【CD購入録】MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

  • 2015/10/22(木) 00:00:00

【CD購入録】
KINGDOM OF ROCK
MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「KINGDOM OF ROCK」(2015)

Pete Sandberg(Vo)、Jonas Reingold(B/THE FLOWER KINGS)らが結成した叙情派メタルバンドMIDNIGHT SUNの2代目ギタリストとしてシーンに登場、今や現代HR/HMシーンに欠かせないソングライター/マルチプレイヤーへと成長したMagnus Karlsson(G、B、Key)のソロプロジェクト第2弾を買いました。今回も豪華なゲストシンガーを迎えていてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、David Readman(PINK CREAM69、VOODOO CIRCLE)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Russell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)などデビュー作に引き続き参加したメンバー(Russellはボーナストラックのみ)に加えてMagnusが憧れの存在と語るJoe Lynn Turner(ex-RAINBOW etc)、Tonny Martin(BLACK SABBATH etc)やMagnusと何らかの形で活動を共にしたことのあるJorn Lande(JORN、ALLEN-LANDE)、Jakob Samuel(THE POODLES)、Harry Hess(HAREM SCAREM)そして無名の新人Rebecca De La Motteが参加しています。本作でもMagnusは各シンガーの特徴を捉えた作曲スキルと年々上手くなっていくリードボーカルを披露してくれていて安定感抜群の1枚となっています。現時点でのお気に入りは③No Control(featuring Joe Lynn Turner)、⑧Never Look Away(featuring Tony Harnell)といったメロハー系ナンバーですね。FRONTIERS RECORDSに酷使されたため(?)一時は楽曲の輝きが薄れたようにも感じられたMagnusですが、本作を聴く限り復活したと言えるのではないでしょうか。

【CD購入録】REVOLUTION SAINTS「REVOLUTION SAINTS」(2015)

  • 2015/08/13(木) 00:00:00

【CD購入録】
REVOLUTION SAINTS
REVOLUTION SAINTS「REVOLUTION SAINTS」(2015)

本職はドラマーでありながら優れた歌唱力を誇るDeen Castronovo (JOURNEY)をフロントマンに据えてアルバムを制作する、というSerafino Pergino(FRONTIERS RECORDS社長)の発案から誕生したプロジェクトREVOLUTION SAINTSの1stアルバムを買いました。Deenの脇を固めるのはJack Blades(B/NIGHT RANGER)、Doug Aldrich(G/ex-BAD MOON RISING etc)というベテランプレイヤー、そしてFRONTIERS RECORDS御用達のソングライターとして売り出し中(?)のAlessandro Del Vecchio(Key)が作曲、演奏に加えてプロデュース面でも大きく関わっています。本作を語る上で欠かせないのがDeenのボーカルパフォーマンス。Steve Augeri(Vo)が在籍していた時のJOURNEYのライブでSteveが喉を痛めたためDeenが急遽歌うことになったものの、予想以上の歌唱力でファンを魅了したというエピソードにも納得の上手さです。シンガーを本職としている人でもここまで歌える人材はなかなかいないのではないでしょうか。また創作面のカギを握るAlessandroもメロハー好きのツボを押さえた楽曲を量産しているし、FRONTIERS RECORDS作品ではお馴染みのErik Martensson(Vo、G/ECLIPSE)、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR)が作曲したナンバーもあり高品質な1枚に仕上がっています。どの曲も聴き応えがありますが、僕に本作を買う決心をさせてくれた①Back On My Trail、②Turn Back Timeという冒頭2曲が特にお気に入りです。2015年のメロハーを語る上で欠かせないアルバムとなりそうな予感がしますね。

デビュー作が素晴らしい出来だったのでREVOLUTION SAINTSの今後に期待していたのですがDeenが女性に対する暴行等の容疑で逮捕されるというショッキングなニュースが入ってきました(BUURN!誌9月号)。これからどうなってしまうのでしょうか…。

【CD購入録】PRIDE OF LIONS「IMMORTAL」(2012)

  • 2015/05/25(月) 00:00:00

【CD購入録】
IMMORTAL_20150320235401388.jpg
PRIDE OF LIONS「IMMORTAL」(2012)

Jim Peterik(G、Key、Vo/ex-SURVIVOR)、Toby Hitchcock(Vo)を中心としたメロディック・ロックバンドPRIDE OF LIONSの4作目を買いました。2nd「THE DESTINY STONE」(2004)、3rd「THE ROARING OF DREAMS」(2007)はどちらも名盤だったものの、後者の素晴らしさに気付くまでに時間がかかったため本作がリリースされた当時は購入に踏み切れずにいた記憶があります。こうして聴いてみると、相変わらず質の高い楽曲群に感心しつつもどこか物足りないというのが正直なところですね。SURVIVORの名盤と同じタイトルを冠した⑧Vital Signs、アルバム本編を締めくくる⑫Ask Me Yesterdayといったアップテンポはなかなか良いのですが、過去2作品ほどのインパクトは今のところないように思います。これまでの作品が素晴らしかったのでハードルが上がってしまったのかもしれませんね。とはいえ前作も第一印象はこんな感じだったので、聴き込むうちに化ける可能性はあると思いますが…。

PRIDE OF LIONS「THE ROARING OF DREAMS」(2007)

  • 2015/05/21(木) 00:00:00

THE ROARING OF DREAMS
【No.431】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第5位

天才メロディメイカーJim Peterik(G、Key、Vo/ex-SURVIVOR)が2003年にToby Hitchcock(Vo)と共に立ち上げたPRIDE OF LIONSが放つ3rdアルバム。1stと2ndの間隔は1年弱だったのに対して本作は約2年半振りのリリースになりますが、その間にもライブCD、DVD「LIVE IN BELGIUM」(2006)、Jimはソロ名義で「ABOVE THE STORM」(2006)を発表していることを踏まえるとかなり順調な活動ペースと言えそうですね。前作「THE DESTINY STONE」(2004)が素晴らしい出来だったので発売日にこのアルバムを購入したものの、当時は「手堅いメロディックロック作品」という印象しかありませんでした。ところが数年経ってから改めて聴き返してみると前作に勝るとも劣らない名盤と思えるくらいにハマっている自分に驚いています。

