【CD購入録】QUARTERBACK「TRAMPLED UNDER FOOT」(1992)

  • 2017/02/11(土) 00:00:00

【CD購入録】
Trampled Under Foot
QUARTERBACK「TRAMPLED UNDER FOOT」(1992)

デンマーク出身の5人組メロディックロックバンドQUARTERBACKが1992年にリリースした唯一のアルバムを買いました。マニアの間ではレアアイテムとして知られる1枚で、オリジナル盤にはかなりの高値が付いていたらしいし、2008年に再発された時も1,000枚限定だったそうですが僕は1,800円ほどで購入できました。適度な哀愁と湿り気を含んだ北欧のバンドらしい曲調とそれを歌うややハスキーなボーカルの相性は上々ですね。ただ全体的に見るとB級っぽさか抜け切らなかったり、曲によってはHenrik Wilhelmsen(Vo)の歌唱に粗さが目立ったりするので、そのレア度の高さからメロディックロックの隠れた名盤を期待すると肩透かしをくらうかもしれません。そんな中で爽やかさの中に仄かな憂いを感じさせる①Tumblin' Downはなかなかの逸品。ガツンと来るインパクトこそないものの聴いていて心地よい1曲です。もしバンドが継続していたらBAD HABIT、DA VINCI、RETURNらと共にゼロ・コーポレーションから国内盤のリリースがあったのでは、という気もしますね。

【CD購入録】VOLBEAT「OUTLAW GENTLEMEN & SHADY LADIES」(2013)

  • 2016/04/04(月) 00:00:00

【CD購入録】
OUTLAW GENTLEMEN SHADY LADIES
VOLBEAT「OUTLAW GENTLEMEN & SHADY LADIES」(2013)

ロカビリーメタルと評される独特の音楽性で母国デンマークは勿論、ヨーロッパ各地で人気を博しているというVOLBEATの5作目を買いました。バンドのアイデンティティである「ロカビリー」というジャンルはよくわからない僕ですが、彼等のサウンドはオーソドックスなHR/HMを基本にしつつキャッチーだったり、おどろおどろしかったり、北欧ならではの哀愁を感じさせたりと表情が豊かなので聴いていて楽しいですね。お気に入り曲はノリノリの曲調が気持ちいい④Dead But Rising、⑧My Body、爽やかさすら感じる⑨Lola MontezSarah Blackwoodなる女性シンガーをゲストに迎えた⑪The Lonesome Rider、演歌に通じる泣きとクサメロが耳に残る⑭Our Loved Ones辺りでしょうか(⑧はカバー曲ですが)。そんな楽曲群の魅力を増幅させているのがMichael Poulsen(Vo)の男前かつ渋いボーカルで、彼の歌声を聴いているとJB(Vo/GRAND MAGUS、ex-SPIRITUAL BEGGARS)が思い浮かびます。日本での注目度は高いとは言えない彼等ですが、本作がビルボードチャートでTOP10入りを果たすなどしているので、今後ビッグになっていくのかもしれませんね。

【CD購入録】ROYAL HUNT「DEVIL'S DOZEN」(2015)

  • 2015/08/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
DEVILS DOZEN
ROYAL HUNT「DEVIL'S DOZEN」(2015)

僕のミュージックライフにおける最重要バンドのひとつROYAL HUNTの13作目を買いました。Andre Andersen(Key)がインタビューで前作「A LIFE TO DIE FOR」(2013)がROYAL HUNTのラストアルバムになる可能性を示唆していたため心配でしたが、こうして無事に新作を届けてくれたことが嬉しいですね。本作で繰り広げられているのはROYAL HUNTにしか作れないであろう気品に溢れたメロディックメタル。リリース前から公開されていた①So Right So Wrong、⑤Until The Day、最近の彼等にしては珍しいアップテンポの②May You Never (Walk Alone)などを筆頭にAndreらしいメロディが満載で以前から知っている曲のような気すらします(笑)。フォーキーなサウンドが顔を出す⑥Riches To Ragsはちょっと新鮮だったりするものの、予想を裏切る展開はほとんどなく安定感抜群のサウンドですね。今回も素晴らしい歌声を響かせるD.C. Cooper(Vo)もさることながら、このバンドらしさを感じるという意味では長年バックボーカルを務めるKenny Lubke(Vo/ex-NARITA)の存在が大きいと思います。

WUTHERING HEIGHTS「FAR FROM THE MADDING CROWD」(2003)

  • 2015/07/07(火) 00:00:00

FAR FROM THE MADDING CROWD
【No.436】
★★★★(2004)

デンマーク出身のプログレッシブ・パワーメタルバンドWUTHERING HEIGHTSの3rdアルバム。バンド名は勿論エミリー・ブロンテの有名小説「嵐が丘」から取られていて、本作はデビュー盤の「WITHIN」(1999)から続く物語の最終パートという位置づけのコンセプトアルバムのようです。コピーコントロールCDではありますが「狂乱からの旅路」というアルバムタイトルだけでなく各曲にも邦題がつけられていて、レーベル側もバンドを日本で売っていこうとしている意気込みが感じられますね。これまで僕はこのバンドについて名前を知っているだけで実際に聴くことはなかったのですがRICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY「EMBRACE THE GALAXY」(2003)で鮮烈なデビューを飾ったNils Patrik Johansson(Vo/ASTRAL DOORS)が本作でも歌っていると知って購入に踏み切りました。本作と同日にリリースされたASTRAL DOORSのデビュー作「CLOUDBREAKER」の国内盤と一緒に買った記憶があります。WUTHERING HEIGHTSの音楽性はパワーメタルをベースにしつつ1曲の中に山あり谷ありの展開と強烈なクサメロを盛り込み、バグパイプやフルート等による民謡調のフレーズが乱舞するという、これまでに聴いたことのないタイプですね。聴き始めの頃は目まぐるしく変わる曲構成に置いてきぼりをくらい、何曲目を聴いているのかわからなくなることもありましたがリピートするうちにバンドの中心人物Erik Ravn(G)が生み出す独特の音世界に魅了されました。

