【CD購入録】CROSS VEIN「ROYAL ETERNITY」(2015)

  • 2015/07/13(月) 00:00:00

【CD購入録】
ROYAL ETERNITY
CROSS VEIN「ROYAL ETERNITY」(2015)

インディーズ時代にシングル4枚、フルアルバム1枚を発表していたシンフォニック・メタルバンドCROSS VEINのメジャーデビュー作を買いました。前作「BIRTH OF ROMANCE」(2012)は荒削りながらもクサメロがキラリと光る充実盤だったのですが「メタル貴族の舞踏会」という謎のコンセプト(笑)で制作された本作はクワイアが登場する場面がグッと増え、荘厳な印象が強くなっていますね。今回はアニソン的な要素がこれまで以上に強くなっていてシングルにもなった⑧Maid Of Lorraine(Album Mix Ver.)はまるでDRAGON GUARDIANのようです。現時点でのお気に入りは②Eternal Dream、③Precious Libertyやジャーマンメタル風の爽系メロディを持つ⑪Brightest Hopeのような疾走曲ですね。あとはエンディングを飾る⑫Last Melodyもツボでした。JULIA嬢(Vo)に注目が集まりがちなバンドですが⑦Suite Museumのようなジャジーなパートを盛り込んだインストもこなす演奏陣もこのバンドの強みでしょうね。今後の成長が楽しみです。

【CD購入録】OPERA MAGNA「POE」(2010)

  • 2014/03/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
POE.jpg
OPERA MAGNA「POE」(2010)

以前からクサメタラーの皆さんの間で絶賛されていたスパニッシュ・クサメタルバンドOPERA MAGNAの2作目を買いました。いやぁ、これはたしかに素晴らしいですね。スペイン産のクサメタルといえばDARK MOOR「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」(2001)が真っ先に思い浮かびますが、今の彼等は路線を変更してしまったのでこのOPERA MAGNAこそがクサメタル界の未来を担うことになるのかもしれません。超シンプルなタイトルが付けられた本作は小説家エドガー・アラン・ポーの生涯を描いたコンセプトアルバムのようです。だからといって小難しい内容になっているかというとそんなことは微塵もなく、オープニングの序曲①El cuervoに続く事実上の1曲目となる②El pozo y el penduloからしてクサいメロディを撒き散らしながら疾走しまくり。イントロの①、繋ぎの役割を果たす小曲⑤Annabel Lee、アルバム唯一のバラード⑧El retrato ovalとエンディングに相応しい10分超えの大作⑪Edgar Allan Poe以外はアップテンポ/疾走チューンで占められています。RHAPSODY、SYMPHONY X、YNGWIE MALMSTEENといった先人からの影響が露骨に感じられるなどB級メタルっぽさが感じられる場面も少なくないし、曲名からわかる通り全編スペイン語で歌われているため聴き手を選ぶのは事実です。しかし、それを補って余りあるほどのクサメロとネオクラギターが堪能できるし、巻き舌で歌われるボーカルパートも聴いているとクセになってきます。アルバム随一のキラーチューン②のギターメロディがGALNERYUSTear Off Your Chain(2011年発表の7th「PHOENIX RISING」収録)にソックリだなぁ、と思っていたのですが実は本作の方が先にリリースされているんですね…。 またバンドは2014年3月に「DEL AMOR Y OTROS DEMONIOS - ACTO I」という5曲入りミニアルバムを発表しているようです。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「忠臣蔵鬼倒伝」(2014)

  • 2014/01/29(水) 00:00:00

【CD購入録】
忠臣蔵鬼倒伝
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「忠臣蔵鬼倒伝」(2014)

勇者アーサー(G/DRAGON GUARDIAN)YAZIN(G/KNIGHTS OF ROUND)がそれぞれ手掛けた楽曲を複数の女性声優陣が歌うプロジェクトDRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」2作目となるフルアルバムを買いました。声優達が本領を発揮するセリフと語りを盛り込みながらストーリーを展開していく彼等が前シリーズの「新選組」に続く題材として今回取り上げたのは「忠臣蔵」です。物語こそ違えど本作で聴けるのは如何にもこのプロジェクトらしいクサメタルで、ポップチューンはあってもバラードはなく基本的に疾走しているので僕が期待するものはきっちり提供してくれています。ただ前作「新選組魔戦記」(2011)で聴けたほどのキラーチューンはないように思います。なお本作をドラゴンガーディアンネットSHOPで購入するとアルバム本編のセリフ/ナレーションをカットした「忠臣蔵鬼倒伝METAL盤」と⑧「赤穂浪士」を男性ボーカルVocchang(ex-KNIGHTS OF ROUND、ODIN)が歌った別バージョンを収録したCD-Rが付いてくるとのことだったので、そちらで注文しました。送料、振込手数料はかかりましたがCD-Rは無料特典なので通販サイトでゲットした方がお買い得感があるかもしれませんね。

【CD購入録】CROSS VEIN「BIRTH OF ROMANCE」(2012)

  • 2013/10/03(木) 00:00:00

【CD購入録】
BIRTH OF ROMANCE
CROSS VEIN「BIRTH OF ROMANCE」(2012)

女性ボーカルJULIAを擁する国産シンフォニックメタルバンドCROSS VEINの1stアルバムを買いました。高音域で力みがちになるJULIA嬢の歌声は好みが分かれそうですが歌唱力としては確かなものがあるしメロパワやネオクラシカル、アニソン、歌謡曲など様々な要素を巻き込みながらクサメロを連発するシンフォメタルはなかなか強力です。②Noble Scar、⑤Protect The Core、⑥Moon Addict、⑧Hidden Starといったスピードチューンを軸としつつDRAGON GUARDIANばりの語りをフィーチュアした④Incomplete Requiem、JULIAが情感たっぷりに歌い上げるミドル⑦ever after、妖しげなムードが支配的な⑨The Mysterious Roomなど楽曲がバラエティに富んでいる点も好印象。メインソングライターのYoshi(G)は注目の逸材かもしれません。そんな中でも一番のお気に入りは曲間なく畳み掛けてくる⑤~⑥の流れですね。