PRIDE OF LIONSの魅力を凝縮したかのような①Heaven On Earth、インパクトのあるアカペラで幕を開けるハードナンバー②Book Of Life、一転してメロウに聴かせる③Love's Eternal Flame、「スピーク、トゥ、ミー♪」のコーラスが耳に残る爽快なアップテンポ④Language Of The Heartと続く序盤から圧巻の畳み掛けです。王道をいく曲を冒頭に持って来て聴き手のハートを鷲掴みし、更にハードなナンバーを2曲目、対照的なバラード系を3曲目、そして4曲目に再び勢いのあるナンバーを持ってくるという構成は前作と同じ。デビュー作「PRIDE OF LIONS」(2003)も似たような組み立てだったので、この流れはもはやPRIDE OF LIONSの様式美と言えそうですね。それ以降も楽曲のクオリティは衰えるどころか更に充実度を増し、絵に描いたような美旋律バラード⑥Faithful Heart、F1中継が始まりそうなイントロからフック満載のサビへと繋がっていく⑦Defying Gravity、力強くドラマティックなタイトル曲⑧The Roaring Of Dreamsという中盤も実に強力です。しかし本作にはそれを凌ぐハイライトが終盤に用意されています。突き抜けるようなサビメロとその直後に鳴り響くホーンの音色がインパクト抜群な⑪Tall Ships、演歌に通じる曲調の中でギターか泣きまくる長編バラード⑫Turnaround、そしてボーナストラックにしておくには惜しい哀メロチューン⑬I Am My Fatherが本当に素晴らしい。ちなみに⑫にはTobyの妹Tori Hitchcock(Vo)が客演していて、兄と堂々と渡り合っています。

70年代にデビュー、80年代にSURVIVORで一世を風靡したベテランでありながら今もなお衰えないJimのメロディセンスには脱帽ですね。本作はSURVIVORの代表作「VITAL SIGNS」(1984)にインスパイアされて制作したアルバムとのことですが「VITAL SIGNS」にも引けを取らない充実盤だと思います。デビュー当初はTobyという卓越したシンガーを擁していながらJimがそれなりの割合でボーカルを務めることに疑問を感じていましたが、Tobyの歌い方はハイトーンに頼りがちなのでJimも適度に歌うことで丁度いいバランスを保っているように思えてきました。そんな中心メンバー以外の顔ぶれも過去のスタジオ盤、ライブでもほぼ固定されているので、もうプロジェクトではなくバンドと見なしていいのではないでしょうか。

【音源紹介】
Turnaround

PRIDE OF LIONS「THE DESTINY STONE」(2004)

  • 2015/05/15(金) 00:00:00

THE DESTINY STONE
【No.430】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第7位

産業ロック界のレジェンドSURVIVORの中心人物Jim Peterik(G、Key、Vo)が若き実力派シンガーToby Hitchcockと組むことで誕生したプロジェクトPRIDE OF LIONSの2作目。セルフタイトルの1stアルバムの時点で高品質なメロディックロックを完成させていましたが、今回はそれに輪をかけて素晴らしい仕上がりとなっていますね。前作ではやや画一的に感じられた楽曲はメリハリが強調されていて、ある時はハードに、またある時はメロウに聴かせてくれます。一言で言うと「よりドラマティックになった」という感じでしょうか。そんな楽曲面の進化に引っ張られるように、一本調子に思えるパートもあったTobyの感情表現の幅が広がっているのも特徴です。

そんな本作のハードサイドを象徴する曲としてはキーボードを効果的に用いた②Parallel Lines、前作になかったワイルドさを感じさせる④Born To Believe In You、メロウサイドではJimが「ディズニー映画に使ってほしい」と語るロマンティックなバラード③Back To Camelotが出色の出来。アルバム全体としてもポジティブな雰囲気に包まれたメロハー①The Courage To Love Somebodyを聴いた時点で前作以上の1枚になると確信、実際その通りの名盤となっているのですが極めつけは本編ラストを飾るバラード⑫The Gift Of Songでしょう。この曲の3:30辺りからの劇的な展開は涙ものだし、Jimの音楽に対する想いが込められた歌詞も秀逸です。また曲名が示す通り、水面に光が差し込む情景が目に浮かぶ⑦Light From A Distant Shoreも気に入っています。歌詞の内容とメロディがこの上なくマッチしたこの曲からも希代のソングライターJim Peterikの並々ならぬ才能が感じられますね。

デビュー作の高水準を保つだけでなく、あらゆる面でスケールアップした本作は僕が2004年に最もリピートしたメロディックロック作品です。目新しい要素はないし時には古臭いサウンドに思える場面もありますが、良い曲を上手いボーカルで聴かせるという音楽にとっての最重要ポイントを押さえているのが本作の強みですね。PRIDE OF LIONSは2000年代にデビューしたメロディックロックバンド/プロジェクトの中てもLAST AUTUMN'S DREAMと並んで重要な存在となっています。時代が時代なら世界的にヒットしたのではないかと思うのですが、見た目があまりイケてないので売れるのは難しいんでしょうね…。

【音源紹介】
The Gift Of Song

PRIDE OF LIONS「PRIDE OF LIONS」(2003)

  • 2015/05/12(火) 00:00:00

PRIDE OF LIONS
【No.429】
★★★(2003)

映画「ロッキー3」の主題歌Eye Of The Tigerを収録した3rd「EYE OF THE TIGER」(1982)が全米2位を記録するなど、80年代を代表する産業ロックバンドとして名を馳せたSURVIVORのソングライターJim Peterik(G、Key、Vo)が無名の若手シンガーToby Hitchcockと結成したPRIDE OF LIONSの1stアルバム。僕自身、SURVIVORにさほど思い入れはないのですが、各所での評価が高かったので購入してみたというのがこのプロジェクトとの出会いでした。PRIDE OF LIONSを語る上で欠かせないのが、4オクターブの声域を持つというTobyの溌剌としたボーカルでしょう。Jimが彼の歌唱力に惚れ込んで、このプロジェクトを立ち上げる決心をしたというエピソードにも納得の逸材。熟練のソングライティング技術、若き実力派シンガーという2本柱がしっかりしているので抜群の安定感を誇っていますね。

