【CD購入録】TALISMAN「7」(2006)

  • 2014/12/03(水) 00:00:00

【CD購入録】
TALISMAN7
TALISMAN「7」(2006)

スウェーデンの重鎮TALISMANによるタイトル通りの7作目を買いました。正直なところ4th「LIFE」(1995)をピークとしてTALISMAN関連の作品に物足りなさを感じていたのですが今回は一味違いますね。勢いに満ちたハードロック①Fallingで幕を開けるやMarcel Jacob(B)のベースが全編でうなり、グルーヴィなナンバーからポップソング、バラードまで多彩な表情を見せてくれます。従来のバンドにはなかったタイプの曲が書けるJamie Borger(Ds)の存在も大きく、彼のペンによる産業ロック系⑨Shed A Tear Goodbyeが良いアクセントになっていますね。TALISMANが持つ音楽的要素がバランスよく溶け合っているという意味では入門盤に相応しい1枚と言えるかもしれません。これだけの充実作を生み出しておきながら当時のメンバーは課外活動に忙しくMarcelとJamieはLAST AUTUMN'S DREAMで毎年アルバムを発表、Fredrik Akesson(G)ARCH ENEMYにも在籍、そしてJeff Scott Soto(Vo)は憧れのバンドでもあったJOURNEYのシンガーの座を射止めたこともあって本作がラストアルバムになるのではないかと囁かれていました。結局FredrikはARCH ENEMYを、JeffはJOURNEYを脱退したのですがMarcelの自殺という形で本作がTALISMAN最後のアルバムとなってしまったのが残念でなりません…。アヴァロン・レーベルによるとバンドは未発表音源を収録したアルバムの制作を予定しているそうです。

【現在の愛聴盤】TALISMAN「CATS AND DOGS」(2003)

  • 2014/11/30(日) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
CATS DOGS
TALISMAN「CATS AND DOGS」(2003)

今年に入ってマイブームとなっているTALISMANの後期作品の中で以前から持っていた唯一のアルバム(6作目)をヘビロテ中です。前作「TRUTH」(1998)とHUMANIMALで活動を共にしていたPontus Norgren(G)は脱退、前任者Fredrik Akesson(G)が復帰しています。「ヘ!ヘ!ヘェェェイ!!」というJeff Scott Soto(Vo)のシャウトとファンク要素の強い①Skin On Skinに面食らうものの、HR/HM好きなら理屈抜きで熱くなれるアップテンポ②Break It Down Again、リピートするに連れて味わいが増してくる③In Make Believe、④Love Will Come AgainMarcel Jacob(B)を中心とした演奏陣にスポットを当てた⑤Outta My Wayと続くアルバム前半はなかなかの手応え。後半にテンションが下がってしまうのが残念ですがJamie Borger(Ds)のペンによる爽やか系ミドル⑦Sorryは本作で一番のお気に入りです。ベテランらしい貫禄のある作品である一方、初期のアルバムに収録されていたような名曲が欲しくなる1枚でもありますね。

【CD購入録】TALISMAN「TRUTH」(1998)

  • 2014/11/27(木) 00:00:00

【CD購入録】
TRUTH.jpg
TALISMAN「TRUTH」(1998)

独特のグルーヴ感と叙情メロディが織り成すTALISMANサウンドを完成させた傑作「LIFE」(1995)を発表後、別プロジェクトHUMAN CLAYを結成して2枚のアルバムをリリースしたMarcel Jacob(B)Jeff Scott Soto(Vo)が再びTALISMANの名の下でタッグを組んだ通算5枚目のアルバムを買いました。ドラマーはお馴染みのJamie Borgerですが、ギタリストはPontus Norgren(ex-GREAT KING RAT)にチェンジしています。まず驚かされるのはTALISMANとしては3年振りの復活作でありながらQUEENのカバー①Let Me Entertain Youで幕を開けるという点です。自他共に認める(?)ひねくれ者で皮肉屋のMarcelらしいと言えばそうなのかもしれませんが。アルバムの作風としては前作「LIFE」、前々作「HUMANIMAL」(1994)ほどのヘヴィさはなく、全体的にマイルドな仕上がりになっています。中でも⑤I'll Be There 4 U、⑧Heaven's Got Another Hero、⑨Your Manといったバンドのソフトサイドを担う楽曲が充実していますね。特に⑤はJamie Borger(Ds)が書いたナンバーで、後にLAST AUTUMN'S DREAMで発揮される作曲センスが窺える1曲です。一方、メタリックチューンとしては⑬Pavilion Of Oblivionのような「らしい」曲はあるものの過去の名曲と比べると物足りない気もしますね。それなりに楽しめるアルバムではありますが決め曲に欠けていたり、音楽性を拡げすぎた感があったりするのでTALISMANの作品としては微妙かな。