【CD購入録】LIGHTNING「RAISE THE SUN」(2013)

  • 2013/09/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
RAISE THE SUN
LIGHTNING「RAISE THE SUN」(2013)

泣きのギタリストIRON-CHINOがリーダーを務め、今年の3月にTHOUSAND EYESを始動させたことも記憶に新しいKOUTA(G)も在籍するトゥルーメタルバンドLIGHTNINGの4作目を買いました。これまではアルバムを発表する度にシンガーが変わっていましたが、今回は前作に続き勇舞(Vo)が歌っています。本作のコンセプトは「ニンジャVSインベーダー」で、バンドメンバーは忍者だったというトンデモ設定(苦笑)が明らかになっていますが音楽性に一切のブレはなくLIGHTNING流ヘヴィメタルが展開されています。クサメロが吹き荒れていた1st「BRAVEHEART」(2007)、僕にとってバンドの最高傑作である2nd「FIVE RINGS」(2010)にインパクト面では一歩譲るものの②Raise The Sun、④Journey Of Prophecy、⑥Stand For The Fight、⑨Sail Awayなど僕の胸を熱くしてくれるメタルチューンが多いのでヘビロテしています。

LIGHTNING「JUSTICE STRIKE」(2011)

  • 2013/07/28(日) 00:00:00

JUSTICE STRIKE
【No.382】
★★★(2011)

「慟哭の剣」の異名を持つギタリストIRON-CHINOを中心とした「日本国最後のトゥルーメタル志士」(帯タタキより抜粋) LIGHTNINGの3rdアルバム。これまでも作品毎に異なるシンガーが歌っていましたが、今回も2nd「FIVE RINGS」(2010)でフロントマンを務めていた「最後のブロンコ」Robert Watermanから「神国に舞うブレイヴハート」勇舞にボーカルが交代しています。 歌の安定感、英語の発音など総合的に見てシンガーとしてはRobertに分があったように思うものの勇舞のボーカルスタイルも前任者に近いパワーシャウター系なので違和感なく聴けるし、IRONが紡ぎ出す慟哭のギターを中心に据えた漢らしくてクサいメロディック・パワーメタルは本作でも健在です。前作でグッと洗練性を増していたのに対して、本作ではデビューアルバム「BRAVE HEART」(2007)に近い武骨なサウンドとなっているのが特徴でしょうか。

アルバムは序曲①Advent「それは正義の名の下に」に導かれて勇舞が挨拶代わりのシャウトを決めるタイトル曲②JUSTICE STRIKE、2006年発表のデモCDにも収録されていたミッドテンポ③Soldier Forceという一連の流れでスタートします。このギターインスト~疾走曲~ミドルの3曲をアルバム冒頭に配するのはデビュー作からお馴染みとなっていてバンドの拘りが感じられますね。それ以降も2011年3月11日の東日本大震災のことを歌った哀しくも力強い④Far Away、アコーディオンを取り入れたサウンドが新鮮に響くアニソン調⑥Destiny Destination、IRONの師でもある屍忌蛇(G)率いるVOLCANO張りのヘヴィさで攻めてくる⑦End Of The World「千年王国の終わりに」などが気に入っています。そんな本作のハイライトとなっているのがIRON自身「新たな時代のLIGHTNINGアンセムとして、100年の後まで語り継がれることを、絶対的に宿命づけられたかのような曲」と語る⑩Save The Truthですね。ジャーマンメタルの王道を行く飛翔感に溢れたメロディとともに駆け抜けていくこの曲はバンドの新たな名曲だと思うし、「継承(なが)れる時のSaviour!」という歌詞を見てデビュー作からバンドを知る者としてはニヤリとしてしまいます。

アルバム全編に渡ってこのバンドらしい世界観を表現した曲調と歌詞、IRONと「黒龍の柩」KOUTA(G)のギターワークが存分に楽しめる1枚ですが、個人的に前作の方が好きだったりします。今回はストイックなメタルに重きを置いた反面、「愁い」や「キャッチーさ」が減退しているように感じるんですよね。過去作品には一聴した時点で心を鷲掴みにされる楽曲が多かったのに対して、本作を聴き始めた頃にインパクトがあったのは②、⑩そしてアニソンのカバー⑫「夢色チェイサー」くらいでした。と言いつつも、リピートすることで味が出てきた本作もお気に入り盤であることは間違いないので今後もバンドの信じる道を邁進してもらいたいですね。

【音源紹介】
・JUSTICE STRIKE

NOCTURNAL RITES「TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION」(1997)

  • 2013/02/24(日) 00:00:00

TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION
【No.365】
★★★(1997)

デビュー作「IN A TIME OF BLOOD AND FIRE」(1995)では粗削りな部分があったものの、類い稀なるメロディセンスを凝縮した楽曲群がメロパワマニアの間で好評を博したNOCTURNAL RITESの2ndアルバム(邦題はなぜか「エンド・オブ・ザ・ワールド」)。このバンドの作品の中で僕が最初に聴いた1枚でもあります。後にバンドの看板ギタリストとして名を馳せるNils Norbergを迎えた本作は軽めのサウンドプロダクション、独特な味わいがあるものの上手いとは言えないボーカル面の弱さを強力なクサメロが補うという図式はデビュー作と同じながら確かな成長が感じられる良盤に仕上がっていますね。

