【CD購入録】LINGUA MORTIS ORCHESTRA feat. RAGE「LMO」(2013)

  • 2018/06/19(火) 00:00:00

【CD購入録】
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LINGUA MORTIS ORCHESTRA feat. RAGE「LMO」(2013)

ドイツが誇るベテランパワーメタルバンドRAGEのメンバーが2013年に立ち上げたプロジェクトLINGUA MORTIS ORCHESTRAの第1作目を買いました。Peter "Peavy" Wagner(Vo、B)、Victor Smolski(G)、Andre Hilgers(Ds)の編成で制作されたフルアルバム「21」(2012)リリース後に「ヘヴィなものはRAGE、メロディックなものはLINGUA MORTIS ORCHESTRA名義で発表する」ことがアナウンスされ違和感を覚えましたがPeavy、Victor、Andreのラインナップは2015年に崩壊…。今にして思えば、この頃からバンドの歯車は狂い始めていたのかもしれませんね。ちなみにプロジェクト名はRAGEが既発曲をオーケストラと共演して再構築した企画盤「LINGUA MORTIS」(1996)に由来していて、Victorが中心となりオーケストラとの共演を視野に入れて書き下ろした楽曲にPeavyが歌詞を乗せる形式を基本としています。2名の女性シンガーとHenning Basse(Vo/ex-METALIUM)もメンバーとして名を連ねてはいるもののメインで歌っているのはあくまでもPeavyなので、どうしてもRAGEっぽさが残りますね。RAGEファンは勿論、メロディックメタルファンなら一定レベル以上の満足感は保証されていると思うし、必要以上にオーケストラ寄りになることなくHR/HM作品として聴き応えはあるものの飛び抜けたナンバーはないかな、というのが正直な感想です。

【CD購入録】THE DEAR HUNTER「ACT I: THE LAKE SOUTH, THE RIVER NORTH」(2006)

  • 2018/02/24(土) 00:00:00

【CD購入録】
ACT I THE LAKE SOUTH THE RIVER NORTH
THE DEAR HUNTER「ACT I: THE LAKE SOUTH, THE RIVER NORTH」(2006)

アメリカのTHE RECEIVING END OF SIRENSというバンドで活動していたCasey Crescenzo(Vo、G)がバンド在籍中に立ち上げたサイドプロジェクトTHE DEAR HUNTERの1作目を買いました。ちなみにTHE RECEIVING END OF SIRENSは2008年に解散、2010年に再集結したものの今はもう活動していないようです。アルバムタイトルにある「ACTシリーズ」は全6章で構成されるコンセプトアルバムで、第一次世界大戦の頃を舞台にした少年の誕生から急死までの人生を描いた物語を題材にしているとのことです。音楽性はというと様々なジャンルを混合させながら美しいメロディを丁寧に紡いでいくスタイルで、僕が持っているCDを引き合いに出すならばANATHEMA「WEATHER SYSTEMS」(2012)LEPROUS「COAL」(2013)を足して2で割ったような感じでしょうか。収録曲は全8曲で約38分、インストや小曲がそのうち3曲あってフルアルバムというよりはEP並のボリュームなので食い足りなさが残るし、作品の核となるキラーチューンと呼べそうなものはありませんがメロディが胸に沁みます。現時点で「ACTシリーズ」は5章までリリースされているようなので機会があれば他の作品も聴いてみたいですね。

LIV MOON「THE END OF THE BEGINNING」(2012)

  • 2017/11/27(月) 00:00:00

THE END OF THE BEGINNING
【No.504】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

2009年にデビューして以降、精力的な活動を続けるLIV MOONが前作「SYMPHONIC MOON」(2012)と同年にリリースした4作目。2nd「GOLDEN MOON」(2011)から本作発表まで僅か18ヶ月しか経っていないというワーカホリック振りです。そんな驚異的な活動ペースを支えているのは外部ソングライターの存在でしょう。正式メンバーである西脇 辰弥(Key)による楽曲は全14曲中3曲に止まり、丘 ナオキや前作で名曲Kiss me Kill meを手掛けていたKAZSINといったLIV MOON作品ではお馴染みのライターに加え今回はKee Marcello(G/ex-EUROPE)、Kiko Loureiro(G/ANGRA)、Magnus Rosen(B/ex-HAMMERFALL)といった海外HR/HM界でも名の通ったプレイヤーが作曲と演奏面で参加しています。

本作は北欧神話をモチーフにしたコンセプトアルバムで、テーマ選びにはヨーテボリ(イエテボリ)出身でもあるAkane Liv(Vo)のルーツが北欧にあることも関係しているようです(ちなみに彼女とMagnus Rosenは幼馴染なのだとか)。過去作品に比べると2ndのBLACK RUBY、3rdのKiss me Kill meに匹敵するほどのキラーチューンこそないものの、実験的なモダンサウンドを取り入れた楽曲が姿を消したこともあってアルバムの統一感は過去最高です。また、これまで以上にオーケストラサウンドが本格的になっていて、よりスケールの大きな作品となっています。小〜中学生の頃にファイナルファンタジーに夢中になっていたこともあって「ラグナロク」、「オーディン」など北欧神話関連の単語に馴染みはある一方で神話そのものに関する知識はない僕の場合、コンセプトに浸ることはできませんが純粋な音楽作品として愛聴しています。LIV MOONの最高傑作と呼べる仕上がりだと思いますね。