【CD購入録】HUMANIMAL「HUMANIMAL」(2002)

  • 2014/10/28(火) 00:00:00

【CD購入録】
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HUMANIMAL「HUMANIMAL」(2002)

Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)、Pontus Norgren(G)というTALISMANのメンバー3人が在籍するニューアクト(?)HUMANIMALの1stアルバムを買いました。ちなみにドラマーはTomas Bromanなる人物です。ラインナップからしてTALISMANとの違いがよくわからないのですが、元々はPontusとMarcelで新しいプロジェクトを立ち上げようという話からHUMANIMALが誕生、その後Tomasが加入し、レーベルの意向でシンガーがJeffに決まったという経緯があり結果的にこのようなラインナップになったのだとか(何故TALISMANの3rdアルバムと同じプロジェクト名にしたのかは謎ですが…)。Pontus主導と言いながらもソングライティングはMarcelとJeffのコンビが手掛けているので本作がTALISMANらしくないわけがありません。相違点を挙げるとすれば楽曲の幅を広げすぎて散漫にも感じられたTALISMANの5th「TRUTH」(1998)よりもギターオリエンテッドでオーソドックスなHR/HMに焦点が定まっていることでしょうか。ただ近年のTALISMANやHUMAN CLAY同様、質は高いが決め手に欠けるので聞き流してしまいがちです。そんな中⑦Iは初めて聴いた時から印象に残っていますね。

【CD購入録】HUMAN CLAY「U4IA」(1997)

  • 2014/10/25(土) 00:00:00

【CD購入録】
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HUMAN CLAY「U4IA」(1997)

TALISMANサウンドの中核を担うMarcel Jacob(B)Jeff Scott Soto(Vo)によるHUMAN CLAYの2作目を買いました。「HUMAN CLAYは単発プロジェクト」という大方の予想に反して、セルフタイトルの前作から僅か1年のインターバルで発表された今回のアルバムでは新たにJamie Borger(Ds/TALISMAN)が加入していて、TALISMANとの差別化がますます難しくなっています(ギターは全てMarcelがプレイ)。 TALISMAN時代から曲名や歌詞でYouの発音を「U」、Forの発音を「4」と表記したりしていましたが、パッと見ただけでは読めない本作のタイトルはその極みですね。アルバムタイトルの読みはユーフォリア=「EUPHORIA(幸福感の意)」だそうです。Marcel曰く「HUMAN CLAYの音楽性は自分達が影響を受けたアーティストへの思いを表現したもの」とのことですが、聴く人によっては露骨と感じるほどのオマージュも少なくないようでライナーノーツでもMarcel自身がそれを認め、楽しんでいることも含めて言及されています。個人的にパクリはそれほど気にならないものの、デビュー作よりも耳に残るメロディが少ないということが残念ですね。そんな中④Pain & Deceptionはカッコいいなぁと思っていたら、この曲はYNGWIE MALMSTEENがデビュー前に制作したEP「MERLN'S CASTLE」(ベースはMarcelがプレイ)のタイトル曲の焼き直しだとライナーで暴露されています(苦笑)。

【CD購入録】HUMAN CLAY「HUMAN CLAY」(1996)

  • 2014/10/22(水) 00:00:00

【CD購入録】
HUMAN CLAY
HUMAN CLAY「HUMAN CLAY」(1996)

