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GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

  • 2018/11/25(日) 00:00:00

SPACE 1992 RISE PF THE CHAOS
【No.525】
★★★★(2015)
年間ベスト2015年第4位

2013年に「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」で衝撃のデビューを果たしたエピックメタル界のニューヒーローGLORYHAMMERの2ndアルバム。前作はファイフ王国で繰り広げられる中世RPG要素たっぷりのストーリーアルバムでしたが、今回はデビュー作から1,000年後という設定で舞台を宇宙に移して1stアルバムの主人公の末裔アンガス・マックファイフ13世の活躍を描いているようです。デビュー当時と同じく今回もメンバーが物語の登場人物に扮していてThomas Winkler(Vo)は物語の主人公マックファイフ13世、バンドのブレインChristopher Bowes(Vo、Key/ALESTORM)が悪の魔道士ザーゴスラクスのコスチュームに身を包んでいます。その中でも目を引くのはスキンヘッドのギタリストPaul Templingで、半透明の精霊と化した彼の姿はインパクトありすぎです(笑)。

そんな愛すべきメタルバカ(褒めてます)としての側面に注目が集まりがちな彼等ですが、音楽的な魅力もしっかり備えています。今回はデビュー作以上にメロパワ度が高くなっていて、ストーリーの導入部にあたる語りとオーケストレーションが期待を煽る①Infernus Ad Astraから疾走曲②Rise Of The Chaos Wizardsに至る流れはガッツポーズものです。続く③Legend Of The Astral Hammerは曲名を連呼する暑苦しいコーラスが胸熱の漢メタルだし、フォークメタルのような陽気さを持った④Goblin King Of The Darkstorm Galaxyもお見事。アルバム中盤もなかなかの佳曲揃いですがディスコサウンドを取り込んだ⑧Universe On Fire以降の終盤が実に強力です。この手のバンドとしては珍しくダンサブルな曲調に振り切れた⑧から再び壮大なエピック浪漫の世界観に引き戻してくれる⑨Heroes (Of Dundee)は哀愁を帯びたサビが絶品だし、本編ラストを飾る10分弱の⑩Apocalypse 1992は基本的に疾走系ながらスローダウンしたり、語りを入れたりとドラマティックな展開を見せつつラストは②のメロディで締める構成でクライマックス感を演出してくれます。

本作の国内盤はボーナスディスク付きの2枚組となっていてDISC-2はアルバム全曲をオーケストラバージョンで収録、しかも各曲に別タイトルを用意するという気合の入った仕様となっています。同系統バンドのトップランナーとして最初に思いつくのはイタリアのRHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)ですが、作品を重ねるにつれてキャッチーさが薄くなり僕の好みからは外れていってしまいました。それに対してGLORYHAMMERは一度聴いただけで耳に残る楽曲が多く、前述のオーケストラバージョンを聴いても十分に楽しめるバンドなので今後も応援していきたいですね。歌詞カードを見ると本作はストーリー的には「別の世界へと消えていくザーゴスラクスを追ってマックファイフ13世もワームホール(時空のトンネル)に向かう」というところで終わっているので続編に期待しています。

【音源紹介】
Rise Of The Chaos Wizards

GLORYHAMMER「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)

  • 2018/10/27(土) 00:00:00

TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE
【No.524】
★★★★(2013)
年間ベスト2013年第7位

僕は未聴ですが「パイレーツ・メタルバンド」として人気を博しているALESTORMの中心人物Christopher Bowes(Vo、Key)が新たに立ち上げたシンフォニック・パワーメタルバンドGLORYHAMMERの1stアルバム。鎧を身に纏った戦士が雷光迸るハンマーを手にしたジャケットから想像できる通り、ファンタジックなRPG的ストーリーに基づいたエピックメタルが展開されています。物語としては「若き王子が冒険の途中で伝説のアイテムを手に入れ、邪悪な魔導士を討つ」というベッタベタで非常にわかりやすい内容です。そしてGLORYHAMMERを語る上で欠かせないのがメンバーのルックス(というかコスチューム)で、それぞれが物語の登場人物に扮してポーズを決めている姿からは良くも悪くもB級感が溢れまくっています(笑)。

序曲の①Anstruther's Dark Prophecyに導かれて始まる疾走曲②The Unicorn Invasion Of Dundeeに続くというお約束の流れでがっちり心を掴まれました。MVも制作された③Angus McFifeは勇壮なクサメタルの名曲だし、行進曲のような④Quest For The Hammer Of Gloryを挟んで登場する⑤Magic Dragonは曲名とクラシカルな鍵盤によるイントロからしてファンタジックな世界観が全開です。本作唯一のバラード⑥Silent Tears Of Frozen Princessでクールダウンした後は熱く疾走するメロパワ⑦Amulet Of Justiceで大きな盛り上がりを見せ、「ヘイル!」と叫びながら拳を突き上げたくなる⑧Hail To Crailから短めのインスト曲⑨Beneath Cowdenbeathを経て10分越えのエピックチューン⑩The Epic Rage Of Furious Thunderで大団円を迎えるアルバム構成もお見事。それに加えてボーナストラック⑪Wizards!も「ウィィィイ、ザァァァ!」とタイトルを叫ぶシンプルなサビが耳から離れない佳曲です。

