fc2ブログ

【現在の愛聴盤】KHALIL TURK & FRIENDS「TURKISH DELIGHT : VOLUME 2」(2023)

  • 2023/09/30(土) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
TURKISH DELIGHT VOLUME 2
KHALIL TURK & FRIENDS「TURKISH DELIGHT : VOLUME 2」(2023)

ESCAPE MUSICの共同経営者Khalil Turkが立ち上げたプロジェクトKHALIL TURK & FRIENDSが前作から約9ヶ月という短いスパンで完成させた2ndアルバム。今回も総勢40名以上の豪華ゲストを迎えていてニューフェイスとしてDino Jelusick(Vo/JELUSICK)、James LaBrie(Vo/DREAM THEATER)、Kai Hansen(G、Vo/GAMMA RAY、HELLOWEEN)、Mark Boals(Vo/ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN etc)、Ralf Scheepers(Vo/PRIMAL FEAR)といったヘヴィメタル寄りのメンバーが増えている感がありますね。メンバーの詳細は ESCAPE MUSICのこちらのページをご覧ください。またスウェーデンのデスメタルバンドUNLEASHEDでも活動しているFredrik Folkare(G)が大半のソングライティングとミックス、マスタリングに携わっていることもあってか前作よりもヘヴィな仕上がりとなりつつ、Khalil がプロデューサーとしてイニシアチブを握っているのでメロディアスな作風はしっかりキープされています。サウンド的にはPRIMAL FEARの時とは一味違うRalf Scheepersのマイルドな一面が垣間見える①No One Knows Your Name、Mark Boalsの堂々たる歌いっぷりに惚れ惚れするミドル④I Am Ready、憂いを帯びたメロディとJames LaBrieの歌唱がお互いを引き立てる⑥Hold Your Future、Dino Jelusickの男前なボーカルが見事なハードロック⑫We Carry Onといったメタルシンガーの楽曲に注目してしまいますが、ハイライトは曲名通り高みに登っていくようなメロディが爽快感をもたらす⑧Higherとメロディアスハードのお手本のような⑨Don't Surrenderですね。2枚続けて充実した内容だったし、アルバムを量産できそうな体制なので今後に期待が高まっています。

【現在の愛聴盤】KHALIL TURK & FRIENDS「TURKISH DELIGHT : VOLUME 1」(2022)

  • 2023/09/25(月) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
TURKISH DELIGHT VOLUME 1
KHALIL TURK & FRIENDS「TURKISH DELIGHT : VOLUME 1」(2022)

1995年に設立されたメロディックロック系レーベルESCAPE MUSICの経営陣の1人であるKhalil Turkが主導するプロジェクトKHALIL TURK & FRIENDSの1stアルバム。このプロジェクトを語る上で欠かせないのが30年近くこの業界で活躍してきたKhalilの人脈を存分に活かしたFRIENDSの豪華さでしょう。Steve Overland(Vo、G/FM etc)、Chris Ousey(Vo/HEARTLAND etc)、Steve Morris(G/HEARTLAND etc) 、Mick Devine(Vo/SEVEN)、Steve Newman(Vo/NEWMAN)、Tommy Denander(G/RADIOACTIVE etc)らが提供したものからKhaili自身が選定したという楽曲群はメロディアスハードの王道チューンやバラードからブルージーなナンバーまで流石のクオリティを誇っているし、参加メンバーもざっと見ただけでもJeff Scott Soto(Vo/SONS OF APOLLO、W.E.T.、ex-TALISMAN、YNGWIE MALMSTEEN etc)、Ronnie Romero(Vo/LORDS OF BLACK、RAINBOW etc)、Tony Harnell(Vo/STARBREAKER、TNT etc)、Mat Sinner(B/PRIMAL FEAR、SINNER)、Billy Sheehan(B/MR.BIG、SONS OF APOLLO etc)といった面々が名を連ねています。全てのメンバーを紹介するとなると、かなりの人数になるので詳細は ESCAPE MUSICのこちらのページをご覧ください。楽曲も粒揃いで哀愁のメロディが秀逸なミドル⑤Never Will Forget、Jeff Scott Sotoの熱唱がハマっているハードチューン⑥Harder They Fall、AOR風の軽やかなサウンドが心地よい⑧Believe、瑞々しいメロディが耳を捉える⑩State Of Mind、⑫Holy Water、⑭Take It Awayなどがお気に入りですね。アルバム全体としては優等生的で手堅すぎる感もありますがメロディアスハードファンならば聴いて損のない1枚だと思います。