軽快に疾走し和音階と共にフェードアウトしていく①Dark Secretこそオープニングとしては若干パンチに欠けますが、その後はバンド初期を代表するクサ疾走チューン②Lost In Time、サビメロから放たれる並々ならぬクサさと哀愁が堪らない③Test Of TimeHELLOWEENのコミカルサイドに通じる明朗なメロディがインパクト大な④Change The Worldの流れに魅了されました。特に③は初めて聴いた時から口ずさめてしまうほどのメロディが秀逸。アルバム中盤以降はYNGWIE MALMSTEEN的な⑤End Of The World、⑧Pentagramや勇壮でスケール感のある曲調の中でギターが咽び泣く⑦Warriors Returnに胸を熱くなるし、後半にややテンションが落ちて来たかなと思っていたところに登場するパッヘルベルのカノンをアレンジしたイントロから7分に及ぶクッサクサな世界へ誘ってくれるキラーチューン⑩Ring Of Steelで本編を締める構成にやられました。

また日本盤ボーナストラックの3曲どれもがオマケにしておくには勿体ない出来だというのも好印象。特に⑬Living For Today(Demo)はデモ音源ではなく正式なテイクを聴きたいと思ってしまうほどです。僕が勝手に「クサメタルの教科書」に認定している次作「THE SACRED TALISMAN」(1999)での化けっぷりを考えると発展途上にあるのは否めませんが、個々の楽曲やフレーズが生み出す感動の瞬間最大風速は本作の方が上かもしれません。特に③と⑩は個人的にこのバンドを代表する名曲だと思っています。ちなみに本作の輸入盤はジャケットと曲順が異なっていて⑩がオープニングに配されていたり国内盤ボーナスの⑬が未収録だったりしていましたが、デビュー作との2枚組再発盤「LOST IN TIME」(2005)では曲順は従来のままで日本盤と同じ全13曲となっています。

【音源紹介】
・Test Of Time

NOCTURNAL RITES「IN A TIME OF BLOOD AND FIRE」(1995)

  • 2013/02/18(月) 00:00:00

IN A TIME OF BLOOD AND FIRE
【No.364】
★★(2005)

3rd「SACRED TALISMAN」(1999)発表後に起きたシンガー交代劇に伴ってクサメタルから骨太な正統派メタルへと変貌を遂げ、今や母国スウェーデンのみならず欧州メタルシーンを代表するバンドのひとつへと成長したNOCTURNAL RITESの1stアルバム(ちなみに前身はNECROMONICというデスメタルバンドだったそうです)。このバンドのファンになった頃には既に本作の国内盤は入手困難(現在は廃盤)となっていたこともあり、僕が持っているのは2nd「TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION」(1997)との2枚組仕様による輸入盤「LOST IN TIME - THE EARLY YEARS OF NOCTURNAL RITES」(2004)です。ちなみに「LOST IN TIME」には2代目シンガーJonny Lindqvistが歌うデビューアルバムのリメイク曲として⑪In A Time Of Blood And Fire(2004 Version)、⑫Winds Of Death(2004 Version)が追加収録されていて、僕が本作を購入した主な動機もこの2曲だったりします。リメイクに関してはバッキングを極力シンプルにしたアレンジが施されていることもあり、オリジナルとは大きく印象が異なる仕上がりとなっています。こうしたアコースティック調で聴くとJonnyの情感溢れる歌声が更に際立ちますが、原曲に近いアレンジで初期3作品のJonnyバージョンを聴いてみたくもなりますね。

アルバム本編はというと、北欧のバンドらしい叙情性を感じさせつつも躁なジャーマンメタルにクサメロを配したスタイルが基本となっていて、ボーカルや音質などで粗さが残るため「いかにもB級」な空気を振り撒いてはいるもののクセになるメロディが随所で聴けるので、ついリピートしてしまう不思議な魅力を持った作品です。エンディングがやや唐突ながら軽快にアルバムの幕開けを告げる①Sword Of Steelから③Black Deathまで矢継ぎ早に畳み掛けてくるアップテンポの連続で掴みはOK。それ以降も疾走系を軸にしつつ④In A Time Of Blood And Fire、⑥Lay Of Ennuiのようにスピードを抑えた楽曲でも独特のメロディセンスを発揮している辺りがいいですね。中でも⑥は何度も繰り返し聴きたくなります。そんな奇妙な中毒性はAnders Zackrisson(Vo)の歌声にも感じられ、最初は不安定さばかりが気になっていたのに今では味のあるボーカルだと思えるようになりました。

客観的に見るとイモ臭い部分がかなりあるので聴き手を選ぶ作品だし、現在のNOCTURNAL RITES像をイメージして聴くと肩透かしをくらうのは必至です。僕自身、後追いで本作を聴いたので最初は戸惑いも感じました。しかし、このバンド特有のクサメロセンスがデビュー時点で確立されていたことが本作から窺えるだけでなく、堂々たる威厳すら身に纏うようになった今の彼等にない魅力がキラリと光っているのも事実なので聴いてみる価値は十分にあったと思います。なお、このブログに掲載しているアルバムケットは1995年のオリジナル盤のものです。

【音源紹介】
・Lay Of Ennui

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN「遙かなる契り」(2008)

  • 2012/12/22(土) 00:00:00

【CD購入録】
遙かなる契り
DRAGON GUARDIAN「遙かなる契り」(2008)

アニメ声によるボーカル、クサさ満点のセリフを使ってRPG的ストーリーをクサメタルに乗せながら描いた1st「聖邪のドラゴン」(2006)が賛否両論ありながらも、なかなかのセールスを記録したというDRAGON GUARDIANの2作目を買いました。今回も前作と同じく同人マーケットでの発売ですが音質の悪さ、ボーカルの弱さといったデビュー作でのウィークポイントは結構改善されているのではないでしょうか。それだけでなくブックレットにも記載されている物語の背景を読み上げ、「ドラゴンガーディアン、遙かなる契り!」という作品タイトルで大仰に締めくくる①「プロローグ」から②「紅き契約」のギターメロディに繋がる始まり方がツボだったので、他のアルバムもこういう幕開けで統一してもいいのでは?と思ったほどです(笑)。主人公は「ゼウス王の娘アテナ」、宿敵は「仮面の騎士ルシフェル」、そして「聖剣エターナルソード」などのベタな固有名詞、それに輪をかけてベッタベタな語りなどツッコミどころはたくさんありますが、ファミコン世代の僕には懐かしさが込み上げてくるし、もう少しフックが欲しいクサメロもメジャーデビューを果たした3rdにして名盤「DRAGONVARIUS」(2009)の片鱗が感じられます。ちなみに12月12日にリリースされた初のベスト盤「THE BEST OF DRAGON GUARDIAN SAGA」には本作を代表するクサメロスピ⑤「神話」が収録されています。

