【CD購入録】STRATOVARIUS「ETERNAL」(2015)

  • 2015/09/10(木) 00:00:00


ETERNAL_201508220047259b0.jpg
STRATOVARIUS「ETERNAL」(2015)

僕の中でHELLOWEENと並ぶメロディックパワーメタル界の重鎮となっているSTRATOVARIUSの15作目を買いました。HELLOWEENよりも遅い1989年にデビュー、2004年〜2006年にかけては解散騒動があったりした彼等ですがアルバム枚数では既に追いついていて順調な活動振りが窺えます。オープニングの①My Eternal Dreamがそうだからかもしれませんが、今回はネオクラ系パワーメタル色が戻ってきているように感じますね。この点についてはソングライティングにJani Liimatainen(G/CAIN'S OFFERING、ex-SONATA ARCTICA)が参加していることも関係しているのかもしれません。第一印象としては前作「NEMESIS」(2013)収録のHalcyon Days級のキラーチューンこそないものの、STRATOVARIUSらしいサウンドが堪能できる1枚だと思います。ちなみに本作は10曲入りの通常盤に加えて⑥Endless Forest、⑦Giantsのボーナストラック2曲を追加したSHM-CDとLOUD PARK13の模様を収録したDVD2枚組限定盤があり、僕は迷った末に限定盤を買いました。家でライブDVDを見ることはほとんどないのですが、今のSTRATOVARIUSの曲はひとつでも多く聴きたいというのが限定盤を選んだ理由です。ボートラに関しては静かでメルヘンチックなインスト⑥、キャッチーな歌メロが耳を捕らえる⑦という感じで特に後者が気に入っています。ライブDVDは家族が寝静まった後にでも見ようかな。

RICHARD ANDERSON「THE ULTIMATE ANDERSSON COLLECTION」(2005)

  • 2015/08/07(金) 00:00:00

THE ULTIMATE ANDERSSON COLLECTION
【No.439】
★★(2006)

1999年にネオクラシカルメタルバンドMAJESTICの中心人物としてシーンに登場するや、圧巻の速弾きテクニックとYNGWIE MALMSTEEN等からの絶妙な借用フレーズ、バンドを支配する独裁者的なキャラクターなどから「鍵盤魔人」、「キーボード版YNGWIE MALMSTEEN」として一躍有名になったRichard Andersson(Key)がこれまでにMAJESTICやTIME REQUIEM、SPACE ODYSSEY名義で発表してきた楽曲をリメイクしたベスト盤。Richard以外のメンバーはSPACE ODYSSEYでもタッグを組むMagnus Nilsson(G)、リズム隊にはRichardが以前から共演を望んでいたセッションプレイヤーAndy Rose(B)、Jorg Andrews(Ds)の両名を迎えているほかSven Cirnski(G/BAD HABIT)が2曲でソロを弾いているのですが、本作の目玉はかつてYNGWIE MALMSTEENとも活動を共にしていたJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)がゲストとして1曲に参加、Mr.北欧ボイスことGoran Edman(Vo)がリードボーカルを取っている点でしょう。Richard曰く、彼を何度かリクルートしようとしたことがあるというYNGWIEも参加していれば面白かったのですが残念ながら実現していません。

【トラックリストと収録アルバム】
1. Time Requiem(TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」)
2. Confusicus(MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」)
3. Attar Of Roses(TIME REQUIEM「THE INNER CIRCLE OF REALITY」)feat. Jens Johansson
4. Black Moon Rising(MAJESTIC「ABSTRACT SYMPHONY」)
5. Above And Beyond(TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」)feat. Sven Cirnski
6. Emposium(SPACE ODYSSEY「EMBRACE THE GALAXY」)
7. Golden Sea(MAJESTIC「ABSTRACT SYMPHONY」)
8. The Rapture Of Canaan(MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」)
9. Visions Of New Dawn(TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」)feat. Sven Cirnski
10. Voodoo Treasure(MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」)
11. Cadenza Op.2 In A-Minor
12. Killing The Myth(Home Demo 1989)
13. I'm Getting Crazy(Studio Demo 1990)
14. Basement Boogie(Home Demo 1986)

上記トラックリストにある通り、本作はリメイク10曲とボーナストラック4曲という構成です。肝心の再録曲に関してはTIME REQUIEMのGrand Opus、Hidden Memories、SPACE ODYSSEYのEntering The Dome辺りも収録して欲しかったところですが代表曲と呼べるものは概ね押さえられていると思います。しかし、本作のバージョンがオリジナル以上の感動をもたらしてくれることは残念ながらありませんでした…。サウンドプロダクションは軽く聴こえるし、アレンジについても完成度の高かった原曲に比べると粗さが目立ちますね。それに加えてGoranが歌うメロディも若干変更されているためオリジナルを聴き込んでいた身としては違和感があります。僕の中でGoran Edmanは「メタルを歌うには線が細いけれど、その繊細な歌声はメロウなナンバーで輝きを増す歌い手」という印象が強いので今回のリメイクをGoranが歌うと聞いた時にマッチするのが疑問でしたが悪い予感が当たってしまったかな。この手の企画ならSPACE ODYSSEYのリードボーカルを務めるパワフルシンガーNils Patrik Johansson(ASTRAL DOORS、WUTHERING HEIGHTS)がMAJESTIC、TIME REQUIEMの曲を歌ってくれた方が嬉しかったですね。

日本盤ボーナストラックの4曲についても⑪Cadenza Op.2 In A-Minorはピアノインスト、それ以外はデモ音源で歌モノは⑬I’m Getting Crazyのみ、しかもその⑬がRichardらしからぬハードロックだというのもマイナス要因ですね。ちなみに⑫Killing The Mythはボーカル入りの完成形がSPACE ODYSSEYの次回作「TEARS OF THE SUN」(2006)に収録されています。というわけで僕のようにRichardの関連作品をチェックしてきたファンにとっては微妙な作品と言えそうです。その一方でRichard Anderssonというコンポーザーがこれまでに発表した名曲群が1枚のアルバムで聴けるので、これから彼の作品に触れるという方には丁度いい入門盤になりそうではありますね。

【音源紹介】
Attar Of Roses feat. Jens Johansson

【CD購入録】CAIN'S OFFERING「STORMCROW」(2015)

  • 2015/04/30(木) 00:00:00

【CD購入録】
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CAIN'S OFFERING「STORMCROW」(2015)

