【CD購入録】EDGUY「SPACE POLICE - DEFENDERS OF THE CROWN」(2014)

  • 2014/04/26(土) 00:00:00

【CD購入録】
SPACE POLICE
EDGUY「SPACE POLICE - DEFENDERS OF THE CROWN」(2014)

豪華なゲストシンガーを迎えてドラマティックな音世界を描くAVANTASIAでも精力的に活動しているTobias Sammet(Vo)率いるEDGUYの記念すべき10枚目となる作品を買いました。EDGUY流メタルを極めたといっても過言ではない名盤「HELLFIRE CLUB」(2004)を頂点として、それ以降のアルバムではメロパワのみならず広義のヘヴィメタルサウンドからも距離のある作風になっていたのですが、今回はプレイボタンを押した瞬間に流れてくるメタリックなギターリフとTobiasのシャウトが印象的な①Sabre & Torchに象徴されるヘヴィな路線となっていてインパクトがありますね。ただし、かつてのジャーマンメタル期にまで回帰したかというとそうではなく正統派メタルを軸に、ここ最近のキャッチーな歌モノ路線もあるという感じです。全体的にメタル度が高くなっているのは嬉しいですが、現時点で「これだ!」と思えるキラーチューンはないかな…。なお僕が購入した初回限定限定盤には7曲入りのボーナスディスクが付いていてここでしか聴けない曲は2曲だけですが、歌詞にSteve Harris(B/IRON MAIDEN)が登場する①EnglandはTobiasならではの遊び心があって結構気に入っています。

EDGUY「AGE OF THE JOKER」(2011)

  • 2013/04/09(火) 00:00:00

AGE OF THE JOKER
【No.372】
★★★(2011)

ジャーマンメタル界の若きホープとして1998年に3rd「VAIN GLORY OPERA」で日本デビュー、その後は正統派メタル色を強めた時期を経て7th「ROCKET RIDE」(2006)以降の作品ではハードロックやメロハー的な要素も顔を出すようになってきたEDGUYの9thアルバム。今回も近作同様、メロディックメタルの枠に収まらないバラエティに富んだ楽曲が収録されています。前作「TINNITUS SANCTUS」(2008)は比較的シンプルで武骨な仕上がりだったのに対して、本作はハモンドオルガンやキーボードサウンドを大々的にフィーチュアしていることもあってアルバムイメージは華やかな印象となっていますね。

オルガンサウンドで幕を開けるオープニング①Robin Hood、80'Sメタルの雰囲気を纏ったハードロックチューン②Nobody's Hero、バンドが過去に発表したアルバムにもあったケルティックテイストが感じられる③Rock Of Cashel、EDGUY流ブルースとでも呼べそうな異色ナンバーでありながらサビではしっかりと「らしさ」を主張しておいて間奏はカントリーっぽくなる構成が面白い④Pandora's Boxなど、アルバム序盤から多彩な楽曲が次から次へと飛び出してきます。メロパワ/ジャーマンメタルに分類できそうなのは⑤Breathe、⑧The Arcane Guildくらいで疾走曲の割合はかなり低いのですが、これら2曲が実にEDGUYらしいナンバーとなっているのも嬉しいところです。作品後半は若干地味になってしまっている感はあるものの、ここ最近のEDGUYサウンドを象徴するかのようなミドルチューン⑥Two Out Of Seven、更に表現力を増したTobias Sammet(Vo)の歌唱力に惚れ惚れしてしまう⑦Faces In The DarknessAVANTASIAにも通じるドラマティックな音世界が繰り広げられる長編⑩Behind The Gates To Midnight World、前曲とは対照的にサラリと聴かせるバラード⑪Every Night Without Youで締めくくるなど、確かな聴きどころを設けている辺りは流石ですね。