その名の通りの序曲①Prologueを受けて展開していく②Free your Soul、③Fountain of my Pleasureは全てKAZSINによるナンバーで改めてLIV MOONとの相性の良さを感じますね。また「ミ、サーマ、イー♪」というキャッチーなサビが耳から離れない丘 ナオキ作の⑧Midsummer Eveも気に入ってます。西脇作品で輝きを放っているのはAkane嬢が様々な声色を駆使して巨人や小人などのキャラクターを演じるタイトル曲⑥The End of the Beginningですね。この辺りは彼女の元宝塚女優としての経験が活かされているのでしょう。個人的なハイライトは郷愁を誘うメロディが堪らない⑫Immortals(Keeが作曲に関与)、元々はKikoから提供された疾走曲を思い切ってバラードにアレンジしたという⑬「黄金の涙」、曲名通り大海原をイメージさせる旋律がクライマックスに相応しい⑭Voyageと続く終盤ですね。「~MOON」で統一されていたアルバムタイトルの法則は今回当てはまらず「始まりの終わり」と名付けられた作品名から、このアルバムでLIV MOON第1章の締めくくり次のステージに入るのかと思っていたら、それまでのハイペース降りが嘘のように沈黙状態へと入ってしまうことに…。2015年に初のベスト盤「THE BEST OF LIV MOON」、2016年にはミニアルバム「R.E.D」をリリースしたLIV MOONの新作がそろそろ聴けると嬉しいですね。

【音源紹介】
「黄金の涙(Live)」

【CD購入録】GALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」(2017)

  • 2017/09/28(木) 00:00:00

【CD購入録】
ULTIMATE SACRIFICE
GALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」(2017)

バンド初のコンセプトアルバムだった前作「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)の続編にあたるGALNERYUSの11作目を買いました。ストーリーは前作の主人公の息子を軸としたものとなっていて、今回もブックレットに物語の内容が書かれています。なんとなく僕が小学生〜中学生の頃にハマっていたシミュレーションゲーム「ファイアーエムブレム」を思い出しました。アルバムの場面設定を英語でナレーションする導入パート①Enter The New Gateで幕を開けるや②Heavenly Punishmentがいきなりのハイライトチューンで大きな盛り上がりを見せてくれます。それ以降も濃密なGALNERYUS流メロディックメタル曲が矢継ぎ早に繰り出され、ラスト2曲の⑧Burutal Spiral Of Emotions、⑨Ultimate Sacrificeはどちらも10分越えの大作ということもあって聴き終える頃にはお腹いっぱいです(笑)。そんな中、歌謡曲風で懐かしさを感じる⑥Wherever You Areは一息つかせる役割を担っていますね。楽曲単位では泣きまくりの⑨がお気に入りです。ブックレットを読む限り続編がありそうな気もしますね。デビュー作「FLAG OF THE PUNISHMENT」(2003)から3rd「BEYOND THE END OF DESPAIR…」(2006)までは3部作という位置づけだったので、前作から始まったシリーズがGALNERYUSのコンセプトアルバム3部作となる可能性があるのかもしれません。

WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」(2011)

  • 2017/07/23(日) 00:00:00

THE UNFORGIVING
【No.497】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第6位

前作「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)で従来のゴシックメタルに大衆的な親しみやすさを加味し、更なる進化を遂げたWITHIN TEMPTATIONの5作目。リーダーのRobert Westerholt(G)によると「THE HEART OF EVERYTHING」の出来にかなり満足しているようで「通常のアルバムを作るという意味ではやりきった」と感じたことから、今回はバンド初のコンセプトアルバムであるだけでなく、そのストーリーと連動したコミックを出版するという意欲作となっています。ジャケットはアメコミ風のイラストで、インタビュー記事のメンバー写真を見ても従来にはなかった軽いノリになっているためバンドイメージに変化が見られるものの最大の武器であるメロディセンスは衰えるどころか更に磨きがかかっていますね。

今や厳かなゴシックメタル的ムードは大きく減退、シンフォニックアレンジの効いたメロディアスHR/HMとなっているため初期からのファンにとっては賛否両論ありそうですが僕は本作を聴いてWITHIN TEMPTATIONのファンになりました。今回はこれまで以上に楽曲の幅が広がっていて、このバンドにしては珍しく疾走感のあるロックチューン③In The Middle Of The Night、曲名通りの武骨さ、勇ましさと共に進行する⑥Iron、ディスコ調のサウンドを取り入れた⑧Sineadなどは、本作の多様性を象徴するナンバーだと思います。WITHIN TEMPTATIONの凄いところは新境地に挑戦しつつ、それを失敗に終わらせず魅力的に聴かせることができる点でしょう。僕にとってのハイライトはダンサブルな⑧とは対照的な熱唱系バラード⑨Lost、即効性は低いもののリピートするうちにジワジワくる⑩Murder、モダンサウンドを纏った哀愁ドライヴィングチューン⑪A Demon's Fateと続く後半の流れですね。

Sharon Den Adel(Vo)のボーカルについては、3rd「THE SILENT FORCE」(2004)辺りまでで披露していたエンジェリックボイスは控えめで、作風の変化に合わせるように力強く低音域で歌う場面が増えていますね。また音楽的にもメンバーのルックス的にも依然としてSharon推し全開ではありますが、短いとはいえギターソロが聴ける曲が増えたのも特徴でしょうか。本作はコンセプトアルバムではあるもののSEは①Why Not Meのみだし、大作も一切なくコンパクトな楽曲が並んでいるため小難しさは皆無。あくまで歌モノ作品として成り立っているのも好印象です。ゴシックメタルからメインストリーム系ロックへの飛躍のきっかけを掴んだ前作の流れを上手く発展させた充実盤だと思います。