Jani Liimatainen(G/ex-SONATA ARCTICA)Timo Kotipelto(Vo/STRATOVARIUS)を中心としたメロディック・パワーメタルバンド(プロジェクト?)CAIN'S OFFERINGの2作目を買いました。前作「GATHER THE FAITHFUL」(2009)以降CAIN'S OFFERINGとしての動きはあまり伝わってきませんでしたが、2012年にKOTIPELTO & LIIMATAINEN名義でアコースティック作品「BLACKOUSTIC」を発表するなど2人の関係は良さそうだったこともありCAIN'S OFFERINGの新作を気長に待っていたので、こうしてニューアルバムを届けてくれたことが嬉しいですね。しかもキーボードにはJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)を迎えるという強力布陣。いざ聴いてみるとメンバーの顔ぶれから期待するサウンドを裏切らない内容となっています。北欧の伝説的キーボード奏者Jensを迎えたこともあってJaniのギターが目立つ場面は前作同様あまりなくコンポーザーに徹していますね。今のところキラーチューンと呼べるものはなさそうですが良曲揃いだし、先行でリリックビデオが公開されていた④I Will Build You A Romeの爽やかなメロディが特に気に入っています(バラード⑤Too Tired To Runのエンディングメロディは「蛍の光」?)。デビュー作との違いを挙げるとすれば、今回はよりドラマティックなアレンジが目立つという点でしょうか。KotipeltoのメインバンドSTRATOVARIUSもニューアルバム「ETERNAL」を8月に出すようなので、そちらも楽しみです。

【CD購入録】TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

  • 2013/06/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE LAND OF NEW HOPE
TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)らと一種のスーパーバンドSYMFONIAを結成したものの、僅か1枚で解散したばかりか音楽業界からの引退をも示唆するコメントを発表したTimo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS)でしたが、FRONTIERS RECORDS社長Serafino Perginoから多くのゲストを迎えたメタルオペラ・プロジェクトの提案を持ちかけられ誕生したTIMO TOLKKI'S AVALONの1stアルバムを買いました。プロジェクト名からしてTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAを連想せずにはいられませんが、ゲストを見てみるとMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Sharon Den Adel(Vo/WITHIN TEMPTATION)、Elize Ryd(Vo/AMARANTHE)、Russell Allen(Vo/SYMPHONY X、ADRENALINE MOB)、Rob Rock(Vo/DRIVER、ex-IMPELLITTERI)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS) 、Derek Sherinian(Key/BLACK COUNTRY COMMUNION、ex-DREAM THEATER)、Alex Holzwarth(Ds/RHAPSODY OF FIRE)といった顔ぶれでAVANTASIAに参加していた人もチラホラ、というかシンガーではElyzeとTony以外はAVANTASIAファミリーですね。歌っている比率を踏まえるとTolkkiとElyze、Rob Rockを基本メンバーとしたプロジェクトと言えるかもしれません。内容の方はAVANTASIAがメタルオペラを名乗っていた初期2作品ほどメロパワ一辺倒ではなく、その後の「THE SCARECROW SAGA」を歌ものメタルっぽくした感じでしょうか。ライナーノーツによると、Tolkkiがこのプロジェクトのために書き上げたストーリー「THE LAND OF NEW HOPE」は3部作を予定しているそうなので、 アルバム契約が4枚分あったというSYMFONIAを投げ出した前科があるTolkkiですが(苦笑)今回は完結まで頑張ってもらいたいですね。

【CD購入録】STRATOVARIUS「NEMESIS」(2013)

  • 2013/02/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
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STRATOVARIUS「NEMESIS」(2013)

Matias Kupiainen(G)の加入後、順調な活動を展開しているSTRATOVARIUSの14作目(14曲収録の初回限定盤)を買いました。2011年に脱退を表明したJorg Michael(Ds)の後任にRolf Pilve(Ds/STATUS MINOR etc)を迎えた新体制としては初のアルバムとなります。前作「ELYSIUM」(2011)がプログレテイストの強い作風だったのに対して本作はよりパワーメタル的なアプローチを取っていて、過去2作品に収録されていた長編曲はなく比較的コンパクトな楽曲が並んでいます。2013年は新年早々にHELLOWEENが「STRAIGHT OUT OF HELL」という傑作アルバムを発表してくれましたがSTRATOVARIUSも今年を代表するメロディックメタル作品を届けてくれたな、というのが率直な感想です。70分超の長丁場である、キラーチューンだけが飛び抜けているのではなく作品全体に優れた楽曲が並んでいる、ドラマーを除く全メンバーが作曲を手掛けている点など「STRAIGHT OUT OF HELL」との共通点が見受けられるのも興味深いですね。アグレッシブなメタルチューン、へヴィかつダークなものからポップな曲調、叙情バラードまで多彩な表情を見せる本作でのお気に入りはキャッチーかつスピーディな④Halcyon Daysでしょうか。当分ヘヴィロテ確定です。

STRATOVARIUS「ELYSIUM」(2011)

  • 2013/02/02(土) 00:00:00

ELYSIUM.jpg
【No.362】
★★★(2011)

バンドのリーダー/メインソングライターだったTimo Tolkki(G)が脱退し、解散の危機に直面していたもののTolkkiの後任に無名の新人ギタリストMatias Kupiainenを迎えた12th「POLARIS」(2009)で復活を遂げたSTRATOVARIUSの新体制となってからは2作目、通算13枚目のアルバム。前作リリース時にはアルバムの出来もさることながら「Tolkki抜きでバンドが成り立つのか?」「迷走していたSTRATOVARIUSがメロパワの世界に戻ってきてくれるのか?」といった点に注目が集まっていたことをバンド側も感じたのか、安心感はありつつも無難な作風と言えなくもなかったのでバンドの勝負作となるのは「その次の1枚」だと思っていました。いざ蓋を開けてみるとMatiasがアルバム本編の半数以上の楽曲を手がけ、プロデュースも担当するなどバンドの中心的存在へと成長した本作は、往年のSTRATOVARIUSとは異なるが同系統のバンドもパッと頭に浮かばないという独特のオーラと気品に溢れたパワーメタルに仕上がっていて、前作以上の出来映えだと思います。

まずは前作のオープニングトラックDeep Unknown同様、疾走曲と呼べるほどのスピード感はないものの適度にテクニカルな展開を盛り込んだアップテンポ①Darkest Hourとそれを引き継ぐ②Under Flaming Skiesの流れは実にスムーズでアルバムの幕開けとしては上々の滑り出しとなっていますね。僕にとってのハイライトは、バラード調で始まりドラマティックな展開から疾走パートへと繋がっていく構成が秀逸な③Infernal Maze、ボーカルを軸としたミドルテンポから徐々に加速していき白熱のソロバトル(キーボードVSギター)を経た後にペースダウンして感動的なメロディで大団円を迎える3部作で18分の大作⑨Elysiumでしょうか。上記2曲の両方がMatias作で③が元々は⑨の一部だったというのも興味深いですね。Matias以外のメンバーが書いた曲では、いかにもJens Johansson(Key)らしいメロディ/ソロワークと共に駆け抜けるパワーメタル⑤The Game Never Endsや北欧的なムードの濃いヘヴィチューン⑥Lifetime In A Moment、独特な美しさを放つバラード⑦Move The Mountain(Jens作)のようにメロウなナンバーも楽しめます。前作で最もTolkki時代を彷彿とさせたスピード曲Forever Is Todayを手がけたLauri Porra(B)による⑥はバンド初期に通じる雰囲気が感じられるので今のメンバーでTolkkiらしい曲が書けるのは彼なのかもしれません(1997年に発表された6th「VISIONS」収録の名曲Black Diamondのライトバージョンと呼べそうな日本盤ボーナス⑩CastawayもLauriが作曲)。