そんな粒揃いのパワーメタル群を歌い上げるThomas Winkler(Vo)の存在も見逃せません。細身の短髪青年Thomasが緑のビニールアーマー(?)を装備して熱唱する③のMVはインパクト抜群なので初めはネタバンドかと思いましたがそんなことはなく、確かな歌唱力の持ち主でもある彼がGLORYHAMMERをワンランク上に押し上げていることは間違いありませんね。RPG要素もあるパワーメタルという点ではRHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)を連想させる作風でありつつ、あちらよりもシンプルで聴きやすいというのも好印象。2013年はART OF GRADATION、GYZEなど国内から素晴らしいニューアクトが登場し、年間ベストの期待の新人部門にART OF GRADATIONを選出させてもらいましたが海外のバンドから選ぶとすればGLORYHAMMER一択でしたね。

【音源紹介】
Angus McFife

【CD購入録】SEVENTH WONDER「TIARA」(2018)

  • 2018/10/11(木) 00:00:00

【CD購入録】
TIARA.jpg
SEVENTH WONDER「TIARA」(2018)

Tommy Karevik(Vo)KAMELOTに加入したことでバンドの知名度がグンと上がったスウェーデン産プログレメタルバンドSEVENTH WONDERの5作目を買いました。カリスマ的シンガーRoy Khanの後任という難しい役割を見事にこなしたTommyでしたがKAMELOTでの活動は多忙を極めたようで、2012年に加入して以降KAMELOTではコンスタントに3枚のフルアルバムを発表したのに対してSEVENTH WONDERとしては8年振りの新作となります。長いスパンが空いてしまったものの今回もSEVENTH WONDERらしいメロディを重視したプログレッシブメタルが展開されていて、中でも②The Everones、⑤Victorious辺りは初めて聴いた時から口ずさめそうなキャッチーなメロディが耳を捉えるし、⑩By The Light Of The Funeral Pyresはメロパワと呼んでも差し支えなさそうな疾走曲となっていて良い意味でこのバンドらしくないですね。また、コンセプトアルバムでもある本作の核となっていると思われる⑥Farewell (Part 1: Tiara's Song)、⑦Farewell (Part 2: Goodnight)、⑧Farewell (Part 3: Beyond Today)の3部作やエンディングの⑬Exhaleも聴き応えがあります。聴き込みを要する作品が多い彼等ですが今回はその中でもとっつきやすい部類に入るのではないでしょうか。

CIRCUS MAXIMUS「ISOLATE」(2007)

  • 2018/07/21(土) 00:00:00

C MAXIMUS ISOLATE
【No.519】
★★★★(2007)

2005年リリースのデビュー作「THE 1ST CHAPTER」が輸入盤市場で注目を集めていたノルウェー産プログレメタルバンドCIRCUS MAXIMUSの2作目にして日本デビュー盤。音楽性は前作同様、初期DREAM TEHATERをベースとしつつ本家以上に歌心を大切にしたサウンドとなっています。バンドの持ち味であるメロディアスハードにも通じる親しみやすい歌メロと、テクニカルな側面という2つの要素が絶妙に絡み合っていますね。デビュー作以上にキャッチーさを増したように感じられますが、その要因としては収録曲の大半が4〜5分台とコンパクトになったことと、ポップな方向に振り切れた⑤Arrival Of Loveに依るところが大きいと思います。

楽曲的には⑤のインパクトが頭ひとつ抜けている感はあるものの、爽快なサビメロがクセになる②Abyssも前作におけるハイライトとなっていたAliveを彷彿とさせるCIRCUS MAXIMUSらしいナンバーです。また聴けば聴くほどに味わいが増すオープニング①Darkened Mind、後にMichael Eriksen(Vo)Roy Khan(Vo)の後任候補としてKAMELOTへの加入が噂されたことにも納得できる魅惑の低音ボーカルが胸に沁みるバラード⑥Zeroなども聴きどころとなっていますね。そしてアルバム後半には12分台の⑦Mouth Of Madness、9分台の⑨Ultimate Sacrificeといった長編を配していて、こちらでも複雑になり過ぎることなく良質なメロディを聴かせる姿勢に揺るぎはありません。それどころがメロディの起伏やドラマ性が強調されていてコンパクトな楽曲との対比もお見事。また日本盤ボーナストラック⑩Silenceは1stアルバムに収録されていたバラードSilence From Angels Aboveのリメイクで、こちらはライヴで演奏する時のバージョンだそうです。ギターのイントロや効果的なキーボードなどオリジナル以上に劇的な仕上がりとなっていてバンドの成長振りが窺えますね。

そんな楽曲群を歌うシンガーのMichael Erikssenは敬愛しているというGeoff Tate(Vo/QUEENSRYCHE)や母国ノルウェーが誇るTNTのフロントマンTony Harnellを彷彿とさせるハイトーンに加え、低音域では前述した通りRoy Khanのような深みも感じさせてくれます。ボーカルメロディを大切にする姿勢を更に強化した今回のアルバムにおける彼の貢献度はかなり大きいですね。ちなみに本作はジャケットに描かれている「どん底でもがき苦しむ男」の人生にまつわるコンセプトアルバムだそうで、テーマとしてはダークで重いように感じますが音楽自体は前作よりも聴きやすくメロディアスなので、プログレメタルというよりはプログレッシブな要素もあるメロディックメタルと表現したくなるよう作風となっています。

【音源紹介】
Arrival Of Love

【CD購入録】ALMANAC「TSAR」(2016)

  • 2018/06/22(金) 00:00:00

【CD購入録】
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ALMANAC「TSAR」(2016)