【現在の愛聴盤】OBLIVION PROTOCOL「THE FALL OF THE SHIRES」(2023)

  • 2023/09/20(水) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
THE FALL OF THE SHIRES
OBLIVION PROTOCOL「THE FALL OF THE SHIRES」(2023)

リーダーのKarl Groom(G)と共に英国産プログレメタルバンドTHRESHOLDの中核を担うRichard West(Key)が立ち上げたニューアクトOBLIVION PROTOCOLの1stアルバム。本作はTHRESHOLDが2017年にリリースした2枚組仕様の11th 「LEGENDS OF THE SHIRES」の続編だそうで、RichardはTHRESHOLDとしての制作を望んでいたものの他のメンバーの反対にあい頓挫したためRuud Jolie(G/WITHIN TEMPTATION)、Simon Andersson(B/DARKWATER)DEVIN TOWNSENDのライヴ・ドラマー Darby ToddがRichardの下に集結して本作はレコーディングされています。サウンドとしてはTHRESHOLDよりもソフトかつメロウで近未来/SF的な雰囲気を纏ったプログレッシブHR/HMという感じですね。メタリックな高揚感は希薄ながら幻想的でメロディアスな世界観は聴いていて心地よいし、Richardのマイルドな歌声も本作にマッチしていると思います。お気に入りは哀メロ成分強めの先行公開曲④This Is Not A Test、⑦Forests In The Falloutですね。なお本プロジェクト誕生の経緯を踏まえるとRichardとTHRESHOLDの関係性が悪化するのではないかと懸念していましたが、RichardはTHRESHOLDの12th「DIVIDING LINES」(2022) でもプレイしているし、Karl Groomも本作でギターソロを弾いているので問題なさそうです。

【現在の愛聴盤】人間椅子「色即是空」(2023)

  • 2023/09/15(金) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
色即是空
人間椅子「色即是空」(2023)

現在このブログで過去作品を1stアルバムから順番に取り上げているほか、バンドの公式本「椅子の中から 人間椅子30周年記念完全読本」や和嶋 慎治(G、Vo)の自伝エッセイ「屈折くん」、バンド名の元となった江戸川乱歩の小説「人間椅子」を読むなど最近ハマっている人間椅子の23作目。「この世のものには実体がない」という意味の仏教用語「色即是空」をタイトルとし、この世に別れを告げる曲名の①「さらば世界」で幕を開ける本作は暗くネガティブな世界観かと思いきや、サウンド的には世を儚みつつもエネルギッシュでシンガロングを誘うパートも多く前作「苦楽」(2021)に通じる前向きな要素もありますね。タイトルを見ても「神々」「悪魔」「人間」「宇宙」など前作と共通するワードが散見され、バンドが今の方向性に手応えを感じていることが伝わってきます。楽曲的にもイントロのギターを聴いた時点で本作が充実盤であることを予感させるオープニングの①、神々の戦いを相撲に例え「はっけよい はっけよい はっけよい の〜こったぁ〜♪」と鈴木 研一(B、Vo)がしゃがれ声で歌う②「神々の決戦」、「オォーーーッ⤴︎」という掛け声にテンションが上がる⑤「狂気人間」、前作の「疾れGT」にあった昭和のヒーロー感を更に強化した⑦「宇宙電撃隊」ナカジマノブ(Ds)の荒々しいボーカルがハマっているパンキッシュな⑨「未来からの脱出」、アコースティックバラード⑪「星空の導き」から一転してドロドロした空気を放つヘヴィチューン⑫「蛞蝓(なめくじ)体操」など聴き応えのあるナンバーが並びます。そしてハイライトとなっているのがセリフパートも交えつつ起伏のある展開で進行していくドラマティックチューン⑬「死出の旅路の物語」で、サビの最後で曲名を歌い上げるパートのメロディ運びが秀逸。全13曲で約71分と長丁場のアルバムでありながら繰り返し聴きたくなる魅力がありますね。

【現在の愛聴盤】CYHRA「THE VERTIGO TRIGGER」(2023)

  • 2023/09/10(日) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
THE VERTIGO TRIGGER
CYHRA「THE VERTIGO TRIGGER」(2023)

