00:00:00

KNIGHTS OF THE NEW THUNDER
【No.540】
★★★(1996)

Ronni Le Tekro(G)率いるノルウェー出身の北欧メタルバンドTNTの2ndアルバム。後にバンドの顔となるアメリカ人シンガーTony Harnell(当時はTony Hansen名義)は本作から加入しています。バンド名を冠した1stアルバムはDag Ingebrigtsen(Vo)なる人物が歌っていたのですが、その時点ではTNTの代名詞である透明感やキャッチーなメロディといった要素は皆無に等しく、歌詞はノルウェー語のB級メタルだったのに対して全編英語詞による本作ではTNTらしさが感じられるようになっていますね。とはいっても前作からの影響もまだ残っていて彼等の作品群の中ではメタリックな印象が強いアルバムです。ちなみにDagの後任にはMICHAEL SCHENKER GROUPを脱退したばかりのGary Barden(Vo)にほぼ決まりかけていたのですが、無名ながら圧倒的な歌唱力を誇るTonyを迎える決断を下したそうです。もしGaryが加入していたらバンドの音楽性も今とは別のものになっていたかもしれませんね…。

僕はバンド初のベスト盤「TILL NEXT TIME」(1996)で初めてTNTの音に触れ、その後にオリジナルアルバムを聴いたので、重厚でありつつキャッチーさも忘れない①Seven Seas、何度も繰り返されるサビがクセになる④Last Summer's Evil、HR/HMのお手本のような⑦Break The Ice、勇壮なヴァイキングメタル⑩Knights Of The Thunderなどベストアルバムの収録曲に耳がいきますね。ただ本作はそれ以外にも疾走感溢れるイントロと爽やかなサビの対比が見事な②Ready To Leave、タイトル通りのロマンティックなインスト小品③Klassisk Romance、いかにも北欧のバンドらしい美麗バラード⑤Without Your Love、TNTにしては珍しく漢臭いコーラスをフィーチュアした⑥Tor With The Hammerといった魅力的なナンバーが並んでいる点も見逃せません。

バンドの代表作と言われる3rd「TELL NO TALES」(1987)、4th「INTUITION」(1989)に比べると粗削りだし、Tonyのボーカルに力みが感じられたり、メンバーのルックスも垢抜けなかったりするのは事実ながら1st「TNT」(1982)から大きく進化していることは間違いありません。デビュー作のソングライティングには前任シンガーDagが関わっている曲がそれなりにあったようなので、TNTというバンドの基礎が確立されたのは本作からだと言えると思います。Dagは実力不足などを理由に事実上の解雇という形でバンドを離脱したそうですが、本作でもドラムを叩いているDiesel DahlがTNT脱退時に結成したTINDRUMの2nd「HOW 'BOUT THIS ?!」(1989)でリードボーカルを務めたり、2012年に敢行されたTNTの歴代シンガーが集ったライヴ(後に「THE 30TH-ANNIVERSARY CONCERT」としてDVD/CDがリリース)に参加したりしているのでメンバーとの関係性は悪くないようです。

【音源紹介】
Seven Seas

【CD購入録】ALLEN-LANDE「THE GREAT DIVIDE」(2014)

  • 2020/03/22(日) 00:00:00

【CD購入録】
THE GREAT DIVIDE
ALLEN-LANDE「THE GREAT DIVIDE」(2014)

現代HR/HMシーンきっての実力者Russell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/JORN、ex-MASTERPLAN etc)両名の熱唱が堪能できるプロジェクトALLEN-LANDEの4thアルバム。これまではMagnus Karlsson(G/MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL、PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE)が作曲、ギターに加えてドラム以外の演奏とプロデュースを手掛けていましたが本作ではTimo Tolkki(G/TIMO TOLKKI'S AVALON、ex-STRATOVARIUS etc)がMagnusの代わりを務めています。正直なところALLEN-LANDEは作品を重ねる毎にお気に入り度が微妙に下降線を辿っていたし、STRATOVARIUS脱退後のTimoにもかつての輝きが感じられずチェックするのが先送りになっていたのですが、いざ聴いてみるとなかなか楽しめる1枚に仕上がっています。その要因となっているのがRussellとJornによる圧巻のボーカルで、コンポーザーの交代も関係なく自分達の色に染め上げてしまう辺りは流石の一言。Magnus時代と比べてあっさりしている印象があるものの90年代STRATOVARIUSの残り香が感じられる②Down From The Mountain、③In The Hands Of Time、⑥Dream About Tomorrowなどにはニヤリとしてしまいます。