バグパイプが響き渡るイントロ①Gather Ye Wild(つどえ、野生の子ら)、一筋縄ではいかなそうなギターメロディに始まりサビではクサメロが炸裂する②The Road Goes Ever On(果てしなき道)の時点でWUTHERING HEIGHTSの世界に引き込まれましたね。本作の核となっているのは「Now the wind calls a storm from the past. Night falls and I'm longing for the woods」という歌詞が乗るキラーフレーズが登場する④Part Ⅰ:The Wild Children(野生の血)、⑥Part Ⅱ:The Ring Of Fire(炎の輪)、⑨Part Ⅲ:Herne's Prophecy(古の預言)で構成されるLooking For The Woods(荒野の情熱)3部作でしょう。3曲に共通する上記サビメロが秀逸であるだけでなく、手を替え品を替え異なるアレンジで楽しませてくれるそのセンスが素晴らしい。また⑩Land Of Golden Glory(失われし栄華)もアルバムのハイライトと呼べる疾走曲で堪りません。アイリッシュ、トラッド、フォークといった要素が混在しAメロ〜Bメロ〜サビと単純に進行する曲がほとんどない本作は展開が強引すぎる面もあり⑤Highland Winds(ハイランドの風)の4:10付近は唐突すぎて笑ってしまうほどすが、そこは繰り返し聴いても飽きがこないという強みにもなっています。

そして僕にWUTHERING HEIGHTSを聴くきっかけを与えてくれたNils Patrik Johanssonのボーカルもエネルギッシュに歌うことの多かったASTRAL DOORS、SPACE ODYSSEYとは一味違う歌唱を披露しています。本作最初のボーカルパートが登場する②の歌い出しではまるで別人かと思うほどのクリーンボイスを駆使、かと思えば「The road goes on and on」と歌うサビでは「ざ、ろぅ、ごじょぉお〜にぃにょお〜♪」と聞こえるくらいの暑苦しい歌い方(笑)となっていて、その幅の広さにビックリ。アルバムが発売されたのはSPACE ODYSSEYの方が先だったもののNilsが初めて本格的なバンドで歌ったのが本作だとは信じられませんね。NilsとしてはASTRAL DOORSを自身のメインバンドに考えているようですが、あちらではパワー重視になりがちなのでWUTHERING HEIGHTSこそが彼の歌唱力を最も活かせる場のように思います。そんなNilsの影に隠れがちではありますがドラマーMorten Sorensenの叩きっぷりも素晴らしく、バンドの大きな推進力となっています。このアルバムでWUTHERING HEIGHTSを知り、現時点での最新作5th「SALT」(2010)までの3枚を聴きましたが本作が一番好きですね。

【音源紹介】
Land Of Golden Glory

【CD購入録】ROYAL HUNT「A LIFE TO DIE FOR」(2013)

  • 2013/11/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
A LIFE TO DIE FOR
ROYAL HUNT「A LIFE TO DIE FOR」(2013)

D.C. Cooper(Vo)がまさかの復帰を果たした「SHOW ME HOW TO LIVE」(2011)に続くROYAL HUNTの12作目を買いました。基本的には前作で展開していたROYAL HUNTの王道サウンドの延長線上にある作風なので安心して聴けますね。ただ前作におけるHalf Past Lonelinessのようなキラーチューンがないためファーストインパクトはそれほど強くないかな。長年のファンとしては「EYE WITNESS」(2003)を最後にバンドを脱退したJakob Kjaer(G)②A Bullet's Taleのギターソロにゲスト参加してくれているのが嬉しいですね。僕が買った初回限定盤にはボーナスDVDが付いていてAndre Andersen(Key)へのインタビューやHalf Past LonelinessのほかHard Rain's Coming、Age Gone Wild、Far Away、Step By Stepのライブ映像が収められています(いずれも画像、音質ともにオマケレベルですが)。中でもバンドを代表するバラードFar AwayはD.C.が路上で歌い、その後ろでAndreとJonas Larsen(G)がギターを弾くというストリートバージョンで、これまでいろんなバージョンでこの曲を聴いてきた僕にとっても新鮮でした。

ROYAL HUNT「SHOW ME HOW TO LIVE」(2011)

  • 2012/05/07(月) 00:00:00

SHOW ME HOW TO LIVE
【No.327】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第4位

D.C. Cooper(Vo)加入後の2作目、ROYAL HUNTとしては通算4枚目のアルバム「PARADOX」(1997)は僕が初めて出会った神盤と呼ぶべき作品となっただけでなく、当時のBURRN!誌で90年代にデビューしたバンドとしては珍しく表紙に抜擢され、人気投票でもD.C.とAndre Andersen(Key)が各部門のチャンピオンに輝くなど、バンドは名実共に黄金期を迎えていました。ところが初のソロ作品に着手したD.C.とAndreの間に確執が生じてしまい、結果として解雇に近い形でバンドを去ったD.C.が期間限定ではあるものの約13年振りに復帰して2011年4月にツアーを敢行、その後に正式復帰してリリースされた11thアルバム。僕はD.C.の後任を務めたJohn West(Vo/ex-ARTENSION)は勿論、一般的には評価の高くないMark Boals(Vo/ex-YNGIWE MALMSTEEN、RING OF FIRE etc)期にも大好きなアルバムがありましたが、前作「X」(2010)はバンドのトレードマークでもある壮麗なサウンドを抑えた70年代ハードロック寄りの実験的な1枚でした。今後の音楽性がどういう方向に進むのか注目していた時にまさかのD.C.復帰、サウンドもバンド初期のものに回帰するとアナウンスされた今回のアルバムはその宣言通りの快作に仕上がっています。

