【CD購入録】FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

  • 2017/03/22(水) 00:00:00

【CD購入録】
IMMORTALS.jpg
FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

2009年にOZZY OSBOURNEのツアーに帯同、翌年にリリースされたアルバム「SCREAM」にも参加していたギリシャ人ギタリストGus G.のメインバンドFIREWINDの8作目を買いました。5th「THE PREMONITION」(2008)などを聴いて手堅い正統派ヘヴィメタルが楽しめる一方でFIREWINDならではの決め手に欠けるイメージがありました。そんな理由からここ最近の2作品はノーチェックだったし、本作も当初はスルーの予定だったのですがB!13さんからコメントをいただいたことがきっかけで①Hands Of Time、③Ode To Leonidas、④Back On The Throneのオフィシャル音源を聴いてみたところ予想以上にメロディックパワーメタル寄りで僕好みだったので購入した次第です。今回のアルバムに収録されている楽曲にはメロパワ界きってのプロデューサーDennis Ward(B/PINK CREAM 69、UNISONIC)とGusによるプロジェクトのために書かれたマテリアルも含まれているそうで、その制作過程が今回の作風に影響しているのかもしれませんね。2015年に加入し、本作が初めてのスタジオ盤となるHenning Basse(Vo/ex-METALIUM)の歌唱はRob Rock(Vo/IMPELLITTERI)を彷彿とさせる熱唱系でバンドとの相性も良さそうです。本作は「テルモピュライの戦い」、「サラミスの海戦」という古代ギリシャの2つの戦いを題材にしたバンド初のコンセプトアルバムですが、各曲をシームレスに繋いだりSEを用いたりすることなく通常作品と同じく個々の楽曲が独立した構成となっています。ギリシャのバンドと言えばGus Drax(G)率いるSUNBURSTKosta Vreto(G)が在籍するWARDRUMといった期待の若手が相次いでシーンに登場していますが15年近いキャリアを誇るFIREWINDも負けていませんね。

【CD購入録】TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」(2016)

  • 2016/10/31(月) 00:00:00

【CD購入録】
RABBITS HILL PT2
TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」(2016)

「ハッピーメタル」を標榜するイタリアのメロディック・パワーメタルバンドTRICK OR TREATの4作目を買いました。タイトルからもわかる通り、バンド初のコンセプトアルバム「RABBITS' HILL」の後編にあたる1枚です。前作「RABBITS' HILL PT.1」(2012)は持ち前の爽系メロパワサウンドから距離を置き、多様性を見せた作風ではあったものの僕の琴線に触れるメロディは減少していたので今回は購入を迷っていました。そんな中、各所で本作の良い評判を耳にしたので聴いてみたのですが、これがなかなか好感触。牧歌的な②Together Againでいきなりスローダウンしてしまうのはマイナスですが、バンド初のデス声をフィーチュアした①Inle'(The Black Rabbit Of Death)、これぞTRICK OR TREAT!な③Cloudrider⑥The Great Escape、クサいメロディと劇的な展開が秀逸な10分越えの大作⑩The Showdownなど聴きどころが多いですね。恒例となっている感のあるゲストシンガーとしてはSara Squadrani(Vo/ANCIENT BARDS)がドラマティックなバラード⑤Never Say GoodbyeTim "Ripper" Owens (Vo/ex-JUDAS PRIEST、ICED EARTH)がパワフルな⑦They Must DieTony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)がフォーキーな⑨Unitedで客演していて、特にSaraとTimが持ち味を発揮しています。

【CD購入録】JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

  • 2016/06/21(火) 00:00:00

【CD購入録】
SWING OF DEATH
JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

2014年に解散を発表したWIG WAMのギタリストTeenyことTrond HolterがWIG WAM在籍時から構想を温めていたドラキュラをテーマにしたストーリーアルバムを買いました。リードシンガーを務めているのはJorn Lande(Vo/JORN、ALLEN-LANDE etc)で、今回も濃厚なボーカルパフォーマンスを披露しています。WIG WAMのリードシンガーだったAge Sten Nilsenによると、本作は元々WIG WAMの別プロジェクトとして自身が歌うはずだったにもかかわらずTrondが独断でJornとレコーディングを進めていったのだとか…。そのことが引き金となりWIG WAMの解散が決定的になったという、いわくつきの1枚でもあります。音楽性はWIG WAMとは似ても似つかないほどダークかつドラマティックなヘヴィメタルでJornの熱唱も冴えていますね。また曲によってはヨーロッパ民謡風のメロディが飛び出してきたり、女性シンガーとのデュエットもあったりしてアルバムに起伏を持たせています。ハイライトは劇的な展開と終盤の弾きまくりギターソロが印象的な⑦Queen Of The Deadですね。いわゆる疾走曲の類いは収録されていないので即効性は低めですが繰り返し聴いているうちに味わいが増してくる辺りは流石です。WIG WAMの中心人物だったGlamとTeenyの2人が解散後に発表したアルバムによる対決は本作に軍配が上がりますね。

【CD購入録】GALNERYUS「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)

  • 2015/12/10(木) 00:00:00

【CD購入録】
UNDER THE FORCE OF COURAGE
GALNERYUS「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)