浮遊感のあるキーボードとメロディアスなギターに導かれて始まる①It's Criminal、哀愁たっぷりの②Goneからして産業ロックの王道まっしぐら。サビもさることながらBメロの素晴らしさが際立つアップテンポ④Sound Of Home、バンドのテーマソングに相応しいメロディアスチューン⑤Prideland、Eye Of The Tigerに通じる勇壮なメロディを持った⑥Unbreakable、お洒落なAORナンバー⑦First Time Around The Sun、前曲とは対照的にノリのよさが印象的な⑧Turn To Me、中間部にプログレ風の展開を盛り込んだ⑨Madness Of Loveなど曲毎の表情が豊かなのもいいですね。そして③Interrupted Melody、⑪Last Safe Placeといったバラードも秀逸でアルバムの見せ場となっています。ボーカルパートに関してはTobyの伸びやかなハイトーンを中心にしつつ、中音域をメインに歌うJimの出番も所々あって両者のコントラストがいい感じですね。

本作にはJimがSURVIVOR時代から温めていたもの、2003年に書いた曲の両方が収録されているのですが、どの曲も高い完成度を誇っていることに驚かされます。この辺りはSURVIVORが活動を休止した後も他のアーティストに楽曲を提供するなど第一線で活躍し続けてきたJimだからこそ為せるわざなんでしょうね。というわけで高品質のメロディックロックがズラリと並ぶ1枚ではあるものの、夢中になるほどリピートした作品かと言うとそうでもなかったりします。理由はいくつかありますが最も大きいのは日本盤ボーナストラックを含めると全15曲、収録時間75分という長さでしょうか。個々の楽曲としては魅力的なものが多くても、ここまでの長尺アルバムとなるとやはり間延びしてしまうし、良曲はあれど名曲がないという印象になってしまいました(本作にケチをつけるのは贅沢だとわかっているのですが…)。

【音源紹介】
Sound Of Home

【CD購入録】TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

  • 2013/06/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE LAND OF NEW HOPE
TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)らと一種のスーパーバンドSYMFONIAを結成したものの、僅か1枚で解散したばかりか音楽業界からの引退をも示唆するコメントを発表したTimo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS)でしたが、FRONTIERS RECORDS社長Serafino Perginoから多くのゲストを迎えたメタルオペラ・プロジェクトの提案を持ちかけられ誕生したTIMO TOLKKI'S AVALONの1stアルバムを買いました。プロジェクト名からしてTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAを連想せずにはいられませんが、ゲストを見てみるとMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Sharon Den Adel(Vo/WITHIN TEMPTATION)、Elize Ryd(Vo/AMARANTHE)、Russell Allen(Vo/SYMPHONY X、ADRENALINE MOB)、Rob Rock(Vo/DRIVER、ex-IMPELLITTERI)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS) 、Derek Sherinian(Key/BLACK COUNTRY COMMUNION、ex-DREAM THEATER)、Alex Holzwarth(Ds/RHAPSODY OF FIRE)といった顔ぶれでAVANTASIAに参加していた人もチラホラ、というかシンガーではElyzeとTony以外はAVANTASIAファミリーですね。歌っている比率を踏まえるとTolkkiとElyze、Rob Rockを基本メンバーとしたプロジェクトと言えるかもしれません。内容の方はAVANTASIAがメタルオペラを名乗っていた初期2作品ほどメロパワ一辺倒ではなく、その後の「THE SCARECROW SAGA」を歌ものメタルっぽくした感じでしょうか。ライナーノーツによると、Tolkkiがこのプロジェクトのために書き上げたストーリー「THE LAND OF NEW HOPE」は3部作を予定しているそうなので、 アルバム契約が4枚分あったというSYMFONIAを投げ出した前科があるTolkkiですが(苦笑)今回は完結まで頑張ってもらいたいですね。

ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

  • 2013/06/12(水) 00:00:00

THE SHOWDOWN
【No.379】
★★★(2012)

Russell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)という実力派シンガー2人の名前を冠したプロジェクトでありながらMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、STARBREAKER、ex-LAST TRIBE)がサウンドの鍵を握るALLEN-LANDEの3rdアルバム。ラインナップはこれまでと同じでMagnusがギターのみならずベース、キーボードも演奏、ドラムはLAST TRIBE時代の盟友Jaime Salazar(BAD HABIT)が叩いているほか、2体の巨大生物が対決するアートワークも3作連続でRodney Matthewsが手掛けるという鉄壁の布陣で制作されています。その一方で過去作品ではMagnusがドラム以外の全楽器、作詞作曲をこなしていたのに対して今回は3曲でゲストピアノ奏者を迎えていたり、歌詞の大半をTomas Erlandssonなる人物が書いていたりしています(作曲は全てMagnusなので個人的には気になりませんが)。

今回のアルバムは「ショウダァァウゥ!」という強烈なシャウト(歌い手はおそらくJorn)がインパクト大なタイトル曲①The Showdown、ALLEN-LANDEとして初のPVが作られた②Judgement Dayと続く流れで幕を開けます。疾走曲のみならず過去作品には少なからず収録されていたアップテンポのナンバーまでも姿を消し、本作は重厚なミドルチューンとバラードで構成されていることもあって、聴き始めの頃はこれまで以上に各曲のキャラ立ちの弱さやマンネリ化が目につき「ALLEN-LANDEも潮時か…」と思ったりもしました。ところが聴き込むうちに味わいが増してきてリピートしてしまう辺りが希代のソングライターMagnus Karlssonの為せる業といったところでしょうか。伸びやかなメロディが心地よい④Turn All Into Gold、アルバム随一のキャッチーなサビを持った⑤Bloodlines、1st「THE BATTLE」(2005)に通じるメロハーチューン⑦We Will Rise AgainDREAM THEATERのバラードWait For Sleep(名盤「IMAGES AND WORDS」収録)のピアノメロディに勇壮なギターアレンジを施したかのようなリフが楽曲を覆う劇メロナンバー⑩The Artistなどが気に入っています。Russellが歌うバラード⑥CopernicusReach A Little Longer、Master Of Sorrow(どちらもボーカルはJorn)に比べるとやや薄味ながらも魅力的。なお僕が持っている日本盤にはボーナストラックとして⑥のアコースティックバージョンが収められていますが輸入盤はAliasという未発表曲を収録しているようです。この記事を書いている今日現在、YouTubeに音源がアップされているので聴いてみたところボーナス扱いなのが不思議なくらいの良曲でした。

