【CD購入録】PLACE VENDOME「THUNDER IN THE DISTANCE」(2013)

  • 2017/03/11(土) 00:00:00

【CD購入録】
THUNDER IN THE DISTANCE
PLACE VENDOME「THUNDER IN THE DISTANCE」(2013)

今年の2月に最新作4th「CLOSE TO THE SUN」をリリースしたPLACE VENDOMEの3作目を買いました。もともとFRONTIERS RECORDSの社長Serafino Pergino発案の「Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)が歌うAORプロジェクト」というアイデアから誕生したこともあって今回もレーベル所縁のソングライター達による良質の楽曲群をMichaelが朗々と歌い上げています。作曲の中核を担っているのはLIONVILLEなどで活動するAlessandro Del Vecchio(Key)で収録曲の約半数を手がけているほか、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR etc、ex-LAST TRIBE)、Timo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS etc)といった著名ライターも1曲ずつを提供しています。作品を重ねる度に音楽性がソフトになっきているのはMichaelが歌う「バンド」UNISONICとの差別化を図るためでしょうか。心地よく聴ける作品なのは間違いないし、王道的バラード⑤It Can’t Rain Forever、軽快なアップテンポ⑧Never Too Late(UNISONICに同名異曲が、PLACE VENDOMEの1stにはToo Lateという曲が収録されていましたね)、Magnus Karlssonらしいメロディが楽しめる⑪Break Out辺りは好きな曲ですが全体的にもう少しパンチが欲しいような気もしますね。といいつつ、気がつけばリピートしている1枚です。

【CD購入録】TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

  • 2013/06/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE LAND OF NEW HOPE
TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)らと一種のスーパーバンドSYMFONIAを結成したものの、僅か1枚で解散したばかりか音楽業界からの引退をも示唆するコメントを発表したTimo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS)でしたが、FRONTIERS RECORDS社長Serafino Perginoから多くのゲストを迎えたメタルオペラ・プロジェクトの提案を持ちかけられ誕生したTIMO TOLKKI'S AVALONの1stアルバムを買いました。プロジェクト名からしてTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAを連想せずにはいられませんが、ゲストを見てみるとMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Sharon Den Adel(Vo/WITHIN TEMPTATION)、Elize Ryd(Vo/AMARANTHE)、Russell Allen(Vo/SYMPHONY X、ADRENALINE MOB)、Rob Rock(Vo/DRIVER、ex-IMPELLITTERI)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS) 、Derek Sherinian(Key/BLACK COUNTRY COMMUNION、ex-DREAM THEATER)、Alex Holzwarth(Ds/RHAPSODY OF FIRE)といった顔ぶれでAVANTASIAに参加していた人もチラホラ、というかシンガーではElyzeとTony以外はAVANTASIAファミリーですね。歌っている比率を踏まえるとTolkkiとElyze、Rob Rockを基本メンバーとしたプロジェクトと言えるかもしれません。内容の方はAVANTASIAがメタルオペラを名乗っていた初期2作品ほどメロパワ一辺倒ではなく、その後の「THE SCARECROW SAGA」を歌ものメタルっぽくした感じでしょうか。ライナーノーツによると、Tolkkiがこのプロジェクトのために書き上げたストーリー「THE LAND OF NEW HOPE」は3部作を予定しているそうなので、 アルバム契約が4枚分あったというSYMFONIAを投げ出した前科があるTolkkiですが(苦笑)今回は完結まで頑張ってもらいたいですね。

SYMFONIA「IN PARADISUM」(2011)

  • 2013/06/21(金) 00:00:00

IN PARADISUM
【No.380】
★★★(2011)

契約や金銭面、人間関係がもつれにもつれた結果STRATOVARIUSを脱退して新バンドREVOLUTION RENAISSANCEを誕生させたもののアルバム3枚をリリースしたのみで解散してしまったTimo Tolkki(G)Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)と新たに結成したSYMFONIAの1stアルバム。TolkkiとAndreの脇を固めるのは長きに渡ってSTRATOVARIUSの屋台骨を支えてきた実績を持つJari Kainulainen(B/ex-STRATOVARIUS)SONATA ARCTICAでの活動で注目を集めて以降、複数のバンドを渡り歩いてきたMikko Halkin(Key/ex-SONATA ARCTICA etc)GAMMA RAY、HELLOWEENというメロディック・パワーメタルの大御所2バンドでのプレイ経験もあるUli Kusch(Ds/ex-GAMMA RAY、HELLOWEEN、MASTERPLAN etc)という豪華な顔ぶれです。僕のようなメロパワファンにとっては一種のスーパーバンドと言えますが、かつては第一線で活躍していたものの名前を久し振りに聞いた人もいるので冷静になってみると、その当時Tolkkiが声を掛けやすかったメンバーを揃えた感が無きにしも非ずだったりします。

REVOLUTION RENAISSANCEでは、これまでとは異なる音楽性を模索していた印象がありましたが本作はプレイボタンを押した瞬間にメロパワの王道、というかTimo Tolkkiの音世界へと引き込まれます。正直なところ、まんまTolkki在籍時STRATOVARIUSのサウンド(主に5th「EPISODE」~8th「INFINITE」)なのでMatias Kupiainen(G)加入後、ややプログレッシブに音楽性が変わった今のSTRATOVARIUSよりもメロパワファンの受けは良いかもしれません。ただ、いかにもTimo Tolkkiらしい楽曲のオンパレードといってもその焼き直し度がかなり高いんですよね。オープニングの①Fields Of AvalonからしてSTRATOVARIUSのGlory Of The World(「INFINITE」収録)だし、タイトルトラック⑦In ParadisumはSTRATOVARIUSのSoul Of A Vagabond(9th「ELEMENTS PART1」収録)、REVOLUTION RENAISSANCEのRevolution Renaissance(1st「NEW ERA」収録)など、一聴して具体的な曲名が思い浮かぶものもあるほどです。そしてAndreの歌声もSHAMAN時代からそうだったようにANGRAにいた時のような声の透明感は減退しているので、メンバー各人の力が融合して作品に好影響を与えるといったケミストリーは希薄と言わざるを得ません。

