WITHIN TEMPTATION「HYDRA」(2014)

  • 2017/08/05(土) 00:00:00

HYDRA.jpg
【No.498】
★★★★(2014)
年間ベスト2014年第10位

今や本国オランダは勿論、ヨーロッパを代表するフィーメルゴシックHR/HMバンドへと成長を遂げたWITHIN TEMPTATIONの6thアルバム。今回もバンドがひとつの到達点に達したと自負する4th「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)で提示したメジャー感たっぷりのモダンゴシックサウンドの延長線上にある作風です。2011年リリースの前作「THE UNFORGIVING」はバンド初のコンセプトアルバムでそのストーリーを題材にしたコミック本を出版したことが話題となりましたが、本作のトピックは全10曲中4曲に外部シンガーがゲスト参加していることでしょう。特にTarja Turunen(Vo/ex-NIGHTWISH)Sharon Den Adel(Vo)という2大歌姫が共演した④Paradise(What About Us?)はWITHIN TEMPTATIONファンのみならずシンフォゴシックメタラーにとっても大注目の1曲で流石の出来栄えとなっています。

そんな④以外ではHoward Jones(Vo/ex-KILLSWITCH ENGAGE)が男前な歌声を響かせる②Dangerous、アメリカ人ラッパーXzibitとの共演が意外とマッチしている③And We RunDave Pirner(Vo/SOUL ASYLUM)とのデュエットバラード⑩Whole World Is Watchingがゲスト参加曲となっています。アルバム全体で見てもこれら4曲が際立っていて中でもバンド最速曲とも言われる②の緊張感はカッコいいし、ラップパートが楽曲のドラマ性をアップさせている③は大きな聴きどころですね。どちらの曲も本作の特徴であるヘヴィネスとシリアスな雰囲気が強調された本作の代表曲です。ゲストが参加していない楽曲では現在のWITHIN TEMPTATIONスタイルの王道をゆく①Let Us Burn、Sharonの儚い歌唱が沁みる⑦Covered By Roses、このバンドにしてはギターの主張がかなり激しい⑨Tell Me Whyなどが気に入っています。また⑤Edge Of The Worldでは3rd「THE SILENT FORCE」(2004)の頃のような幻想的なムードがあったり、⑥Silver Moonlightでは久し振りにグロウルをフィーチュアしていたりとバンド初期の要素が復活している点も見逃せません。

僕が持っている本作のデラックスエディションにはカバー6曲、本編収録曲が完成に至る過程を記録したエボリューショントラックなるものを4曲収録したボーナスディスクが付いています。カバーソングはコンピレーションアルバム「THE Q-MUSIC SESSIONS」(2013)からの抜粋で、元ネタがHR/HMジャンル外のアーティストばかりということもあってか印象に残っている曲はほとんどなく、却ってWITHIN TEMPTATIONのメロディセンスの高さを再認識する結果となりました。ちなみに今年初めてBruno Marsのアルバムをチェックした時、聞き覚えのある名前だと感じたのは本作にBrunoのカバー曲Grenadeか収録されているからだったようですね。なおメインソングライターのRobert Westerholt(G)はSharonとの間に3人目の子供が産まれた2011年以降、ツアーに帯同せず創作面とレコーディングでのみ参加するとともにバンドのスポークスマンを務めているのだとか。Sharonがツアーに参加しないことはあり得ないので家庭と仕事(バンド)を両立するための現実的な選択だと思いますが、子育てと仕事のやりくり追われている身としては親近感が湧きますね(笑)。

【音源紹介】
And We Run

WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」(2011)

  • 2017/07/23(日) 00:00:00

THE UNFORGIVING
【No.497】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第6位

前作「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)で従来のゴシックメタルに大衆的な親しみやすさを加味し、更なる進化を遂げたWITHIN TEMPTATIONの5作目。リーダーのRobert Westerholt(G)によると「THE HEART OF EVERYTHING」の出来にかなり満足しているようで「通常のアルバムを作るという意味ではやりきった」と感じたことから、今回はバンド初のコンセプトアルバムであるだけでなく、そのストーリーと連動したコミックを出版するという意欲作となっています。ジャケットはアメコミ風のイラストで、インタビュー記事のメンバー写真を見ても従来にはなかった軽いノリになっているためバンドイメージに変化が見られるものの最大の武器であるメロディセンスは衰えるどころか更に磨きがかかっていますね。