テクニカルギタリストVictor Smolski(ex-RAGE)率いるシンフォニックメタルバンド(プロジェクト?)ALMANACの1stアルバムを買いました。ALMANAC名義では初めての作品となりますがVictor自身がプロのミュージシャンとして20年以上のキャリアを持っているし、ボーカルにはDavid Readman(PINK CREAM 69 etc)、Andy B. Franck(BRAINSTORM)というベテラン2名が名を連ねているためニューアクトというイメージは薄いですね。VictorによるとALMANACは彼がRAGE在籍時に立ち上げたLINGUA MORTIS ORCHESTRAの音楽性を引き継ぐ存在だそうで、今回もオーケストラとのコラボを念頭に置いたサウンドで描くコンセプトアルバムとなっています。ちなみにLINGUA MORTIS ORCHESTRAでは中世ヨーロッパの魔女狩り、本作ではロシアの皇帝イヴァン4世を題材にしているようです。一聴して感じるのはLINGUA MORTIS ORCHESTRAよりもメタリックでメロディのフックが増しているということ。ドラマティックで高揚感に溢れる①Tsar、PVも制作された②Self Blinded Eyesの流れは掴みとして上々だし、勢いで押しまくる④Hands Are Tiedとそこから一転してヒロイックなサビが合唱を誘う⑤Children Of The Futureと続く中盤、エンディングを飾る壮大な⑨Flames Of Fateなどがお気に入りです。

【CD購入録】LINGUA MORTIS ORCHESTRA feat. RAGE「LMO」(2013)

  • 2018/06/19(火) 00:00:00

【CD購入録】
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LINGUA MORTIS ORCHESTRA feat. RAGE「LMO」(2013)

ドイツが誇るベテランパワーメタルバンドRAGEのメンバーが2013年に立ち上げたプロジェクトLINGUA MORTIS ORCHESTRAの第1作目を買いました。Peter "Peavy" Wagner(Vo、B)、Victor Smolski(G)、Andre Hilgers(Ds)の編成で制作されたフルアルバム「21」(2012)リリース後に「ヘヴィなものはRAGE、メロディックなものはLINGUA MORTIS ORCHESTRA名義で発表する」ことがアナウンスされ違和感を覚えましたがPeavy、Victor、Andreのラインナップは2015年に崩壊…。今にして思えば、この頃からバンドの歯車は狂い始めていたのかもしれませんね。ちなみにプロジェクト名はRAGEが既発曲をオーケストラと共演して再構築した企画盤「LINGUA MORTIS」(1996)に由来していて、Victorが中心となりオーケストラとの共演を視野に入れて書き下ろした楽曲にPeavyが歌詞を乗せる形式を基本としています。2名の女性シンガーとHenning Basse(Vo/ex-METALIUM)もメンバーとして名を連ねてはいるもののメインで歌っているのはあくまでもPeavyなので、どうしてもRAGEっぽさが残りますね。RAGEファンは勿論、メロディックメタルファンなら一定レベル以上の満足感は保証されていると思うし、必要以上にオーケストラ寄りになることなくHR/HM作品として聴き応えはあるものの飛び抜けたナンバーはないかな、というのが正直な感想です。

【CD購入録】THE DEAR HUNTER「ACT I: THE LAKE SOUTH, THE RIVER NORTH」(2006)

  • 2018/02/24(土) 00:00:00

【CD購入録】
ACT I THE LAKE SOUTH THE RIVER NORTH
THE DEAR HUNTER「ACT I: THE LAKE SOUTH, THE RIVER NORTH」(2006)

アメリカのTHE RECEIVING END OF SIRENSというバンドで活動していたCasey Crescenzo(Vo、G)がバンド在籍中に立ち上げたサイドプロジェクトTHE DEAR HUNTERの1作目を買いました。ちなみにTHE RECEIVING END OF SIRENSは2008年に解散、2010年に再集結したものの今はもう活動していないようです。アルバムタイトルにある「ACTシリーズ」は全6章で構成されるコンセプトアルバムで、第一次世界大戦の頃を舞台にした少年の誕生から急死までの人生を描いた物語を題材にしているとのことです。音楽性はというと様々なジャンルを混合させながら美しいメロディを丁寧に紡いでいくスタイルで、僕が持っているCDを引き合いに出すならばANATHEMA「WEATHER SYSTEMS」(2012)LEPROUS「COAL」(2013)を足して2で割ったような感じでしょうか。収録曲は全8曲で約38分、インストや小曲がそのうち3曲あってフルアルバムというよりはEP並のボリュームなので食い足りなさが残るし、作品の核となるキラーチューンと呼べそうなものはありませんがメロディが胸に沁みます。現時点で「ACTシリーズ」は5章までリリースされているようなので機会があれば他の作品も聴いてみたいですね。

LIV MOON「THE END OF THE BEGINNING」(2012)

  • 2017/11/27(月) 00:00:00

THE END OF THE BEGINNING
【No.504】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

2009年にデビューして以降、精力的な活動を続けるLIV MOONが前作「SYMPHONIC MOON」(2012)と同年にリリースした4作目。2nd「GOLDEN MOON」(2011)から本作発表まで僅か18ヶ月しか経っていないというワーカホリック振りです。そんな驚異的な活動ペースを支えているのは外部ソングライターの存在でしょう。正式メンバーである西脇 辰弥(Key)による楽曲は全14曲中3曲に止まり、丘 ナオキや前作で名曲Kiss me Kill meを手掛けていたKAZSINといったLIV MOON作品ではお馴染みのライターに加え今回はKee Marcello(G/ex-EUROPE)、Kiko Loureiro(G/ANGRA)、Magnus Rosen(B/ex-HAMMERFALL)といった海外HR/HM界でも名の通ったプレイヤーが作曲と演奏面で参加しています。