そんな気になる点がありつつも(Tolkki在籍時の)後期STRATOVARIUSやREVOLUTION RENAISSANCEに比べると僕好みのサウンドである本作を愛聴しているのも事実で、①以外にもヘヴィなギターリフから始まる③SantiagoやTolkki節全開で高揚感に溢れた⑤Forevermoreなどこの手のバンドに求められる疾走曲はしっかり聴かせてくれるし、Hunting High And Lowタイプのキャッチーメタル、抒情的なメロディが胸に沁みるバラードに長編ナンバーと楽曲のバリエーションも一通り押さえていますね。メロディック・パワーメタルというジャンルが好きで、過去の焼き直しがあっても気にならないなら聴いて損はしないと思います。個人的にはTolkkiがここまで分かりやすいメロパワの世界に帰って来てくれたことが嬉しいし、本家STRATOVARIUSと分家SYMFONIAという形でシーンを盛り上げてくれることを期待していましたが、残念ながらそれは叶いませんでした。本作リリース後にツアーを敢行したものの、その時点でドラマーのUliは体調不良を理由に不参加、その後にバンドは解散しています。メンバーを見る限り長続きしないかもしれないな…とは思っていましたが予想以上に早い幕切れでしたね。

【音源紹介】
・Forevermore

【CD購入録】REVOLUTION RENAISSANCE「TRINITY」(2010)

  • 2013/06/18(火) 00:00:00

【CD購入録】
TRINITY_20130614121039.jpg
REVOLUTION RENAISSANCE「TRINITY」(2010)

Timo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS)を中心としたメタルバンドREVOLUTION RENAISSANCEの3作目にしてラストアルバムを買いました。前作「AGE OF AQUARIUS」(2009)発表後にメンバーチェンジがあり本作はTolkkiのほか前作から引き続き参加となるGus Monsanto(Vo/ex-ADAGIO)、Bruno Agra(Ds/AQUARIA)、新加入したMagnus Rosen(B/ex-HAMMERFALL)、Bob Katsionis(Key/FIREWIND)といった面々で制作されていて、ちょっとしたスーパーバンド状態(?)となっています。 往年のSTRATOVARIUSほどの充実感はないものの、内省的なミドルチューンがアルバムの大半を占めていた2ndに比べるとHR/HMバンドとしての勢いやキャッチーなメロディが戻ってきているので、すんなりと聴くことができました。その一方で楽曲アレンジの面などで詰めの甘さが感じられますが、この辺りはアルバム発売前にバンドの解散が発表されたことも関係しているのかもしれませんね(レコーディング終了前に解散の話が出ていたのかな?と思ってみたり)。

【CD購入録】REVOLUTION RENAISSANCE「AGE OF AQUARIUS」(2009)

  • 2013/06/15(土) 00:00:00

CD購入録
AGE OF AQUARIUS
REVOLUTION RENAISSANCE「AGE OF AQUARIUS」(2009)

STRATOVARIUS脱退後にTimo Tolkki(G)が結成したREVOLUTION RENAISSANCEの2作目を買いました。前作「NEW ERA」(2008)は本来STRATOVARIUSの新作となるはずだったマテリアルをMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)、Tobias Sammet(Vo/EDGUY、AVANTASIA)、Pasi Rantanen(Vo/ex-THUNDERSTONE) の3人が歌っていたこともあり、ソロプロジェクト要素の強い体制だったので正式なバンドメンバーを迎えた本作が真の1stアルバムと言えるかもしれません。今回からシンガーの座についたGus Monsanto(Vo/ex-ADAGIO)の歌を僕は初めて聴いたのですがMike Vescera(Vo/ex-LOUDNESS、YNGWIE MALMSTEEN)ばりの力強さ、Timo Kotipelto(Vo/STRATOVARIUS)のような繊細さを感じさせる歌唱を披露していてまずまず好印象。 ただし楽曲の方は全体的に陰鬱でゴシックっぽい雰囲気が強く、90年代メロパワシーンを牽引してきたTolkkiによるバンドの新作として聴くと肩透かしを食らいますね。そんな中で「ハッ」とさせられたのは本編ラストの⑨Into The Futureでしょうか。といってもメロディが耳に残ったというよりもケルトミュージックやフォークメタルに通じる笛の音がTolkkiにしては斬新に思えたからだったりするのですが…。正直なところ、とっつきにくい作品だと思うので聴き込みが必要になりそうですね。

【CD購入録】SYMFONIA「IN PARADISUM」(2011)

  • 2011/12/03(土) 00:00:00

【CD購入録】
IN PARADISUM
SYMFONIA「IN PARADISUM」(2011)

STRATOVARIUSをゴタゴタ騒動の末に脱退した後、REVOLUTION RENAISSANCEをプロジェクトからバンドに発展させたもののアルバム3枚で解散してしまったTimo Tolkki(G)が新たに結成した新バンドSYMFONIAの1stアルバムを買いました。このバンドの注目ポイントは何と言っても、その参加メンバー。キーパー時代のHELLOWEENでメロディックメタルに魅了され、その後も長きにわたり愛聴している身としてはAndre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)、Jari Kainulainen(B/ex-STRATOVARIUS)、Mikko Halkin(Key/ex-SONATA ARCTICA etc)、Uli Kusch(Ds/ex-HELLOWEEN、MASTERPLAN etc)というメンツは一種のドリームバンドと呼びたくなるほどですね。中身の方もその顔ぶれから想像できるメロパワの王道を行く内容だとは思うのですが、Timoがこれまでに生み出してきた名盤に比べると物足りなさを感じるのも事実。普通に楽しめる手堅い1枚ではあるけれど、このメンバーだからこそのマジックを感じるには至らないというか…。客観的に見れば平均水準以上だとは思うんですけどね。Timoの後任にMatias Kupiainen(G)を迎えた新体制として2枚目、通算13作目となる「ELYSIUM」を発表した本家STRATOVARIUSと比較するとメロパワらしさでは本作、全体的な満足度ではあちらに軍配が上がるという感じです。

(追記)
BLABBERMOUTH.NETによるとTimo Tolkkiが自身のFACEBOOKで音楽業界から引退するかのようなコメントを出しているようですね。STRATOVARIUS在籍時から彼は躁鬱病を患って、その極端な言動は以前から見受けられていたので今回の声明も本心かどうか疑問ですがTimoの今後の動向が気になるところです。