前作「VETELGYUS」(2014)リリース時から「次作はコンセプトアルバムになる」とメンバーが語っていたGALNERYUSの10作目を買いました。僕にとって生涯のアルバムはDREAM TEHATER「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」(1999)、次点がROYAL HUNT「PARADOX」(1997)なので GALNERYUS初のコンセプトアルバムと聞いて期待が高まっていましたが、その期待にしっかり応えてくれる1枚となっていそうですね。①Premonitionが序曲と語り、②The Time Before Dawnがインストなので本編開始までにヤキモキしてしまいますがリーダートラック③Raise My SwordがGALNERYUSらしい疾走曲で一気に引き込まれました。それ以降もバラードを基調としつつテクニカルなインストやグロウルパートもある⑤Rain Of Tears、14分に及ぶ圧巻の大作で大団円を迎える⑨The Force Of Courageなど濃密なガルネリワールドが全開となっています。ストーリーの概要が書かれているブックレットを片手にしばらく聴き込みたいと思います。

【CD購入録】GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

  • 2015/11/19(木) 00:00:00

【CD購入録】
SPACE 1992 RISE OF THE CHAOS WIZARDS
GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

ヒロイックなパワーメタルの魅力がギュッと詰まったデビュー盤「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)で注目を集めたGLORYHAMMERの2作目を買いました。今回もコンセプトアルバムだそうですが、前作の1,000年後の世界が舞台となっているようで世界観も中世からSF的なものに変化しています。男性の語りとオーケストレーションが期待を煽る①Infernus Ad Astraから疾走曲②Rise Of The Chaos Wizardsになだれ込む展開はこの手のバンドによくある手法なのですが、この②が曲調だけでなくPVの内容も含め並々ならぬ熱さとクサさを誇っていてインパクト抜群。続く③Legend Of The Astral Hammerはミドルテンポながらシンガロングを誘うキャッチーなサビが秀逸だし、⑧Universe On Fireではテクノ風味を前面に出していて、こちらの予想をいい意味で裏切ってくれます。そんな異色のナンバーも含みつつ、全体的には僕が一番好きだった頃のRHAPSODYを彷彿とさせる感じですね。なお本作は2枚組仕様となっていてDISC-2はアルバム全曲をオーケストラバージョンで収録、しかも各曲に別タイトルを用意するなど気合の入ったボーナスディスクとなっているのも好印象。

MY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」(2006)

  • 2015/10/04(日) 00:00:00

THE BLACK PARADE
【No.447】
★★★★★(2006)
年間ベスト2006年第1位

アメリカ出身のエモ/スクリーモ系ロックバンド「マイケミ」ことMY CHEMICAL ROMANCEの3rdアルバム。フラリと立ち寄ったCDショップで大々的にプッシュされていたので試聴してみて即購入を決めた1枚です。メジャーデビュー盤の前作「THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE」(2004)もアメリカだけで140万枚以上のセールスを記録、日本デビュー前にサマーソニックへの出演が決定するなど、既に注目度の高いバンドだったようですが僕はノーチェックでした。本作は「死」をテーマにしたコンセプトアルバムで「主人公の癌患者(The Patient)が死の世界を旅し、再び生きることを決心する」というのが大まかなストーリーのようです。メンバーによると今回のアルバムはTHE BEATLES「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」(1967)、QUEEN「A NIGHT AT THE OPERA」(1975)、PINK FLOYD「THE WALL」(1979)といった作品にインスパイアされたとのことで、中でもQUEENからの影響が強く表れているように思いますね。

本作の根底にあるのはパンキッシュなロックサウンドなのですが、それを壮大かつシアトリカルに仕上げることで感動の一大ロック絵巻が完成しています。アコギをバックに徐々に盛り上がっていく①The End.から一際ポップでキャッチーな②Dead!へと続く流れで一気にアルバムの世界観に引き込まれますね。音楽性は異なりますが、この感覚はDREAM THEATERの名盤「METROPOLIS PT 2: SCENES FROM A MEMORY」(1999)に通じるものがあると思います。冒頭2曲の勢いを引き継ぐのはイントロからして秀逸なロックチューン③This Is How I DisappearMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)を彷彿とさせる哀愁が堪らない④Sharpest Lives、そして本作のみならずMY CHEMICAL ROMANCEを代表する超名曲⑤Welcome To The Black Paradeで、序盤5曲の畳み掛けは実に強力です。1枚のアルバムとして各曲のクオリティが高いだけでなく、バラードひとつとってみても穏やかな⑥I Don't Love You、切々と歌い上げる⑧Cancer、スケールが大きく力強い⑫Disenchantedなど表情が豊かなのも好印象。ミュージカルっぽくもあるヒネリの効いた曲展開で魅せてくれる⑨Mama、「I am not afraid to keep on living〜♪」とポジティブに歌うサビがな印象的な事実上のラストトラック⑬My Famous Last Wordsが中盤以降のハイライトですね。

一般的には有名であっても僕にとっては「意外な伏兵」というべきバンドが届けてくれた名盤。スクリーモというジャンルに分類されるバンドのことはよくわかりませんが、本作はドラマティックなアレンジと北欧のバンドを連想させる美メロ、哀メロをフィーチュアしたメロディックロック作品として素直に楽しめました。中心人物のGerard Way(Vo)はそれまでアニメーターの職に就いていたものの9.11のテロを目撃し、自分の生き方に疑問を感じバンド結成を決意、その僅か5年後にこれだけの作品を生み出したという事実には驚くばかりですね。ただ「本作の時点で言いたいことのほぼ全て言い切ってしまった」と後にGerardが吐露しているように、バンドは次作「DANGER DAYS」(2010)を最後に解散しています。現在Gerardはソロ名義で、他のメンバーも新たにバンドを結成するなど音楽活動は継続しているようですね。

【音源紹介】
Welcome To The Black Parade

【CD購入録】TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.1」(2012)