また本作の初回限定盤にはオリジナル3曲、SLADEの原曲をQUIET RIOTがカバーしてヒットしたらしいDisc-2③Cum On Feel The Noize、本編に収録されている①と⑥のエディットバージョンからなるボーナスディスクが付いています。肝心のオリジナル曲はどれもアルバム本編と比べても遜色ない出来ですね。というわけで今回も巧みに練り込まれたメロディの充実度は依然として高い水準をキープしているので一定レベル以上の満足感は得ることができると思います。ただしメロパワ/正統派メタル時代のEDGUYに思い入れが強い僕の気持ちをねじ伏せるほどの魅力が本作にあるかと聞かれると首を傾げてしまうんですよね…。EDGUYのみならずAVANTASIAでも精力的な活動を続け、優れた楽曲を量産するTobiasの才能には敬意を表したいですがモヤモヤ感が残る作品でもあります。

・The Arcane Guild

EDGUY「KINGDOM OF MADNESS」(1997)

  • 2013/04/06(土) 00:00:00

KINGDOM OF MADNESS
【No.371】
★(2006)

後にジャーマンメタルのみならずメロディックパワーメタル界の最重要人物のひとりとして名を馳せることとなるTobias Sammet(Vo)率いるEDGUYの2ndアルバム。自主制作盤の1st「SAVEGE POETRY」(1995)をオリジナル作品としてカウントせず本作を1stと見る向きもあるようですが、当ブログではこの「KINGDOM OF MADNESS」を2枚目のフルレンスアルバムとみなしています。本作はメンバーがまだ20歳そこそこの頃にレコーディングされた1枚ということもあって音質や楽曲のクオリティ、Tobiasのボーカルパフォーマンスなど様々な面で後にEDGUYが発表するアルバム群との差が大きいので相当なEDGUYファンでないとキツイ内容だと思います。僕はアルバム単体で聴くというよりも、次回作「VAIN GLORY OPERA」(1998)以降でブレイクを果たしたバンドのルーツを探ったり、この時点で確立されているEDGUY節を楽しむため時々CDラックから取り出すという感じですね。

HELLOWEENBLIND GUARDIAN以降に登場した若手メロパワバンドというと、線の細いハイトーンシンガーが疾走曲を歌い上げるというイメージが強いのですが、本作は疾走一辺倒というよりはミドルテンポ主体で、曲名通りダークかつシンフォニックな小インスト④Dark Symphonyをアルバム冒頭ではなく4曲目に持ってきたり、JOURNEYFaithfullyを彷彿とさせるピアノから始まるベタなバラード⑦When A Hero Criesや18分に及ぶ大作⑨The Kingdomを収録していたりと、その他大勢のバンドとは異なるアプローチで迫ってきます。結果論になりますが、この辺りもEDGUYの非凡さを証明していると言えるかもしれませんね。また本作で最もジャーマンメタルっぽい②Wings Of A Dreamは5th「MANDRAKE」(2001)からのシングル「PAINTING ON THE WALL」(2001)に再録バージョンが収められているほか、ライブ盤 「BURNING DOWN THE OPERA‐LIVE」(2003)でも本作から唯一セットリストに含まれているなどバンドがこの曲に自信を持っていることが窺えます。

AT VANCE、HAMMERFALL、RHAPSODYなど90年代後半に登場したメタルバンドのデビュー作と比べても聴き劣りするのは否定できないし、粗や欠点を見つけようとすると気になるところが次々と出てくるので、今後の躍進に繋がる胚芽を探しながら聴いた方がいいような気がします。実際、本作から僅か1年後にリリースした3rd「VAIN GLORY OPERA」で見せる成長振りにはただただ驚くばかりです。「SAVEGE POETRY」同様、本作のリレコディーング盤を聴いてみたい気もしますが多忙を極めるTobiasにそんな余裕はないでしょうね…。

・Wings Of A Dream


ちなみにこちらがリメイクバージョンライブバージョンです。

【CD購入録】EDGUY「AGE OF THE JOKER」(2011)

  • 2011/08/25(木) 00:00:00

【CD購入録】
AGE OF THE JOKER
EDGUY「AGE OF THE JOKER」(2011)