【ニュース】メロパワ界のスーパーバンド(プロジェクト?)SYMFONIAの音源

  • 2011/02/19(土) 00:00:00

Timo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS、REVOLUTION RENAISSANCE)
Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)
Jari Kainulainen(B/ex-STRATOVARIUS)
Mikko Halkin(Key/ex-SONATA ARCTICA etc)
Uli Kusch(Ds/ex-HELLOWEEN、MASTERPLAN etc)
という豪華メンバーが結成したSYMFONIAのデビュー作「IN PARADISUM」(3月23日発売予定)より、タイトルトラックの音源がYou Tube上にアップされていました。

In Paradisum


いきなり荘厳なコーラスから始まりAndreが歌うバラード調から疾走パートへ。ソロではMikkoがピロピロと弾きまくり、後半は子供の語りから優しげに歌うAndreが徐々に盛り上げていって少し苦しそうな高音域で感動的なメロディを歌い大団円を迎えるという感じです。冒頭のコーラスが曲に何度か登場し、その度に曲調が変わっていく9分台の大作ですね。SYMFONIAではTimoが全曲を書いているのか他のメンバーも作曲しているのかわかりませんが、この曲はTimoによるものだと思います。往年のSTRATOVARIUS(6th「VISIONS」~8th「INFINITE」)に近く、今のSTRATOVARIUSよりもSTRATOVARIUSっぽいと感じるほどです。この曲を聴いているとTimoがSTRATOVARIUS脱退後に結成したREVOLUTION RENAISSANCEの1stアルバムに収録されているRevolution Renaissanceを思い出しました(笑)。いずれにせよメロディックメタルファンとしてSYMFONIA「IN PARADISUM」が3月の注目アルバムであることは間違いないですね。

【アルバムジャケットとトラックリスト】
IN PARADISUM
01.Fields Of Avalon
02.Come By The Hills
03.Santiago
04.Alayna
05.Forevermore
06.Pilgrim Road
07.In Paradisum
08.Rhapsody In Black
09.I Walk In Neon
10.Don't Let Me Go

REVOLUTION RENAISSANCE「NEW ERA」(2008)

  • 2009/05/26(火) 08:21:38

NEW ERA
【No.142】
★★★(2008)

解散の危機を乗り越えてバンド名を冠する11thアルバムを2005年に発表したSTRATOVARIUS。その後、12枚目となる次の作品は「REVOLUTION RENAISSANCE」というタイトルで「VISIONS」(1997)のようなメロディックメタル路線になるという話だったので期待していたら、2008年になってTimo Tolkki(G)が突然バンドの解散を表明。しかもREVOLUTION RENAISSANCEという新バンド(プロジェクト)を結成すると宣言したので驚きも2倍でした。そんなドタバタ劇の末にリリースされた本作は、もともとSTRATOVARIUSの新作用に書かれた楽曲をMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)が5曲、Tobias Sammet(Vo/EDGUY、AVANTASIA)が2曲、Pasi Rantanen(Vo/ex-THUNDERSTONE)が3曲を担当して歌うというプロジェクト的性質の強い作品となっています。

肝心の内容はというとガツンと来るキラーチューンはないものの、「VISIONS」の頃のSTRATOVARIUSを更にわかりやすくキャッチーにした作風なので、僕の中でSTRATOVARIUSに対する情熱が冷めるきっかけとなった「ELEMENTS PART1」よりも断然魅力的です。本作の中では疾走曲と呼べそうな①Heroes、サビメロがやたらと耳に残るミッドテンポ②I Did It My Way、STRATOVARIUSのParadiseHunting High And Lowタイプのポップメタル③We Are Magicといった楽曲をTobias、Kiske、Pasiの順でそれぞれが歌う冒頭3曲、Kiskeの伸びやなハイトーンと気持ちよく揺れるヴィブラートを堪能できる感動のバラード④Angel、これまたKiskeが歌うメロパワチューン⑨Last Night On Earthが気に入っています。本作には名手Jens Johannson(Key)Jorg Michael(Ds)といったSTRATOVARIUSの凄腕プレイヤーが参加していないので、インストパートが淡白な代わりに豪華ボーカリスト陣が華を添えていますね。圧倒的な存在感でTimoの曲をもEDGUY色に染めてしまうTobiasもさることながら、やはりMichael Kiskeは別格です。PasiについてはTHUNDERSTONE時代と声の印象が違うし、与えられた楽曲も3曲中2曲がスローナンバーなのが残念だけど欧州メタルを代表するシンガー2人相手に健闘しています。

①の間奏パートがSTRATOVARIUSのAgainst The Wind(「FOURTH DIMENSION」収録」だったり、⑥Glorious And DevineHELLOWEENWhere The Rain GrowsPowerを彷彿とさせたり、⑩Revolution RenaissanceSoul Of A Vagabond(「ELEMENTS PART1」収録。元ネタはANGRARebirth?)だったりという点が気にならなくもないですが、僕としては許容範囲内ですね。本作がSTRATOVARIUS名義でリリースされていたら「VISIONS」、「INFINITE」の次に好きな作品として挙げるかもしれません。ちなみに日本盤ボーナストラックとして、⑥のTimo Kotipelto(Vo/STRATOVARIUS)バージョンが収録されています。Tobiasが歌う⑥はジャーマンメタル調なのに、同じ曲をKotipeltoが歌うといかにもSTRATOVARIUSらしいナンバーになってるのが印象的でした。やはりTimo Tolkkiの曲をTimo Kotipeltoが歌うことであの「STRATOVARIUSサウンド」が成り立っていたんだと改めて感じました。正式メンバーを揃えてバンドとして本格始動したREVOLUTION RENAISSANCE、後任ギタリストにMatias Kupiainenを迎えて活動を継続させていくSTRATOVARIUSの両方がヨーロピアンメタル界を牽引していく存在になってくれたら嬉しいなぁ。

【音源紹介】
・Last Night On Earth

STRATOVARIUS「STRATOVARIUS」(2005)

  • 2009/05/20(水) 08:01:08

STRATOVARIUS.jpg
【No.141】
★★(2009)