メランコリックな雰囲気を纏った楽曲群が特徴のモダン・メロディックメタルバンドCYHRAの3rdアルバム。今回もバンドの持ち味は健在でメンバーがバンド史上最速と語る⑧If Iのような前のめり気味のナンバーもありますが、メロディをじっくり聴かせるミドルテンポが主体となっています。そんな楽曲の魅力を最大限に引き出しているのがJake E(Vo/ex-AMARANTHE)のボーカルで、適度に掠れた彼の歌声とCYHRAサウンドの相性の良さを再確認しました。お気に入りはダイナミックな展開の中で哀メロが光る①Ready To Rumble、デジタリーなイントロからCYHRAらしいメロディへと繋がり間奏の不穏なピアノも印象的な③Live A Little、ダークでありながらリズミカルな曲調が心地よい④1,000,000 Fahrenheit、キャッチーでシンガロングを誘うコーラスもある⑤Buried Alive、哀しく切ないバラード⑥The Voice You Need To Hear、退廃的なムードと美旋律の対比が見事な⑩Ashlight辺りでしょうか。一度聴いただけで圧倒されるようなキラーチューンこそないものの、バンドに期待するものをしっかりと提示してくれた1枚だと思います。

人間椅子「黄金の夜明け」(1992)

  • 2023/09/05(火) 00:00:00

黄金の夜明け
【No.575】
★★★(2023)

青森出身のスリーピース・ハードロックバンド人間椅子の3rdアルバム。おどろおどろしく不気味な雰囲気を醸し出していた1st「人間失格」(1990)、デビュー作のスタイルを踏襲しつつも比較的ストレートなサウンドだった2nd「桜の森の満開の下」(1991)に続く今回のアルバムは重厚かつ深遠な作風となっていてバンドの成熟振りが窺えますね。ただし一度聴いただけで耳を捉えるキャッチーなメロディは多くなく全11曲の約半数にあたる5曲が7分越えで、過去作品以上にプログレッシブロックからの影響が感じられることもあり⑤「水没都市」、⑪「狂気山脈」を始めとして聴き込むほどに味わいが増すスルメ盤という印象が強い作品です。ちなみにアルバムタイトルはイギリスで実在した秘密結社「黄金の夜明け団」から取られており、漫画家の大越 孝太郎が手掛けたアートワークもハマっていますね。

ダークでありながら厳かな雰囲気も漂うリフで幕を開け鈴木 研一(B、Vo)の胡散臭いボーカルから聴衆を煽る演説のような和嶋 慎治(G、Vo)のパートへ至る流れや、夜明けの情景が目に浮かぶ中盤の静寂パートを経て劇的に盛り上がるラストの展開が秀逸なタイトル曲①「黄金の夜明け」からしてバンドがスケールアップしていることを感じさせてくれます。その後も短歌を引用した五七五のリズムによる歌詞が和テイストを放つ③「平成朝ぼらけ」、体調不良のため癌を疑う津軽弁の歌詞が終盤には「リズム感の悪いベーシストの自分がバンドのガンなのではないか」と心配する内容に変わっていて面白いナンセンスソング第3弾④「わ、ガンでねべが」などは人間椅子ならではのナンバーですね。また中盤以降も強力でザクザクとスラッシーに刻むギターを軸とした突進力と緩急のある曲展開がスリリングな⑥「幸福のねじ」、退廃的なムードの中で呪文のように繰り返される「マンッ…ドォォラ、ゴォラのはっな〜♪」のサビが耳から離れないスローチューン⑦「マンドラゴラの花」、アコースティックギターが奏でる演歌風の泣きのメロディが胸に沁みるインスト⑧「素晴らしき日曜日」、無言電話に悩まされる男の苦悩を恐怖感の中にコミカルさも交えて表現した⑩「無言電話」などが気に入っています。

本作の特徴は歌メロ以上にリフワークが素晴らしく、そちらの方に耳を奪われる場面が多いことでしょうか。その強みが存分に発揮されている⑨「審判の日」を筆頭に、バンドが敬愛するBLACK SABBATHの代表曲Paranoidを思わせるフレーズで始まるアップテンポ②「独裁者最後の夢」、曲名通りネジでこねくり回したようなサウンドで聴き手を貫くシングルカット曲⑥、電話の呼出音を模したギターが焦燥感を煽る⑩もリフが楽曲の魅力を増幅させていますね。個人的にはもう少しわかりやすいメロディが欲しいところですが、ファンの間では本作をバンド初期(またはキャリア全般)の最高傑作にあげる声も少なくないようでそのような高評価を受けていることにも納得できるほど濃密な1枚となっています。なおデビュー当初からバンドの屋台骨を支えてきた上館 徳芳(Ds)が本作を最後に脱退しています。