EDGUYまたはAVANTASIA名義でここ数年間何らかの作品をリリースし続け、相変わらずのワーカホリック振りを発揮しているTobias Sammet(Vo)のメインバンドEDGUYの9作目を買いました。6曲入りのボーナスディスクが付く初回生産限定盤と通常盤のどちらを購入するか迷いましたが結局限定盤の方をチョイス。前作「TINNITUS SANCTUS」(2008)の時点からそうでしたが、本作にはHELLOWEENを源流とするジャーマンメタルバンドEDGUYの姿はほとんどなく、Tobias流HR/HMサウンドで貫かれています。メロパワファンの僕としてはやはり⑤Breathe、⑧The Arcane Guildといった楽曲に胸がときめきますね。あとTobias流ブルーズ④Pandora's Boxには驚かされました。ライナーノーツにもあるように今回はオルガンサウンドのフィーチュア度が上がっていて、ややレイドバックしたHR/HMに近づいた印象もあります。

ボーナスディスクは全6曲中2曲が本編のシングルバージョン、1曲がカバーなので純然たるEDGUYの新曲は3曲のみではあるもののJens Ludwig(G)作曲、Tobias作詞のDisc-2①God Fallen Silent、ボーナスディスクのみに収録しておくには勿体無いDisc-2②Aleister Crowley Memorial Boogie、しんみりしたピアノバラードかと思ったら最後に遊び心をチラリと見せるDisc-2④Standing In The Rainと、3曲とも結構楽しめました。

REVOLUTION RENAISSANCE「NEW ERA」(2008)

  • 2009/05/26(火) 08:21:38

NEW ERA
【No.142】
★★★(2008)

解散の危機を乗り越えてバンド名を冠する11thアルバムを2005年に発表したSTRATOVARIUS。その後、12枚目となる次の作品は「REVOLUTION RENAISSANCE」というタイトルで「VISIONS」(1997)のようなメロディックメタル路線になるという話だったので期待していたら、2008年になってTimo Tolkki(G)が突然バンドの解散を表明。しかもREVOLUTION RENAISSANCEという新バンド(プロジェクト)を結成すると宣言したので驚きも2倍でした。そんなドタバタ劇の末にリリースされた本作は、もともとSTRATOVARIUSの新作用に書かれた楽曲をMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)が5曲、Tobias Sammet(Vo/EDGUY、AVANTASIA)が2曲、Pasi Rantanen(Vo/ex-THUNDERSTONE)が3曲を担当して歌うというプロジェクト的性質の強い作品となっています。

肝心の内容はというとガツンと来るキラーチューンはないものの、「VISIONS」の頃のSTRATOVARIUSを更にわかりやすくキャッチーにした作風なので、僕の中でSTRATOVARIUSに対する情熱が冷めるきっかけとなった「ELEMENTS PART1」よりも断然魅力的です。本作の中では疾走曲と呼べそうな①Heroes、サビメロがやたらと耳に残るミッドテンポ②I Did It My Way、STRATOVARIUSのParadiseHunting High And Lowタイプのポップメタル③We Are Magicといった楽曲をTobias、Kiske、Pasiの順でそれぞれが歌う冒頭3曲、Kiskeの伸びやなハイトーンと気持ちよく揺れるヴィブラートを堪能できる感動のバラード④Angel、これまたKiskeが歌うメロパワチューン⑨Last Night On Earthが気に入っています。本作には名手Jens Johannson(Key)Jorg Michael(Ds)といったSTRATOVARIUSの凄腕プレイヤーが参加していないので、インストパートが淡白な代わりに豪華ボーカリスト陣が華を添えていますね。圧倒的な存在感でTimoの曲をもEDGUY色に染めてしまうTobiasもさることながら、やはりMichael Kiskeは別格です。PasiについてはTHUNDERSTONE時代と声の印象が違うし、与えられた楽曲も3曲中2曲がスローナンバーなのが残念だけど欧州メタルを代表するシンガー2人相手に健闘しています。