中世の騎士が描かれたジャケットの世界観に通じる剣の鍔ぜり合いのSEと壮大なオーケストレーションに導かれていかにもAndreらしいキーボードサウンドが流れ出し、それを引き継ぐようにD.C.が「Another day is passing by~♪」と歌い出す典型的ROYAL HUNTソング①One More Dayを聴いた瞬間は思わずグッと来ましたね。もうROYAL HUNTで歌うD.C.は聴けないと思っていたのに、まさかこんな日が来るとは…。そんなオープニングに続いて、今や「ROYAL HUNT第2の声」と言っても過言ではないバックボーカルKenny Lubcke(Vo/ex-NARITA)、近作で数フレーズのリードボーカルを任されているMichelle Raitzin嬢とD.C.が共演する②Another Man Downを聴く頃にはすっかり本作の世界に引き込まれていました。全7曲と収録曲は少ないながら各曲の密度が濃い本作の全体的な印象としては、Andreの1stソロ「CHANGING SKIN」(1998)とJohn Westの初参加作品となった5th「FEAR」(1999)をミックスして各曲をコンパクトに纏め上げた作風で「PARADOX」の次に来ていても不思議ではないと思います。そんなアルバムの中で一際輝いているのが⑤Half Past Loneliness。どこかMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)を思わせる泣きまくりの歌謡曲風メロディと共に駆け抜けるこの曲は、バンドの新たなマスターピースと呼ぶに相応しいキラーチューンで2011年最高の1曲です。

このアルバムを聴き終えて改めて実感するのはJohnやMarkといったD.C.の後任シンガーも実力者揃いでしたが、ROYAL HUNTにはD.C.の声こそが相応しいということです。本作収録曲の中でもAndreが「以前よりも威厳に満ちている」と評するD.C.の声を想定して彼の復帰後に書いた前述の⑤とエンディング曲⑦Angel's GoneがアルバムのハイライトとなっていることからもD.C.とROYAL HUNT(というかAndre)の間にはマジックが存在すると言えると思います。客観的に見れば本作は3rd「MOVING TARGET」(1995)や4th「PARADOX」というD.C.在籍時の過去2作品を上回るほどではないと思うし、10分を越えるタイトル曲⑥Show Me How To Liveがドラマティックな佳曲ながら大作にする必然性が今ひとつ感じられなかったり、Far AwayLong Way Homeといった名バラードを歌ってきたD.C.のバラードが聴けなかったりする点が惜しくもありますが、D.C.の復帰を飾るには十分の力作ではないでしょうか。新加入のギタリストJonas Larsenも派手に弾きまくるタイプで近作では希薄に感じられた華やかさを加味するのに一役買っています。2012年4月から20周年ツアー(5月中旬にはその一環として来日予定)を開始するなどバンドの動きがこれまで以上に活発になってきているので、本作で物足りなく感じた点は次のアルバムに期待したいですね。

【音源紹介】
・Half Past Loneliness(Edit Version)

【CD購入録】ROYAL HUNT「FUTURE'S COMING FROM THE PAST」(2012)

  • 2012/02/28(火) 00:00:00

FUTURES COMING FROM THE PAST
ROYAL HUNT「FUTURE'S COMING FROM THE PAST」(2012)

かつてROYAL HUNTD.C. Cooper(Vo)が在籍していた90年代後半にCDとVHS媒体で発表されていた2つのライブ作品「1996」(1996)「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER~」(1998) のDVD盤を買いました。僕の中でこの2作品はこれまでに聴いたライブ作品の中でも別格で、それぞれを1996年と1998年の年間ベストアルバムに選ぶほどだったので正に待望のDVD化です(ちなみに1997年は4th「PARADOX」が年間ベストアルバムでした)。これら2作品のDVD化はD.C.復帰以前から噂は出つつも実現していなかったのでヤキモキしていましたが、D.C.の復帰作「SHOW ME HOW TO LIVE」に伴う来日の約3ヶ月前にリリースというのは最適のタイミングなのかもしれませんね。内容の方は冷静になって観ることができないほど思い入れが強いので、「ひとり宝塚」とも称されるD.C.によるのキレのあるステージアクション、Steen Mogensen(B)のベースネックと左利きギタリストJacob Kjaerのギターネックが作り出すVの字、そして「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER~」で真価を発揮するシアトリカルなステージなどを観るにつけ当時の想い出と共に「最高!」という感想しか出てきません(笑)。DVD化に際して特典映像として、映像は粗いながらも当時の来日時のオフショットが追加(一部は既発)されていて若々しいメンバーの姿を楽しむことができます。

【CD購入録】ROYAL HUNT「SHOW ME HOW TO LIVE」(2011)

  • 2011/12/08(木) 00:00:00

【CD購入録】
SHOW ME HOW TO LIVE
ROYAL HUNT「SHOW ME HOW TO LIVE」(2011)

今年の4月に実現した来日時はD.C. Cooper(Vo)の期間限定復帰という形だったのが、後にD.C.が正式復帰することを発表したROYAL HUNTの11作目を買いました。リリース前からD.C.が在籍していた頃のサウンドに回帰するという噂だった本作は、その事前情報に違わぬ仕上がりとなっています。といっても、初期のサウンドに戻ったというよりも近作の作風をベースにネオクラシカル色を濃くしたという印象ですね。気になるD.C.のボーカルはROYAL HUNTに在籍していた90年代後半、その後Alex Beyrodt(G/ex-SINNER)と結成したSILENT FORCE時代(現時点での最新作は2007年)と比べても遜色なく、深みのある中低音から突き刺すようなハイトーンまで見事な歌唱を響かせてくれています。また哀愁に満ちていながらキャッチーなAndre Andersen(Key)節とD.C.の歌声との相性の良さを再確認しました。どこかで聴いたようなフレーズ、歌メロもチラホラあるので新鮮味は希薄ですが僕は結構満足しています。

