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TNT「REALIZED FANTASIES」(1992)

  • 2020/06/10(水) 00:00:00

REALIZED FANTASIES
【No.543】
★★★(1997)

「TELL NO TALES」(1987)、「INTUITION」(1989)の2作品が高く評価され、北欧メタルの雄としての地位を日本で確立したTNTの5thアルバム。直近2作品は本国ノルウェーと日本で好評を博したもののアメリカでのセールスが不調に終わったためレーベルを移籍、そのレコード会社から楽曲に対する注文が入ることも少なくなかったようで当初の予定から大幅に遅れて完成に至ったのが今回のアルバムです。僕はリアルタイムで本作を聴いていませんが、リリース当時は日本のファンからも厳しい意見が多かったようで、後追いの僕にとっても「INTUITION」の次に本作を聴いた時にはかなり違和感がありました。

その違和感の要因としては、バンドがこれまでに築き上げてきた楽曲の透明感や北欧ならではの叙情メロディがかなり減退、アメリカンなロックサウンドに移行していることが大きいですね。それにともなってTony Harnell(Vo)もガナって歌う場面が散見されます。また細かい点かもしれませんが過去作品の収録時間が30分台だったのに対して、本作は50分弱のボリュームとなっている点も気になりますね。このバンドはコンパクトながらも密度の濃い作品を届けてくれるのが大きな特徴だったので4〜6分台の曲が並ぶ本作を聴いて「TNTがフツーのバンドになってしまった…」と一抹の寂しさを感じました。とはいえTonyのハイトーンは健在だし、Ronni Le Tekro(G)によるヘンテコなギターワークも相変わらず冴え渡っているので、従来のTNTと比較しなければそれなりに楽しめるのも事実です。

捻りの効いたギターが耳に残るハードロック①Downhill Racer、②Hard To Say GoodbyeやLAメタル的なドライヴィングチューン③Mother Warned Me、派手さはないもののサビメロがクセになるラスト曲⑩Indian Summerは本作ならではの楽曲だと思います。また坂本 龍一「戦場のメリークリスマス」に似たメロディが登場するバラード④Lionheart、爽やかでポップなメロディが気持ちいい⑤RainなどはTNTらしさが感じられるナンバーです。特に④は彼等がこれまでにバンドが生み出してきた名バラードに比べても遜色なく、この曲のために本作を聴く価値があると思えるほど。その一方でお洒落なピアノやギターソロの響きがQUEENを彷彿とさせる⑧Easy Street、ブルージーな⑨All You Needといった「TNTでやる必要がある?」と感じてしまうナンバーが集中するアルバム後半は微妙ですね。後にRonni自身も「妥協の産物」と語る本作が今ひとつ纏まりに欠けるアルバムになっているのは、バンドが目指す音とレーベルの意向が噛み合わなかったせいかもしれません。個人的にアルバム前半は気に入っているので駄作で片付けてしまうのは勿体ない1枚だと思います。本作を最後にTNTは一時解散、1997年に「FIREFLY」で復活を果たしますが多くのファンから本作以上に厳しい評価を受けてしまうことに…(苦笑)。僕は本作までしかTNTのアルバムは聴いていませんが「FIREFLY」以降の作品もいつかチェックしてみたいと思っています。

【音源紹介】
Lionheart

TNT「INTUITION」(1989)

  • 2020/05/25(月) 00:00:00

INTUITION.jpg
【No.542】
★★★★(1997)

「バンドの最高傑作」、「80年代北欧メタルを代表をする名盤」など高い評価を受けているTNTの4作目。2nd 「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」(1984)でTNTサウンドの礎を築き、前作「TELL NO TALES」(1987)ではその進化形を見せてくれましたが、今回は更に洗練されていて普段HR/HMに馴染みのない人にも受け入れられそうなほど聴きやすい作風となっています。透明感に溢れたサウンドの中で煌くメロディ、それを歌い上げるTony Harnell(Vo)の超絶ハイトーンボイスとRonni Le Tekro(G)による独特のギターフレーズが織り成す音世界は今回の本作で完成の域に達しています。