本作は北欧神話をモチーフにしたコンセプトアルバムで、テーマ選びにはヨーテボリ(イエテボリ)出身でもあるAkane Liv(Vo)のルーツが北欧にあることも関係しているようです(ちなみに彼女とMagnus Rosenは幼馴染なのだとか)。過去作品に比べると2ndのBLACK RUBY、3rdのKiss me Kill meに匹敵するほどのキラーチューンこそないものの、実験的なモダンサウンドを取り入れた楽曲が姿を消したこともあってアルバムの統一感は過去最高です。また、これまで以上にオーケストラサウンドが本格的になっていて、よりスケールの大きな作品となっています。小〜中学生の頃にファイナルファンタジーに夢中になっていたこともあって「ラグナロク」、「オーディン」など北欧神話関連の単語に馴染みはある一方で神話そのものに関する知識はない僕の場合、コンセプトに浸ることはできませんが純粋な音楽作品として愛聴しています。LIV MOONの最高傑作と呼べる仕上がりだと思いますね。

その名の通りの序曲①Prologueを受けて展開していく②Free your Soul、③Fountain of my Pleasureは全てKAZSINによるナンバーで改めてLIV MOONとの相性の良さを感じますね。また「ミ、サーマ、イー♪」というキャッチーなサビが耳から離れない丘 ナオキ作の⑧Midsummer Eveも気に入ってます。西脇作品で輝きを放っているのはAkane嬢が様々な声色を駆使して巨人や小人などのキャラクターを演じるタイトル曲⑥The End of the Beginningですね。この辺りは彼女の元宝塚女優としての経験が活かされているのでしょう。個人的なハイライトは郷愁を誘うメロディが堪らない⑫Immortals(Keeが作曲に関与)、元々はKikoから提供された疾走曲を思い切ってバラードにアレンジしたという⑬「黄金の涙」、曲名通り大海原をイメージさせる旋律がクライマックスに相応しい⑭Voyageと続く終盤ですね。「~MOON」で統一されていたアルバムタイトルの法則は今回当てはまらず「始まりの終わり」と名付けられた作品名から、このアルバムでLIV MOON第1章の締めくくり次のステージに入るのかと思っていたら、それまでのハイペース降りが嘘のように沈黙状態へと入ってしまうことに…。2015年に初のベスト盤「THE BEST OF LIV MOON」、2016年にはミニアルバム「R.E.D」をリリースしたLIV MOONの新作がそろそろ聴けると嬉しいですね。

【音源紹介】
「黄金の涙(Live)」

【CD購入録】GALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」(2017)

  • 2017/09/28(木) 00:00:00

【CD購入録】
ULTIMATE SACRIFICE
GALNERYUS「ULTIMATE SACRIFICE」(2017)

バンド初のコンセプトアルバムだった前作「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)の続編にあたるGALNERYUSの11作目を買いました。ストーリーは前作の主人公の息子を軸としたものとなっていて、今回もブックレットに物語の内容が書かれています。なんとなく僕が小学生〜中学生の頃にハマっていたシミュレーションゲーム「ファイアーエムブレム」を思い出しました。アルバムの場面設定を英語でナレーションする導入パート①Enter The New Gateで幕を開けるや②Heavenly Punishmentがいきなりのハイライトチューンで大きな盛り上がりを見せてくれます。それ以降も濃密なGALNERYUS流メロディックメタル曲が矢継ぎ早に繰り出され、ラスト2曲の⑧Burutal Spiral Of Emotions、⑨Ultimate Sacrificeはどちらも10分越えの大作ということもあって聴き終える頃にはお腹いっぱいです(笑)。そんな中、歌謡曲風で懐かしさを感じる⑥Wherever You Areは一息つかせる役割を担っていますね。楽曲単位では泣きまくりの⑨がお気に入りです。ブックレットを読む限り続編がありそうな気もしますね。デビュー作「FLAG OF THE PUNISHMENT」(2003)から3rd「BEYOND THE END OF DESPAIR…」(2006)までは3部作という位置づけだったので、前作から始まったシリーズがGALNERYUSのコンセプトアルバム3部作となる可能性があるのかもしれません。

WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」(2011)

  • 2017/07/23(日) 00:00:00

THE UNFORGIVING
【No.497】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第6位

前作「THE HEART OF EVERYTHING」(2007)で従来のゴシックメタルに大衆的な親しみやすさを加味し、更なる進化を遂げたWITHIN TEMPTATIONの5作目。リーダーのRobert Westerholt(G)によると「THE HEART OF EVERYTHING」の出来にかなり満足しているようで「通常のアルバムを作るという意味ではやりきった」と感じたことから、今回はバンド初のコンセプトアルバムであるだけでなく、そのストーリーと連動したコミックを出版するという意欲作となっています。ジャケットはアメコミ風のイラストで、インタビュー記事のメンバー写真を見ても従来にはなかった軽いノリになっているためバンドイメージに変化が見られるものの最大の武器であるメロディセンスは衰えるどころか更に磨きがかかっていますね。