【音源紹介】
Sinead

【CD購入録】ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)

  • 2017/06/30(金) 00:00:00

【CD購入録】
SOULDANCE.jpg
ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)

2013年にデビューしたペルー産パワーメタルバンドNAUTILUZの元メンバーJorge Higginson(B)が立ち上げたANCESTRAL DAWNの1stアルバムを買いました。HigginsonはNAUTILUZのデビュー作「LEAVING ALL BEHIND」(2013)に複数の楽曲を提供していたもののアルバムリリース前に脱退、ANCESTRAL DAWNでリードボーカルを務めるJorge Segersbolも2011年までNAUTILUZに籍を置いていたそうなので、このバンドはNAUTILUZの分家と言えるかもしれません。ANCESTRAL DAWNの音楽性はSegersbolのハイトーンが響き渡る典型的なメロディックパワーメタルでHigginsonが演奏する民俗楽器パンフルートが時折トライバルな雰囲気を醸し出していてブラジルの至宝ANGRAを連想させますね。また本作はFabio Lione(Vo/ANGRA、ex-RHAPSODY OF FIRE)、Mark Boals(Vo/ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN etc)、Ralf Scheepers(Vo/PRIMAL FEAR)、Rick Altzi(Vo/MASTERPLAN、AT VANCE)、Amanda Somerville(Vo)といった実力派シンガーがゲスト参加し与えられた役を演じるメタルオペラでもあるので、この点はAVANTASIAを彷彿とさせます。メロパワの優等生的作品という感はあるものの豪華ゲスト陣が華を添えているし、新人のデビューアルバムとしては高いクオリティを誇っていると思います。

【CD購入録】PAIN OF SALVATION「REMEDY LANE RE:VISITED」(2016)

  • 2017/06/11(日) 00:00:00

【CD購入録】
REMEDY LANE REVISITED
PAIN OF SALVATION「REMEDY LANE RE:VISITED」(2016)

スウェーデンの奇才Daniel Gildenlow(Vo、G)率いるプログレッシブHR/HMバンドPAIN OF SALVATIONが2002年に発表したコンセプトアルバムで通算4作目にあたる「REMEDY LANE」のリミックス盤を買いました。本作にはアルバムを曲順通りに再現したライヴ盤(2014年の公演)もセットになっていてお得感がありますね。本作にリミックスを施したのはANGRA、ARCH ENEMY、SYMPHONY Xといった大物バンドの近作にも携わっている売れっ子Jens Bogrenです。実はこのアルバムと3rd「THE PERFECT ELEMENT, PART Ⅰ」(2000)はリアルタイムで購入していたのですが、当時の僕には難解に感じられ売ってしまっていました。ところが約15年経った今、本作を改めて聴いてPAIN OF SALVATIONというバンドの凄みに魅了されています。オリジナル盤もレンタルして聴き比べてみたのですがリミックス効果は大きいように思います。Daniel夫妻が体験した流産を歌詞にしたという重いテーマとは対照的に明朗なメロディとともに駆けていく④Trace Of Blood、メロディアスなバラード⑫Second Loveといった即効性が比較的高い楽曲もさることながら、テーマメロディが耳から離れない②Ending Theme、悲壮感漂う⑥Undertow、壮大なエンディングを迎える⑬Beyond The Paleなど聴けば聴くほど味わいの増す楽曲群は中毒性抜群です。本作を聴いてPAIN OF SALVATIONというバンドへの注目度が僕の中で上昇中なのですが、彼等はアルバムによって音楽性をガラリと変えるバンドらしいので他の作品にトライするよりもしばらくはこのアルバムの世界にじっくり浸ろうと思います。

【CD購入録】TWILIGHT FORCE「HEROES OF MIGHTY MAGIC」(2017)

  • 2017/05/06(土) 00:00:00

【CD購入録】
HEROES OF MIGHTY MAGIC
TWILIGHT FORCE「HEROES OF MIGHTY MAGIC」(2017)

デビューアルバム「TALES OF ANCIENT PROPHECIES」(2014)がクサメタラーの間で好評だったアドヴェンチャー・メタルバンドTWILIGHT FORCEの2作目を買いました。トワイライトキングダムを舞台としたストーリーアルバムでもある本作は2016年夏に輸入盤で発売され、評判も良さげだったので日本盤ボーナストラックに期待して国内盤を待ち続けていました。その日本盤は輸入盤から半年近く遅れて、本編のカラオケバージョンとライヴ音源1曲が入った2枚組限定盤、通常盤の2バージョンが発売されたもののカラオケには興味がないので通常盤を購入。待った甲斐があまりなかったような気もしますが、アルバムに登場する各キャラクターの設定やステータスの和訳が付いているのでアルバムの世界観に浸るにはいいのかもしれません(笑)。中身の方は前作を気に入った方なら今回もイケるであろうシンフォニックなメロパワで相変わらず明るめのメロディが目立ちます。個人的にはもう少し哀メロが欲しいし、似た曲調が続くためアルバムとしての抑揚に欠ける感はありますが、疾走曲を次から次へと繰り出すその作風はそんな不満を吹き飛ばすだけのパワーに溢れています。お気に入り曲はいきなりクサメロが炸裂するオープニング①Battle Of Arcane MightFabio Lione(Vo/ANGRA、ex-RHAPSODY OF FIRE)がゲスト参加した長編⑤There And Back Again辺りでしょうか。それ以外の楽曲も高揚感満載のメロパワチューンで否が応でもテンションが上がりますね。ちなみに⑪Epilogueは6分近くもある語り、⑫Knights Of Twilight's Mightはトワイライトキングダムの国歌だそうです(笑)。前作を聴いて膨らんだ期待を裏切らないメロディック・クサメタルの充実盤だと思います。