アルバムはTNTとしては初となる序曲①A Nation Free (Intro)でスタート、この曲がスケール感たっぷりなので荘厳な幕開けとなっています。②Caught Between The Tigersは個性的なギターリフとグルーヴを持ったロックチューンで、典型的なTNTソングとは一線を画す曲調ながらクセになる1曲ですね。それに続く北欧ハードポップの理想郷③Tonight I'm Falling、母国ノルウェーのクラシック音楽家グリーグの「ペール・ギュント」第二組曲の「ソルヴェイグの歌」のメロディ(後にKAMELOTも名曲Foreverでフィーチュアしています)をギターソロに取り入れた美麗バラード④End Of The Line、冒頭のギターメロディだけで心を鷲掴みされる爽やかな名曲⑤Intuitionの3連発は実に強力。それ以降も②に通じるメタリックな側面を見せる⑥Forever Shine On、ポップセンスが弾ける⑦Learn To Love、③や⑤といった超名曲の影に隠れがちですが並のアルバムならキラーチューン間違いなしの⑨Take Me Down (Fallen Angel)、ワルツのような雰囲気の中で泣きのメロディとミステリアスなギターソロが光るエンディング曲⑩Wisdomなど聴きどころが満載です。

惜しむらくはRonniがボーカルをとった小曲⑧Ordinary Loverが作品全体の流れから見て浮いていることでしょうか…。本作リリース後に実現した初来日の記念盤として再発された「INTUITION」(現在は入手困難)にはElectric Dancerという軽快なロックソングがボーナスとして追加されているのですが、なかなかの佳曲なので⑧よりもこちらの方を通常盤に収録して欲しかったですね。ちなみにElectric Dancerは1996年発売のベスト盤「TILL NEXT TIME」でも聴くことができます。とはいえ、全10曲中の約半数にあたる4曲(③、④、⑤、⑨)が名曲という充実振りには脱帽で、各所で高く評価をされていることも納得の名盤です。

【音源紹介】
Intuition

TNT「TELL NO TALES」(1987)

  • 2020/04/30(木) 00:00:00

TELL NO TALES
【No.541】
★★★★(1997)

本国ノルウェーでは3週連続でナショナルチャート1位に輝くなどヒットを記録したTNTの出世作にして通算3枚目となるアルバム。日本デビュー盤でもあった前作「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」(1984)はTNTがアイデンティティを確立するための重要作品だったのは事実ながら、バンドとしては発展途上にあることが感じられる1枚でもありました。それに対して本作では2ndにあったヴァイキングメタル系の曲は姿を消し、メジャー感が大幅に増しているだけでなく「北欧ならではの透明感と美しくもキャッチーなメロディを詰め込んだHR/HM」というTNTらしさを凝縮した仕上がりとなっていますね。

バンドの成長振りをいきなり見せつけてくれるアップテンポ①Everyone's A Star、ノリの良いギターリフからキャッチーなサビへ繋がっていく②10,000 Lovers (In One)、珠玉の美旋律ハードロック③As Far As The Eye Can See(見わたす限り)と続く冒頭3曲は実に強力。その後も邦題のセンスは微妙ながら美しさに溢れたバラード⑤Child's Play(チャイルド遊戯)からシームレスに繋がるアコースティックのインスト小品⑥Smooth Syncopationを挟んで爽やかなメロディが躍動する⑦Listen To Your Heart、曲名からして北欧テイスト満点の名バラード⑨Northern Lights、アルバムラストを派手に締めくくるスピードメタル⑪Tell No Talesを始めとする北欧メタルの最高峰が堪能できる1枚となっています。「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」の記事でも書いたように僕はベストアルバム「TILL NEXT TIME」(1996)がTNTとの出会いだったので、そこに収録されていない⑨を初めて聴いた時には「なぜこの曲が入っていないんだ?」というのが率直な感想でした。

加入2作目となるTony Harnell(Vo)の突き抜けるようなハイトーンは更に伸びやかになっているし、メインソングライターでもあるRonni Le Tekro(G)もクラシカルなインスト④SapphireYNGWIE MALMSTEENばりに弾きまくっているほかリフやソロで、その独特なセンスを遺憾なく発揮していますね。全11曲で31分足らずと、収録時間だけ見るとEP並みのボリュームしかないものの中身は濃密で聴き応え満点の逸品となっています。一般的にTNTの最高傑作は4th「INTUITION」(1989)という声が多いようですが僕にとってはどちらも甲乙付け難い名盤です。メタリックなエッヂもある本作、そこから更に洗練された次作という感じでしょうか。これからTNTを聴く方にはどちらの作品も手に取ってもらいたいですね。

【音源紹介】
10,000 Lovers (In One)

TNT「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」(1984)

  • 2020/04/20(月) 00:00:00

KNIGHTS OF THE NEW THUNDER
【No.540】
★★★(1996)