CIRCUS MAXIMUS「HAVOC」(2016)

  • 2018/09/09(日) 00:00:00

HAVOC.jpg
【No.520】
★★★(2016)

2005年にデビュー、2nd「ISOLATE」(2007)以降は不動のメンバーで活動を続けるノルウェー出身のプログレメタルバンドCIRCUS MAXIMUSの4作目。初期2作品は一度聴いただけで口ずさめそうな歌メロが話題となっていたのに対して前作「NINE」(2012)では、わかりやすさが減退した一方で深みを増したサウンドに変化していました。今回も基本的に3rdの延長線上にある音楽性で楽曲のシンプル化は更に進み、これまで収録されていた10分越えの曲も姿を消しています。それだけでなく本作のタイトル曲③HavocMARILYN MANSONが引き合いに出されるようなヘヴィロック調で驚きました。この曲はアルバムリリースに先駆けて公開されていたため、購入前に「HAVOC」という作品に対して不安がよぎったのは事実ですね(苦笑)。

いざ聴いてみるとアルバム前半には③を筆頭にダークな楽曲が多いものの、冒頭の①The WeightはCIRCUS MAXIMUSらしいメロディが盛り込まれているし、⑥Loved Ones以降は僕がこのバンドに期待する美しいメロディが前面に出ていて一安心。特に⑧Rememberは「NINE」収録の名曲Last Goodbyeを彷彿とさせるメロディアスチューンで、この手の楽曲をもっと聴きたかったというのが本音ですね。また本編を締めくくる⑨Chivalryは3分近く続くアウトロが胸に沁みるナンバーで、この⑧から⑨に至る流れは本作の中で一番気に入っています。これら2曲の影に隠れがちですがスケール感のあるキーボードとMichael Eriksen(Vo)の美声が相乗効果をもたらしている⑥、DREAM THEATER風のインタープレイを織り交ぜたドラマティックチューン⑦After The Fireもなかなかの佳曲です。

メロディアスなHR/HMを好む僕としてはアルバム前半を聴いて戸惑うものの後半に持ち直すので聴後感はそれほど悪くありません。このアルバムを経てCIRCUS MAXIMUSがどのように進化していくのか要注目ですね。そんな本作を語る上で欠かせないのがバンドの初来日公演となったLOUD PARK 12から8曲を収録した初回限定盤ボーナスCDの存在です。セットリスト的にもLast Goodbyeを始めとした「NINE」の楽曲を中心に初期2作品からはAlive、Abyss、Arrival Of Loveといった名曲をしっかり押さえているので「HAVOC」本編にらしさを感じつつモヤモヤ感が拭いきれなかった僕にとしてはこちらをリピートすることの方が多かったりします(笑)。ちなみにライヴでは全9曲が演奏されていてI Amのみ本編のボーナストラックに収録されています。通常盤を買ったファンにもライヴ音源を聴いてもらいたいという意図なのかもしれませんが、初回限定盤を買った身としては全曲を通して聴きたかったかな…。ちなみに初回限定盤には本編に⑩Loathというボーナストラックが追加されていますが可もなく不可もなくという印象です。

【音源紹介】
Remember

CIRCUS MAXIMUS「NINE」(2012)

  • 2018/08/15(水) 00:00:00

NINE.jpg
【No.519】
★★★★(2012)

2nd「ISOLATE」(2007)で日本デビューを果たし、プログレメタルシーン期待の若手として注目を集めるCIRCUS MAXIMUSの3rdアルバム。 前作リリース後、Michael Eriksen(Vo)はバンドを離脱したRoy Khan(Vo)の代役としてKAMELOTのステージに立ったり、Torsti Spoof(G/LEVERAGE)と結成したメロディックロック・プロジェクトTHE MAGNIFICENTでアルバムを発表したりと活動の幅を広げCIRCUS MAXIMUSの知名度も上がっていましたが5年とやや長いスパンでの新作となりました。リリース間隔が長くなった要因はMichaelの課外活動もさることながら、創設メンバーで作曲面の中心となっているMats Haugen(G)が腕を痛めるなど予期せぬトラブルに依るところが大きかったらしく、当初予定していた2010年頃の完成時期が後ろ倒しになってしまったようです。