今や厳かなゴシックメタル的ムードは大きく減退、シンフォニックアレンジの効いたメロディアスHR/HMとなっているため初期からのファンにとっては賛否両論ありそうですが僕は本作を聴いてWITHIN TEMPTATIONのファンになりました。今回はこれまで以上に楽曲の幅が広がっていて、このバンドにしては珍しく疾走感のあるロックチューン③In The Middle Of The Night、曲名通りの武骨さ、勇ましさと共に進行する⑥Iron、ディスコ調のサウンドを取り入れた⑧Sineadなどは、本作の多様性を象徴するナンバーだと思います。WITHIN TEMPTATIONの凄いところは新境地に挑戦しつつ、それを失敗に終わらせず魅力的に聴かせることができる点でしょう。僕にとってのハイライトはダンサブルな⑧とは対照的な熱唱系バラード⑨Lost、即効性は低いもののリピートするうちにジワジワくる⑩Murder、モダンサウンドを纏った哀愁ドライヴィングチューン⑪A Demon's Fateと続く後半の流れですね。

Sharon Den Adel(Vo)のボーカルについては、3rd「THE SILENT FORCE」(2004)辺りまでで披露していたエンジェリックボイスは控えめで、作風の変化に合わせるように力強く低音域で歌う場面が増えていますね。また音楽的にもメンバーのルックス的にも依然としてSharon推し全開ではありますが、短いとはいえギターソロが聴ける曲が増えたのも特徴でしょうか。本作はコンセプトアルバムではあるもののSEは①Why Not Meのみだし、大作も一切なくコンパクトな楽曲が並んでいるため小難しさは皆無。あくまで歌モノ作品として成り立っているのも好印象です。ゴシックメタルからメインストリーム系ロックへの飛躍のきっかけを掴んだ前作の流れを上手く発展させた充実盤だと思います。

【音源紹介】
Sinead

【CD購入録】LIV MOON「DOUBLE MOON」(2009)

  • 2017/07/15(土) 00:00:00

【CD購入録】
DOUBLE MOON
LIV MOON「DOUBLE MOON」(2009)

元宝塚女優でもあるAkane Liv(Vo)NIGHTWISHのカバー曲The Phantom Of The Opera(2002年発表の4th「CENTURY CHILD」収録)を聴いて感銘を受け、西脇 辰弥(Key)と共に立ち上げたシンフォニック・メタルプロジェクトLIV MOONの1stアルバムを買いました。「元タカラジェンヌがメタルを歌う」という話題性もあってかデビュー当時Yahooニュースで取り上げられていた記憶もあるし、メジャーデビュー前からBURRN!誌にインタビューが掲載され、LOUD PARK 09に出演するなど破格の待遇を受け2009年12月にリリースされたのが本作です。LIV MOON誕生のきっかけはNIGHTWISHだそうですが、本作を聴いてオランダが誇るフィーメルゴシックの重鎮WITHIN TEMPTATIONを最初に連想しました。僕は2nd「GOLDEN MOON」(2011)からLIV MOONを聴き、現時点での最新作4th「THE END OF THE BEGINNING」(2012)までをチェックした後に本作を購入したこともあってかLIV MOONのアルバムの中では物足りなく感じるというのが正直な感想です。お気に入りはシンフォゴシックとは一線を画すJ-POP的な⑧「鮮やかに…」でしょうか。Akane嬢の歌唱力は素晴らしいものの、楽曲のメロディという点ではインパクトに欠ける1枚という感じですね。

WITHIN TEMPTATION「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)

  • 2017/07/11(火) 00:00:00

THE HEART OF EVERYTHING
【No.496】
★★★(2007)