過去2作品はリリースされてすぐにゲットしていましたが、本作はなかなか購入に踏み切れずにいました。いざ聴いてみるとALLEN-LANDEがこれまでのアルバムで提示してきた高品質なメロディックメタルは今回も健在なので買って損はなかったと思っています(アルバム全体のメリハリに欠ける、RussellとJornのスタイルが似ていて上手いボーカルが2人いる強みを活かせていないといったマイナス面としっかり引き継いでいますが…)。iPodでシャッフルして聴いている時に本作の曲が登場するとハッとさせられるのに1枚のアルバムとして聴くと物足りないという意味で「HIGHER」(2003)以降のHAREM SCAREMと似ているかもしれませんね。①の歌詞和訳にもある通り「最終決戦」と訳すことができる「THE SHOWDOWN」という単語をアルバムタイトルにしていることを踏まえると本作がラストアルバムなのかもしれませんが、次回作があるならばきっと買うと思います。

【音源紹介】
・We Will Rise Again

ALLEN-LANDE「THE REVENGE」(2007)

  • 2013/06/04(火) 00:00:00

THE REVENGE
【No.378】
★★★(2007)

FRONTIERS RECORDS主導の単発プロジェクトかと思いきや予想に反して制作されたALLEN-LANDEの第2弾アルバム。前作「THE BATTLE」(2005)から約2年のスパンがあるとはいえ、中心人物のMagnus Karlsson(G/LAST TRIBE)はその間にTony Harnell(Vo/TNT)とタッグを組んだSTRABREAKERのセルフタイトル作、元PRAYING MANTISのシンガーTony O'hora初のソロアルバム「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)に全面参加、Mike Andersson(Vo/CLOUDSCAPE)を中心としたPLANET ALLIANCEにも大きく関わるなどしていたので、Magnusのワーカホリック振りには頭が下がります。FRONTIERSの社長Serafino PerginoLAST TRIBEよりもAORに近い曲を要請されたことからスタートし、誰がシンガーとなるのかわからない状況でソングライティングを進めた前作とは異なり、当初からRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/ex-MASTERPLAN)が歌うことをイメージしてMagnusが書き上げた楽曲群は全体的に1stよりもヘヴィでメタリックな仕上がりとなっているように思います。

「THE BATTLE」がアルバム序盤の畳み掛けで勢いをつけ最後まで聴かせるタイプだったとすれば、今回は聴き進めるにつれて充実感を増していく作品と言えそうです。そんなアルバムのハイライトとなっているのがJornが感情を込めまくって歌い上げる名バラード④Master Of Sorrow。ライナーノーツでMagnus自身も「今まで書いたバラードの中でもベスト」と語るこの曲以降⑤Will You Follow、⑥Just A Dream、⑦Her Spell、⑨Wake Up Callといったキャッチーなアップテンポ、メロハー風のアプローチを取り入れた⑧Gone Too FarWITHIN TEMPTATIONにインスパイアされたというMagnusのコメントも頷けるシンフォニックなミドル⑪Who Can You Trustなど良曲がズラリと並びます。個々の楽曲のインパクトでは前作に分があるかもしれませんが、アルバム全体の完成度では本作が上かもしれません。ラストをしっとり聴かせるバラード⑫When Time Doesn't Healで締める構成もグッド。日本盤ボーナストラックにその⑫のリミックス(アンプラグド)バージョンが収められているのですが、僕としては④の別バージョンを聴きたかったかな…。

というわけで今回も期待に十分応えるだけの逸品ではあるものの地味な印象は拭い切れないし、RussellとJornの共演がケミストリーを起こすことまではできていないという前作の課題はそのままです。それに加えて2003年を最後にLAST TRIBEが活動を停止して以降MagnusがこのALLEN-LANDEで2枚、STARBREAKER「STARBREAKER」(2005)、TONY O'hola「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)、PLANET ALLIANCE「PLANET ALLIANCE」(2006)そして本作発表後にはMark Boals(Vo/RING OF FIRE、ex-YNGWIE MALMSTEEN)と結成したTHE CODEX「THE CODEX」(2007)をリリースするなど、供給過多と言えるほどにアルバムを乱発していることも僕の本作に対する印象に少なからず影響を与えているように思います。当初はLAST TRIBE以外でMagnusの曲が聴けることに興奮していた僕もMagnus絡みのプロジェクトが質は高いが決め手に欠けるものばかりだったこともあって、有難味が薄れてきてしまってるんですよね。数々のプロジェクトに携わる職人ソングライターのようなMagnusの活動スタイルに対して、一定以上の満足感を得ながらも「多忙な中でこれだけ良質な作品を連発できるなら、じっくり腰を据えてアルバムを制作して名盤を生み出してほしい」という複雑な心境になる1枚でもあります。

【音源紹介】
・Master Of Sorrow

ALLEN-LANDE「THE BATTLE」(2005)