【CD購入録】MINSTRELIX「TALES OF HISTORIA」(2012)

  • 2012/09/26(水) 00:00:00

【CD購入録】
TALES OF HISTORIA
MINSTRELIX「TALES OF HISTORIA」(2012)

大阪出身のクサメロを武器としたメロパワバンドMINSTRELIXの3作目を買いました。このアルバムはジャンヌ・ダルク、マリー・アントワネットやマザー・テレサといった歴史に名を残す女傑や聖女をテーマにした楽曲で構成されているようです(なぜかジブリ映画「天空の城ラピュタ」のシータも含まれていますが…)。バンド初期に在籍していた日本人シンガーLeo Figaroの復帰作にあたるアルバムだそうですが、リメイク曲を中心とした作品ながら2ndフルレンスにカウントされている2009年発表の「REFLECTIONS」(ボーカルはLolaなるアメリカ人女性)からこのバンドを聴くようになった僕にとってLeoはDRAGON GUARDIANのリメイク作品を歌っていた人という印象が強かったりします。「REFLECTIONS」がなかなか良かったので、それなりに期待して聴いてみたところ本作もMINSTRELIXらしいクサメロに溢れた1枚だと感じました。お気に入りは序曲①Legend Eve Originに続くお約束の疾走曲②The Goddess~La Liberte Guidant Le Peuple~、歌謡曲風のメロディを持ったバラード⑫Juliet~The Sins Of Ignorance~ですね。聴いていて気になったのはLeoのボーカルでしょうか。日本のハイトーン系シンガーとしては一定レベル以上だとは思うのですが、英語のみならず日本語までも歌詞カードを見ないとなんと歌っているのかわからない場面もしばしば。楽曲面でも同系統の国産メタルとしてはDRAGON GUARDIANやGALNERYUSには一歩譲る感はありますが、メロディセンスに光るものはあるのでこれからの成長が楽しみなバンドです。

【現在の愛聴盤】RAPHAEL「不滅華」(2001)

  • 2012/04/27(金) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
不滅華
RAPHAEL「不滅華」(2001)

少し前の話になりますがヴィジュアル系メタルバンド(と僕が見なしている)RAPHAELの復活が報じられて以来、彼等のアルバムの中でもお気に入り盤の「不滅華」(2001)をよく聴いています。簡単にRAPAHELというバンドを紹介させてもらうと、彼等は1997年にYUKI(Vo)、YUKITO(B)、HIRO(Ds)そして華月(かずき)(G)の4人で結成。インディーズ時代から注目を集めていたバンドは1999年にシングル「花咲く命ある限り」でメジャーデビュー、また同年に1stフルレンスアルバム「MIND SOAP」をリリースして翌年には日本武道館公演を行うなど、バンドの人気は更に加速していったようです(メンバーはまだ当時、高校生だったといのも驚き)。「キャプテン」こと和田 誠さんがメロディックメタルバンドの有望株として紹介したり、BURRN!誌にも掲載されたりしていた記憶があるのでHR/HMシーンでもそれなりに名前が知られていたと思います。ところが、2000年10月31日に殆どの楽曲を手がけていたリーダー華月が19歳の若さで急逝(原因は鎮静剤の多量摂取だそうです)。その後は活動を休止していたのですが、華月の誕生日である4月7日に12年振りとなる復活ライブを華月の命日である10月31日と11月1日の2日間に渡って開催することを発表しました。

僕がRAPHAELと出会ったのは、何気なく立ち寄ったレンタルCDショップで試聴して即座に気に入った2000年発表のシングル「LOST GRADUATION」がきっかけでした。その後、フルアルバムもリリースされていることを知り購入。クサメタルの名曲「花咲く命ある限り」に悶絶したのを覚えています。クセのあるボーカルや思春期ならではの葛藤や繊細な気持ちをストレートに乗せた歌詞がHR/HMリスナーにとっては好き嫌いが分かれるかもしれませんが、メロディのクオリティは一級品。それだけに中心人物の華月の急死によって、バンドが活動できなくなってしまったのはショックでした。まだ粗削りな部分が感じられたデビューアルバム「MIND SOAP」以上の姿をその後に発表した「EVERGREEN」(2000)、「秋風の狂詩曲(ラプソディー)」(2000)といったシングルで提示しつつあったので、2ndアルバムでどんな成長を遂げているか楽しみだったんですけどね…。今でこそVERSAILLES、摩天楼オペラ(こちらは未聴)といったヴィジュアル系メタルバンドが活躍していますが、僕の中で「その手のバンド」といえば、まずRAPHAELが頭に浮かびますね。半ば伝説化しつつあったバンドが現在の姿を見せる今回の復活ライブを熱心なファンの皆さんの間でどう受け止められているのかわかりませんが、このニュースを目にして久々にRAPHAELの音楽に浸っている今日この頃です。

RAPHAELのオフィシャルサイトはこちら

【僕が大好きなRAPHAELの楽曲3選】
・花咲く命ある限り

デビュー当時のSONATA ARCTICAを彷彿とさせるキラドコサウンドと往年のDARK MOOR級のクサメロが融合した記念すべきバンドのメジャーシングル。「み~に~く~い ほ~どに~ き~れ~い~に な~るわぁ♪」の歌詞も耳に残ります。