  • 2014/10/31(金) 00:00:00

【CD購入録】
RABBITS HILL PT1
TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.1」(2012)

バンド名と音楽性の両方で清々しいほどのHELLOWEENフォロワー振りを見せているイタリアン・パワーメタラーTRICK OR TREATの3作目を買いました。 前作「TIN SOLDIERS」(2009)にはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)がゲスト参加していましたが、今回はAndre Matos(Vo/ex-ANGRA)が客演していてます。過去2作品では微笑ましいまでのキーパーサウンド愛が溢れていたのに対して今回はそんな要素をキープしつつフォークメタル調、ジャズっぽい雰囲気を持つナンバーなど音楽性を広げた感があります。バンドの将来を考えると、いつまでもキーパー風メタル一筋で行くわけにもいかないのだとは思いますが僕が心惹かれるのは②Prince With A 1000 Enemies、⑤Wrong Turn、⑧Rabbits' Hillといったメロパワ系の曲ばかりだったりします(苦笑)。本作はイギリスではベストセラーとなっている(らしい)児童文学「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」を題材としたコンセプトアルバムで2部構成となっているようなので、どうしてもHELLOWEENの名盤「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」が頭をよぎりますね。Part 1にあたる本作を聴く限り微妙な印象は拭いきれませんが、この「RABBITS' HILL」以降にTRICK OR TREATがどのような進化を遂げるのか注目したいと思います。

W.A.S.P「THE CRIMSON IDOL」(1992)

  • 2014/07/15(火) 00:00:00

THE CRIMSON IDOL
【No.401】
★★★★(1998)

1984年にシングル「ANIMAL(F**K LIKE A BEAST)」でデビューするや怪しすぎるメンバーのプロフィール、股間にノコギリを装着した奇抜なルックス、過激な歌詞とそれを表現するために血糊や生肉を用いたライブパフォーマンスなど音楽以外の部分に話題が集まっていたため僕の中でも「キワモノバンド」というイメージが強かったアメリカのヘヴィメタルバンドW.A.S.P.の5thアルバム。僕はこの「THE CRIMSON IDOL」で初めてこのバンドを聴いたので、漠然と抱いていた「下品で邪悪」なバンドイメージと本作で繰り広げられているシリアスな音楽性とのギャップに驚きました。今回のアルバムは前作「THE HEADLESS CHILDREN」(1989)リリース後にメンバー離脱が相次ぎラインナップが崩壊したため当初はW.A.S.P.名義ではなくバンドの中心人物Blackie Lawless(Vo)のソロとして制作が進められていたものの、レコード会社の意向によりW.A.S.P.の5作目として発表されることになったコンセプトアルバムです。ストーリーを要約すると、望まれない子供として生まれ両親から愛情を注がれずに育った主人公ジョナサンは家を飛び出し、誰からも慕い愛されるロックスターとなることを決意する。後に彼はその夢を叶えながらも心の空虚感を満たすことができず、苦悩の末に悲劇的な結末を迎える…というものでBlackie自身の体験も部分的に盛り込んでいるようです。

アルバムは哀愁を帯びたアコースティックギターの旋律で静かに始まり徐々に盛り上がっていく物語の導入部①Titanic Overtureで幕を明け、短いアコースティックパートやSEを曲間に挟みながらストーリーを進行させていき、作中に登場するメロディを巧みに再構築するというコンセプトアルバムの常套手段を用いて劇的なエンディングを描き出す本編ラスト⑩Great Misconceptions Of Meまで一気に聴かせてくれます。各曲で展開されるダークでありながらも適度にキャッチーかつドラマティックなメタルサウンドは素晴らしいの一言。曲単位で見ても甲乙付けがたいものが並びますが正統派メタルの名曲④Chainsaw Charlie(Murders In The New Morgue)、アコースティック風の曲調に乗るBlackieのしゃがれた熱唱が大きな感動を呼ぶバラード⑨Hold On To My Heartの2曲が大好きです。そんな⑨に象徴される通りBlackieの情感に溢れたボーカルパフォーマンスは上手い下手を超越して聴く者を惹きつける魅力がありますね。演奏面ではBlackieがギター、ベース、キーボードまでも兼任しドラマーは2名体制という変則的なラインナップながらBruce Kulick(G/ex-KISS)の実兄でもあるギタリストBob Kulickによるソロパートは素晴らしい(特に⑧The Idolは泣ける)し、やたらと手数の多いドラムもアルバムの個性となっていると思います。

というわけで、このアルバムは僕にとっての2大神盤DREAM THEATER「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」(1999)ROYAL HUNT「PARADOX」(1997)に次ぐコンセプトアルバムの名盤であり、聴く時には歌詞カードを読みながら集中して向き合いたい1枚ですね。こうして本作を聴いているとデビュー当初からの過激でおバカなパフォーマンスはバンドを売り込むために計算し尽くされたイメージ戦略で、Blackieも本当は頭のいいアーティストなのではないかと思えてきます。なお僕が持っているのは1998年に発売された2枚組バージョンでDisc-2にはシングルカップリング曲、本作の収録曲やバンド代表曲のライブ音源などが計12曲も収録されています。中でも元々「THE CRIMSON IDOL」本編に収録予定だったというDisc-2①Phantoms In The Mirror、アルバム本編と共通のメロディが登場するDisc-2②The Eulogyが聴けるというのは嬉しいポイント。英語による語りだけで17分近くもあるDisc-1⑪The Story Of Jonathan(Prologue To The Crimson Idol)は僕の英語力では無用の長物なのでこれら2曲を上手くDisc-1に盛り込んで欲しかったという気もしますね(コンセプトアルバムとしての流れが壊れてしまうから避けたのかもしれませんが…)。

