【CD購入録】FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

  • 2017/03/22(水) 00:00:00

【CD購入録】
IMMORTALS.jpg
FIREWIND「IMMORTALS」(2017)

2009年にOZZY OSBOURNEのツアーに帯同、翌年にリリースされたアルバム「SCREAM」にも参加していたギリシャ人ギタリストGus G.のメインバンドFIREWINDの8作目を買いました。5th「THE PREMONITION」(2008)などを聴いて手堅い正統派ヘヴィメタルが楽しめる一方でFIREWINDならではの決め手に欠けるイメージがありました。そんな理由からここ最近の2作品はノーチェックだったし、本作も当初はスルーの予定だったのですがB!13さんからコメントをいただいたことがきっかけで①Hands Of Time、③Ode To Leonidas、④Back On The Throneのオフィシャル音源を聴いてみたところ予想以上にメロディックパワーメタル寄りで僕好みだったので購入した次第です。今回のアルバムに収録されている楽曲にはメロパワ界きってのプロデューサーDennis Ward(B/PINK CREAM 69、UNISONIC)とGusによるプロジェクトのために書かれたマテリアルも含まれているそうで、その制作過程が今回の作風に影響しているのかもしれませんね。2015年に加入し、本作が初めてのスタジオ盤となるHenning Basse(Vo/ex-METALIUM)の歌唱はRob Rock(Vo/IMPELLITTERI)を彷彿とさせる熱唱系でバンドとの相性も良さそうです。本作は「テルモピュライの戦い」、「サラミスの海戦」という古代ギリシャの2つの戦いを題材にしたバンド初のコンセプトアルバムですが、各曲をシームレスに繋いだりSEを用いたりすることなく通常作品と同じく個々の楽曲が独立した構成となっています。ギリシャのバンドと言えばGus Drax(G)率いるSUNBURSTKosta Vreto(G)が在籍するWARDRUMといった期待の若手が相次いでシーンに登場していますが15年近いキャリアを誇るFIREWINDも負けていませんね。

SYMPHONY X「TWILIGHT IN OLYMPUS」(1998)

  • 2017/03/18(土) 00:00:00

TWILIGHT IN OLYMPUS
【No.489】
★★★(1998)

3rd「THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY」(1996)が過去のアルバムを凌駕する出来だったこともあり、それまでの日本に加えてヨーロッパでも人気に火がつきはじめたSYMPHONY Xが放つ4作目。ギターサウンドがグッとヘヴィになってファンを驚かせた前作よりも初期2作品で濃かったネオクラシカルテイストが前に出ているため、本作が2nd「THE DAMNATION GAME」(1995)の次のアルバムと言われてもシックリくる作風です。これまで不動だった演奏陣にメンバーチェンジがありドラマーのJason Rulloがレコーディング前に脱退、後任にTom Walling(Ds)を迎えていますが次回作「V: THE NEW MYTHOLOGY SUITE」(2000) ではJasonが復帰しています。

毎回思うのですが、このバンドはアルバムの掴みがいつも強力ですね。今回もネオクラシカルなフレーズが乱舞する疾走曲①Smoke And Mirrors、SYMPHONY Xにしては珍しく一緒に歌えそうなサビと「ヘイ!ヘイ!」という掛け声をフィーチュアした②Church Of The Machineから間髪入れずにベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」をモチーフにしたインスト小品③Sonataを挟み、④In The Dragon's Denで再びパワフルに疾走する流れに引き込まれました。今回のアルバムは全8曲と収録曲が少ないのですが後半も「鏡の国のアリス」を題材にした13分の大作⑤Through The Look Glass (PartⅠ,Ⅱ,Ⅲ)に始まり、やや薄味ながらも疾走感が心地よい⑥The Relic、メロディが捻くれているため即効性はないもののMichael Romeo(G)Michael Pinnella(Key)による圧巻のソロバトルが楽しめる⑦Orion - The Hunter、和音階を取り入れた叙情バラード⑧Lady Of The Snowなど魅力的なナンバー並びます。

