【CD購入録】SPIRITUAL BEGGARS「SUNRISE TO SUNDOWN」(2016)

  • 2016/10/05(水) 00:00:00

【CD購入録】
SUNRISE TO SUNDOWN
SPIRITUAL BEGGARS「SUNRISE TO SUNDOWN」(2016)

LOUD PARK16に所謂「アモット枠」で出演するのでは、という大方の予想に反して単独来日公演を10月に行うことが発表されたSPIRITUAL BEGGARSの9作目を買いました。3代目シンガーのApollo Papathanasioが加入して3枚目のアルバムとなります。前任のJB(Vo/GRAND MAGUS)が在籍している頃は大好きなバンドだったのですが、現体制になってからは今ひとつのめり込めずにいました。あまり期待せずに本作を聴いたこともあってか第一印象としては好感触。勢いのあるハードロック①What Doesn't Kill You、キャッチーなギターメロディが曲を引っ張る②Sunrise To SundownPer Wiberg(Key)のハモンドサウンドが存在感を発揮している③Diamond Under PressureLudwig Witt(Ds)が作詞作曲した④Hard Roadと続く序盤は特に良い感じですね。後半に進むにつれてトーンダウンしているように思うし、ボーナストラックにカバー2曲とライヴ5曲を収録というのは流石に多すぎて間延びしてしまっているのが残念ですが…。iPodに本編11曲とカバーソングだけを取り込んでリピートしています。

TIME REQUIEM「THE INNER CIRCLE OF REALITY」(2004)

  • 2015/07/19(日) 00:00:00

THE INNER CIRCLE OF REALITY
【No.437】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第10位

メンバーの5人中4人は前身のMAJESTICと同じながらバンド名を冠した1stアルバムで一段と濃密、そしてテクニカルなサウンドへと変化したTIME REQUIEMの2作目。前作リリース後には初来日、その模様を収めたライブ盤「UNLEASHED IN JAPAN」(2003)を発売したり、新たにSPACE ODYSSEYを立ち上げたりと活動を更に加速させているRichard Andersson(Key)の創作意欲は留まるところを知らないようで、SPACE ODYSSEYのデビュー作「EMBRACE THE GALAXY」(2003)から僅か半年ほどで届けられたTIME REQUIEMの新作となります。リズム隊がメロデス畑の人選からJonas Reingold(B/ex-MIDNIGHT SUN etc)、Zoltan Csorsz(Ds)というTHE FLOWER KINGS組に替わったことが影響してか、前作ほどガッチガチにタイトな演奏ではなく音の隙間が感じられるサウンドになった印象がありますね。

そんな変化が如実に表れているのが、これまでにないプログレッシブ・ロックのような空気を放ちつつテクニカルに進行していく11分超のタイトル曲②The Inner Circle Of Realityです。3分近くに及ぶソロパートではRichardのキーボードは言うまでもありませんが、Zoltanのドラムも凄いことになっていますね。MAJESTICの2nd「TRINITY OVERTURE」(2000)辺りから顕著になってきたSYNPHONY Xテイストが色濃く出たダークなプログレメタル①Reflections、ネオクラシカルメタルの王道をひた走る④Attar Of Rosesやクラシカルなメロディが乱舞する⑧Hidden Memoriesといった従来路線の楽曲も出色の出来。作品のインパクトとしてはデビュー作に及びませんが今回もネオクラファンにとっては十分楽しめる内容となっています。Richard Anderssonの関連作品を語る上で避けられない他のバンドからのパクリに関しては確かにSYMPHONY XやYNGWIE MALMSTEEN、DREAM TEHATERを連想させる場面はあるものの前作ほど露骨ではないように思います(今回は前作やMAJESTICの曲と似ているパートがチラホラあったりしますが…)。