本作でまず目を惹くのはジャケットですね。従来の絵画的な雰囲気とは別物の無機質でアーティスティックなアルバムカバーはデザイナーでもあるMatsの奥さんによるものだそうですが、本作を聴く前はこのような変化がサウンド面にも表れているのではないかと一抹の不安を感じていました。実際に聴いてみても過去2作品とは趣きが違っていて親しみやすいボーカルメロディが残っているとはいえ登場頻度は減少、いかにもプログレメタル風の展開が増えています。全体的な印象としては過去のアルバムがDREAM THEATERの「IMAGES & WORDS」(1992)に北欧らしい叙情メロディを加味した作風だとすれば今回は「OCTAVARIUM」(2005)期のDREAM THEATERに近いように思いますね。そんな変化は音作りにも表れていてボーカルのボリュームがやや小さいミックスとなっている一方で、Matsのギターソロはこれまで以上に目立っていて大きな聴きどころとなっています。

聴き始めの頃は今回の変化に違和感を覚えましたが不思議とリピートしたくなる魅力を持った作品でもあります。序曲①Forgingを経てスタートする②Architect Of Fortuneはいきなり10分越えの長編で本作で聴けるCIRCUS MAXIMUSらしさが凝縮されているし、③Namasteは一転してコンパクトかつ曲名から連想される通りオリエンタルな雰囲気を放つ中毒性の高いナンバーです。僕がイメージするCIRCUS MAXIMUSらしさに最も近いのは⑥I Am、それに次ぐのが⑩Last Goodbyeでしょうか。それ以外は即効性が高くないため地味な印象を持ちますが聴くほどに味わいが増す曲が多いスルメ盤ですね。中でも哀愁と清涼感が交錯する⑩のサビはこれまでにCIRCUS MAXIMUSが生み出してきたメロディの中でも一番のお気に入りとなっていてROYAL HUNT、AT VANCEがそうだったように「Last Goodbyeという曲名にハズレなし」という法則を再確認しました。過去のアルバムで見せてくれた歌モノプログレメタルという個性やインパクトはこれまでで最も希薄ながら、バンドとしては着実に成長していると感じさせてくれる1枚です。

【音源紹介】
Last Goodbye

【CD購入録】AFTER ETERNITY「THE LEAP OF PAIN」(2017)

  • 2018/07/25(水) 00:00:00

【CD購入録】
THE LEAP OF PAIN
AFTER ETERNITY「THE LEAP OF PAIN」(2017)

ノルウェー出身のプログレッシブ・メタルバンドAFTER ETERNITYが2017年にリリースした1stアルバムを買いました。このバンドについては全く知らなかったのですがCIRCUS MAXIMUSのことを調べているうちにデビュー作「THE 1ST CHAPTER」(2005)発表後にEspen Storoというキーボードプレイヤーがバンドを脱退したこと、そして彼が現在はAFTER ETERNITYに在籍していることを知って音源をチェックしたところ、良さげだったので購入した次第です。バンドは5人編成でEspen以外のメンバーはDALE、DEFECTIVE、OCEANS OF TIME等で活動した経歴があるようですが知らないバンドばかり(苦笑)なのでEspenが一番の有名人ということになるのかもしれません。音楽性はというとCIRCUS MAXIMUSに通じるものがありつつ、彼等が2nd「ISOLATE」(2007)でキャッチー路線に舵を切ったのに対して本作は「THE 1ST CHAPTER」以降もプログレッシブな方向に踏み込んだらこうなったという感じですね。どの曲もミドルテンポでほぼ全てが6分以上だし、歌メロもさほどキャッチーではないので聞き流している場面もあったりしますがスリリングな演奏もあって心地よく聴ける1枚ではあります。シンガーErik Salminenは無名ながらMichael Eriksen(Vo/CIRCUS MAXIMUS)Mats Leven(Vo/ex-AT VANCE、YNGWIE MALMSTEEN etc)寄りにしたような歌声の持ち主でなかなか魅力的ですね。ちなみに僕が調べた限り本作はCDとしての販売はされておらずiTunesやAmazonでデジタル音源が入手できるようです。