【音源紹介】
・Chainsaw Charlie (Murders In The New Morgue)

【CD購入録】OPERA MAGNA「POE」(2010)

  • 2014/03/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
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OPERA MAGNA「POE」(2010)

以前からクサメタラーの皆さんの間で絶賛されていたスパニッシュ・クサメタルバンドOPERA MAGNAの2作目を買いました。いやぁ、これはたしかに素晴らしいですね。スペイン産のクサメタルといえばDARK MOOR「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」(2001)が真っ先に思い浮かびますが、今の彼等は路線を変更してしまったのでこのOPERA MAGNAこそがクサメタル界の未来を担うことになるのかもしれません。超シンプルなタイトルが付けられた本作は小説家エドガー・アラン・ポーの生涯を描いたコンセプトアルバムのようです。だからといって小難しい内容になっているかというとそんなことは微塵もなく、オープニングの序曲①El cuervoに続く事実上の1曲目となる②El pozo y el penduloからしてクサいメロディを撒き散らしながら疾走しまくり。イントロの①、繋ぎの役割を果たす小曲⑤Annabel Lee、アルバム唯一のバラード⑧El retrato ovalとエンディングに相応しい10分超えの大作⑪Edgar Allan Poe以外はアップテンポ/疾走チューンで占められています。RHAPSODY、SYMPHONY X、YNGWIE MALMSTEENといった先人からの影響が露骨に感じられるなどB級メタルっぽさが感じられる場面も少なくないし、曲名からわかる通り全編スペイン語で歌われているため聴き手を選ぶのは事実です。しかし、それを補って余りあるほどのクサメロとネオクラギターが堪能できるし、巻き舌で歌われるボーカルパートも聴いているとクセになってきます。アルバム随一のキラーチューン②のギターメロディがGALNERYUSTear Off Your Chain(2011年発表の7th「PHOENIX RISING」収録)にソックリだなぁ、と思っていたのですが実は本作の方が先にリリースされているんですね…。 またバンドは2014年3月に「DEL AMOR Y OTROS DEMONIOS - ACTO I」という5曲入りミニアルバムを発表しているようです。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「忠臣蔵鬼倒伝」(2014)

  • 2014/01/29(水) 00:00:00

【CD購入録】
忠臣蔵鬼倒伝
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「忠臣蔵鬼倒伝」(2014)

勇者アーサー(G/DRAGON GUARDIAN)YAZIN(G/KNIGHTS OF ROUND)がそれぞれ手掛けた楽曲を複数の女性声優陣が歌うプロジェクトDRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」2作目となるフルアルバムを買いました。声優達が本領を発揮するセリフと語りを盛り込みながらストーリーを展開していく彼等が前シリーズの「新選組」に続く題材として今回取り上げたのは「忠臣蔵」です。物語こそ違えど本作で聴けるのは如何にもこのプロジェクトらしいクサメタルで、ポップチューンはあってもバラードはなく基本的に疾走しているので僕が期待するものはきっちり提供してくれています。ただ前作「新選組魔戦記」(2011)で聴けたほどのキラーチューンはないように思います。なお本作をドラゴンガーディアンネットSHOPで購入するとアルバム本編のセリフ/ナレーションをカットした「忠臣蔵鬼倒伝METAL盤」と⑧「赤穂浪士」を男性ボーカルVocchang(ex-KNIGHTS OF ROUND、ODIN)が歌った別バージョンを収録したCD-Rが付いてくるとのことだったので、そちらで注文しました。送料、振込手数料はかかりましたがCD-Rは無料特典なので通販サイトでゲットした方がお買い得感があるかもしれませんね。

RHAPSODY「LEGENDARY TALES」(1997)

  • 2013/10/15(火) 00:00:00

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【No.388】
★★★★(1997)
年間ベスト1997年第7位

イタリアンメタルシーンの代表格であり、後にシンフォニックメタル界の牽引者となるRHAPSODYのデビューアルバム。オーケストレーションやクワイアをふんだんに用いてRPG的なストーリーを描いていくというバンドの個性はデビュー時点で既に確立されていて、本作から4th「POWER OF THE DRGONFLAME」(2002)では「EMERALD SWORD SAGA」という物語が展開されています。まず最初に驚かされるのはAlex Staropoli(Key)、Luca Turilli(G)というバンド創設者2人が生み出す楽曲群、Fabio Lione(Vo)による説得力抜群のボーカルなど、様々な面で新人離れした完成度を誇っている点です。そんな各メンバーの奮闘振りを存分に活かすSascha Paeth(G/HEAVENS GATE)Miroのコンビによるサウンドプロダクションもあって、本作は同年にリリースされたROYAL HUNT「PARADOX」、YNGWIE MALMSTEEN「FACING THE ANIMAL」、STRATOVARIUS「VISIONS」 といったメロディックメタルの名盤と張り合えるだけの力作に仕上がっていますね。