今や厳かなゴシックメタル的ムードは大きく減退、シンフォニックアレンジの効いたメロディアスHR/HMとなっているため初期からのファンにとっては賛否両論ありそうですが僕は本作を聴いてWITHIN TEMPTATIONのファンになりました。今回はこれまで以上に楽曲の幅が広がっていて、このバンドにしては珍しく疾走感のあるロックチューン③In The Middle Of The Night、曲名通りの武骨さ、勇ましさと共に進行する⑥Iron、ディスコ調のサウンドを取り入れた⑧Sineadなどは、本作の多様性を象徴するナンバーだと思います。WITHIN TEMPTATIONの凄いところは新境地に挑戦しつつ、それを失敗に終わらせず魅力的に聴かせることができる点でしょう。僕にとってのハイライトはダンサブルな⑧とは対照的な熱唱系バラード⑨Lost、即効性は低いもののリピートするうちにジワジワくる⑩Murder、モダンサウンドを纏った哀愁ドライヴィングチューン⑪A Demon's Fateと続く後半の流れですね。

Sharon Den Adel(Vo)のボーカルについては、3rd「THE SILENT FORCE」(2004)辺りまでで披露していたエンジェリックボイスは控えめで、作風の変化に合わせるように力強く低音域で歌う場面が増えていますね。また音楽的にもメンバーのルックス的にも依然としてSharon推し全開ではありますが、短いとはいえギターソロが聴ける曲が増えたのも特徴でしょうか。本作はコンセプトアルバムではあるもののSEは①Why Not Meのみだし、大作も一切なくコンパクトな楽曲が並んでいるため小難しさは皆無。あくまで歌モノ作品として成り立っているのも好印象です。ゴシックメタルからメインストリーム系ロックへの飛躍のきっかけを掴んだ前作の流れを上手く発展させた充実盤だと思います。

【音源紹介】
Sinead

【CD購入録】ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)

  • 2017/06/30(金) 00:00:00

【CD購入録】
SOULDANCE.jpg
ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)

2013年にデビューしたペルー産パワーメタルバンドNAUTILUZの元メンバーJorge Higginson(B)が立ち上げたANCESTRAL DAWNの1stアルバムを買いました。HigginsonはNAUTILUZのデビュー作「LEAVING ALL BEHIND」(2013)に複数の楽曲を提供していたもののアルバムリリース前に脱退、ANCESTRAL DAWNでリードボーカルを務めるJorge Segersbolも2011年までNAUTILUZに籍を置いていたそうなので、このバンドはNAUTILUZの分家と言えるかもしれません。ANCESTRAL DAWNの音楽性はSegersbolのハイトーンが響き渡る典型的なメロディックパワーメタルでHigginsonが演奏する民俗楽器パンフルートが時折トライバルな雰囲気を醸し出していてブラジルの至宝ANGRAを連想させますね。また本作はFabio Lione(Vo/ANGRA、ex-RHAPSODY OF FIRE)、Mark Boals(Vo/ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN etc)、Ralf Scheepers(Vo/PRIMAL FEAR)、Rick Altzi(Vo/MASTERPLAN、AT VANCE)、Amanda Somerville(Vo)といった実力派シンガーがゲスト参加し与えられた役を演じるメタルオペラでもあるので、この点はAVANTASIAを彷彿とさせます。メロパワの優等生的作品という感はあるものの豪華ゲスト陣が華を添えているし、新人のデビューアルバムとしては高いクオリティを誇っていると思います。

【CD購入録】PAIN OF SALVATION「REMEDY LANE RE:VISITED」(2016)

  • 2017/06/11(日) 00:00:00

【CD購入録】
REMEDY LANE REVISITED
PAIN OF SALVATION「REMEDY LANE RE:VISITED」(2016)

スウェーデンの奇才Daniel Gildenlow(Vo、G)率いるプログレッシブHR/HMバンドPAIN OF SALVATIONが2002年に発表したコンセプトアルバムで通算4作目にあたる「REMEDY LANE」のリミックス盤を買いました。本作にはアルバムを曲順通りに再現したライヴ盤(2014年の公演)もセットになっていてお得感がありますね。本作にリミックスを施したのはANGRA、ARCH ENEMY、SYMPHONY Xといった大物バンドの近作にも携わっている売れっ子Jens Bogrenです。実はこのアルバムと3rd「THE PERFECT ELEMENT, PART Ⅰ」(2000)はリアルタイムで購入していたのですが、当時の僕には難解に感じられ売ってしまっていました。ところが約15年経った今、本作を改めて聴いてPAIN OF SALVATIONというバンドの凄みに魅了されています。オリジナル盤もレンタルして聴き比べてみたのですがリミックス効果は大きいように思います。Daniel夫妻が体験した流産を歌詞にしたという重いテーマとは対照的に明朗なメロディとともに駆けていく④Trace Of Blood、メロディアスなバラード⑫Second Loveといった即効性が比較的高い楽曲もさることながら、テーマメロディが耳から離れない②Ending Theme、悲壮感漂う⑥Undertow、壮大なエンディングを迎える⑬Beyond The Paleなど聴けば聴くほど味わいの増す楽曲群は中毒性抜群です。本作を聴いてPAIN OF SALVATIONというバンドへの注目度が僕の中で上昇中なのですが、彼等はアルバムによって音楽性をガラリと変えるバンドらしいので他の作品にトライするよりもしばらくはこのアルバムの世界にじっくり浸ろうと思います。

【CD購入録】TWILIGHT FORCE「HEROES OF MIGHTY MAGIC」(2017)

  • 2017/05/06(土) 00:00:00

【CD購入録】
HEROES OF MIGHTY MAGIC
TWILIGHT FORCE「HEROES OF MIGHTY MAGIC」(2017)