ただRichardが曲調とは関係なく弾きまくるキーボードの音色はバリエーションに乏しく大半が「ピロピロピロピロ…」という電子系の音なので、どうにも単調なムードになってしまうのはマイナス。泣きの叙情バラード⑥Quest Of A Million Soulsはピアノサウンドなどを使っていれば、更に感動を増幅できたと思うのですが…。SPACE ODYSSEYは幼馴染みでもあるMagnus Nilsson(G)と組んだバンドということもあってギターもそれなりに目立っていましたがRichardの独裁体制下で制作されるTIME REQUIEMではギターをかき消さんばかりにキーボードが楽曲を覆い支配しています。全体的なバランスとしてはどうかと思いますが、ここまで来ると強烈な個性として受け入れるしかありませんね(笑)。いくつかの不満点があるとはいえRichardの生み出す楽曲はやはり僕の琴線に触れまくりなので、かなりリピートしていた作品です。

【音源紹介】
The Inner Circle Of Reality

RICHARD ANDERSSON'S TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」(2002)

  • 2015/06/13(土) 00:00:00

TIME REQUIEM
【No.433】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第10位

Richard Anderson(Key)による圧倒的に速いキーボードテクニックとYNGWIE MALMSTEEN、SYMPHONY Xといったバンドからの絶妙な引用フレーズが僕のツボだったスウェーデン産ネオクラシカル・メタルバンドMAJESTICが、契約上の問題からバンド名をTIME REQUIEMへと変更して放つ第1弾アルバム。メンバーはべーシストに若きテクニシャンDick Lovgren(B/LAST TRIBE、ex-ARMAGEDDON etc)が加入していることを除けばMAJESTICの2nd「TRINITY OVERTURE」(2000)と同じです。本作最大の特徴はこれまでのネオクラシカル路線にプログレメタルの要素を加味し、タイトかつテクニカルに生まれ変わっている点でしょう。各メンバーの演奏力にこれまでよりもスポットが当たる作風となっていて、プログレメタルからエクストリーム系まで幅広いバンドに在籍経験のあるPeter Wildoer(Ds/DARKANE、ex-ARCH ENEMY etc)のドラミングがMAJESTIC以上に活かされていますね。

バンド名を冠した9分の長編①Time Requiemでの並外れた緊張感はMAJESTICにはなかったもので、冒頭からTIME REQUIEMというバンドが目指すヴィジョンを明確に示しています。またMAJESTICの作品でも散見された借用フレーズも健在であるばかりか一層大胆になっていますね。いくつか挙げるとすれば歌いまわしがSYMPHONY Xを連想させる②Watching The Tower Of The Skies、YNGWIEのLiar(「TRILOGY」収録)な歌メロが登場する③Milagros CharmDREAM THEATER風のイントロからネオクラ疾走曲へと展開する⑥Visions Of New Dawnなど、といったところでしょうか。それにもかかわらず各曲が今まで以上にカッコいい仕上がりとなっているので、もうこれはRichardの才能だと認めるしかないですね(苦笑)。そんなRichard流コラージュメタル(?)の極致ともいうべき楽曲が⑦Grand Opus。YNGWIEがライブでFar Beyond The Sunのイントロとして演奏することでも有名な「パガニーニのヴァイオリン協奏曲第4番二短調」にボーカルメロディを乗せた歌い出しに始まり、サビメロはYNGWIEのWield My Sword(「ALCHEMY」収録)、そしてキーボードソロでは超有名クラシック曲「モーツァルトの交響曲40番の第4楽章」を挟むというやりたい放題なこの曲は、その継ぎはぎっぷりが奇跡の相乗効果を生み出している名曲です。

そんなパクリッシュサウンドと双璧をなすRichardの個性である鍵盤捌きについても、聴いているこちらの腕がつってしまいそうなほどの速弾きが炸裂する超絶インスト⑤Brutal Mentorを筆頭にもう笑うしかないほどの凄まじさ。Richardが書く難解なパートをきっちりこなす力量を持ちつつもエゴはないApollo Papathanasio(Vo)、Magnus Nordh(G)の両名と屈強のリズム隊も良い仕事をしています。アルバム2枚で消滅したMAJESTIC、Richardが2003年に立ち上げた別バンドSPACE ODYSSEY、そしてこのTIME REQUIEMの3バンドいずれにおいても同じラインナップでアルバムが制作されたことは一度もありませんでしたが、本作のメンバーでもう一度活動してもらいたいですね。借用フレーズの絶妙なセンス、各メンバーの力量など様々な面でRichardの関連アルバムにおいては本作が一番のお気に入りとなっています。