「これ、STRATOVARIUSのアルバムですよね?」というのが初めて聴いた時の率直な感想だったSTRATOVARIUSの11thアルバム。前作「ELEMENTS PART2」発表後にTimo Kotipelto(Vo)Jorg Michael(Ds)が脱退→Miss Kなる女性ボーカルが加入→Timo Tolkki(G)が暴漢に襲撃される→Tolkkiが躁鬱病で入院するなど数々のトラブルを抱えていましたが、最終的にはKotipeltoとJorgがバンドに復帰(Miss Kはレコーディング前に脱退)してリリースされたのが本作です。

このアルバムには疾走曲や突き抜けるメロディもなければ、Jens Johansson(Key)の派手なソロもないし、Jorgのツーバスドラムもありません。僕を含め多くのファンが抱いていたSTRATOVARIUS像は、ここにはほとんどないと言ってもいいと思います。それほど本作はメロディック・パワーメタルというスタイルからかけ離れたサウンドとなっています。だからと言って本作が駄作かというと、そういうわけでもないのがSTRATOVARIUSの底力ですね。やたらとクセになるギターメロディが耳に残るヘヴィロック調の①Maniac Danceはついリピートしてしまうし、従来スタイルに比較的近いメロディックチューン②Fight!!!、③Just Carry Onもあります。アルバム終盤ではいかにもフィンランドのバンドらしいタイトルを持った民謡風バラード⑦The Land Of Ice And Snow、テンポを速くすればSTRATOVARIUSらしい疾走曲になりそうな⑧Leave The Tribe、ラストに相応しい大仰でクサいメロディが味わえる⑨Unitedなども本作のお気に入りとして挙げておきたい楽曲です。

ただメンバー間のトラブルがあって普段よりも注目度が上がっているところに、バンド名そのままズバリのタイトルを付けておきながら、この音楽性というのが腑に落ちないんですよね。「STRATOVARIUS」と名付けられた作品であるにもかかわらず、STRATOVARIUSのアイデンティティ的要素(少なくとも僕が思うところの)を大幅に排除してしまっている何とも言えない1枚。個人的には速弾きのないYNGWIE MALMSTEEN、クワイアのないBLIND GUARDIAN、ギターソロのないARCH ENEMYと例えたくなるような違和感があります。「ELEMENTS」2作品の楽曲(特に疾走曲)で気になったマンネリ感はあまりなく、キャッチーなメロディも確かに存在するので、これがSTRATOVARIUSではなく別のバンドの作品であるならもっと楽しめたかもしれません。これからSTRATOVARIUSを聴くという方は、間違っても本作から入門しないようにしてくださいね(苦笑)。

【音源紹介】
・United

STRATOVARIUS「ELEMENTS PART2」(2003)

  • 2009/05/19(火) 08:42:36

ELEMENTS PART2
【No.140】
★★(2009)

物質の4大要素である火・水・風・土をテーマにした2部作「ELEMENTS」の後編となるSTRATOVARIUSの10thアルバム。前作では典型的メロディックメタルから少し距離を置き、疾走曲以外の側面でアピールするシンフォニックなプログレ風メタル路線へと傾倒していた彼らの2部作の後編は「ELEMENTS PART1」と同時期に曲が書かれたこともあり、前作と似た音楽性となっています。相違点を挙げるなら、本作の方がシンフォニックで大仰なアレンジは控えめになっているところでしょうか。

「ELEMENTS PART1」本編のエンディング曲A Drop In The Oceanラストの波の音を引き継いで始まる①Alpha & Omegaからスタートすることで2作品の連続性を表現したかったのだと思いますが、肝心の楽曲の方が作品の中盤/終盤に配されることで威力を発揮しそうなミッドテンポ大作であるために出だしからつまずいてしまってます。前作のリーダートラックEagleheartタイプの②I Walk To My Own Songで仕切り直した後は、Timo Kotipelto(Vo)の巻き舌シャウトが最後に炸裂する③I'm Still AliveJens Johansson(Key)の超絶プレイがテンコ盛りな⑥Know The Differenceという2つの疾走曲でメロパワファンの心を繋ぎとめつつ、軸足はあくまでもじっくり聴かせる大作系に置くというTimo Tolkki(G)の深遠なる音世界が繰り広げられています。ヒーリング音楽のような浮遊感が味わえる⑦Luminous、綿密に織り込まれたメロディが印象的なプログレタッチの⑧Dreamweaver、今回の2部作を締めくくるに相応しい本編ラストのバラード⑨Libertyなど聴きどころもあるんだけど、やはり前作同様にメロディがどうにも弱いような気がします。

相変わらず高音パートで必死さが滲み出るボーカル(そこが魅力でもあるんですが)を尻目に揺るぎない安定感を見せ付けるインストパートと極上のサウンドプロダクションは一級品ながら、引っかかりなく流れていく楽曲が多いのが気になるんですよね。特に2曲のスピードチューンはSTRATOVARIUSにしては妙に薄味で過去の名曲群に比べると、ただ駆け抜けているだけという印象すら抱いてしまいます。メロパワから次のステージに向かおうとするバンドの姿勢は応援したいし、並のバンドに比べると十分魅力的な作品ではあるもののSTRATOVARIUSにしては物足りなさが残る1枚ですね。数曲のキラーチューン以外は好きになれず、アルバムとしてのお気に入り度が低かったバンド初期作品とはまた別の意味で「ELEMENTS」の2枚は微妙なアルバムでした。

【音源紹介】
・Liberty

STRATOVARIUS「ELEMENTS PART1」(2003)

  • 2009/05/18(月) 08:10:33

ELEMENTS PART1
【No.139】
★★(2003)

出世作「VISIONS」でヨーロピアンメタル勢の中でも抜きん出た存在となり、続く7th「DESTINY」、8th「INFINITE」が本国フィンランドのナショナルチャートで1位(「INFINITE」はゴールドディスクを獲得)に輝くなど、名実ともにトップバンドとなったSTRATOVARIUS。前作「INFINITE」リリース後に、リーダーTimo Tolkki(G)がしばらくバンド活動を休止すると宣言したこともあり3年のインターバル(この間にTolkkiとTimo Kotipelto(Vo)はそれぞれソロ作を発表)を置いて発表された通算9枚目です。本作は地球や人間の要素(エレメント)である火・水・風・土をテーマにした2部作の前編という位置付けで、4大要素の中の「火」と「水」がテーマとなっています。