Ronni Le Tekro(G)率いるノルウェー出身の北欧メタルバンドTNTの2ndアルバム。後にバンドの顔となるアメリカ人シンガーTony Harnell(当時はTony Hansen名義)は本作から加入しています。バンド名を冠した1stアルバムはDag Ingebrigtsen(Vo)なる人物が歌っていたのですが、その時点ではTNTの代名詞である透明感やキャッチーなメロディといった要素は皆無に等しく、歌詞はノルウェー語のB級メタルだったのに対して全編英語詞による本作ではTNTらしさが感じられるようになっていますね。とはいっても前作からの影響もまだ残っていて彼等の作品群の中ではメタリックな印象が強いアルバムです。ちなみにDagの後任にはMICHAEL SCHENKER GROUPを脱退したばかりのGary Barden(Vo)にほぼ決まりかけていたのですが、無名ながら圧倒的な歌唱力を誇るTonyを迎える決断を下したそうです。もしGaryが加入していたらバンドの音楽性も今とは別のものになっていたかもしれませんね…。

僕はバンド初のベスト盤「TILL NEXT TIME」(1996)で初めてTNTの音に触れ、その後にオリジナルアルバムを聴いたので、重厚でありつつキャッチーさも忘れない①Seven Seas、何度も繰り返されるサビがクセになる④Last Summer's Evil、HR/HMのお手本のような⑦Break The Ice、勇壮なヴァイキングメタル⑩Knights Of The Thunderなどベストアルバムの収録曲に耳がいきますね。ただ本作はそれ以外にも疾走感溢れるイントロと爽やかなサビの対比が見事な②Ready To Leave、タイトル通りのロマンティックなインスト小品③Klassisk Romance、いかにも北欧のバンドらしい美麗バラード⑤Without Your Love、TNTにしては珍しく漢臭いコーラスをフィーチュアした⑥Tor With The Hammerといった魅力的なナンバーが並んでいる点も見逃せません。

バンドの代表作と言われる3rd「TELL NO TALES」(1987)、4th「INTUITION」(1989)に比べると粗削りだし、Tonyのボーカルに力みが感じられたり、メンバーのルックスも垢抜けなかったりするのは事実ながら1st「TNT」(1982)から大きく進化していることは間違いありません。デビュー作のソングライティングには前任シンガーDagが関わっている曲がそれなりにあったようなので、TNTというバンドの基礎が確立されたのは本作からだと言えると思います。Dagは実力不足などを理由に事実上の解雇という形でバンドを離脱したそうですが、本作でもドラムを叩いているDiesel DahlがTNT脱退時に結成したTINDRUMの2nd「HOW 'BOUT THIS ?!」(1989)でリードボーカルを務めたり、2012年に敢行されたTNTの歴代シンガーが集ったライヴ(後に「THE 30TH-ANNIVERSARY CONCERT」としてDVD/CDがリリース)に参加したりしているのでメンバーとの関係性は悪くないようです。

【音源紹介】
Seven Seas

【CD購入録】STARBREAKER「DYSPHORIA」(2019)

  • 2020/03/17(火) 00:00:00

【CD購入録】
DYSPHORIA.jpg
STARBREAKER「DYSPHORIA」(2019)

MAGNUS KARLSSON'S FREE FALLでも相性の良さを見せていたTony Harnell(Vo/ex-TNT、WESTWORLD etc)Magnus Karlsson(G/FREE FALL、PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE etc)によるHR/HMプロジェクトSTARBREAKERの約11年振りとなる新作3rdアルバム。前作「LOVE'S DYING WISH」(2008)がダークでメランコリックな音楽性だったのでPRIMAL FEARを彷彿とさせるメタルチューン①Pure Evilでの幕開けは意外でした。ただし、それ以降はそこまでメタリックな楽曲はなく、いぶし銀とも言えるMagnusのメロディセンスとTonyの美声が織りなすメロディアスHR/HMが並びます。聴き始めの頃はもう少しキャッチーなメロディが欲しいと感じていましたが、リピートするうちにどんどん味わいが増していて文字通りの美旋律バラード⑤Beautiful One(ボーナストラックのアコースティック版も良い)、ギターのメインメロディがクセになる表題曲⑥Dysphoria、Magnusがドラマティックに弾きまくる⑨Bright Star Blind Meなどが特に気に入っています。MAGNUS KARLSSON'S FREE FALLで聴けたハードポップサウンドとは一線を画す内容ながらSTARBREAKERならではの魅力を備えた1枚だと思います。

MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

  • 2020/03/13(金) 00:00:00

KINGDOM OF ROCK
【No.539】
★★★★(2015)

ギタープレイヤーとして活動する傍ら、FRONTIERS RECORDSと専属作曲家契約を結び、レーベルが送り出すバンド/プロジェクトの作曲やプロデュース、時には演奏も請け負うというギタリストの新たな音楽活動のスタイルを確立したと言っても過言ではないMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE etc)のソロプロジェクトMAGNUS KARLSSON'S FREE FALLの2nd。メインバンドだったLAST TRIBEが自然消滅して以降、裏方に徹していたMagnusが豪華なゲストボーカル陣を迎えて久し振りに表舞台へ帰ってきたセルフタイトルのデビュー作は彼の近作に漂っていた「お仕事感」が希薄で、改めてその作曲能力の高さを見せつけてくれる傑作でした。今回のゲストシンガーには前作に引き続きRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、David Readman(PINK CREAM 69、VOODOO CIRCLE)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Russell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)らが名を連ねているほか、Magnusにとって夢の共演となるJoe Lynn Turner(ex-RAINBOW etc)、Tonny Martin(ex-BLACK SABBATH etc)、Magnusと何らかの形で活動を共にしたことのあるJorn Lande(JORN、ALLEN-LANDE)、Jakob Samuel(THE POODLES、ex-MIDNIGHT SUN)、Harry Hess(HAREM SCAREM)、そして無名の新人女性シンガーRebecca De La Motteが初めて参加しています。

今回も歌い手の強みを活かしたMagnusのソングライティング術は冴え渡っていてJorn Landeにピッタリな力強いHR/HM讃歌①Kingdom Of Rockで幕を開けると、MIDNIGHT SUNのラストアルバム「METAL MACHINE」(2001)で共演していたJakob Samuelの上手さを再確認させてくれる②Out Of The Darkと続きJoe Lynn Turnerには哀愁のメロディアスハード③No Control、Tony Martinには重厚でドラマティックな④When The Sky Fallsを提供し、憧れの存在と語る2人の魅力を引き出すことに成功しています。ちなみに日本盤ボーナスはRussell Allenが歌う③のアコースティックバージョンですが、やはりJoeの方がしっくりきますね。また僕がTony Harnellに歌って欲しいと思っているハードポップの理想形⑧Never Look Away、Harry Hessが歌うことでHAREM SCAREMテイストが色濃くなりつつもMagnus印がしっかりと刻まれた⑨A Heart So Cold、無名ながら本作の実力派シンガー達に引けを取らないRebecca De La Motte嬢の堂々たる歌唱が映えるメジャー感たっぷりのバラード⑩The Right Momentへ至る終盤の流れは秀逸です。

前作に続きMagnusのリードボーカル曲が2曲(⑥I Am Coming For You、⑪Walk This Road Alone)あるのですが、本業がギタリストとは思えないほどの歌声なので強者シンガー達が歌う楽曲群の中でも聴き劣りしないどころか更に歌唱力がアップしているように思います。前作収録のHigher、Not My Saviourのようなメタリックチューンが本作にはないため初めて聴いた時のインパクトは強くなかったもののリピートするうちにハマっていきました。こうしてMagnusが多くのシンガーとコラボした楽曲を聴いて感じるのはTony Harnellとの相性の良さですね。惜しむらくは彼等が組んだSTARBREAKERが本プロジェクトで聴ける王道メロディックロックとは一線を画すサウンドだということでしょうか(STARBREAKERも嫌いではないのですが…)。充実盤を続けてリリースしてくれたこのプロジェクトは是非継続してもらいたいし、次回はKISKE/SOMERVILLEで共演したMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、UNISONIC 、ex-HELLOWEEN)、MagnusがキャリアをスタートさせたMIDNIGHT SUNのフロントマンPete Sandbergなどが参加してくれると嬉しいですね。…と思っていたら今年の5月8日に新作「WE ARE THE NIGHT」をリリースするという情報が入ってきましたが残念ながら上記2人のゲスト参加は実現しなかったようです。