CIRCUS MAXIMUS「ISOLATE」(2007)

  • 2018/07/21(土) 00:00:00

C MAXIMUS ISOLATE
【No.518】
★★★★(2007)

2005年リリースのデビュー作「THE 1ST CHAPTER」が輸入盤市場で注目を集めていたノルウェー産プログレメタルバンドCIRCUS MAXIMUSの2作目にして日本デビュー盤。音楽性は前作同様、初期DREAM TEHATERをベースとしつつ本家以上に歌心を大切にしたサウンドとなっています。バンドの持ち味であるメロディアスハードにも通じる親しみやすい歌メロと、テクニカルな側面という2つの要素が絶妙に絡み合っていますね。デビュー作以上にキャッチーさを増したように感じられますが、その要因としては収録曲の大半が4〜5分台とコンパクトになったことと、ポップな方向に振り切れた⑤Arrival Of Loveに依るところが大きいと思います。

楽曲的には⑤のインパクトが頭ひとつ抜けている感はあるものの、爽快なサビメロがクセになる②Abyssも前作におけるハイライトとなっていたAliveを彷彿とさせるCIRCUS MAXIMUSらしいナンバーです。また聴けば聴くほどに味わいが増すオープニング①Darkened Mind、後にMichael Eriksen(Vo)Roy Khan(Vo)の後任候補としてKAMELOTへの加入が噂されたことにも納得できる魅惑の低音ボーカルが胸に沁みるバラード⑥Zeroなども聴きどころとなっていますね。そしてアルバム後半には12分台の⑦Mouth Of Madness、9分台の⑨Ultimate Sacrificeといった長編を配していて、こちらでも複雑になり過ぎることなく良質なメロディを聴かせる姿勢に揺るぎはありません。それどころがメロディの起伏やドラマ性が強調されていてコンパクトな楽曲との対比もお見事。また日本盤ボーナストラック⑩Silenceは1stアルバムに収録されていたバラードSilence From Angels Aboveのリメイクで、こちらはライヴで演奏する時のバージョンだそうです。ギターのイントロや効果的なキーボードなどオリジナル以上に劇的な仕上がりとなっていてバンドの成長振りが窺えますね。

そんな楽曲群を歌うシンガーのMichael Erikssenは敬愛しているというGeoff Tate(Vo/QUEENSRYCHE)や母国ノルウェーが誇るTNTのフロントマンTony Harnellを彷彿とさせるハイトーンに加え、低音域では前述した通りRoy Khanのような深みも感じさせてくれます。ボーカルメロディを大切にする姿勢を更に強化した今回のアルバムにおける彼の貢献度はかなり大きいですね。ちなみに本作はジャケットに描かれている「どん底でもがき苦しむ男」の人生にまつわるコンセプトアルバムだそうで、テーマとしてはダークで重いように感じますが音楽自体は前作よりも聴きやすくメロディアスなので、プログレメタルというよりはプログレッシブな要素もあるメロディックメタルと表現したくなるよう作風となっています。

【音源紹介】
Arrival Of Love

CIRCUS MAXIMUS「THE 1ST CHAPTER」(2005)

  • 2018/07/09(月) 00:00:00

THE 1ST CHAPTER
【No.517】
★★★★(2006)

ノルウェーから現れたプログレメタルの新星CIRCUS MAXIMUSのデビューアルバム。本作がリリースされた2005年当時は国内盤が発売されませんでしたが、輸入盤市場で話題になっていたので即購入した思い出がありますね。その後2nd「ISOLATE」(2007)が好評で日本でも人気に火がつき2008年に本作の日本盤がリリースされています。ちなみにCIRCUS MAXIMUSというバンド名は同郷ノルウェーのメロディックロックバンドDA VINCIの2nd「BACK IN BUSINESS」(1989)の収録曲から取っているのかと思いきや、全く関係なく主要メンバーMats(G)Truls(Ds)Haugen兄弟がプレイしていたゲームでCIRCUS MAXIMUSという単語を偶然目にしたことがバンド名を決めるきっかけとなったそうです。

