【CD購入録】ORPHANED LAND「NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR」(2010)

  • 2010/01/29(金) 00:00:00

【CD購入録】
NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR
ORPHANED LAND「NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR」(2010)

イスラエル出身という話題性だけでなく、中身の方も素晴らしかった前作「MABOOL THE STORY OF THE THREE SONS OF SEVEN」に続くORPHANED LANDの4作目を買いました。スウェーデンのプログレッシヴ・デスメタルバンドOPETHなどを手がけたことでも知られるSteven Wilson(Vo、G/PORCUPINE TREE)をプロデューサーに迎えた本作はサウンドブロダクションが向上していて、その独特の世界観に更なる磨きがかかっています。前作に比べるとキャッチーなメロディはそれほど多くなくプログレッシヴ・ロック的に展開する作り込まれた曲が多いので、聴き始めの現時点では前作以上に敷居が高く感じられます。全体的には、各所で高く評価されていながら僕が今ひとつのめり込めないでいるOPETHに近い印象を持ちました。スピリチュアルで深遠なサウンドがただならぬ雰囲気を放っている作品なので、じっくり時間をかけて味わいたい1枚ですね。

ORPHANED LAND「MABOOL THE STORY OF THE THREE SONS OF SEVEN」(2004)

  • 2010/01/27(水) 00:00:00

MABOOL
【No.215】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第3位

これまで全くノーマークだったイスラエルから現れたORPHANED LANDなるバンドの3rdアルバム。前作から8年間のブランクを置いてのニューアルバムにあたる本作は、聖書に登場する「ノアの方舟伝説」を壮大なスケールで描いたコンセプトアルバムとなっています。それにしても、このバンドの音像は一言でジャンル分けするのが難しいですね。基盤となっているのはエクストリームメタルなのですがゴシックっぽさもある深遠な世界観の中で、響き渡るデス声とナイーブなノーマルボイスを巧みに操るKobi Farhi(Vo)の歌唱、DREAM THEATER風のプログレ的要素、サズーなどの民族楽器を使ってのフォーク/トラッド要素、イスラエル出身ならではのヘブライ語による語りや女性コーラスなど様々な魅力がありながらキャッチーさも忘れないという非常に独自性のある音を出すバンドです。

そんな音楽性の中で、2人のギタープレイヤーMatti SwatizkiYossi Sassiの泣きを多分に含んだエモーショナルプレイが僕を惹きつけて離しません。ブックレットにどちらのギタリストがどの曲で演奏しているか記載されているのでそれを参考に感想を書くと、ワイルドな風貌のMattiは②Ocean Land⑤Halo Dies(The Wrath Of God)で思わず聴いてるこっちの顔が歪んでしまうほどの泣き泣きのギターを披露してくれているし、ブックレット内の写真で悟りを開いたかのような表情で佇むYossiのプレイは⑥A Call To Awake(The Quest)での構築美あるソロ(DREAM THEATERっぽいインタープレイを繰り広げるキーボードプレイヤーもナイスセンス!)と⑦Building The Arkでのアコギプレイが秀逸ですね。そんな2人のプレイの美味しいところを凝縮したかのような⑪The Storm Still Rages Insideでの尺の長い、それでいてしっかりと組み立てられたソロワークはアルバム最大の聴きどころとなっています。これらのギタープレイの音質がもう少し良ければ更に感動的に響いてきたと思えるのが、残念といえば残念な点でしょうか。

ただそんな気になる点を払拭するだけの孤高性が本作にはあって聴けば聴くほど、どんどんその世界に引き込まれていく魅力的な1枚なので、この作品とは歌詞/対訳を読みながらじっくり対峙したいですね。現在のところ日本盤の発売はありませんが、ORPHANED LANDは最新作「NEVER ENDING WAY OF ORWARRIOR」で日本デビューを果たすので今後、本作の日本盤が出るかもしれないと期待しています。お気に入りはストーリーが佳境を迎える⑨Calm Before The Flood~⑫Rainbow(The Resurrection)という終盤の流れで、この辺りは音楽を聴いているだけで、その情景が目に浮かんできそうなほど。本作における情景描写の妙はDREAM THEATERの神盤「METROPOLIS PT.2」に迫るものがあると言ったら褒めすぎかもしれませんが、大きな感動を与えてくれます。ちなみに僕は本作「MABOOL」とアコースティックライブ5曲を収録した「THE CALM BEFORE THE FLOOD」の2枚組仕様盤を持っているのですが、アコースティックライブ盤の方はデス声を完全廃除し、バンドのエキゾチックな面に焦点を当てた音源で和みますね。

【音源紹介】
・The Storm Still Rages Inside