Lost Graduation

僕がこのバンドと出会った思い出深い1曲。クサメロだけでなく癒しの旋律も持ち味としているRAPHAELらしさが溢れています。

タッチ

RAPHAELのオリジナル曲ではありませんが、数あるアニソンのメタルカバーの中でもこの曲のアレンジは秀逸なので。歌詞の世界観もバンドにマッチしていると思います。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「桜牙列伝」(2011)

  • 2012/04/16(月) 00:00:00

【CD購入録】
桜牙列伝
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「桜牙列伝」(2011)

勇者アーサー(G/DRAGON GUARDIAN)YAZIN(G/KNIGHTS OF ROUND)によるプロジェクトDRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」がこれまでに発表した「新選組散華録」(2010)、「新選組悲恋歌」(2010)のシングル2作品とフルレンスアルバム「新選組魔戦記」(2011)から選ばれた8曲(序曲を含む)に新曲2曲を加えて制作されたリメイクベスト盤を買いました。リメイクに当たって、オリジナルでは複数の女性声優陣が担当していたボーカルパートがDRAGON GUARDIANの1st「聖邪のドラゴン」(2006)のリメイク作品「DESTINY OF THE SACRED KINGDOM」(2011)にも参加していた男性シンガーLeo Figaro(Vo/MINSTRELIX)に差し替えられているほか、語りとセリフがカットされギターソロが盛り込まれています。選曲に関しては③「紅き涙」、⑦「粉雪ニ吠エル義士」(「新撰組魔戦記」収録)や⑩「護国の刃」(「新撰組散華録」収録)といった僕のお気に入り曲はしっかり収録されているし②「鬼神の剣」、⑥「人斬り」といった新曲もこのプロジェクトらしい出来映えだと思います。ただボーカルパートについては本作で聴けるLeoよりも個人的にはオリジナルの方が好きかな(特に⑧「織姫と彦星」は曲調、歌詞ともに女性ボーカルの方がマッチしていたと思います)。DRAGON GUARDIANの関連アルバムの中でも桜牙は名盤3rd「DRAGONVARIUS」(2009)の次に好きな作品なので、こうしてリメイクされたのは素直に嬉しいですね。帯タタキにもある通り「今までジャケットや語りで敬遠していたリスナーに強くアピール出来る」作品だと思います。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組散華録」(2010)、「新選組悲恋歌」(2010)、「新選組魔戦記」(2011)

  • 2012/04/14(土) 00:00:00

【CD購入録】
新選組散華録
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組散華録」(2010)

新選組悲恋歌
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組悲恋歌」(2010)

新選組魔戦記
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組魔戦記」(2011)

クサメロに溢れたメロディックメタルとアニメ調のセリフを融合させ、独自の世界観を築いたDRAGON GUARDIANの中心人物勇者アーサー(G)と、RPG風メタルを信条とするKNIGHTS OF ROUNDYAZIN(G)が結成した新プロジェクトDRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」の2枚のシングルと1stフルレンスアルバムを買いました。「DRAGONVARIUS」、「真実の石碑」の2作品でリードボーカルを務めていたFuki嬢(Vo/LIGHT BRINGER)は本作には参加しておらず複数の女性声優陣が歌っているのですが、これが予想以上に上手いですね(最近はアニメはほとんど見てないので知らない人ばかりですが…)。DRAGON GUARDIANの3rd「DRAGONVARIUS」(2009)でそのクサメロに魅了されたものの、続く「真実の石碑」(2010)ではメロディがもたらす高揚感が減退していたので期待半分、不安半分でしたが今回は楽曲の方もなかなか強力だと思います。サウンドの基本はDRAGON GUARDIANに近い一方で本作の舞台は幕末の京都、主人公は少女化した新撰組の3剣士ということで従来のクサメロスピと和テイストを融合させた音楽性がDRAGON GUARDIANと差別化できるポイントでしょうか。「DRAGONVARIUS」で初めてDRAGON GUARDIANを聴いた時は飛び交う赤面もののセリフに抵抗感があった僕も、今は免疫ができたようで今回大幅に増量されたセリフパートもすんなり聴けました。アルバムとは全く内容の異なる2枚のシングルには「新撰組散華録」に全6曲、「新撰組悲恋歌」に全5曲が収録されていますがセリフパートやカラオケバージョンなどが含まれているので、どちらも歌ものは実質的には2曲だけですね。ただ「新撰組散華録」の④「護国の刃」は本プロジェクトの持ち味を凝縮したメロスピの名曲で、リアルタイムで聴いていたらベストチューン候補になっていたかもしれません。アルバム「新撰組魔戦記」のお気に入り曲はセリフ混じりの序曲①「新撰組魔戦記」に続くスピードチューン②「紅き涙」と流麗なメロディが胸に沁み渡る④「粉雪ニ吠エル義士」ですね。こうして見ると好きな曲はYAZINが手掛けたものばかりだし、DRAGON GUARDIAN以上にギターソロが充実しているので本作においては彼の貢献度が大きいのかもしれません。KNIGHTS OF ROUNDの作品はあまりピンと来なかったのですが、また聴き直してみようと思っています。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN「DESTINY OF THE SACRED KINGDOM」(2011)

  • 2012/03/31(土) 00:00:00

【CD購入録】
DESTINY OF THE SACRED KINGDOM
DRAGON GUARDIAN「DESTINY OF THE SACRED KINGDOM」(2011)