4作目「LIFE」(1995)リリース後にギタリストのFredrik Akessonが脱退、レーベルとの関係が悪化したことなどもあって活動停止状態となったTALISMANの中心人物Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)が新たに結成したHUMAN CLAYの1stアルバムを買いました。本作にはYngwie Malmsteen、Brian Young(BEAU NASTY)そしてFredrik Akessonという3人のギタリストがゲスト参加しているものの、基本メンバーはMarcelとJeffだけでMarcelがベースのみならずギターとキーボード、ドラムのプログラミングまでもこなしています。TALISMANファンであれば最も気になるであろうYngwieと共演した④Jealousyについては、曲調がヴァイキングメタル風ということもあって彼のギターが見事にハマっていますね。それ以外の楽曲についてもファンキーな要素が薄くなっている他はTALISMANの新作と呼んでも差し支えなさそうなナンバーが並び、メロハーテイストの⑧Don't Look Backが収められているなど「本作はTALISMANが2nd「GENESIS」(1993)の次に発表したアルバム」と言われればすんなり受け入れられそうなほどです。その一方で「LIFE」に収録されていた名曲Bodyのリメイク⑨Holdin' Onは持ち味だったグルーヴ感が大きく減退した仕上がりでガッカリ…。全体的に飛び抜けたナンバーこそありませんが、一定レベル以上の佳曲をこうして並べられる辺りは流石と言うべきでしょうか。

【現在の愛聴盤】TALISMAN「LIFE」(1995)

  • 2014/09/06(土) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
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TALISMAN「LIFE」(1995)

9月3日にTALISMANの1st「TALISMAN」(1990)、2nd「GENESIS」(1993)がリマスター再発されたことを受けてTALISMAN特有の音楽性が完成の域に達した4th「LIFE」(1995)をリピート中です。初期2作品も良いけれど僕にとってTALISMANと言えば本作ですね。新しく取り入れたヘヴィネスとグルーヴが前作「HUMANIMAL」(1993)では強調され過ぎていた感がありましたが、今回は持ち前のメロディセンスと見事に融合しています。①Tears In The Sky、⑥Loveblind、⑨Bodyなどはこのバンドならではの名曲ですね。なお本作は先行で発売された国内盤と、リマスターの上ボートラとして未発表曲1曲とデモ音源3曲を追加した欧州盤とで曲順やミックスが異なります。僕はゼロ・コーポレーションから出ていた日本盤を最初に聴き、1993年に行われた初の来日公演の模様を収めたライブアルバム「5 OUT OF 5 LIVE IN JAPAN」と本作のヨーロッパ盤がセットになった2枚組を後で購入しました(勿論お目当てはライブの方)。聴き比べてみると音質の良さ、曲間が短くクロスオーバー気味に楽曲が繰り出されるミックスのハマリ具合などからヨーロッパ盤の方が好きなのですが不満がひとつあります。それは国内盤では①のラストで繰り広げられていたボーカルとベースの応酬がカットされていること。アルバム全体で見ても大きな聴きどころになっていたのに何故このようなミックスにしたのか疑問です…。この点にさえ目をつぶればライブとセットになった輸入盤の方が断然お得だと思います。

【CD購入録】JEFF SCOTT SOTO「LOVE PARADE」(1995)

  • 2014/08/23(土) 00:00:00

【CD購入録】
LOVE PARADE
JEFF SCOTT SOTO「LOVE PARADE」(1995)

YNGWIE MALMSTEENの初期2作品でフロントマンを務め、その後はMarcel Jacob(B/ex-YNGWIE MALMSTEEN )と結成したTALISMANを軸にしつつAXEL RUDI PELL、EYES、TAKARAなどでもその歌声を披露してきたJeff Scott Soto(Vo)の1stソロアルバムを買いました。ソロ第2弾となる「PRISM」(2002)がバラード主体のメロディックロック作品だったのに対して、このアルバムはソウル/ファンク路線となっています。メロディアスなHR/HMを主食としている身として本作のサウンドはなんだか新鮮に感じました。ライナーノーツによると本作の音楽性はJeffのルーツに根差したものらしく、それを踏まえるとTALISMANがデビュー当初のキラキラ北欧サウンドからグルーヴィなハードロックへと変化していった要因はJeffによるところが大きいのかもしれませんね。なお本作にMarcelは関与しておらず、TALISMANやTAKARAのアルバムでプレイしたこともある女性キーボードプレイヤーJulie GreauxGary Schutt(B/ex-TAKARA)といったメンバーがJeffをサポートしています。お気に入りはアルバムの中で一番ロック色の濃く、作曲から演奏まで全てをJeffが1人でこなしている⑩Funk Sandwichですね。