「ナイチンゲールの声」と称される美声で聴く者を魅了する歌姫Sharon Den Adel(Vo)を擁するシンフォニック・ゴシックメタルバンドWITHIN TEMPTATIONの4thアルバム。「ナイチンゲールの声」という彼女の愛称は正直なところ意味がよくわからないのですが「ナイチンゲール=看護師=癒し」、つまりは癒しの歌声ということでしょうか。バンドの母国オランダといえば僕がHR/HMを聴き始めた90年代半ばは貴公子Robby Valentine(Vo、Key)のイメージが強かったものの2000年代に入ってロビー様の勢いが失速するのと入れ替わるようにWITHIN TEMPTATIONがヨーロッパでブレイク、その後もAFTER FOREVER、EPICA、DELAINなどが続々と登場し、今やオランダは僕の中でゴシックメタル大国となっています。そんなバンド勢の代表格でもあるWITHIN TEMPTATIONは僕が初めて聴いたこの手のバンドで、世間でも評価の高い2nd「MOTHER EARTH」(2000)、3rd「THE SILENT FORCE」(2004)もチェックしましたが荘厳な雰囲気を発散している一方で敷居の高さを感じてしまい、美旋律に酔いしれながらもそれほどハマることはありませんでした。

これまではお行儀よく纏まっていた感のある彼等ですが、今回はKeith Caputo(LIFE OF AGONY)なるシンガーがゲスト参加した②What Have You Doneを筆頭にHR/HMらしいダイナミズムが増していて聴きやすくなりましたね。「Sanctus Espiritus〜♪」と歌うラテン語のサビが耳から離れない④Our Solemn Hour、Sharonにしては珍しい低音域の歌唱をフィーチュアしたタイトル曲⑤The Heart Of Everything、アルバムの中でも一際キャッチーなメロディを持つ⑥Hand Of Sorrowと続く中盤も強力。そしてアルバム終盤には⑨All I Need、⑪Forgivenといった美しいバラードに加えて⑩The Truth Beneath The Roseのようにドラマティックかつ勇壮な楽曲もあって、美しさだけでなく力強さも感じられるのがこれまでの作品と異なる点でしょうか。

平たく言えばデビュー作「FALLEN」(2003)が世界的ヒットを記録したEVANESCENCEの要素を従来のゴシックメタルサウンドに加味したような作風ですが、結果的に僕好みの音楽性に変化しているのが嬉しいですね。そしてバンドの顔でもあるSharonのボーカルパフォーマンスは更なる成長を遂げていて、神々しさすら感じさせる高音域で儚げに歌うパートを最大の武器にしつつ今回はより多彩な表情を見せてくれています。そんな彼女が歌うメロディラインは親しみやすく、楽曲を盛り上げるシンフォアレンジもお見事。大衆的な聴きやすさを身につけた今回のアルバムはバンドの分岐点ではないかと思っています。デビュー当初の崇高なゴシックメタルサウンドは希薄になっていますが、僕は本作以降のWITHIN TEMPTATIONが好きですね。

【音源紹介】
What Have You Done

【CD購入録】WITHIN TEMPTATION「HYDRA」(2014)

  • 2014/02/02(日) 00:00:00

【CD購入録】
HYDRA.jpg
WITHIN TEMPTATION「HYDRA」(2014)

1997年に「ENTER」でデビュー、2nd「MOTHER EARTH」(2000)が母国オランダを始めとするヨーロッパ各国で大ヒットして以降、着々と成長し続けて今やゴシックメタルの枠を超えた大物バンドとなった感もあるWITHIN TEMPTATIONの6作目(初回限定盤)を買いました。今回もSharon Den Adel(Vo)の絶品歌唱を軸としたゴシック系歌ものメタル作品に仕上がっていて、近作で顕著な大衆化路線も引き継いでいるのも個人的には嬉しいポイントです。話題となっているゲストシンガー陣については、何と言っても④Paradise(What About Us?)でSharonとTarja Turnen(Vo/ex-NIGHTWISH)というヨーロッパの2大歌姫の共演が実現した点が目を引きます。またバンド史上最速チューンの呼び声高い②DangerousではHoward Jones(Vo/ex-KILLSWITCH ENGAGE)が男前な歌声を響かせてくれているし、③And We Runではなんとアメリカ人ラッパーXzibitによるラップも導入しているのですが、この異色な組み合わせが意外とマッチしているんですよね。あと⑩Whole World Is WatchingにはDave Pirner(Vo/SOUL ASYLUM)が参加しています。前作「THE UNFORGIVING」(2011)はアルバムと同名のコミックを制作し、その物語を表現したコンセプト作品、今回は古代ギリシア神話に登場する不死身の蛇「ハイドラ」をタイトルに持ってくるなど、このバンドは常に異なるテーマに挑んでいる印象がありますね。 それでいてアルバムのクオリティも高水準だというのが素晴らしい。 ちなみに僕が買った初回限定盤は2枚組仕様となっていてDisc-2はカバーが6曲、残りはアルバム本編に収録された曲のEvolution Trackなるバージョンが4曲という内容です。Evolution=「発展」という言葉の通り各曲がどのようにして完成形へ至ったかを記録したもので、1曲全体ではなく切り出された特定パートが発展していく過程を楽しむためのトラックなのでカバーはともかくこれらは熱心なファン向けかなという感じです。