ラテン語によるクワイアをフィーチュアしたイントロ①Ira Tenaxからしてただ者ではないオーラが漂っているし、続く疾走チューン②Warrior Of Ice冒頭の歌い出しとその後に力強く響くFabioのシャウトが炸裂した時点で早くもテンションは最高潮に達します。そして「マァ~イティィ、ウォリアァァ~♪」のサビで昇天。「EMERALD SWORD SAGA」の幕開けを告げるこの流れは「RHAPSODYという名の超新星が現れた!」と僕に思わせるには十分でしたね。それ以降も③Rage Of Winter、⑤Flames Of Revenge、⑦Land Of Immortal、⑨Lord Of Thunderとアルバムの半数を占める疾走曲はどれも胸を熱くしてくれるし、その合間に配された民謡調の④Forest Of Unicorns、アルバム前半と後半を繋ぐ小インスト⑥Virgin Skies、バンドの特徴のひとつであるクワイアが勇壮に響くバラード⑧Echoes Of Tragedyはエンディング曲⑩Legendary Talesに至るまでの流れにおいて重要な役割を果たしているだけでなく、個々のナンバーとしても魅力的です。中でもフォーキーなバラード④はBLIND GUARDIANThe Bard's Songと並んでフォークメタルを代表する1曲だと思います。

大仰なメロディを壮大なスケールで聴かせる熱きRHAPSODYサウンドは人気を博し、彼等は一躍人気バンドへと登り詰めていきます。1995年からHR/HMを聴くようになった僕にとって、デビューアルバムでこれほどのインパクトを与えてくれたのは本作とSONATA ARCTICA「ECLIPTICA」(2000)くらいです。2nd「SYMPHONY OF ENCHANTED LANDS」(1998)以降の作品では良くも悪くもやり過ぎ感が更に強まっていき、孤高の存在へと成長していくことになりますが、個人的には綿密かつゴージャスな作り込み度合いが増した次回作以降よりも今回のアルバムくらい分かりやすい方が好きですね。

【音源紹介】
・Ira Tenax~Warrior Of Ice

【CD購入録】GLORYHAMMER「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)

  • 2013/10/11(金) 00:00:00

【CD購入録】
TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE
GLORYHAMMER「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)

パイレーツ・メタルの名で親しまれている(らしい)ALESTORMの鍵盤奏者にしてフロントマンのChristopher Bowesが新たに立ち上げたシンフォニック・パワーメタルバンドGLORYHAMMERのデビュー作を買いました。リーダートラック③Angus McFifePVやブックレットでも披露しているメンバーのコスチュームから想像できる通り、音楽性はシンフォニックかつヒロイックなRPGメタルですね。この手のバンドというとボーカルは線の細いハイトーン系が多いのですが、緑のビニールアーマー(?)に身を包んだThomas Winkler(Vo)は安定感と力強さを併せ持ったシンガーで安っぽさは皆無。RPG的なストーリーを描き出す熱きサウンド、シンガーの力量(流石にFabio Lioneには及びませんが)などを踏まえるとRHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)を連想させますね。お約束とも言うべきイントロ①Anstruther's Dark Prophecyから続く疾走曲②The Unicorn Invasion Of Dundeeで幕を開けパワフルなメタルチューン、叙情バラード、インストを交えながら本編ラストを10分超えの大作⑩The Epic Rage Of Furious Thunderで締める構成もニクイ。2013年のブライテスト・ホープ争いにも加わってきそうなニューアクトですね。

【CD購入録】SOILWORK「THE LIVING INFINITE」(2013)

  • 2013/02/28(木) 00:00:00

【CD購入録】
THE LIVING INFINITE
SOILWORK「THE LIVING INFINITE」(2013)

バンド創設メンバーにして創作面の中心人物でもあるPeter Wichers(G)不在のラインナップでリリースした6th「SWORN TO A GREAT DEVIDE」(2007)が個人的に好きになれなかったものの、Peterが復帰した前作「THE PANIC BROADCAST」(2010)が傑作だったSOILWORKの9作目を買いました。今回のアルバムはリリース前からPeterが再脱退したこと、バンド初のコンセプトアルバム(しかも2枚組)となることがアナウンスされていたため期待よりも不安の方が大きかったのですが、先行発表された音源を聴いて不安が薄れてきたので購入を決めた次第です。バンドの集大成的なアルバムだと思えた前作同様、今回もSOILWORKの持ち味が存分に詰まっているし、デス/ノーマル声を巧みに操るBjorn“Speed”Strid(Vo)のボーカルパフォーマンスもあって、エクストリームメタルバンドの中では楽曲の幅は広い方だと思いますが、現時点では全20曲(うち2曲はインスト)約85分という長丁場に聴き疲れを感じてしまうことは否定できません。今後、聴き込むにつれて2枚組コンセプトアルバムという冒険心に溢れた本作がどんな表情を見せてくれるのか楽しみ半分、不安半分というところですね。

陰陽座「鬼子母神」(2011)

  • 2012/12/24(月) 00:00:00

鬼子母神
【No.358】
★★★★★(2011)
年間ベスト2011年第1位

リーダー瞬火(B、Vo)が描く明確なヴィジョンのもと1999年のデビュー以来、安定した活動を続ける陰陽座の記念すべき10枚目の作品にしてバンド初のコンセプトアルバム。これまでにも「黒塚の鬼婆伝説」(3rd「煌神羅刹」収録)、「源 義経」(6th「臥龍點睛」収録)、「最強の妖怪 九尾の狐」(9th「金剛九尾」収録)などアルバム内に個別のテーマを持つ2~3部構成の組曲を発表してきたバンドが初めてとなるトータルコンセプト作の題材に選んだのは「鬼子母神伝説」です。ここで「鬼子母神伝説」について簡単に触れておくと「1,000人の我が子のために人間の子供をさらってきては喰わせていた女神『鬼子母神』を見るに見かねたお釈迦様に末の子を隠され、泣いて『返してくれ』と頼む鬼子母神に対して『1,000人のうちのひとりでも盗られたらこんなに悲しいのだから、お前が盗ってきた子供の親がどういう気持ちなのか分かりなさい』とお釈迦様が諭す」という内容だそうです。本作は「純粋な音楽作品として楽しめて、かつ脚本と絡めて聴けば味わいが更に増すものにしたい」という瞬火の意図からCDとは別に彼が「鬼子母神伝説」に着想を得て書き下ろしたオリジナル脚本「絶界の鬼子母神」が発売されていて、僕はCDと脚本の両方を購入しました。本作で描かれる物語の全体像はバンド結成当初から瞬火の頭の中にあったようで、構想12年のストーリーが瞬火曰く「思った通りのものが思った以上のクオリティで仕上がった」のが本作です。