  • 2013/05/27(月) 00:00:00

THE BATTLE
【No.377】
★★★(2005)
年間ベスト2005年第9位

Magnus Karlsson(G/LAST TRIBE)が書いた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)が歌うプロジェクトALLEN-LANDEの1stアルバム。とはいえこのプロジェクトを企画したのでは彼等ではなくFRONTIERS RECORDSの社長Serafino PerginoがMagnusにAOR寄りの曲作りをオーダーしたところから始まり、Magnusが作曲を進めるのと平行してFRONTIERSがシンガーを選定した結果RussellとJornに白羽の矢が立ったというのがALLEN-LANDE誕生の経緯のようです。ちなみに上記の2人と言えばRoland Grapow(G/ex-HELLOWEEN)Uli Kusch(Ds/ex-HELLOWEEN)MASTERPLAN結成する際、Russellに加入を要請したものの断られたためJornに打診、結果的にJornがシンガーの座に就いたというエピソードがありましたね。また、このプロジェクトの仕掛人Serafinoは本作と同じ2005年にMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)をフィーチュアしたPLACE VENDOMEのアルバムをリリースするなどしていたので、僕の中で彼に対する注目度が高くなってきたのもこの頃だったと思います。LAST TRIBEのシンガーRickard Bengtssonも作品を重ねる度に成長はしていたものの、Magnusが手掛けた曲をトップクラスのシンガーの歌唱で聴きたいという気持ちがあったのでALLEN-LANDEの話を初めて耳にした時は期待に胸が膨らみました。

このアルバムに収められているのはSYMPHONY Xタイプのネオクラ系プログレメタルでもMASTERPLANのようなパワーメタルでもないサウンドで、曲によってはLAST TRIBEよりもソフトなメロディアスHR/HM路線です。こうしてJornがメロハー系の曲を歌っているのを耳にするとMILLENIUMの傑作「HOURGLASS」(2000) をふと思い出したりしますね。プロジェクト名の影響もあってボーカルに注目が集まりがちですが、Magnusファンとしては楽曲面の充実振りに目が(というか耳が)いきます。軽快なハードロック②Hunter's Night、爽やかなサビメロが冴え渡る③Wish For A Miracle、LAST TRIBE時代には希薄だったメジャー感溢れるバラード④Reach A Little Longer、攻撃的なギターリフとポップなサビの対比が印象的な⑤Come Aliveと続くアルバム前半がハイライトでしょうか。レーベルから「こんなタイプの曲を書いてほしい」と依頼されて、指定された音楽性の枠内でここまでの仕事ができるMagnusの才能には脱帽ですね。

LAST TRIBEの3rd「THE UNCROWNED」(2003)と同じく、スピードに頼らずメロディの良さで勝負するそのスタイルは楽曲の幅が狭くなりがちなので間延び感がしてしまうのは否めませんが、曲毎に取り出して聴けばどれも高品質なものばかり。ただMagnusが作詞作曲を担当しRussellとJornという実力的に申し分ない2人のシンガーが単独で歌い、曲によってはデュエットするというこのプロジェクトに対する事前の期待値からすると物足りなさを感じるというのも事実だったりします。その要因のひとつがプロジェクトの肝であるシンガー2人はそれぞれ素晴らしい歌を聴かせてくれてはいるものの声質が似ているためブックレットを見ないとどちらが歌ってるかわかり難く、コラボレーションによる相乗効果が生まれるには至っていないことでしょうか。この辺りは参加メンバーに対する期待が大きいためハードルが高くなっていることが関連していると思うし、客観的に見れば満足できる作品であることには間違いないんですけどね…。

【音源紹介】
・Wish For A Miracle

【CD購入録】MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

  • 2013/05/23(木) 00:00:00

【CD購入録】
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MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL「MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL」(2013)

自身のバンドLAST TRIBEとして3枚のアルバムを発表した後はマルチプレイヤー、コンポーザー、プロデューサーとしても才能を発揮して主にFRONTIERS RECORDSの様々なプロジェクトに携わってきたMagnus Karlsson(G)による初のソロ作品を買いました。LAST TRIBEのアルバムはどれも傑作だったのに対して、その後に乱発気味にリリースされたプロジェクト作品ではFRONTIERSに酷使されるあまり(?)以前ほどの魅力が感じられなかったのですが今回はなかなか良いですね。本作では多くのゲストシンガーを迎えているのも話題のひとつでRussell Allen(SYMPHONY X、ALLEN-LANDE)、Ralf Scheepers(PRIMAL FEAR)、Tony Harnell(STRABREAKER、ex-TNT)、Mark Boals(THE CODEX、ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN)、Mike Andersson(PLANET ALLIANCE)、Rickard Bengtsson(ex-LAST TRIBE)といった過去のMagnus関連作品のリードシンガーに加えてRick Altzi(AT VANCE、MASTERPLAN、THUNDERSTONE)、Herman Saming(A.C.T)、David Readman(PINK CREAM69、VOODOO CIRCLE)も参加しています。またMagnusも3曲でリードシンガーも務めていて、上記のゲストボーカル陣の中にあっても違和感ない歌を披露しています。個人的に一番楽しみだった⑨Last Tribeは曲調、歌詞の両面でLAST TRIBEというバンド名に込められた「自分達がメタルの最後の種族だ」という気持ちが伝わってくるメタル讃歌となっていてニヤリ。こうなってくるとプロジェクトではなくMagnusがイニシアチブを握る正式なバンドが聴きたくなりますね。

【CD購入録】W.E.T.「RISE UP」(2013)

  • 2013/03/14(木) 00:00:00

【CD購入録】
RISE UP
W.E.T.「RISE UP」(2013)

レーベルの社長Serafino Pergino発案によるFRONTIERS RECORDSイチオシのメロディックロックプロジェクトW.E.T.の2作目を買いました。Robert Sall(G、Key)WORK OF ARTErik Martensson(G、B、Vo)、Magnus Henriksson(G)、Robban Back(Ds)ECLIPSEJeff Scott Sotoはソロと、メンバー全員がW.E.T.以外に優先すべき音楽活動の場を持っているためプロジェクトっぼさが抜けきらないのは事実ながら、メンバー自身が「バンドらしさを増した」と語る本作はデビューアルバムに負けず劣らずの好盤に仕上がっています。爽やかなメロハー、王道を行くバラード、力強いロックチューンに大別できそうな本作収録曲はハイクオリティなものばかりですね。これぞパワーバラードという感じの④Love Heals(終盤のオーオーコーラスはJOURNEYFaithfullyみたい)、ノリのよさが心地よい⑦Bad Boy、勇壮なメロディを歌うJeffのボーカルが映える⑧On The Runなどは初めて聴いた時から好きな曲だし、作品全体としても中盤以降がかなり充実している印象があります。そして忘れてはならないのが日本盤ボーナス⑬Victoriousの存在。いかにも北欧らしい曲調とメロディで駆け抜けるこの曲を聴いていてJeffが歌っていたYNGWIE MALMSTEENの「MARCHING OUT」(1985)を思い出しました。アルバムの中身には関係ありませんが帯タタキが「W.E.T.の2nbアルバム!」となっているのはちょっとねぇ…(苦笑)。