Candlelight Fantasia、Out Of The Ashesというバンドの「静」と「動」それぞれの魅力を凝縮した名曲を収録した3rdに比べると小粒な感は否めませんが、今回もネオクラシカルのマスターピース①を筆頭になかなかの力作に仕上がっています。また②の「バ〜ゥ ダ〜ゥ♪」という歌い出し(サビから曲がスタートするのはこのバンドで初めてかも)や⑥のサビメロなど一度聴いただけで口ずさんでしまいそうなメロディがあるのも本作の特徴でしょうか。当時のSYMPHONY Xはライヴを行っておらず事実上スタジオバンドだったことを差し引いても1994年にデビューして以降、ほぼ毎年フルアルバムを作り上げる彼等の創作意欲には頭が下がりますね。なおバンドは1998年6月に初来日公演(SYMPHONY Xとして初のライヴだったとか)を行い、その後ワールドツアーを敢行するなどライヴ活動が本格化していくため次作からはアルバム発表の間隔は2年毎、4年毎と長くなっていくこととなります。

【音源紹介】
Smoke And Mirrors

【CD購入録】KISKE/SOMERVILLE「CITY OF HEROES」(2015)

  • 2017/03/14(火) 00:00:00

【CD購入録】
CITY OF HEROES
KISKE/SOMERVILLE「CITY OF HEROES」(2015)

PLACE VENDOME、UNISONICなどでも精力的に活動するMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)と、様々なメタルバンドへのゲスト参加を経てSascha PaethプロデュースのTRILLIUM名義で2011年にアルバムを発表した女性シンガーAmanda SomervilleによるデュエットプロジェクトKISKE/SOMERVILLEの2作目を買いました。本作のソングライティング面の中核を担うのはMat Sinner(B)、Magnus Karlsson(G)PRIMAL FEAR組で⑥Breaking NeptuneのみSander Gommans(G/ex-AFTER FOREVER)とAmandaの共作となっています。全体的な印象としてはPLACE VENDOMEよりもメタル寄りで、曲によってはゴシックメタル風のアレンジも垣間見えます。いかにもオープニングという感じの勢いがある①City Of Heroes、ジャーマンメタル系の明るいメロディを持った⑧Open Your Eyes、ポップフィーリングに溢れる⑫Right Nowなどがお気に入りです。それにしても、ここ最近のMichaelはかなりのハイペースで作品を発表していますね。特に2009年〜2017年の間にはKISKE/SOMERVILLE、PLACE VENDOME、UNISONICでフルアルバムを7枚もリリースしているし、それに加えてAVANTASIAなど多数のプロジェクトにゲスト参加しているため彼が歌う新曲が毎年発表されているのではないでしょうか。Michaelの大ファンの僕としては嬉しい反面、供給過多に感じて有り難みが薄れてしまっている、というのが正直なところです。贅沢な話だというのはわかっているのですが…(苦笑)。

【CD購入録】PLACE VENDOME「THUNDER IN THE DISTANCE」(2013)

  • 2017/03/11(土) 00:00:00

【CD購入録】
THUNDER IN THE DISTANCE
PLACE VENDOME「THUNDER IN THE DISTANCE」(2013)

今年の2月に最新作4th「CLOSE TO THE SUN」をリリースしたPLACE VENDOMEの3作目を買いました。もともとFRONTIERS RECORDSの社長Serafino Pergino発案の「Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)が歌うAORプロジェクト」というアイデアから誕生したこともあって今回もレーベル所縁のソングライター達による良質の楽曲群をMichaelが朗々と歌い上げています。作曲の中核を担っているのはLIONVILLEなどで活動するAlessandro Del Vecchio(Key)で収録曲の約半数を手がけているほか、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR etc、ex-LAST TRIBE)、Timo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS etc)といった著名ライターも1曲ずつを提供しています。作品を重ねる度に音楽性がソフトになっきているのはMichaelが歌う「バンド」UNISONICとの差別化を図るためでしょうか。心地よく聴ける作品なのは間違いないし、王道的バラード⑤It Can’t Rain Forever、軽快なアップテンポ⑧Never Too Late(UNISONICに同名異曲が、PLACE VENDOMEの1stにはToo Lateという曲が収録されていましたね)、Magnus Karlssonらしいメロディが楽しめる⑪Break Out辺りは好きな曲ですが全体的にもう少しパンチが欲しいような気もしますね。といいつつ、気がつけばリピートしている1枚です。