SYMPHONY X「V: THE NEW MYTHOLOGY SUITE」(2000)

  • 2017/04/04(火) 00:00:00

V THE NEW MYTHOLOGY SUITE
【No.490】
★★(2000)

前作「TWILIGHT IN OLYMPUS」(1998)リリース後に日本公演を含む初めてのツアーを実現させ、スタジオ盤の制作だけでなくライブアクトとしても優れたバンドであることを証明してみせたSYMPHONY Xの5作目。4thのレコーディング時には脱退していたJason Rullo(Ds)が来日前に復帰、ツアー中にThomas Miller(B)が突然バンドを離脱(音楽業界からも引退)するなど慌ただしかったようですが、後任にMichael LePond(B)を迎えて以降SYMPHONY Xはメンバーチェンジすることなく活動しています。本作はアトランティス文明をテーマにしたバンド初のコンセプトアルバムとなっていることもあってかSYMPHONY X特有の神秘的なムードがこれまで以上に色濃くなっていますね。

クラシック作曲家ヴェルディのレクイエムをモチーフにした序曲①Preludeに導かれてスタートする②Evolution(The Grand Design)がいきなりのキラーチューン!ダークで神秘的なムードと気品すら漂うメロディライン、それでいてサビは一緒に歌えそうなほどキャッチーなこの曲にはSYMPHONY Xの魅力が凝縮されていますね。ここまで聴いた時点で本作への期待値がグンと上がったのですが、それ以降はあまり好きになれませんでした…。端的に言うとメロディがこれまで以上に地味な曲が多いように思います。それに加えて曲間にインストを挟むなどして、アルバム冒頭から⑨The Death Of Balance / Lacrymosaまで切れ目なく繋がっているため何曲目を聴いているのかわからなくなることもあったりします。

バンドを構成する要素のひとつであるプログレッシブな作風を強めた結果、僕のストライクゾーンから外れてしまった1枚という感じですね。過去作品と比べて複雑さが増していること、アルバムのテーマがアトランティス文明という僕があまり関心のないジャンルということもあって歌詞を読んでも本作のストーリーに入り込めなかったというのもマイナス要因でしょうか。といいつつ美しく幻想的な⑤Communion And The Oracle、重厚なコーラスをフィーチュアした⑩Absence Of Lightから疾走曲⑪A Fool's Paradiseを経てエンディング曲⑫Rediscovery(Segue)〜⑬Rediscovery(Part II)- The New Mythologyに至る展開は感動的だし、①以外にもクラシックのフレーズを巧みに引用したり、オーケストラサウンドを導入することで生み出される壮大な世界観は聴き応えがあります。また、リーダーMichael Romeo(G)によるテクニカルプレイ、バッキングにソロにと適材適所の音色で楽曲を彩るMichael Pinnella(Key)の存在感、説得力に溢れた歌唱で迫るRussell Allen(Vo)のボーカルといったSYMPHONY Xらしさは本作でも健在なので、ファンならば楽しめる作品ではあるものの個人的にはもう少しわかりやすいメロディが欲しかったですね。SYMPHONY Xのアルバムはリアルタイムで聴いている時はそんなに好きではなかったけれどリピートするうちにハマることが多いのですが、本作は聴き始めの頃からあまり印象が変わりませんでした…。

【音源紹介】
Prelude~Evolution(The Grand Design)

【CD購入録】FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

  • 2017/03/22(水) 00:00:00

【CD購入録】
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FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

2009年にOZZY OSBOURNEのツアーに帯同、翌年にリリースされたアルバム「SCREAM」にも参加していたギリシャ人ギタリストGus G.のメインバンドFIREWINDの8作目を買いました。5th「THE PREMONITION」(2008)などを聴いて手堅い正統派ヘヴィメタルが楽しめる一方でFIREWINDならではの決め手に欠けるイメージがありました。そんな理由からここ最近の2作品はノーチェックだったし、本作も当初はスルーの予定だったのですがB!13さんからコメントをいただいたことがきっかけで①Hands Of Time、③Ode To Leonidas、④Back On The Throneのオフィシャル音源を聴いてみたところ予想以上にメロディックパワーメタル寄りで僕好みだったので購入した次第です。今回のアルバムに収録されている楽曲にはメロパワ界きってのプロデューサーDennis Ward(B/PINK CREAM 69、UNISONIC)とGusによるプロジェクトのために書かれたマテリアルも含まれているそうで、その制作過程が今回の作風に影響しているのかもしれませんね。2015年に加入し、本作が初めてのスタジオ盤となるHenning Basse(Vo/ex-METALIUM)の歌唱はRob Rock(Vo/IMPELLITTERI)を彷彿とさせる熱唱系でバンドとの相性も良さそうです。本作は「テルモピュライの戦い」、「サラミスの海戦」という古代ギリシャの2つの戦いを題材にしたバンド初のコンセプトアルバムですが、各曲をシームレスに繋いだりSEを用いたりすることなく通常作品と同じく個々の楽曲が独立した構成となっています。ギリシャのバンドと言えばGus Drax(G)率いるSUNBURSTKosta Vreto(G)が在籍するWARDRUMといった期待の若手が相次いでシーンに登場していますが15年近いキャリアを誇るFIREWINDも負けていませんね。