【CD購入録】TALISMAN「HUMANIMAL」(1994)

  • 2014/08/20(水) 00:00:00

【CD購入録】
HUMANIMAL
TALISMAN「HUMANIMAL」(1994)

Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)という元YNGWIE MALMSTEEN組を中心としたスウェーデン産ハードロックバンドTALISMANの3作目を買いました。1994年のリリース当時は日本とヨーロッパで収録曲が異なるバージョンが発売されていましたが今回僕が買ったのは再発盤の2枚組仕様です。

トラックリストはこちら
DISC-1
01. 3233 + Colour My XTC
02. Fabricated War
03. Tainted Pages
04. TV Reality
05. Seasons
06. All + All
07. D.O.A.P.S.
08. Blissfull Garden
09. Lonely World
10. Delusions Of Grandeur
11. Since You've Gone
12. Humanimal
13. Doin' Time Wit' My Baby

DISC-2
01. Animal Ritual
02. You Cannot Escape From The Revelation Of The Identical By Seeking Refuge In The Illusion Of The Multiple
03. My Best Friends Girl
04. Dear God
05. Hypocrite
06. Wastin' R Time
07. To Know Someone Deeply(Is To Know Someone Softly)
08. Todo Y Todo(All + Allのスペイン語バージョン)

デビュー作は北欧メタルの王道、2ndアルバムではそこにグルーヴィな味わいを加えるなど音楽性を変化させてきた彼等ですが、今回は一段とヘヴィなサウンドに傾倒していますね。このアルバムで展開されている路線がTALISMANの持ち味のひとつであることは確かながら、バンドのダークサイドをかなり強調した仕上がりとなっていてデビュー当時とはまるて別バンドのよう。特にDISC-1①Colour My XTCPVは曲調もさることながらラッパーのような風貌と振り付けで歌うJeffに驚かされました。僕は本作を後追いでチェックしたため、ある程度の耐性はできていましたがリアルタイムで聴いていたらショックだったでしょうね…。ただ過去の音楽性と切り離して聴くと決して悪い作品ではないし、DISC-1⑨Lonely World、⑫HumanimalはTALISMANらしさ全開の好メタルチューンとなっています。ちなみにタイトルが異様に長いDISC-2②You Cannot Escape From The Revelation Of The Identical By Seeking Refuge In The Illusion Of The Multipleはテクニカルな演奏をバックにJeffが曲名をメロディに乗せて歌う実験的なナンバーです。全21曲という長尺のボリューム、曲調の振り幅の大きさなどから冗長、散漫といったイメージもありますがもう少し聴き込んでみようと思います。

TALISMAN「GENESIS」(1993)

  • 2014/08/16(土) 00:00:00

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【No.404】
★★★(1995)

結成当初はMarcel Jacob(B/ex-YNGWIE MALMSTEEN)のスタジオプロジェクトと見なされていたTALISMANの2ndアルバム。バンド名を冠したのデビュー作から約3年振りとなる今回のアルバムでもJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)がMarcelの相棒を務めていますが、JeffはもうひとつのバンドEYESに専念するために一時TALISMANを脱退するなど再びタッグを組むまでは紆余曲折があったようです。またギタリストにはオーディションで発掘した新人Fredrik Akessonを迎えており、彼は後のTALISMAN作品にも多く参加することとなります。Fredrikは2005年にChristopher Amott(G)ARCH ENEMYから脱退した際にツアーギタリストとして加入(2007年にChristopherが復帰したためスタジオ盤には不参加)、今ではOPETHに在籍するなど現代北欧ミュージックシーンで名うてのギタリストとしての地位を確立しているのでMarcelは見る目があったということですね。