【気になるCDリスト】2017年3月

  • 2017/03/07(火) 00:00:00

SOULDANCE.jpg
ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)3月22日発売予定

2013年にデビューした南米ペルー出身のメロディックパワーメタルバンドNAUTILUZのベーシストJorge Higginsonが立ち上げたニューアクトANCESTRAL DAWNの1stアルバム。NAUTILUZにはアルバム発表と同じ年に新たなベースプレイヤーが加入しているようなのでJorgeは元NAUTILUZとなるのでしょうか。そんなこと(?)はさておき本作はRalf Scheepers(Vo/PRIMAL FEAR)、Fabio Lione(Vo/ANGRA、ex-RHAPSODY OF FIRE)、Mark Boals(Vo/ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN etc)といった実力派シンガーがゲスト参加したメロパワ作品になっているようなので気になっています。

StormHaze


MONUMENTUM_20170305185739a70.jpg
ECLIPSE「MONUMENTUM」(2017)3月8日発売予定

現代メロディアスHR/HM界屈指のソングライターErik Martensson(Vo)率いるECLIPSEの6作目。昨年には初来日も果たした上に、約4年毎だったアルバムリリースの間隔も短くなっていてバンドが活性化しているのを感じます。中身の方も期待を裏切らないハードロック作品になっていそうですね。

Never Look Back


NORTHERN HELL SONG
GYZE「NORTHERN HELL SONG」(2017)3月29日発売予定

「道産子メタルで世界へ宣戦布告」というキャッチコピーで発表される北海道出身のメロデスバンドGYZEの3rd。過去2作品がどちらも良かったので今回も楽しみにしています。バンドは現在(3月〜4月上旬まで)ヨーロッパツアー中のようで、ここからワールドワイドな活動に展開してくれると嬉しいですね。

Northern Hell Song


【気になるCDリスト】
ALPHOENIX「FINAL CRUSADES」(2017)4月12日発売予定NEW

ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)3月22日発売予定
StormHaze
Rise Of The Ancestor
プレビュー

ECLIPSE「MONUMENTUM」(2017)3月8日発売予定
Vertigo
Never Look Back

FIREWIND「IMMORTALS」(2017)
Hands Of Time
Ode To Leonidas
Back On The Throne

GYZE「NORTHERN HELL SONG」(2017)3月29日発売予定
Northern Hell Song
Dead Bone Blue
Pirates Of Upas
トレイラー

KELLY SIMONZ'S BLIND FAITH「OVERTURE OF DESTRUCTION」(2017)4月5日発売予定

LIONVILLE「A WORLD OF FOOLS」(2017)
I Will Wait
A World Of Fools

MORS PRINCIPIUM EST「EMBERS OF THE DYING WORLD」(2017)
Reclaim The Sun

PLACE VENDOME「CLOSE TO THE SUN」(2017)
Welcome To The Edge
Light Before The Dark
HereAfter

PRIDE OF LIONS「FEARLESS」(2017)
The Tell
Silent Music
The Light In Your Eyes
All I See Is You

SERENITY IN MURDER「THE ECLIPSE」(2017)
The Revelation
Land Of The Rising Sun
Dancing Flames

STEEL PANTHER「LOWER THE BAR」(2017)4月5日発売予定NEW
Anything Goes

TOKYO MOTOR FIST「TOKYO MOTOR FIST」(2017)
Love Me Insane
Shameless
Put Me To Shame
Love

TWILIGHT FORCE「HEROES OF MIGHTY MAGIC」(2017)国内盤
Flight Of The Sapphire Dragon
Powerwind

VORCHAOS「VORCHAOS」(2017)
LET IT DIE~おまえに届くまで~

摩天楼オペラ「PANTHEON-PART 1-」(2017)4月12日発売予定NEW

SYMPHONY X「THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY」(1996)