①の間奏パートがSTRATOVARIUSのAgainst The Wind(「FOURTH DIMENSION」収録」だったり、⑥Glorious And DevineHELLOWEENWhere The Rain GrowsPowerを彷彿とさせたり、⑩Revolution RenaissanceSoul Of A Vagabond(「ELEMENTS PART1」収録。元ネタはANGRARebirth?)だったりという点が気にならなくもないですが、僕としては許容範囲内ですね。本作がSTRATOVARIUS名義でリリースされていたら「VISIONS」、「INFINITE」の次に好きな作品として挙げるかもしれません。ちなみに日本盤ボーナストラックとして、⑥のTimo Kotipelto(Vo/STRATOVARIUS)バージョンが収録されています。Tobiasが歌う⑥はジャーマンメタル調なのに、同じ曲をKotipeltoが歌うといかにもSTRATOVARIUSらしいナンバーになってるのが印象的でした。やはりTimo Tolkkiの曲をTimo Kotipeltoが歌うことであの「STRATOVARIUSサウンド」が成り立っていたんだと改めて感じました。正式メンバーを揃えてバンドとして本格始動したREVOLUTION RENAISSANCE、後任ギタリストにMatias Kupiainenを迎えて活動を継続させていくSTRATOVARIUSの両方がヨーロピアンメタル界を牽引していく存在になってくれたら嬉しいなぁ。

【音源紹介】
・Last Night On Earth

EDGUY「TINNITUS SANCTUS」(2008)

  • 2008/12/22(月) 07:41:47

TINNITUS SANCTUS
【No.085】
★★★(2008)

伝統的なヘヴィメタル作品にして名盤だった「HELLFIRE CLUB」に続く前作「ROCKET RIDE」では音楽性が拡散し、バンドのユーモアセンスが炸裂した異色作だったため、次はどう来るのか注目していたEDGUYの8作目。本作を聴いて僕は「ROCKET RIDE」をベースに「HELLFIRE CLUB」のシリアスな空気を取り戻しつつ、メロディックメタルというジャンルに縛られないキャッチーな作風だと感じ、Tobias Sammet(Vo)のソロプロジェクトAVANTASIAの3作目「THE SCARECROW」に近い印象を持ちました。

前作同様にミッドテンポ曲をアルバム冒頭に持ってきてる辺りからして、「THEATER OF SALVATION」(1999)の頃のようなジャーマンメタルらしいメロパワ作品を期待すると少し厳しいかな。従来のEDGUYらしい疾走メタリックチューンは③The Pride Of Creation、⑤Wake Up Dreaming Black、⑨Speedhovenくらいなもので、あとはKing Of Fools、Superheroesといった過去のシングル曲と同路線のキャッチーミドル①Ministry Of Saints、④Nine LivesやAOR風バラード⑦Thorn Without A Rose、メロハータイプの新機軸⑧9-2-9、軽快なハードロックンロール⑩Dead Or Rock、カントリー風の曲調に下ネタ全開な歌詞が乗る日本盤ボーナス⑪Aren't You A Little Pervert Too?と多種多様。これほどバラエティ豊かでありつつ耳に残るメロディを持った楽曲がひとつのバンド、というかTobias Sammetという1人のソングライターから生み出されたことには感服してしまいます。ここまで楽曲の幅を広げた作品となってくると、本作に対する評価もメロパワ/ジャーマンメタルバンドEDGUYのファンが聴くのと、Tobiasの書くメロディが好きなファンとで大きく別れてきそうな気がします。

僕はギリギリ後者だと自分では思ってるので本作もEDGUY流のメタルアルバムとして楽しめましたが、少し心配な点があるのも事実です。それは「Tobias が書く多彩な楽曲を豪華ゲストボーカル陣が歌う」という明確で大きな強みがあるAVANTASIAに対して、EDGUYならではの強みが感じられないということ。本作にも⑥DragonflyというAVANTASIAっぽい曲が収録されて両者の線引きが曖昧になってきているため、EDGUYというバンドの立ち位置が「AVANTASIAのような楽曲を豪華ゲストではなくTobiasが1人で歌うのがEDGUY」みたいなことになってしまわないかと心配になってきます。僕のような意見は少数派かもしれませんが「THE SCARECROW」と「TINNITUS SANCTUS」を聴いてると、こんな感想を持ってしまったんですよね。あくまで個人的な希望としては「EDGUYはメロパワ主体、AVANTASIAではゲストシンガーの特性を活かしてメロパワの枠を超えたメロディアス作品」って感じになってくれたら嬉しいなぁ、とキーパー時代のHELLOWEENをこよなく愛し、EDGUYが1998年に「VAIN GLORY OPERA」で日本デビューした頃からバンドを追いかけている身としては思ってしまいます。日本デビュー作から前作までの楽曲をバランス良くチョイスしたDisc-2(全11曲の初回限定ライブ盤)を聴くと、その想いが強くなってきますね。