【CD購入録】TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」(2016)

  • 2016/10/31(月) 00:00:00

【CD購入録】
RABBITS HILL PT2
TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」(2016)

「ハッピーメタル」を標榜するイタリアのメロディック・パワーメタルバンドTRICK OR TREATの4作目を買いました。タイトルからもわかる通り、バンド初のコンセプトアルバム「RABBITS' HILL」の後編にあたる1枚です。前作「RABBITS' HILL PT.1」(2012)は持ち前の爽系メロパワサウンドから距離を置き、多様性を見せた作風ではあったものの僕の琴線に触れるメロディは減少していたので今回は購入を迷っていました。そんな中、各所で本作の良い評判を耳にしたので聴いてみたのですが、これがなかなか好感触。牧歌的な②Together Againでいきなりスローダウンしてしまうのはマイナスですが、バンド初のデス声をフィーチュアした①Inle'(The Black Rabbit Of Death)、これぞTRICK OR TREAT!な③Cloudrider⑥The Great Escape、クサいメロディと劇的な展開が秀逸な10分越えの大作⑩The Showdownなど聴きどころが多いですね。恒例となっている感のあるゲストシンガーとしてはSara Squadrani(Vo/ANCIENT BARDS)がドラマティックなバラード⑤Never Say GoodbyeTim "Ripper" Owens (Vo/ex-JUDAS PRIEST、ICED EARTH)がパワフルな⑦They Must DieTony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)がフォーキーな⑨Unitedで客演していて、特にSaraとTimが持ち味を発揮しています。

【CD購入録】JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

  • 2016/06/21(火) 00:00:00

【CD購入録】
SWING OF DEATH
JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

2014年に解散を発表したWIG WAMのギタリストTeenyことTrond HolterがWIG WAM在籍時から構想を温めていたドラキュラをテーマにしたストーリーアルバムを買いました。リードシンガーを務めているのはJorn Lande(Vo/JORN、ALLEN-LANDE etc)で、今回も濃厚なボーカルパフォーマンスを披露しています。WIG WAMのリードシンガーだったAge Sten Nilsenによると、本作は元々WIG WAMの別プロジェクトとして自身が歌うはずだったにもかかわらずTrondが独断でJornとレコーディングを進めていったのだとか…。そのことが引き金となりWIG WAMの解散が決定的になったという、いわくつきの1枚でもあります。音楽性はWIG WAMとは似ても似つかないほどダークかつドラマティックなヘヴィメタルでJornの熱唱も冴えていますね。また曲によってはヨーロッパ民謡風のメロディが飛び出してきたり、女性シンガーとのデュエットもあったりしてアルバムに起伏を持たせています。ハイライトは劇的な展開と終盤の弾きまくりギターソロが印象的な⑦Queen Of The Deadですね。いわゆる疾走曲の類いは収録されていないので即効性は低めですが繰り返し聴いているうちに味わいが増してくる辺りは流石です。WIG WAMの中心人物だったGlamとTeenyの2人が解散後に発表したアルバムによる対決は本作に軍配が上がりますね。

【CD購入録】GALNERYUS「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)

  • 2015/12/10(木) 00:00:00

【CD購入録】
UNDER THE FORCE OF COURAGE
GALNERYUS「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)

前作「VETELGYUS」(2014)リリース時から「次作はコンセプトアルバムになる」とメンバーが語っていたGALNERYUSの10作目を買いました。僕にとって生涯のアルバムはDREAM THEATER「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」(1999)、次点がROYAL HUNT「PARADOX」(1997)なので GALNERYUS初のコンセプトアルバムと聞いて期待が高まっていましたが、その期待にしっかり応えてくれる1枚となっていそうですね。①Premonitionが序曲と語り、②The Time Before Dawnがインストなので本編開始までにヤキモキしてしまいますがリーダートラック③Raise My SwordがGALNERYUSらしい疾走曲で一気に引き込まれました。それ以降もバラードを基調としつつテクニカルなインストやグロウルパートもある⑤Rain Of Tears、14分に及ぶ圧巻の大作で大団円を迎える⑨The Force Of Courageなど濃密なガルネリワールドが全開となっています。ストーリーの概要が書かれているブックレットを片手にしばらく聴き込みたいと思います。

【CD購入録】GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

  • 2015/11/19(木) 00:00:00

【CD購入録】
SPACE 1992 RISE OF THE CHAOS WIZARDS
GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

ヒロイックなパワーメタルの魅力がギュッと詰まったデビュー盤「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)で注目を集めたGLORYHAMMERの2作目を買いました。今回もコンセプトアルバムだそうですが、前作の1,000年後の世界が舞台となっているようで世界観も中世からSF的なものに変化しています。男性の語りとオーケストレーションが期待を煽る①Infernus Ad Astraから疾走曲②Rise Of The Chaos Wizardsになだれ込む展開はこの手のバンドによくある手法なのですが、この②が曲調だけでなくPVの内容も含め並々ならぬ熱さとクサさを誇っていてインパクト抜群。続く③Legend Of The Astral Hammerはミドルテンポながらシンガロングを誘うキャッチーなサビが秀逸だし、⑧Universe On Fireではテクノ風味を前面に出していて、こちらの予想をいい意味で裏切ってくれます。そんな異色のナンバーも含みつつ、全体的には僕が一番好きだった頃のRHAPSODYを彷彿とさせる感じですね。なお本作は2枚組仕様となっていてDISC-2はアルバム全曲をオーケストラバージョンで収録、しかも各曲に別タイトルを用意するなど気合の入ったボーナスディスクとなっているのも好印象。