【音源紹介】
「黄金の夜明け」

【気になる作品リスト】2023年9月

  • 2023/09/01(金) 00:00:00

MEGALOMANIUM.jpg
ECLIPSE「MEGALOMANIUM」(2023)9月1日発売

エネルギッシュで溌剌とした良質のハードロック作品を2年毎に届けてくれているECLIPSEの9作目。今回もこのバンドらしさ満載の逸品となってそうなのでECLIPSEファンは勿論、メロディックロックのリスナーならば聴いておいて間違いはなさそうです。

The Hardest Part Is Losing You
Hearts Collide
Got It!

FOLLOW THE BLIND MAN
JELUSICK「FOLLOW THE BLIND MAN」(2023)9月29日発売予定

Magnus Karlsson(G/FREE FALL、PRIMAL FEAR etc)、Michael Romeo(G/SYMPHONY X)らと共演した経験もある若手実力派シンガーDino Jelusick(ex-ANIMAL DRIVE)JELUSICKというソロ名義でリリースする初めてのアルバム。先行音源はいずれもDinoのパワフルかつディープな歌声が映えるモダン・メロディックメタルとなっていて聴き応えがありそうです。ちなみに本作は元々ANLMAL DRIVEの2ndとして発表予定だったものの所属レーベルのFRONTIERS RECORDSと一悶着あったようでバンドは解散、その後ESCAPE MUSICに移籍しバンド名も変更して完成に至ったアルバムのようですね。

Healer
Reign Of Vultures
Fly High Again
The Great Divide

色即是空
人間椅子「色即是空」(2023)9月6日発売予定

現在このブログで過去作品を1stアルバムから順番に取り上げている人間椅子の23枚目となるアルバム。長いキャリアを持つバンドながら、コロナ禍にも負けずコンスタントに作品を届けてくれる姿勢には頭が下がりますね。この記事を書いている時点でアルバム収録曲は公開されていませんが9月の新譜では一番楽しみにしています。

【気になる作品リスト】
AMARANTHE「CATALYST」(2024)2月23日発売予定NEW
Find Life
Damnation Flame

ANGRA 「CYCLES OF PAIN」(2023)11月1日発売予定
Ride Into The Storm

ARCTIC RAIN「UNITY」(2023)
Fire In My Eyes
Unity

ASHRAIN「REQUIEM RELOADED」(2023)
Put On The Trigger
I Still Burn

BEYOND THE BLACK「BEYOND THE BLACK」(2023)
Reincarnation
Is there Anybody Out There?
Winter Is Coming
Dancing In The Dark

CYHRA「THE VERTIGO TRIGGER」(2023)
Ready To Rumble
Life Is A Hurricane
If I
Ashlight

THE DARK SIDE OF THE MOON「METAMORPHOSIS」(2023)
The Gates of Time
Double Trouble / Lumos! (Hedwig's Theme) feat. Rusanda Panfili
May It Be feat. Charlotte Wessels
Jenny of Oldstones
Legends Never Die

ECLIPSE「MEGALOMANIUM」(2023)9月1日発売
The Hardest Part Is Losing You
Hearts Collide
Got It!

FROZEN LAND 「OUT OF THE DARK」(2023)
King's A Bitch
Senorita

JELUSICK「FOLLOW THE BLIND MAN」(2023)9月29日発売予定
Healer
Reign Of Vultures
Fly High Again
The Great Divide

JOEL HOEKSTRA'S 13「CRASH OF LIFE」(2023)
Far Too Deep
Torn Into Lies

KHALIL TURK & FRIENDS「TURKISH DELIGHT VOLUME 2」(2023)NEW
Destiny feat. Andrew Freeman
Higher feat. Marc Storace

METALITE「EXPEDITION ONE」(2024)1月19日発売予定NEW
Disciples Of The Stars
Blazing Skies
Take My Hand
Hurricane