【音源紹介】
Never Look Away

MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

  • 2020/03/01(日) 00:00:00

FREEFALL.jpg
【No.538】
★★★★(2013)
年間ベスト2013年第5位

僕のお気に入りギタリスト/ソングライターの1人Magnus Karlsson(PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE)初となるソロ・プロジェクトMAGNUS KARLSSON'S FREE FALLの第1弾アルバム。Magnusの経歴を紹介するとJonas Reingold(B/THE FLOWER KINGS)、Pete Sandberg(Vo)を中心とした北欧叙情派HR/HMバンドMIDNIGHT SUNの3rd「NEMESIS」(1999)でデビュー、2001年には自身のバンドLAST TRIBEをスタートさせて3年連続で傑作アルバムを発表。その後は現代メロディックHR/HMシーン屈指の仕掛人Serafino Perginoが社長を務めるFRONTIERS RECORDS発のプロジェクトALLEN-LANDE、STARBREAKERなどのソングライター/プロデューサーとして活躍し、現在は正統派メタルバンドPRIMAL FEARに籍を置きつつ近年もRonnie Romero(Vo/RAINBOW etc、ex-LORDS OF BLACK)、Mike Terrana(Ds/ex-RAGE、YNGWIE MALMSTEEN etc)THE FERRYMENを結成するなど精力的に活動しています。

このプロジェクトの目玉は何と言っても豪華なゲストシンガー陣でRussell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)、Ralf Scheepers(PRIMAL FEAR)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Mark Boals(THE CODEX、ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN)、Mike Andersson(PLANET ALLIANCE)、Rickard Bengtsson(ex-LAST TRIBE)など、これまでにMagnusとコラボレートしたことのある歌い手に加えてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、Herman Saming(A.C.T)、David Readman(PINK CREAM 69、VOODOO CIRCLE)も参加しています。またMagnusもそんなゲスト達に応えるかのようにRussell Allenには力強いHR/HM①Free Fall、Ralf Scheepersには高揚感溢れるメタリックチューン②Higher、Tony Harnellには透明感のあるバラード④Stronger、Rick Altziにはパワーメタル色の強い疾走曲⑤Not My Saviour、Herman Samingには幻想的でメロディアスな⑩Fightingなど、各人の個性を活かした楽曲を生み出しています。こうして見ると改めて彼の作曲能力の高さに唸らされますね。またMagnusのキャリアの中でLAST TRIBEに思い入れが強い僕にとってRickard Bengtssonとの久々の共演が実現した⑨Last Tribeは感涙モノでした。

マルチプレイヤーでもあるMagnusは本作でドラムを除く全ての楽器を演奏しているだけでなく本編で3曲(中でも③Heading Outは出色の出来)、日本盤ボーナスとなっている④のアコースティックバージョンでリードボーカルをとっているのですが、その歌声が実に魅力的で全曲を彼が歌ったアルバムも聴いてみたいほどです。LAST TRIBE時代もMagnusの歌をフィーチュアした楽曲があったせいか本作で彼がボーカルを務める曲はLAST TRIBEっぽさを感じますね。そのLAST TRIBEの最終作3rd「UNCROWNED」(2003)をリリース後、MagnusはFRONTIERS RECORDS所属の様々なプロジェクトに関わることになるのですがALLEN-LANDEの1st「THE BATTLE」(2005)を最後に良作ではあるもののどこか物足りなさが残るのも事実でした。流石のMagnusもネタ切れかと思っていたので本作は正に起死回生の一撃となりましたね。

【音源紹介】
Last Tribe

【CD購入録】LOVEKILLERS feat. Tony Harnell「LOVEKILLERS」(2019)

  • 2019/12/20(金) 00:00:00

【CD購入録】
LOVEKILLERS.jpg
LOVEKILLERS feat. Tony Harnell「LOVEKILLERS」(2019)

Tony Harnell(Vo/STARBREAKER、ex-TNT、WESTWORLD)がメロディアス・ハードロックを歌うプロジェクトLOVEKILLERS feat. Tony Harnellの1stアルバム。FRONTIERS RECORDSからのリリースとなるこのプロジェクトに楽曲を提供しているのは、本作のプロデューサーでキーボードも演奏しているAlessandro Del Vecchio(Key/EDGE OF FOREVER etc)をはじめとするレーベルお抱えの作曲陣でTony自身も関わっているようですね。ライター側が寄せてきたのか、Tonyが歌うとそう聴こえるのか、はたまたその両方なのか往年のTNTを彷彿とさせる爽やかな楽曲群はなかなか粒揃いで②Hurricaneはギターメロディが名曲Intuition風だし、先行で公開されていた⑤Higher Again、⑧Now Or Neverなどは試聴していて即座に「このアルバムを聴いてみたい」と思ったキャッチーソングです。終盤にはギターソロも見せ場となっている⑩No More Love、清らかなピアノの調べからスタートしてバンドサウンドが加わって盛り上がりをみせるバラード⑪Set Me Freeもあって聴後感は良好。リリース前はさほど注目していなかった本作ですがメロディックロックの好盤だと思います。