FIRST SIGNAL「FIRST SIGNAL」(2010)

  • 2012/12/06(木) 00:00:00

FIRST SIGNAL
【No.356】
★★★(2010)

10作目「HUMAN NATURE」(2006)に伴う来日公演の2ヶ月前に「もう1枚のスタジオアルバムを作った後に解散する」と表明し、その言葉の通り11th「HOPE」(2008)リリース後にライブを行うことなく解散したHAREM SCAREMのフロントマンHarry Hessを擁する新プロジェクトFIRST SIGNALの1stアルバム。仕掛人はメロディアスハードファンの僕にとって最重要レーベルのひとつFRONTIERS RECORDSの社長で、これまでにもMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)がメロディックロックを歌うというコンセプトのPLACE VENDOMERobert Sall(G/WORK OF ART)、Erik Martensson(Vo/ECLIPSE)、Jef Scott Soto(Vo/TALISMAN)の3人が組んだプロジェクトW.E.T.などを発案してきたSerafino Perginoです。本作のテーマは「クラシックなHAREM SCAREMサウンドを蘇らせること」だそうですがHarryが「HAREM SCAREMとして本作のようなアルバムを作ってきたつもりはない」と語っている通り、ハーレムサウンドの復活というよりは「Harryが他のソングライターによる良質なメロディックロックを歌っているアルバム」と表現した方が合っていると思います。HAREM SCAREMの作品群の中で近いアルバムを挙げるとすれば、外部ライターの曲を一部取り入れたこともあってバンドの独自性が薄めなデビューアルバム「HAREM SCAREM」(1991)でしょうか。

今回、Harryは曲作りには全く関わっておらずTomとJamesのMartin兄弟ECLIPSEやW.E.T.で活躍するErik Martenssonといったソングライター陣が楽曲を提供、Dennis Ward(B/PINK CREAM 69)がプロデュースするというFRONTIERS作品ではお馴染みの顔ぶれがHarryをバックアップしています(HAREM SCAREMの人脈では元ドラマーのDarren Smithがバックボーカルで参加)。まずはオープニングの①This Cityが爽快メロハー系のキラーチューンで僕はこの曲の先行PVを見た瞬間に本作購入を決めました。Martin兄弟恐るべし。それ以外にも爽やかなサビメロが耳に残る②When You Believeとダイナミックなメロディ展開がいかにも彼らしい⑩Yesterday's Rainの2曲を書いたErik、アルバム随一の泣きメロが胸に沁みるバラード④Crazyを提供したRonny Milianowicz(Ds/SAINT DAEMON)などFRONTIERS御用達ライター陣の作曲能力の高さには改めて感心してしまいますね。また、このアルバムには③Part Of Me、⑨When November FallsというRichard Marxのカバー2曲も収録されていて、楽曲の素晴らしさだけでなくアルバムへの溶け込み具合もお見事。なお後者はFRONTIERS恒例のアコースティックバージョンが日本盤ボーナスとして収録されていて僕はこちらの方が好きですね。

本作がハーレムサウンドを再現しているかは微妙なので、レーベル側が謳う「HAREM SCAREM復活」を過度に期待すると肩透かしをくらう可能性もありますが⑤Goodbye To The Good Timesのようなハーレム時代にはなかったタイプの曲を歌うHarryが聴けるのは面白いし、メロディックロックファンならば文句なしに楽しめる1枚に仕上がっていると思います。優れたシンガーがFRONTIERSに楽曲から演奏陣、プロデューサーに至るまでをお膳立てされて歌うプロジェクトという意味でJoe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW etc)SUNSTORM、Michael KiskeのPLACE VENDOMEと同列の作品と言えるのではないでしょうか。ちなみにHAREM SCAREMが解散してからのHarryは他のアーティストのプロデュースや楽曲提供に忙しくも充実した日々を送り、HAREM SCAREM時代の盟友Pete Lesperance(G)と一緒に仕事をすることは多いものの再結成はおろかロックソングを書くこともなく、メロディックロックとは縁遠い音楽活動をしていたようです。そう考えるとHarry Hessというシーン屈指の歌い手をバンド解散後初めて表舞台に呼び戻してくれたFRONTIERSに拍手を送りたいですね。

【音源紹介】
・This City

【CD購入録】ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

  • 2012/11/27(火) 00:00:00

【CD購入録】
THE SHOWDOWN
ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、ex-LAST TRIBE etc)が手がけた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/JORN、MASTERPLAN)が歌うスーパープロジェクトALLEN-LANDEの3作目を買いました。音楽性は1st「THE BATTLE」(2005)の頃から不変で、今回も一流アーティスト揃いなだけあって流石のクオリティを誇ってはいるもののマンネリ感は否めないし、RussellとJornの声質が似ているためどちらが歌っているのかわからないという点も相変わらずです。特にRussellとJornの歌が似ているということについては、せっかくシンガーが2人いるのにアルバムクレジットを見ないとどちらが歌っているのかわからないほどなので、何だか勿体なく感じてしまいますね。どちらも熱く歌い上げるタイプなのでコントラストをつけるにはハイトーン系シンガーと組んだ方が効果的だと思うのですが…。個人的には最近SECRET SPHEREに加入したMichele Luppi(Vo/ex-VISION DIVINE)とのコラボが聴いてみたいです。この手のプロジェクトは結成当初は豪華なラインナップが楽しめる反面、バンド感が希薄なのでコンスタントにアルバムが発表されると新鮮味が欲しくなってきてしまうんですよね。

【CD購入録】TOBY HITCHCOCK「MERCURY'S DOWN」(2011)