音楽性はというと「典型的な北欧メタル」だった前作から一皮剥けて、後のTALISMANサウンドのキーとなる「独特のうねり」が顔を出すようになっているためデビュー作はMarcelのソロ、今回がTALISMANとしてのリアルファーストアルバムと捉えることができるかもしれません。そんな変化を象徴するかのように1stアルバムで楽曲を彩っていたキーボードは大幅に減少してサウンドが骨太になっています。グルーヴィなバッキングとキャッチーなサビメロが耳に残る①Time After TimeYNGWIE MALMSTEENの「MARCHING OUT」(1985)に収録されてそうなハードチューン②Comin' Homeで掴みはOK。HR/HMには似つかわしくないファンキーなアレンジを巧みに取り入れた④If U Would Only Be My Friendを聴いているとTALISMANが凡百の北欧メタルバンドと一線を画す存在だと感じさせられますね。そんなバンドの新生面が強調されている今回のアルバムは楽曲のインパクトという面ではデビュー作に一歩譲りますが、強力な哀メロが炸裂する⑨Give Me A Signはバンドを代表する名曲です(サビ直前のアコギもいい!)。また、MR.BIGの有名曲Addicted To That Rushに酷似した⑤All Or Nothingは冒頭の歌詞までもがそっくりなのできっと確信犯でしょうね(笑)。

TALISMAN最大の特徴であるMarcelのベースはかなり目立ってきているし、Jeffの剛柔を巧みに使い分けたボーカルも安定感を増しています。「お行儀のいい」タイプの曲が多かったデビュー盤よりも、本作ぐらい適度にロックした作風の方がJeffの声が活かされていますね。さほどのめり込めない曲があるのも事実だし音質が良くなかったり、ドラムが打ち込みであるため迫力に欠けるといった弱点は今回も改善されていませんが「GENESIS」(=「創世記」、「起源」)と題された本作でTALISMANは自分達のサウンドを掴んだと言えると思います。なおアヴァロン・レーベルから9月3日にリリースされる再発盤は2012年に輸入盤でのみ発売されていたバージョンと同じ内容のようです。

【音源紹介】
・Give Me A Sign

TALISMAN「TALISMAN」(1990)

  • 2014/08/12(火) 00:00:00

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【No.403】
★★★(1995)

10代の頃からYngwie Malmsteen(G)と音楽活動を共にし、 彼のソロ名義で2作目にあたる「MARCHING OUT」(1985)にも参加していたスウェーデン屈指のベースプレイヤーMarcel Jacob(故人。2009年7月に自殺)が自分のやりたい音楽を追及するために結成したTALISMANの1stアルバム。後にMarcelとJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)を中心としたバンドへと成長していったTALISMANですが、結成当時はMarcelのソロプロジェクト的な色合いが強かったようでシンガーもJeffではなく「Mr.北欧ボイス」ことGoran Edman(Vo/ex-MADISON)が想定されていたのだとか。ところがGoranがYngwieに引き抜かれたためMarcelが「MARCHING OUT」のバンドメンバーでもあったJeffに声をかけたという経緯があったようです。なおキーボードプレイヤーとしては後のYngwieバンドに長期間(1989年から2001年まで)在籍することとなるMats Olaussonも参加していて良い仕事をしています。

TALISMANは後にファンキーでグルーヴィーな要素を強めていきますが、本作は透明感あるキラキラサウンドと瑞々しいメロディの数々が楽しめる「これぞ北欧メタル」な1枚となっています。力強くもキャッチーな歌メロをフィーチュアしたオープニングチューン①Break Your Chains、冒頭のアカペラからして爽快感に溢れたハードポップ③I'll Be Waiting、北欧ならではの哀メロが冴え渡る⑤Just Between Us、⑨Day By Dayなどはこのバンドのみならず北欧メタルを代表するナンバーだと思います。また上記4曲には一歩譲るもののハードにドライヴィングする⑦Queenも結構好きだし、それ以外も佳曲揃いでMarcelが優れたソングライターであることを証明してくれていますね。アルバムの中で明らかに浮いているロックンロール⑩Women, Whiskey, And Songsこそ微妙ですが、本編を締めくくるインスト⑪Great Sandwichでは泣きのギターとMarcelらしいベースソロが楽しめて好印象。