MYSTERY「REDEMPTION」(2023)
Redemption

NIGHTHAWK「PROWLER」(2023)
Running Wild
Free Your Mind
Highest Score

OBLIVION PROTOCOL「THE FALL OF THE SHIRES」(2023)
Forests In Th Fallout
This Is Not A Test
The Fall (Part 1)

PRIMAL FEAR「CODE RED」(2023)9月1日発売
Another Hero
Deep In The Night

REVOLUTION SAINTS「EAGLE FLIGHT」(2023)
Eagle Flight
Need Each Other
Talking Like Strangers
Crime Of The Century

RONNIE ATKINS「TRINITY」(2023)10月13日発売予定NEW
Trinity

SERENITY「NEMESIS AD」(2023)10月27日発売予定NEW
Ritter, Tod und Teufel (Knightfall)
The Fall Of Man feat. Roy Khan

SEVENTH CRYSTAL「WONDERLAND」(2023)
Higher Ground
Wonderland

SMACKBOUND「HOSTAGE」(2023)
Change
Imperfect Day

STEEL PANTHER「ON THE PROWL」(2023)
Never Too Late (To Get Some Pussy Tonight)
1987
Friends With Benefits

TEMPERANCE 「HERMITAGE - DARUMA’S EYES PT.2」(2023)10月20日発売予定NEW
Daruma feat. Arjen Anthony Lucassen

T3NORS 「NAKED SOUL」(2023)
April Rain
Set Fire To The Rain

TIMO TOLKKI'S STRATO「RETURN TO DREAMSPACE」(2023)12月15日発売予定

WIG WAM「OUT OF THE DARK」(2023)
Out Of The Dark
High n Dry
Forevermore

WITHIN TEMPTATION「BLEED OUT」(2023)10月20日発売予定NEW
Entertain You
The Purge
Shed My Skin feat. Annisokay
Don't Pray For Me
Wireless
Bleed Out

ZIGGY「SO BAD, IT'S REAL」(2023)
トレイラー

小野 正利「THE TIES OF AFFECTION」(2023)9月13日発売予定
「夏と冬」

人間椅子「色即是空」(2023)9月6日発売予定

【現在の愛聴盤】半袖セミナー「バーニングセミナー・オブ・ストロングファイアー」(2022)

  • 2023/08/25(金) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
バーニングセミナー・オブ・ストロングファイアー
半袖セミナー「バーニングセミナー・オブ・ストロングファイアー」(2022)

「観て楽しむハードロック・エンターテインメント」を標榜し、ハードロック界のディズニーランドを目指しているという4人組バンド半袖セミナーが2022年にリリースした6曲入りミニアルバム。バンドのコンセプト的にはネタ/イロモノ感が強いので軽い気持ちで聴いてみたところ、歌詞はコミカルでありつつもサウンド的にはGALNERYUSを思わせるヒロイックなクサメタルとキャッチーなポップソングで構成された充実盤で予想以上にハマりました。GALNERYUSっぽさを感じさせる要因となっているのが小野 正利(Vo/GALNERYUS)に似たヒロムセミナー(Vo)の伸びやかなハイトーンボイスで彼が普通のHR/HMバンドに加入したら面白いことになりそうなシンガーだし、オフィシャルサイトで安っぽい剣を手にポーズを決めるメンバー写真からも初期GALNERYUSや海外のファンタジックメタルバンドからの影響が感じられますね。そんなメタルサイドの核となっているのが②「怪人!厚木伯爵!」で絶大なインパクトを誇る「で、で、出たな厚木伯爵」のサビは一度聴いたら耳から離れません。また⑥ 「衣替え大作戦!」は厚木伯爵に立ち向かう半袖戦士や伯爵の悲しき過去(?)を勇壮なクサメロに乗せて描いたドラマティックチューンで、ラストに②のサビメロが再登場する構成も含めてかなり気に入っています。その一方で一緒に歌いたくなるポジティブで朗らかなサビが秀逸な①「セミナーズハイ」、軽やかなメロディで駆けていく曲名通りのラブソング⑤「三度の飯より君が好き」といったポップサイドも充実しているし、チャーハンへのこだわりが強すぎる男のことを硬派なメタルに乗せて歌う③「男の料理(バーニングVer.)」、適度な疾走感と「燃え燃えキュン!」の歌詞がクセになる④「燃え袖」も含め6曲ともかなり楽しめました。コミカルな要素が強いバンドなので好き嫌いが分かれるかと思いますが、本作は僕好みの楽曲ばかりだったのでフルアルバムがリリースされたら是非ともチェックしたいですね。