【音源紹介】
Grand Opus

MAJESTIC「TRINITY OVERTURE」(2000)

  • 2015/05/31(日) 00:00:00

MAJESTIC T OVERTURE
【No.432】
★★★(2000)

1999年に「ABSTRACT SYMPHONY」でデビュー、中心人物Richard Andersson(Key)が弾いて弾いて弾き倒すキーボードとYNGWIE MALMSTEENからの影響をダイレクトに反映させた音楽性が話題となったMAJESTICの2ndアルバム。前作リリース後にメンバー間(というかRichard VS 他のメンバー)で一悶着あったようで、今回はMartin Wezovski(B)以外のメンツを一新して制作されています。インタビュー等で元メンバーを公然と批判するRichardのビッグマウスっぷりに「プレイスタイルだけでなく言動もキーボード版YNGWIEだなぁ」と思った記憶がありますね(苦笑)。ちなみにMAJESTICを脱退したJonas Blum(Vo)らはREPTILIANを結成して2枚のアルバムを発表しています。MAJESTICは新メンバーにギリシャ人シンガーApollo Papathanasio、ギタリストにはMagnus Nordh(G)という無名の人材を起用、ドラマーに実力は折り紙つきながら複数のバンドを転々とするイメージが強いPeter Wildoer(Ds/DARKANE、ex-ARCH ENEMY)を迎えていて、益々Richardのワンマン化が進行した印象がありますね。Richardに「俺が唯一知るエゴのない素晴らしいリードシンガー」と評されたApolloはその控えめな性格を活かして(?)EVIL MASQUERADE、FIREMIND、SPIRITUAL BEGGARSなど様々なバンドのシンガーとして活躍していくこととなります。

中身の方は前作の路線をそのまま継承したネオクラシカル道まっしぐらな作品で、YNGWIEの代表曲Rising Force(「ODYSSEY」収録)そのまんまなフレーズで始まるインスト①Entering The Arenaからしてデビュー作で話題になった大胆なパクリセンスが炸裂。ただ今回気になったのは、一連の借用以前に前作のGolden SeaBlack Moon Risingに匹敵するキラーチューンがないことでしょうか。それに加えてキーボードにギターが真っ向勝負を挑む場面も減少していて、バンドが放つスリリングさを担うのがRichardのみとなっているのも寂しいですね。Richard曰く、新ギタリストのMagnusは「自分が書いた難しいパートを文句を言わず忠実に弾いてくれるプレイヤー」だそうなので、今の環境がRichardにとっては理想的なのだとは思いますが、デビューアルバムで漲っていた「聴き手を圧倒するほどのエネルギー」が希薄になっているのは残念。

そんな物足りなさを感じつつも本作、というかMAJESTICというバンドを代表する疾走曲②Voodoo Treasure(ソロパートが凄い)、ミステリアスな曲調の中でクサいメロディが乱舞する④I’ll Shoot The MoonといったYNGWIEに加えてSYMPHONY Xテイストも顔を覗かせる楽曲群は流石の出来だし、ネオクラフレイヴァー満載のスピードチューン⑥Curtain Of Fire、⑧Approaching The Stormなどは、この手のサウンドが好きな身としては堪りません。また本編ラストに配されたタイトル曲⑩Trinity Overtureのメロディも魅力的。こうして見ると偶数曲にお気に入りが集中していますね…。デビューから2作品続けてネオクラシカル道を邁進するアルバムを発表したMAJESTICでしたがレーベル、マネジメントとの関係が悪化したため本作を最後にバンドは活動を停止。Richardはほぼ同じメンバーで2002年にTIME REQUIEMを立ち上げ、新たなスタートを切ることとなります。

【音源紹介】
Voodoo Treasure

【CD購入録】SPIRITUAL BEGGARS「EARTH BLUES」(2013)

  • 2013/11/29(金) 00:00:00

【CD購入録】
EARTH BLUES
SPIRITUAL BEGGARS「EARTH BLUES」(2013)