本作のサウンドはこのジャンルの大御所DREAM THEATERの影響下にあることが明白なスタイルで2nd「IMAGES AND WORDS」(1992)を彷彿とさせますね。それでいてボーカルメロディは本家以上にメロディアスでわかりやすいのがCIRCUS MAXIMUSの強みです。プログレメタルも好きなジャンルではあるけれど難解な曲は苦手という僕のようなリスナーにとってある意味理想的なサウンドかもしれません。その大きな要因となっているのがMichael Eriksen(Vo)の透き通った歌声です。線はやや細いし聴いていて圧倒されるような凄みこそないものの、メロディの良さをしっかり届けてくれる彼のボーカルは心地よく胸に響いてきますね。そんな歌ものプログレメタルと呼べそうなCIRCUS MAXIMUSの魅力を凝縮したのが優雅でキャッチーなサビが冴え渡る名曲②Alive、「ワーィ、アーマァヒー♪」と一緒に歌いたくなる⑥Why Am I Hereでしょう。またアコギが演出するリラックスした雰囲気で始まりメロハーに通じる親しみやすさと緊迫感のあるインストパートが交錯する⑦The Prophecyもいいですね。

一方で本作が1stアルバムということもあってバンドとしてのオリジナリティは確立されておらず①Sinのヘヴィなギターから中近東風のフレーズに繋がるイントロや、演奏陣が火花を散らすインスト曲④BiosfearはDREAM THEATERを連想させるし、10分越えの③Glory Of The EmpireではまるでSYMPHONY Xなピアノが登場、叙情バラード⑤Silence From Angels AboveKAMELOTのアルバムに収録されていそうなナンバーだったりします。デビュー作でありながら19分に及ぶ⑧The 1st Chapterもこの超大作を収録したチャレンジ精神は良いと思いますが、未整理な部分が目に付いたりします。…といった感じでいくつか注文を付けたくなる点はあるものの、それは期待の裏返しであって総じて見れば音楽的な面は勿論ジャケット、ブックレットに至るまでデビューアルバムとは思えないほどのクオリティを誇っています。僕としては一般的に評価の高い「ISOLATE」と同じかそれ以上のお気に入り盤ですね。

【音源紹介】
Alive

【CD購入録】IN VAIN「CURRENTS」(2018)

  • 2018/02/16(金) 00:00:00

【CD購入録】
CURRENTS.jpg
IN VAIN「CURRENTS」(2018)

それまでは未知のバンドながら3rd「AENIGMA」(2013)の深遠なサウンドで僕を魅了してくれたノルウェー産プログレ系デス/ブラックメタルバンドIN VAINの4作目を買いました。このアルバムが2018年に購入した新譜第1号ですね(もう2月も半分を過ぎましたが/苦笑)。ちなみに今回のアルバムがIN VAINの日本デビュー作で、ボーナストラックを追加した前作の国内盤も同時に発売されています。一撃必殺のメロディやわかりやすい展開は希薄ながら、本作もついリピートしたくなる不思議な魅力に溢れていますね。ヘヴィかつ重厚に攻めたててつつも哀愁を感じさせるバッキングと迫力あるグロウルで組み立てられた楽曲には求心力があるし、要所要所で挿入されたクリーンボイスの使い方が絶妙。その最たる例は禍々しい前半と讃美歌のような神聖さが感じられる後半が対照的なアルバム屈指のヘヴィチューン③Blood We Shedですね。またエンディング曲の⑨Standing On The Ground Of Mammothsではサックスも登場し楽曲を彩っています。お気に入り曲を個別に挙げるというよりも、1枚のアルバムとして通して聴きたくなる作品ですね。

【CD購入録】DA VINCI「AMBITION ROCKS」(2017)

  • 2017/10/22(日) 00:00:00

【CD購入録】
AMBITION ROCKS
DA VINCI「AMBITION ROCKS」(2017)