全盛期のTolkkiがバンドに残した名曲群のような一撃必殺のキラーメロディはここにはない反面、聴くほどに味わいを増すスルメ盤の要素は本作の方が感じられるので、これをどう捉えるかによって本作に対する評価も変わってくるのではないかと思います。個人的には9th「ELEMENTS PART1」(2003)辺りから陰りが見え始めたとはいえTolkkiが生み出すメロディには特別な力が宿っていたんだと改めて感じさせられたのも事実だったりします(今のスタイルも好きですが…)。ボーナストラックに収録されたTolkki時代の名曲⑫Against The Wind(Live)、⑬Black Diamond(Live)とアルバム本編を聴き比べると余計にそう思いますね。かといってAndre Matos(Vo/ex-ANGRA etc)らと結成したスーパーバンドSYMFONIAはあっさり崩壊、果てには音楽業界からの引退にまで言及するなど相変わらずのお騒がせ振りを発揮しているTolkkiと再合流しても上手く行かないと思うし、現ラインナップになってからTimo Kotipelto(Vo)が苦しそうなハイトーンで歌う場面も激減したので復活作「POLARIS」で掴んだ今のスタイルを突き詰めて行ってTolkki時代を凌駕するアルバムを生み出してもらいたいですね。

【音源紹介】
・Elysium

【CD購入録】STRATOVARIUS「UNDER FLAMING WINTER SKIES: LIVE IN TAMPERE」(2012)

  • 2012/08/19(日) 00:00:00

【CD購入録】
UNDER FLAMING WINTER SKIES LIVE IN TAMPERE
STRATOVARIUS「UNDER FLAMING WINTER SKIES: LIVE IN TAMPERE」(2012)

5th「EPISODE」(1996)からSTRATOVARIUSに加入、その後は当時のリーダーTimo Tolkki(G)との確執で一時的にバンドを離れたこともありましたが13th「ELYSIUM」(2011)までの全アルバムでドラムを叩いてきたJorg Michael(Ds)のフェアウェルツアーからフィンランドのタンペレ公演を収めたライブ盤を買いました。本作はDVD+2CD仕様の国内盤も出ていますが、僕は2CDのみの輸入盤を選択。なおDVDには脱退することになったJorgのスピーチとドキュメンタリー映像が含まれているようです。中身の方は長年ヨーロピアンメタルの王者として君臨してきたことも頷ける流石の出来栄えです。本作のセットリストはJorg在籍時の楽曲のみで構成されていますが、そのままベスト盤としても機能しそうなほどの充実振り(「ELEMENTS PART2」収録のDisc-1②I Walk To My Own Songは少し意外でしたが)。前任ドラマーのTuomo Lassilaはバンドの名付け親であり、リーダーを務めたこともありましたがSTRATOVARIUSのドラマーといえば、やはりJorgですね。長い間お疲れ様でした!なおバンドは既に後任にRolf Pilve(Ds/STATUS MINOR etc)を迎えています。

STRATOVARIUS「POLARIS + POLARIS LIVE」(2010)

  • 2011/10/26(水) 00:00:00

POLARIS + POLARIS LIVE
【No.307】
★★★★(2011)

バンド名を冠したアルバムだったにもかかわらず自らのアイデンティティであるメロディック・パワーメタルサウンドとは距離を置いた11thにして問題作「STRATOVARIUS」(2005)発表後、リーダー/メインソングライターのTimo Tolkki(G)が脱退、後任に若手ギタリストMatias Kupiainenを迎えて新体制となったSTRATOVARIUSのお披露目アルバム「POLARIS」(2009)に伴うツアーからイタリアのミラノ、ブルガリアのソフィア公演の模様を収めたと思われるライブ作品。このバンドのライブアルバムとしては「LIVE! VISIONS OF EUROPE」(1998)以来2作品目となります。ちなみに現時点で本作はライブCD単発でのリリースはなく輸入盤「POLARIS」との2枚組仕様か、日本の販売元VICTORのサイトからの有料ダウンロードという形式で発売されていて僕は前者を購入しました。スタジオアルバムの方は日本盤ボーナストラックSecond Sightが収録されていないので国内盤より1曲少なくなっているほかは既に記事にした「POLARIS」と同内容なので、ここでは「POLARIS LIVE」について書きたいと思います。

【セットリストと収録アルバム】
01.Destiny(7th「DESTINY」)
02.Hunting High And Low(8th「INFINITE」)
03.Speed Of Light(5th「EPISODE」)
04.Kiss Of Judas(6th「VISIONS」)
05.Deep Unknown(12th「POLARIS」)
06.A Million Light Years Away(8th「INFINITE」)
07.Bach: Air Suite(Keyboard Solo)
08.Winter Skies(12th「POLARIS」)
09.Phoenix(8th「INFINITE」)
10.S.O.S(7th「DESTINY」)
11.Forever Is Today(12th「POLARIS」)
12.King Of Nothing(12th「POLARIS」)
13.Father Time(5th「EPISODE」)
14.Higher We Go(12th「POLARIS」)

9th「ELEMENTS PART1」(2003)以降、メロパワから離れつつあった彼らにとって「POLARIS」はSTRATOVARIUS新章の幕開けを告げるだけでなく、バンドの復活作と言える内容だったと思うのですがライブ構成もSTRATOVARIUSがメロディック・パワーメタルに帰還したことを印象づけるものとなっています。まずはバンドが確固たる地位を築いた90年代後半の作品「DESTINY」(1998)のタイトルトラックであり10分近くに及ぶ大作①Destinyによる大胆な幕開け、それとは対象的にコンパクトかつキャッチーなメロディが秀逸な②Hunting High And Lowで観衆の心をガッチリ掴みます。このツアーで最も注目されているであろうニューギタリストMatiasの紹介を挟んで彼の速弾きから曲が始まるスピードチューン③Speed Of Light、そして実はMatias同様に「POLARIS」がバンドに加入して最初のアルバムだったLauri Porra(B)の見せ場を盛り込んだミドル④Kiss Of Judas、バンドが黄金期と言える時期に発表した上記4曲と並んでも遜色ない新作のオープニング曲⑤Deep Unknownまでの流れは見事と言うほかありません。またJens Johansson(Key)がグイグイ楽曲を引っ張っていく⑥A Million Light Years Away、彼らしい音色で「バッハのG線上のアリア」を弾きまくるキーボードソロ⑦Bach: Air Suiteから⑧Winter Skiesへと繋がる中盤はJensの独壇場だし、それ以降も5th「EPISODE」(1996)~8th「INFINITE」(2000)から厳選されたグレイテストヒッツ的セットリストと「POLARIS」からの5曲が違和感なく溶け込んだ好演が展開されています。新作の楽曲に関しては前述の⑧や⑫King Of Nothingなど、スタジオ盤では地味に思えたナンバーが更に魅力的になっているのも好印象ですね。