STRATOVARIUSがHR/HMファン限定のバンドではなく、より幅広い層にアピールできる普遍的な魅力を持ったバンドとなったことを雄弁に物語るオープニングのリーダートラック①Eagleheartを聴いた時点で期待が大きくなったのですが、その後がどうにも続きません。どこを切ってもSTRATOVARIUS印のスピードチューン③Find Your Own Voice、⑤Learning To Flyやテクニシャン揃いのこのバンドらしい激速インスト⑦Stratofortress以外はファンタジックで大仰なミドル、バラードが並んでいて、STRATOVARIUSのトレードマークはフックあるメロディの疾走曲だと考える僕にとっては、とっつきにくい楽曲が多いように思います。リピートしていると、スピードに頼らないSTRATOVARIUSの旨味が感じられる④Fantasia、12分の長さが冗長に思えるものの後半はゴージャスなアレンジで劇的に盛り上がる⑧Elements、ボーカルメロディが胸に染みるバラード⑨A Drop In The Oceanなどが気に入ってきたりもしているんですが、メロディ自体があまり耳に残らないんですよね。

あと気になったのは③、⑤といった疾走曲で顕著なキーの高さ。Kotipeltoの歌唱は自らの限界に挑戦するかのような悲壮感漂うハイトーンが魅力的なこともありますが、流石に③はキーが高すぎて悲壮感を通り越して痛々しいほど。Tolkkiのギターに加えて、このバンドのソロパートには欠かせない存在となった元祖鍵盤魔人Jens Johansson(Key)や一段と存在感を増したJari Kainulainen(B)、Jorg Michael(Ds)の力強いリズム隊を筆頭に演奏陣に余裕が感じられるだけに、ボーカルだけが切羽詰っているというアンバランスさも感じられます。ゴージャスなアレンジと緻密に作り込まれたサウンドからは、ベテランの風格とトップバンドの凄みが感じられる反面、メロディの即効性は過去作品には及ばないため聴き込みを要する1枚かもしれませんね。本作まではこのバンドの新譜が出る度に即買いしていた僕も、次回作はどうしようかなという迷いが出てきた作品でもあります。

【音源紹介】
・Eagleheart

STRATOVARIUS「INTERMISSION」(2001)

  • 2009/05/17(日) 13:19:33

INTERMISSION.jpg
【No.138】
★★(2009)

1994年に3rd「DREAMSPACE」を発表して以降、2000年までの7年間で6枚のスタジオアルバムと2枚組ライブ盤をリリースするというハイペースで走り続けてきたSTRATOVARIUS率いるTimo Tolkki(G)がバンドの活動休止を発表したのが8th「INFINITE」に伴うツアーに出る前のこと。「次のアルバムは2003年頃になるだろう」と明言した上での活動休止だったのでファンとしては心配はしていませんでしたが、バンドが長い休みを取ることを良く思っていなかったレーベル側の要望にバンドが応える形でリリースされたのが本作です。

収録曲はこちら。
【新曲4曲】
01. Will My Soul Ever Rest In Peace?
02. Falling Into Fantasy
03. Courtains Are Falling
04. Requiem
【カバー曲3曲】
05. Bloodstone(JUDAS PRIEST)
06. Kill The King(RAINBOW)(ボーカルはTimo Tolkki)
07. I Surrender(Live)(RAINBOW)
【ボーナストラック集7曲】
08. Keep The Flame(フランス盤「INFINITE」収録)
09. Why Are We Here(日本でのみ発売のベスト「14Diamonds」収録)
10. What Can I Say?(日本盤「INFINITE」収録)
11. Dream With Me(日本盤「DESTINY」および輸入盤のみ発売のベスト「THE CHOSEN ONES」収録)
12. When The Night Meets The Day(日本盤「EPISODE」収録)
13. It's A Mystery(フランス盤「INFINITE」収録)
14. Cold Winter Nights(ヨーロッパ盤「DESTINY」収録)
【ライブ音源1曲】
15. Hunting High And Low(Live)

日本盤のオリジナルアルバムを聴いてきた僕にとっては、全15曲のうち⑩、⑪、⑫を除く12曲が初めて耳にする音源ということになります。まず新曲についてはミッドテンポの①と②、本作の中で唯一の疾走曲③、壮大でシンフォニックなインスト④と、どの曲もまずまずの出来。カバー3曲はオリジナル曲のシンガーと比べると、Timo Kotipelto(Vo)Timo Tolkki(G、Vo)が歌うバージョンではやや物足りないかな。意外な掘出物だったのがボーナストラック集で、このバンドにしては珍しく軽快な曲調の⑨、⑬や⑭など佳曲と呼べそうなものもありました。ただファン心理としては、シングルのカップリング曲(「HUNTING HIGH AND LOW」収録のNeon Light Childなど)がフォローしきれていないのが少し不満かな。

あくまで未発表曲やボーナストラックを寄せ集めた企画盤なので、熱心なファン向け作品の域を出ない本作のもうひとつ目玉はブックレットですね。各メンバーのおふざけ写真に加えて、これまでの活動を振り返ってのコメントもあって、なかなか興味深い内容です。特にJens Johansson(Key)Jorg Michael(Ds)の2人ともが「面識のないTimo Tolkkiというフィンランド人からいきなりバンド加入の誘いと『EPISODE』のデモ音源が送られてきた。その音源を聴いてバンド加入を決めた」というようなコメントを残しているのが印象的でした。Tolkkiは「駄目でもともと」と思って送ったのでしょうが、何事もやってみるもんですね。

【音源紹介】
・Cold Winter Nights

STRATOVARIUS「INFINITE」(2000)

  • 2009/05/15(金) 08:12:28

STRATOVARIUS_INFINITE.jpg
【No.137】
★★★★★(2000)
年間ベスト2000年第3位

メロディックパワーメタルの王者STRATOVARIUSの8thアルバムは、出世作「VISIONS」と並ぶ名盤となりました。今回はサイコセラピーを受け精神的にも落ち着いたリーダーTimo Tolkki(G)の精神状態を反映しているかのように、明るく前向きな曲が多いのが特徴です。前作「DESTINY」で感じられたマイナス要素もほとんど気になりません。