【CD購入録】LIV MOON「THE END OF THE BEGINNING」(2012)

  • 2012/09/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE END OF THE BEGINNING
LIV MOON「THE END OF THE BEGINNING」(2012)

「~MOON」で統一されていたアルバムタイトルやバンドの主役Akane Liv嬢(Vo)推しだったジャケットのパターンがこれまでと違うこともあって、バンドが新章に突入したことを感じさせる(タイトルからすると本作が第1章の締めくくりなのかもしれませんが)LIV MOONの4作目(DVD付きの初回限定盤)を買いました。今年の1月に3rd「SYMPHONIC MOON」をリリース、7月にはライブDVDも発表しながら早くも新作が完成したと聞いた時は嬉しさよりも、余りに早いペースにクオリティが伴うのか不安を感じたのですが、今回もきっちりした作品を届けてくれたという印象ですね。本作の目玉はKee Marcello(G/ex-EUROPE)、Kiko Loureiro(G/ANGRA)、Magnus Rosen(B/ex-HAMMERFALL)といったプレイヤー達が作曲や演奏面でゲスト参加している点でしょうか。Keeに至ってはPVも制作された④And Forever MoreでAkaneとのデュエットも披露しています。KeeやMagnusといった北欧出身メンバーをゲストに迎えているからかもしれませんが、今回のアルバム北欧神話の世界を描いているそうです。全体的にシンフォニックな面が強調されている一方、ストレートな楽曲の割合が減っているのでインパクトは前作に一歩譲る感はありますが、7つものキャラクターを演じ分けるタイトル曲⑥The End Of The Beginningを筆頭にこれまで以上に多彩な表情を見せてくれるAkane嬢の歌が素晴らしいですね。

【CD購入録】DELAIN「WE ARE THE OTHERS」(2012)

  • 2012/09/18(火) 00:00:00

【CD購入録】
WE ARE THE OTHERS
DELAIN「WE ARE THE OTHERS」(2012)

Martijn Westerholt(Key/ex-WITHIN TEMPTATION)Charlotte Wessels嬢(Vo)を中心に結成されたオランダ産ゴシック系HR/HMバンドDELAINの3作目を買いました。彼等に関しては名前こそ知っていたものの、WITHIN TEMPTATIONの派生バンドというイメージが強かったのと僕がフィーメルゴシック系バンドにそれほどのめり込んでいなかったこともあって、これまでスルーしていたのですがブログにお薦めコメントをいただいたのがきっかけで試聴してみたら好感触だったので購入に至った次第です。第一印象としては、やはり本家WITHIN TEMPTATIONを連想させる部分があり、シンフォニックなアレンジは控えめなのでWITHIN TEMPTATIONの中でも最新作「THE UNFORGIVING」(2011)に近いという感じでしょうか。リーダートラック③We Are The Others以外は曲のキャラ立ちが弱い気もしますが、どの曲も気持ち良く聴けて気がつけばリピートしている状態なのでキャッチーな女性ボーカルものとして楽しめそうです。

【CD購入録】LIV MOON「SYMPHONIC MOON」(2012)

  • 2012/01/20(金) 00:00:00

【CD購入録】
SYMPHONIC MOON
LIV MOON「SYMPHONIC MOON」(2012)