本作はスタジオでの手直しがほとんど施されていないこともあって荒いながらも「生」の新生STRATOVARIUSの姿を楽しむことができるのが特徴で、Timo Kotipeltoのボーカルは⑩S.O.S、⑪Forever Is Today、⑬Father Timeなど一部の楽曲で高音域が苦しそうではあるものの大半の曲はしっかり歌えているし中低音域は実に魅力的です。それに加えてオーディエンスの煽り方やショウ運びも上手く、YouTubeで見ただけですがステージアクションも華があるので、メタルバンドのフロントマンとしては屈指の存在だと思いますね。本ライブ単体でのリリースがない変則的な作品でありながら全14曲で収録時間70分以上と聴き応えがあるし、選曲も良いのでSTRATOVARIUSファンは買って損することのない1枚ではないでしょうか。ちなみに僕は13th「ELYSIUM」(2011)の日本盤ボーナスとして収録されているAgainst The Wind、Black Diamondのライブバージョンと合わせてよく聴いています。

【音源紹介】
・Winter Skies(Live)

【CD購入録】STRATOVARIUS「POLARIS + POLARIS LIVE」(2010)

  • 2011/09/14(水) 00:00:00

【CD購入録】
POLARIS + POLARIS LIVE
「POLARIS + POLARIS LIVE」(2010)

リーダー/メインソングライターのTimo Tolkki(G)が脱退して新体制となったSTRATOVARIUSのお披露目アルバム「POLARIS」(2009)の輸入盤に14曲入りライブCDがカップリングされた2枚組を買いました。僕は「POLARIS」の国内盤を持っていますが、本作は2枚で1000円台という値段だったのでライブ盤目当てで購入。なお日本盤ボーナストラックSecond Sightは当然ながら収録されていないのでスタジオアルバムの方は国内盤より1曲少なくなっています。ちなみに日本の販売元VICTORのサイトから本ライブ音源はダウンロード(有料)することができるようです。Timo Kotipelto(Vo)のMCから推測するに、ブルガリアのソフィアとイタリアのミラノ公演の模様が収録されているみたいですね。またライブの手直し作業はほとんどしていないようで、荒いながらも「生」の新生STRATOVARIUSの姿を楽しむことができます。Timoのボーカルは⑩SOS、⑪Forever Is Today、⑬Father Timeなど一部の楽曲で高音域が苦しそうですが、大半の曲はしっかり歌えているし中低音は非常に魅力的。セットリストについても新作からの5曲以外はグレイテストヒッツ的な内容となっていて僕は概ね満足でした。新作の楽曲は⑧Winter Skiesを筆頭にライブの方が良いと思えるナンバーが多いのも好印象ですね。

KAMELOT「THE BLACK HALO」(2005)

  • 2011/08/27(土) 00:00:00

THE BLACK HALO
【No.300】
★★★(2005)

ドラマ性に溢れたメロディックメタルの雄KAMELOTの7作目はゲーテの「ファウスト」を題材としたコンセプトアルバムである前作「EPICA」(2003)の物語後半部分を描いた作品です。アップテンポの曲が多かった前作は僕にとってKAMELOTの最高傑作と呼べる1枚でしたが、今回は疾走感を抑えてバンドの特徴である劇的な音世界に更なる磨きをかけた深遠なサウンドが繰り広げられています。前作に引き続き参加の女性シンガーMariに加えてゲストボーカルとしてSimone Simons(Vo/EPICA)、Shagrath(Vo/DIMMU BORGIR)、そして名手Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS)といった豪華な顔ぶれも一部の楽曲に参加しています。

KAMELOTが現在のステイタスを築く原動力となったここ最近の3作品は全てイントロからクサメロ疾走曲に繋がるという始まり方でしたが本作には壮大な序曲もなければスピードチューンでの幕開けもなく、ゲスト参加のShagrathが邪悪な咆哮を響かせる重々しい①March Of Mephistoを冒頭に持ってきています。そのせいもあって本作の第一印象はダークでヘヴィという感じがしましたね。従来ならば、これが1曲目に来ていたであろうメロパワファン歓喜必至の②When The Lights Are Down、前作のキラーチューンCenter Of The Universeの香り漂う④Soul Society、スリリングなイントロをフィーチュアした⑪Everything Ever Diesのような即効性のあるメロディックメタル曲もありますが、ディープでプログレテイストも感じさせる雰囲気の中で重厚かつ繊細に「ファウスト」のストーリーを描写するというバンドの並々ならぬ意気込みが作品全体を包み込んでいます。特にKAMELOT流ドラマティシズムの極致にして物語の終局を盛り上げる⑫Memento Moriは、8分54秒というランニングタイムの中に織り込まれた起承転結の展開美が素晴らしく鳥肌が立ちました。その後に続く間奏曲⑬InterludeⅢ Midnight Twelve Tolls For A New Dayでは本作と前作の収録曲と思しきパートをダイジェスト的にフラッシュバックさせるという構成もニクイですね。

圧倒的な密度で深みのある音像を堪能させてくれる本作ではありますが、このドラマティックサウンドを徹底的に追求するという方向性が楽曲のキャッチーさを減退させてしまい、結果として印象に残りにくくなってしまっているようにも思えます。物語の佳境からクライマックスを緻密に作り込んだサウンドで劇的に聴かせるという拘りが足枷になってしまったのかもしれませんね。そんなもどかしさを帳消しにしてくれるのがKAMELOTの看板シンガーにして、本作ではストーリーテラーとしての役割も果たしているRoy Khanの歌声です。これまで以上に低音域を巧みに操り聴かせるディープなバラード⑥Abandonedや前述のハイライトナンバー⑫での情感たっぷりの歌唱は、イヤホンからRoyの息づかいや吐息が感じられるほどで身も心も委ねたくなってしまいますね。1枚の作品としてみれば僕を惹きつけてくれるメロディがもう少し欲しい気もしますが、比較的ストレートだった前作と対を成すバンドの奥深さに焦点を当てた本作はKAMELOTの目指す世界観がひとつの到達点に辿り着いたと感じさせてくれる力作です。