10分に及ぶタイトル曲を含めて全7曲で40分弱というボリュームはやや食い足りないような気もしますが、そのコンパクトさゆえに既に何度もリピートを誘われますね。ちなみに僕が買った初回限定盤には約40分のツアードキュメンタリーDVDが附属されています。画質、音質ともに良いとは言えませんがツアーの模様だけでなくリハーサルや震災後に来日したメンバーの様子を見ることができ、4月に参加したライブの思い出がよみがえってきました。是非ともこのラインナップをこれからも継続してもらって、次は本作では聴けなかったバラードにも期待したいですね。

【CD購入録】STRATOSPHERE「FIRE FLIGHT」(2010)

  • 2011/07/18(月) 00:00:00

【CD購入録】
FIRE FLIGHT
STRATOSPHERE「FIRE FLIGHT」(2010)

MADISON、YNGWIE MALMSTEEN、GLORY、STREET TALKなど数多くのバンド/プロジェクトを渡り歩いてきたミスター北欧ボイスGoran Edman(Vo)を擁するSTRATOSPHEREの1stアルバムを買いました。D.C. Cooper(Vo)が一時復帰して来日したROYAL HUNTの新加入ギタリストJonas Larsenが在籍しているバンドでもあるようで、僕はJonasのことを調べる中でこのバンドのことを知りました。しかしこのバンドの中心人物はGoranでもJonasでもなくキーボードプレイヤーJeppe Lundのようです。バンド名からして北欧らしさ溢れるこのSTRATOSPHEREが追求しているのは絵に描いたような北欧メタルでROYAL HUNTのデビュー作「LAND OF BROKEN HEARTS」(1993)を感じさせる部分もありますね。所謂メロパワの影響は希薄なサウンドであるため楽曲自体に派手さはありませんが、北欧ならではの美旋律に浸ることのできる作品だと思います。特にバラード⑧Princess Of The Nightなどは僕のツボを的確に突いてくれますね。

【CD購入録】WUTHERING HEIGHTS「SALT」(2010)

  • 2011/05/09(月) 00:00:00

【CD購入録】
SALT.jpg
WUTHERING HEIGHTS「SALT」(2010)

鬼才Erik Ravn(G、Key、B)率いるデンマーク産のフォーキーでクサいメロディックメタルバンドWUTHERING HEIGHTSの5作目を買いました。このバンドはNils Patrik Johnsson(Vo/ASTRAL DOORS、LION'S SHARE、ex-SPACE ODYSSEY)が加入した3rd「FAR FROM THE MADDING CROWD」(2003)から聴いていて、本作もErikが生み出す濃密な音世界をPatrikが圧倒的な存在感を放つ歌唱で表現した1枚となっています。僕はASTRAL DOORSをデビュー作しか聴いたことがなく、他のPatrik関連のバンドもSPACE ODYSSEYくらいしか知らないのでPatrikといえばWUTHERING HEIGHTSという印象です。それにしても本作はこのバンドらしく曲の展開が目まぐるしいですね。圧巻は大作⑨Lost At Seaで16分間の9割方が熱いメタルとなっています。もう少しキャッチーなメロディが欲しい気もしますが、しばらくは暑苦しく混沌としたWUTHERING HEIGHTSワールドに身を委ねようと思います。

【CD購入録】ANDERSEN/LAINE/READMAN「Ⅲ」(2006)

  • 2011/04/26(火) 00:00:00

【CD購入録】
ANDERSEN LAINE READMAN THREE
ANDERSEN/LAINE/READMAN「Ⅲ」(2006)

2004年にSteen Mogensen(B)Jacob Kjaer(G)が同時期に脱退したため活動が頓挫してしまったROYAL HUNTの総帥Andre Andersen(Key)Paul Laine(Vo/ex-DANGER DANGER)と組んだプロジェクトにDavid Readman(Vo/PINK CREAM 69)が加わることで誕生したANDERSEN/LAINE/READMANの1stアルバムを買いました。Andreが手がけた本編全10曲をPaulとDavidがデュエットはせず1曲ずつ交互に歌うという作風で、Andreの2ndソロ「BLACK ON BLACK」を下地にキーボードサウンドはROYAL HUNT「PAPER BLOOD」(2006)っぽい部分もあるので、やはり「別のシンガーが歌うROYAL HUNT」のように聴こえますね(その大きな要因はKenny Lubkeのバッキングボーカルにあると個人的には思っています)。ただ、ROYAL HUNTを連想させるということは一定レベル以上のクオリティを誇る作品ということだし、似ているとはいえ全曲が3~4分台とコンパクトかつシンプルに纏められていたり、曲によってはブルージーな側面も垣間見ることができたりするなど相違点も若干あります。現在のお気に入りはDavidが歌うメロディアスチューン⑥Don't Need A Thingかな。ちなみに日本盤ボーナス⑪Another MeはAndreが全く関与していないPaul作のポップソングで、本編の曲とかなり印象が異なるものの佳曲だと思います。

【ニュース】正式発表!ROYAL HUNTにD.C. Cooper(Vo)が一時復帰してツアーを敢行!