前作「GOLDEN MOON」(2011)を聴いて一気にファンになった国産嬢メタルの注目株LIV MOONの3作目を買いました。本作を聴いて最初に感じたのはAkane Liv(Vo)のボーカルアプローチがこれまで以上に低音域を軸としていて、それがまた魅力的だということです。BURRN!誌のインタビューによると、この変化は前作収録曲Black Ruby(僕の中ではアルバムベストチューン)での経験が活かされているらしく、個人的には今回のスタイルの方が好きですね。もちろん要所要所では「4オクターブの美神」と称される高音も響かせてくれます。外部ソングライターを貪欲に迎えて制作された楽曲群に関してもPVが公開されているオープニング①Amen!が放つ妖艶なムード、⑧心月世、⑨The Last Saviorで楽しめる僕好みのメロパワサウンドは一発で気に入ったほか、バラードやエキセントリックなナンバーも収録していて聴き応えがありますね。デビュー当時にこのバンドが「SYMPHONIC MOON」というタイトルのアルバムを発表していたら「いかにも」って感じでしたがシンフォニックな要素に頼らず魅力的な曲を連発できるようになった今、このタイトルで来たバンドの自信の程が窺える力作だと思います。

【CD購入録】WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」(2011)

  • 2011/10/16(日) 00:00:00

【CD購入録】
THE UNFORGIVING
WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」(2011)

「HR/HM界の歌姫」と聞いて僕が思い浮かべる歌い手のひとりSharon Den Adel嬢(Vo)擁するオランダのシンフォニック・ゴシックバンドWITHIN TEMPTATIONの5作目を買いました。このバンドに関しては「ENTER」で1997年にデビューして以降、2nd「MOTHER EARTH」(2000)が輸入盤市場やネットで話題となり、3rd「SILENT FORCE」(2004)と4th「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)はB!誌でも高く評価されていたので僕も2nd~4thをチェックしましたが、世間の評判ほどの満足感は得られなかったというのが正直なところでした。本作は過去作品ほどシンフォゴシック色が濃くなく、より普遍的な女性ボーカルによるロック作品で聴きやすいと感じました。今回も現時点ではそんなにのめり込んではいないのですが、気持ち良くリピートできる1枚だと思います。
また本作はバンドにとって初めてのコンセプト作品であるだけでなく、そのストーリーと連動したコミック本を出版するのだとか。バンドに勢いがあって波に乗っていることを感じますね。

【CD購入録】LIV MOON「GOLDEN MOON」(2011)

  • 2011/06/16(木) 00:00:00

【CD購入録】
GOLDEN MOON LIMITED EDITION
LIV MOON「GOLDEN MOON」(2011)

Akane Liv(Vo)こと元タカラジェンヌ岡本 茜を擁するシンフォニックメタルバンドLIV MOONの2作目(DVD付き初回限定盤)を買いました。僕にとっては本作がLIV MOON初体験盤です。デビューアルバム発表後にAkaneと作曲面の中心人物である西脇 辰弥(Key)以外のメンバーが交代していて、今回はVitalij Kuprij(Key/ARTENSION etc)との共演経験もある大村 佳孝(G)らを迎えています。①「死の舞踏~ディエズ イレ」は僕がLIV MOONを聴く前に抱いていたこのバンドに対するイメージそのまんまなサウンドで期待が膨らみました。そんな①の世界観が作品全体を包んでいるのかと思いきやストレートなメタルチューン、ヴィジュアル系、テクノっぽい曲やJ-POP調のポップソングから王道バラードまで予想以上に幅広い作風で驚きました。楽曲単位でのお気に入りは④Black Ruby、⑭「アマラントスの翼」ですね。そして素晴らしいのがバンドの顔である「4オクターブの美神」Akane嬢の歌唱力。高音メインで歌っていますが④で聴ける低い音域も魅力的で、すっかり魅了されてしまいました。まだバンドというよりはAkane Livのプロジェクトっぼさが感じられますが、今後もこのラインナップで活動していってもらいたいですね。

【CD購入録】NEGATIVE「SWEET & DECEITFUL」(2004)

  • 2011/02/15(火) 00:00:00

【CD購入録】
SWEET AND DECEITFUL
NEGATIVE「SWEET & DECEITFUL」(2004)