【音源紹介】
・Memento Mori

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「ANGEL OF BABYLON」(2010)

  • 2011/03/29(火) 00:00:00

ANGEL OF BABYLON
【No.282】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第10位

当初は前編・後編で完結する予定だったもののTobias Sammet(Vo/EDGUY)の創作意欲が止まらなかったため3部作となった「THE SCARECROW」物語のパート3にしてAVANTASIAの5thアルバム。同時リリースされた第2部「THE WICKED SYMPHONY」と同じくバラエティに富んだ、それでいてキャッチーなメロディを持った楽曲が目白押しな充実作です。ゲストシンガーのインパクトではKlaus Meine(SCORPIONS)、Tim Ripper Owens(YNGWIE MALMSTEEN、ex-JUDAS PRIEST)が参加していた前作に一歩譲りますが、本作ではJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)が大きな存在感を放っているし、個性派シンガーJon Oliva(Vo/SAVATAGE)やメタル界を代表するキーボードプレイヤーJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)が参加するなど相変わらずの豪華さを誇っています。

Jornによる説得力抜群の歌唱でスタートした後TobiasにRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)、前作ではギタリストに徹していたOliver Hartmann(Vo/HARTMANN、ex-AT VANCE)が加わってパワフルにせめぎ合い、伸びやかなサビはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)が朗々と歌う①Stargazersは正に「AVANTASIAオールスターズ」と呼ぶべきナンバーで、それに続いて王道を行くメロディックメタル曲②Angel Of BabylonはJensによる特徴的なキーボードソロをフィーチュアしながらスリリングに疾走していきます。オープニングに9分半の長編①とわかりやすいメロパワ②を並べるという入り方は前作と同じですね。また楽曲の多彩さという点で本作は過去最高と思えるほどで、ポップな歌メロがインパクト抜群な③Your Love Is Evil、3rd「THE SCARECROW」収録曲のThe Toy MasterではAlice Cooper(Vo)が演じていたストーリー上のキャラ「トイ・マスター」がJon Olivaの客演で再登場するミステリアスチューン④Death Is Just A Feelingという対照的な2曲、Eric Singer(Ds)による「1、2、3、4!」のカウントで始まりクワイアやシンフォニックな質感を排除しているためラフな仕上がりとなったハードロック⑤Rat Race、AVANTASIAのプロデューサーSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)のペンによるゴシックメタル調をAVANTASIAのツアーに帯同した経験もある女性シンガーCloudy Yangが全編を歌う⑧Symphony Of Life、オールドスタイルなロックサウンドを前に出した⑨Alone I Remember(Jornのパフォーマンスがこれまた素晴らしい)など非常にカラフル。それでいて各曲にはTobias節が貫かれているし、アルバム終盤をEP「LOST IN SPACE PART 2」(2007)にも収録されていた名曲⑩Promised LandBob Catley(Vo/MAGNUM)が希望を感じさせるメロディを優しく聴かせるシンフォバラード⑪Journey To Arcadiaといった「らしい」曲で締めてくれているため「散漫」ではなく「バラエティがメチャクチャ豊富」という印象になっています。ちなみに⑩のEPヴァージョンではTobias、Jorn、Kiskeの3名がボーカルを分け合っていましたが、本作ではTobiasとJornのみが歌うヴァージョンとなっています。

このプロジェクトの初期2作品はアルバムタイトルからして「メタルオペラ」だったのに対して、この「THE SCARECROW」3部作をTobiasは「ロックオペラ」と表現しているとおりメタル色は確実に薄まっているのでメロパワを求めると肩透かしをくらうかもしれませんが、練り上げられた楽曲群はどれも高品質だと思います。気になる点を挙げるとすれば本作のオープニング、エンディング曲がやや尻切れトンボ気味に終わっているのと、今回の3部作はゲーテの「ファウスト」をモチーフにしていながらも内容が抽象的なため物語の情景を思い浮かべながら音楽を聴くというコンセプトアルバムならではの楽しみが味わいにくいことでしょうか。本作ならびに「THE SCRECROW」サーガはストーリーに沿って聴き進めるというよりは、優れた楽曲集として楽しむアルバムという感じですね。

【音源紹介】
・Promised Land(ANGEL OF BABYLON VERSION)

【CD購入録】STRATOVARIUS「ELYSIUM」(2011)

  • 2011/01/13(木) 00:00:00

【CD購入録】
ELYSIUM.jpg
STRATOVARIUS「ELYSIUM」(2011)

一時はバンド解散の危機に直面しながらも、脱退した前リーダーTimo Tolkki(G)の後任に若手Matias Kupiainen(G)を迎えて作り上げた前作「POLARIS」(2009)で復活を遂げたSTRATOVARIUSの13作目を買いました。前作がリリースされた時点では、作品の出来以前に「崩壊寸前状態にあったバンドか再びメロディックメタルの王者としての輝きを取り戻せるのか」という点に注目が集まっていたため、新体制で2枚目となる本作からが本当の勝負になると感じていました。前作の延長線上にあり、激速疾走というほどではないけれどそこそこ速いアップテンポからミドルテンポ、バラード、そしてプログレッシブな大作が揃うパワーメタル作品でSTRATOVARIUSのサウンドイメージを裏切らない本作を数回聴いた現時点での印象は良く言えば「手堅い」、悪く言えば「地味」ですかね。本作の日本盤ボーナスとしてライブバージョンが収録されている往年の名曲Against The Wind、Black Diamondや前作のForever Is Today、Higher We Goのような一聴して心を鷲掴みされるほどの突き抜けたメロディは少ないものの、18分の大作となったタイトル曲⑨Elysiumを筆頭にジワジワと味が出てきそうな楽曲が多いような気がしています。本作をこれから聴き込むにつれて、今の感想がどのように変わって行くのか期待半分、不安半分という感じですね。

【CD購入録】RUSSELL ALLEN'S ATOMIC SOUL「RUSSELL ALLEN'S ATOMIC SOUL」(2005)

  • 2010/08/07(土) 00:00:00

【CD購入録】
ATOMIC SOUL
RUSSELL ALLEN'S ATOMIC SOUL「RUSSELL ALLEN'S ATOMIC SOUL」(2005)