その特徴が顕著に表れているのがメタルっぽい感触を抑え、ポップセンスが光る①Hunting High And LowとSTRATOVARIUS特有の爽やかさ全開のメタルチューン⑦Freedomで、アルバム全体にもメジャー級の風格が漂っています。その一方でクサメロ満載で突っ走る②Millennium、④PhoenixJens Johansson(Key)のペンによるストレートな疾走曲⑤Glory Of The Worldでメタリックな魅力も十分アピールしてます。中でも④は曲に絶妙のタメとフックを与える名ドラマーJorg Michaelのパワーヒットとリズム感、楽曲のボトムを支えるYari Kainulainen(B)のテクニックに、派手なギター&キーボードソロというSTARTOVARIUSの演奏陣の凄みを改めて思い知らされる1曲です。前作にもあったような大作も2曲あり、そのうちのひとつ③Mother Gaiaで聴けるこれまでになかった壮大で感動的なメロディは、Timoのソングライティングがワンランク上の次元に到達したとさえ思えるほど。多彩な曲をアルバムに詰め込みながら、そのどれもがSTRATOVARIUSらしさを保ってるのが凄いですね。

6th「VISIONS」で数あるメロディックパワーメタルバンドから抜け出し、このジャンルの王者へとのし上がったSTRATOVARIUSが王者としての風格を身につけ、その他大勢のメタルバンドとの差を見せつけるべくメタルシーンに放った1枚が本作「INFINITE」だと思っています。STRATOVARIUSを聴くなら、まずはこの2枚からどうぞ!

【音源紹介】
・Phoenix

STRATOVARIUS「DESTINY」(1998)

  • 2009/05/13(水) 08:11:33

STRATOVARIUS_DESTINY.jpg
【No.136】
★★★(1998)

前作「VISIONS」でバンド結成以来最大の成功を収めたSTRATOVARIUSの7thアルバム。バンドの出世作であっただけでなく、ヨーロッパメタルシーンに多大な影響を与え、STRATOVARIUSフォロワーを生み出すほどの力を持った名盤「VISIONS」に続く本作もこれぞメロディック・パワーメタルという力作に仕上がっています。

オープニングと本編ラストに①Destiny、⑨Anthem Of The Worldという10分超の大作を配するという大胆な構成と、その2曲に挟まれる形でスピードチューンとバラードがほぼ交互に収録されている本作からは、もはやSTRATOVARIUS節といえる安定感すら漂っています。このアルバムのハイライトとなっている大作2曲やデジタルビートをうまくメタルに取り入れたシングルカット曲②S.O.STimo Kotipelto(Vo)の繊細なボーカルがはまっている④4,000 Rainy Nights、キャッチーメタル⑦Playing With Fireがお気に入り曲ですね。

ただ前作が素晴らしすぎたため、どうしても聴き劣りしてしまうなぁと思いながら本作を聴いてると、自身の声域を超えるキーの楽曲を与えられているTimo Kotipeltoのボーカル(⑥Years Go Byでは限界ギリギリの歌唱が曲の哀感をアップさせてますが)や僕の魂を揺さぶることの少ない速弾き偏重気味なTimo Tolkki(G)のギタープレイ、過去の楽曲の焼き直し的なメロディなど、前作では感じることのなかったバンドの弱点が気になってきたりもします。これは本作が6th「VISIONS」と8th「INFINITE」という僕のお気に入り盤にはさまれた作品で、影が薄いということも関連してるかもしれませんね。STRATOVARIUSらしい作品という点でいえば、本作も上記2作に匹敵するアルバムだと思います。

【音源紹介】
・Destiny

STRATOVARIUS「LIVE! VISIONS OF EUROPE」(1998)

  • 2009/05/11(月) 08:18:07

LIVE! VISIONS OF EUROPE
【No.135】
★★★(1998)

傑作「VISIONS」に伴うヨーロッパツアーの中からアテネ、ミラノ両公演の模様を抜粋して収録したSTRATOVARIUS初のライブ盤(2枚組)です。現時点ではバンド唯一の公式ライブアルバムですね。文字通りのイントロダクションDisc-1①Introに続く実質上のオープニングトラックDisc-1②Forever Freeのサビにおける「フォーエーバー フリ~♪」の合唱が象徴するように、オーディエンスの反応がとにかく熱くてバンドの人気の高さが随所で感じられます。

セットリストに関してはTimo Kotipelto(Vo)加入後の3作品「FOURTH DIMENSION」、「EPISODE」、「VISIONS」からのみで構成された16曲(イントロを含む)なので、初期作品からの曲も入れて欲しかった気もしますがDisc-1③Kiss Of Judas、④Father Time、Disc-2②Will The Sunrise?、④Black Diamondといったシングルカット曲を筆頭に、STRATOVARIUSの美味しいところをギュッと凝縮したかのようなチョイスとなっていて、「EPISODE」以前の作品に対して「名曲も収録されてるけどアルバム単位では、さほど楽しめない」という印象を持っていた僕も、好きな曲が大半を占める本作の選曲に対する満足度は高いです。特に①Visionsという大作に始まり、名曲②を経て観衆の大合唱を誘う名バラード③Foreverからラスト⑦Legionsまで怒涛の畳み掛けを見せるDisc-2は凄まじいの一言。

そんなTimo Tolkki(G)によって生み出された名曲の数々が、ライブならではの生々しい演奏によってスタジオ盤以上の熱気を放っています。Tolkkiと速弾きバトルを繰り広げるJens Johansson(Key)、ライブでその存在感を増す影のテクニシャンJari Kainulainen(B)も素晴らしいですが、本作で一番目立っているのは「親方」の愛称で親しまれるJorg Michael(Ds)のドラミングですね。そんな演奏陣の超絶プレイは「VISIONS」収録のインストHoly Lightとギター/キーボード、ドラムソロをミックスしたDisc-1⑨Holy Solosで堪能できます。そしてフロントマンのKotipeltoも一部の曲でキーを下げているものの、スタジオ盤と遜色ないボーカルを披露してくれているのでベスト盤としての役割も果たせそうな充実のライブアルバムといえそうです。