NEGATIVEの6th「NEON」(2010)が僕のツボに大ハマリだったので、彼らの過去作品について調べてみたところ評判の良かった2ndアルバムを買いました。本作でも僕を惹きつけてくれるメロディは確かに存在しますがメジャー感バリバリたった「NEON」に比べると楽曲、Jonne Aaron(Vo)の歌唱ともに荒削りで発展途上という感じなので物足りなさがありますね(「NEON」よりも先に本作を聴いていたらもう少し好印象になっていたような気もしますが…)。ゴシックテイスト漂うメロディックロックを軸にラフなロックンロール系も少々という感じでしょうか。ちなみに⑩Until You're MineではSENTENCEDVille Laihiala(Vo)がゲスト参加してデュエットしているのですが、圧倒的な存在感でJonneを食ってしまってますね(笑)。

SENTENCED「FUNERAL ALBUM」(2005)

  • 2009/02/27(金) 08:16:31

FUNERAL ALBUM
【No.104】
★★★★(2005)
年間ベスト2005年第5位

このアルバムを最後に解散を宣言したフィンランドの慟哭メタルバンドSENTENCEDの8作目。自らを葬送するアルバムというユニークな位置づけの本作は、「葬送」という言葉とはおよそ不似合いなほど、ノリが良くロックした作品となっています。①May Today Become The Day、②Ever Frost、⑦Vengeance Is Mine、⑪Drain Meなど、SENTENCED特有の泣きメロを心地よい疾走感に乗せて聴かせるその姿はまるで、このアルバムで解散するバンドの最後の力を振り絞り、この1枚にエネルギーを詰め込んだかのよう。その有り余るエネルギーは真性デスメタル調のインスト⑤Where The Waters Fall Frozenにも表れてますね。

そんなエネルギッシュなイメージを持たせつつも、やはりこの作品全体を覆っているのは、マイナー調のもの悲しいメロディと、それを男臭い悲壮感すら漂わせながら歌うVille Leihiala(Vo)の歌唱ですね。格段に上手いシンガーではないんだけど、彼の声にこめられたエモーショナルなフィーリングは他のシンガーからは感じられない「何か」があります。特にブルージーに始まり後半に疾走する⑥Despair-Ridden Heartsでのパフォーマンスが素晴らしい。そして、このアルバムを語る上で欠かせないのが「あぁ、やはりこのバンドは最期を迎えるんだ…」と感じずにはいられないアコギによる短いインスト⑫Karuから⑬End Of The Roadへの流れ。悲しげな歌い出しからSENTENCEDを葬る泣きに満ちたギターソロへと続く⑬は本当に泣けます。

あえてバンドの絶頂期に解散を決断したSENTENCED。僕は前作からリアルタイムで彼らの音楽を聴いているだけなので、生粋のファンとは言えないですけど、この素晴らしい作品を残して去る彼らに拍手を送りたいですね。ただ、こういうアルバムだからこそ日本盤ボーナストラックの2曲(既発曲のライブ)はない方が良かった…。

バンドのメインソングライター/ギタリストのMiika Tenkulaが2009年2月19日に34歳の若さでこの世を去りました。ソースはこちら
Miika、素晴らしい音楽をありがとう。R.I.P

【音源紹介】
・End Of The Road(Live)

2枚組DVDにもなったSENTENCEDのラストライブからのテイクです。

SENTENCED「THE COLD WHITE LIGHT」(2002)

  • 2009/02/26(木) 08:24:05

THE COLD WHITE LIGHT
【No.103】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第4位

「自殺メタル」「鬱メタル」など他に類を見ない呼び方をされることもあるフィンランドの大御所バンドSENTENCEDの7thアルバム。「とにかく暗く哀しい」という前評判から、どんなダークでヘヴィな世界が繰り広げられているのかと思いきや、中身の方は美しいメロディをメランコリックに奏でるヘヴィメタルでした。とはいっても、楽曲から滲み出る哀感はハンパじゃないし、Ville Laihiala(Vo)の感情を振り絞りながら歌うボーカルには強い哀しみが宿っていて何とも言えない悲壮感が胸に突き刺さってきます。