プログレメタル界の雄SYMPHONY Xのフロントマンで、最近はALLEN-LANDEAYREON、TOBIAS SAMMET'S AVANTASIAなどの課外活動も目立つようになってきたRussell Allen(Vo)初のソロアルバムを買いました。ゲストにMichael Romeo(G)、Michael Pinnella(Key)のSYMPHONY X組、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS)らが参加しているのでシンフォニックでプログレッシブなメロディックメタルを想像していたのですが、本作はシンプルでストレートなハードロック作品となっていて僕は何曲かで初期GOTTHARDを思い出しました。購入前に期待していた音像と異なるため聴き始めは戸惑ってしまいましたが、リピートしているうちに説得力あるRussellのボーカルに魅せられてしまう1枚ですね。エンディングでRussellのシャウトが炸裂する⑥Seasons Of Insanity、Michael Pinnellaのピアノが優雅に舞う爽やかなロックチューン⑩We Will Fly、Michael RomeoとJensが参加しているDEEP PURPLEタイプのハードロック⑪Atomic Soulがお気に入りです。

STRATOVARIUS「POLARIS」(2009)

  • 2009/08/05(水) 00:00:00

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【No.168】
★★★(2009)

90年代後半に大躍進を遂げ、メロディック・パワーメタルの王者と称されるまでの存在に登り詰めたものの、2003年発表の9th「ELEMENTS PART1」以降の作品では、僕を含め多くのファンが期待するメロパワサウンドから距離を置くようになっただけではなく、リーダーでメインソングライターのTimo Tolkki(G)が抱える躁鬱病とそれにまつわるメンバー間トラブル、レーベルとの契約問題など音楽以外の面に注目が集まりがちだったSTRATOVARIUSがTolkki脱退後初めてリリースする作品にして通算12枚目。後任ギタリストMatias Kupiainenは勿論、2005年に加入したLauri Porra(B)を擁するラインナップとしても初めての作品です。バンドのアイデンティティであるはずのメロディックメタルからかけ離れた問題作11th「STRATOVARIUS」発表後に勃発した一連の騒動は、このままバンドが解散しても不思議ではないほど衝撃的なものでした。その騒動の元凶でもあったTolkkiが脱退してSTRATOVARIUSが活動を継続すると聞いた時は嬉しさよりも、数々の名曲を生み出したTolkki抜きでどこまで魅力的な楽曲が揃うのかという不安の方が強くありました。他のバンドで例えるならAndre Andersen(Key)のいないROYAL HUNTMichael Amott(G)のいないARCH ENEMYみたいな印象でしたから…。ところが、そんなドタバタ劇の末に届けられた本作が思った以上にSTRATOVARIUSらしいアルバムで一安心。

まずはオープニングトラック①Deep Unknownがアルバムの掴みとして申し分ないですね。従来のSTRATOVARIUSスタイルのアップテンポナンバーでありつつ、速い曲では音を詰め込む印象の強かったこのバンドにしては適度なスペースが感じられ新鮮味もあります。その後の2曲は作品序盤に持ってくるにはやや地味に思えますが、日本盤ボーナスにしておくには勿体ない④Second Sightとメロディックメタル佳曲⑤Blind以降からエンジンがかかってきます。特にこれぞSTRATOVARIUSな疾走曲⑦Forever Is Today、高揚感あるサビが堪らない⑧Higher We Goという2大キラーチューンは強力。ラストを5th「EPISODE」収録の名バラードForeverを彷彿とさせる⑫When Mountains Fallで締めるという構成も好印象ですね。

全12曲中Timo Kotipelto(Vo)とMatiasの共作が4曲、Jens Johansson(Key)が3曲、Lauriが5曲と、Jorg Michael(Ds)を除く全メンバーが曲を持ち寄っているだけでなく新メンバーがかなりの割合でソングライティングに関わっている点も見逃せません。流石に、独特の哀感と清らかさに満ちたTolkkiの全盛期を上回る楽曲は本作にはありませんが、迷走気味だったここ3作品に比べると断然僕好みです。中でも⑦、⑫といった本作における名曲を手がけたLauriの貢献が大きいですね。やや手堅くまとまり過ぎな気がしないでもないですが、メインソングライターの脱退という危機を残りのメンバーが力を合わせてフォローすることでポジティブな雰囲気が作品から溢れています。Kotipelto特有のハイトーンボイス、一段と存在感を増したJensの超絶キーボード、JorgのパワフルなドラミングというSTRATOVARIUSらしさが随所に見られる作品であるだけでなく、技術的にTolkkiを上回るMatiasのギタープレイ、おまけに新加入2人の若さとルックスなど、これまでにない魅力を手に入れたバンドの今後に期待せずにはいられません。メジャー感に満ちた明るいメロディが満載だった名盤8th「INFINITE」meets「EPISODE」と表現したくなる本作は、僕にとって「STRATOVARIUSの復活作」というべき1枚です。メロディックメタルの王者STRATOVARIUSの時計が再び動き始めました。

【音源紹介】
・Forever Is Today

【CD購入録】STRATOVARIUS「POLARIS」(2009)

  • 2009/05/21(木) 08:34:03

【CD購入録】
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STRATOVARIUS「POLARIS」(2009)

バンドのリーダーでありメインソングライターでもあったTimo Tolkki(G)脱退後、初めての作品となるSTRATOVARIUSの通算12枚目のアルバム「POLARIS」を買いました。新加入ギタリストMatias Kupiainenのみならず、Lauri Porra(B)加入後初めての作品でもあるんですね。リリース前に公開されていた音源から薄々感じていましたが、いかにもSTRATOVARIUSらしい作品でアルバム全体がポジティブな雰囲気で包まれています。何度かリピートして聴いた印象としては、Tolkki在籍時代のアルバムを大きく上回るわけでもズバ抜けた名曲があるというわけでもないという感じではありますが、前作で感じた迷走振りを思うとバンドが再びメロパワの王者として動き始めたことに拍手したいですね。Tolkki不在ながら本作が「INFINITE」に続くアルバムだと言われても違和感がないほどです。作曲面ではTimo Kotipelto(Vo)とMatiasの共作、Jens Johansson(Key)、Lauriそれぞれが独作で曲を書いた全12曲が収録されていて、やや弱いかなという曲もなくはないですがJens作の⑤Blind、Lauri作の⑦Forever Is TodayはガッツポーズもののSTRATOVARIUSチューンです。存続の危機を乗り越えてバンドの新章の幕開けを告げるアルバムとしては上々の1枚だと思います。

STRATOVARIUS「STRATOVARIUS」(2005)

  • 2009/05/20(水) 08:01:08

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【No.141】
★★(2009)

「これ、STRATOVARIUSのアルバムですよね?」というのが初めて聴いた時の率直な感想だったSTRATOVARIUSの11thアルバム。前作「ELEMENTS PART2」発表後にTimo Kotipelto(Vo)Jorg Michael(Ds)が脱退→Miss Kなる女性ボーカルが加入→Timo Tolkki(G)が暴漢に襲撃される→Tolkkiが躁鬱病で入院するなど数々のトラブルを抱えていましたが、最終的にはKotipeltoとJorgがバンドに復帰(Miss Kはレコーディング前に脱退)してリリースされたのが本作です。