このアルバムにはいくつかのバージョンが存在していて、僕が最初に聴いたのはオリジナルの11曲にボーナストラックとしてライヴ音源が6曲も追加されたゼロ・コーポレーションからの国内盤でした。追加音源の中にはMarcelも参加していたJohn Norum(G/EUROPE)の1stソロ「TOTAL CONTROL」に収録されていたLet Me Love You、Eternal FlameやMarcelがJoey Tempest(Vo/EUROPE)と共作したEUROPE随一のメタルチューンScream Of Angerといった興味深いナンバーも含まれていますが音質が極めて悪いためほとんど聴いていません(苦笑)。また2003年には本作のナンバーをGoranが歌ったデモバージョン7曲とインスト1曲が追加されたリマスター盤が再発され、GoranによるTALISMANの曲が聴きたくて買い直しました。一部、曲タイトルや歌詞が異なるGoranバージョンはJeffが歌うオリジナルと聴き比べても遜色ないばかりか、中にはDay By DayのようにGoranの方がはまっていると思える曲もあるほどです。バンドはJeffの持ち味を活かすため作を重ねるごとに今回のアルバムで展開しているような北欧サウンドから離れていくことになるのですが、もしGoranがフロントマンになっていたらTALISMANがどのような方向性へ進んでいたのか聴いてみたい気もしますね。ちなみに9月3日にアヴァロン・レーベルから再発される国内盤にはGoranが歌っている音源は収録されていないようです。

【音源紹介】
・I'll Be Waiting

【CD購入録】W.E.T.「RISE UP」(2013)

  • 2013/03/14(木) 00:00:00

【CD購入録】
RISE UP
W.E.T.「RISE UP」(2013)

レーベルの社長Serafino Pergino発案によるFRONTIERS RECORDSイチオシのメロディックロックプロジェクトW.E.T.の2作目を買いました。Robert Sall(G、Key)WORK OF ARTErik Martensson(G、B、Vo)、Magnus Henriksson(G)、Robban Back(Ds)ECLIPSEJeff Scott Sotoはソロと、メンバー全員がW.E.T.以外に優先すべき音楽活動の場を持っているためプロジェクトっぼさが抜けきらないのは事実ながら、メンバー自身が「バンドらしさを増した」と語る本作はデビューアルバムに負けず劣らずの好盤に仕上がっています。爽やかなメロハー、王道を行くバラード、力強いロックチューンに大別できそうな本作収録曲はハイクオリティなものばかりですね。これぞパワーバラードという感じの④Love Heals(終盤のオーオーコーラスはJOURNEYFaithfullyみたい)、ノリのよさが心地よい⑦Bad Boy、勇壮なメロディを歌うJeffのボーカルが映える⑧On The Runなどは初めて聴いた時から好きな曲だし、作品全体としても中盤以降がかなり充実している印象があります。そして忘れてはならないのが日本盤ボーナス⑬Victoriousの存在。いかにも北欧らしい曲調とメロディで駆け抜けるこの曲を聴いていてJeffが歌っていたYNGWIE MALMSTEENの「MARCHING OUT」(1985)を思い出しました。アルバムの中身には関係ありませんが帯タタキが「W.E.T.の2nbアルバム!」となっているのはちょっとねぇ…(苦笑)。

【CD購入録】W.E.T.「W.E.T.」(2010)

  • 2010/02/04(木) 00:00:00

【CD購入録】
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W.E.T.「W.E.T.」(2010)