【音源紹介】
・9-2-9

【CD購入録】EDGUY「TINNITUS SANCTUS」(2008)

  • 2008/11/20(木) 00:00:17

【CD購入録】
TINNITUS SANCTUS
EDGUY「TINNITUS SANCTUS」(2008)

11月の大注目盤EDGUYの新作「TINNITUS SANCTUS」(初回限定版)を買いました。バラエティに富みつつも散漫な印象が拭いきれなかった前作「ROCKET RIDE」(2006)に比べると、一本芯の通ったヘヴィメタル作品だと思います。とはいえ本作もメロディックメタルに限らずハードロック、AOR、ロックンロールなどレパートリーは多岐に渡ってます。①Ministry Of Saints②Sex Fire Religionのようなミッドテンポ曲をアルバム冒頭に持ってきてる辺りからして「THEATER OF SALVATION」(1999)の頃のようなジャーマンメタルらしいメロパワ作品を期待すると少し厳しいですが、耳に残るメロディは随所にあります。今のところは愛着のある曲も多いDisc-2(ライブ11曲を収録)の方が好みですが。
本作も最近のEDGUYらしいヘヴィメタルアルバムだというのは確かながら、ちょっと気になる(というか心配な)点もあったりして…

1.AVANTASIAとEDGUYの関係性について
Tobias Sammet(Vo)の楽曲を豪華ゲストボーカル陣が歌う」という明確で大きな強みがあるAVANTASIAにはなくて、EDGUYならではの強みはというと「?」となってしまうんですよね。

2.トビーの負担が大きすぎない?
BURRN!誌のインタビューでトビーが「ストレスで右耳が聞こえなくなった」「他のメンバーからの曲もあてにしていたんだけど、EDGUYの曲としてはいまいだったから(中略)一生懸命曲作りにはげまなければならなかった」

といった発言をしているのを読んでEDGUYが超ワンマンバンドになってしまうのではと心配になりました。作曲面でも他のメンバーが関わってくると、更にバンドが大きくなれそうな気もします。裏を返せば今年だけでAVANTASIAの「THE SCARECROW」と本作というアルバム2枚分の曲を一人で手がけるトビーはホントに凄い。トビー自身「バンドメンバーはファミリーで、EDGUYは僕の全て」とも語っているので、この辺りは僕の勝手な心配事に過ぎないかもしれませんけどね。それでは、もう一度「TINNITUS SANCTUS」を聴いて寝ようと思います。

EDGUY「ROCKET RIDE」(2006)

  • 2008/11/19(水) 07:53:43

ROCKET RIDE
【No.072】
★★★(2006)

前作「HELLFIRE CLUB」(2004)で凡百のメロパワバンドから完全に脱却し、ジャーマンメタルをベースにした伝統的なヘヴィメタル路線で成功を納めたEDGUYの7thアルバムは、シリアスだった前作からの反動か、敢えてヘヴィメタルの本道から距離を置いた作品となってるのが特徴です。これまでと比べると疾走曲の割合が最も少なく、ミドルテンポの楽曲を主軸にRAINBOWっぽいハードロック、LAメタルからAOR調まで飛び出してくる1枚となっています。

1曲目から8分もあるミドルテンポ①Sacrificeで始まるのは「MANDRAKE」(2001)と同じながら、メロディのクサみが控えめなのでアルバムの掴みとしては淡々とした印象です。その後も疾走曲といえそうなのは②Return To The Tribe⑤Rocket Ride、⑨Out Of Vogueくらいで、重厚かつスローな曲が多いアルバム前半はどうも勢いに乗り切れてないような気が…。しかしBON JOVIがやってもおかしくないほどのAOR風バラード⑦Save Me以降のアルバム後半は、ロックンロール調の⑧Catch Of The Century、シングルにもなったキャッチーなハードロック⑩Superheroes、トロピカルな空気があるポップソング⑪Trinidadなど、EDGUYらしいかどうかは別として結構楽しめました。