【CD購入録】MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

  • 2015/10/22(木) 00:00:00

【CD購入録】
KINGDOM OF ROCK
MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

Pete Sandberg(Vo)、Jonas Reingold(B/THE FLOWER KINGS)らが結成した叙情派メタルバンドMIDNIGHT SUNの2代目ギタリストとしてシーンに登場、今や現代HR/HMシーンに欠かせないソングライター/マルチプレイヤーへと成長したMagnus Karlsson(G、B、Key)のソロプロジェクト第2弾を買いました。今回も豪華なゲストシンガーを迎えていてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、David Readman(PINK CREAM69、VOODOO CIRCLE)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Russell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)などデビュー作に引き続き参加したメンバー(Russellはボーナストラックのみ)に加えてMagnusが憧れの存在と語るJoe Lynn Turner(ex-RAINBOW etc)、Tonny Martin(BLACK SABBATH etc)やMagnusと何らかの形で活動を共にしたことのあるJorn Lande(JORN、ALLEN-LANDE)、Jakob Samuel(THE POODLES)、Harry Hess(HAREM SCAREM)そして無名の新人Rebecca De La Motteが参加しています。本作でもMagnusは各シンガーの特徴を捉えた作曲スキルと年々上手くなっていくリードボーカルを披露してくれていて安定感抜群の1枚となっています。現時点でのお気に入りは③No Control(featuring Joe Lynn Turner)、⑧Never Look Away(featuring Tony Harnell)といったメロハー系ナンバーですね。FRONTIERS RECORDSに酷使されたため(?)一時は楽曲の輝きが薄れたようにも感じられたMagnusですが、本作を聴く限り復活したと言えるのではないでしょうか。

【CD購入録】MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

  • 2013/05/23(木) 00:00:00

【CD購入録】
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MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

自身のバンドLAST TRIBEとして3枚のアルバムを発表した後はマルチプレイヤー、コンポーザー、プロデューサーとしても才能を発揮して主にFRONTIERS RECORDSの様々なプロジェクトに携わってきたMagnus Karlsson(G)による初のソロ作品を買いました。LAST TRIBEのアルバムはどれも傑作だったのに対して、その後に乱発気味にリリースされたプロジェクト作品ではFRONTIERSに酷使されるあまり(?)以前ほどの魅力が感じられなかったのですが今回はなかなか良いですね。本作では多くのゲストシンガーを迎えているのも話題のひとつでRussell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)、Ralf Scheepers(PRIMAL FEAR)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Mark Boals(THE CODEX、ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN)、Mike Andersson(PLANET ALLIANCE)、Rickard Bengtsson(ex-LAST TRIBE)といった過去のMagnus関連作品のリードシンガーに加えてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、Herman Saming(A.C.T)、David Readman(PINK CREAM69、VOODOO CIRCLE)も参加しています。またMagnusも3曲でリードシンガーも務めていて、上記のゲストボーカル陣の中にあっても違和感ない歌を披露しています。個人的に一番楽しみだった⑨Last Tribeは曲調、歌詞の両面でLAST TRIBEというバンド名に込められた「自分達がメタルの最後の種族だ」という気持ちが伝わってくるメタル讃歌となっていてニヤリ。こうなってくるとプロジェクトではなくMagnusがイニシアチブを握る正式なバンドが聴きたくなりますね。

【CD購入録】STARBREAKER「LOVE'S DYING WISH」(2008)

  • 2009/11/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
LOVES DYING WISH
STARBREAKER「LOVE'S DYING WISH」(2008)

Magnus Karlsson(G)Tony Harnell(Vo/ex-TNT、WESTWORLD)と結成したプロジェクトで、現在PRIMAL FEARと並行してMagnusが正式メンバーとして在籍しているSTARBREAKERの2作目を買いました。複雑な展開はありながらもLiesのような、わかりやすいメロディラインを持ったメロディックメタル曲も収録していた1stに比べて更にダークでメランコリックな作品となっています。Magnusならではの「AOR風味もあるメロディックメタル」を求めていたので少し拍子抜けしました。個人的には取っ付きにくさが感じられて聴き込むには至っていませんが、その壁を越えればスルメ盤になりそうな気もしています。