WORK OF ARTのギタリスト/ソングライターRobert SallECLIPSEの中心人物Erik MartenssonTALISMANのシンガーJeff Scott Sotoの3人を中心としたメロディアス・ハードロックの新プロジェクトW.E.T.の1stアルバムを買いました。Erikが中心となって手がけた楽曲をJeffが歌い、上記3人の他にECLIPSEのメンバーがバックを支えるという形式なのでざっくり表現するとECLIPSEにJeffが加入し、そこにRobertが作曲面、演奏面をフォローしているという感じでしょうか。このメンバーを見た時点でハズレ作品になるわけがないと思っていましたが、本作はその期待を裏切らない出来栄えですね。スリリングなギターをフィーチュアしたアップテンポのオープニング①Invincible、PVも制作された本作のリードトラック②One Love以降、北欧メロハーファンである僕のツボを刺激する楽曲が次から次へと登場します。お気に入りは⑥I’ll Be There、⑨One Day At A Time、⑫If I Fallといったところでしょうか。ちなみに、本作発売前に②のPVが公開され、そこには生前のMarcel Jacob(B)の姿もありましたが、Marcelは撮影にのみ参加していたようですね。輸入盤から約3ヶ月遅れでリリースされた本作の日本盤にはボーナスとして④Comes Down Like Rainのアコースティックヴァージョンが収録されています。

【CD購入録】JEFF SCOTT SOTO「PRISM」(2002)

  • 2009/12/21(月) 00:00:00

【CD購入録】
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JEFF SCOTT SOTO「PRISM」(2002)

欧州盤から遅れること約3ヶ月、2010年1月27日にめでたく日本盤がリリースされるFRONTIERS RECORDSが送る北欧メロハーの新プロジェクトW.E.T.の予習のため、Jeff Scott Soto(Vo/TALISMAN、W.E.T、ex-YNGWIE MALMSTEEN)のソロ作品の中でも一番評判が良いと思われる2nd「PRISM」を買いました。ちなみにW.E.T.とはRobert Sall(G/WORK OF ART)、Erik Martensson(Vo/ECLIPSE)、そしてJeff Scott Sotoによるプロジェクトで、W.E.T.という名前は3人が所属するバンドの頭文字を取ったものです。このアルバムは当然ながらJeffのボーカルを中心に置いた良質AORで、バラード比率がやや高めの歌ものアルバムです。バラード系の中では⑥Holding Onが特に好きですね。一方のハードロックチューンでは哀愁のメロディを勢いよく聴かせるオープニングナンバー①Eyes Of Loveが秀逸。それにしてもやはりJeffは凄いシンガーですね。力を込めて熱く歌い上げたかと思うと、メロウなパートでは語りかけるような優しい歌唱にウットリ…。大御所Glenn Hughes(Vo/ex-DEEP PURPLE etc)とデュエットしたファンクチューン⑤I Want to Take You HigherSLY & THE FAMILY STONEのカバー)でも、ソウルフルなGlenn相手に一歩も引かず真っ向勝負してます。このアルバムを聴いているとW.E.T.への期待が一段と高まってきました。

YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE「MARCHING OUT」(1985)

  • 2008/09/17(水) 06:56:54

MARCHING OUT
【No.041】
★★(1995)

STEELERALCATRAZZでの活動を経て、前作「RISING FORCE」でソロデビューするや、その革新的なギタープレイとクラシックからの影響を色濃く反映させた楽曲で当時のメタルシーンにインパクトを与えたYNGWIE MALMSTEENのソロ2作目。インストメインだった前作に対して本作はデビュー作では2曲で歌うのみだったJeff Scott Soto(Vo)によるボーカルメインの作風(インストは3曲)となっています。またバックの演奏陣も前作に続いて参加のJens Johansson(Key)と、その実兄で後にHAMMERFALLで活躍するAnders Johansson(Ds)に加え、北欧の名ベーシストMarcel Jacob(B)という北欧の有名どころが顔を揃えたラインナップになってます。

1995年1月に「ECLIPSE」(1990)で初めてYNGWIEを知り、そのギタープレイと音楽性に衝撃を受けた僕は「RISING FORCE」(1984)から当時の最新作「SEVENTH SIGN」(1994)までをまとめ買いして聴いていたわけですが、本作はその中でもCDトレイに乗る回数が少なかった作品です。その最大の理由は音質の悪さ。音量を2~3上げてようやく他のCDと同じボリュームで聴こえるわ、音が篭りまくりで明瞭さに欠けるわで、当時の僕はYNGWIEの他の作品から彼の世界にはまっていきました。それ以降はROYAL HUNTDREAM THEATERなど、YNGWIE以外のアーティストの作品を聴く機会が増えていき、本作は「音の悪いYNGWIE初期の作品」というイメージのままCDラックに眠ったままになってました。