  • 2017/03/02(木) 00:00:00

THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY
【No.488】
★★★★(1996)

圧倒的な演奏テクニックとアメリカのバンドらしからぬ叙情メロディで、日本のパワーメタルファンの心を掴んだSYMPHONY Xの3作目。このアルバムはバンド初期の代表作であり、2017年現在でもSYMPHONY Xの最高傑作に挙げられることも多い1枚です。過去の作品に比べるとギターが骨太になりヘヴィでモダンなサウンドを導入している点に変化が見られるものの、肝心のメロディは疎かになるどころか更に磨きがかかっていますね。従来のネオクラテイストは減退し、本作以降も程度の差こそあれどその傾向は維持されているため本作でSYMPHONY Xサウンドが確立されたと言えるかもしれません。複雑になりがちな彼等の作品群の中では比較的わかりやすいメロディが多いので僕にとってもお気に入り盤となっています。

本作はなんと言ってもアルバム序盤の流れが圧巻です。過去2作品とは明らかに異なるヘヴィネスに驚かされるものの楽曲の根幹はSYMPHONY X節全開な①Of Sins And Shadows、このバンド特有のミステリアスな雰囲気の中で炸裂するMichael Romeo(G)の滑らかなギターソロとそれに対抗するMichael Pinnella(Key)、そこにThomas Miller(B)のテクニカルプレイも加えた②Sea Of Lies、怒涛の勢いと哀愁のメロディが高次元で融合したSYMPHONY Xの最速チューンにして本作のハイライト③Out Of The Ashesの3曲はどれもがキラーチューンと呼べるほどの素晴らしさ。そんな疾走系3連発の後を受け継ぐ④The Accoladeは10分近くある長尺曲で、ここでは一転してバンドのプログレメタルの側面を強調していて聴き応え満点です。この一連の流れは前作「THE DAMNATION GAME」(1995)のThe Damnation Game、Dressed To KillからThe Edge Of Foreverへ繋がる展開を彷彿とさせますが、更にグレードアップしていてバンドの成長を感じさせてくれます。

また本作はラストを⑨Candlelight Fantasiaという超名曲で締めくくっているのも大きなポイント。この曲で聴ける「悲哀のメロディの極致」と呼ぶべき美旋律が堪りません。個人的には③と⑨の2曲を聴くためだけに本作を買う価値があると思いますね。そして7部構成20分越えの超大作⑧The Divine Wings Of Tragedyも存在感抜群。各パートの繋ぎ方が強引だったり、率直に言って長すぎると感じたりするのも事実ですがSYMPHONY Xの凄みを見せつけてくれています。これらの曲のインパクトが大きいために、ヨーロッパ民謡風フレーズを散りばめたネオクラ疾走曲⑦The Witching Hourなどは単体で聴けば十分魅力的なのですが、本作の中では影が薄くなっていますね。一方で捻くれた歌メロが怪しげな雰囲気を醸し出す⑤Pharaohは聴けば聴くほどクセになるナンバーです。楽曲の充実度が過去最高なのに加えて、バンドのウィークポイントだった音質面も改善されているのも好印象。SYMPHONY Xをこれから聴くという方には、まず本作をオススメしたいですね。

【音源紹介】
Candlelight Fantasia

【CD購入録】BE THE WOLF「IMAGO」(2015)

  • 2017/02/26(日) 00:00:00

【CD購入録】
IMAGO.jpg
BE THE WOLF「IMAGO」(2015)