本国ノルウェーで1989年にリリースした2nd「BACK IN BUSINESS」の日本盤がゼロ・コーポレーションから4年遅れで発売されメロディックロック愛好家の間で好評を博したものの、日本でその存在が知られた頃には既に解散状態だったというDA VINCIが28年振りに発表した3作目を買いました。今年に入ってADAGIO、NOCTURNAL RITESなどが久々に新作を届けてくれましたが一番驚いたのはDA VINCI復活ですね。オリジナルメンバーで今も在籍しているのはDag Selboskar(Key)、Gunnar Westlie(G)のみではあるものの音楽性に変化はなく北欧ハードポップが堪能できる1枚となっています。以前に比べると楽曲全体を包み込むキーボードが目立っているように思いますね。新加入のシンガーErling Ellingsenは良くも悪くもクセのないスタイルでDA VINCIサウンドにマッチしていて曲によってはTommy Heart(Vo/FAIR WARNING)っぽく聴こえる場面もあります。DA VINCI復活を強烈に印象づけるキラーチューンこそないものの④I've Come All This Way、⑥Rocket Of Frame、⑩Soul Survivorなどはお気に入りだし、オシャレな雰囲気が新鮮な⑬Touch Of Humanityもいいですね。バンド再始動の挨拶がわりのアルバムとしては上々の仕上がりだと思います。それにしてもDA VINCIが再結成したとなると90年代に活動を停止してしまったCLOCKWISE、Steven Anderson(G)辺りも気長に待っていれば復活してくれるのでは…という淡い期待を抱いてしまいますね。

DA VINCI「BACK IN BUSINESS」(1989)

  • 2017/08/29(火) 00:00:00

BACK IN BUSINESS
【No.499】
★★★★(1995)

2017年9月15日に約28年振り(!)の復活作「AMBITION ROCKS」を日本盤でも発表するノルウェー産メロディックロックバンドDA VINCIの2作目にして再結成前のラストアルバム。本国では1989年に発表、日本ではかのゼロ・コーポレーションより1993年にリリースされています。1995年にYNGWIE MALMSTEENHELLOWEENでHR/HMに目覚めた僕は1996年辺りまでは北欧出身バンドを重点的にチェックしていてDA VINCIを知ったのもそんな北欧メタル開拓中のことでした。またMIKEAL ERLANDSSON「THE 1」(1995)との衝撃的な出会いもあってゼロ・コーポレーションの作品にも注目していたので「北欧」と「ゼロ・コーポレーション」という2つのキーワードにマッチする本作はかなり期待して購入した覚えがあります。いざ聴いてみると透明感あるサウンドと瑞々しいメロディに溢れた作風で嬉しくなりましたね。

まずはオープニングの①Touchdownが強力。煌びやかなキーボードがゴージャス感を演出する北欧メロディアスハードの名曲だと思います。PVも制作されたハードポップ②Call Me A Liar、大御所EUROPEを彷彿とさせるバラード③Young Heartsとメロディアスな楽曲の後に続くアメリカンな曲調に数え歌のような歌詞が乗る④9 And 10はそれまでの流れにハマっていない感もありますが、ゼロ・コーポレーションのバラード企画盤「美彩’d〜beside〜」(1995)にも収録された⑤Turn Down The Lightsで持ち直します。アルバム後半も一際キャッチーな⑥Millions Like Us、荘厳な雰囲気がアルバムの流れ的にも良いアクセントとなっている⑧Circus Maximus、ラストを爽やかに締めくくる⑩Last Timeなど佳曲が多いですね。ちなみにノルウェー出身のプログレメタルバンドCIRCUS MAXIMUSの名前は⑧から来ているのかと思いきや関係はないようです。本作を購入した当時は①、③、⑤など大好きな楽曲はあるものの他の曲が弱いかなと感じていましたが改めて聴くとアルバム全体としても好印象でした。