【音源紹介】
・Forever~Father Time(Live)

STRATOVARIUS「EPISODE」(1996)

  • 2009/05/08(金) 08:21:43

STRATOVARIUS EPISODE
【No.134】
★★(1996)

前作「FOURTH DIMENSION」リリース後に、いつの間にかバンドのリーダーとなったTimo Tolkki(G)Antti Ikonen(Key)とバンド創設者であり前リーダーだったTuomo Lassila(Ds)を解雇し、Jens Johansson(Key/ex-YNGWIE MALMSTEEN‘S RISING FORCE etc)と、多くのバンドを渡り歩いた実力派ドラマーJorg Michael(Ds/ex-GRAVE DIGGER、RUNNING WILD etc)の2人を迎えて放った5thアルバム。メタルシーンの中でも屈指のプレイヤーを2人も同時に加入させたこともあって、STRATOVARIUSは90年代後半に大躍進を遂げ、ヨーロピアンパワーメタルの旗手というべき存在へと上り詰めて行きます。バンドの黄金期といえるラインナップが整った本作で演奏面のクオリティ、安定感が大きく向上していて、バンドとしてグレードアップを遂げた1枚となっています。

ただ個人的にはこのアルバムを含めて、初期STRATOVARIUSの作品は僕の心を激しく揺さぶる名曲がある一方で、どうにも好きになれない楽曲もあり、いわば曲の出来/不出来の差が大きいという印象が拭いきれないんですよね。前作同様、アルバム序盤でいきなりハイライトを作り上げる①Father Time、②Will The Sun Rise?の2曲はいかにもSTRATOVARIUSらしい切なくも爽やかなサビメロが素晴らしい疾走曲だし、アルバム終盤のクサいメロディと歌詞を持った儚いバラード⑪Foreverもバンドを代表する名曲だと思います。この3曲がズバ抜けている他はタイトル通りスピード感に溢れた⑤Speed Of Light、激テクのインスト⑧Stratosphere、あとは⑩Tomorrowあたりが好きかな。僕好みの楽曲が占める割合が増えているとはいえ、それ以外の楽曲はちょっと…。

次作「VISIONS」では全編に渡ってフックのあるメロディが展開されてるのに対し、本作ではまだ楽曲的には発展途上という印象を受けます。デビュー作からバンドを支えるファンの間では本作はかなり好評のようですが僕としてはこれまでの作品同様、1枚のアルバムとして楽しむというよりは、好きな楽曲を引っ張り出して聴く作品という感じですね。ちなみに本作の楽曲のメロディは後の作品でも使用されていて、わかりやすい例としては⑩のサビがForever Free(「VISIONS」収録)、⑪Night Time Eclipseの間奏パートがAnthem Of The World(「DESTINY」収録)のイントロで再登場しています。

【音源紹介】
・Will The Sun Rise?

STRATOVARIUS「FOURTH DIMENSION」(1995)

  • 2009/05/06(水) 10:47:11

FOURTH DIMENSION
【No.133】
★★(1995)

着実にバンドとしてレベルアップを続けているSTRATOVARIUSの4thアルバム。これまで指摘されていたウィークポイントであるボーカル面を改善するために本作から専任シンガーTimo Kotipelto(Vo)を迎え、バンドとしてもメジャー感が出てきていますね。実は本作こそ、僕が初めてSTRATOVARIUSの音に触れたアルバムで、序盤3曲があまりに素晴らしく大きな衝撃を受けたのを覚えています。

本作と出会った1995年当時メロディックメタルといえば、YNGWIE MALMSTEENHELLOWEEN、またはBLIND GUARDIAN、GAMMA RAYくらいしか知らなかったので、高揚感あるメロディで疾走するバンドのアンセム①Against The Wind、タメの効いたサビと雄々しいコーラスがカッコよすぎる②Distant Skiesを聴いた時には凄いバンドが出てきたものだと興奮しました。2大キラーチューンに続く③GalaxiesEUROPEFinal Countdownを連想させるキーボードで始まり、サビをつい口ずさみたくなるキャッチーな1曲で次はどんな楽曲が出てくるのだろうと期待が膨らみます。ところが、この後がどうも続かないんですよね。北欧のバンドに相応しい暗く寒いイメージを楽曲に反映させた④Winter、⑧Nightfallといったバラードやアルバム中盤を引き締めるスピードチューン⑥Lord Of The Wasteland、クラシカルでシンフォニックなアレンジと間奏のヴァイオリンがツボな⑩Twilight Symphonyといった佳曲もあり、アルバム本編を小インスト⑪Call Of The Wildernessで締めくくるなど作品構成もしっかりしているのに、冒頭3曲のインパクトが強烈過ぎて尻すぼみな作品になっている感は否めません。

本作に限らずSTRATOVARIUSの作品(特に初期)の特徴として「こういうのを待っていた」という程の名曲と、もうひとつパッとしない楽曲が混在していて、個々の楽曲では素晴らしいものがあるのに作品全体としてのお気に入り度は低いという傾向がありますね。とはいっても①と②はSTRATOVARIUSのレパートリーの中でも屈指の名曲なので一聴の価値はあるかと。妙な表現ですが、この2曲のメロディには清潔感があって、聴いていて心がすーっと晴れやかになっていくような感覚が味わえるんですよね。

【音源紹介】
・Against The Wind

STRATOVARIUS「DREAMSPACE」(1994)

  • 2009/05/03(日) 11:29:43

DREAMSCAPE.jpg
【No.132】
★★(1995)

2ndアルバム「TWILIGHT TIME」で大きく成長したSTRATOVARIUSの3作目。この頃になるとラインナップも定着してきて、Timo Tolkki(G、Vo)Tuomo Lassila(Ds)という中心人物に加えて、過去作品にもセッションプレイヤーとして参加していたAntti Ikonen(Key)、本作レコーディング途中に加入して以来バンドの黄金期を支えたJari Kainulainen(B)という4人編成となっています。ちなみに本作はTimoがボーカルを兼任した最後のアルバムでもあります。