ところがYNGWIEタイプ(またはフォロワー)といわれる他のバンドも聴くようになってから、久し振りに本作を聴いてみると「あ、ここはあのバンドっぽい」とか「これはあのバンドにありそうな展開」など、本来はこちらがオリジナルなのに逆デジャブな感じがしてビックリ。リフワーク、ギターとキーボードソロの絡め方、曲展開に至るまで本作にはネオクラシカルメタルの基本型が詰まってますね。デビュー作のFar Beyond The Sunほどのキラーチューンはないし、次回作「TRILOGY」ほど垢抜けてはいないんだけど、繊細で煌びやかなギターが素晴らしく、名曲②I’ll See The Light, Tonightも収録されている本作は、ネオクラシカルというジャンルの礎を築いたYNGWIE MALMSTEENの本質を見事に凝縮した1枚といえそう。最近リマスター盤が出たようですが、音の方はどうなんでしょうか?

【音源紹介】
・I'll See The Light, Tonight(Live)

YNGWIE J. MALMSTEEN’S RISING FORCE「RISING FORCE」(1984)

  • 2008/09/15(月) 07:23:57

RISING FORCE
【No.040】
★★★★★(1995)

クラシック音楽の要素とハードロック/ヘヴィメタルを融合させ、新たなジャンルを築き上げた天才ギタリストにしてネオクラシカルメタルの祖YNGWIE MALMSTEENのソロデビュー作。最近(というか90年代以降)のYNGWIEは手癖フレーズが多く、そのギタープレイの評価は下降線を辿ってますが本作に収められた鬼気迫る彼のプレイは別次元のレベルですね。全8曲中6曲がインストという偏った構成ながら、独自のメロディセンスとズバ抜けたギターテクニックに圧倒される名盤です。

アコースティックギターの儚い旋律から悶絶級のクラシカルフレーズへと展開する①Black Star、そしてメタル史に残る名演を収めた神曲②Far Beyond The Sunという冒頭2曲からしてインパクト絶大。YNGWIEのギタープレイの静と動を象徴するかのようなこの2曲を聴いた段階で、当時の彼が他のプレイヤーを凌駕する存在であったことを思い知らされます。特に②は徹底的に弾きまくるスピードチューンでメロディ、曲構成ともに完璧。また⑤Icarus' Dream Suite op. 4では、クラシックフレーズを引用した導入部からエンディングまでドラマティックで哀愁に満ちた旋律美が胸に響いてきます。とにかく全編を通してYNGWIEの超絶テクと美しい音色、泣きのトーン、メロディが素晴らしくギターという楽器が持つ凄みを感じさせてくれます。そのYNGWIEのギターと張り合うのは後にSTRATOVARIUSでも活躍する北欧の名プレイヤーJens Johansson(Key)、④Evil Eyeでのギターとせめぎ合うような速弾きや、⑦Little Savage後半での美旋律など大活躍。ちなみにベースはMarcel Jacob(B)が弾いてるのかのようなカッコいい音だけど、クレジットを見るとYNGWIE自身が弾いているそうです。

後にあのJOURNEYにも在籍したJeff Scott Soto(Vo)が歌うボーカル曲の2曲も結構いいんだけど、本作中の好きな曲を挙げていくと上記のインスト曲が先に来てしまいますね。ほんっとに当時のYNGWIEのギターは尋常じゃないほど速いだけでなく、一音一音が宝石のように煌めいていてギタリストとしての格の違いを見せつけてくれます。後に「ODYSSEY」や「FACING THE ANIMAL」といった名盤をリリースしてますが、ギタープレイの凄まじさという点では本作がお気に入り度ナンバーワンです。惜しむらくは(YNGWIEの作品全般にいえるけど)音質が悪く、音が篭っているように感じること。極上のプロダクションで本作を聴ければ、感動が更に増幅されそうなのに。

【音源紹介】
・Far Beyond The Sun(Live)