日本デビュー盤となった本作がメロディックロックファンの間で好評を博し、1st「DA VINCI」(1987)もゼロ・コーポレーションからリリースされるなど日本では高く評価されていましたね。その一方で世界的には本作のセールスは振るわなかったらしくバンドは契約を失ってしまい解散の道を辿ることに…。2006年にはデビューアルバムと本作にボーナストラックを1曲ずつ追加したリマスター盤が海外で再発されましたが、当時はバンドが復活する気配がなかったばかりかリリース元のレーベルMTM Musicまで倒産してしまったため今も彼等の1stと2ndは入手困難な状況が続いているようです。DA VINCI再結成は全くの予想外だったので今回の3rdアルバム発売のニュースはビッグサプライズだし、これを機にDA VINCIの過去作品が注目されると嬉しいですね。本作はゼロ・コーポレーションが世に送り出した北欧HR/HMバンドの中でもFORTUNE「MAKING GOLD」(1993)MASQUERADE「MASQUERADE」(1992)と肩を並べる充実のアルバムだと思います。

【音源紹介】
Touchdown

【CD購入録】JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

  • 2016/06/21(火) 00:00:00

【CD購入録】
SWING OF DEATH
JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

2014年に解散を発表したWIG WAMのギタリストTeenyことTrond HolterがWIG WAM在籍時から構想を温めていたドラキュラをテーマにしたストーリーアルバムを買いました。リードシンガーを務めているのはJorn Lande(Vo/JORN、ALLEN-LANDE etc)で、今回も濃厚なボーカルパフォーマンスを披露しています。WIG WAMのリードシンガーだったAge Sten Nilsenによると、本作は元々WIG WAMの別プロジェクトとして自身が歌うはずだったにもかかわらずTrondが独断でJornとレコーディングを進めていったのだとか…。そのことが引き金となりWIG WAMの解散が決定的になったという、いわくつきの1枚でもあります。音楽性はWIG WAMとは似ても似つかないほどダークかつドラマティックなヘヴィメタルでJornの熱唱も冴えていますね。また曲によってはヨーロッパ民謡風のメロディが飛び出してきたり、女性シンガーとのデュエットもあったりしてアルバムに起伏を持たせています。ハイライトは劇的な展開と終盤の弾きまくりギターソロが印象的な⑦Queen Of The Deadですね。いわゆる疾走曲の類いは収録されていないので即効性は低めですが繰り返し聴いているうちに味わいが増してくる辺りは流石です。WIG WAMの中心人物だったGlamとTeenyの2人が解散後に発表したアルバムによる対決は本作に軍配が上がりますね。

【CD購入録】Age Sten Nilsen's AMMUNITION「SHANGHAIED」(2014)

  • 2016/06/17(金) 00:00:00

【CD購入録】
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Age Sten Nilsen's AMMUNITION「SHANGHAIED」(2014)

2014年に解散を発表したノルウェーの国民的バンドWIG WAMのフロントマンGlamことAge Sten Nilsenが新たに結成したAMMUNITIONの1stアルバムを買いました。本作でAgeの相棒を務めているのは自身のバンドECLIPSEW.E.T.を始めとする多くのプロジェクトで、その作曲能力を発揮しているErik Martensson(G)です。本作の音楽性はWIG WAMにも通じるメロディアスなハードロックですが、各曲のインパクトはWIG WAMに及ばないかな。耳に残るメロディよりもロックの楽しさ、ノリのよさを全面に出しているように感じます。このアルバムも悪くはないもののリピートしているうちにWIG WAMが聴きたくなってしまいますね…。⑧Do You Like ItでAgeが「カモンカモンカモン♪」と歌っているのを耳にするとWIG WAMの代表曲In My Dreamsが頭をよぎります(笑)。あとはボーナストラックの⑬Access Deniedが結構好きだったりします。

【CD購入録】CIRCUS MAXIMUS「HAVOC」(2016)

  • 2016/03/03(木) 00:00:00

【CD購入録】
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CIRCUS MAXIMUS「HAVOC」(2016)

ノルウェーが誇るプログレッシブ・メタル界のホープCIRCUS MAXIMUSの4作目を買いました。アルバムリリースに先駆けて公開された楽曲群を聴いて、歌メロ重視だった初期2作品と比べてやや内省的だった前作「NINE」(2012)に近いものを感じていました。実際にアルバムを聴いてみての第一印象としては作品前半にヘヴィなナンバーが多く、後半に進むにつれて僕がこのバンドに期待する繊細なメロディが楽しめるという感じでしょうか。特に⑥Loved Ones〜⑨Chivalryの流れは秀逸ですね。聴き始めの感触としては前作より良いし「NINE」も聴き込むほどに好きになっていった作品なので、これからどんどんハマっていきそうな気がしています。なお僕が買った初回限定盤にはLOUD PARK 12でのパフォーマンスを収録した8曲入りボーナスCDが付いていて、こちらも聴き応えがありますね。