まず脚本を読まずに音楽作品「鬼子母神」を聴いた時の印象としては、序曲に続く事実上のオープニングトラック②「徨(さまよい)」や陰陽座流シンフォニック・メタル⑧「鬼子母人(きしぼじん)」からエンディングまでの展開など流石のクオリティを備えている一方でコンセプト作品という性質上、キャッチーなメロディや即効性は低いように感じました。ところが脚本を読み、瞬火が作り手としての拘りや思い入れを熱く語ったこちらのインタビューを踏まえてアルバムを聴くとガラリと印象が変わりましたね。何とも言えない狂気を孕んだ③「産衣(うぶぎ)」、演歌と民謡をミックスした陰陽座お得意のお祭りソングでありつつ、その裏に潜む恐ろしさも感じさせる⑤「鬼拵ノ唄(おにこさえのうた)」、曲名にある恨みだけでなく怒りや悲しみといった感情が入り乱れる⑨「怨讐の果て(うらみのはて)」などで顕著な登場人物の心情を楽曲に反映させる表現力は、これまで9枚のアルバムを作り上げてきた現在の陰陽座だからこそ為せる業だと思います。また今回は物語の性質がシリアスで悲しみや怒りを含んだものであるということからバンド初の試みとなるダウンチューニングを採用しているのですが、これが実に効果的で作品全体に今まで以上の重厚感が溢れているのも見逃せません。

ストーリーの描写については、過去の組曲でそうだったようにセリフを交えながら展開させていくのかと思いきや、セリフと呼べそうなのはイントロ①「啾啾(しゅうしゅう)」の「はな」とラストチューン⑫「鬼哭(きこく)」の「はな、行こう」という2つのみです。しかしセリフを最小限に抑えたからこそ逆に活かされているし、このセリフの主である登場人物「静(しず)」が抱く様々な感情をここに凝縮した黒猫(Vo)の熱演にただただ脱帽です。彼女は歌唱力だけでなく登場人物の心の機微を描写するという面でも過去最高のボーカルパフォーマンスを披露してくれているし、「鵺(ぬえ)」(4th「鳳翼麟瞳」収録)でボーカリストとして開眼した瞬火も本作随一のドラマティックチューン⑩「径(みち)」で更なる成長振りを見せつけてくれています。これまで陰陽座が生み出してきた作品群の中には名盤もあったし、近作も十分に楽しめる内容ではありましたが「まだ余力を残しているのでは?」と感じることもありました。それに対して本作は聴き始めのインパクトでは一歩譲るものの、繰り返し聴く度にどんどん味わいが増してきて今ではすっかり魅了された僕がいます。それにしてもバンド結成当初から今回のようなコンセプトアルバムを作ることを思い描き、12年後にそれを実現させてしまう瞬火という人の才能は凄まじいですね。音楽に対するその真摯な姿勢が本当にカッコいいです。「このアルバムを生み出すために陰陽座は結成された」という瞬火の言葉にも十分な説得力が感じられるバンドの集大成的な1枚だと思います。

【音源紹介】
・「径(みち)」

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN「遙かなる契り」(2008)

  • 2012/12/22(土) 00:00:00

【CD購入録】
遙かなる契り
DRAGON GUARDIAN「遙かなる契り」(2008)

アニメ声によるボーカル、クサさ満点のセリフを使ってRPG的ストーリーをクサメタルに乗せながら描いた1st「聖邪のドラゴン」(2006)が賛否両論ありながらも、なかなかのセールスを記録したというDRAGON GUARDIANの2作目を買いました。今回も前作と同じく同人マーケットでの発売ですが音質の悪さ、ボーカルの弱さといったデビュー作でのウィークポイントは結構改善されているのではないでしょうか。それだけでなくブックレットにも記載されている物語の背景を読み上げ、「ドラゴンガーディアン、遙かなる契り!」という作品タイトルで大仰に締めくくる①「プロローグ」から②「紅き契約」のギターメロディに繋がる始まり方がツボだったので、他のアルバムもこういう幕開けで統一してもいいのでは?と思ったほどです(笑)。主人公は「ゼウス王の娘アテナ」、宿敵は「仮面の騎士ルシフェル」、そして「聖剣エターナルソード」などのベタな固有名詞、それに輪をかけてベッタベタな語りなどツッコミどころはたくさんありますが、ファミコン世代の僕には懐かしさが込み上げてくるし、もう少しフックが欲しいクサメロもメジャーデビューを果たした3rdにして名盤「DRAGONVARIUS」(2009)の片鱗が感じられます。ちなみに12月12日にリリースされた初のベスト盤「THE BEST OF DRAGON GUARDIAN SAGA」には本作を代表するクサメロスピ⑤「神話」が収録されています。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組散華録」(2010)、「新選組悲恋歌」(2010)、「新選組魔戦記」(2011)