Michael Amott(G)ARCH ENEMYと並行して活動させているSPIRITUAL BEGGARSの8作目を買いました。シンガーが3代目のApollo Papathanasio(ex-FIREWIND、TIME REQUIEM etc)に交代して初のアルバムでもあった7th「RETURN TO ZERO」(2010)は流石のクオリティではあったものの、今ひとつのめり込めずにいたのですが今回は前作よりも聴きやすい印象ですね。基本線は近作と同じオールドスタイルのハードロックでMichaelのギターが随所で見せ場を作っていて④Hello Sorrow、⑤One Man's Curse などはなかなか魅力的。ただ、やはり名盤「AD ASTRA」(2000)や前任ボーカルJB(GRAND MAGUS)在籍時の作品に比べると物足りないような気もします。ARCH ENEMYの最新作「KHAOS LEGIONS」(2011)も以前の作品ほどハマることがなかったのでMichaelが生み出す楽曲と僕の嗜好がズレてきたのかな…。

【CD購入録】SPIRITUAL BEGGARS「RETURN TO ZERO」(2010)

  • 2010/12/09(木) 00:00:00

【CD購入録】
RETURN TO ZERO
SPIRITUAL BEGGARS「RETURN TO ZERO」(2010)

5th「ON FIRE」(2002)から加入した実力派ボーカリストJBが自身のバンドGRAND MAGUSに専念するために脱退、後任にApollo Papathanasio(Vo/FIREWIND etc、ex-MAJESTIC、TIME REQUIEM etc)を迎えたMichael Amott(G/ARCH ENEMY)率いるSPIRITUAL BEGGARSの7作目を買いました。今回の注目はなんと言ってもニューシンガーApolloですね。僕は彼が現在メインに活動しているFIREWINDよりもマフィアっぽい風貌とRichard Anderson(Key/TIME REQUIEM、SPACE ODYSSEY etc)が書く難しい高音域をカスレ気味ながら、なんとか歌っていたMAJESTIC~TIME REQUIEM時代の印象が強くApolloがSPIRITUAL BEGGARSのサウンドとマッチするのか疑問に思っていましたが、これが予想以上のはまりっぷりで驚きました。メロディックメタルだけでなく、こういう70年代ハードロックまでも歌いこなす器用さを持っていたとは…。JBの野太い歌声に比べると、やや線が細く感じられるもののそれは相手が悪すぎるというものでしょう。FIREWINDやTIME REQUIEMでのApolloでは披露していなかった渋いディープボイスが良いですね。楽曲に関しては元来、聴けば聴くほど味の出るスルメ体質のバンドであるため即効性の高いキラーチューンはなく、聴き込みを必要としそうですがリピートを誘う魅力は確かに存在していますね。目下ヘヴィローテーション中です。

【CD購入録】FIREWIND「THE PREMONITION」(2008)

  • 2010/02/23(火) 00:00:00

【CD購入録】
THE PREMONITION
FIREWIND「THE PREMONITION」(2008)

ギリシャ人ギタリストGus G.率いるFIREWINDの5作目を買いました。僕はこのバンドのデビュー作と前作「ALLEGIANCE」を聴いたことがあるのですがデビュー当時はGusのソロプロジェクトっぽかったし、DREAM EVILMYSTIC PROPHECYを脱退し、ARCH ENEMY加入の誘いを断ってまで注力した前作は楽曲があまり印象に残らず、CDラックに眠ってしまっていました。ところが本作では飛躍していますね。何と言ってもメロディの魅力が大きく向上しています。熱さほとばしるメタルチューン①Into The Fire、②Head Up Highやケルテイックムード漂うハードロック③Mercenary Manを筆頭に前半が特に充実していますね。日本盤ボーナス⑪Ride To The Rainbow's Endもメロディック・メタルファンには堪らない疾走曲です。また今のFIREWINDはGusのワンマンバンドではなく、MAJESTICTIME REQUIEM在籍時に来日した経験もあるApollo Papathanasio(Vo/EVIL MASQUERADE)、ソロでも活躍するBob Katsionis(Key)らがいて、Gusと張り合ってくれているのも好印象。残念ながらMark Cross(Ds/ex-HELLOWEEN、METALIUM)はバンドを離れてしまったようですが、2010年にリリース予定の新作も楽しみです。と、その前に前作も聴き直してみようかな。