【CD購入録】LEPROUS「COAL」(2013)

  • 2016/02/26(金) 00:00:00

【CD購入録】
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LEPROUS「COAL」(2013)

ノルウェーのダーク・プログレッシブメタルバンドLEPROUSの3作目を買いました。メンバーがブラックメタルの大御所EMPERORやその中心人物Ihsahn(Vo)のソロでバックバンドを務めていた関係で来日経験もあるようですが、メロディ派の僕はEMPERORもIhsahnもよく知らないのでこのバンドもノーチェックでした。他のブロガーさんの記事を見ていると最新作の4th「THE CONGREGATION」(2015)を高く評価されている方が多かったので一度聴いてみたいと思っていたところ、本作を安価で発見したので捕獲。プログレメタルといってもDREAM THEATERのようにテクニカルパートで聴き手を圧倒するのではなく、緻密に組み立てられた楽曲をじっくり聴かせるスタイルでPAIN OF SALVATIONやプログレデススタイルだった頃のOPETHからグロウルを大幅カットしたような感じでしょうか(両バンドの熱心なファンではないのであくまでイメージですが)。そんなLEPROUSサウンドの核となっているのはEinar Solberg(Vo、Key)の卓越した歌唱力。伸びやかなハイトーン、繊細な歌唱から濁声まで幅広いスタイルをこなしていて、中でも④The Cloakにおけるエモーショナルな歌声は絶品です。即効性の高い音楽性ではないため聴き込みが必要だと感じていますが、何度も聴きたくなる不思議な魅力に溢れた1枚ですね。

【CD購入録】IN VAIN「AENIGMA」(2013)

  • 2014/02/26(水) 00:00:00

【CD購入録】
Ænigma
IN VAIN「AENIGMA」(2013)

ノルウェー出身のプログレッシブデス/ブラックバンドIN VAINの3作目を買いました。ジャンル的には僕が好んで聴くタイプではないのですが、相互リンクさせていただいているヒゲ・スカイウォーカーさんをはじめ複数のサイト/ブログで絶賛されていたのでYouTubeで試聴して「これはいけそう」と判断しました。本作を聴いてまず印象的だったのはヘヴィな演奏と獰猛なグロウルの間に絶妙なタイミングとバランスで差し込まれるクリーンボーカルパートの充実振りです。それが一番顕著に表れているのが④Hymne Til Havetで、この曲のクリーンパートは神々しさを感じるほど。またギターソロがカッコいい⑥Time Of Yoreもお気に入りです。未知のバンドでしたが今後聴き込み続ければ更に味わいが増してきそうな予感もしています。こういう出会いがあるので他のブロガーさんの年間ベスト記事は楽しみなんですよね。

【CD購入録】ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

  • 2012/11/27(火) 00:00:00

【CD購入録】
THE SHOWDOWN
ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE etc)が手がけた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/JORN、MASTERPLAN)が歌うスーパープロジェクトALLEN-LANDEの3作目を買いました。音楽性は1st「THE BATTLE」(2005)の頃から不変で、今回も一流アーティスト揃いなだけあって流石のクオリティを誇ってはいるもののマンネリ感は否めないし、RussellとJornの声質が似ているためどちらが歌っているのかわからないという点も相変わらずです。特にRussellとJornの歌が似ているということについては、せっかくシンガーが2人いるのにアルバムクレジットを見ないとどちらが歌っているのかわからないほどなので、何だか勿体なく感じてしまいますね。どちらも熱く歌い上げるタイプなのでコントラストをつけるにはハイトーン系シンガーと組んだ方が効果的だと思うのですが…。個人的には最近SECRET SPHEREに加入したMichele Luppi(Vo/ex-VISION DIVINE)とのコラボが聴いてみたいです。この手のプロジェクトは結成当初は豪華なラインナップが楽しめる反面、バンド感が希薄なのでコンスタントにアルバムが発表されると新鮮味が欲しくなってきてしまうんですよね。