デビューアルバム「TALES OF ANCIENT PROPHECIES」(2014)がクサメタラーの間で好評だったアドヴェンチャー・メタルバンドTWILIGHT FORCEの2作目を買いました。トワイライトキングダムを舞台としたストーリーアルバムでもある本作は2016年夏に輸入盤で発売され、評判も良さげだったので日本盤ボーナストラックに期待して国内盤を待ち続けていました。その日本盤は輸入盤から半年近く遅れて、本編のカラオケバージョンとライヴ音源1曲が入った2枚組限定盤、通常盤の2バージョンが発売されたもののカラオケには興味がないので通常盤を購入。待った甲斐があまりなかったような気もしますが、アルバムに登場する各キャラクターの設定やステータスの和訳が付いているのでアルバムの世界観に浸るにはいいのかもしれません(笑)。中身の方は前作を気に入った方なら今回もイケるであろうシンフォニックなメロパワで相変わらず明るめのメロディが目立ちます。個人的にはもう少し哀メロが欲しいし、似た曲調が続くためアルバムとしての抑揚に欠ける感はありますが、疾走曲を次から次へと繰り出すその作風はそんな不満を吹き飛ばすだけのパワーに溢れています。お気に入り曲はいきなりクサメロが炸裂するオープニング①Battle Of Arcane MightFabio Lione(Vo/ANGRA、ex-RHAPSODY OF FIRE)がゲスト参加した長編⑤There And Back Again辺りでしょうか。それ以外の楽曲も高揚感満載のメロパワチューンで否が応でもテンションが上がりますね。ちなみに⑪Epilogueは6分近くもある語り、⑫Knights Of Twilight's Mightはトワイライトキングダムの国歌だそうです(笑)。前作を聴いて膨らんだ期待を裏切らないメロディック・クサメタルの充実盤だと思います。

SYMPHONY X「V: THE NEW MYTHOLOGY SUITE」(2000)

  • 2017/04/04(火) 00:00:00

V THE NEW MYTHOLOGY SUITE
【No.490】
★★(2000)

前作「TWILIGHT IN OLYMPUS」(1998)リリース後に日本公演を含む初めてのツアーを実現させ、スタジオ盤の制作だけでなくライブアクトとしても優れたバンドであることを証明してみせたSYMPHONY Xの5作目。4thのレコーディング時には脱退していたJason Rullo(Ds)が来日前に復帰、ツアー中にThomas Miller(B)が突然バンドを離脱(音楽業界からも引退)するなど慌ただしかったようですが、後任にMichael LePond(B)を迎えて以降SYMPHONY Xはメンバーチェンジすることなく活動しています。本作はアトランティス文明をテーマにしたバンド初のコンセプトアルバムとなっていることもあってかSYMPHONY X特有の神秘的なムードがこれまで以上に色濃くなっていますね。

クラシック作曲家ヴェルディのレクイエムをモチーフにした序曲①Preludeに導かれてスタートする②Evolution(The Grand Design)がいきなりのキラーチューン!ダークで神秘的なムードと気品すら漂うメロディライン、それでいてサビは一緒に歌えそうなほどキャッチーなこの曲にはSYMPHONY Xの魅力が凝縮されていますね。ここまで聴いた時点で本作への期待値がグンと上がったのですが、それ以降はあまり好きになれませんでした…。端的に言うとメロディがこれまで以上に地味な曲が多いように思います。それに加えて曲間にインストを挟むなどして、アルバム冒頭から⑨The Death Of Balance / Lacrymosaまで切れ目なく繋がっているため何曲目を聴いているのかわからなくなることもあったりします。

バンドを構成する要素のひとつであるプログレッシブな作風を強めた結果、僕のストライクゾーンから外れてしまった1枚という感じですね。過去作品と比べて複雑さが増していること、アルバムのテーマがアトランティス文明という僕があまり関心のないジャンルということもあって歌詞を読んでも本作のストーリーに入り込めなかったというのもマイナス要因でしょうか。といいつつ美しく幻想的な⑤Communion And The Oracle、重厚なコーラスをフィーチュアした⑩Absence Of Lightから疾走曲⑪A Fool's Paradiseを経てエンディング曲⑫Rediscovery(Segue)〜⑬Rediscovery(Part II)- The New Mythologyに至る展開は感動的だし、①以外にもクラシックのフレーズを巧みに引用したり、オーケストラサウンドを導入することで生み出される壮大な世界観は聴き応えがあります。また、リーダーMichael Romeo(G)によるテクニカルプレイ、バッキングにソロにと適材適所の音色で楽曲を彩るMichael Pinnella(Key)の存在感、説得力に溢れた歌唱で迫るRussell Allen(Vo)のボーカルといったSYMPHONY Xらしさは本作でも健在なので、ファンならば楽しめる作品ではあるものの個人的にはもう少しわかりやすいメロディが欲しかったですね。SYMPHONY Xのアルバムはリアルタイムで聴いている時はそんなに好きではなかったけれどリピートするうちにハマることが多いのですが、本作は聴き始めの頃からあまり印象が変わりませんでした…。

【音源紹介】
Prelude~Evolution(The Grand Design)