  • 2011/02/05(土) 00:00:00

僕がネット上で噂を目にしてから約1週間、ついにオフィシャルサイトD.C. Cooper(Vo)ROYAL HUNTに一時復帰してツアーを行うことが発表されました!しかもその内容は僕のミュージックライフの中でも神盤として輝く4th「PARADOX」(1997)を再現した第1部とD.C.在籍時代のベスト選曲による第2部という構成になるとか。ビデオテープが擦り切れるほど見まくった「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER~」(1998)収録時と同じ構成のライブが見られると思うと今からワクワクします。

マサ伊藤さんがラジオ番組POWER ROCK TODAYでこの件に触れたということだったので確実性が高いのかと思いきや、「それはないみたいですよー」との情報もあったのでヤキモキしていましたが、本当にD.C.が復帰するんですね(嬉)!今回の復帰はファンやプロモーターの要望に応えた一時的なものということなので、現在のリードボーカルMark Boalsはどうするのかなと思って調べてみたら、いつのまにかSEVEN THE HARDWAYなるバンドを結成してました…。メンバーにはTony Macalpine(G)、Virgil Donati(Ds)といったRING OF FIRE絡みのメンバーが名を連ねていて昨年にアルバムもリリースしているようです。

またD.C.の一時復帰と併せてMarcus Jidell(G)がスウェーデンのプログレメタルバンドEVERGREYに加入するため脱退したことも発表されています。Marcusといえば、長きにわたりROYAL HUNTを支え続けたSteen Mogensen(B)Jacob Kjaer(G)がほぼ同時に脱退し、流石にAndre Andersen(Key)の頭にも「解散」の2文字が浮かんだであろうその時にROYAL HUNTに加入し、バンドを救ったと言っても過言ではないプレイヤーだっただけに残念ですが彼の更なる活躍に期待したいです。ありがとうMarcus。

Marcusの後任にJKも復帰なんてことになれば更に嬉しいのですが、とにかく今後発表される来日メンバーとツアー日程を楽しみに待ちたいです。仕事と家庭のスケジュール調整をつけて何としても観に行かねば!来日スケジュールも発表されましたね。大阪は4月26日(火)の平日か…。参戦するならスーツですね。

「PARADOX」のハイライト曲Time Will Tell(Live Version)

【ニュース】ROYAL HUNTにD.C. Cooper(Vo)が復帰しての来日決定!?

  • 2011/02/01(火) 00:00:00

このブログでニュース記事を更新する際は公式サイトなどの情報源と一緒に書くようにしているのですが、今回は例外的に記事にしてしまいました。

ROYAL HUNTに2代目シンガーD.C. Cooperが期間限定で復帰しての来日決定!

これはビッグサプライズ!
まだオフィシャルサイトでの発表はないようですが、マサ伊藤こと伊藤 政則さんが自身のラジオ番組「POWER ROCK TODAY」でこのニュースを発表したといくつかのブログさんで記事にされていますね。

これが本当なら嬉しすぎます。年間ベスト記事アルバム部門に1996年1997年1998年2001年2008年の計5回(D.C.在籍時には3年連続)もROYAL HUNTの作品を挙げている僕にとってROYAL HUNTは特別な存在だし、その中でもD.C.在籍時代は別格です。噂によると来日は4月で大阪公演もあるとか…。
この件については僕もオフィシャルサイトをこまめにチェックしていくつもりですが実際にPOWER ROCK TODAYを聞かれた方、その他情報をお持ちの方はコメント欄にソースとあわせて情報をいただければ有難いです。よろしくお願いします!

興奮気味でスミマセン…。

ROYAL HUNT「X」(2010)

  • 2010/06/06(日) 00:00:00

X.jpg
【No.239】
★★★(2010)

制作段階から70年代風のサウンドになるとAndre Andersen(Key)が語っていたROYAL HUNTの10作目。アルバムタイトルはシンプルに「X」(テン)となっています。僕は「新鮮味があるのに越したことはないけれど、Andreらしい哀メロが堪能できるならマンネリズムも大いに結構」という盲目的ファンなので、期待だけでなく不安も少々感じながら聴いた作品です。従来のROYAL HUNTにはあまりない要素を盛り込んだ作品がどうなるのか注目していたのですがAndreがオルガンサウンドを使う場面が増えていたり、Marcus Jidell(G)が加入して1作目にあたる8th「PAPER BLOOD」での速弾き主体のスタイルとは一味違う渋いギタープレイを聴かせたりしているものの、曲が流れてきた時点でROYAL HUNTだとわかるほど楽曲の根っこの部分は「らしい」1枚となっているように思います。7th「EYEWITNESS」の時もそうでしたが、Andreが曲を書けばROYAL HUNTらしく聴こえるものなんですね。

そんな本作はコンセプトアルバムではないものの①Episode X(Arrival)、⑪Episode X(Departure)というイントロ/アウトロがアルバム本編の楽曲を挟むという形になっています。楽曲そのものはROYAL HUNTらしいものではあるのですが、一聴して耳に残る歌メロは⑤Army Of Slavesくらいだったので聴き始めの頃は地味な印象が強い作品でした。その要因はイントロ後に②End Of The Line、③King For A Dayといった派手さが希薄なミディアムチューンを配したことでしょうか。アルバムの掴みとしては弱いところもある本作で僕が気に入っているのは中盤以降ですね。緊張感ある間奏が聴きどころの④The Well、本作随一のキャッチーメロディが冴える前述の⑤、カントリーっぽく始まり前作でも美声を披露してくれていた女性シンガーMichelle Raizinのソロパートが良いアクセントとなっている⑥Shadowman、LOUD PARK 09でも演奏された渋めのハードロック⑦Back To Square One、美旋律をドラマティックに聴かせる⑧Blood Red Star、儚いメロディにホロリとさせられる⑨The Last Leafと佳曲が続きます。そして4th「PARADOX」のエンディング曲It's Overを彷彿とさせるサビとバンド初期作品でよく聴かれたヘイヘイコーラスがROYAL HUNTらしさを主張する本作唯一のアップテンポ⑩Falling Downから曲間を空けず⑪に繋いで締める展開には、ついリピートを誘われますね。