  • 2012/04/14(土) 00:00:00

【CD購入録】
新選組散華録
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組散華録」(2010)

新選組悲恋歌
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組悲恋歌」(2010)

新選組魔戦記
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組魔戦記」(2011)

クサメロに溢れたメロディックメタルとアニメ調のセリフを融合させ、独自の世界観を築いたDRAGON GUARDIANの中心人物勇者アーサー(G)と、RPG風メタルを信条とするKNIGHTS OF ROUNDYAZIN(G)が結成した新プロジェクトDRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」の2枚のシングルと1stフルレンスアルバムを買いました。「DRAGONVARIUS」、「真実の石碑」の2作品でリードボーカルを務めていたFuki嬢(Vo/LIGHT BRINGER)は本作には参加しておらず複数の女性声優陣が歌っているのですが、これが予想以上に上手いですね(最近はアニメはほとんど見てないので知らない人ばかりですが…)。DRAGON GUARDIANの3rd「DRAGONVARIUS」(2009)でそのクサメロに魅了されたものの、続く「真実の石碑」(2010)ではメロディがもたらす高揚感が減退していたので期待半分、不安半分でしたが今回は楽曲の方もなかなか強力だと思います。サウンドの基本はDRAGON GUARDIANに近い一方で本作の舞台は幕末の京都、主人公は少女化した新撰組の3剣士ということで従来のクサメロスピと和テイストを融合させた音楽性がDRAGON GUARDIANと差別化できるポイントでしょうか。「DRAGONVARIUS」で初めてDRAGON GUARDIANを聴いた時は飛び交う赤面もののセリフに抵抗感があった僕も、今は免疫ができたようで今回大幅に増量されたセリフパートもすんなり聴けました。アルバムとは全く内容の異なる2枚のシングルには「新撰組散華録」に全6曲、「新撰組悲恋歌」に全5曲が収録されていますがセリフパートやカラオケバージョンなどが含まれているので、どちらも歌ものは実質的には2曲だけですね。ただ「新撰組散華録」の④「護国の刃」は本プロジェクトの持ち味を凝縮したメロスピの名曲で、リアルタイムで聴いていたらベストチューン候補になっていたかもしれません。アルバム「新撰組魔戦記」のお気に入り曲はセリフ混じりの序曲①「新撰組魔戦記」に続くスピードチューン②「紅き涙」と流麗なメロディが胸に沁み渡る④「粉雪ニ吠エル義士」ですね。こうして見ると好きな曲はYAZINが手掛けたものばかりだし、DRAGON GUARDIAN以上にギターソロが充実しているので本作においては彼の貢献度が大きいのかもしれません。KNIGHTS OF ROUNDの作品はあまりピンと来なかったのですが、また聴き直してみようと思っています。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN「聖邪のドラゴン」(2006)

  • 2012/03/29(木) 00:00:00

【CD購入録】
聖邪のドラゴン
DRAGON GUARDIAN「聖邪のドラゴン」(2006)

アニメ風のセリフや語りが飛び交うメロディック・スピードメタルにアニソンのような歌メロが乗る音世界の中で、少女を主人公としたRPG的な物語を展開していくことをコンセプトとしたプロジェクトDRAGON GUARDIANの1stアルバムを買いました。以前から本作は「サウンドがチープではあるがメロディのクサさにおいてはDRAGON GUARDIAN作品の中でも随一」という評判を耳にしていたので期待とそれなりの覚悟を胸に聴いてみました。う~ん、これは予想以上に壁が厚かった…。彼等の特徴であるクサメロや恥ずかしくなるくらいのセリフといった要素は本作で既に確立されていて、メロディに関しては確かに胸に響いてくる場面もあります。しかし、それにも増してKickという女性によるボーカルやセリフパートのクセがかなり強く僕がメロディに浸ることを難しくしてしまっています。DRAGON GUARDIANのセリフ/語りには慣れたつもりでいましたが本作で聴けるセリフは素人臭さが強く、語りも内容以前に「~した」「~だった」という文末が多いため、何だか作文のように感じてしまいました。また準主役級の登場人物であるホップという少女の舌ったらずな喋り方はクセがありまくりなだけでなく、その調子でボーカルパートまで担当しているのには萎えましたね(苦笑)。これまでHR/HMを中心に聴いてきた僕のようなリスナーにとってはかなりハードルが高いというのが現時点での感想ですが、不思議な中毒性は感じられるのでリピートするうちに化ける…のかもしれません。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN「聖魔剣ヴァルキュリアス」(2011)

  • 2012/03/17(土) 00:00:00

【CD購入録】
聖魔剣ヴァルキュリアス
DRAGON GUARDIAN「聖魔剣ヴァルキュリアス」(2011)

勇者アーサー(G)を中心としたアニメ要素を持つメロディック・スピードメタルプロジェクトDRAGON GUARDIANの5作目を買いました。このプロジェクトが同人メタル界からメジャーシーンに飛び出すことに大きく貢献したFuki嬢(Vo/LIGHT BRINGER)はメジャーデビューを控えた自身のバンドLIGHT BRINGERが多忙になったためか、本作には参加しておらず勇者アーサーがYAZIN(G/KNIGHTS OF ROUND)と結成した桜牙でも歌っていた複数の女性声優がシンガーを務めています。音楽性の方はこれまでのDRAGON GUARDIANが楽しめたファンなら歓喜必至のクサいメロパワなのですがメジャーデビュー作にして3作目の「DRAGONVARIUS」(2009)に衝撃を受けた身としては、それを越えたとは言い難いかなというのが正直な感想です。客観的に見ればサウンドプロダクションや楽曲面において過去最高と呼べそうな気もするのですが、3rdが放っていた独特の雰囲気が好きだったので…。あと気になったのは男性ナレーションが「麒麟です」でお馴染みのお笑いコンビ麒麟の川島さんばりの低音ボイスであるために聞き取りにくい点でしょうか。おかげでストーリーがよくわかっていません…。現在のお気に入り曲は⑥「天界への切符」かな。本作に参加している声優陣の中ではこの曲を歌っている実谷 ななが一番好きですね。