【CD購入録】FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

  • 2017/03/22(水) 00:00:00

【CD購入録】
IMMORTALS.jpg
FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

2009年にOZZY OSBOURNEのツアーに帯同、翌年にリリースされたアルバム「SCREAM」にも参加していたギリシャ人ギタリストGus G.のメインバンドFIREWINDの8作目を買いました。5th「THE PREMONITION」(2008)などを聴いて手堅い正統派ヘヴィメタルが楽しめる一方でFIREWINDならではの決め手に欠けるイメージがありました。そんな理由からここ最近の2作品はノーチェックだったし、本作も当初はスルーの予定だったのですがB!13さんからコメントをいただいたことがきっかけで①Hands Of Time、③Ode To Leonidas、④Back On The Throneのオフィシャル音源を聴いてみたところ予想以上にメロディックパワーメタル寄りで僕好みだったので購入した次第です。今回のアルバムに収録されている楽曲にはメロパワ界きってのプロデューサーDennis Ward(B/PINK CREAM 69、UNISONIC)とGusによるプロジェクトのために書かれたマテリアルも含まれているそうで、その制作過程が今回の作風に影響しているのかもしれませんね。2015年に加入し、本作が初めてのスタジオ盤となるHenning Basse(Vo/ex-METALIUM)の歌唱はRob Rock(Vo/IMPELLITTERI)を彷彿とさせる熱唱系でバンドとの相性も良さそうです。本作は「テルモピュライの戦い」、「サラミスの海戦」という古代ギリシャの2つの戦いを題材にしたバンド初のコンセプトアルバムですが、各曲をシームレスに繋いだりSEを用いたりすることなく通常作品と同じく個々の楽曲が独立した構成となっています。ギリシャのバンドと言えばGus Drax(G)率いるSUNBURSTKosta Vreto(G)が在籍するWARDRUMといった期待の若手が相次いでシーンに登場していますが15年近いキャリアを誇るFIREWINDも負けていませんね。

【CD購入録】TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」(2016)

  • 2016/10/31(月) 00:00:00

【CD購入録】
RABBITS HILL PT2
TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」(2016)

「ハッピーメタル」を標榜するイタリアのメロディック・パワーメタルバンドTRICK OR TREATの4作目を買いました。タイトルからもわかる通り、バンド初のコンセプトアルバム「RABBITS' HILL」の後編にあたる1枚です。前作「RABBITS' HILL PT.1」(2012)は持ち前の爽系メロパワサウンドから距離を置き、多様性を見せた作風ではあったものの僕の琴線に触れるメロディは減少していたので今回は購入を迷っていました。そんな中、各所で本作の良い評判を耳にしたので聴いてみたのですが、これがなかなか好感触。牧歌的な②Together Againでいきなりスローダウンしてしまうのはマイナスですが、バンド初のデス声をフィーチュアした①Inle'(The Black Rabbit Of Death)、これぞTRICK OR TREAT!な③Cloudrider⑥The Great Escape、クサいメロディと劇的な展開が秀逸な10分越えの大作⑩The Showdownなど聴きどころが多いですね。恒例となっている感のあるゲストシンガーとしてはSara Squadrani(Vo/ANCIENT BARDS)がドラマティックなバラード⑤Never Say GoodbyeTim "Ripper" Owens (Vo/ex-JUDAS PRIEST、ICED EARTH)がパワフルな⑦They Must DieTony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)がフォーキーな⑨Unitedで客演していて、特にSaraとTimが持ち味を発揮しています。

【CD購入録】JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

  • 2016/06/21(火) 00:00:00

【CD購入録】
SWING OF DEATH
JORN LANDE & TROND HOLTER present DRACULA 「SWING OF DEATH」(2015)

2014年に解散を発表したWIG WAMのギタリストTeenyことTrond HolterがWIG WAM在籍時から構想を温めていたドラキュラをテーマにしたストーリーアルバムを買いました。リードシンガーを務めているのはJorn Lande(Vo/JORN、ALLEN-LANDE etc)で、今回も濃厚なボーカルパフォーマンスを披露しています。WIG WAMのリードシンガーだったAge Sten Nilsenによると、本作は元々WIG WAMの別プロジェクトとして自身が歌うはずだったにもかかわらずTrondが独断でJornとレコーディングを進めていったのだとか…。そのことが引き金となりWIG WAMの解散が決定的になったという、いわくつきの1枚でもあります。音楽性はWIG WAMとは似ても似つかないほどダークかつドラマティックなヘヴィメタルでJornの熱唱も冴えていますね。また曲によってはヨーロッパ民謡風のメロディが飛び出してきたり、女性シンガーとのデュエットもあったりしてアルバムに起伏を持たせています。ハイライトは劇的な展開と終盤の弾きまくりギターソロが印象的な⑦Queen Of The Deadですね。いわゆる疾走曲の類いは収録されていないので即効性は低めですが繰り返し聴いているうちに味わいが増してくる辺りは流石です。WIG WAMの中心人物だったGlamとTeenyの2人が解散後に発表したアルバムによる対決は本作に軍配が上がりますね。

【CD購入録】GALNERYUS「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)

  • 2015/12/10(木) 00:00:00

【CD購入録】
UNDER THE FORCE OF COURAGE
GALNERYUS「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)

前作「VETELGYUS」(2014)リリース時から「次作はコンセプトアルバムになる」とメンバーが語っていたGALNERYUSの10作目を買いました。僕にとって生涯のアルバムはDREAM THEATER「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」(1999)、次点がROYAL HUNT「PARADOX」(1997)なので GALNERYUS初のコンセプトアルバムと聞いて期待が高まっていましたが、その期待にしっかり応えてくれる1枚となっていそうですね。①Premonitionが序曲と語り、②The Time Before Dawnがインストなので本編開始までにヤキモキしてしまいますがリーダートラック③Raise My SwordがGALNERYUSらしい疾走曲で一気に引き込まれました。それ以降もバラードを基調としつつテクニカルなインストやグロウルパートもある⑤Rain Of Tears、14分に及ぶ圧巻の大作で大団円を迎える⑨The Force Of Courageなど濃密なガルネリワールドが全開となっています。ストーリーの概要が書かれているブックレットを片手にしばらく聴き込みたいと思います。