このアルバムには疾走曲や突き抜けるメロディもなければ、Jens Johansson(Key)の派手なソロもないし、Jorgのツーバスドラムもありません。僕を含め多くのファンが抱いていたSTRATOVARIUS像は、ここにはほとんどないと言ってもいいと思います。それほど本作はメロディック・パワーメタルというスタイルからかけ離れたサウンドとなっています。だからと言って本作が駄作かというと、そういうわけでもないのがSTRATOVARIUSの底力ですね。やたらとクセになるギターメロディが耳に残るヘヴィロック調の①Maniac Danceはついリピートしてしまうし、従来スタイルに比較的近いメロディックチューン②Fight!!!、③Just Carry Onもあります。アルバム終盤ではいかにもフィンランドのバンドらしいタイトルを持った民謡風バラード⑦The Land Of Ice And Snow、テンポを速くすればSTRATOVARIUSらしい疾走曲になりそうな⑧Leave The Tribe、ラストに相応しい大仰でクサいメロディが味わえる⑨Unitedなども本作のお気に入りとして挙げておきたい楽曲です。

ただメンバー間のトラブルがあって普段よりも注目度が上がっているところに、バンド名そのままズバリのタイトルを付けておきながら、この音楽性というのが腑に落ちないんですよね。「STRATOVARIUS」と名付けられた作品であるにもかかわらず、STRATOVARIUSのアイデンティティ的要素(少なくとも僕が思うところの)を大幅に排除してしまっている何とも言えない1枚。個人的には速弾きのないYNGWIE MALMSTEEN、クワイアのないBLIND GUARDIAN、ギターソロのないARCH ENEMYと例えたくなるような違和感があります。「ELEMENTS」2作品の楽曲(特に疾走曲)で気になったマンネリ感はあまりなく、キャッチーなメロディも確かに存在するので、これがSTRATOVARIUSではなく別のバンドの作品であるならもっと楽しめたかもしれません。これからSTRATOVARIUSを聴くという方は、間違っても本作から入門しないようにしてくださいね(苦笑)。

【音源紹介】
・United

STRATOVARIUS「ELEMENTS PART2」(2003)

  • 2009/05/19(火) 08:42:36

ELEMENTS PART2
【No.140】
★★(2009)

物質の4大要素である火・水・風・土をテーマにした2部作「ELEMENTS」の後編となるSTRATOVARIUSの10thアルバム。前作では典型的メロディックメタルから少し距離を置き、疾走曲以外の側面でアピールするシンフォニックなプログレ風メタル路線へと傾倒していた彼らの2部作の後編は「ELEMENTS PART1」と同時期に曲が書かれたこともあり、前作と似た音楽性となっています。相違点を挙げるなら、本作の方がシンフォニックで大仰なアレンジは控えめになっているところでしょうか。

「ELEMENTS PART1」本編のエンディング曲A Drop In The Oceanラストの波の音を引き継いで始まる①Alpha & Omegaからスタートすることで2作品の連続性を表現したかったのだと思いますが、肝心の楽曲の方が作品の中盤/終盤に配されることで威力を発揮しそうなミッドテンポ大作であるために出だしからつまずいてしまってます。前作のリーダートラックEagleheartタイプの②I Walk To My Own Songで仕切り直した後は、Timo Kotipelto(Vo)の巻き舌シャウトが最後に炸裂する③I'm Still AliveJens Johansson(Key)の超絶プレイがテンコ盛りな⑥Know The Differenceという2つの疾走曲でメロパワファンの心を繋ぎとめつつ、軸足はあくまでもじっくり聴かせる大作系に置くというTimo Tolkki(G)の深遠なる音世界が繰り広げられています。ヒーリング音楽のような浮遊感が味わえる⑦Luminous、綿密に織り込まれたメロディが印象的なプログレタッチの⑧Dreamweaver、今回の2部作を締めくくるに相応しい本編ラストのバラード⑨Libertyなど聴きどころもあるんだけど、やはり前作同様にメロディがどうにも弱いような気がします。

相変わらず高音パートで必死さが滲み出るボーカル(そこが魅力でもあるんですが)を尻目に揺るぎない安定感を見せ付けるインストパートと極上のサウンドプロダクションは一級品ながら、引っかかりなく流れていく楽曲が多いのが気になるんですよね。特に2曲のスピードチューンはSTRATOVARIUSにしては妙に薄味で過去の名曲群に比べると、ただ駆け抜けているだけという印象すら抱いてしまいます。メロパワから次のステージに向かおうとするバンドの姿勢は応援したいし、並のバンドに比べると十分魅力的な作品ではあるもののSTRATOVARIUSにしては物足りなさが残る1枚ですね。数曲のキラーチューン以外は好きになれず、アルバムとしてのお気に入り度が低かったバンド初期作品とはまた別の意味で「ELEMENTS」の2枚は微妙なアルバムでした。

【音源紹介】
・Liberty

STRATOVARIUS「ELEMENTS PART1」(2003)

  • 2009/05/18(月) 08:10:33

ELEMENTS PART1
【No.139】
★★(2003)

出世作「VISIONS」でヨーロピアンメタル勢の中でも抜きん出た存在となり、続く7th「DESTINY」、8th「INFINITE」が本国フィンランドのナショナルチャートで1位(「INFINITE」はゴールドディスクを獲得)に輝くなど、名実ともにトップバンドとなったSTRATOVARIUS。前作「INFINITE」リリース後に、リーダーTimo Tolkki(G)がしばらくバンド活動を休止すると宣言したこともあり3年のインターバル(この間にTolkkiとTimo Kotipelto(Vo)はそれぞれソロ作を発表)を置いて発表された通算9枚目です。本作は地球や人間の要素(エレメント)である火・水・風・土をテーマにした2部作の前編という位置付けで、4大要素の中の「火」と「水」がテーマとなっています。

STRATOVARIUSがHR/HMファン限定のバンドではなく、より幅広い層にアピールできる普遍的な魅力を持ったバンドとなったことを雄弁に物語るオープニングのリーダートラック①Eagleheartを聴いた時点で期待が大きくなったのですが、その後がどうにも続きません。どこを切ってもSTRATOVARIUS印のスピードチューン③Find Your Own Voice、⑤Learning To Flyやテクニシャン揃いのこのバンドらしい激速インスト⑦Stratofortress以外はファンタジックで大仰なミドル、バラードが並んでいて、STRATOVARIUSのトレードマークはフックあるメロディの疾走曲だと考える僕にとっては、とっつきにくい楽曲が多いように思います。リピートしていると、スピードに頼らないSTRATOVARIUSの旨味が感じられる④Fantasia、12分の長さが冗長に思えるものの後半はゴージャスなアレンジで劇的に盛り上がる⑧Elements、ボーカルメロディが胸に染みるバラード⑨A Drop In The Oceanなどが気に入ってきたりもしているんですが、メロディ自体があまり耳に残らないんですよね。