メジャーデビュー後もファンの間で根強い支持を得ているDRAGON GUARDIANの1st「聖邪のドラゴン」(2006)のボーカルパートを男性ハイトーンシンガーLeo Figaro(MINSTRELIX)による英語詞に差し替え、セリフ/語りを完全排除してメタリックに仕上げたリメイクアルバムを買いました(ちなみにLeoは日本人)。「聖邪のドラゴン」に関しては評判のクサメロを味わう前に、DRAGON GUARDIANの後の作品群以上に聴き手を選ぶアニメ要素に撃沈してしまった僕も本作はすんなり聴けました。リメイクするに当たって何故か曲順が変更され、新曲②Treasure Landを追加収録しているのでオリジナル盤にあった物語性はなくなっていますが1枚のメロディック・スピードメタル作品として、なかなか聴き応えのある1枚だと思います。なお、前述の新曲②はDRAGON GUARDIANの5th「聖魔剣ヴァルキュリアス」(2011)で「炎の魔石」として再録されています。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN「聖邪のドラゴン」(2006)

  • 2012/03/29(木) 00:00:00

【CD購入録】
聖邪のドラゴン
DRAGON GUARDIAN「聖邪のドラゴン」(2006)

アニメ風のセリフや語りが飛び交うメロディック・スピードメタルにアニソンのような歌メロが乗る音世界の中で、少女を主人公としたRPG的な物語を展開していくことをコンセプトとしたプロジェクトDRAGON GUARDIANの1stアルバムを買いました。以前から本作は「サウンドがチープではあるがメロディのクサさにおいてはDRAGON GUARDIAN作品の中でも随一」という評判を耳にしていたので期待とそれなりの覚悟を胸に聴いてみました。う~ん、これは予想以上に壁が厚かった…。彼等の特徴であるクサメロや恥ずかしくなるくらいのセリフといった要素は本作で既に確立されていて、メロディに関しては確かに胸に響いてくる場面もあります。しかし、それにも増してKickという女性によるボーカルやセリフパートのクセがかなり強く僕がメロディに浸ることを難しくしてしまっています。DRAGON GUARDIANのセリフ/語りには慣れたつもりでいましたが本作で聴けるセリフは素人臭さが強く、語りも内容以前に「~した」「~だった」という文末が多いため、何だか作文のように感じてしまいました。また準主役級の登場人物であるホップという少女の舌ったらずな喋り方はクセがありまくりなだけでなく、その調子でボーカルパートまで担当しているのには萎えましたね(苦笑)。これまでHR/HMを中心に聴いてきた僕のようなリスナーにとってはかなりハードルが高いというのが現時点での感想ですが、不思議な中毒性は感じられるのでリピートするうちに化ける…のかもしれません。

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN「聖魔剣ヴァルキュリアス」(2011)

  • 2012/03/17(土) 00:00:00

【CD購入録】
聖魔剣ヴァルキュリアス
DRAGON GUARDIAN「聖魔剣ヴァルキュリアス」(2011)

勇者アーサー(G)を中心としたアニメ要素を持つメロディック・スピードメタルプロジェクトDRAGON GUARDIANの5作目を買いました。このプロジェクトが同人メタル界からメジャーシーンに飛び出すことに大きく貢献したFuki嬢(Vo/LIGHT BRINGER)はメジャーデビューを控えた自身のバンドLIGHT BRINGERが多忙になったためか、本作には参加しておらず勇者アーサーがYAZIN(G/KNIGHTS OF ROUND)と結成した桜牙でも歌っていた複数の女性声優がシンガーを務めています。音楽性の方はこれまでのDRAGON GUARDIANが楽しめたファンなら歓喜必至のクサいメロパワなのですがメジャーデビュー作にして3作目の「DRAGONVARIUS」(2009)に衝撃を受けた身としては、それを越えたとは言い難いかなというのが正直な感想です。客観的に見ればサウンドプロダクションや楽曲面において過去最高と呼べそうな気もするのですが、3rdが放っていた独特の雰囲気が好きだったので…。あと気になったのは男性ナレーションが「麒麟です」でお馴染みのお笑いコンビ麒麟の川島さんばりの低音ボイスであるために聞き取りにくい点でしょうか。おかげでストーリーがよくわかっていません…。現在のお気に入り曲は⑥「天界への切符」かな。本作に参加している声優陣の中ではこの曲を歌っている実谷 ななが一番好きですね。

【CD購入録】LIGHTNING「JUSTICE STRIKE」(2011)

  • 2011/12/17(土) 00:00:00

【CD購入録】
JUSTICE STRIKE
LIGHTNING「JUSTICE STRIKE」(2011)

日本が誇るメタル志士LIGHTNINGの3作目を買いました。どういうわけかこのバンドはシンガーが定着しないようで、「最後のブロンコ」Robert Watermanから「神国に舞うブレイヴハート」勇舞にチェンジしています。前作「FIVE RINGS」(2010)はタイトルトラックを年間ベストチューンに選ぶほど気に入っていたので今回も期待して聴いてみました。基本線は従来作品と同じくIRON-CHINO(G)が紡ぎ出す慟哭のギターを中心に据えた漢臭いメロディックメタルでありつつ、曲によっては柔和な印象もあった前作よりも硬質なメタルサウンドを強めているように感じます。勇舞の歌唱スタイルはこのバンドに合ったパワーシャウターではありますが安定感、英語の発音など総合的に見て僕は前任者の方が好きかもしれません。第一印象としては前作に一歩譲るものの②Justice Strike、⑩Save The Truthのようにお気に入り曲も確かに存在するので、聴き込み次第では更に味が出てくるかもしれませんね。

LIGHTNING「FIVE RINGS」(2010)

  • 2011/06/18(土) 00:00:00

FIVE RINGS
【No.292】
★★★★(2010)