【CD購入録】GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

  • 2015/11/19(木) 00:00:00

【CD購入録】
SPACE 1992 RISE OF THE CHAOS WIZARDS
GLORYHAMMER「SPACE 1992 : RISE OF THE CHAOS WIZARDS」 (2015)

ヒロイックなパワーメタルの魅力がギュッと詰まったデビュー盤「TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE」(2013)で注目を集めたGLORYHAMMERの2作目を買いました。今回もコンセプトアルバムだそうですが、前作の1,000年後の世界が舞台となっているようで世界観も中世からSF的なものに変化しています。男性の語りとオーケストレーションが期待を煽る①Infernus Ad Astraから疾走曲②Rise Of The Chaos Wizardsになだれ込む展開はこの手のバンドによくある手法なのですが、この②が曲調だけでなくPVの内容も含め並々ならぬ熱さとクサさを誇っていてインパクト抜群。続く③Legend Of The Astral Hammerはミドルテンポながらシンガロングを誘うキャッチーなサビが秀逸だし、⑧Universe On Fireではテクノ風味を前面に出していて、こちらの予想をいい意味で裏切ってくれます。そんな異色のナンバーも含みつつ、全体的には僕が一番好きだった頃のRHAPSODYを彷彿とさせる感じですね。なお本作は2枚組仕様となっていてDISC-2はアルバム全曲をオーケストラバージョンで収録、しかも各曲に別タイトルを用意するなど気合の入ったボーナスディスクとなっているのも好印象。

MY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」(2006)

  • 2015/10/04(日) 00:00:00

THE BLACK PARADE
【No.447】
★★★★★(2006)
年間ベスト2006年第1位

アメリカ出身のエモ/スクリーモ系ロックバンド「マイケミ」ことMY CHEMICAL ROMANCEの3rdアルバム。フラリと立ち寄ったCDショップで大々的にプッシュされていたので試聴してみて即購入を決めた1枚です。メジャーデビュー盤の前作「THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE」(2004)もアメリカだけで140万枚以上のセールスを記録、日本デビュー前にサマーソニックへの出演が決定するなど、既に注目度の高いバンドだったようですが僕はノーチェックでした。本作は「死」をテーマにしたコンセプトアルバムで「主人公の癌患者(The Patient)が死の世界を旅し、再び生きることを決心する」というのが大まかなストーリーのようです。メンバーによると今回のアルバムはTHE BEATLES「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」(1967)、QUEEN「A NIGHT AT THE OPERA」(1975)、PINK FLOYD「THE WALL」(1979)といった作品にインスパイアされたとのことで、中でもQUEENからの影響が強く表れているように思いますね。

本作の根底にあるのはパンキッシュなロックサウンドなのですが、それを壮大かつシアトリカルに仕上げることで感動の一大ロック絵巻が完成しています。アコギをバックに徐々に盛り上がっていく①The End.から一際ポップでキャッチーな②Dead!へと続く流れで一気にアルバムの世界観に引き込まれますね。音楽性は異なりますが、この感覚はDREAM THEATERの名盤「METROPOLIS PT 2: SCENES FROM A MEMORY」(1999)に通じるものがあると思います。冒頭2曲の勢いを引き継ぐのはイントロからして秀逸なロックチューン③This Is How I DisappearMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)を彷彿とさせる哀愁が堪らない④Sharpest Lives、そして本作のみならずMY CHEMICAL ROMANCEを代表する超名曲⑤Welcome To The Black Paradeで、序盤5曲の畳み掛けは実に強力です。1枚のアルバムとして各曲のクオリティが高いだけでなく、バラードひとつとってみても穏やかな⑥I Don't Love You、切々と歌い上げる⑧Cancer、スケールが大きく力強い⑫Disenchantedなど表情が豊かなのも好印象。ミュージカルっぽくもあるヒネリの効いた曲展開で魅せてくれる⑨Mama、「I am not afraid to keep on living〜♪」とポジティブに歌うサビがな印象的な事実上のラストトラック⑬My Famous Last Wordsが中盤以降のハイライトですね。

一般的には有名であっても僕にとっては「意外な伏兵」というべきバンドが届けてくれた名盤。スクリーモというジャンルに分類されるバンドのことはよくわかりませんが、本作はドラマティックなアレンジと北欧のバンドを連想させる美メロ、哀メロをフィーチュアしたメロディックロック作品として素直に楽しめました。中心人物のGerard Way(Vo)はそれまでアニメーターの職に就いていたものの9.11のテロを目撃し、自分の生き方に疑問を感じバンド結成を決意、その僅か5年後にこれだけの作品を生み出したという事実には驚くばかりですね。ただ「本作の時点で言いたいことのほぼ全て言い切ってしまった」と後にGerardが吐露しているように、バンドは次作「DANGER DAYS」(2010)を最後に解散しています。現在Gerardはソロ名義で、他のメンバーも新たにバンドを結成するなど音楽活動は継続しているようですね。

【音源紹介】
Welcome To The Black Parade