イタリアはトリノ出身のスリーピースバンドBE THE WOLFの1stアルバムを買いました。イタリアといえばRHAPSODY、TRICK OR TREATといったパワーメタル系、LIONVILLEのようなメロハーバンドが思い浮かびますがBE THE WOLFはエモ/スクリーモ系に分類されそうなサウンドですね。個人的にはMY CHEMICAL ROMANCEっぽさを感じました。リーダーでもあるFederico Mondelli(Vo、G)が生み出す楽曲群はハードでありながら適度な哀愁を含んでいて僕が好きなタイプだし、幅広いロックファンにアピールできそうなメジャー感もあって本作がデビューアルバムだとは思えませんね。調べてみるとバンドの結成は2011年にまで遡り、2013年からYouTubeでPVを続々とアップしていて本作の収録曲のうち8曲がYouTubeで公開していた音源なのだとか。お気に入りは「ウウ ウウウ〜♪」と歌うコーラスが耳に残る③The Fallですね。今回のアルバムはバンドが結成以来、書き溜めてきた曲を纏めた1枚という見方もできるので次作から真価が問われるのかもしれません。その2nd「ROUGE」(2016)も、いつか聴いてみようと思っています。

SYMPHONY X「THE DAMNATION GAME」(1995)

  • 2017/02/22(水) 00:00:00

THE DAMNATION GAME
【No.487】
★★★(1995)

Michael Romeo(G)率いるSYMPHONY Xがバンドの声と呼べる看板シンガーRussell Allenを迎え、デビュー作「SYMPHONY X」(1994)から僅か9ヶ月という短いインターバルで発表した2ndアルバム。僕が初めてこのバンドの音に触れた1枚でもあります。音楽性は前作と同じくネオクラシカル風サウンドを盛り込んだプログレメタルながら、クオリティは大幅にアップしていますね。その功労者はやはりRussellでしょう。今ではマフィアのボスのような風貌でドスの効いた歌声を響かせてリスナーを圧倒するスタイルを持ち味としている彼ですが、本作では比較的クリーンに歌っている場面が多いですね。剛柔どちらでも表現力豊かに歌い上げられるRussellがバンドに加わったことでSYMPHONY Xのラインナップは完成したと言えると思います。バンドは本作以降リズム隊に若干のメンバーチェンジがあったもののMichael Romeo、Russell AllenそしてMichael Pinnella(Key)の3人は不動で2017年現在まで活動しています。

楽曲面でもスケールアップを遂げていて、イントロ数秒で聴き手の心をガッチリ掴む疾走曲①The Damnation Game、怪しげなムードの中で緊迫感溢れるサビメロが冴え渡る②Dressed To Killの畳み掛けが実に強力!そんなオープニング2曲に続く③The Edge Of Foreverはドラマティックな長編曲で、バラード風に始まり終盤へ向かうに連れて盛り上がっていく展開が秀逸です。中でも3分15秒辺りのピアノソロが凄く印象的で、僕としてはテクニカルなギターソロ以上にこういうパートを聴くと「SYMPHONY Xだなぁ」と感じます(少数意見かもしれませんが)。また⑤Whispersは優しくも儚いメロディが至福のひとときを与えてくれる逸品。こういう楽曲はバンド初期ならではの特徴だと思いますね。

YNGWIE MALMSTEENHELLOWEENでHR/HMに目覚めたメタラー1年生(1995年当時)の僕にとって本作の①と②はあまりに衝撃的でした。幸か不幸かこの2曲がこのバンドとの出会いだったため、本作の後半や彼等の他のアルバムを聴く時にハードルが上がってしまい、結果として「SYMPHONY Xは好きな曲とそうでない曲の落差が激しいバンド」というイメージが僕の中で定着してしまった感があります(苦笑)。率直に言うと、もっとわかりやすいメロディが欲しいんですよね…。とはいえデビュー作と比べるとボーカル交代は成功だったと思うし、まだ物足りなさは残るものの音質も向上しているので順当な成長作と言えるでしょう。ちなみに今回ブログ記事を書くために聴き直すまで、本作の後半に収録された曲は印象に残っていなかったのですが最近になってラストを飾る⑧A Winter's Dream - Prelude(Part I)、⑨A Winter's Dream - The Ascension(Part II)の2部作がジワジワと好きになってきました。