MY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」(2006)

  • 2015/10/04(日) 00:00:00

THE BLACK PARADE
【No.447】
★★★★★(2006)
年間ベスト2006年第1位

アメリカ出身のエモ/スクリーモ系ロックバンド「マイケミ」ことMY CHEMICAL ROMANCEの3rdアルバム。フラリと立ち寄ったCDショップで大々的にプッシュされていたので試聴してみて即購入を決めた1枚です。メジャーデビュー盤の前作「THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE」(2004)もアメリカだけで140万枚以上のセールスを記録、日本デビュー前にサマーソニックへの出演が決定するなど、既に注目度の高いバンドだったようですが僕はノーチェックでした。本作は「死」をテーマにしたコンセプトアルバムで「主人公の癌患者(The Patient)が死の世界を旅し、再び生きることを決心する」というのが大まかなストーリーのようです。メンバーによると今回のアルバムはTHE BEATLES「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」(1967)、QUEEN「A NIGHT AT THE OPERA」(1975)、PINK FLOYD「THE WALL」(1979)といった作品にインスパイアされたとのことで、中でもQUEENからの影響が強く表れているように思いますね。

本作の根底にあるのはパンキッシュなロックサウンドなのですが、それを壮大かつシアトリカルに仕上げることで感動の一大ロック絵巻が完成しています。アコギをバックに徐々に盛り上がっていく①The End.から一際ポップでキャッチーな②Dead!へと続く流れで一気にアルバムの世界観に引き込まれますね。音楽性は異なりますが、この感覚はDREAM THEATERの名盤「METROPOLIS PT 2: SCENES FROM A MEMORY」(1999)に通じるものがあると思います。冒頭2曲の勢いを引き継ぐのはイントロからして秀逸なロックチューン③This Is How I DisappearMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)を彷彿とさせる哀愁が堪らない④Sharpest Lives、そして本作のみならずMY CHEMICAL ROMANCEを代表する超名曲⑤Welcome To The Black Paradeで、序盤5曲の畳み掛けは実に強力です。1枚のアルバムとして各曲のクオリティが高いだけでなく、バラードひとつとってみても穏やかな⑥I Don't Love You、切々と歌い上げる⑧Cancer、スケールが大きく力強い⑫Disenchantedなど表情が豊かなのも好印象。ミュージカルっぽくもあるヒネリの効いた曲展開で魅せてくれる⑨Mama、「I am not afraid to keep on living〜♪」とポジティブに歌うサビがな印象的な事実上のラストトラック⑬My Famous Last Wordsが中盤以降のハイライトですね。

一般的には有名であっても僕にとっては「意外な伏兵」というべきバンドが届けてくれた名盤。スクリーモというジャンルに分類されるバンドのことはよくわかりませんが、本作はドラマティックなアレンジと北欧のバンドを連想させる美メロ、哀メロをフィーチュアしたメロディックロック作品として素直に楽しめました。中心人物のGerard Way(Vo)はそれまでアニメーターの職に就いていたものの9.11のテロを目撃し、自分の生き方に疑問を感じバンド結成を決意、その僅か5年後にこれだけの作品を生み出したという事実には驚くばかりですね。ただ「本作の時点で言いたいことのほぼ全て言い切ってしまった」と後にGerardが吐露しているように、バンドは次作「DANGER DAYS」(2010)を最後に解散しています。現在Gerardはソロ名義で、他のメンバーも新たにバンドを結成するなど音楽活動は継続しているようですね。

【音源紹介】
Welcome To The Black Parade

【CD購入録】TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.1」(2012)

  • 2014/10/31(金) 00:00:00

【CD購入録】
RABBITS HILL PT1
TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.1」(2012)

バンド名と音楽性の両方で清々しいほどのHELLOWEENフォロワー振りを見せているイタリアン・パワーメタラーTRICK OR TREATの3作目を買いました。 前作「TIN SOLDIERS」(2009)にはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)がゲスト参加していましたが、今回はAndre Matos(Vo/ex-ANGRA)が客演していてます。過去2作品では微笑ましいまでのキーパーサウンド愛が溢れていたのに対して今回はそんな要素をキープしつつフォークメタル調、ジャズっぽい雰囲気を持つナンバーなど音楽性を広げた感があります。バンドの将来を考えると、いつまでもキーパー風メタル一筋で行くわけにもいかないのだとは思いますが僕が心惹かれるのは②Prince With A 1000 Enemies、⑤Wrong Turn、⑧Rabbits' Hillといったメロパワ系の曲ばかりだったりします(苦笑)。本作はイギリスではベストセラーとなっている(らしい)児童文学「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」を題材としたコンセプトアルバムで2部構成となっているようなので、どうしてもHELLOWEENの名盤「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」が頭をよぎりますね。Part 1にあたる本作を聴く限り微妙な印象は拭いきれませんが、この「RABBITS' HILL」以降にTRICK OR TREATがどのような進化を遂げるのか注目したいと思います。

W.A.S.P「THE CRIMSON IDOL」(1992)

  • 2014/07/15(火) 00:00:00

THE CRIMSON IDOL
【No.401】
★★★★(1998)