速さ、激しさという点では最近のメロパワバンドの方がずっと速くアグレッシブで、本作の中でアップテンポと言えそうなのは②Cross My Heart And Hope To Die、④Neverlasting、⑥Excuse Me While I Kill Myselfくらいなので、今のサウンドからはSENTENCEDがかつてはデスメタルバンドだったということが想像できないほどですけど、楽曲の端々には攻撃性が潜んでいます。ただ、楽曲のアグレッション、ノリの良いロックフィーリングと物悲しい旋律のバランスが絶妙で、SENTENCEDでしか味わえないであろうメランコリックサウンドが展開されています。その哀感は⑧You Are The One、⑪No One Thereといったバラードでは更に強力になっていて、胸を締め付けてくれます。男の哀しみを声で見事に表現するVilleの歌声と泣きのフレーズをビシバシ決めてくれるギターチーム、そして正式メンバーはいないものの非常に使い方の上手いピアノサウンドが感動を増幅させる大きな要因となっています。

本作はバラエティに富んだ作品というわけではありませんが、作品全体を深みのあるウェットなメロディが覆っていて、すっかりSENTENCEDはすっかり僕のお気に入りバンドとなりました。歌詞面もダークで絶望的な感情を歌っているものが多いですが、このバンドならではのウィットが効いていてシリアスになり過ぎる一歩手前で踏み止まってます。海洋生物の鳴き声にアコギで奏でられるフィンランド民謡の旋律が重なるイントロ①Konevitsan Kirkonkellotに始まり、⑪のラストをその海洋生物が断末魔をあげているかのような鳴き声で締めることで作品としてのまとまりが向上してるのもいいですね。僕にとってのSENTENCED入門アルバムは本作です。

バンドのメインソングライター/ギタリストのMiika Tenkulaが2009年2月19日に34歳の若さでこの世を去りました。ソースはこちら
Miika、素晴らしい音楽をありがとう。R.I.P

【音源紹介】
・Excuse Me While I Kill Myself

【CD購入録】UNSUN「THE END OF LIFE」(2008)

  • 2008/12/07(日) 09:43:25

【CD購入録】
UNSUN THE END OF LIFE
UNSUN「THE END OF LIFE」(2008)

麗しの美女シンガーAya嬢をフロントに据えたポーランド産ゴシックメタルバンドUNSUNのデビュー作がAmazonで安く売られてたので買ってみました。バンドのリーダーは真正デスメタルバンドVADERの元ギタリストMauserなる人物。VADERは未聴ですが、本作はデスメタルバンドのメンバーが立ち上げたとは思えないほどポップで聴きやすい1枚となっています。エクストリーム・メタルバンドのギタリストが曲を書き、女性シンガーが歌うといえばIN FLAMESのギターチームによるALL ENDSが思い浮かびますが、楽曲、シンガーのルックス、ジャケットの華やかさなど、どれをとってもUNSUNの方が僕好みです。ENTWINELULLACRYといった北欧ゴシックバンドにも通じる哀感がいいですね。これまでポーランドという国はノーチェックでしたがCRYSTAL VIPERに続き、注目すべきバンドがまたポーランドから現れました。

【CD購入録】DIABLO SWING ORCHESTRA「THE BUTCHER'S BALLROOM」(2007)

  • 2008/08/04(月) 00:04:35

【CD購入録】
THE BUTCHER’S BALLROOM
DIABLO SWING ORCHESTRA「THE BUTCHER’S BALLROOM」(2007)

未知なる名盤との出会い求めて、時間があればメタル系のウェブページ、ブログを見ているのですが、このアルバムはHira.RさんのブログEAGLE FLY FREEでの記事がきっかけで巡り会えた作品です。Hira.Rさん、ありがとうございます!バンド名にもあるようにスウィングジャズとメタル(ゴシック風味あり)を組み合わせたジャズメタルとも言うべきサウンドとTarja(Vo/ex-NIGHTWISH)を髣髴とさせるソプラノボーカルがかなり強力。その上、チェロ、ヴァイオリン、トランペットなどを駆使し独特な世界観を築いています。特にジャジーなウッドベースから始まる①Balrog Boogieが気に入ってます。後半は僕がさほどのめり込んでないゴシック色が強くなるので、その手のサウンドが好きな方は僕以上にツボにはまるかもしれません。このバンドもスウェーデン出身だとか。この国はほんとにメタル大国と呼ぶに相応しいですね。ちなみに日本のジャズ系アーティストにも興味があって、上原ひろみFRIED PRIDEは何枚かCDを持ってたりします。本格派ジャズよりもポップミュージックの影響も感じさせるジャズの方が好きなんですよね。(アーティスト名をクリックするとオフィシャルサイトに繋がります)