【現在の愛聴盤】デラックス×デラックス「千紫万紅」(2023)

  • 2023/08/20(日) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
千紫万紅
デラックス×デラックス「千紫万紅」(2023)

ダンサー2名とDJを含む沖縄出身の7人組パフォーマンスグループ、デラックス×デラックスの1stフルアルバム。まず目を奪われるのがボーカルでリーダーの輝夜 朝蛾王(カグヤ アサガオ)と演奏陣を含めた4名の総体重が540kgを超えるというメンバーの体格です。ゆったりした服装も相まって一見するとマツコ・デラックスが並んでいるかのようなインパクトがありますね。そんな彼等が本作で聴かせてくれるのは昭和歌謡への強いリスペクトが感じられるサウンドでの②「フライディ・チャイナタウン」(泰葉)、④「真夜中のドア 〜Stay with Me」(松原 みき)、⑤「かもめが翔んだ日」(渡辺 真知子)、⑪ 「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」(荻野目 洋子)の4曲をカバーしています。アルバム全体で見てもカバーソングか浮いてしまうことなくオリジナル曲の中にうまく溶け込んでいるし、懐かしさを感じさせつつも今風のサウンドに仕上がっているのがいいですね。また情念のこもった低音から儚さを感じさせる高音までを駆使するアサガオの歌声による恋愛を題材とした女性目線の歌詞も音楽性にマッチしていると思います。お気に入りは光GENJIのヒット曲「ガラスの十代」を思わせるサビで始まる①「ラララブラ 〜愛の呪文〜」、シティポップという表現がピッタリのオシャレで切ない③「ヨバナシのテーマ」、フックのあるメロディをパンキッシュに料理した⑦「女心ミステリヰ」などですね。またノスタルジックな空気が漂う⑧「イケズなやつさ」、⑨「嘘とアイスコーヒー」からアルバム中最速の⑩「アナタに首ったけ」を経て繰り出される前述のカバー曲⑪と⑫「恋してよDISCO」、⑬「一夜一夜に人見頃」というダンスチューン3連発もあって終盤は加速度的にテンションが上がっていきます。昭和歌謡は僕の音楽的ルーツのひとつなので、令和の時代にこの手のサウンドを聴かせてくれるバンドが登場してくれたことが嬉しいですね。

【現在の愛聴盤】JAGATARA「ニセ予言者ども」(1987)

  • 2023/08/15(火) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
ニセ予言者ども
JAGATARA「ニセ予言者ども」(1987)

江戸 アケミ(Vo)を中心として1979年に活動を開始、サックスやトロンボーン奏者などを含む大所帯による日本のファンクロックバンドJAGATARAの3rdアルバム。音楽性としてはアフロ、レゲエ、ファンクビートに乗ったロックというスタイルで、僕が普段好んで聴いているアーティストとは異なる方向性でありながら不思議と引き込まれ何度もリピートしています。まず全4曲で約40分というボリュームに驚かされるし、江戸 アケミが魂を込めて歌う歌詞もグサリと胸に刺さりますね。特に素晴らしいのが夕暮れ時の景色を連想させる郷愁たっぷりのホーンセクションから曲を通して刻まれる独特なビートに繋がり「お前の考えひとつでどうにでもなるさ」とポジティブなメッセージを放つ14分の②「みちくさ」、都会の影に潜む寂しさとそこで生活する人が抱く希望を感じさせるサウンドで描く15分のバラード④「都市生活者の夜」の2曲で後者の「昨日は事実 今日は存在 明日は希望」という歌詞が胸に残ります。とにかく楽しげでゴキゲンな曲調とタイトルを連呼しまくる終盤がインパクト大な①「少年少女」、ハードな演奏とボーカルが聴き手に迫ってくる③「ゴーグル、それをしろ」も好きなので曲数は4曲と少ないながら聴き応えは十分で満足度はかなり高いですね。なお中心人物の江戸 アケミが入浴中の事故により1990年に他界したため解散、その後は残されたメンバーが散発的に集結して活動していて直近ではJAGATARA2020名義で音源もリリースしているようです。