1984年にシングル「ANIMAL(F**K LIKE A BEAST)」でデビューするや怪しすぎるメンバーのプロフィール、股間にノコギリを装着した奇抜なルックス、過激な歌詞とそれを表現するために血糊や生肉を用いたライブパフォーマンスなど音楽以外の部分に話題が集まっていたため僕の中でも「キワモノバンド」というイメージが強かったアメリカのヘヴィメタルバンドW.A.S.P.の5thアルバム。僕はこの「THE CRIMSON IDOL」で初めてこのバンドを聴いたので、漠然と抱いていた「下品で邪悪」なバンドイメージと本作で繰り広げられているシリアスな音楽性とのギャップに驚きました。今回のアルバムは前作「THE HEADLESS CHILDREN」(1989)リリース後にメンバー離脱が相次ぎラインナップが崩壊したため当初はW.A.S.P.名義ではなくバンドの中心人物Blackie Lawless(Vo)のソロとして制作が進められていたものの、レコード会社の意向によりW.A.S.P.の5作目として発表されることになったコンセプトアルバムです。ストーリーを要約すると、望まれない子供として生まれ両親から愛情を注がれずに育った主人公ジョナサンは家を飛び出し、誰からも慕い愛されるロックスターとなることを決意する。後に彼はその夢を叶えながらも心の空虚感を満たすことができず、苦悩の末に悲劇的な結末を迎える…というものでBlackie自身の体験も部分的に盛り込んでいるようです。

アルバムは哀愁を帯びたアコースティックギターの旋律で静かに始まり徐々に盛り上がっていく物語の導入部①Titanic Overtureで幕を明け、短いアコースティックパートやSEを曲間に挟みながらストーリーを進行させていき、作中に登場するメロディを巧みに再構築するというコンセプトアルバムの常套手段を用いて劇的なエンディングを描き出す本編ラスト⑩Great Misconceptions Of Meまで一気に聴かせてくれます。各曲で展開されるダークでありながらも適度にキャッチーかつドラマティックなメタルサウンドは素晴らしいの一言。曲単位で見ても甲乙付けがたいものが並びますが正統派メタルの名曲④Chainsaw Charlie(Murders In The New Morgue)、アコースティック風の曲調に乗るBlackieのしゃがれた熱唱が大きな感動を呼ぶバラード⑨Hold On To My Heartの2曲が大好きです。そんな⑨に象徴される通りBlackieの情感に溢れたボーカルパフォーマンスは上手い下手を超越して聴く者を惹きつける魅力がありますね。演奏面ではBlackieがギター、ベース、キーボードまでも兼任しドラマーは2名体制という変則的なラインナップながらBruce Kulick(G/ex-KISS)の実兄でもあるギタリストBob Kulickによるソロパートは素晴らしい(特に⑧The Idolは泣ける)し、やたらと手数の多いドラムもアルバムの個性となっていると思います。

というわけで、このアルバムは僕にとっての2大神盤DREAM THEATER「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」(1999)ROYAL HUNT「PARADOX」(1997)に次ぐコンセプトアルバムの名盤であり、聴く時には歌詞カードを読みながら集中して向き合いたい1枚ですね。こうして本作を聴いているとデビュー当初からの過激でおバカなパフォーマンスはバンドを売り込むために計算し尽くされたイメージ戦略で、Blackieも本当は頭のいいアーティストなのではないかと思えてきます。なお僕が持っているのは1998年に発売された2枚組バージョンでDisc-2にはシングルカップリング曲、本作の収録曲やバンド代表曲のライブ音源などが計12曲も収録されています。中でも元々「THE CRIMSON IDOL」本編に収録予定だったというDisc-2①Phantoms In The Mirror、アルバム本編と共通のメロディが登場するDisc-2②The Eulogyが聴けるというのは嬉しいポイント。英語による語りだけで17分近くもあるDisc-1⑪The Story Of Jonathan(Prologue To The Crimson Idol)は僕の英語力では無用の長物なのでこれら2曲を上手くDisc-1に盛り込んで欲しかったという気もしますね(コンセプトアルバムとしての流れが壊れてしまうから避けたのかもしれませんが…)。

【音源紹介】
・Chainsaw Charlie (Murders In The New Morgue)

【CD購入録】OPERA MAGNA「POE」(2010)

  • 2014/03/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
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OPERA MAGNA「POE」(2010)

以前からクサメタラーの皆さんの間で絶賛されていたスパニッシュ・クサメタルバンドOPERA MAGNAの2作目を買いました。いやぁ、これはたしかに素晴らしいですね。スペイン産のクサメタルといえばDARK MOOR「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」(2001)が真っ先に思い浮かびますが、今の彼等は路線を変更してしまったのでこのOPERA MAGNAこそがクサメタル界の未来を担うことになるのかもしれません。超シンプルなタイトルが付けられた本作は小説家エドガー・アラン・ポーの生涯を描いたコンセプトアルバムのようです。だからといって小難しい内容になっているかというとそんなことは微塵もなく、オープニングの序曲①El cuervoに続く事実上の1曲目となる②El pozo y el penduloからしてクサいメロディを撒き散らしながら疾走しまくり。イントロの①、繋ぎの役割を果たす小曲⑤Annabel Lee、アルバム唯一のバラード⑧El retrato ovalとエンディングに相応しい10分超えの大作⑪Edgar Allan Poe以外はアップテンポ/疾走チューンで占められています。RHAPSODY、SYMPHONY X、YNGWIE MALMSTEENといった先人からの影響が露骨に感じられるなどB級メタルっぽさが感じられる場面も少なくないし、曲名からわかる通り全編スペイン語で歌われているため聴き手を選ぶのは事実です。しかし、それを補って余りあるほどのクサメロとネオクラギターが堪能できるし、巻き舌で歌われるボーカルパートも聴いているとクセになってきます。アルバム随一のキラーチューン②のギターメロディがGALNERYUSTear Off Your Chain(2011年発表の7th「PHOENIX RISING」収録)にソックリだなぁ、と思っていたのですが実は本作の方が先にリリースされているんですね…。 またバンドは2014年3月に「DEL AMOR Y OTROS DEMONIOS - ACTO I」という5曲入りミニアルバムを発表しているようです。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「忠臣蔵鬼倒伝」(2014)