加入後2作目となるMark Boals(Vo/ex-YNGIWE MALMSTEEN、RING OF FIRE etc)の歌唱もトレードマークであるハイトーンを必要最小限に抑え、前作で開眼したという中低音域の旨みが活かされています。ただ本作の音楽性であれば前任者John Westのソウルフルな歌声で聴いてみたかったような気もしますが。1995年からHR/HMを聴くようになりネオクラシカルサウンドに思い入れの強い僕としては、本作最大の特徴であるアナログ機材を使ってオールドスタイルのハードロックを追求しているという点にさほど心ときめかないというのが正直なところですが、これまでとは若干異なるアプローチでAndre節が楽しめる作品として愛聴しています。

【音源紹介】
・The Well

ROYAL HUNT「2006 LIVE」(2006)

  • 2010/06/02(水) 00:00:00

2006 LIVE.jpg
【No.238】
★★★★(2006)

発売から10年以上が経過した今でも愛聴しているライブ盤「1996」から10年の時を経てリリースされたJohn West(Vo/ARTENSION)が歌うROYAL HUNTとしては初のライブアルバム。「1996」と同じ2枚組仕様の本作はAndre Andersen(Key)の故郷ロシアはサンクトペテルブルグ公演の模様が収められDVDも同時リリースされています。正直なところ7th「EYEWITNESS」以降、孤高の輝きが弱まってきた感もあったROYAL HUNTですが、こうして各アルバムから満遍なくグレイテストヒッツ的に名曲の数々をプレイされると、やはり素晴らしいバンドだと実感せずにはいられませんね。思わず2枚組CDだけでなくDVDも買ってしまいました。

スタジオヴァージョン以上にカッコよくなっている最新作のタイトルトラックDisc-1①Paper Bloodに続いて早くも名曲Disc-1②Timeが登場する冒頭の2曲で一気にテンションが上がります。喉の調子が心配されたJohnもパワフルで伸びやかな歌声を聴かせていて、自身が加入した5th「FEAR」以降の楽曲は勿論ROYAL HUNTクラシックスも自らの持ち味を加えて見事に歌いこなしています。個人的ハイライトはDisc-2①Martial Arts~②Surrender~③Running Wildですね。そしてライブを締めくくるのはバンドの代表曲Disc-2⑧Epilogue。この曲を演奏する前にAndreがロシア語で「しばらくの間にいろいろあったが残留したメンバーもいる…ジョン・ウェスト」と述べてJohnを紹介するシーンと、曲の終了後にAndreとJohnがガッシリ抱擁する姿には目頭が熱くなりますね。この10年間で栄光と解散の危機という苦悩を味わったバンドのリーダーAndreが奏でる「あのピアノイントロ」が流れてきた瞬間、僕のミュージックライフにおける重要曲のひとつである名曲Epilogueと出会ってから15年以上も経ったのかと感慨にふけってしまいました。

ちなみにDVD盤には1曲(「PAPER BLOOD」のインストSK983)多く収録されています。これはインストを元にした各プレイヤーのソロパートで、ショルダーキーボードを手にしたAndreがMarcus Jidell(G)とじゃれ合いながら弾きまくるシーンからバンド状態の良さが伝わってきますが、これは映像あってこそだと思うのでDVDにのみ収録したのは正解かと。DVD盤を見ると新加入のMarcusとPer Schelander(B)はすっかりバンドに溶け込んでいるようで、2人のステージ上での華やかさとルックスが目を惹く一方でKenneth Olsen(Ds)のポッコリお腹に切なさと時の流れを感じますね。「FEAR」収録のバラードDisc-1⑦Follow Meが1コーラスだけで終わって物足りないとかDisc-1⑧Cold City Lightの掛け合いでの煽り方がイマイチだとか、女性コーラスがMaria McTurk1人になったためバックコーラスの厚みが減ったなど気になる点もありますが全体の完成度からしてみれば些細なことなので、実力派バンドROYAL HUNTのステージングを存分に楽しめる作品となっています。残念ながらJohnは2007年にバンドを脱退してしまいましたが、John West時代の優れたライブパフォーマンスを収録したお薦め作品であり、「1996」と並んでROYAL HUNT入門盤には最適だと思います。

【音源紹介】
・The Mission(Live)


・Epilogue(Live)

ROYAL HUNT「PAPER BLOOD」(2005)

  • 2010/05/29(土) 00:00:00

PAPER BLOOD.jpg
【No.237】
★★(2005)

ROYAL HUNTからSteen Mogensen(B)とJKことJacob Kjaer(G)が脱退」というニュースは僕を含めたファンだけでなく、BURRN!誌のインタビューで「シンガーとドラマーのメンバーチェンジはよくあるが、SteenとJKはファミリーだ」と語っていたAndre Andersen(Key)にとっても大きな衝撃だったであろう「事件」でした。バンドの重要メンバーが相次いで脱退し、解散の危機に直面したROYAL HUNTでしたがAndreとJohn West(Vo/ARTENSION)が見事にそれを乗り越えて作り上げた8作目です。本作のベースはAndreが兼任、気になるギタリストにはスウェーデン出身のMarcus Jidell(ex-JEKYLL & HYDE、THE RING)なる人物を迎えています。そのMarcusですがタイプとしてはネオクラシカルな速弾きスタイルでJK以上のアグレッションを持ちつつ、僕の心を震わせてくれるフレージングも披露してくれていてバンドに新たなエネルギーをもたらしてくれています。