  • 2012/05/19(土) 00:00:00

【CD購入録】
MERCURYS DOWN
TOBY HITCHCOCK「MERCURY'S DOWN」(2011)

それまでは無名だったもののJim Peterik(G/ex-SURVIVOR)に見出だされるや、その伸びやかな歌声でメロディック・ロックファンの注目を集めることとなったToby Hitchcock(Vo)による初のソロアルバムを買いました。Jimと組んだPRIDE OF LIONSで発表した3枚のアルバムで素晴らしい歌声を披露してくれていたので、彼がJim以外のソングライターと組むとどんな作品が出来上がるのか興味があったし、ソロの相棒がECLIPSEW.E.T.で目下売り出し中の若手注目株Erik Martensson(Vo、G)だと聞いて期待値がグッと上がったことは言うまでもありません。本作で聴けるのはPRIDE OF LIONSよりも若干ヘヴィながらキャッチーさをしっかり保ったメロディアスハードで流石のクオリティを備えています。現時点でのお気に入りはPVも制作された①This Is The Moment~②Strong Enoughという冒頭の流れと本編を締めくくるタイトル曲⑫Mercury's Downですね。ただし本作がメロディックロックの充実盤であるのは確かながら、この2人ならこれくらいはやってくれるだろうという想定内の出来だというのも事実だったりします。FRONTIERS RECORDSの作品によくある「良いアルバム止まり」というか…。贅沢な望みだというのはわかっているんですけどね。

【CD購入録】NELSON「LIGHTNING STRIKES TWICE」(2010)

  • 2011/10/11(火) 00:00:00

【CD購入録】
LIGHTNING STRIKES TWICE
NELSON「LIGHTNING STRIKES TWICE」(2010)

Matthew(Vo、B)Gunnar(G etc)、双子のNelson兄弟によるバンドNELSONの11年振りとなる復活アルバム(通算6作目)を買いました。デビューアルバムにしてバンド最大のヒット作「AFTER THE RAIN」(1990)の続編だそうで、サウンド面でも類似点は多いように思います。爽やかで気持ちのいいメロディが秀逸なオープニング①Call Me、⑤You're All I Need Tonightのようなメロハーあり、⑥To Get Back To You、⑧Take Me Thereのような涙を誘う哀愁のバラードありと僕好みの作品ですね。意外だったのはブルージーかつノリの良さで勝負する大味なロックソングが結構多かったことでしょうか。現時点でのお気に入りは、まるでMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)の1stソロで泣きの名盤「THE 1」(1995)に収録されてそうなクサい泣きメロが胸を締め付ける④How Can I Miss Youですね。もし本作を去年に聴いていたら年間ベストにランクインしていたのでは?と思える好盤です。

【CD購入録】ISSA「SIGN OF ANGELS」(2010)

  • 2011/08/30(火) 00:00:00

【CD購入録】
SIGN OF ANGELS
ISSA「SIGN OF ANGELS」(2010)

ノルウェー出身の女性シンガーIsabel OversveenISSA名義でリリースした1stアルバムを買いました。この作品には作曲面ではJoacim Cans(Vo/HAMMERFALL)、本作のプロデューサーでもあるRonny Milianowics(Ds/SAINT DEAMON、ex-SINERGY、DIONYSUS)SUNSTORM、KHYMERAなどにも楽曲提供しているTomとJamesのMartin兄弟、演奏面ではNoby Noberg(B/SAINT DEAMON、ex-NATION、DIONYSUS)、Uli Kusch(Ds/ex-HELLOWEEN、MASTERPLAN)が参加していることもあって以前から若干気になっていましたが、BURRN!誌上で広瀬編集長が95点を献上し、藤木さんが僕にとって伝説的名盤であるERIKA「COLD WINTER NIGHT」(1990)を引き合いに出していたため一気に注目度が上がりました。そんな期待値が高まった中で本作を聴いたために「あれ?こんなもの?」という気がするのも事実ですが、手堅いメロディックロックの良作だと思います。

ちなみにISSAはMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、UNISONIC、ex-HELLOWEEN)が女性ボーカルとデュエットするプロジェクトの候補にもなっていたそうです。結局Kiskeの相棒はAmanda Somervilleに決定したわけですが、確かにKiskeと張り合うには声に存在感のあるAmanda姐さんの方が相応しいように思いますね。

そんな彼女が10月17日に2作目をリリースするようです。「STORM」と名付けられたこの2ndアルバムにはデビュー作にも参加していたMartin兄弟、今回のプロデューサー兼ドラム、キーボードプレイヤーも務めるDaniel Flores(CRASH THE SYSYTEM etc)、そしてMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR etc)、Robert Sall(G/WORK OF ART、W.E.T.)といったメンツが楽曲を提供していて、ISSA自身も曲を書いているそうです。1st「SIGN OF ANGELS」を聴き終えた現時点で即買いする予定はありませんが気になる作品であることは事実ですね。

【CD購入録】KISKE/SOMERVILLE「KISKE/SOMERVILLE」(2010)

  • 2011/08/21(日) 00:00:00

【CD購入録】
KISKE SOMERVILLE
KISKE/SOMERVILLE「KISKE/SOMERVILLE」(2010)

以前からその存在が公言されていたMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、UNISONIC、ex-HELLOWEEN)が女性ボーカルと組むプロジェクトが、彼の相棒にTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAでも共演経験のあるAmanda Somerville(Vo)を迎えてリリースした1stアルバムを買いました。PLACE VENDOMEでHR/HMシーンに復帰して以降、Kiske関連のアルバムはソフトなAOR系が多かったので本作もそんな感じかと思っていたら、これが予想以上にヘヴィな質感を持っていて少しびっくり(勿論メタルと呼ぶほどではありませんが)。この辺りは本作のメインコンポーザーMat Sinner(B)、Magnus Karlsson(G)の両名がピュアメタルバンドPRIMAL FEARに籍を置いていることも関係しているのかな。アルバム全体の印象としては手堅く一定水準以上のクオリティを誇るものの、飛び抜けて感動的でもないという「良くも悪くもFRONTIERSらしい作品」ながらKiskeの歌声に惚れ込んだ身としてはよく聴いている1枚です。ちなみに僕が買ったのは②Silence、③If I Had A WishのPV(こちらこちら)に加えてそのメイキング映像が収録されたDVD付き輸入盤でKiskeを始めとするメンバーのオフショットを見ることができて良かったです。