  • 2014/01/29(水) 00:00:00

【CD購入録】
忠臣蔵鬼倒伝
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「忠臣蔵鬼倒伝」(2014)

勇者アーサー(G/DRAGON GUARDIAN)YAZIN(G/KNIGHTS OF ROUND)がそれぞれ手掛けた楽曲を複数の女性声優陣が歌うプロジェクトDRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」2作目となるフルアルバムを買いました。声優達が本領を発揮するセリフと語りを盛り込みながらストーリーを展開していく彼等が前シリーズの「新選組」に続く題材として今回取り上げたのは「忠臣蔵」です。物語こそ違えど本作で聴けるのは如何にもこのプロジェクトらしいクサメタルで、ポップチューンはあってもバラードはなく基本的に疾走しているので僕が期待するものはきっちり提供してくれています。ただ前作「新選組魔戦記」(2011)で聴けたほどのキラーチューンはないように思います。なお本作をドラゴンガーディアンネットSHOPで購入するとアルバム本編のセリフ/ナレーションをカットした「忠臣蔵鬼倒伝METAL盤」と⑧「赤穂浪士」を男性ボーカルVocchang(ex-KNIGHTS OF ROUND、ODIN)が歌った別バージョンを収録したCD-Rが付いてくるとのことだったので、そちらで注文しました。送料、振込手数料はかかりましたがCD-Rは無料特典なので通販サイトでゲットした方がお買い得感があるかもしれませんね。

RHAPSODY「LEGENDARY TALES」(1997)

  • 2013/10/15(火) 00:00:00

LEGENDARY TALES.jpg
【No.388】
★★★★(1997)
年間ベスト1997年第7位

イタリアンメタルシーンの代表格であり、後にシンフォニックメタル界の牽引者となるRHAPSODYのデビューアルバム。オーケストレーションやクワイアをふんだんに用いてRPG的なストーリーを描いていくというバンドの個性はデビュー時点で既に確立されていて、本作から4th「POWER OF THE DRGONFLAME」(2002)では「EMERALD SWORD SAGA」という物語が展開されています。まず最初に驚かされるのはAlex Staropoli(Key)、Luca Turilli(G)というバンド創設者2人が生み出す楽曲群、Fabio Lione(Vo)による説得力抜群のボーカルなど、様々な面で新人離れした完成度を誇っている点です。そんな各メンバーの奮闘振りを存分に活かすSascha Paeth(G/HEAVENS GATE)Miroのコンビによるサウンドプロダクションもあって、本作は同年にリリースされたROYAL HUNT「PARADOX」、YNGWIE MALMSTEEN「FACING THE ANIMAL」、STRATOVARIUS「VISIONS」 といったメロディックメタルの名盤と張り合えるだけの力作に仕上がっていますね。

ラテン語によるクワイアをフィーチュアしたイントロ①Ira Tenaxからしてただ者ではないオーラが漂っているし、続く疾走チューン②Warrior Of Ice冒頭の歌い出しとその後に力強く響くFabioのシャウトが炸裂した時点で早くもテンションは最高潮に達します。そして「マァ~イティィ、ウォリアァァ~♪」のサビで昇天。「EMERALD SWORD SAGA」の幕開けを告げるこの流れは「RHAPSODYという名の超新星が現れた!」と僕に思わせるには十分でしたね。それ以降も③Rage Of Winter、⑤Flames Of Revenge、⑦Land Of Immortal、⑨Lord Of Thunderとアルバムの半数を占める疾走曲はどれも胸を熱くしてくれるし、その合間に配された民謡調の④Forest Of Unicorns、アルバム前半と後半を繋ぐ小インスト⑥Virgin Skies、バンドの特徴のひとつであるクワイアが勇壮に響くバラード⑧Echoes Of Tragedyはエンディング曲⑩Legendary Talesに至るまでの流れにおいて重要な役割を果たしているだけでなく、個々のナンバーとしても魅力的です。中でもフォーキーなバラード④はBLIND GUARDIANThe Bard's Songと並んでフォークメタルを代表する1曲だと思います。

大仰なメロディを壮大なスケールで聴かせる熱きRHAPSODYサウンドは人気を博し、彼等は一躍人気バンドへと登り詰めていきます。1995年からHR/HMを聴くようになった僕にとって、デビューアルバムでこれほどのインパクトを与えてくれたのは本作とSONATA ARCTICA「ECLIPTICA」(2000)くらいです。2nd「SYMPHONY OF ENCHANTED LANDS」(1998)以降の作品では良くも悪くもやり過ぎ感が更に強まっていき、孤高の存在へと成長していくことになりますが、個人的には綿密かつゴージャスな作り込み度合いが増した次回作以降よりも今回のアルバムくらい分かりやすい方が好きですね。

【音源紹介】
・Ira Tenax~Warrior Of Ice