これまでのEDGUYにもあったTobias Sammet(Vo)のユーモアセンスが多く盛り込まれた歌詞やお遊び的要素のある仕掛け(②のギターソロや⑧のラストなど)、スピード控えめの作風を受け入れられるかどうかで好みが分かれそうですね。前作の流れを継承した威厳のあるヘヴィメタル作品を期待していた僕も最初は肩透かしをくらいました。ただし楽曲のバリエーションは過去最高だし、印象的なメロディも多いので今では気に入ってますが。客観的に見れば高品質な作品であるのは間違いないけど、EDGUYを初めて聴く人には本作以外のアルバムをお薦めします。

【音源紹介】
・Catch Of The Century

EDGUY「HELLFIRE CLUB」(2004)

  • 2008/11/18(火) 07:53:08

HELLFIRE CLUB
【No.071】
★★★★★(2004)
年間ベスト2004年第1位

安定したクオリティのアルバムを発表し続けているジャーマンメタルの代表的バンドEDGUYの6thアルバム。前作から典型的なジャーマンメタル路線を離れつつあったこのバンドですが、今回は正統派メタル路線を推し進めていて、このジャンルの中でも屈指の出来と思える会心の1枚。これまでの作品にはなかった「大物の風格」すら漂ってます。

力強くアルバムの幕開けを告げる①Mysteriaを筆頭にEDGUYの新たなるアンセムになるであろう③We Don’t Need A Hero、サビメロが耳に残る④Down To The Devilといった疾走曲、ポップでお遊び心の効いた歌詞も楽しいパーティ・ロック⑧Lavatory Love Machineが気に入ってますが、それらに勝るとも劣らず印象的なのが10分超えの大作②The Piper Never Diesです。重厚なイントロから徐々に盛り上がっていき、終盤8分以降で爆発するドラマティックな展開には胸が熱くなります。

伝統的なへヴィメタルという範疇の中で優れた楽曲が揃う本作の中で一際輝いているのが、EDGUYの頭脳でもあるTobias Sammet(Vo)の大仰で力強い歌声。時にはMicheal Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)、時にはBruce Dickinson(Vo/IRON MAIDEN)のような説得力満点の彼の歌唱には本当に惚れ惚れします。上に挙げた楽曲以外も素晴らしく1枚を通して楽しめる名盤。2004年当時、ガツン来るメタル作品がないなぁと感じていた僕に大きな衝撃を与えてくれた会心のメタルアルバムです。

【音源紹介】
・Lavatory Love Machine

EDGUY「BURNING DOWN THE OPERA‐LIVE」(2003)

  • 2008/11/16(日) 09:52:08

BURNING DOWN THE OPERA‐LIVE
【No.070】
★★★★(2003)

すっかりジャーマンメタル界の中堅として磐石の地位を築いた感のあるEDGUYの5thアルバム「MANDRAKE」に伴う、欧州ツアーの模様を収めた2枚組ライブアルバム。BURRN!誌の藤木さんも絶賛するライブアクトとしての実力を遺憾なく発揮した充実作となっています。オーディエンスも大盛り上がりでヨーロッパにおけるEDGUY人気の高さが伝わってきます。

それにしてもEDGUYの楽曲って、どれも一緒に歌いたくなる必殺のサビがあってライブ向けの曲が多いですね。歌わせどころをきっちり設けているので、ライブになるとオリジナル盤以上の魅力を発散し、バンドとオーディエンスの一体感がCDからもビンビン伝わってきます。このアルバムを聴いてても、Disc-1③Tears Of A Mandrake、Disc-1④Babylon、Disc-2①Vain Glory Opera、Disc-2⑦Out Of Controlなどのサビメロを一緒に歌っている自分にふと気付きます。Tobias Sammet(Vo)の歌唱はライブであっても安定感があるし、Disc-1⑦The Headless Game、Disc-2④How Many Milesでわかるようにようにオーディエンスの煽り方も上手く、ライブ経験の豊富さが見てとれます。演奏もしっかりしてて、エイリアン・ドラム・バニーことFelix Bohnke(Ds)の気持ちのいい叩きっぷりとそれに絡んでくるTobias Exxel(B)のベース、そして地味ながら堅実、それでいて時に絶妙なライブアレンジを加えるツインギターと申し分なし。