日本メタル界が誇る泣きのギタリスト屍忌蛇(G/VOLCANO、ex-GARGOYLE、ANIMETAL)の一番弟子であり、DRAGON GUARDIANのプロデューサーとしても名を馳せる「慟哭の剣」ことIRON-CHINO(G)率いる漢らしさ全開のメロディック・クサメタルバンドLIGHTNINGが3年振りに放つ2ndアルバム。2007年に「BRAVE HEART」でデビューして以降しばらく音沙汰がなかったのでDRAGON GUARDIAN「DRAGONVARIUS」(2009)のプロデューサーとしてIRON-CHINOの名前を見かけた時には懐かしく感じましたが、どうやら前作発表後に大幅なメンバーチェンジあったようです。デビュー作の時点で正式メンバーとしてクレジットされていた「人間凶器」こと御橋(B)以外は全て新メンバーとなっていてバンドはRobert Waterman(Vo)、GIGA THRASHER(Ds)、KOUTA(G)の3名を迎え、それぞれに「最後のブロンコ」、「孤高のハスラー」、「黒龍の柩」というニックネームを付けています。そんなちょっと痛めな(苦笑)ニックネームに象徴される個性的なバンドの世界観はこれまでと同じだし、音楽性もデビュー作と変わらずアニソン譲りのクサメロを随所に散りばめた王道メロディックメタル路線でIRONとKOUTAの2人が泣きのギターで楽曲に華を添えるという僕好みの内容となっています。バンドは今回、アルバム名を宮本武蔵の兵法書である「五輪書」から取ったり、幕末から明治期の侍をイメージした衣装でPVを制作したりするなど、前作でも垣間見せていたサムライコンセプトを更に明確化させていますね。

そんな本作を聴いた第一印象は「順当な成長作」でした。ニューシンガーRobertは前任者よりも安定感があるだけでなく日本人とアメリカ人のハーフなので日本語詞と英語詞の両方を歌いこなしているし、前作よりもキーボードのフィーチュア度が高まっていることもあって楽曲の洗練性、幅の両面でグレードアップしています。この手のメタルバンドの定番ともいえる序曲から疾走曲に至る流れ①Stalwart「士」~②Thousand Fieldsで聴き手の心をガッチリ掴み、その後に正統派ミドルの③Fidelity Bladeを続けるアルバム冒頭はなかなかに強力。そして本作最大のハイライトは何と言ってもタイトルトラックの④Five Ringsでしょう。剛直なメタル曲でありつつサビでは涼しげなシンセを纏った爽やかさとほとばしる熱さが同居したメロディが乱舞し、構築美を感じさせるIRONのギターソロが響くこの曲を僕は2010年ベストチューンに選ばせてもらいました。また本作で見られるバンドの新機軸としてキーボードが曲を引っ張っていく⑤Sword Destiny「明治二年の宮本武蔵」陰陽座がやりそうなヴィジュアル系ソング⑦Rise Awayという柔和な2曲の間にゲストボーカルNOV(Vo/AION、VOLCANO、地獄カルテット)のゴツイ歌声が映えるゴリ押しメタリックチューン⑥Never Surrender「五稜郭」を配した中盤もお見事。そして終盤はHeavy Metalというワードを冠した曲名に相応しい勇壮なコーラスが熱い⑧Heavy Metal(Of Destiny)、リリカルなピアノから一転してのパワフルなリフと「ドーノブザ サァァァァン♪」のシャウトが胸を熱くしてくれる⑨Dawn Of The Sun「維新の剣」というLIGHTNING流ヘヴィメタルの極致ともいえる2曲を叩きつけてアウトロ⑩Follow The Windまで一気に聴かせてくれます。ちなみに⑧と⑨にはKIN-YA(Vo/TEAM KIN-YA)なるシンガーがゲスト参加している模様。TEAM KIN-YAの音源をチェックしてみたところKIN-YAの方がRobertよりもハイトーン系という印象で、おそらく上記2曲では全編KIN-YAが歌っているものと思われます。

ヒロイックな正統派メタルサウンド、クサいアニソン風メロディと展開、泣きのギターといったLIGHTNINGの構成要素は僕の好きなものばかりなので本作はかなりのお気に入り盤となっています。また本作はボーナストラックに⑪「仮面ライダーBLACK」を収録していて、この点に関してはアニソンにメタルアレンジを施すIRONによる別プロジェクトIRON ATTACK!!での経験が活かされているのかもしれませんね。小さい頃にそれほど仮面ライダーシリーズにハマッていなかった僕は原曲を知らないのですが、バンドの世界観に合った好カバーだと思います。デビュー作と比べてほとばしるような熱さ、良い意味でのイモ臭さが薄まっているようにも感じますが、バンドの着実な成長振りがヒシヒシと伝わってくるので今後の更なる飛躍を期待せずにはいられませんね。

【音源紹介】
・Five Rings

【CD購入録】LIGHTNING「FIVE RINGS」(2010)

  • 2010/11/06(土) 00:00:00

【CD購入録】
FIVE RINGS
LIGHTNING「FIVE RINGS」(2010)

2007年にデビュー作「BRAVE HEART」をリリース後、あまり名前を見かけなくなっていたので少し心配していましたが中心人物のIRON-CHINO(G)は別プロジェクトIRON ATTACK!での活動や日本産クサメタルの傑作DRAGON GUARDIAN「DRAGONVARIUS」(2009)のプロデュースを手がけるなどしていたLIGHTNINGの2作目を買いました。前作の時点で正式メンバーだったIRONと御橋(B)以外はラインナップが代わっており、Robert Waterman(Vo)、KOUTA(G)、GIGA THRASHER(Ds)という3人を新たに迎えています。シンガーの名前を見て、てっきり日本人ではないと思っていたので序曲①Stalwartに続く②Thousand Fieldsの冒頭で「ラ~ア~ィ(Light)、明けの明星に~♪」という日本語が聞こえてきた時には驚きました。このRobert Watermanなる人物は日本とアメリカのハーフだそうで、日本語と英語両方を流暢に話せるようです。楽曲の方はデビュー作同様、武骨なヘヴィメタルの中でIRONのギターが咽び泣くというのが基本線ながら、キーボードのフィーチュア度がグンと上がったことで洗練された印象もあって順当な成長作という感じですね。今回も僕の心を熱くしてくれる漢臭いヘヴィメタル作品として愛聴しています。ちなみに本作のライナーノーツは勇者アーサー(G/DRAGON GURADIAN)が書いていて、これがまた熱いです(ウィキペディアから一部抜粋するのではなく勇者アーサー自身の言葉でもっとLIGHTNINGのことを語って欲しかったですが)。