TERRA NOVA「ESCAPE」(2005)

  • 2010/12/13(月) 00:00:00

ESCAPE.jpg
【No.271】
★★★(2005)

TERRA NOVA解散後に結成したAQUILA名義で2001年、2004年とコンスタントに2枚のアルバムをリリースしていたのでFred Hendrix(Vo)は今後AQUILAとして活動していくのかと思っていた2004年後半に「TERRA NOVA復活!」のニュースが飛び込んで来ました。BURRN!誌2005年9月号に掲載されていたFredのインタビュー記事によると、この復活劇はバンド側が言い出したことではなくFRONTIERS RECORDSの社長Serafino Perginoが仕掛け人だったようです。後にSerafinoはメロディックロックファンを歓喜させるバンド/プロジェクト(ALLEN-LANDE、PLACE VENDOME、W.E.Tなど)を次々と世に送り出していますがTERRA NOVA復活にも関わっていたとは…。この人には本当に感謝してもしきれませんね。元々、TERRA NOVA解散劇には地元オランダのレーベルとの契約のもつれが関係していて、TERRA NOVAの名前で活動することができなくなったためFredはソロから発展した別バンドAQUILAで活動する道を選んだようですが、オランダのレーベルとの契約が満了した後でSerafinoからFredにTERRA NOVA復活を持ちかけたそうです。

そういうわけで晴れてTERRA NOVAとして再始動することができるようになったバンドの4thアルバムは良い意味で不変のTERRA NOVAサウンドが貫かれています。AQUILA名義での2作品も好きですがTERRA NOVAを越えるアルバムとまではいかなかったので「Fredのメロディセンスが枯渇してきたのでは…」という一抹の不安もありましたが、いかにも「らしい」オープニングトラック①Long Live Rock'N'Roll~②Rock Bottomを聴いた瞬間にそんな気持ちは吹っ飛びました。やはりAQUILAとTERRA NOVAは似て非なる音楽を聴かせるバンドだったんだと実感。そんなロックチューン2連発の後はポップな本編を叙情的な歌メロが冴えるイントロとアウトロが挟むという一風変わった構成の③Hold The Line、デビュー時に完成していたというセンチメンタルなバラード④Heaven KnowsRon Hendrix(Key)の煌めくキーボードがバンド持ち前の明るさを強調し、ソロパートではRonとGesuino Derosas(G)の掛け合いもフィーチュアしたタイトル曲⑤Escapeという流れも素晴らしいです。またこのバンドの作品に欠かせないキラーバラードも前述の④とFredの奥様に捧げられたラブソング⑦You Are The Oneの2曲が収録されていて、きっちり泣かせてくれます。本編ラストのバラード⑫Yesterdayもメロディの魅力こそ上記2曲に一歩譲りますが、幻想的なサウンドがアルバムの締めとしてグッド。その他には優しげなメロディと重厚なハーモニーが味わえる⑧Sole Survivor、心温まるサビメロが秀逸なAOR風⑨Lonely Is The Night、「音楽に古いも新しいもない。俺達は80年代のロックが大好きなんだ!」というバンドの精神性を曲名と歌詞に凝縮した80年代讃歌⑩Back In The Eightiesなども好きですね。

FredとRonの Hendrix兄弟とGesuinoが正式メンバーでリズム隊はサポートメンバーという編成ながら、この3人が揃えばTERRA NOVAサウンドが完成されることを本作で証明してくれています。各曲に息づく良質なメロディと爽やかなコーラス、そして楽曲を鮮やかに彩るギターとキーボードなど、どこを見ても6年間のブランクを感じさせない充実作ですね。気になった点を挙げるとすればドラムサウンドに迫力がないため楽曲自体が軽く聴こえてしまうことと、前半に比べて後半の楽曲がやや弱く感じられることでしょうか。特にドラムの軽さはアップテンポの曲では楽曲のキレを鈍らせ、バラードでは感情移入を妨げている場面があるように思えるのが残念。とはいえ、全体的な印象としては過去3作品の集大成と言える内容で、バンド復活を宣言するには十分なインパクトを備えた1枚だと思います。

【音源紹介】
・Long Live Rock'N'Roll

【CD購入録】FIRST SIGNAL「FIRST SIGNAL」(2010)

  • 2010/08/27(金) 00:00:00

【CD購入録】
FIRST SIGNAL
FIRST SIGNAL「FIRST SIGNAL」(2010)

HR/HMシーンとは距離を置いていたMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)をカムバックさせたPLACE VENDOMEMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、LAST TRIBE etc)が書いた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)に歌わせたALLEN-LANDEなど、メロディアスなHR/HMを好む僕の琴線に触れるバンド/プロジェクトを続々と生み出している業界きっての仕掛人にしてFRONTIERS RECORDSの社長Serafino Perginoが送り出す新プロジェクトFIRST SIGNALの1stアルバムを買いました。FIRST SIGNALのテーマは「2008年に解散したHAREM SCAREMのボーカルHarry Hessが外部ライターのペンによるHAREM SCAREM風の楽曲を歌う」というもので、これまた僕にとっては嬉しいプロジェクトですね。以前の記事に書いたような豪華ソングライター陣が提供する高品質な楽曲の中でもPVになった①This Cityがかなり気に入っています。全体的にはHAREM SCAREMのセルフタイトルによるデビュー作に近いハードポップ系でHarryの成熟した歌声が後期HAREM SCAREMを思わせる部分もあるので、ここにHarryの盟友Pete Lesperance(G/ex-HAREM SCAREM)のギターがあればバンドの遺作「HOPE」(2008)に続く作品だと言われても納得してしまいそうなほどです。FRONTIERS RECORDS側はFIRST SIGNALがスタジオプロジェクトであることを公言しているので、次作やライブがあるかは微妙ですがHarry復活がとにかく嬉しい1枚ですね。Peteはどうしてるんでしょうか…?