あと気になったのは③、⑤といった疾走曲で顕著なキーの高さ。Kotipeltoの歌唱は自らの限界に挑戦するかのような悲壮感漂うハイトーンが魅力的なこともありますが、流石に③はキーが高すぎて悲壮感を通り越して痛々しいほど。Tolkkiのギターに加えて、このバンドのソロパートには欠かせない存在となった元祖鍵盤魔人Jens Johansson(Key)や一段と存在感を増したJari Kainulainen(B)、Jorg Michael(Ds)の力強いリズム隊を筆頭に演奏陣に余裕が感じられるだけに、ボーカルだけが切羽詰っているというアンバランスさも感じられます。ゴージャスなアレンジと緻密に作り込まれたサウンドからは、ベテランの風格とトップバンドの凄みが感じられる反面、メロディの即効性は過去作品には及ばないため聴き込みを要する1枚かもしれませんね。本作まではこのバンドの新譜が出る度に即買いしていた僕も、次回作はどうしようかなという迷いが出てきた作品でもあります。

【音源紹介】
・Eagleheart

STRATOVARIUS「INTERMISSION」(2001)

  • 2009/05/17(日) 13:19:33

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【No.138】
★★(2009)

1994年に3rd「DREAMSPACE」を発表して以降、2000年までの7年間で6枚のスタジオアルバムと2枚組ライブ盤をリリースするというハイペースで走り続けてきたSTRATOVARIUS率いるTimo Tolkki(G)がバンドの活動休止を発表したのが8th「INFINITE」に伴うツアーに出る前のこと。「次のアルバムは2003年頃になるだろう」と明言した上での活動休止だったのでファンとしては心配はしていませんでしたが、バンドが長い休みを取ることを良く思っていなかったレーベル側の要望にバンドが応える形でリリースされたのが本作です。

収録曲はこちら。
【新曲4曲】
01. Will My Soul Ever Rest In Peace?
02. Falling Into Fantasy
03. Courtains Are Falling
04. Requiem
【カバー曲3曲】
05. Bloodstone(JUDAS PRIEST)
06. Kill The King(RAINBOW)(ボーカルはTimo Tolkki)
07. I Surrender(Live)(RAINBOW)
【ボーナストラック集7曲】
08. Keep The Flame(フランス盤「INFINITE」収録)
09. Why Are We Here(日本でのみ発売のベスト「14Diamonds」収録)
10. What Can I Say?(日本盤「INFINITE」収録)
11. Dream With Me(日本盤「DESTINY」および輸入盤のみ発売のベスト「THE CHOSEN ONES」収録)
12. When The Night Meets The Day(日本盤「EPISODE」収録)
13. It's A Mystery(フランス盤「INFINITE」収録)
14. Cold Winter Nights(ヨーロッパ盤「DESTINY」収録)
【ライブ音源1曲】
15. Hunting High And Low(Live)

日本盤のオリジナルアルバムを聴いてきた僕にとっては、全15曲のうち⑩、⑪、⑫を除く12曲が初めて耳にする音源ということになります。まず新曲についてはミッドテンポの①と②、本作の中で唯一の疾走曲③、壮大でシンフォニックなインスト④と、どの曲もまずまずの出来。カバー3曲はオリジナル曲のシンガーと比べると、Timo Kotipelto(Vo)Timo Tolkki(G、Vo)が歌うバージョンではやや物足りないかな。意外な掘出物だったのがボーナストラック集で、このバンドにしては珍しく軽快な曲調の⑨、⑬や⑭など佳曲と呼べそうなものもありました。ただファン心理としては、シングルのカップリング曲(「HUNTING HIGH AND LOW」収録のNeon Light Childなど)がフォローしきれていないのが少し不満かな。

あくまで未発表曲やボーナストラックを寄せ集めた企画盤なので、熱心なファン向け作品の域を出ない本作のもうひとつ目玉はブックレットですね。各メンバーのおふざけ写真に加えて、これまでの活動を振り返ってのコメントもあって、なかなか興味深い内容です。特にJens Johansson(Key)Jorg Michael(Ds)の2人ともが「面識のないTimo Tolkkiというフィンランド人からいきなりバンド加入の誘いと『EPISODE』のデモ音源が送られてきた。その音源を聴いてバンド加入を決めた」というようなコメントを残しているのが印象的でした。Tolkkiは「駄目でもともと」と思って送ったのでしょうが、何事もやってみるもんですね。

【音源紹介】
・Cold Winter Nights

STRATOVARIUS「INFINITE」(2000)

  • 2009/05/15(金) 08:12:28

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【No.137】
★★★★★(2000)
年間ベスト2000年第3位

メロディックパワーメタルの王者STRATOVARIUSの8thアルバムは、出世作「VISIONS」と並ぶ名盤となりました。今回はサイコセラピーを受け精神的にも落ち着いたリーダーTimo Tolkki(G)の精神状態を反映しているかのように、明るく前向きな曲が多いのが特徴です。前作「DESTINY」で感じられたマイナス要素もほとんど気になりません。

その特徴が顕著に表れているのがメタルっぽい感触を抑え、ポップセンスが光る①Hunting High And LowとSTRATOVARIUS特有の爽やかさ全開のメタルチューン⑦Freedomで、アルバム全体にもメジャー級の風格が漂っています。その一方でクサメロ満載で突っ走る②Millennium、④PhoenixJens Johansson(Key)のペンによるストレートな疾走曲⑤Glory Of The Worldでメタリックな魅力も十分アピールしてます。中でも④は曲に絶妙のタメとフックを与える名ドラマーJorg Michaelのパワーヒットとリズム感、楽曲のボトムを支えるYari Kainulainen(B)のテクニックに、派手なギター&キーボードソロというSTARTOVARIUSの演奏陣の凄みを改めて思い知らされる1曲です。前作にもあったような大作も2曲あり、そのうちのひとつ③Mother Gaiaで聴けるこれまでになかった壮大で感動的なメロディは、Timoのソングライティングがワンランク上の次元に到達したとさえ思えるほど。多彩な曲をアルバムに詰め込みながら、そのどれもがSTRATOVARIUSらしさを保ってるのが凄いですね。

6th「VISIONS」で数あるメロディックパワーメタルバンドから抜け出し、このジャンルの王者へとのし上がったSTRATOVARIUSが王者としての風格を身につけ、その他大勢のメタルバンドとの差を見せつけるべくメタルシーンに放った1枚が本作「INFINITE」だと思っています。STRATOVARIUSを聴くなら、まずはこの2枚からどうぞ!

【音源紹介】
・Phoenix