また、そのウィキペディアによるとIRONはOliver Hartmann(Vo/HARTMANN、AVANTASIA、ex-AT VANCE)RISING ORBITなるバンドを結成しているそうで、これには驚きました。OliverにはHARTMANNのようなメロハーだけではなく、もっとメタル寄りのバンドでも活動して欲しいと思っていたので嬉しいのですね。この2人がどのように出会い、バンドを結成するに至ったのか気になります。

余談ですがIRON-CHINOってなかなかの美形ですね。名前は思い出せませんが、彼に似た俳優さんがいたような…。

LIGHTNING「BRAVE HEART」(2007)

  • 2010/11/03(水) 00:00:00

BRAVE HEART
【No.264】
★★★(2007)

屍忌蛇(G/VOLCANO、ex-GARGOYLE、ANIMETAL)を師と仰ぐギタリストにしてマルチプレイヤーのIRON-CHINO(アイアン・チノ)を中心とした日本産メロディック・漢・クサメタルバンドLIGHTNINGのデビューアルバム。正式メンバーはIRONとベーシストの御橋(みはし)2人だけで、ゲストメンバーのJun(Vo)Yohsuke(G)はIRONいわく「2人とも気心の知れた人間で優れたプレイヤーだし、ナイスなガイだから参加してもらった」(ブックレットより)とのこと。音楽性はメロディックバワーメタルを基盤に漢臭さをブレンドし、ギターソロも泣きとクサみに満ちたもので、例えるとすればIRONが敬愛する屍忌蛇率いるVOLCANOのクサメタル版といえるかもしれません。日本語と英語を混合したクサい歌詞といい、「男の中の漢。流れる時代(とき)のSAVIOR。受け継がれし慟哭の剣。全ての哀しみと勇気を包むギターソロは今、戦乱の神国を治むる火となる!」というクッサイ帯タタキといい、バンド特有の世界観に好き嫌いが分かれるかもしれませんが僕は結構好きです。「IRON-CHINOが雪山へ修行に向かう道中、御橋と運命的な出会いを果たし、全てが始まる。IRONの芸術哲学に深く感銘した御橋は、LIGHTNINGとして活動する事を誓い、長い探求の旅を共に歩む事になる」(オフィシャルサイトより)というバンド結成のいきさつはネタっぽさ満載ですがメンバー全員が格闘技経験者だというこのバンドの場合、あながちウソではないのかもしれませんね。

お約束的なギターインスト①Man Of Men「鉄の男」からキャッチーな疾走曲②Brave Heartに繋がる展開はありがちではありますが、聴く者の心を熱くしてくれます。その他にもYohsukeのペンによる曲でIRONのデス声っぽい歌も聴ける③Judgment Warrior、しっかり組み立てられたギターソロを弾きまくる⑤Shining Wizard「閃光魔術」、「レ!ザ!レクショォォン!」のサビが力強い⑦Rebirth「再生」、バンド名を冠するに相応しくLIGHTNINGらしさが詰まった⑧Lightning Force(Heavy Metal)など、心地よい疾走感の中でクサメロとIRONが奏でる泣きのギターが炸裂するナンバーが収録曲の半数を占める本作は愚直なまでに実直なヘヴィメタル作品です。僕が最も気に入っているのは昭和を代表する人気アニメ「北斗の拳」をモチーフにした南斗の運命(さだめ)を背負う男について全編日本語でJunが歌う⑨Southern Cross「南十字星」ですね。またアルバム終盤には⑩Steel Hold「慟哭の剣」、⑪My Wings Are Burning(歌詞カードでMywings Are Burningとなっているのは誤植?)というスピード感を抑えた勇壮なナンバーも収録していて、速さ一辺倒となっていないところも好印象。暑苦しい中にも希望と明るさを感じさせる⑪のクワイアは作品のエンディングにぴったりですね。

リードギターに関しては師匠の屍忌蛇が一撃必殺のプレイ(特にVOLCANOの1st「VIOLENT」は凄かった)だとすれば、「慟哭の剣」の異名を持つIRONはネオクラシカル色も加味した泣きのギターが楽曲全編を包み込むという印象で僕のツボを突いてくれます。また本作のリードボーカルを担当するJunはキャップとサングラスに短パンというメタルシンガーらしからぬブックレット写真とは裏腹に、井上 貴史(Vo/CONCERTO MOON)や本作リリース当時はDOUBLE DEALERで活動していた下山 武徳(Vo/ex-SABER TIGER、SIXRIDE)タイプのパワフルシンガーで本作の実直なメタリックチューンとの相性も良好ですね。このバンドにはハイトーン系より彼のようなシンガーが合うと思います。そんなJunのボーカルが若干不安定に思える部分があったり、⑩のピアノアウトロが短すぎて余韻に浸れなかったりと詰めの甘さを感じる場面もありますが、2002年から地道な活動を続けてきて遂にデビューを果たした1枚としては十分なクオリティだし、僕が好きなタイプの音楽だということに間違いありません。ただ、ブックレットや歌詞カードにスペルミスが多いのは気になりました。⑪の歌詞カードに「varuaburu life」と記載されている箇所は、どう考えても「valuable life」が正しいだろうし、御橋のフェイバリットアルバム「METROPOLIS PART2」は「DREAM THERTER」ではなく「DREAM THEATER」の作品でしょう。歌詞を強引なカタカナ読みにした「varuaburu」には思わず「それはちゃうやろ!」とツッコミを入れてしまいました(苦笑)。

【音源紹介】
・Brave Heart