選曲も手堅いところを抑えていてベストアルバムとしても機能しそうなほどなので、EDGUYを初めて聴くならこの作品から入るのもいいかも。AVANTASIAの楽曲も2曲収録されてるのも嬉しいです。贅沢を言うとすれば、僕の大好きなEDGUYの最高傑作「HELLFIRE CLUB」の後のライブ作品だったら更に良かったのに・・・ということくらいですね。

【音源紹介】
・Tears Of A Mandrake(Live)

EDGUY「MANDRAKE」(2001)

  • 2008/11/14(金) 09:24:47

MADRAKE
【No.069】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第7位

若きジャーマンメタルの雄EDGUYの5thアルバム。本作と同年にリリースされたTobias Sammet(Vo)によるソロプロジェクトAVANTASIAが個人的には「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 3」と呼びたくなるほど素晴らしい内容だったので、本作にも大きな期待をよせていました。

音楽性としては典型的ジャーマンメタルから脱却しつつあるように思えます。それを象徴するかのように、アルバムの冒頭を飾るのは大仰なイントロダクションでもハイスピードな疾走曲でもなく、AVANTASIAにも通じる壮大かつドラマティックなメロディを持った①Tears Of Mandrakeです。またケルト風味のバグパイプサウンドを使ったミドルチューン③Jersalem、これまで以上に逞しくストロングな仕上がりとなった勢いあるスピードチューン⑤Nailed To The Wheelなどが新味といえそう。もちろんジャーマンメタルの要素もしっかりと含んでいて、②Golden Dawn、④All The Crowns、⑧Fallen Angelといった曲はこのジャンルの中で頭一つ飛び抜けてると思うし、アルバム終盤に登場する⑩Save Us Nowで聴ける明朗かつキャッチーなメロディはジャーマンメタルファン必聴です。ちなみに、この曲の歌詞はバンドの凄腕ドラマーFelix Bohnke(Ds)についてのものだそうで、もちろん彼のドラムソロも楽しむことができます。

初めて聴いた時は、これまでに比べて地味なアルバムかなぁという気もしたけど、繰り返し聴くうちにドンドンはまっていく1枚です。楽曲、演奏ともにこれまでにない余裕が漂っていて、バンドとしての成熟味を感じさせる仕上がりとなっています。ギターチームも他のバンドほど華やかさこそないものの、これまで以上にいい仕事してますね。

【音源紹介】
・Save Us Now

EDGUY「THE SAVAGE POETRY」(2000)

  • 2008/11/12(水) 11:44:29

SAVAGE POETRY
【No.068】
★★★(2000)
年間ベスト2000年第10位

ジャーマンメタルのニューヒーローEDGUYが1995年に自主制作盤としてリリースしていたデビューアルバムを2000年にリ・レコーディングした企画盤。本編9曲のあとに1995年のバージョンが4曲収録されていますが、その差は同じバンドが演奏してるとは思えないほどで、5年間でのバンドの成長っぷりを雄弁に物語っています。しかも、これらの楽曲がメインソングライターのTobias Sammet(Vo)が若干16歳の時に書かれたものだというのだから、更に驚きです。

典型的なメロパワ路線に傾倒していた4th「THEATER OF SALVATION」に比べ、本作はEDGUYのオリジナリティを感じさせてくれる楽曲が多いように感じます。ジャーマンメタルの王道的な疾走曲、豊潤なメロディを持ったバラード、正統派メタル、10分に渡る大作と各9曲それぞれが実に魅力的。中でもお気に入りはサビメロのキャッチーなコーラスにヤラレル①Hallowed、デビュー作の曲とは思えないほど堂に入った高品質メタルチューン③Key To My Fate、サビでのTobiasの高音スクリームと分厚いクワイアの対比が素晴らしいスピード曲⑥Frozen Candleですね。

何の事前情報もなく聴けば、前作に続くEDGUYの純然たるニューアルバムだと思ってしまいそうなほどの楽曲のクオリティは高いです。ボーカルパフォーマンス、演奏、アレンジの全てが過去のアルバムと比べて成長しているし前作で感じられたやりすぎなほどの大仰さやスピード曲重視という傾向もさほど強くなく、いいバランスを保った1枚です。

【音源紹介】
・Frozen Candle

EDGUY「THEATER OF SALVATION」(1999)