多様性が目立った前作「EYEWITNESS」とは違い、今回はROYAL HUNT本来の叙情味溢れるメロディックメタルに焦点を絞り、それでいてこれまで以上にパワフルな仕上がりとなっています。Marcusのプレイに触発されてか、Andreがスピードチューン①Break Your ChainsのイントロからしてVitalij Kuprij(Key/ARTENSION)っぽい電子音でこれまでにないほどピロピロと弾きまくっているのが印象的ですね。①の勢いを引き継いで美しいボーカルハーモニーから曲がスタートする②Not My Kind、ROYAL HUNTの真骨頂ともいえるナンバー④Never Give Upやタイトル曲⑧Paper Bloodなど疾走曲の割合が多く、それ以外にもドラマティックな⑤Seven Days、パワーバラード⑨Season's Changeなど「おっ」と身を乗り出す場面は存在するものの、過去の作品で僕を魅了してくれたメロディに以前ほどの凄みが感じられないというのが正直な感想です。John Westという超絶シンガーを擁しているのにボーナストラックを除く全10曲中3曲がインストで、そのどれもが平均的な出来というのも惜しいですね。このインスト曲の多さはJohnが喉の治療後だということに関連しているのかもしれませんが…。そういえば歌の上手さは相変わらずながら、マイルドだったJohnの声質が若干ざらついた感じになっているように思います。

本作に関しては解散の危機を無事に乗り切ってくれたということを喜びつつも、天才メロディメイカーAndreの実力はまだまだこんなものではないはずという気持ちが残ります。客観的に見れば、一定水準を超えた作品ではあるのですが、ROYAL HUNTは僕にとっての最重要バンドのひとつなだけにハードルが高くなってしまうんですよね。あと、このジャケットはちょっと…。元々ジャケットに定評のあるバンドではありませんでしたが、本作の迷ジャケ振りは2nd「CLOWN IN THE MIRROR」を超えたかもしれません(苦笑)。

【音源紹介】
・Never Give Up(Live)

ROYAL HUNT「EYEWITNESS」(2003)

  • 2010/05/23(日) 00:00:00

EYEWITNESS
【No.236】
★★★(2003)

「新作はニューメタルやジャズ、ゴスペルなどの要素を取り入れ、これまでと違う作風になる」とAndre Andersen(Key)がコメントをしていたため、期待よりも不安の方が大きい中で購入したROYAL HUNTの7thアルバム。いざ本作を聴いてみると、パイプオルガンをバックにJohn West(Vo/ARTENSION)が深みのある歌声を響かせる様が教会の荘厳なイメージを連想させるゴスペル調③The Prayer、ピアノやサックスのサウンドがジャジーな空気を生み出している⑥Wicked Lounge、これまでになくモダンなアレンジで迫る②Can't Let Go、④Edge Of The World、⑧Help Us Godなど、確かにAndreの言う新しい要素は含まれてはいるものの、その根底に流れるのはこのバンドがこれまでに聴かせてくれたメロディック・メタルサウンドで一安心という感じです。

そんな新機軸と呼べる楽曲を含んでいる一方で①Hunted、⑤Burning The Sunなど従来路線のナンバーも健在で、多様性はあれど結果的にはどこを切ってもROYAL HUNTらしいアルバムといえそうです。ただ初期に比べるとネオクラシカル色は確実に薄くなっていて、それと反比例するようにJacob Kjaer(G)のエモーショナルプレイの旨みがどんどん増してきているのが特徴ですね。バンド史上初めて同一シンガーで制作した3枚目のアルバムということもあってか、Johnのボーカルとバンドのフィット具合が一段と増していてROYAL HUNTが円熟期を迎えたと感じさせてくれる1枚でもあります。③、⑥などはソウルフルなフィーリングを持ち合わせたJohnあってこその楽曲ですね。

気になるのは過去のアルバムには必ず存在していたキラーチューンがないことでしょうか。⑤などはかなりいい線を行っているとは思うのですが、もう一押し突き抜けた感覚が欲しいというのが正直なところです。本編ラストのタイトルトラック⑩Eye Witnessもメロウな冒頭部分から徐々に曲が盛り上がってきてJohnのハイトーンが炸裂して「さぁ、ここからだ」というところでレコードの針が壊れたような効果音が入って曲が唐突に終わってしまうためモヤモヤ感が残ってしまいます。曲が良いだけに勿体ないですね。その後を非常に美しいバラード⑪Day Is Dawning(日本盤ボーナス)で締めくくってくれているので聴後感は悪くないし、全体を通して聴いて良いアルバムだと感じることはできるものの音楽性の幅を広げた反面、小粒な楽曲が並び大きく盛り上がるハイライトがないままに終わってしまっている感もあります。といっても本作が僕好みのメロディックメタル作品であるということは間違いなく、上に挙げた不満点についてもROYAL HUNTだからこそ要求してしまう贅沢な希望なんですけどね。

【音源紹介】
・Edge Of The World

ANDRE ANDRESEN「BLACK ON BLACK」(2002)

  • 2010/05/14(金) 00:00:00

BLACK ON BLACK
【No.235】
★★(2002)

ROYAL HUNTの首領Andre Andersen(Key/ROYAL HUNT)の2ndソロアルバム。前作はROYAL HUNTファミリーを中心に複数のメンバーが参加していましたが今回は実力派シンガーのIan Parry(Vo/ELEGY)を迎え、ギタリストにはROYAL HUNTのデビュー前にWITCHCROSSなるバンドでAndreと活動を共にしていたRene Rieland、ドラマーには1stソロ「CHANGING SKIN」にも参加していたKaj Laegeという固定メンバー(ベースはAndre本人が演奏、バッキングボーカルに前作でリードボーカルを務めた元NARITAKenny Lubckeが参加)で制作されています。肝心の音楽性はファーストソロ同様ROYAL HUNTタイプのメロディックメタルを基本にストリングスやオルガンサウンドが本家以上に使われていて、レイドバックしたハードロック風になったように感じます。ROYAL HUNTとソロの境界線は相変わらず曖昧ですが、考えてみればAndreこそがROYAL HUNTのブレインなのでソロで異なる音楽性になる方がビックリなわけで、その辺はあまり気にしないようにすると結構楽しめますね。