BLIND GUARDIAN「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)

  • 2012/03/04(日) 00:00:00

NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH
【No.319】
★★★(1998)

それまでの猪突猛進型パワーメタルスタイルの頃には感じられなかった深みと緻密さを増したサウンドが特徴的だった5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)でヨーロピアンメタルのトップバンドへとのし上がったBLIND GUARDIANの6作目は意外にもバンド初となるコンセプト・アルバムです。ストーリーは世界的に有名なファンタジー小説「指輪物語」の作者でもあるJ.R.R.トールキンによる「シルマリルの物語」を題材としています。音楽性としては前作から一段と強調されるようになった構築美とドラマティックな展開に重きを置いたプログレッシブなパワーメタルで、初のコンセプト作という意気込みもあってか作り込み度合いは過去最高だと思います。そんな本作でまず驚かされるのはアルバム本編だけで22曲もあるトラック数の多さ。その半分がストーリーや情景を描写するための語りやSEなので、これらが物語を効果的に表現するためのファクターになっているという見方と作品が冗長になってしまっているという見方の両方が出来るかと思いますが、ファンタジー小説に関心の薄い僕はどちらかというと後者寄りですね。

そんな小曲が多いために、緊張感溢れる楽曲を次から次へと繰り出すBLIND GUARDIANならではの怒涛の展開も今回は影を潜めてしまっているように思えるのが残念です。ただし、イントロ①War Of Wrathに続く事実上のオープニングトラックである疾走曲②Into The Storm、「ナァァアァァイ!フォォオォォ~!」という勇壮なコーラスが耳に残る④Nightfall、力強さとエネルギーに満ちた⑬Time Stands Still(At The Iron Hill)など、個々の楽曲を取り出して聴いてみると前作以上に僕好みのナンバーが多いと思います。また本作にはBLIND GUARDIANのレパートリーの中でも最高峰に位置する⑨Mirror Mirrorという超名曲が収録されているのも本作を語る上で外せないポイントですね。BLIND GUARDIAN特有のドラマティックで壮大な世界観は他の追随を許さないレベルに達している反面、バンド初期にあった痛快なまでの突進力と大合唱必至のクサいコーラスパートは確実に減少しています。そういう意味では⑨に象徴されるようなメロディック・パワーメタルバンドとしてのBLIND GUARDIANが好きか、それともファンタジックなBLIND GUARDIANワールドが好きなのかによって評価の分かれる作品といえるかもしれません。

なお本作は「シルマリルの物語」をテーマとしたコンセプト作品でありながら収録曲が描写しているのは物語の途中までのようです。そのせいかアルバム本編の終盤に配された楽曲群がクライマックスになりきれておらず22曲も費やしていながら、聴き終えた後に「to be continued…」的な雰囲気が感じられるというのもコンセプトアルバムとしては中途半端な印象を受けてしまいます。というわけで、1枚の作品として聴くとモヤモヤ感が残ってしまうアルバムではありますが1曲毎のクオリティは確かに高い作品だと思いますね。特に⑨はこの曲のためにアルバムを買っても損はないというほどの逸品です。

【音源紹介】
・Mirror Mirror(Live)

【CD購入録】陰陽座「鬼子母神」(2011)+戯曲「絶界の鬼子母神」

  • 2011/12/22(木) 00:00:00

【CD購入録】
鬼子母神
陰陽座「鬼子母神」(2011)

絶界の鬼子母神
絶界の鬼子母神

陰陽座の記念すべき10作目にしてバンド初のコンセプトアルバムを買いました。これまでにも「黒塚の鬼婆伝説」(3rd「煌神羅刹」収録)、「源 義経」(6th「臥龍點睛」収録)、「最強の妖怪 九尾の狐」(9th「金剛九尾」収録)などアルバム内に個別のテーマを持つ2~3部構成の組曲を発表してきたバンドが満を持して制作したトータルコンセプト作ということで大きな期待を胸に聴きました。数回聴いた印象としては、これまでの組曲ナンバーが曲毎に異なる表情を見せていたのに対して本作はアルバム1枚でひとつの物語を描いているため楽曲に統一感がありますね(裏返せば過去作品の方がバラエティに富んでいると言えるかもしれません)。現時点では即効性はそれほど高くなく、聴き込みが必要なアルバムという印象です。今では僕の中で神盤となっているROYAL HUNT「PARADOX」(1997)DREAM THEATER「METROPOLIS PT.2」(1999)の2大コンセプトアルバムも聴き始めはそれほど好印象ではなかったので、僕のお気に入りバンド陰陽座初のコンセプトアルバムを聴き込むにつれて、どんな味が出てくるのか楽しみ半分、不安半分という感じですね。またバンドはCDだけでなはくリーダー瞬火(B、Vo)が手掛けたオリジナル戯曲で本作の脚本でもある書籍「絶界の鬼子母神」を同時発売しているので、そちらの戯曲と歌詞を読みながら本作の世界観どっぷり浸りたいと思います。