【音源紹介】
Dressed To Kill

【CD購入録】BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

  • 2017/02/18(土) 00:00:00

【CD購入録】
BRINGER OF PAIN
BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

ジャケットからしてインパクト抜群なBATTLE BEASTの4作目を買いました。過去のアルバムで創作面のイニシアティブを握っていたAnton Kabanen(G)が前作「UNHOLY SAVIOR」(2015)リリース後に脱退したと聞いた時にはバンドがどうなるのか心配でしたが、ここに届けられた新作はそんな不安を吹き飛ばすばかりか最高傑作なのではないかと思えるほどの充実盤となっています。シンセサウンドを纏いながら駆け抜けていくアップテンポ①Straight To The Heartを聴いて今まで以上に僕好みのメロディアスな作風で手応えを感じていたら、それ以降もテンションが下がることなくあっという間に聴き終えてしまったという感じです。メロディ志向の楽曲群の中でガツンと来るタイトル曲②Bringer Of Pain、重厚なヘヴィサウンドでアルバムに起伏をつけている⑥Lost In Wars、「ウィ!ウィル!ファァィ!」と初めて聴いた時から歌えてしまった⑧We Will Fight、タイトル通りのダンサブルチューン⑨Dancing With The Beast、本編を見事に締めくくるバラード⑩Far From Heaven などバラエティに富んでいる点も見逃せません。それに加えてボーナストラックもBATTLE BEASTらしいメタルソング⑪God Of War、クワイアが荘厳な雰囲気を醸し出す⑫The Eclipse、ロックンロールテイストに溢れた⑬Rock Trashと充実しています。バンド史上最大の危機を見事に乗り越えた本作は気が早いかもしれませんが2017年の年間ベスト入りは確実だと思います。

SYMPHONY X「SYMPHONY X」(1994)

  • 2017/02/14(火) 00:00:00

SYMPHONY X
【No.486】
★★(1996)

今や押しも押されぬネオクラシカル系プログレメタルバンドの重鎮としてその名を馳せるSYMPHONY Xが1994年にリリースした1stアルバム。デビュー当時はグランジ/オルタナティヴ全盛期ということもあって母国アメリカやヨーロッパでは全くと言っていいほど話題にならず、ゼロ・コーポレーションが彼等を発掘して日本でのみリリースされた作品のようです。このアルバムの時点でダークかつミステリアスなSYMPHONY Xサウンドは既に確立されているものの、僕は2nd「THE DAMNATION GAME」(1995)でこのバンドを知り、後追いで本作を聴いたため物足りなさを感じる点も少なくありません。その最たる例が本作でフロントマンを務めていたRod Tyler(Vo)のボーカルで、独特の味があるヘタウマ系と感じる場面もなくはないですが、次作から加入する実力派Russell Allen(Vo)に比べると不安定さが目立ってしまいますね…。

そんな弱点があるのは事実ながら僕の琴線に触れる楽曲も聴くことができます。特に④Masqueradeはゼロ・コーポレーションが所属アーティストの曲をテーマ毎に集めたコンピレーション盤「煌 CRYSTAL」(1996)に収録されているほか、バンド自身も1998年にリメイクしたバージョンをベストアルバムの1曲目、6th「THE ODYSSEY」(2002)のボーナストラックに再録している初期の代表曲です。それ以外にも「トゥナ〜イ♪」のコーラスが耳に残る②The Raging Season、骨太なサウンドに変化した今では聴けそうにないメロウなバラード⑥Shades Of Grey、キャッチーなサビメロを持った⑧Rapture Or Pain辺りは結構好きですね。コーラスワークにQUEENっぽさが感じられるのも本作ならではの特徴でしょうか。

DREAM THEATERに通じるプログレッシブメタルにYNGWIE MALMSTEENを彷彿とさせるネオクラシカルテイストを融合させたものがSYMPHONY Xの根幹部だと思っているのですが、その中でも本作はネオクラ要素が強い作風となっています。リーダーでもあるMichael Romeo(G)の流麗なギタープレイは同時期の本家YNGWIE以上に聴き応えがありますね。SYMPHONY Xは作品を重ねる度に複雑でプログレ色が濃くなっているので、このバンドの中では比較的聴きやすい1枚だと思います。本作はボーカルと音質(特にドラム)に難はあるものの、ダイヤの原石のような輝きも見せてくれる作品なので現メンバーでリメイクすると面白いかもしれませんね。

【音源紹介】
Masquerade