①Coming Home、⑤Life、⑧Sail Awayのようなメタリックな曲から、Andreらしいもの悲しくもキャッチーなミドルチューン②Tell Me Why、本家とは質感の異なるダークなムード漂う④Desperate Time、⑥Black On Blackもありインストもスピーディーな③Arenaとチェロサウンドをフィーチュアした⑦Eclipseの2曲が収録されているので、前作以上にメリハリのあるアルバムになっています。それにしても凄いのはIan Parryのシンガーとしての存在感。こんな優れた歌い手がこのところあまり表舞台に出てこないなんて、本当に勿体無いとしか言いようがありません。

必要以上に曲を長くしたことで間延び感があった前作と比べて今回は長くても6分台とコンパクトにまとまっているしAndreのソロ作品なので一定レベル以上のものではあるものの、本作の収録曲からは彼が過去に生み出した楽曲にあったような圧倒的なインパクトを感じられないように思います。実際、本作よりもROYAL HUNTの過去のアルバムを聴くことの方が多いんですよね。良いアルバムだとは思いながら、のめり込むところまでは至らない1枚という感じでしょうか。あと、前作に負けず劣らずイマジネーションを全く刺激しないジャケットもイマイチですね。

【音源紹介】
・Black On Black

ROYAL HUNT「THE WATCHERS」(2001)

  • 2010/05/09(日) 00:00:00

THE WATCHERS.jpg
【No.234】
★★(2001)

名盤「THE MISSION」から僅か4ヵ月のインターバルでリリースされたROYAL HUNTの企画盤。レコード会社は先行ミニアルバムの「INTERVENTION」、6thフル「THE MISSION」と本作をまとめて3部作として売り出していますが、これら3作品の間にストーリー性は全く感じられません。本作の内容は先行ミニ「INTERVENTION」では途中で終わっていたInterventionという曲が完全版(14分)とラジオエディット版(6分)という形で収録されている他、ヨーロッパツアーからの音源4曲とJohn West(Vo/ARTENSION)のボーカルによってリ・レコーディングされたデビュー作とセカンドアルバムのナンバーを2曲ずつ収録しています。

本作のリーダートラック的存在であり14分と長丁場の①Interventionは6分もあるイントロを過ぎれば叙情メロディが楽しめるROYAL HUNTとしては平均的な曲で、僕はスマートな仕上がりとなっているエディット版の方が気に入っています。そんな僕にとって本作の目玉は⑥One By One、⑦Clown In The Mirror、⑧Day In Day Out、⑨Legion Of The Damnedといったリメイク曲です。全体的にテンポが遅くなっているので、オリジナルが疾走曲だった⑧は違和感がなくもないですが、Johnの素晴らしい歌唱と2001年版ROYAL HUNTによるソリッドでシャープなサウンドプロダクション、そして今やバンドには欠かせない声となっているKenny Lubcke(Vo/ex-NARITA)のバックボーカルによって、新たな生命が吹き込まれた名演となっていて良いですね。特に⑥、⑧は初代ボーカルHenrick Brockmannバージョンしか聴けなかったのでファンとしては嬉しい限りです。

②Lies、③Flight、④Message To God、⑤Epilogueのライブ音源4曲に関しては、2枚組ライブ盤「2006 LIVE」がリリースされた今となっては③以外の収録曲がダブっているのであまり聴くことはなくなりましたが、「2006 LIVE」を買うまではよくリピートしていました。それにしてもJohnはライブでも余裕があって丁寧な歌い方をしていますね。安定感抜群なのでライブならではの熱気に欠けるきらいはあるものの、その歌唱力には惚れ惚れします。リメイクされた4曲は流石の出来栄えですが、①がROYAL HUNTにしては可もなく不可もない楽曲だと思っている僕にとっては熱心なファン向けの企画盤という印象です。ちなみに3部作の第1作目「INTERVENTION」はInterventionの前半部分のみバージョンと本作と同じライブテイクの②、③という3曲がダブっている他、Follow Me(「FEAR」収録)のアコースティックバージョン、ブルージーな未発表曲U-Turnとい内容で、このアルバム以上にマニア向けの1枚と言えるでしょう。

【音源紹介】
・Intervention(Radio Edit)

【CD購入録】RAUNCHY「DEATH POP ROMANCE」(2006)

  • 2010/05/07(金) 00:00:00

【CD購入録】
DEATH POP ROMANCE
RAUNCHY「DEATH POP ROMANCE」(2006)

「ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」をしてしまったデンマーク産メロデスバンドRAUNCHYの3作目。いやぁ、素敵すぎるタイトルですね「デス・ポップ・ロマンス」。ライナーノーツではこのバンドをフューチャー・ハイブリッド・メタルと呼んでいるようで、確かに近未来的な音使いで楽曲を彩るキーボード、メロデスを基盤にメタルコア、エモ/スクリーモ、NU METALなど90年代メタルをハイブリッド(混合)させた彼らのサウンドにはピッタリの表現かもしれませんね。大きくカテゴライズすると、清濁を織り交ぜたボーカルが歌うエクストリームメタルなので個人的にはSOILWORKの4th「NATURAL BORN CHAOS」(2002)、5th「FIGURE NUMBER FIVE」(2003)を思い出しました。本家SOILWORKの近作で感じた楽曲の類型化という課題は本作の前にも立ちはだかっているようで、もう少し曲にバリエーションが欲しい気もしますが、収録曲の中に「おっ」と思わせるメロディはあるし、WHAM!の名曲⑪Last Christmasをカバーする着眼点は面白いと思うので、そのポップセンスに益々磨きをかけてもらいたいですね。