  • 2008/11/10(月) 07:50:39

THEATER OF SALVATION
【No.067】
★★★★(1999)
年間ベスト1999年第6位

前作「VAIN GLORY OPERA」で上々の日本デビューを飾ったEDGUYの4thアルバム。前作は緩急をうまくつけたアルバム構成の中で、フックのあるメロディックメタル曲が次から次へと続く傑作だったのに対し、本作は疾走曲の割合を増やしHELLOWEENSTRATOVARIUS直系のメロディックパワーメタルに焦点を当てた1枚になってます。

シンフォニックな序曲に導かれてアルバムの幕開けを告げる②Babylonは「90年代版Eagle Fly Freeだ!」と言いたくなるほどジャーマンメタルの理想形を突き詰めた疾走曲で、EDGUYにジャーマンメタルの未来を託したくなる名曲です。楽曲の雰囲気がどことなくSTRATOVARIUSのKiss Of Judasを連想させるミッドテンポ③The Headless Gameに続く、EDGUYを代表するバラード④Land Of The Miracleがこれまた素晴らしい。典型的なメタルバラードとは一線を画し、メジャー感をまとったロックバラードに通じる雰囲気と感動を増幅させる幾重にも重ねられたコーラスが◎。その後もアルバム中盤でのスピードチューン3連発、終盤には切れ味鋭いリフワークがカッコいい⑩The Unbelieverとドラマティックな大作⑪Theater Of Salvationを配し、本編ラストをアコースティックバラード⑫For A Trace Of Lifeで締めるというのもウマイ。

前作で満ち溢れていた特有のクサメロは影を潜め、初めて聴いた気がしないメタルアルバムのように思える部分もあるけど、楽曲自体は高品質なのでメロパワ好きにとってはマストアイテムといえる1枚です。Tobias Sammet(Vo)の歌唱力が格段アップしててMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)を思い起こさせる域にまで達しているのもいいですね。

【音源紹介】
・Babylon

EDGUY「VAIN GLORY OPERA」(1998)

  • 2008/07/20(日) 08:49:46

VAIN GLORY OPERA

【No.013】
★★★★(1998)
年間ベスト1998年第3位

1998年に日本デビューを果たしたジャーマンメタルバンドEDGUYの通算3作目。当時のメンバー平均年齢が20歳そこそこで既に3枚のアルバムをリリースしてることもさることながら、その若さにして優れたメロディセンスを持ってることに驚かされた作品です。Hansi Kursch(Vo/BLIND GUARDIAN)Timo Tolkki(G/STRATOVARIUS)がゲスト参加(Timoはミキシングも担当)してることからも、当時このバンドがヨーロピアンメタル界で注目を集めていたことがわかります。

アルバム冒頭こそお約束的な序曲から、ありがちなジャーマン系疾走曲へつながるというものながら、その次に飛び出す③How Many Milesにやられました。ほど良い疾走感に乗せたクサいメロディ(ギターソロも含めて)とROYAL HUNTにも通じるクラシカルフレイヴァーを兼ね備えたのこの曲は、本作最大のハイライトといる名曲です。他にもHansiとTimoの両名が参加し、BLIND GUARDIANばりのクワイアが映える勇壮な⑤Out Of Control、キャッチーなメロディで気持ちよく疾走する⑦Fairytaleなどアルバムの山場となる楽曲があるし、2曲のバラードの配置も絶妙でアルバム構成もお見事。このバンドの強みはミドルチューンでもいい曲が書けるということですね。

HELLOWEEN、BLIND GUARDIAN、GAMMA RAYといったジャーマンメタルの先輩バンドとも十分張り合っていけるポテンシャルを備えたアルバムだと思います。正直なところ本作がリリースされた1998年頃に上記3バンドが発表したアルバムよりも本作の方が好きですしね。EDGUYはこのアルバム以降も着実に成長し、今では新世代ジャーマンメタルバンドの代表的存在となりました。後々の作品に比べるとTobias Sammet(Vo)のボーカルなど物足りない部分もあるけど、楽曲そのもののお気に入り度はEDGUYの作品の中でもトップクラスの1枚です。

【音源紹介】
・Fairytale