前作でその片鱗を見せていた北欧ならではの哀愁とジャーマンメタルの疾走感を融合させたSTRATOVARIUS節=Timo Tolkki節には更に磨きがかかっていて、作品を重ねるごとに成長しているバンドの姿が窺えます。タイトルを連呼するサビが印象的な典型的メロディックメタル①Chasing Shadows、良質のミドルテンポ③Eyes Of The World、このバンドにしては珍しくハードロック調でポップな響きもある④Hold On To Your Dream、頭の中で自然とMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)の声が聴こえてくるほどHELLOWEENしている⑥We Are The Future、ボーカルメロディ以上に物悲しい3:00過ぎの間奏パートに涙せずにはいられないバラード⑦Tears Of Iceなど作品前半の充実振りはなかなかのものです。確かにこれまで同様、先輩バンドからの借用フレーズもありますが、それを踏まえても7曲目までは聴き応えがありますね。

本作のネックはタイトル曲⑧Dreamspace以降に並ぶダークで陰鬱な楽曲でしょうか。⑩Thin Iceなんて歌詞、曲調ともにドン底の暗さです。後半唯一の疾走曲⑬Shattered、曲名通り明日への希望を与えてくれるポジティブな雰囲気の⑭Wings Of Tomorrowで盛り返しますが、日本盤ボーナス⑮Full Moonがこれまた暗い。STRATOVARIUSには①、④、⑥、⑬のようなメロディックメタル曲を期待する僕にとって、この後半の流れは結構キツイです。曲数を10曲前後に絞ってくれるだけで、かなり印象が変わってくると思うんですけどねぇ…。

【音源紹介】
・We Are The Future

STRATOVARIUS「TWILIGHT TIME」(1992)

  • 2009/04/30(木) 08:34:09

TWILIGHT TIME
【No.131】
★★(1995)

デビュー作では荒削りな印象が強かったSTRATOVARIUSの2ndアルバム。HELLOWEENの「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」、BLIND GUARDIANの「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」など、大御所といわれているメロディックメタルバンドには大抵「ここで大きく飛躍した」といえる作品があり、STRATOVARIUSにとっての飛躍作は「VISIONS」だと思っているのですが、前作からの伸び幅(成長率)という点でいえば本作もかなりのものではないでしょうか。その事実を物語るかのように、日本の輸入盤市場でも好調なセールスを記録し、本作で日本デビューも果たしています。

とはいえ、この時点でも後のSTRATOVARIUSと比べるとまだ垢抜けない部分が多いし、Timo Tolkki(G、Vo)のボーカルもやや不安定でB級メタル感が強いのも否定できません。そんなマイナス要素を見事に補ってくれているのが、荘厳なキーボードのイントロから北欧らしい哀愁のメロディへと繋がる疾走曲②Hands Of Time、HELLOWEEN譲りの明快でキャッチーな曲調で駆け抜ける⑦Out Of The Shadowsの2曲です。特に②はバンド初期の代表曲として名高いので、メロディックメタルファンとしては押さえておきたい1曲ですね。本作以降、メロディックメタルシーンに数々の名曲を送り出すSTRATOVARIUSが最初に放った会心の1曲だと思います。他にもダークなミッドテンポ①Break The Ice、長いイントロを乗り越えると耳に残るサビメロに出会える③Madness Strikes At Midnight、ドラマティックに曲が進行していくタイトルトラック⑤Twilight Timeにも「オッ」と身を乗り出す瞬間があります。

退屈な曲がないわけではないですが、疾走曲、ミドル、バラード、インストを揃えた全8曲というコンパクトなアルバム構成なので間延びせずに聴ける印象で、荒削りながらも後の大活躍を予感させる1枚となっています。当時のバンドはメンバーが安定せずリーダーのTuomo Lassila(Ds)とメインソングライターTimo以外は流動的だったために、本作ではTimoがベースまで兼任していたようですね。

【音源紹介】
・Hands Of Time

STRATOVARIUS「FRIGHT NIGHT」(1989)

  • 2009/04/27(月) 08:21:46

FRIGHT NIGHT
【No.130】
★(1995)

後に母国フィンランドのみならずヨーロッパメタルシーンにおけるビッグバンドとして名を馳せるSTRATOVARIUSのデビュー作。元々はBLACK WATERという名前で活動していたようですが、1983年に当時のリーダーTuomo Lassila(Ds)がギターのストラトキャスターとヴァイオリンのストラディヴァリウスを合わせた造語ストラトヴァリウス(STRATOVARIUS)にバンド名を変更しています。本作は1989年にフィンランドでリリースされましたが、セールス的にはサッパリだったようで日本盤については、バンドが注目を集めるようになってきた3rd「DREAMSPACE」発表時に「幻のデビュー盤」として同時発売されています。

正直なところ、本作を聴く限りこのバンドが世界的に有名なヘヴィメタルバンドになるとは想像し難い内容で、大御所バンドにもこんな時代があったのかという感想です。バンド初期はボーカルも兼任していたメインソングライターTimo Tolkki(G、Vo)自身も「本作をレコーディングするにあたって十分な時間と予算が取れなかった。稚拙なためあまり聴き返したくない」と語っているように楽曲、ボーカル、音質おまけにジャケットに至るまでB級を飛び越えてC級メタルと評されることも多い作品だったりします。この当時はメロディックメタルというよりは、RAINBOW、YNGWIE MALMSTEEN、HELLOWEENといったバンドの影響を色濃く感じさせる荒削りな楽曲に速弾きギターを盛り込んだ北欧ハードロックといった方がしっくり来るような気がしますね。

ちなみに5th「EPISODE」からのシングル「FATHER TIME」にFuture Shock 96としてTimo Kotipelto(Vo)バージョンが再録されている①Future Shockが、HELLOWEENのI’m AliveとRAINBOWのGate Of Babylonに酷似しているというのはファンの間では有名な話のようです。好きな曲を挙げるとすればアコースティックギターによる1分弱のアウトロ⑨Goodbyeかな(苦笑)。あのSTRATOVARIUSにもこんな時代があったんだから、現在輸入盤市場でB級/C級メタル扱いされているバンドの中にも、状況次第では大化けするダイヤの原石が眠っているかもしれない。そう思わせてくれる1枚です。

【音源紹介】
・Future Shock